JP2006508338A - 炭素−ハロゲン結合の検出 - Google Patents

炭素−ハロゲン結合の検出 Download PDF

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Abstract

【解決手段】ハロ有機化合物の検出及び測定について記載する。医薬産業、フッ素化医薬の研究や製造;各種フルオロ有機化合物の効果の医学的・臨床的研究;各種フルオロ有機化合物に汚染された水や土壌、空気の環境的或いは農業的研究、スクリーニング、分析に利用できる。

Description

発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本出願は、1998年6月29日に出願された米国仮特許出願第60/091,090号、1999年6月10日に出願された米国仮特許出願第60/138,643号、1999年6月29日に発行された米国特許第6,307,625、及び2001年9月5日に出願された米国特許出願第09/947,312号の利益の享受を請求するものである。
背景技術
各種化合物や分子の定量・定性分析は重要である。一分析方法においては、放射性標識等により化学的化合物や生物的化合物を検出する。この場合、放射性物質を用いて化学的化合物や生物学的分子を標識しトレーサを形成する。次に、この放射性の化合物、分子或いはそれらの代謝物を体内で追跡し、そこから出る放射能を観測する。しかしながら、このようなタイプの検出の感度は限られている上、安全策・予防策を要しコストがかかる。
各図を通し、同様の符号は同様の要素を示す。
図1は、金属蒸気レーザを含むラマン機器100を示す。好適なレーザとしては、銅蒸気レーザや金蒸気レーザが挙げられる。ラマン機器100は更に、発生したレーザ放射を効率よく反射するために誘電性の高反射性コーティングが施されたミラー102と、レーザ放射を収集するためのフォトダイオード103とを含む。この機器100は更に、電子ユニット104(例えばストロボ発生器)と、レーザビームの焦点を分析対象の試料106上に合わせる集光レンズ105とを含む(試料106はこの装置の要素ではない)。集光レンズ107及び108は、試料106を通過したビームの焦点を分光計のスリットに合わせるために使用されており、吸収フィルタ109は、ラマン光信号(二次放射)を通過させるために使用される。ラマン機器100は更に、シングル又はダブルのモノクロメータ分光計110と、二次放射の検出器111(例えば光電子増倍管)と、ストロボシステム104により制御されたパルス記録システム112とを含み、任意ではあるがデータの収集・処理及び分光計110の管理のためのコンピュータ113を含むこともできる。分光光度計110は、光電子増倍管111と高感度の(sensitive)光子計数検出器システム112とを備えた、可視及び紫外領域のスペクトル用のシングル、ダブル又はトリプルのモノクロメータとすることができる。高エネルギーレーザ101のパルスは、フルオロ有機試料106を照射すると共に、パルス記録システム112を同期させるためのストローブ・インパルスを発生するデバイス104を動作させる。試料は、平行な窓を有する筒状の石英キュベットに入れることができる(図示せず)。ラマンスペクトルの測定は、シングル又はダブルのモノクロメータ110を用い、入射パルスから90°の位置においてシングルチャネル検出によって行う。照射の際に、試料106からパルス化ラマン放射が発せられると共に、入射ラマンパルスの一部が散乱される。吸収フィルタ109によって散乱放射は除去されるが、パルス化ラマン放射はフィルタを通過して分光計110に達する。信号は光電子増倍された後、同期されたパルス記録システム112に送られる。紫外放射(255.3nm;271.2nm、289.1nm)を得るために、2逓倍結晶(BaB等)や3逓倍結晶を使用できる。
本装置に使用できる好適なレーザ101は、レベデフ物理研究所(Lebedev Institute of Physics)(ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)、ロシア、モスクワ)が設計製造したものである。このようなレーザの一例としては、ロシアで設計されたレベデフ物理研究所製の3ワット或いは10ワットの空冷銅蒸気レーザが挙げられる。本機器100に使用できるストロボ発生器104も、レベデフ物理研究所(ロシア科学アカデミー、ロシア、モスクワ)で設計製造されている。分光光度計110は、任意の標準的なモノクロメータ、或いはJobin−Yvon U1000ダブルモノクロメータラマン分光計等の市販品とすることができる。分光光度計は、下の図2〜図8に示すようなフルオロ有機化合物のスペクトルを測定できるように変更できる。光学フィルタはGUI−6吸収光学フィルタとすることができる。モノクロメータはMSD−2モノクロメータとすることができる。光電子増倍管111はFEU−106光電子増倍管とすることができる。
金属蒸気レーザ101が発する励起光は、試料106の前に置かれた光学吸収フィルタ109により減衰される。フィルタ109は、試料へ向かう励起光を制限するのに使用されている。スペクトル範囲が200〜400nmの場合、フィルタ109はGUI−6等の紫外フィルタとすることができる。360〜480nmの場合は、フィルタはBG−12等の青色波長フィルタとすることができる。GUI−6フィルタとBG−12フィルタはAGFAから市販されている。このルミネッセンススペクトルはこのフィルタ109の透過率を許容するように標準化する。
パルス化金属蒸気レーザ101は、連続波のアルゴンレーザやヘリウムネオンレーザよりも顕著な利点を有する。パルス化信号の利用により、光分解の発生が顕著に低減されると共に、一次蛍光を簡単に除去できる。更に、レーザ101は、より長波長の励起レーザを使用するラマン分光計に比べ(とりわけNd:YAGレーザの場合の1064nmと比べ)、よりいっそう安価に蛍光が除去される。これは、より長い波長のレーザは、高価なCCD信号検出器を必要とするためコストが高くなるからである。
金属蒸気レーザ101は、市販のNd:YAGレーザラマン分光計の約16倍の信号を提供できる。ラマン振動散乱光はレーザパルス幅(10−8秒)にほぼ等しい短い時間間隔(ゲート)の間に検出されるため、蛍光が除去される。更に、パルス化技法を用いることにより、感度も向上する。
このようにして、パルスレーザ源によって励起された、有機化合物のラマンスペクトルにおける炭素−フッ素結合或いは炭素−フッ素基の対称振動基準モードの強い特性ラマンバンドを確認することができる。C−Fバンドの最適な励起を行うためには、例えば、励起源に対する試料の曝露は10−8秒以上行わなければならない。ラマンスペクトルはこの曝露時間内に測定される。従って、このラマンスペクトルは蛍光による影響を受けずに済む。
このラマン機器100を用いた場合、狭い振動数範囲で起こる炭素−フッ素結合基準モード(振動)或いは炭素−フッ素基の基準モード(回転)の光信号は非常に強く、バンド幅は際立って狭い。「基準モード」という用語は、励起された原子が対称振動している状態をいう。炭素−フッ素結合に特徴的な放射は500〜800cm−1の領域において検出できる。フルオロ有機化合物に通常見られる950〜1400cm−1の領域における他の放射も検出できる。
炭素−フッ素結合の赤外吸収の振動数範囲としては1000cm−1〜1400cm−1が知られている。上述の範囲とは異なるこのようなバンドは有用であり、この機器によって検出される各種炭素−フッ素基を確認するのに使用できる。しかしながら、これら赤外吸収は、上に述べたようにフルオロ有機化合物内の他の官能基の干渉を受けるものである。
炭素−フッ素結合の種類も同定できる。フッ素と炭素の間の振動(このようなC−F振動は1000〜1400cm−1の赤外において起こる)は測定されない。むしろ、基(芳香族化合物であるヘキサフルオロベンゼン内の炭素−フッ素基やトリフルオロメチル化された化合物(1,3,5−トリス(トリスフルオロメチル)ベンゼン等)内のトリフルオロメチル基等)の完全対称ラマン活性モードの差が検出される。全分子振動基準モードの一部としての炭素−フッ素基の極性の変化も検出される。
レーザ101を、約255.4nmの紫外(UV)領域において強い信号を得るための周波数逓倍(frequency
doubling)に適用することができる。272nm及び289nmのUV信号も得ることができる。試料に紫外線を照射すると共鳴ラマンスペクトルを測定できるが、この信号は通常のラマン信号よりも約10〜10倍強い(10,000〜100,000倍強い)ものである。共鳴ラマン信号を用いると、炭素−フッ素結合を含む化合物は10億分の1(ppb)レベルであっても検出される。この波長における周波数逓倍は、銅蒸気レーザと金蒸気レーザのいずれの場合でも見られる。
図6は、共鳴ラマン分光法用に構成されたラマン分光計200の概略図である。ラマン分光計200は図1のラマン機器100と同様であるが、この分光計200は非線形周波数逓倍結晶4を含んでいる。周波数逓倍結晶はホウ酸バリウムで形成できる。分光計200は追加的にフィルタ14を含むこともできる。
銅蒸気レーザの逓倍周波数は、波長として表した場合、約255nm及び289nmである。272nmにおける結合バンドも有用たり得る。金蒸気レーザの場合は、逓倍周波数波長は約314nmである。下表1に記載の化合物においては、ほぼ全ての化合物が芳香環を有しており、芳香環構造の自己吸収が大きいため共鳴ラマン光信号の増大はほぼ確実である。芳香環は発光周波数とほぼ等しい周波数においてエネルギーを吸収する(自己吸収)。周波数逓倍結晶を用いると、吸収が起こる周波数は510.6nmから255.3nmにシフトし得る。
分光計200は、暗電流と周囲ノイズをかなり抑えることができると共に、感度を向上させる。連続蛍光のバックグラウンドはストローブ−インパルスを用いて抑制することができる。ストローブ−インパルスはレーザ源のパルスと同期されており、検出システムを約10−8秒だけ「開く」。この時間はレーザパルス幅に相当する。よって、分光計200は低レベルのフルオロ有機化合物を検出できる。
炭素−フッ素結合の特性ラマンバンドは、実験結果によると540cm−1〜785cm−1の範囲に見られる。推定目的の場合には、500〜800cm−1の範囲を用いるのが合理的である。
多くのフルオロ有機化合物が製造販売されている。これら化合物の殆どは、医学或いは獣医学における医薬、麻酔、除草剤、殺虫剤、病害虫防除剤として利用されているか、工業分野における中間体として使用されている。図9に市販品として有用な幾つかの化合物の構造を示す。これら化合物には、トリフルオロメチル基の炭素−フッ素結合、芳香族炭素−フッ素結合、ペルフルオロアルキル基が含まれている。
芳香族炭素−フッ素結合は540〜610cm−1の範囲に見られる。例えば、ヘキサフルオロベンゼンは569cm−1、ペンタフルオロピリジンは589cm−1である。
トリフルオロメチル基は710〜785cm−1の範囲に見られる。例えば、1−ブロモペルフルオロオクタンは726cm−1、ペルフルオロデカン酸は730cm−1、トリペルフルオロプロピルアミンは750cm−1、1,3,5−トリス−(トリフルオロメチルベンゼン)は730cm−1、フルオキセチン(Prozac:登録商標)の市販の粉末状薬剤は770cm−1である。表1(キー(Key)ら、「環境科学及びテクノロジー(Environmental Science and Technology)」31:2445〜2454,1997参照)にトリフルオロメチル基を含む市販のフルオロ有機化合物を記載する。これら化合物の殆どは芳香環を有しているため、共鳴ラマンを観測できる。例えば、Prozac(登録商標)は図5に示すように770cm−1にシャープで識別可能な信号を示す。
Figure 2006508338
トリフルオロメチル基が存在しない場合、ジフルオロメチレン基が690cm−1を中心とした範囲に測定される。例えば、日本、ロシアにおいて開発された代替血液の成分であるペルフルオロデカリンが挙げられる。
特定の実施形態においては、ラマン分光は1−ブロモペルフルオロオクタン(C17Br;BPFO)、多結晶ペルフルオロデカン酸(C19COOH;PFDA)、1,3,5−トリス−(トリフルオロメチル)−ベンゼン(C(CF;TTFMB)、或いはフルオキセチン(Prozac:登録商標)に対して行うことができる。最初の化合物(C17Br)は代替血液中で酸素を運ぶものの一候補である。2番目の化合物(C17COOH)はペルフルオロオクタン酸(PFOA)の類似体であるが揮発性はより低い。PFOAは、職場でPFOAに曝されていた作業者の組織内に見つかっている。3番目の化合物(C(CF)はトリフルオロメチル基内の炭素−フッ素結合を含む。C(CFは、医薬や除草剤、病害虫防除剤として現在市販されている多くの有用な化合物(そのうちの幾つかを表1に示した)の類似体である。フルオキセチン(Prozac(登録商標);C1718NO)はトリフルオロメチル基を含む医薬であり広く処方されている。
更に別の実施形態では、共鳴ラマン分光はペルフルオロデカリン(C18、PFD)や1−ブロモペルフルオロオクタン(C17Br、BPFO)に対して行うことができる。共鳴ラマンスペクトルを測定するための機器の概要を図6に示す。表1に示す化合物の殆どは共鳴ラマンスペクトルの増大を示すであろう。
液体のC17Br(BPFO)のラマンスペクトル(0〜1500cm−1、)を図2に示す。このスペクトルには730cm−1に非常に強いピークが存在する。C17Brはオクタン(C18)のフルオロ誘導体であり、18個の水素がフッ素原子17個と臭素原子1個に置換されている。更に図2の右上にC18のラマンスペクトルを示す。このスペクトルには730cm−1付近にピークがない。C(CFスペクトルの場合と同様、C17Brの730cm−1のピークは炭素−フッ素結合のサインによるものである。このピークは、炭素−フッ素結合を含む分子、特にトリフルオロメチル基やペルフルオロアルキル基を含む分子の完全対称振動基準モードに起因する。
多結晶C19COOH(PFDA)のラマンスペクトルを図3に示す。前に述べた各種フルオロ有機化合物については、C17COOHの場合、726cm−1に特性ピークが見られた。このピークはC−F結合を含む分子、特にトリフルオロメチル基やペルフルオロアルキル基を含む分子の完全対称振動基準モードに起因するものである。ノナン(C20)のラマンスペクトルを図3の右上に示す。ノナンのスペクトルには、730cm−1付近の特性スペクトル線はない。
(CF(TTFMB)及びベンゼン(C、右上)のラマンスペクトルを図4に示す。これら2種のラマンスペクトルを比較すると、いずれにおいても、ベンゼン環の完全対称振動モードに起因する高度に分離したピークが992cm−1に見られる。992cm−1を超える波数では、ベンゼンの炭素は1178cm−1と1586cm−1に一重線を示すのに対し、C(CFのラマンスペクトルでは1085−1と125cm−1に二重線が、また1376cm−1、1513cm−1及び1637cm−1にスペクトル線が見られる。C(CFと未置換のベンゼンの差は992cm−1より下においてよく分かる。ベンゼンが示すピークは、C−C結合の変角モードに起因する弱い2本だけである。これに対し、C(CFは730cm−1に強いピークを示し、そのピーク強度はC(CFとCに見られる992cm−1に匹敵する。この730cm−1のピークは、この分子に含まれるトリフルオロメチル基の完全対称振動基準モードに由来するものである。
図5のラマンスペクトルは、フルオロキセチン(C1718NO)塩化物(Prozac:登録商標)カプセルの、固体粉末状の内容物のものである。このカプセルの組成については、フルオロキセチン塩化物が含まれていること以外は知られていない。770cm−1の非常にシャープなピークはトリフルオロメチル基の対称振動に起因するものである。芳香環の対称振動は1001cm−1に見られる。
これら4種のフルオロ有機化合物(C17Br、C17COOH、C(CF及びC1718NO)の各ラマンスペクトルには、トリフルオロメチル基或いはペルフルオロアルキル基の分子振動に由来する完全対称振動の強い特性ピークが720〜770cm−1の範囲の振動数に見られる。これらフルオロ有機化合物とその炭化水素類似体のラマンスペクトルを比較すると、690〜770cm−1の範囲に見られた光スペクトルは、これら検討対象の化合物の炭素−フッ素結合に起因するものであることが分かる。
ペルフルオロデカリン(C18)及び1−ブロモフルオロオクタン(C17Br)の共鳴ラマンスペクトルを図7及び図8に示す。これらスペクトルは異なる2つのスケールで示されているが、信号を増強する等の電子的操作は一切行っていない。692cm−1に見られる幅の狭くシャープな光はジフルオロメチレン基(CF)の完全対称基準モードであると考えられる。1−ブロモペルフルオロオクタンは約275nm(ε=50)に弱い紫外吸収最大を示し、共鳴ラマンスペクトルでは730cm−1に光信号があるが、この信号は通常のラマンスペクトル(図2)の光と同じである。
式C2n+2で示される「準線形」或いは「準一次元」フルオロ有機分子鎖、例えばC2n+1内の炭素も同定できる。これら分子は、代替血液内の酸素や二酸化炭素の輸送を行う医薬組成物に使用されている場合が多い。また、これら分子は、他の医薬或いは医学用途で使用されている。これら分子の例としては、C1111(フルタミド)やC1019K(ペルフルオロデカン酸カリウム)が挙げられる。
異なる置換基を有する、多くの線形又は準線形のフルオロ有機化合物も同定できる。例えば、分子内の水素原子がフッ素原子に置換されて形成されたフルオロ炭素化合物が更に置換されたものが挙げられる。好適な化合物としては、各種麻酔剤や下表2に記載したものが挙げられる。
2n+2分子は共振子としてモデル化できる。炭化水素鎖の炭素数(「n」)が比較的大きい場合は、分子の長さはnに反比例する。フルオロ有機化合物には縦音響モード(LAM)と縦光学モード(LOM)の振動数シフトが起こる。これらシフトは分子鎖内の炭素数に依存する。
約488.0nmのアルゴンレーザ或いは約510.5nmの銅蒸気レーザを用いてラマンスペクトルを得た。レーザパワーは約100mWとした。格子の位置を確認できるコンピュータ化されたDFC−24記録分光計(1cm−1スリット幅)を用いた。試料は透明の液体或いは白色の結晶性粉末であった。液体試料には、窓が平行で蓋を密閉嵌合できる石英キュベットを用いた。ラマン測定は入射から90°の位置で行った。
図11は、C2n+1Brの0〜1400cm−1の領域におけるラマンスペクトルを示す。全てのラマンスペクトルにおいて719〜730cm−1にシャープなピークが見られた。このピークはCF結合の完全対称基準振動に起因するものである。図12は、nが増加すると最大ピークが線形的に増加することを示す。これから、ピーク強度は分子長に依存することがわかる。
図12は、0〜500cm−1の領域に大きなピークがあり、200〜300cm−1の領域に重複するバンドがあることを示す。n=6、7、8では、測定した低振動数バンド(LAM)には数成分が含まれていた。n=9、10、14では、このバンドはスプリットしなかった。C14〜Cでは、測定されたピーク信号は単一であったが、C〜Cではピークがスプリットし始めた。
図12及び図13は、C2n+1Br化合物のラマンスペクトルの低振動数LAM領域80〜150cm−1及び高振動数LOM領域700〜750cm−1は分子鎖内の炭素数に依存することを示す。LAMの振動数はnの増加に従い減少する(図12)が、LOMの振動数はnの増加に従い増加する(図3)。
図15及び図16はいずれもフルオロ有機化合物混合物のラマンスペクトルであるが、CF結合に特徴的なスペクトル領域と低振動数領域LAMのラマンスペクトルである。約2%を超える濃度においては、これらのラマンピークはこの種のフルオロ有機化合物のものであると同定できた。
下表2に、LAM及びLOM振動数範囲におけるC122n+1Brのラマンスペクトルデータを示す。
Figure 2006508338
各種フルオロ有機化合物混合物のラマンスペクトルを比較すると、測定されたシフトは分子の長さに依存していることが分かる。振動の音響及び光学モードは分散法則に従い次のように表すことができる。
ωacoustic=2(S/a)×sin(ka/2) (1)
ωoptical=ω −4(S/a)×sin(ka/2) (2)
(式中、ωacousticは音響モードの振動数;
ωopticalは光学モードの振動数;
kは2π/λ(式中λは波長)の値を有するベクトル;
aは分子鎖の原子間距離;
Sは音響伝播速度である。)
分子鎖長が有限であって所定の限界値に入るものの場合には、ベクトルkと振動数ωacoustic及びωopticalは別個の様々な値をとることができる。音響振動数と光学振動数のシフトを用いてこの振動数シフトに対するCF分子の長さCFをプロットすれば、フルオロ炭素分子混合物中の準線形分子の分子長(「L」)を推定できる。従って、振動数の最小値は次のように計算できる。
音響モードLAMにおいてf=ωacoustic/2πであるので、
acoustic=2(S/2πa)×sin(ka/2)≒(S/πa)×(πa/2L)=(S/2L) (3)
但し、L>>a、kmin=π/Lである。
光学モードLOMにおいてf=ωoptical/2πであるので、
optical =f −4(S/4π)×sin(πa/2L)≒f −S/4L (4)
但し、Lは分子の長さである。
υ=ω/2πc、υ=ω/2πc、kmin=π/L(式中υ及びυは波数、cは光速)とすると、音響(υacoustic)及び光学(υoptical)分岐の分子長(L)の波数依存性は次のように計算できる。
υacoustic=(S/πac)×sin(πa/2L) (5)
υoptical =υ −(S/π)×sin(πa/2L) (6)
図14は、C2n+1Br(n=6、7、8、9、10、14)のラマン振動数実験値を丸で示したものである。この振動数実験値は、図11〜図13に示すスペクトルの値を示す。また、図14の実線は振動数計算値であり、上のスペクトル値と合致している。これらの計算ではL=na/2(式中、nは炭素数(6、7、8、9、10、14等)と仮定している。振動数実験値と振動数計算値を比較すると、この好ましい方法を用いれば、種々のn値に対する実際のラマン振動数を正確に計算できることが分かる。
各種フルオロ有機化合物の「準一次元」分子において分子長のラマン信号依存性が確認された。分子長が大きくなるに従い、CFの高振動数(光学)モードLOMは線形的に増加し、低振動数(音響)モードLOMは減少する。従って、光学振動数モード及び音響振動数モードを変化させることにより、混合物中の分子種の長さを概算できる。
図17は一実施形態における機器300を示す。機器300は、パルス化レーザ等時間隔的(アイソクロニックisochronic)ラマン分光法(「PLIR」)、パルス化等時間隔的表面増強ラマン分光法(「PLISERS」)或いはパルス化レーザ等時間隔的蛍光(「PLIF」)用途に使用できる。PLISERS、PLIF、PLIRの各用途は、紫外(「UV」)、赤外(「IR」)或いは可視(「VIS」)領域で行うことができる。PLIFの場合、試料、生成物或いは生物学的分子を分析するのに機器300を使用できるが、その際はトレーサ或いは蛍光標識として炭素−フッ素(「C−F」)結合等の炭素−ハロゲン結合を用いる。PLIR及び/又はPLISERSの場合は、化学標識或いはラマン(光学)標識としてC−F結合等の炭素−ハロゲン結合を用い、機器300により試料、生成物或いは生物学的分子を分析する。
機器300はレーザ源301を含むが、レーザ源301はパルス化金属蒸気源等のパルス化レーザ源とすることができる。一実施形態においては、レーザ源300のパルス幅は短くすることができる(ナノ秒等)。レーザ源301の平均パワーは約0.25〜3ワットとすることができ、ピークパワーは約10〜25キロワットとすることができる。一実施形態においては、レーザ源301は、可視光銅蒸気レーザ或いは赤外領域の金属金蒸気レーザとすることができる。銅蒸気レーザや金蒸気レーザを用いれば、蛍光を排除したラマン測定を行なうことができる。銅蒸気レーザはラマン散乱の断面積を増加させうる。このようなレーザは時間ゲート装置や時間遅延装置と共に使用でき、各レーザは、C−F結合等の各種炭素−ハロゲン結合の検出において高い特異性を示すであろう。銅蒸気レーザは、信号/ノイズ比を低減させることができ、フェムトモルレベル及び/又はフェムトグラムレベルの検出感度を提供することができる。また、レーザ源301は、管等の動作要素を交換することなく1500時間等、長時間の運転ができるものである。
IR用途の場合は、Nd:YAGパルス化レーザ等の固体パルスレーザを使用できる。レーザ源301は、励起が約510.6ナノメータ〜約578.2ナノメータの密閉型UV或いはVIS銅蒸気レーザとすることができる。別の実施形態においては、炭素−ハロゲン結合を含むオルガノハロゲン化合物、生成物或いは生物学的分子における炭素−ハロゲン結合を検出するのにUV窒素パルス化レーザを使用できる。
一実施形態においては、レーザ波長逓倍後のレーザ源301の励起波長は約255.3ナノメータ以上とすることができる。繰り返し周波数は約10KHz、パルス幅は約10〜100ナノ秒、ビーム径は約14mm、ダイバージェンスは約.5mradとすることができる。
更に機器300は、レーザ源301と組み合わせた結晶302を含むことができる。この結晶302は、UV領域で励起を提供するものとすることができる。好適な結晶はBaB結晶であろう。機器300には、分光計303、例えばシングル、ダブル或いはトリプルのモノクロメータを含めることもできる。分光計303はUV領域やVIS領域で使用するのに好適であろう。分光計303の代わりに干渉フィルタを使用することもできる。分光計303は、約25〜50ミクロンのスリット(1200〜2400ライン/mmの溝)を有し、ステップモータ等の駆動制御装置等の制御装置312を備えたものとすることができる。機器300は更に、一以上のファイバ305と試料ホルダ302とを含むことができる。ファイバ305は光ファイバとすることができる。ファイバ305はファイバの束とすることもできる。ファイバ305は分岐する(即ち、一以上の分岐を有する)ことができ、ファイバ305の各分岐の端部には、試料から発せられた二次光を感知するためのプローブ317を結合させることができる。プローブ317とファイバ305は石英製とすることができ、これらはVIS放射或いはUV放射を試料に伝達する。プローブ317は光プローブとすることができ、プローブ317同士の長さは異なっていても良い。各プローブの遅延時間は異なっていても良く、これについては後に述べる。
一実施形態においては、UV用途の場合、光源301からの光のうち適切な波長の光が結晶302を通過する。結晶302からのアウトプットは、ビームの焦点を試料に合わせるためのデバイス315(誘電性ミラー等)を通過する。VIS領域での使用の場合は、光源301からの信号は直接試料に当てることができ、結晶302は必要ない。レーザ源301からの放射に曝露されると試料は二次光を発し、この光は一以上のプローブ317によって感知される。ファイバ305はこの光を分光計303の入口に送る。
次に、分光計303に導かれた光は検出器304(光電子増倍管等)に送られる。検出器304も、約200〜800nmの範囲で動作するように構成されたCCDとすることができる。検出器304はUVでもVISでも使用できる。検出器304に電源305を連結し、これにより検出器304に電圧を供給することができる。電源305はサイラトロン装置等とすることができる。次に、検出器304からの信号は増幅器309(ストロボ増幅器等)に送られ、増幅器309は光を伝達して、データ処理装置310によってデータを処理する。
デバイス315は更に、レーザ源301からのビームの一部をフォトダイオード306に向けて放射を収集するためのスプリッタを含むことができる。次に、この放射を時間ゲート装置307と時間遅延装置308とに通過させ、デバイス310を検出器304と同期させるためのストロボパルス308a等のパルスを発生させる。時間遅延装置及び時間ゲート装置は検出感度を増大させると共に、蛍光やレイリー光の殆ど完全な除去を可能とする。
一実施形態においては、時間遅延装置308及び時間ゲート装置308を用いて、約1〜10nsの時間ゲートによって約0〜200nsの範囲の時間遅延を提供することができる。時間遅延装置308が提供する時間遅延は0〜100msとすることができる。測定するスペクトル範囲は約0〜3000cm−1とすることができる。また、約500〜900cm−1において特徴付けられる特定の炭素−ハロゲンのために、機器301のタイミング調整を行うことができる。
一実施形態においては、ファイバ305及び/又はプローブ317は、ラマン、共鳴ラマン、表面増強ラマン、表面増強共鳴ラマンサインを得るために使用でき、またUV領域やVIS領域における1D−、2D−、3D−ラマン測定を高レベルの感度で行うために使用できる。感度は約10−15グラム以下とすることができる。PLISERS用の場合は、光ファイバプローブ(図20)を使用できる。
一実施形態においては、デバイス310により、機器300が、試料から発せられた蛍光の前に試料からのラマン光を測定するようにさせることもできる。別の実施形態においては、ラマン光の後に蛍光を測定することができる。また、デバイス310は、比較や同定のため、各種化合物、分子、生物学的生成物、その他の試料の原料等の特性を保存することができる。
2D−、3D−測定を行うために、ファイバ305は複数の分岐部を含むことができ、各分岐部は、異なる長さの一以上のプローブ317を有することができる(例えば、UV放射或いはVIS放射を伝送する二分岐、三分岐、多分岐したものを用いることができる)。プローブ317及び/又はファイバ305は試料ホルダ303に異なる位置で結合することができる。この場合の測定は、異なるプローブ長を用い、各プローブ或いは分岐部の遅延時間長を異ならせて行うことができる。ラマン2D−、3D−マッピングの空間分解能は、ファイバ及び/又はプローブの径やレーザ幅に依存するであろう。
図19は機器500を示す。機器500は、機器300と同様ではあるが、更に試料ホルダ502とステップモータ520とを含むことができる。ステップモータ520は試料ホルダ502と結合することができ、これにより試料ホルダ502を移動させる。機器500はファイバ305と同様のファイバ505を更に含むことができる。ファイバ305には一以上のプローブ512を結合することができる。試料ホルダ502が保持する試料の数は任意とすることができ、用途により試料の形状、大きさを変えることができる。一実施形態においては、試料毎に専用のプローブを用いることができる。別の実施形態においては、プローブの数を試料の数より少なくすることができる。
図20は、PLISERSに用いるプローブ512の一実施形態を示す。プローブ512は、レーザ源と連結することができ、研磨されたチップ513を有することができる、このチップ513は一以上の貴金属アイランド(白丸で示す)514で覆うことができる。黒丸515は分析対象の試料の分子を示す。プローブは試料に近接して位置決めすることができ、この貴金属含有物に近接した位置において表面増強ラマン分散が発生しうる。試料からの光はプローブ512を介してファイバ505に送られる。
図18は機器400を示す。機器400は機器300と同様であるが、試料に向けて配置した或いは試料から逸れる方向に角度をつけた狭帯域フィルタ等のフィルタ403を更に含むことができる。フィルタを通過した光はデジタルカメラ等の画像化デバイス404を用いて検出される。一実施形態においては、デバイス404はデータ伝送デバイス415(IRトランスミッタ等)を含むことができる。このデバイスは更に、スペクトルデータを保存するためのメモリ414を含むことができる。デバイス404は、更に望遠レンズ425を含むことができ、フィルタ403から或る距離、例えば1〜3mに位置決めすることができる。機器400は更にコントローラ426(ステップモータ等)を含むことができる。
各種有機フッ素化合物は、炭素−フッ素(「C−F」)結合等の炭素−ハロゲン結合の特性ラマンサインを用いて分析することができる。用途(PLIR、PLIF或いはPLISERS)に応じて機器300、400、500の内の一以上を使用できる。溶液や混合物の場合、C−F結合のサイン放射の強度は有機フッ素化合物の濃度に直接比例するであろう。時間遅延装置と時間ゲート装置とを用いれば、不純物その他の分子群を抑制し或いはこれら分子群をC−F結合の特性サインと差別化して、他の成分を分析することができる。この分析は、有機フッ素化合物全体やその断片の存在を検出するというよりはむしろ、特性ラマン信号によりC−F結合を検出することにより行うことができる。一実施形態においては、このような分析は、マーカーバンドの強度を測定することにより化合物或いは分子の濃度を測定するのに使用できる。この場合、C−F結合の相対的なラマン強度は、化合物の濃度に直接的に比例するであろう。
機器300、400、500はPLIRスペクトルを得るのに用いることもできる。例として、図21及び図24に2種の固体フルオロアミノ酸(即ちm−フルオロ−DL−フェニルアラニン及びm−フルオロ−DL−トリプトファン)のPLIRスペクトルを示す。このようなアミノ酸は、ペプチド或いはタンパク質に組み込まれている場合でも検出できる。他の例としては、5−フルオロウラシル(図22)や5−フルオロピルビン酸(図23)等のフッ素化化合物が挙げられる。
図25は5−フルオロウリジンのPLIRスペクトルである。これは、ダブルモノクロメータ、パルス化銅蒸気レーザ(励起波長510.6nm、平均パワー100mW)で構成した機器400を用いて記録できる。このスペクトルでは、約700cm−1にC−F結合の特性サインがある。
各種フッ素化或いは非フッ素化生物学的分子や各種試料のPLIFスペクトルも、機器300、400、500の内の一以上を用いて得ることができる。例としては、異なる遅延時間で測定したm−フルオロ−D−チロシンの水溶液(1mg/L)のPLIFスペクトル(図28)や、同様に異なる遅延時間で測定したその天然の類似体D−チロシン(lmg/L)水溶液のPLIFスペクトル(図27)が挙げられる。その他の例としては、ガラス面上の5−フルオロウリジン(60fg)の固体膜(スポットサイズ100ミクロン)(図32);ナフタレン(遅延0)とC21N(遅延50ns)(図26);F修飾トリプトファン(遅延時間0)(図34);5−フルオロウリジンのミクロンサイズの固体粒子(図31);lmg/Lの5−フルオロウリジン水溶液(図30);様々な遅延時間で測定した異なる濃度のF修飾m−フルオロ−D−チロシン及び通常のD−チロシン(図28及び図33);様々な遅延時間で測定したニワトリDNAの10−6g/mL溶液(図29)が挙げられる。
別の実施例においては、天然の大豆と遺伝子組み換えを行った変性大豆のPLIFスペクトルを遅延時間約0〜50nsで記録できる(図37及び図38)。遺伝子組み換え大豆と天然の大豆のPLIFスペクトルの差も測定できる。特に、遺伝子組み換え大豆の蛍光強度は組み替えを行っていない大豆よりも高く、最大蛍光信号はシフトし、その結果曲線の形状も変化する。ラマンスペクトルでも変性大豆と未変性大豆のスペクトルの差を示す。
微生物は、現場、土壌、開放大気や環境大気中においてフィルタ等による回収物を用い直接検出できる。更に、水や食品、血清、生物学的流体中の微生物はPLIR、PLIFスペクトルデータを記録することにより検出することができる。例として、図35及び36にバチルス・チューリンゲンシス(Bacillis Thurigiensus)及びバクテリウス・チューリンゲンシス(Bacterius Thuringeinsus)のスペクトルをそれぞれ示す。このデータは、デバイス310等のデータ処理装置に予め記録されているスペクトルライブラリと比較することができる。ラマンモードにおけるバックグラウンドや蛍光干渉を抑えるために時間ゲート装置や時間遅延装置を用いることができる。混合物中における種々の減衰パターンから微生物を他の微生物と区別したり、ある微生物株を他の株と区別したりするのに、蛍光スペクトル及び共鳴ラマンスペクトルを用いることができる。
一実施形態においては、微生物及び/又はウイルスを、種々の少量のハロゲン化或いはフッ素化アミノ酸、ヌクレオチド或いはフッ素化塩基を含有する成長培地で培養するときにC−F結合等の炭素−ハロゲン結合の検出を行うことができる。成長の間、C−F結合は微生物やウイルスのタンパク質及び/又は核酸に標識として取り込まれるであろう。このため、異なる特性パルス化ラマンスペクトル、パルス化蛍光スペクトルが得られ、非標識の微生物或いはウイルスのスペクトルと比較できる。パルス化ラマンモードとパルス化蛍光モードにおけるC−F修飾スペクトルの変化を、これら微生物或いはウイルスの株を区別するのに使用できる。
別の実施形態においては、炭素−ハロゲン標識されたバイオプローブ、例えば一以上の炭素−ハロゲン結合を含むDNA/RNAプローブ、ペプチド、タンパク質、モノクローナル−、組換え抗体、アプタマー、ミラー−、フォト−アプタマー(BrdU等)、リボザイム、アンチセンス分子等は、細胞内、微生物/ウイルスの表面或いはこれらの溶解物内の標的分子とハイブリダイズ或いは結合させることができる。或いは、バイオプローブは、各ウイルスや微生物に特徴的な特異的核酸やタンパク質を用いてハイブリダイズ或いは結合させることができる。
C−F結合等の一以上の炭素−ハロゲン結合をバイオプローブに取り付ける或いは組み込むことができる。バイオプローブは核酸或いはタンパク質とすることができる。記録されるスペクトルは、C−F修飾されたバイオプローブの特性スペクトルとすることができ、これを単一の試料に用いるか或いは多重分析(Multiplex analysis)に用いることができる。結合或いは未結合のC−F修飾バイオプローブのスペクトルは機器300等の機器を用いて得ることができ、この場合ラマン強度の差と起こりうるラマンシフトを示す。この検出は定量分析に用いることができる。C−F結合の特性信号は、関連するラマンC−Fピークが分析物の濃度と直接比例するため、定量することができる。
図39はC−F修飾されたバイオプローブのスペクトル例を示す。図40は未修飾の生物製剤のスペクトルを示す。図41はハイブリダイズした或いは結合した状態のC−Fバイオプローブのスペクトル例を示す。
一実施形態においては、侵襲的或いは非侵襲的な用途において、機器300、400、500を用いてラマンスペクトルを得て、疾病組織や正常組織、生検材料、細胞を特定することができる。この機器を手術用具(光ファイバプローブやメス、カテーテル等)と組合せて或いは結合して使用すれば、強いバックグラウンド傾向を排除してパルス化ラマンスペクトルとパルス化蛍光スペクトルを記録することができる。別の実施形態においては、炭素−ハロゲンを含む代謝造影剤(フッ素化グルコース等)を用いて、フッ素化グルコース代謝率(turnover)レベルの低い組織との区別化を行うことができる。その他、炭素−ハロゲン標識色素団(F−トリプトファン、F−チロシン、F−ウリジン、チフルオロロイシン等)は、核酸やタンパク質に組み込めば、病状を確認するのに使用できる。得られたスペクトルは悪性か否かの判断に使用することができる。また、異常な細胞や組織を特定するため、他のC−F標識された生物製剤、医薬、代謝物を用いることができる。
別の実施形態においては、ゲノムデータライブラリやプロテオームデータライブラリを用い、C−F標識核酸プローブやC−F標識免疫マーカーにより、検査対象の病気/癌細胞又は組織に特徴的な特定の遺伝子配列及び/又はタンパク質を特定することができる。これら標的は選択でき、また、病気/悪性細胞或いは組織の特定の周知のターゲット分子に結合する炭素−ハロゲンを含む化合物、医薬、或いは生物製剤の合成を選択することができる。標的の遺伝子配列は、炭素−ハロゲン修飾したそのDNA/RNAマッチ鎖、ペプチド、核酸、アンチセンス分子、リボザイムとハイブリダイズすることができる。標的タンパク質は、組織や細胞中においてペプチド、タンパク質、抗体、アプチマーと結合させることができ、また、該タンパク質を分離した後、溶液中或いは表面上のペプチド、タンパク質、抗体、アプチマーと結合させることができる。
非標識の組織や細胞及びこれと適合する炭素−ハロゲン修飾バイオプローブ(C−F修飾バイオプローブ等)の各ラマンスペクトルは、相互反応させる前に予め記録しておく必要があろう。これにより、非標識組織或いは標的分子と各炭素ハロゲン修飾バイオプローブの特定のスペクトルが得られる。この修飾バイオプローブは、各バイオプローブの濃度とC−Fピークの相対強度の間の直接的な相関に基づき定量可能である。反応/ハイブリダイゼーションを行った後、結合したC−F標識バイオプローブ或いは未結合のC−F標識バイオプローブのラマンスペクトルを記録することができる。C−F修飾バイオプローブが結合している場合は、C−F結合のラマン信号は高振動数側にシフトするであろう。
別の実施形態においては、レーザ媒体が銅・金混合金属蒸気、鉛蒸気レーザ或いはバリウム金属蒸気であるレーザ源を用いて病気を診断できる。このようなレーザ源の波長は赤色領域、緑色領域、黄色領域とすることができる。このようなレーザの波長は約500〜800nmとすることができる。機器300、400、500は光ファイバ等から製造されるプローブを含むことができ、疾病特性タンパク質(アルツハイマー病のベータアミロイド等)に特異的に結合するハロゲン化色素団を用いてラマン信号を記録できる。放射は骨を透過でき、疾病細胞と正常細胞で異なる色素団の濃度と直接的な比例関係にある造影剤のC−F結合のラマン信号を測定できる。
複数のレポーターダイ或いはシングルダイを用いて遺伝子コピー数やmRNA発現レベルを測定するために、遺伝子の多重分析を行うことができる。遺伝子定量検討においては、二重鎖DNAに結合する蛍光染料、蛍光原プローブ、蛍光プライマーを用いて増幅中にPCR産物の形成を連続監視する。
一実施形態においては、時間ゲート測定を用い、C−F標識によって蛍光モードにおける発光寿命が異なることに基づきC−F標識を区別することができる。励起フィルタと発光フィルタの固定セットを測定に用いることができ、標識の区別を電子的に行うことができる。
核酸、タンパク質或いはペプチドのパルス化ラマンモードにおける時間に基づくC−F標識の多重分析は、C−F結合、CF結合或いはCF結合による標識に基づいて行われる。これら結合は芳香族化合物、脂肪族化合物N含有化合物に含まれているものとすることができる。C−F化合物とC−F分子のいずれも、パルス化レーザ源で励起した場合、試料或いは媒体の性質とは独立して、特性ラマンサインは500cm−1〜800cm−1にある。また、各種C−F化合物どうしの区別を化合物の化学構造に基づき行うことができる。脂肪族のC−F化合物の場合、各化合物の分子長に基づき区別できる。
機器300、400、500はクロマトグラフィに用いることができる。例えば、溶離液中のC−F結合を検出するために、機器をクロマトグラフィ機器に結合することができる。
上に述べたように、C−F結合等の炭素−ハロゲン結合は、特徴的な領域(500〜900cm−1等)において信号を発するため、PLIR、PLIF、PLISERS用途において標識として使用できる。C−F結合に関連する信号は、高蛍光表面(ナイロン表面や生物学的物質)においても時間ゲート技法或いは時間遅延技法を用いて検出できる。C−F結合の信号は、ウリジン(図25)、トリプトファン(図24)、フェニルアラニン(図21)、ウラシル(図22)等の生物学的分子に結合した後でも維持されている。
PLIF用途においては、C−F結合は、未標識の化合物や生物学的分子とは異なるスペクトルを示す(図30及び図32)。PLIR用途或いはPLISERS用途においては、未標識核酸(DNA或いはRNA)断片は特定のラマン信号を示さない。C−F結合をこのような分子に導入することにより分析の特異性が向上する。PLISERS用途においては、バイオプローブはチップ、ビーズ或いはナノ粒子の表面に結合できる。このようなプローブは、C−F標識されたプローブとのハイブリダイゼーションに用いることができる。金ナノ粒子や銀ナノ粒子を含有するコロイド溶液中にてC−F標識の検出を行うとき、或いは検出をガラス、チップ、ビーズ、ナノ粒子の表面において行う場合は、C−F結合の信号は約10倍に増加する。表面等の支持体やゲル或いは溶液中にて使用した場合でも一又は数個のC−F結合は信号を示す。C−F標識の特性信号は、DNA鎖、RNA鎖、ペプチド−核酸、その他の生物学的プローブ(ペプチド、タンパク質、モノクローナル−、組換え抗体、アンチセンス分子、リボザイム、アプタマー、(オリゴ−)糖或いは脂質等)と結合した後でも維持されている。C−F標識されたプローブは、標的分子とのハイブリダイゼーション或いは結合後に検出することもできる。ハイブリダイゼーション/結合の程度は、結合種と未結合種のC−F信号強度の変化を測定することにより、或いはC−F信号の強度と起こりうるシフトとを測定することにより測定できる。PLIF用途においては、フッ素化蛍光染料と非フッ素化蛍光染料の検出も行うことができる。
医薬や植物の除草剤、植物や動物の病害虫防除剤として用いられるフルオロ有機化合物の分析を行うことができる。代謝物の存在、排泄前の代謝物の存在を測定するための動物の医薬として使用されるフルオロ有機化合物を追跡することができる。用途例としては、医薬の研究開発、医薬臨床検査、医薬製造、医学或いはバイオ医学用途が挙げられる。また、環境を汚染する有機フッ素化合物やその誘導体をナノグラムレベルで検出できる。用途例としては、各種フルオロ有機化合物で汚染された水、土壌、空気の環境分析やフルオロ炭素生成物やその中間体の製造の連続監視等が挙げられる。炭素−フッ素結合を含む誘電体も注目される一領域である。多くのフルオロ炭素冷媒が環境に及ぼす影響のうち最たるものはトリフルオロ酢酸に帰するものであるが、トリフルオロ酢酸は湿地に存在することが環境調査において分かっている。トリフルオロ酢酸や農薬のフッ素化物病害虫防除剤が含まれているか否かについて多数の土壌試料を分析することができる。新規な各種フルオロ有機製剤、除草剤、害虫防除剤の開発のための研究コストも削減できる。
他の炭素−ハロゲン結合の検出に関する用途としては、炭素−塩素、炭素−臭素、炭素−ヨウ素、炭素−アスタチンが挙げられる。
本発明の複数の実施形態を記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく各種変形を行うことができると理解される。上に述べた銅蒸気レーザに基づくラマンスペクトログラフの用途は更に広げることができる。従って、添付の特許請求の範囲には他の実施形態も含まれる。
一実施形態に係るラマン分光計の概略図である。 図1の分光計を用いて測定したC17Br(ブロモペルフルオロオクタン)及びC18のラマンスペクトルである。 図1の分光計を用いて測定したC19COOH(C10HF19;ブロモペルフルオロデカン酸)、C2O(ノナン、炭素水素の一種)のラマンスペクトルである。 図1の分光計を用いて測定したC(CF[1,3,5−トリス(トリスフルオロメチル)ベンゼン]及びC(ベンゼン)のラマンスペクトルである。 図1の分光計を用いて測定した塩酸フルオキセチン製剤のラマンスペクトルである。 一実施形態に係る共鳴ラマン分光計の概略図である。 照射されたペルフルオロデカリンの、ジフルオロメチレン吸収を示す共鳴ラマンスペクトルであり、ペルフルオロデカリン(C1018)の共鳴ラマンスペクトルに処理を加えていないものである。 照射されたペルフルオロデカリンの、ジフルオロメチレン吸収を示す共鳴ラマンスペクトルであり、ペルフルオロデカリンの共鳴ラマンスペクトルに部分的に処理を加えたものである。 図6の分光計を用いて測定した1−ブロモペルフルオロオクタンの共鳴ラマンスペクトルである。 市販品として有用な幾つかのフルオロ有機化合物の構造を示す。 ラマンスペクトルを示す各種化合物の構造を示す。 0〜1500cm−1の領域におけるC2n+1Br(n=6、7、8、9、10、14)のラマンスペクトルである。 低振動数領域LAMにおける分子の単位長に対するラマンスペクトルの依存性を示す。 高振動数領域LOMにおける分子の単位長に対するラマンスペクトルの依存性を示す。 ラマン振動数の実験値を示す。 2n+1Brで示される2種の成分の混合物の、成分濃度が異なる3種について得られた、CF結合のラマン信号を示すラマンスペクトルである。 2n+1Brで示される2種の成分の混合物の、成分濃度が異なる3種について得られた、低振動数領域LAMバンド内の特性ラマン信号を示すラマンスペクトルである。 第1の実施形態における機器の概略図である。 第2の実施形態における機器の概略図である。 第3の実施形態における機器の概略図である。 一実施形態におけるプローブを示す。 m−フルオロ−DL−フェニルアラニンのスペクトルである。 5−フルオロウラシルのスペクトルである。 B−フルオロピルビン酸のスペクトルである。 m−フルオロ−DL−トリプトファンのスペクトルである。 5−フルオロウリジンのスペクトルである。 ナフタレン(遅延時間0)及びC21N(遅延時間50ns)のスペクトルである。 種々の遅延時間におけるD−チロシンのスペクトルである。 種々の遅延時間におけるm−フルオロ−D−チロシンのスペクトルである。 ニワトリDNAのスペクトルである。 5−フルオロ−ウリジン水溶液のスペクトルである。 種々の遅延時間における5−フルオロ−ウリジン固体のスペクトルである。 水溶液蒸発後の5−フルオロ−ウリジン膜の遅延時間0におけるスペクトルである。 D−チロシンの種々の遅延時間におけるスペクトルである。 F−修飾トリプトファン(遅延時間0)のスペクトルである。 バチルス・チューリンゲンシス(Bacillius Thuringiensus)のスペクトルである。 バクテリウス・チューリンゲンシス(Bacterius Thuringiensus)のスペクトルである。 変性大豆の種々の遅延時間におけるスペクトルである。 未変性変大豆の種々の遅延時間におけるスペクトルである。 DNA(RNA)ハイブリダイゼーションF−修飾バイオプローブのスペクトルである。 非標識のDNA(RNA)試料のスペクトルである。 C−F標識されたバイオプローブにハイブリダイズしたDNA(RNA)を示す。

Claims (36)

  1. 少なくとも一の炭素−ハロゲン結合を含む化合物を有する試料を提供することと、
    非連続光源を適用し試料に二次光を発光させることと、
    前記少なくとも一の炭素−ハロゲン結合を示す少なくとも一の等時間隔的スペクトルを検出することと
    を含む方法。
  2. 非連続光源の適用は、試料をパルス化金属蒸気レーザに曝露することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも一の炭素−ハロゲン結合が、C−F結合、CF結合、CF結合及びC−F修飾バイオプローブの内の少なくとも一を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも一の等時間隔的スペクトルの検出は、時間遅延装置を用いて二次光を遅らせることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 非連続光源の適用は、少なくとも一本のファイバを用いて二次光を検出器に伝送することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 非連続光源の適用は、少なくとも一本の光ファイバを用いて二次光を検出器に伝送することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも一の等時間隔的スペクトルの検出は、前記二次光を、試料から出る蛍光に先立って検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 非連続光源の適用は、金属蒸気レーザを適用して少なくとも一の炭素−フッ素結合を検出することを更に含む、請求項3に記載の方法。
  9. 少なくとも一の等時間隔的スペクトルの検出は、試料からのラマン光を検出した後に前記二次光を検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. 非連続光源が、金蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、固体レーザ、銅・金蒸気レーザ、鉛蒸気レーザ、バリウム蒸気レーザ及び電球の内の一を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 非連続光源の適用は、検出器を用いて二次光を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 少なくとも一の炭素−ハロゲン結合が少なくとも一の炭素−フッ素結合を含み、非連続光源を適用することが、前記少なくとも一の炭素−フッ素結合の完全対称振動基準モードを検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 非連続光源が、前記少なくとも一の炭素−ハロゲン結合からのラマン散乱発光を誘発する波長を更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 波長が、約510.6nm,約578.2nm及び約627.8nmの内の一である、請求項13に記載の方法。
  15. 非連続光源の適用は、非連続光源を時間ゲート処理することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. 試料ホルダと
    試料を照射するための非連続光源と、
    試料から発せられた二次光を伝送するために非連続光源に接続された少なくとも一本のファイバと
    を含む装置。
  17. 非連続光源がパルス化金属蒸気レーザを含む、請求項16に記載の装置。
  18. 試料が少なくとも一の炭素−ハロゲン結合を含む、請求項16に記載の装置。
  19. 炭素−ハロゲン結合が、C−F結合、CF結合、CF結合及びC−F修飾バイオプローブの内の少なくとも一を含む、請求項18に記載の装置。
  20. ファイバが、ファイバの束及び光ファイバの内の少なくとも一を含む、請求項16に記載の装置。
  21. 試料から発せられた二次光を検出するためにファイバに接続されたプローブを更に含む、請求項16に記載の装置。
  22. 時間遅延装置を更に含む、請求項16に記載の装置。
  23. 少なくとも一パルス分の時間遅延を一回生じさせるために時間遅延装置に接続された時間ゲート装置を更に含む、請求項16に記載の装置。
  24. 非連続光源が、金蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、固体レーザ、銅・金レーザ、バリウム蒸気レーザ、鉛蒸気レーザ及び電球の内の一である、請求項16に記載の装置。
  25. 非連続光源の波長が約500〜800nmである、請求項26に記載の装置。
  26. 非連続で周期的なパルス化金属蒸気レーザと、
    可視光、赤外光、紫外光用の分光計と、
    二次放射の検出器と、
    レーザ光放射を試料に伝送するためにレーザに接続された少なくとも一本のファイバと
    を含む装置。
  27. 更に別の検出器を含む、請求項26に記載の装置。
  28. 非線形結晶を更に含む、請求項26に記載の装置。
  29. 少なくとも一本のファイバが光ファイバである、請求項26に記載の装置。
  30. 少なくとも一本のファイバがファイバの束である、請求項26に記載の装置。
  31. 少なくとも一本のファイバが多分岐ファイバである、請求項26に記載の装置。
  32. 前記少なくとも一本のファイバに接続されたプローブを更に含む、請求項26に記載の装置。
  33. 時間遅延装置を更に含む、請求項26に記載の装置。
  34. 少なくとも一パルス分の時間遅延を一回生じさせるために時間遅延装置に接続された時間ゲート装置を更に含む、請求項33に記載の装置。
  35. レーザが、金蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、固体レーザ、金・銅レーザ、バリウム蒸気レーザ、鉛蒸気レーザ及び電球の内の一を含む、請求項26に記載の装置。
  36. レーザの波長が約500〜800nmである、請求項26に記載の装置。
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