JP2006503871A - Amlの処置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、従来の化学療法に耐性の急性骨髄性白血病(AML)を有する温血動物の処置法であり、該動物に治療的有効量の式I
【化1】
Figure 2006503871

〔式中、ラジカルおよび記号は明細書で定義の意味を有する。〕
の化合物をAMLの処置に有用な従来化合物または化合物の混合物、特にトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤または抗腫瘍抗生物質と、同時、別々または連続使用のために、共に、または組み合わせて投与することを含む、方法;および該組み合わせを含む医薬組成物および商品包装に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、白血病、とりわけ急性骨髄性白血病(AML)、特に、従来の化学療法に耐性の急性骨髄性白血病を有する、温血動物、特にヒトの処置法であり、該動物に本明細書で定義の式Iの化合物を;AMLの処置に有効な従来の化合物、特にトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤または抗腫瘍抗生物質、かつ、所望により同時、別々または連続使用のための薬学的に許容される担体と共に、または組み合わせで投与することを含む、方法;および該組み合わせを含む医薬組成物および商品包装に関する。
図面の簡単な説明
図1
VEGF、VEGFR−1、VEGFR−2およびβ−ミクログロブリンの存在または不在を証明する、Huvec、U937、TF−1およびHL−60細胞系ならびに患者白血病細胞サンプル1、2、3、5および6のRT−PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)の結果。
図2
24時間後にトリパンブルー排出により計測した、TF−1細胞およびHL−60細胞の、外因性VEGFの添加に関する生存アッセイ。
図3
24時間後にトリパンブルー排出により計数した、TF−1細胞の、PTK787と共にまたは無しの外因性VEGFの添加に関する生存アッセイ。
図4
合計の殺細胞数により測定した、異なる濃度のPTK787の添加に関する、3つのAML細胞系(HL−60、TF−1およびK562)の白血病細胞生存。
図5
A:トリパンブルー排出により計数した、外来VEGFの添加により増加した患者白血病細胞生存。
B:トリパンブルー排出により計数した、PTK787の添加により減少した患者白血病細胞生存。
図6
72時間後の合計の殺細胞数により測定した、PTK787の添加に関する患者白血病細胞生存。
図7
72時間後の合計の殺細胞数により測定した、PTK787の添加に関するシタラビンおよびミトキサントロンに対する患者白血病細胞のLC50値。
本明細書で使用する“急性骨髄性白血病”なる用語は、骨髄細胞、例えば顆粒球、ならびに赤血球系細胞および巨核細胞(megakaryotic cells)およびそれらの先祖の無制御な急速に進行している増殖に関する。AMLの患者では、未熟骨髄細胞、赤血球系細胞または巨核細胞がエリスロサイト(赤血球)を数で非常に上回り、疲労および出血をさせ、また感染への感受性を増加させる。子供ならびに成人において、AMLは、化学療法プロトコールの積極的な使用にもかかわらず予後は悪い。全体的な生存率は40−60%である。骨髄機能廃絶化学療法後の自己骨髄移植は生存率を変えないが、積極的化学療法後の同種骨髄移植は、生存率を70%まで上昇させる。不運なことに、適合する同胞ドナーの利用の可能性が限定されている。したがって、AML処置における新規治療戦略が必要である。
AML細胞は、VEGFを発現することが疑われ、AML由来VEGF生成は、AMLの臨床転帰と関連している(ESJM de Bont et al., Br. J. Haematol. 113: 296, 2001)。本発明は、白血病細胞がVEGF(血管内皮細胞増殖因子)発現に加えて、機能的VEGFR(血管内皮細胞増殖因子レセプター)を発現している可能性があるとの仮説、およびVEGFR発現は白血病細胞生存の増加に関与するだけでなく、化学療法剤に対する白血病の感受性にも関与するとの仮説に基づく。白血病細胞由来VEGFに応答して、骨髄の内皮細胞は、パラクリンの方法で白血病細胞の増殖を支持する増殖因子を放出し得る。ある白血病細胞が機能的VEGFRを発現する能力を獲得した場合、これは自己分泌ループを産生し得る。
現在VEGF−Aとして既知のVEGFは、血管形成の最もよく試験され、特徴付けされているインデューサーの一つである。VEGFは、内皮細胞移動および増殖の強力な刺激剤であるように見える。VEGFはflt-1/VEGFR-1およびflk-1/KDR/VEGFR-2に結合できるが、flt-4/VEGFR-3には結合できず、これらすべてチロシンキナーゼレセプターのクラスに属する。一方、VEGFR−1および−2の両方ともVEGF−Aに高親和性で結合し、VEGFR−2は細胞分裂促進応答を活性化する主要な受容体であり、VEGFR−1は細胞増殖に関与している可能性がある。
本明細書で定義する式Iの化合物、および特にPTK787(ZK222584としても既知)はチロシンキナーゼ阻害剤であり、これは、VEGFRのATP結合部位に直接結合することにより、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)シグナル伝達を阻害するように設計された。この薬剤はKDRに最も特異的であるだけでなく、flt−1およびflt−4も阻害でき、c−kitを含む他のチロシンキナーゼレセプターに対して活性を有する。PTK787は、J. Wood et al., Cancer Res. 60: 2178, 2000に記載のように、A431類表皮癌腫、Ls174T結腸癌腫、HT−29結腸癌腫およびPC−3前立腺癌腫を含む、マウスに同所性に移植した数種のヒト癌腫を阻害する。PTK787は任意のこれらの腫瘍細胞に直接の効果を有しないが、腫瘍組織の血管密度を減少させ、これらの細胞におけるその主な作用の形態が血管形成の阻害を介することを示唆する。
驚くべきことに、本発明により、本明細書で定義の式Iの化合物、特にPTK787は、VEGFおよび/またはVEGFRを発現するAML細胞系および患者AML細胞の増殖を、AMLの処置に有用な従来の化合物と組み合わせた場合、これらのAML細胞が従来の化合物単独に耐性であってさえ、有効に阻害することが判明した。
したがって、第一の態様において、本発明は急性骨髄性白血病(AML)、特に、従来の化学療法に耐性の急性骨髄性白血病の処置法であって、それを必要とする温血動物、好ましくはヒトに、治療的有効量のAMLの処置に有効な従来の化合物と、式I
Figure 2006503871
〔式中、
rは0から2であり、
nは0から2であり、
mは0から4であり、
およびRは(i)低級アルキルであるか、または
(ii)一緒になって下位式I
Figure 2006503871
の架橋を形成し、結合は二つの末端炭素原子を介して達成されるか、または、
(iii)一緒になって下位式I**
Figure 2006503871
(式中、1個または2個の環員T、T、TおよびTは窒素であり、残りはいずれの場合もCHである)
の架橋を形成し、結合はTとTを介して達成され;
A、B、DおよびEは、互いに独立してNまたはCHであるが、ただし、これらのラジカルの2個以上がNではなく;
Gは低級アルキレン、アシルオキシもしくはヒドロキシにより置換された低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ(−O−)、チア(−S−)またはイミノ(−NH−)であり;
Qは低級アルキルであり;
RはHまたは低級アルキルであり;
Xはイミノ、オキサまたはチアであり;
Yは非置換もしくは置換アリール、ピリジルまたは非置換もしくは置換シクロアルキルであり;そして
Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノール、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルフィニルまたはアルキルフェニルスルフィニルであり、置換基Zは、1個以上のラジカルZが存在する場合、互いに同一または異なり;
そして波線により特徴付けられる結合は、存在する場合、一重結合または二重結合である。〕
の化合物、または、1個またはそれ以上のN原子が酸素原子を持つ場合、該化合物のN−オキシド、または少なくとも一つの塩形成基を有するこのような化合物の塩を一緒にまたは組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
式Iの定義に使用するラジカルおよび記号は、WO98/35958に記載の意味を有し、該公報は引用して本明細書に包含させる。特に、WO98/35958で好ましいと明示されている化合物が、本発明でも好ましい。
本明細書で使用する限り、“PTK787”なる用語は、式中、r、nおよびmが各々0であり、RおよびRが一緒になって下位式Iの架橋を形成し、A、B、DおよびEが各々CHであり、Gがメチレンであり、Xがイミノであり、Yが4−クロロフェニルであり、波線により特徴付けられる結合が二重結合である、式Iの化合物を意味する。
AMLの処置に有用な従来の化合物と一緒でまたは組み合わせでAMLの処置に好ましい化合物は、前記で定義の化合物PTK787である。より好ましくは、PTK787はそのコハク酸塩の形で用いる。
本発明にしたがった、AMLの処置に好ましい化合物はまたEP1259487、WO01/55114、EP1129075、WO00/27820、EP1107964、WO00/09495、EP1165085、WO00/59509、WO02/090343、WO01/85715、WO01/85691、WO02/092603、WO03/040101およびWO03/040102に一般的に、または、具体的に開示され、記載され、または、一般的におよび具体的に特許請求の範囲に記載されているものであり、これらの公報はその全体を引用して本明細書に包含させる。
特に、VEGFの活性または生成を標的にし、減少し、阻害する化合物は、WO98/45331、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質、アプタマーまたはモノクローナル抗体;M. Prewett et al in Cancer Research 59 (1999) 5209-5218により、F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996により、Z. Zhu et al in Cancer Res. 58,1998, 3209-3214により、およびJ. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999により記載のもの;WO00/37502およびWO94/10202に記載のもの;M. S. O'Reilly et al, Cell 79,1994, 315-328により記載のAngiostatinTM;M. S. O'Reilly et al, Cell 88,1997, 277-285により記載のEndostatinTM;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;抗VEGF抗体または抗VEGFレセプター抗体、例えばRhuMab;またはUS6,168,778、US6,147,204、US6,051,698、US6,011,020、US5,958,691、US5,817,785、US5,811,533、US5,696,249、US5,683,867、US5,670,637およびUS5,475,096に記載のものであり、例えば、ペガプタニブナトリウムもまた本発明にしたがったAMLの処置に好ましい。
方法の記載において、活性成分に対する言及はまた薬学的に許容される塩も意味すると理解されるべきである。これらの活性成分が、例えば、一つの塩基性中心を有する場合、それらは酸付加塩を形成できる。酸基(例えばCOOH)を有する活性成分はまた塩基との塩を形成できる。活性成分またはその薬学的に許容される塩は、水和物の形で使用し得、または、結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
本明細書で使用する限り、“処置”なる用語は、AMLを有する、または、該疾患の前段階もしくは緩解後の段階の患者の処置を含む。処置は、該患者における疾患の進行の遅延、または、部分的もしくは完全緩解に効果がある。
特に好ましいのは、年少者に適用した場合の本発明の処置である。したがって、本発明の好ましい態様は、急性骨髄性白血病(AML)、特に従来の化学療法に耐性の急性骨髄性白血病の処置法であり、それを必要とする年少者に、治療的有効量のAMLの処置に有効な従来の化合物を、前記で定義の式Iの化合物、特に化合物PTK787と一緒にまたは組み合わせて投与することを含む、方法である。
急性骨髄性白血病(AML)の処置に有用な従来の化合物は、アムサクリン、エトポシドまたはテニポシドのようなトポイソメラーゼII阻害剤、シタラビン、メトトレキサートまたはメルカプトプリンのような代謝拮抗剤、またはミトキサントロン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ホモハリントニンまたはイダルビシンのような抗腫瘍抗生物質を含むが、これらに限定されない。本発明で考慮されるAMLの処置に有用な他の従来の化合物は、アスパラギナーゼ、シクロホスファミド、ゲムツマブ(または任意の他のCD33モノクローナル抗体)、イフォスファミド、メスナ、プレドニゾン、トポテカンおよびビンクリスチンのようなALL(急性リンパリンパ芽球性白血病)の処置において通常適用される化合物である。記載の化合物の組み合わせ、例えばシタラビンとミトキサントロン、アムサクリン、ダウノルビシン、エトポシドまたはイダルビシンの組み合わせ、またはシタラビンとエトポシドおよびダウノルビシンまたはミトキサントロンとの組み合わせが、“従来の化合物”なる用語の下にあることは理解されよう。次いで、本発明の方法は、式Iの化合物と、2個または3個のAMLの処置に有用な従来の化合物を一緒にまたは組み合わせて投与することを含む、3剤または4剤併用により特徴付けられる。
本発明で使用する好ましい従来の化合物は、アムサクリン、エトポシド、シタラビン、ダウノルビシンおよびミトキサントロンならびにこれらの混合物、特に、アムサクリン、シタラビンおよびミトキサントロンである。特に好ましいのは、小児使用のための従来の化合物である。
式Iの化合物を、一つの従来の化合物または数個の従来の化合物と一緒にまたは組み合わせて投与する方法は、さらに、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体を含み得、化合物の同時、別々、または連続投与を含み得る。
さらなる態様において、本発明は、組み合わせ医薬製剤、特に、上記の活性成分が独立して、または、異なる量の成分の異なる固定された組み合わせの使用により、すなわち、同時にまたは異なる時点で投与できる点で、“複数部分のキット”に関する。複数部分のキットの各部分は、次いで、例えば、同時にまたは時間的にずらして、すなわち、キットの何れかの部分に関して、異なる時点で、および、同じまたは異なる時間間隔で投与できる。非常に好ましくは、時間間隔は、部分の組み合わせの使用により処置する疾患における効果が、活性成分の任意の一つのみの使用により得られる効果より大きいように選択する。組み合わせ製剤で投与すべき式Iの活性成分のAMLの処置に有用な従来の化合物の活性成分(複数もある)に対する比率は、例えば、処置すべき患者の亜集団の必要性に、または、一人の患者の必要性に合うように変化し得、異なる必要性は、患者の年齢、性別、体重などに由来し得る。特に好ましいのは、小児使用の特殊な必要性を考慮に入れた投与レジメンである。好ましくは、少なくとも一つの有益な効果、例えば、式Iの化合物と従来の化合物の効果の相互の増強、特に相乗作用、例えば、相加効果以上の効果、さらに有利な効果、少ない副作用、活性成分の1個または各々の非有効投与量で組み合わさった治療的効果、および特に式Iの化合物とAMLの処置に有用な従来の化合物の間の強い相乗効果がある。
当業者は、式Iの化合物と、AMLの処置に有用な従来の化合物の一緒のまたは組み合わせのAMLの処置における、前記および後記の優れた効果を確認するための関連試験モデルを選択することが十分可能である。単一化合物のまたは本発明の組み合わせの活性は、例えば、適当な臨床試験において、または、下記の実施例の手段により証明し得る。適当な臨床試験は、例えば、進行したAML、好ましくは、年少患者における、非盲検非無作為、用量増加試験である。このような試験は、特に、本発明の組み合わせで観察される相乗作用を証明する。AMLの処置における優れた効果は、直接、このような試験の結果を介して、または、それ自体当業者に既知の試験設計における変化により決定できる。例えば、一つの組み合わせパートナーを固定投与量で投与し、第2の組み合わせパートナーの用量を最大耐量(MTD)に達するまで増加できる。あるいは、プラセボ対照、二重盲検試験を、本明細書に記載の本発明の組み合わせの利点を証明するために行い得る。
さらなる態様において、本発明はまた医薬組成物に関する。組み合わせパートナーの別々の投与のための医薬組成物、および、固定した組み合わせでの投与のための医薬組成物、すなわち、少なくとも二つの組み合わせパートナーを含む一つのガレヌス組成物は、それ自体既知の方法で製造でき、ヒトを含む温血動物への経口または経直腸のような経腸、および、非経腸投与に適した、治療的有効量の少なくとも一つの薬学的に活性な組み合わせパートナー単独で、または、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体との組み合わせで含む、特に、経腸または非経腸投与に適したものである。
新規医薬組成物は、例えば、約10%から約100%、好ましくは約20%から約60%の活性成分を含む。経腸または非経腸投与用の組み合わせ治療のための医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセルまたは坐薬、およびさらにアンプルのような単位投与形である。他に指示がない限り、これらはそれ自体既知の方法で、例えば従来の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程の手段により製造する。各投与形の個々の用量に含まれる組み合わせパートナーの単位含量は、必要な有効量が複数の投与単位の投与により到達できるため、それ自体有効量を構築する必要がないことは認められよう。
特に、本発明の組み合わせの組み合わせパートナーの各々の治療的有効量は、同時にまたは連続して、かつ任意の順番で投与し得、成分は別々のまたは固定した組み合わせとして投与し得る。例えば、本発明にしたがったAMLの治療法は、同時の、または任意の順番で連続した、併用で治療的有効量の、好ましくは相乗的有効量の、例えば、本明細書に記載の量に対応した一日量の、(i)遊離形または薬学的に許容される塩形の第一組み合わせパートナーの投与、(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形の第二組み合わせパートナーの投与、および、所望により(iii)遊離形または薬学的に許容される塩形の第三、第四などの組み合わせパートナーの投与を含み得る。本発明の組み合わせの個々の組み合わせパートナーは、治療の経過中に別々の時間に、または、分割したまたは一つの組み合わせ形として同時に投与できる。さらに、投与なる用語は、組み合わせパートナーそれ自体にインビボで変換する組み合わせパートナーのプロドラッグの使用も含む。本発明は、したがって、同時または交互の処置のすべてのこのようなレジメンを包含すると理解されるべきであり、“投与”なる用語はそれにしたがって解釈すべきである。
式Iの化合物のおよび本発明の組み合わせに用いる組み合わせパートナーの有効量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与の形態、処置するAMLの進行のステージ、処置するAMLの重症度、および、処置する患者の反応性に依存して変化し得る。このように、本発明の組み合わせの投与量レジメンは、投与経路、および、患者の腎臓および肝臓機能を含む種々の因子にしたがう。内科医、臨床医または獣医の当業者は、状態を予防し、対抗し、または進行を阻止するのに必要な、式Iの化合物のまたは本発明の組み合わせの他の一つの活性成分の有効量を容易に決定し、処方できる。毒性なしに効果を産生する範囲内の活性成分の濃度を達成する最適処方は、標的部位に対する活性成分の利用能の動態に基づいたレジメンを必要とする。
温血動物が成人である場合、式Iの化合物、とりわけPTK787の投与量は、好ましくは約100から1500、より好ましくは約250から1250、および最も好ましくは500から1000mg/日の範囲である。本発明の組み合わせにおいて、式Iの化合物の投与量は、単剤投与と比較して減少し得る。PTK787の投与量は、例えば、AMLの処置に有用な従来の化合物との組み合わせで、または一緒で、50から1000、より好ましくは約100から800、および最も好ましくは200から500mg/日である。他の組み合わせパートナー、すなわち、AMLの処置に有用な従来の化合物の好ましい投与量は、したがって、好ましくは、標準投与量の約50%まで減少し得る。
子供に使用する場合、投与量はそれに応じて減少し、年少者の体重および/または体表面積に適合させる。例えば、AMLの処置に有用な従来の化合物との組み合わせの、または一緒のPTK787の投与量は、好ましくは1から15、より好ましくは約1.5から10、および最も好ましくは2.5から6mg/日/患者の体重kgの範囲である。
さらに、本発明はAMLの処置のための前記の医薬組成物の使用に関する。
さらに、本発明は活性成分としての本発明の組み合わせを、AMLの処置においてそれらを同時に、別々にまたは連続して使用するための指示書と共に含む、商品包装を提供する。
本発明はまたAMLの処置用医薬の製造のための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用および本発明の組み合わせの使用も提供する。
一般法および材料
細胞系および患者サンプル:
細胞系HL−60、TF−1、K562およびU937はAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA, USA)から得、U937、K562およびHL−60細胞については、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清(FBS, Hyclone, Logan, Utah, USA)を添加した、TF−1細胞についてはGM−CSF 1ng/mLを添加したRPMI−1640(Roswell Park Memorial Institute)中で、培養する。
インフォームドコンセントの後、骨髄および末梢血細胞を、0−18歳の6名の小児AMLから診断時に得た。診断は、FAB分類および免疫表現型を使用した細胞形態学により評価する(Bennett JM et al., Br. J. Haematol. 33: 451-458,1976)。単核細胞(MNC)は、Lymphoprep(Nycomed, Oslo, Norway)密度勾配により分離し、使用するまで液体窒素中で凍結保存する。凍結保存したAML細胞を、Dokter WH et al., Leukemia 9: 425-432, 1995により記載されたように37℃で急速に融解し、5倍用量の正常ウシ血清(NCS)で希釈する。残ったペレットを、ヒツジ赤血球細胞によりT細胞枯渇し、Lymphoprep密度勾配で分離する。残った幹細胞集団は95%以上のAML細胞を含み、以後、AML細胞と予備、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清を添加したRPMI−1640で培養する。
一次白血病細胞および白血病細胞系の培養:
組み換え(rec)VEGF165(Sigma, St. Louis, MI)および/またはPTK787とインキュベーションする前に、AML細胞および/または細胞系を4時間、無血清培地(X-vivo 10, Biowhitaker, Brussels, Belgium)中で血清欠乏させる。増殖実験に関して、細胞を6ウェルプレート(Corning-Costar Corp., Cambridge, Massachusetts, USA)で、1×10細胞/ウェルの細胞密度で、無血清培地(X-vivo-10)中、24時間培養する。細胞は処理(recVEGF165 5−100ng/mL)または未処理(培地単独)であり、PTK787(5−100nM)の存在下または非存在下で培養する。24時間後、生存細胞(トリパンブルー排出により決定)を、トリプリケートで血球計を使用して計数する。各実験をトリプリケートで行い、白血病細胞系での実験を3回繰り返す。
細胞サイクル分析:
細胞をPBSで洗浄し、75%エタノールのPBS溶液に再懸濁し、4℃で少なくとも30分維持する。分析前に、細胞をPBSで洗浄し、1mg/mL RNase AのPBS溶液に再懸濁し、30分インキュベートし、その後、0.05mg/mLヨウ化プロピジウム(Sigma)、1mM EDTAおよび0.1%Triton-X-100を含む染色溶液中でインキュベートする。懸濁液を次いでナイロンメッシュフィルターを通し、Becton Dickinson FACScanで分析する。
RNA抽出およびRT−PCR:
総RNAを、Trizol法により、製造者(Life Technologies, Gibco BRL, Grand Island, NY, USA)の記載にしたがって抽出する。cDNAを、37℃で、少なくとも1時間、2μgの総RNA、ランダム・ヘキサマー(Pharmacia)、5×一本鎖緩衝剤、RNasinおよび1μL逆転写酵素(Gibco BRL, Grand Island, NY, USA)を含む20μL反応混合物中での逆転写により調製する。cDNAをプライマー、10×緩衝剤、1.5mM MgCl、dNTPおよびTaq(Gibco BRL, Grand Island, NY, USA)の存在下に増幅する。混合物をPerkin Elmer装置で、試験するPCRに特異的なPCRサイクルで増幅させる。PCR生成物を、1.5%アガロースゲル中の電気泳動により分析する。ゲルを臭化エチジウムで染色し、撮影する。β−ミクロブロブリンの特異的プライマーは、センス(CCA GCA GAG AAT GGA AAG TC)およびアンチセンス(GAT GCT GCT TAC ATG TCT CG)、PCR生成物:260bp、22サイクル(cycli)、Tann 55℃である。VEGFに関して:センス(GAG TGT GTG CCC ACT GAG GAG TCC AAC)およびアンチセンス(CTC CTG CCC GGC TCA CCG CCT CGG CTT)、PCR生成物:177、312、384bp、30サイクル、Tann 60℃を使用する。VEGFのためのプライマーは、スプライスジャンクションに広がり、電気親和性で(electrophorically)分離すべき各スプライスバリアントの増幅生成物を可能にする。VEGFR−1の特異的プライマー:センス(GAG TCC TTT ATC CTG GAT GC)およびアンチセンス(ACA GAG CCC TTC TGG TTG GT)、PCR生成物:750bp、35サイクル、Tann 57℃。
VEGFR−2のネスティッドRT−PCR:第一PCR:センス(CGC TGG GAG AAA GAA CCG)およびアンチセンス(GCT CAC TGC CAC TCT GAT TAT TG)、PCR生成物:329bp、25サイクル、1mM MgCl、5% DMSO、Tann 60℃。ネスティッドPCR:センス(TCC GCG CCT CCT CCT TCT CTA GAC AG)およびアンチセンス(GGC CAT CGC TGC ACT CAG TGA)、PCR生成物:270bp、25サイクル、1.25mM MgCl、Tann 53℃、4μLの第一PCR生成物使用。
第一PCR反応におけるcDNAの添加を制御するために、β−ミクログロブリンPCRを第二VEGFR−2 PCR(ネスティッド)に用いたのと同じ第一PCR生成物から行う。第一生成物を分裂する;4μLをβ−ミクログロブリンPCRに使用し、第一PCRのためのcDNA添加を制御する。
タンパク質抽出物およびウェスタンブロット法:
細胞融解物をサンプル緩衝液(脱塩水中、2%ドデシル硫酸ナトリウム、10%グリセロール、2%β−メルカプト−エタノールおよび60nM Tris−Cl pH6.8)中、氷上で調製する。タンパク質を12.5−15%SDS−ポリアクリルアミドゲル(Biorad)上に分離し、PVDF膜(Millipore, Bedford)にブロットする。ブロットを次いで5%無脂肪乾燥乳および0.05%Tween−20のTris−緩衝化食塩水(TBST)溶液で次いでブロックし、その後、一次および二次抗体とインキュベーションする。ポリクローナルヤギ抗ヒトVEGFR−2(Santa Cruz Biotechnology Inc, Santa Cruz, CA)抗体を使用し、二次ウサギ抗ヤギHRPO(DAKO, Denmark)を使用する。タンパク質をECL化学ルミネッセンス検出系およびECLフィルム(Amersham Pharmacia Biotech)により可視化する。
総殺細胞アッセイを使用した、細胞薬剤耐性測定:
白血病HL−60およびTF−1細胞(10,000細胞/ウェル)のインビトロ細胞性薬剤耐性を、生存細胞のみが3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウムブロミド(MTT)(5mg/mLのPBS溶液を各ウェルに4時間添加)を着色ホルマザン生成物に還元できるという原則に従った2日細胞培養アッセイを使用して評価し、520nmで分光光度法により測定する。患者の白血病サンプル(10,000細胞/ウェル)に関して、3日間細胞培養を使用する。シタラビン(0.001−10mg/mL)およびミトキサントロン(0.0001−1μg/mL)またはドキソルビシン(0.0001−1μg/mL)を、96ウェルマイクロ培養プレート中、クアドロプリケートの各々9つの異なる濃度で試験する。光学密度(OD)は、生存細胞の数に直線的に比例する。コントロールウェルは白血病細胞のみを、薬剤なしの培地と共に含み、ブランクウェルは培養培地のみを含む。細胞生存のパーセントを、ブランクウェルにみられるバックグラウンドで補正後、式(平均OD処置ウェル/平均ODコントロールウェル)×100%により計算する。結果は、コントロールウェルが3日の培養期間後にまだ70%またはそれ以上の白血病細胞を含む(MGG染色により決定)場合、評価可能と見なす。3日目のバックグラウンドで補正後のコントロールウェルの平均ODは、有効な結果のために常に0.1任意単位を上回る。LC50値(50%の白血病細胞を殺すのに必要な薬剤濃度)を使用して、患者および/または種々の薬剤組み合わせの間の比較をする。LC50値式:([%白血病細胞生存>50%]−50)/([%白血病細胞生存>50%]−[%白血病細胞生存<50%])×(白血病細胞生存<50%のときの薬剤濃度−白血病細胞生存>50%のときの薬剤濃度)+(白血病細胞生存>50%のときの薬剤濃度)。
統計的分析:
相関を、スピアマンの順位相関係数(rho)を使用して計算する。対サンプルノンパラメトリック検定(ウィルコキソンの符号付き順位検定)を使用して、対の生存細胞VEGF有りまたは無し、ならびにPTK787有りまたは無し)を分析する。有意差は、P−値が<0.05として定義する。
実施例1:VEGFおよびVEGFRの、白血病細胞系HL−60およびTF−1の細胞増殖における影響
VEGF、VEGFR−1およびVEGFR−2の発現を、TF−1、U937およびHL−60細胞で、RT−PCR(図1)および機能アッセイ(図2)により試験する。全3つの細胞系は、VEGF発現を示す。HL−60およびU937細胞は、RT−PCRで、VEGFR−1の陽性PCRバンドを示す。試験した細胞は、いずれもVEGFR−2のPCRバンドを示さないことを証明する。
機能的VEGFRを証明するために、組み換え(rec)VEGF165をHL−60およびTF−1細胞に、外来増殖因子非存在下(無血清条件)で添加し、刺激24時間後、生存細胞をトリパンブルー排出により計数する。VEGF165では、コントロール細胞(100%)の450%まで用量依存的に促進された白血病細胞生存が、TF−1細胞で見られる。HL−60細胞において、recVEGF165は、コントロール細胞の980%まで生存を促進する(図2)。
VEGF/VEGFRシグナル伝達の重要性が、VEGFRシグナル伝達のPTK787による妨害が細胞生存を減少させた場合、明確に示される。TF−1細胞生存は、25nM PTK787を添加した場合、21.9%まで減少する(図3)。25および50nM PTK787の効果は、細胞培養へのrecVEGFの添加により遮断できる。TF−1細胞において、VEGFRシグナル伝達の阻害は、アポトーシス(PI DNA標識により示す)を、用量依存的方法で、一晩培養後、コントロールウェルにおける5%に対して12%まで誘発する。recVEGF165での処理により、アポトーシス細胞のフラクションは、再びコントロール細胞の範囲になる(4%)。
VEGFRシグナル伝達のPTK787による遮断は、HL−60細胞の白血病細胞生存を1%まで、TF−1細胞のそれを10%まで減少させる(図4)。予期されるように、K562細胞の白血病細胞生存は全く減少しないことが示される。
VEGFR−2発現はRT−PCRで見られず、VEGFR−1発現はU937およびHL−60細胞でのみ証明され得、これらのデータは、VEGFRシグナル伝達の遮断は細胞死を誘導し、これは、VEGF165の添加により阻害できることを示唆する。
実施例2:患者白血病細胞生存におけるVEGFおよびPTK787の効果。
6つの一次AMLサンプルにおいて、VEGFR−1および−2ならびにVEGF165の発現をRT−PCRで分析する(図1)。6名中5名の患者においてmRNAを単離でき、RT−PCRを行った。すべての患者は様々な量のVEGFを発現した。VEGFR−1の弱いPCRバンドが5名中4名の患者に見られる。患者2、3および6は高用量のVEGFR−2転写物を発現し、一方、患者1および5はVEGFR−2を全く発現しない(図1)。
VEGFR発現は全患者サンプルで試験できていないが、すべてのサンプルを機能的VEGFRに関して試験した。無血清条件下での白血病細胞生存は、異なる患者サンプルにおける、24時間後の生存細胞の絶対数における大きな変化を証明した(中央:23.5×10生存細胞;範囲:6.6−78.1×10生存細胞)。5ng/mL recVEGF165で、白血病細胞生存は、100%から143.3%まで促進され(範囲:114.2%−188.9%;p−値:0.043)、一方PTK787の添加は、細胞死の増加をもたらす(中央:55.1%減少;範囲:28.2%−75.4%減少;p−値:0.043)(図5)。外来VEGF165のPTK787(25nM)と一緒の白血病細胞培養への添加は、PTK787の効果を、PTK787単独の55.1%と比較して、15%の中央細胞生存減少(範囲:0%−35.5%)まで無効にする。したがって、外来VEGF165は、PTK787の効果を、PTK787により誘導される細胞死における総効果の73%まで取り返す。
実施例3:患者白血病細胞生存におけるPTK787および従来のAML薬剤の効果
患者からの白血病細胞を、異なる用量のPTK787とインキュベートし、白血病細胞薬剤耐性を総殺細胞アッセイにより評価する。PTK787に対するインビトロ耐性の結果を表1に要約し、図6に説明する。用量応答曲線(図6)ならびに個々の患者のLC50値(表1)を示す。
個々の患者間の著しい差がみられる。VEGFR−1の発現はすべての患者で弱いが、VEGFR−2の発現は、発現無しから高発現レベルまで変化する。高VEGFR−2発現かつ低VEGF発現(2番および3番)の患者サンプルは、PTK787阻害に感受性であり、白血病細胞に細胞毒性をもたらすが、一方高VEGFR−2かつVEGF発現の患者6は、PTK787を白血病細胞培養に添加した場合、中間の結果を証明する。最も耐性の患者(1番)はRT−PCRで高VEGF発現を示し、VEGFR−2発現はなかった。数は少ないが、これらのデータは、PTK787インキュベーションによる個々の白血病細胞毒性の結果が、VEGFとVEGFR−2を合わせた発現レベルの結果であることを示唆する。
PTK787と、ミトキサントロンおよびシタラビンのような従来の化学療法剤と一緒の同時使用は、白血病細胞の細胞毒性に付加的効果をもたらす。図7ならびに表1において、PTK787がシタラビンおよびミトキサントロンの用量反応曲線の劇的な低下を導き、PTK787の添加により、シタラビンおよびミトキサントロンのLC50値の減少をもたらすことを証明する。
Figure 2006503871
Figure 2006503871

Claims (15)

  1. 急性骨髄性白血病(AML)を有する温血動物の処置法であり、該動物に、治療的有効量の式I
    Figure 2006503871
    〔式中、
    rは0から2であり、
    nは0から2であり、
    mは0から4であり、
    およびRは(i)低級アルキルであるか、または
    (ii)一緒になって下位式I
    Figure 2006503871
    の架橋を形成し、結合は二つの末端炭素原子を介して達成されるか、または、
    (iii)一緒になって下位式I**
    Figure 2006503871
    (式中、1個または2個の環員T、T、TおよびTは窒素であり、残りはいずれの場合もCHである)
    の架橋を形成し、結合はTとTを介して達成され;
    A、B、DおよびEは、互いに独立してNまたはCHであるが、ただし、これらのラジカルの2個以上がNではなく;
    Gは低級アルキレン、アシルオキシもしくはヒドロキシにより置換された低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ(−O−)、チア(−S−)またはイミノ(−NH−)であり;
    Qは低級アルキルであり;
    RはHまたは低級アルキルであり;
    Xはイミノ、オキサまたはチアであり;
    Yは非置換もしくは置換アリール、ピリジルまたは非置換もしくは置換シクロアルキルであり;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノール、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルフィニルまたはアルキルフェニルスルフィニルであり、置換基Zは、1個以上のラジカルZが存在する場合、互いに同一または異なり;
    そして波線により特徴付けられる結合は、存在する場合、一重結合または二重結合である。〕
    の化合物、または、1個またはそれ以上のN原子が酸素原子を持つ場合、該化合物のN−オキシド、または少なくとも一つの塩形成基を有するこのような化合物の塩を;AMLの処置に有効な従来の化合物または化合物の混合物と、かつ所望により少なくとも一つの薬学的に許容される担体と共に、または組み合わせて投与することを含む、方法。
  2. 式Iの化合物がPTK787である、請求項1記載の方法。
  3. AMLの処置に有用な従来の化合物がトポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質またはこのような化合物の混合物である、請求項1記載の方法。
  4. AMLの処置に有用な従来化合物が、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、シタラビン、メトトレキサート、メルカプトプリン、ミトキサントロン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ホモハリントニン、イダルビシン、アスパラギナーゼ、シクロホスファミド、ゲムツマブ、他のCD33モノクローナル抗体、イフォスファミド、メスナ、プレドニゾン、トポテカン、ビンクリスチンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  5. AMLが従来の化学療法に耐性である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 温血動物がヒトである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. ヒトが年少者である、請求項6記載の方法。
  8. 請求項1に記載の式Iの化合物とAMLの処置に有用な従来の化合物を含む組み合わせ医薬製剤であり、活性成分が組み合わせ医薬製剤の各々遊離形または薬学的に許容される塩の形で一定量ずつ存在し、所望により、少なくとも一つの薬学的に許容される担体が存在する、同時、別々または連続使用のための製剤。
  9. 請求項1に記載の式Iの化合物がPTK787である、請求項8記載の組み合わせ医薬製剤。
  10. 請求項1に記載の式Iの化合物とAMLの処置に有用な従来の化合物を、所望により薬学的担体と共に含む、医薬組成物。
  11. 式Iの化合物と、AMLの処置に有用な従来の化合物を、併用でAMLに対して有効な量で含む、請求項10記載の医薬組成物。
  12. 請求項1に記載の式Iの化合物がPTK787である、請求項10または11に記載の医薬組成物。
  13. AMLの処置のための、請求項10記載の医薬組成物の使用。
  14. 請求項1に記載の式Iの化合物と、AMLの処置に有効な従来の化合物を、AMLの処置においてそれらを同時に、別々にまたは連続して使用するための指示書と共に含む、商品包装。
  15. 請求項1に記載の式Iの化合物とAMLの処置に有効な従来の化合物の、AMLの処置用医薬の製造における、使用。

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