JP2006507323A - トロンビン阻害剤メラガトランを含む水性医薬製剤、および血栓塞栓症の処置において経鼻投与に使用するための医薬の製造における該製剤の使用。 - Google Patents
トロンビン阻害剤メラガトランを含む水性医薬製剤、および血栓塞栓症の処置において経鼻投与に使用するための医薬の製造における該製剤の使用。 Download PDFInfo
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Abstract
本発明によりトロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤、当該医薬製剤の製造方法、血栓塞栓症の処置における当該製剤の使用、および経鼻投与により当該製剤を使用することによる、抗血栓および血栓塞栓症の処置を必要とする患者における処置方法が提供される。
Description
本発明は、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(以下、メラガトラン)またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤、血栓塞栓症の処置における該製剤の使用、さらに特定の投与経路による前記製剤の使用による当該処置の必要な患者を処置する方法に関する。
血液凝固は、止血(すなわち、損傷した血管からの血液の損失を妨げること)および血栓症(すなわち、血栓による血管の病的閉塞)の両方に関わる鍵工程である。凝固は複雑な連続する酵素反応の結果であり、最終段階の一つはプロ酵素であるプロトロンビンの、活性酵素であるトロンビンへの変換である。
トロンビンは凝固において中心的役割を果たす。それは血小板を活性化し、それはフィブリノーゲンをフィブリンモノマーに変換し、それが自然にポリマー化してフィラメントとなり、それが因子XIIIを活性化し、それが次々にポリマーを架橋し不溶性フィブリンにする。トロンビンはさらに、因子Vと因子VIIIを正のフィードバック反応において活性化する。従って、トロンビンの阻害剤は、血小板の活性化、フィブリンの形成およびフィブリンの安定化の阻害による有効な抗凝血剤として期待される。正のフィードバックメカニズムを阻害することにより、そのような阻害剤は凝固および血栓を導く一連の事象の初期における阻害を生じさせると考えられる。メラガトランは鋭意開発中のトロンビン阻害剤である。
ペプチドまたはペプチド様トロンビン阻害剤は、多くの他のペプチド様物質と同様に、投与した場合に吸収が限定される傾向にある。このことは、酵素的分解、製剤または生物的環境由来の成分と錯体形成する傾向、上皮輸送における制限などの、酵素的および物理的性質の異なる障壁の影響による可能性がある。
活性化合物の望ましい吸収および好ましい薬物動態プロフィールを求める上で、経口、直腸内、口腔内、鼻腔内、肺、吸入経路などの多くの異なる投与経路が可能であり、例えば、具体的にメラガトランの製剤に関してWO96/16671(US5,795,896)に開示されている。
さらに、血漿および/または体組織における有効成分の望ましい治療レベルを維持するために、1日を通して頻繁に医薬的に活性な化合物を投与することが必要かもしれない。これば具体的には、長期間の時間にかけて一様な応答を実現することを意図する場合であり、最も一般的に使用される投与経路は、経口および非経口である。しかし、非経口経路は不便となりうるものであり、経口投与は受容できないほど低いバイオアベイラビリティーをもたらしうる。
経鼻送達は、異なる化合物についての鼻粘膜の透過性に多くの因子が影響を与える可能性がありそのような投与はしばしば魅力に欠けるが、いくつかの薬剤について経口または非経口投与の適した代替である。経鼻投与の潜在的利点は、鼻の上皮組織の高い浸透性であり、鼻腔のかなり広い表面積および相対的に多い血流の結果としてのすばやい吸収である。さらに、自己治療は容易でありかつ簡便である。
本発明の1つの目的は、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む医薬製剤であって、経鼻投与に適し、望ましい吸収特性および好ましい薬物動態プロフィールを実現する前記製剤を提供することである。
適した吸収を達成するために、この治療上活性な薬剤の多くの異なる製剤が可能である。例えば、WO96/19971は、治療上活性な薬剤の強化されたおよび/または変動の少ない吸収をもたらすプラスの効果を得るために、吸収強化剤(限定はされないが例えば界面活性剤、キレート剤、脂質、その他の薬剤およびポリマー)の使用を検討する。
我々は経鼻投与におけるいくつかの吸収強化剤の使用を検討し(実施例の項を参照)、WO96/16671に開示された改善された吸収を確認した。
しかし、このような結果にも関わらず、経鼻投与用製剤に対する強化剤の添加に伴う限定要因として、鼻粘膜に対する潜在的な毒性が挙げられる。鼻吸収強化剤は、非刺激性、非毒性および非アレルギー性であるかまたは少なくとも即座の可逆性効果を有することが求められる。さらに、それらは効果を有し、薬剤および製剤中の他の賦形剤との適合性がありかつ使用される濃度で全身に対して不活性でなければならない。強化剤となりうる剤は、その強化能力および局所的および全身的効果の両方に関しての全体的な安全性プロフィールにおいて受容できることを注意深く評価しなければならない。
しかし、このような結果にも関わらず、経鼻投与用製剤に対する強化剤の添加に伴う限定要因として、鼻粘膜に対する潜在的な毒性が挙げられる。鼻吸収強化剤は、非刺激性、非毒性および非アレルギー性であるかまたは少なくとも即座の可逆性効果を有することが求められる。さらに、それらは効果を有し、薬剤および製剤中の他の賦形剤との適合性がありかつ使用される濃度で全身に対して不活性でなければならない。強化剤となりうる剤は、その強化能力および局所的および全身的効果の両方に関しての全体的な安全性プロフィールにおいて受容できることを注意深く評価しなければならない。
これらの潜在的な欠点を考慮すると、経鼻用製剤の開発には魅力的には見えないかもしれない。これはメラガトランなどの抗凝血化合物にも特に当てはまり、メラガトランは、潜在的に、感受性の鼻腔において好ましくない、または制御できない出血を引き起こすおそれがある。
しかし、健康なヒト男性についての実験項における結果が示すとおり、治療上活性なトロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pabの経鼻投与は、追加の吸収強化剤を使用しなくても、当該治療上活性な化合物を含む医薬製剤において特に好ましいことが今回見いだされた。
従って、発明の一つの側面において、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、経鼻投与により使用される水性医薬製剤が提供される。
別の側面において、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、抗血栓の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤が提供される。
別の側面において、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤が提供される。
本発明のさらなる側面は以下のことを含む:−
抗血栓の処置において経鼻投与により使用される医薬の製造のおける、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤の使用。
抗血栓の処置において経鼻投与により使用される医薬の製造のおける、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤の使用。
血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される医薬の製造における、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤の使用。
トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤を経鼻的に投与することによる、抗血栓の処置を必要とする患者の処置方法。
トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤を経鼻的に投与することによる、処置することを必要とする患者における血栓塞栓症の処置方法。
具体的な吸収強化剤を含まず、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤が本発明により提供される。
トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体、および医薬製剤で慣用の他の成分(但し、追加の吸収強化剤は含まない)を含む、血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤が本発明により提供される。
トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤が本発明により提供される。
ここで記載されている水性医薬製剤は、本発明のすべての側面、例えば使用および処置方法の側面において使用される。
製剤の好ましいpHの範囲は、pH3〜pH8、特にpH4〜pH7、とりわけpH4〜pH6の範囲である。
製剤の好ましいpHの範囲は、pH3〜pH8、特にpH4〜pH7、とりわけpH4〜pH6の範囲である。
経鼻投与のための製剤の好ましいpHの範囲は(例えば、刺激性を回避または減少させるための)、pH4.5〜pH6.5である。
使用される剤形は、好ましくは既知の手法で調製されるメラガトランの水溶液であり、通常、活性物質は製剤の0.1〜99重量%、より具体的には0.1〜50重量%、特に0.5〜40重量%、とりわけ5〜20%(例えば、50および200mg/ml)を構成するであろう。
使用される剤形は、好ましくは既知の手法で調製されるメラガトランの水溶液であり、通常、活性物質は製剤の0.1〜99重量%、より具体的には0.1〜50重量%、特に0.5〜40重量%、とりわけ5〜20%(例えば、50および200mg/ml)を構成するであろう。
メラガトランの好ましい薬量範囲は、5〜400μg/μL、特に6〜360μg/μL、とりわけ25〜150μg/μLの経鼻投与の量において1mg〜9mgのメラガトランである。
本発明の経鼻投与に関して好ましい患者は人間の患者である。
HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab、またはその医薬的に許容な誘導体を含む本発明の医薬製剤は、第一に、動脈および静脈の血栓塞栓症の予防および治療用を意図するものである。例えば炎症および肺線維症などのトロンビン阻害が望まれるその他の疾患状態にもまた本発明は適用される。
HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab、またはその医薬的に許容な誘導体を含む本発明の医薬製剤は、第一に、動脈および静脈の血栓塞栓症の予防および治療用を意図するものである。例えば炎症および肺線維症などのトロンビン阻害が望まれるその他の疾患状態にもまた本発明は適用される。
用語「炎症」は、ここで言及される原因のいずれかにより生じる組織の損傷または破壊により誘導される局部的防御応答により特徴づけられ、熱、腫脹、疼痛、発赤、血管の拡張および/または血流の増加、白血球による患部の浸潤、機能の喪失および/または炎症状態と関連して知られているその他の症状により明らかとなる任意の状態を含むことは当該技術分野の当業者により理解されるであろう。従って、当該用語は、特に、急性、慢性、潰瘍性、特異性、アレルギー性および壊死性の炎症を、当該技術分野の当業者に既知の炎症のその他のすべての形態と同様に含むことは理解されよう。
従って、メラガトランおよびその誘導体は、負傷、ウイルス性または細菌性感染、またはその症状の一つとしての炎症により特徴づけられる疾患に起因する炎症の直接的処置において使用されうる。当該疾患には、リウマチ性関節炎、乾癬、アレルギー、喘息、鼻炎、膵炎、蕁麻疹(uticaria)および炎症性腸疾患などの自己免疫疾患が含まれる。
しかし、メラガトランおよびその誘導体は、好ましくは、血栓性疾患などのトロンビンの阻害が望まれるまたは求められる疾患(例えば、国際特許出願WO97/23499において列記されている疾患を参照のこと)を伴う患者またはその疾患の危険性のある患者の炎症の処置において使用される。当該処置が炎症と血栓性疾患が無関係な患者において行われうるにもかかわらず、我々は当該処置が、炎症が凝固の引き金としての役割を果たす血栓性疾患を伴う患者に行われることが好ましいと考える。例えば、細菌類の存在および/または作用および/またはそれらにより放出される物質、物理的損傷、アテローム硬化性病変およびその他の炎症誘因物質に起因して、炎症は血管壁において生じうる。メラガトランおよびその誘導体は、血栓を有するまたは有する危険性のある患者において炎症の処置のために使用することが好ましい。
疑義を避けるために、ここで使用される用語「処置」は炎症の治療的および/または予防的処置を含む。
用語「肺線維症」(PF)は、(a)肺におけるコラーゲンの堆積、(b)肺の瘢痕化(線維化)(肺胞および間質中を含む)、および/または(c)肺胞壁が重度に肥厚した部位(これらのうちの1以上により、肺の慢性的硬直および/または肺組織における酸素輸送能力の減少が引き起こされる)の1以上により特徴づけられる任意の状態を含むことは当該技術分野の当業者により理解されるであろう。
用語「肺線維症」(PF)は、(a)肺におけるコラーゲンの堆積、(b)肺の瘢痕化(線維化)(肺胞および間質中を含む)、および/または(c)肺胞壁が重度に肥厚した部位(これらのうちの1以上により、肺の慢性的硬直および/または肺組織における酸素輸送能力の減少が引き起こされる)の1以上により特徴づけられる任意の状態を含むことは当該技術分野の当業者により理解されるであろう。
PFは、サルコイドーシス、リウマチ性関節炎、全身性硬化症、強皮症、外因性アレルギー性肺胞症、重度の喘息、全身性肉芽腫症脈管炎および/または成人呼吸窮迫症候群(ARDS)などの炎症性状態により起こりうる二次性線維症であってもよく、またはそれは”特発性“PF(IPF)であってもよい。
用語「IPF」は、内在する症状の原因が未知であるPFのいかなる形態をも含み、および/またはAm.J.Respir.Crit.Care Med.第161巻、第646頁(2000年)の合意された既述において示されている定義を含むと了解されるであろう。当該文献の関連する開示は参照することにより本明細書に援用される。
言及されうるIPFの具体的な形態には、特に、剥離性間質性肺炎(DIP)、急性間質性肺炎(AIP)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患(RBILD)、特発性器質化肺炎(BOOP)、リンパ球様間質性肺炎(LIP)および、特に通常の間質性肺炎(UIP)が含まれる(例えば、Am.J.Respit.Crit.Care Med.第157巻、第1301頁(1998年)を参照のこと)。
治療上活性な化合物HOOC−CH2−(R)Cgl−Aze−Pab、またはその医薬的に許容な誘導体の水溶液を形成し、場合によっては治療上許容なpHおよび等張性にpHを調整してもよく(緩衝剤を使用してもよい、例えば3〜8、好ましくは4〜7または4〜6、例えばpH5)、およびすべての成分を混合することを含む、本発明に従って使用される医薬組成物の製造方法もまた本発明により提供される。例えばHClまたはNaOHを添加することによりpHは調整されうる。
本発明の製剤は追加の吸収強化剤を含まない。しかし、当該技術分野の当業者によって既知の医薬製剤に慣用される他の成分、例えば緩衝剤(例えばK2HPO4:Na2HPO4)、担体、増粘剤および沈降剤(precipitation agent)および等張剤(isotonic agent、例えばNaClなど)はまた本発明の医薬組成物に加えられ得る。経鼻投与に適していれば、水以外の医薬的に許容な溶媒もまた使用されうる。
メラガトランの「医薬的に許容な誘導体」には、塩(例えば医薬的に許容な非毒性有機または無機酸付加塩)および溶媒和物が含まれる。当該用語はさらに、メラガトランと同じ生物学的機能および/または活性を有するかまたはもたらす誘導体も含むことは理解されるであろう。従って、この発明の目的のために、この用語にはまたメラガトランのプロドラッグ(例えばキシメラガトラン)も含まれる。メラガトランの「プロドラッグ」には、投与後に代謝され、インビボで実験的に検出可能な量のメラガトランを所定の時間内(例えば6〜24時間の(すなわち、一日1〜4回の)投薬間隔内)に形成する任意の合成物が含まれる。メラガトランの医薬的に許容な誘導体を含む製剤は、例えば即時の使用、または2〜6時間の使用などの所定期間内の使用のために調製されうる。
メラガトラン以外のトロンビン阻害剤またはその医薬的に許容な誘導体もまた本発明において使用されうる。
以下の記載は本発明の側面の実例となるが、限定はされない。
以下の記載は本発明の側面の実例となるが、限定はされない。
実施例
吸収強化剤の使用
標準的な手法を用いて、強化剤SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)またはEDTAを含む製剤、および含まない製剤により、メラガトランをラットに投与した。標準的な手法を用いての血漿サンプルの分析によりバイオアベイラビリティーを測定した。
吸収強化剤の使用
標準的な手法を用いて、強化剤SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)またはEDTAを含む製剤、および含まない製剤により、メラガトランをラットに投与した。標準的な手法を用いての血漿サンプルの分析によりバイオアベイラビリティーを測定した。
経鼻投与のメラガトラン20μmol/kg単独のバイオアベイラビリティーは約10%であったのに対し、強化剤によりこの結果は約19%まで改善した。
健康なヒト男性におけるメラガトランの経鼻投与
安全性および耐容性と共にメラガトランの吸収の速度および程度を、6人の健康な男性の被検者(年齢が20代〜40代、体重が66〜86kg)に経鼻投与した後に調査した。試験は、6〜28日のウオッシュアウト期間とは別に、3日の試験日を含んだ。試験日1に5mgのメラガトランを単回投与した。続く2日間に各々10mgおよび20mgを投与した。
健康なヒト男性におけるメラガトランの経鼻投与
安全性および耐容性と共にメラガトランの吸収の速度および程度を、6人の健康な男性の被検者(年齢が20代〜40代、体重が66〜86kg)に経鼻投与した後に調査した。試験は、6〜28日のウオッシュアウト期間とは別に、3日の試験日を含んだ。試験日1に5mgのメラガトランを単回投与した。続く2日間に各々10mgおよび20mgを投与した。
メラガトランの血漿濃度(LC−MSにより)および抗凝固の程度を決定するためのサンプルは、投薬前および投薬後10時間まで採取した。安全性の測定には、血圧、心拍数および有害事象の記録が含まれた。
経鼻投与後のメラガトランの吸収は迅速であり、3つの薬量、5mg、10mgおよび20mgについての平均バイオアベイラビリティーは、各々19%、12%および19%であった。6人の被検者の3つの薬量におけるメラガトランのバイオアベイラビリティーは7%〜45%の範囲にあった。吸収の速度および程度の薬量に対する依存性は示されなかった。経鼻投与した場合のメラガトランの安全性および耐容性は充分であると考えられた。
メラガトランの試験組成物の調製
メラガトランを水に溶解し、組成物を医薬的に許容な等張性およびpH(例えばpH5)に調整した。溶液を無菌でガラス瓶に充填し、ポンプとアプリケーターを装着した(50マイクロリットルの計量された薬量が得られる)。
メラガトランを水に溶解し、組成物を医薬的に許容な等張性およびpH(例えばpH5)に調整した。溶液を無菌でガラス瓶に充填し、ポンプとアプリケーターを装着した(50マイクロリットルの計量された薬量が得られる)。
メラガトラン液体経鼻スプレー50mg/ml、5mlを含むガラススプレー瓶
成分 組成(mg/ml)
メラガトラン 50
pH5に調整するための塩酸 適量
精製水 1mlまで
メラガトラン液体経鼻スプレー200mg/ml、5mlを含むガラススプレー瓶
成分 組成(mg/ml)
メラガトラン 200
pH5に調整するための塩酸 適量
精製水 1mlまで
略号
Aze=(S)−アゼチジン−2−カルボン酸;Cgl=(S)−シクロヘキシルグリシン;Pab=1−アミジノ−4−アミノメチルベンゼン。
成分 組成(mg/ml)
メラガトラン 50
pH5に調整するための塩酸 適量
精製水 1mlまで
メラガトラン液体経鼻スプレー200mg/ml、5mlを含むガラススプレー瓶
成分 組成(mg/ml)
メラガトラン 200
pH5に調整するための塩酸 適量
精製水 1mlまで
略号
Aze=(S)−アゼチジン−2−カルボン酸;Cgl=(S)−シクロヘキシルグリシン;Pab=1−アミジノ−4−アミノメチルベンゼン。
Claims (6)
- トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、経鼻投与により使用される水性医薬製剤。
- トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む、抗血栓の処置において経鼻投与により使用される水性医薬製剤。
- 抗血栓の処置において経鼻投与により使用される医薬の製造のおける、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤の使用。
- 血栓塞栓症の処置において経鼻投与により使用される医薬の製造における、トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤の使用。
- トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤を経鼻的に投与することによる、抗血栓の処置を必要とする患者の処置方法。
- トロンビン阻害剤HOOC−CH2−(R)−Cgl−Aze−Pab(メラガトラン)、またはその医薬的に許容な誘導体を含む水性医薬製剤を経鼻的に投与することによる、処置を必要とする患者における血栓塞栓症の処置方法。
Applications Claiming Priority (2)
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