JP2006502746A - 血栓症と末梢動脈疾患の高い危険性と、p2y12レセプターのh2ハプロタイプとの関連性 - Google Patents

血栓症と末梢動脈疾患の高い危険性と、p2y12レセプターのh2ハプロタイプとの関連性 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体外における、対象の血栓症を発症する危険性の決定方法、および生体外における、チエノピリジン療法に対する対象の感受性の判定方法に関する。どちらの方法もP2Y12レセプター遺伝子の特定のハプロタイプを同定することを伴う。

Description

本発明は、血小板凝集能と血栓症の危険性に関連するP2Y12レセプターの遺伝子多型の同定に関する。
ADP(アデノシン5'-二リン酸塩)は、止血および血栓症の最も重要なメディエーターの1つである(Storey et al., 2000)。血小板に対するADPの効果は、P2Y1およびP2Y12と呼ばれる2つのP2Yレセプターによって伝達される。多数の証拠が、P2Y12レセプターが止血プラグの形成、および動脈血栓症の発生において中心的な役割を担っていることを示唆している(Mills et al., 1996;Cattaneo et al., 1999)。動脈血栓症におけるP2Y12の重要な役割は、種々の血栓症疾患、例えば脳卒中、心筋梗塞、および末梢血管疾患におけるチエノピリジン系抗血栓薬、例えばP2Y12レセプターを標的とするクロピドグレルおよびチクロピジン(Hollopeter et al., 2001;Quinn et al., 1999)の有益な効果によって確認される(Quinn et al., 1999;そしてCAPRIE Steering Committee. Lancet, 1996; 348: 1329-1339を参照のこと)。ADPシグナル変換は、Gq共役P2Y1レセプターを介したCa++の一過性の上昇(Jin et al., 1998a)、およびGi共役P2Y12レセプターを介したアデニレートシクラーゼの阻害(Hollopeter et al., 2001;Foster et al., 2001)の両方に関与する。
ADPによるGqおよびGi経路の同時活性化は、正常な血小板凝集に必要である(Jin et al., 1998b;Hechler et al., 1998a)。P2Y1を通してのGq経路の活性化は、血小板の形状変化、そして血小板凝集の急速に逆転可能な高まりを導くのに対し(Jin et al., 1998a;Hechler et al., 1998a)、P2Y12を通したGi経路の活性化は、ゆっくり進行し、そして持続した血小板凝集を誘導する(Hechler et al., 1998b)。P2Y12の効果は、アデニレートシクラーゼの阻害と、それに続く細胞内のcAMP含有量の減少に限らない。実際には、P2Y12レセプターが、ホスホイノシチド3-(PI3-)キナーゼ経路を介して糖蛋白(GP)IIbIIIaインテグリン(Kauffenstein et al., 2001)、および/または他の、未同定のGタンパク質(Daniel et al., 1999)を活性化することが示された。このように、P2Y12は、ADPにさらされることで生じる血小板凝集の不可逆的な高まりにおいて極めて重要な役割を担うように思われる。
342個のアミノ酸のレセプターをコードするP2Y12遺伝子は、2つのグループによって最近同定された(Hollopeter et al., 2001;Foster et al., 2001;Zhang et al., 2001)。4人の患者は、彼らの血小板がADPにさらされた時にわずかか、または全く可逆的な血小板凝集を受けることなく、プロスタグランジンE1(PGE1)に刺激された血小板の正常なアデニレートシクラーゼ阻害の減少を示すことが説明された(Nurden et al., 1995;Cattaneo et al., 1992)。1人の患者において、この表現型はP2Y12遺伝子異常に関連した(Hollopeter et al., 2001)。
不可逆的な血小板凝集を引き起こすために必要とされる個体間のADP濃度のばらつきが報告された(Feng et al., 1999)。
遺伝性因子が血小板凝集の主な役割を担うため(O'Donnell et al., 2001)、発明者らはADPに対する血小板凝集応答の個体間のばらつきを説明するかもしれないP2Y12遺伝子の配列変異を探した。
当該本発明者らは、3つのシングルヌクレオチド遺伝子多型(SNP)、ならびにH1およびH2と呼ばれる2つのハプロタイプを確定する、P2Y12レセプター遺伝子中のヌクレオチド挿入を同定した。そのH2ハプロタイプは、ADPに対する応答における高い最大血小板凝集能に関連した。
高められたADP誘導性血小板凝集能に関連するP2Y12レセプターのハプロタイプの同定は、特に血栓症、特にアテローム血栓症、及びチエノピリジン治療に対する次善の応答の危険性をもつ対象の選別における重要な臨床的意味合いがある。
危険性の高い末梢動脈疾患(PAD)患者のP2Yi2レセプターの特異性と、血小板凝集におけるH2対立遺伝子の機能の増加を考えると、当該発明者らは、患者-対照研究におけるP2Y12遺伝子H2ハプロタイプと、PADとの関連をさらに調査した。
彼らは、PADと、P2Y12H2ハプロタイプとの強い関連を観察した。
これらの結果に基づいて、本発明は、P2Y12レセプターのH1およびH2ハプロタイプを識別する方法を提供し、ここで、後者は、血栓症の発症のより高い危険性に、および/またはチエノピリジン治療法に関するより低い感受性に関連する。
このように、この方法は、患者の血栓症、特にアテローム血栓症の発症の危険性を決定するのに有用である。
同様に、この方法は、患者のチエノピリジン治療法に対する感受性を決定するのにも有用である。
P2Y12レセプター
先に触れた通り、ヒトのP2Y12レセプターはクローン化された。同様に、他の種における変異体も特徴づけられた。
Figure 2006502746
本発明文脈中において、用語「P2Y12レセプター」は、あらゆる種の、特にヒトの、しかし、所望であれば、本発明の方法を適用することができる他の哺乳動物または脊椎動物の、P2Y12レセプターを参照する。よって、用語「対象」は、あらゆるヒトの患者、あるいはあらゆる哺乳動物または脊椎動物を参照する。
ヒトP2Y12cDNA配列は、ジェンバンク(Genbank)で入手可能である(登録番号:AF313449およびAY136754)。
当該発明者らは、健康な集団のP2Y12遺伝子を分析して、それがATGコドンの上流に位置する、長さ約1700bpの1つのイントロンによって分けられた少なくとも2つのエクソンを含むことが分かった。エクソン2は、342個のアミノ酸のタンパク質全体をコードする。6個のヌクレオチド(nt)反復配列のため(表1)、正確なエクソン1の3'末端、およびエクソン2の5'開始部位は同定できなかった。
表1:
正確なエクソン1の3'末端、およびエクソン2の5'開始部位を記載する可能性のあるヌクレオチド配列パターン。イントロン配列は小文字である。反復配列は下線部である。当該発明者らは、ヌクレオチド番号付けのためにパターン1を独断的に選択した。
Figure 2006502746
表1は、3つの可能性のある配列パターンを記載し、パターン3が最も可能性が高い。しかし、当該発明者らは、勉強された遺伝子多型に番号を付けるためにパターン1を独断的に選択すると同時に彼らの作業を開始した。その結果、パターン1は、以下に記載の遺伝子多型に番号を付ける時に保持された。
パターン1によると、配列番号1の配列は、イントロンの5'配列を表すのに対して、配列番号2の配列は、本発明によるP2Y12遺伝子内の着目の部分であるエクソン2の5'配列を表す。どちらの配列も以下に規定されるように、H2ハプロタイプを示す。開始コドンATGのAヌクレオチドは、配列番号2の第17ヌクレオチドである。
H1/H2ハプロタイプ
当該発明者らは、P2Y12遺伝子の配列を決定し、着目の3つの一ヌクレオチド遺伝子多型(SNPs)と、1つの一ヌクレオチド挿入遺伝子多型物を見つけた(表2)。本発明において、これらの遺伝子多型は、「着目の多型位置」と呼ばれることもある。
表2:
研究集団で検出された遺伝子多型の説明。H1/H2ハプロタイプは、i-C139T、i-T744C(同様に誤って称されたi-T745C)、i-ins801A(同様に誤って称されたi-ins802A)、およびG52T遺伝子多型によって規定される。
Figure 2006502746
2つの変異体は、それぞれ、CからT(i-C139T)とTからC(i-T744C)のトランジションから成る、5'イントロン(本明細書中で「i」と省略される)開始部位の後の139ntと744ntを捜し出した。他の遺伝子多型は、イントロンの801位の一ヌクレオチド挿入(A)から成る(i-ins801A)。2つのさらなる遺伝子多型は、エクソン2で見つかり、そしてCからTのトランジション(C34T)およびTからGの塩基転換(G52T)から成り、それぞれATGコドンの最初のヌクレオチドの後の17ntと35nt;どちらもコードされたアミノ酸を変更しなかった(それぞれ、Asn6とGly12)。C34T遺伝子多型はADPに対する応答において最大血小板凝集に関連しなかった。
i-C139T、i-T744C、i-ins801AおよびG52T遺伝子多型が白人系の100人の健康なボランティアの集団において完全に連鎖不均衡な状態にあったので、当該発明者らは、主な対立遺伝子のハプロタイプ「H1」(139位のC、744位のT、およびイントロン中のi-ins801Aの不在、およびエクソン2の52位のG)、ならびに少数の対立遺伝子のハプロタイプ「H2」(139位のT、744位のC、イントロン中のi-ins801Aの存在、エクソン2の52位のT)と称された。ハプロタイプのそれぞれの対立遺伝子H1とH2の頻度は、86%と14%だった。全ての遺伝子多型の対立遺伝子の頻度は、ハーディ−ワインバーグ平衡の状態にあった。
H2対立遺伝子の非保因者(H1/H1)と比べて、H2対立遺伝子の保因者(H1/H2またはH2/H2)は、細胞内cAMPレベルの異なる調節による、生体外でのより強力なADP刺激血小板凝集応答を有していた。
同様に、H2ハプロタイプを伴うP2Y12レセプター遺伝子の単離された核酸は本発明の一部でもある。
よって、本発明の対象は、P2Y12レセプターをコードする単離された核酸であって、核酸は、同時の、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在を伴うP2Y12遺伝子配列を含む。
好ましくは、そのような核酸は、配列番号1および/または配列番号2を含む。
血栓症の危険性
本発明は、対象の血栓症を発症の危険性を決定するための生体外での方法を提供し、その方法は、イントロン(配列番号1)の139、744および801位、ならびにエクソン2(配列番号2)の52位のP2Y12レセプターの遺伝子多型を同定することを含む、ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在は、H2ハプロタイプと称され、そして対照の対象、すなわちいずれの対立遺伝子上にもH2ハプロタイプを示さない対象(すなわち、H1/H1対象)、に比べて血栓症発症のより高い危険性を示している。
血栓症を発症させるより高い危険性は、非保因者よりH2対立遺伝子の保因者のはるかに大きな危険性を意味する。
そのような相対的危険性は、ケースコントロール研究とオッズ比(OR)の使用を通してしばしば評価されている。1.1のORは、疾患にかかる危険性の10%の増加に相当し、そして2のORは、100%の高い危険性に相当する。
血栓症を発症させる危険性は、血小板凝集の誘導と関連する。
血小板は、動脈血栓症に特に不可欠で、同様に、機能不全の内皮への接着と増殖因子およびサイトカインの放出を通してアテローム硬化性病変の開始および進展に関与している。アテローム硬化性疾患の最も重要な血管の標的は、脳血管、冠状血管、下肢動脈床を含んでいる。
本発明の文脈において、用語「血栓症」は血管または心窩内の血塊の形成を意味する。
好ましい態様において、アテローム血栓症が含まれる。
用語「アテローム血栓症」、「アテローム硬化症」、および「動脈血栓症」は、同義である。
アテローム血栓症は、多くの血栓症疾患の中心的な現象、例えば脳卒中、心筋梗塞、および末梢動脈疾患(PAD)である。
動脈血栓症とアテローム硬化性疾患の併在が、末梢動脈疾患(PAD)の特別な重要性である。実際には、PADは、冠動脈と脳血管のアテローム硬化症事件の高い危険性に関連し、そして疫学的研究は、PAD患者の75%が血管が原因で死亡することを示した(Ouriel et al., 2001)。
その結果、対象のP2Y12レセプターのH2ハプロタイプの同定は、そのような血栓症疾患、特にPADにかかるより高い危険性のさらなる指標である。
本発明の意味の範囲内で、先に規定された通り「血栓症」は、他の血栓症の症状、例えば静脈血栓と静脈の血栓塞栓性疾患、ならびに血栓性微小血管障害または血管内播種性凝血を含む。
チエノピリジン療法に対する感受性
本発明は、チエノピリジン療法に対する対象の感受性を決定する生体外での方法をさらに提供し、上記方法はイントロン(配列番号1)の139、744および801位、ならびにエクソン2(配列番号2)の52位のP2Y12レセプターの遺伝子多型を同定することを含む、ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在は、H2ハプロタイプと称され、そして少なくとも1つの対立遺伝子上に存在している時、対照の対象、すなわちいずれの対立遺伝子上にもH2ハプロタイプを示さない対象(すなわち、H1/H1対象)、に比べて、対象のチエノピリジン治療法に対するより低い感受性を表わしている。
本発明の文脈において、「チエノピリジン療法」は、現在使用される抗血栓薬治療を参照し、チエノピリジン剤、例えばクロピドグレルまたはチクロピジン、あるいはADPとP2Y12の間の相互作用を妨げるあらゆる他の作用物質の投与を伴う。
「チエノピリジン療法に対する対象の感受性」は、そのような療法を受けている対象の応答の種類を参照する。療法に対するより低い感受性は、より乏しい応答に相当し、従って望ましくない。
チエノピリジン療法に対する対象の感受性の決定は、初期段階の対象に最も適合するであろう治療方策を設計する内科医を助けることにとって特に興味深い。
H2対立遺伝子の存在の同定
先に記載の方法、すなわち血栓症の危険性を判定するための方法、およびP2Y12レセプター遺伝子のH1/H2ハプロタイプの同定を伴う、チエノピリジン療法に対する感受性を判定するための方法。
そのような同定は、当業者に周知のいずれかの技術によって実施される。
本発明の方法の実施において、H1/H2ハプロタイプに関する個体の多型パターンは、上記個体からDNAを得て、そして着目のP2Y12レセプター遺伝子の多型位置の配列を決定することによって確立されうる。
DNAは、どんな細胞源からでも得ることができる。実際の臨床で入手可能な細胞源の制限されることのない例は、血球、頬側細胞、子宮頸と膣の細胞、尿、胎児細胞、毛髪由来の上皮細胞、または生検によって得られた組織に存在するあらゆる細胞を含む。同様に、細胞は、これだけに制限されることなく、血液、唾液、汗、尿、脳脊髄液、糞便、および感染または炎症部位の組織滲出液を含む、体液からも得られる。DNAは、当該技術分野で標準的な多数の方法のいずれかを使用して細胞源または体液から抽出される。DNAの抽出に使用された特別な方法が起源の性質に依存することは理解される。他の態様において、分析はDNAの抽出なしに、例えば全血を用いて達成される(Mercier et al., 1990)。
H1/H2ハプロタイプの多型位置のDNA配列の決定は、当該技術分野で知られているいずれかの手段によって達成される。遺伝子型分析のために多数の方策が利用可能である(Antonarakis et al., 1989;Cooper et al., 1991;Grompe, 1993)。前記方策は、これだけに制限されることなく、直接シークエンス法、制限断片長遺伝子多型(RFLP)分析、対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション、対立遺伝子に特異的なPCR、突然変異原性プライマーを使ったPCR、リガーゼ−PCR、HOT切断、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、温度勾配ゲル電気泳動法(TGGE)、1本鎖高次構造遺伝子多型(SSCP)、および変性高速液体クロマトグラフィー(Kuklin et al., 1997)を含む。直接シークエンス法は、これだけに制限されることなく、Maxam-Gilbert法を使った化学的な塩基配列決定によって;Sanger法を使った酵素的な塩基配列決定によって;質量分析塩基配列決定;チップ・ベースの技術を使った塩基配列決定によって(例えば、Little et al., 1996を参照のこと);およびリアルタイム定量的PCRによっても達成されうる。好ましくは、対象由来のDNAは、最初に、特異的な増幅プライマーを使ったポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅に供される。しかし、オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ(OLI)、ローリンクサークル型増幅(RCA)、またはlnvader(登録商標)アッセイのように、DNAがPCRとは無関係に研究されることが可能ないくつかの他の方法が利用可能である。
本発明の特定の態様において、対象の血栓症に関連しているか、またはチエノピリジン療法に対するより低い感受性に関連するP2Y12レセプターのハプロタイプの少なくとも1つの遺伝子多型を同定するための生体外での方法が提供され、上記方法は、イントロン(配列番号1)の139、744および801位、ならびにエクソン2(配列番号2)の52位の周りに位置したP2Y12レセプター遺伝子の少なくとも1つの領域における、生物学的なサンプルのゲノムDNAの分析を含む;ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在はH2ハプロタイプと称され、そして少なくとも1つの対立遺伝子上に存在する場合、対照の対象に比べて、血栓症を発症させるか、またはチエノピリジン治療法に対するより低い感受性のより高い危険性を表わしている。
好ましくは、分析はゲノムDNAの前述の部位の(例えば、PCRによる)増幅ステップを含む。
特定の態様において、分析は単離された(すなわち、抽出された)ゲノムDNAを用いて行われる。
P2Y12レセプターの遺伝子多型を同定するための好ましい技術は、塩基配列決定法を含む。
キット
本発明の側面によると、H1/H2ハプロタイプは、場合により標識された核酸プローブによる対象のDNAとの接触によって検出される。
プライマーは、着目の遺伝子多型位置を含むP2Y12遺伝子の部分の増幅および塩基配列決定に有用でもある。
そのようなプローブまたはプライマーは、着目の多型位置を含むP2Y12遺伝子配列の一部と特異的にハイブリダイズすることができる核酸である。それは、それらが高い厳密さの条件下で参照する核酸配列とハイブリダイズする配列であることを意味する(Sambrook et al., 1989)。これらの条件は、融解温度Tmと高いイオン強度から決定される。好ましくは、最も有利な配列は、(Tm−5℃)〜(Tm−30℃)、より好ましくは(Tm−5℃)〜(Tm−10℃)の温度範囲でハイブリダイズするものである。6×SSCのイオン強度がより好ましい。例えば、高い厳重さのハイブリダイゼーション条件は、最も高いTm、例えば50%のホルムアミド、5×、または6×SCCに相当する。SCCは、0.15 MのNaCl、0.015 Mのクエン酸Naである。ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的な配列を含んでいることを必要として、ハイブリダイゼーションの厳重さに依存するが、塩基間の不一致が起こりうる。核酸のハイブリダイズのための適切な厳重さは、核酸の長さと相補性の程度、当該技術分野で周知の変数に依存する。2つのヌクレオチド配列の間の類似または同一の程度が高いほど、それらの配列をもつ核酸のハイブリッドのためのTm値も高い。(より高いTmと対応する)核酸ハイブリダイゼーションの相対的安定性は、以下の順序で減少する:RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。長さ100ヌクレオチド超のハイブリッドに関して、Tmを計算するための方程式が得られた(Sambrook et al., 上記 9.50-9.51を参照のこと)。より短い核酸、すなわちオリゴヌクレオチド、のハイブリダイゼーションのために、不一致の位置がより重要になって、そしてオリゴヌクレオチドの長さはその特異性を決定する(Sambrook et al., 上記 11.7-11.8を参照のこと)。ハイブリダイズ可能な核酸のための最小限の長さは、少なくとも約10ヌクレオチド;好ましくは少なくとも約15ヌクレオチド;そしてより好ましくは、長さが少なくとも約20ヌクレオチドのものである。
好ましくは、プローブまたはプライマーは、以下の図面または実施例に説明文として記載される。
プライマーが突然変異原性プライマーである場合、ハイブリダイゼーション条件を決定するための先の規則が、適合されるべきである。突然変異原性プライマーの配列は、与えられた対立遺伝子が増幅される時、制限部位を導入するために、実際には野生型配列とは部分的に異なる。さらに、そのような突然変異原性プライマーは、しばしば30〜40ヌクレオチドの長さである。
本発明は、P2Y12レセプターのH1/H2ハプロタイプの少なくとも1つの遺伝子多型を決定するのに好適なキットをさらに提供する。
そのキットは以下の内容物を含む:
(i)通常DNAでできている、予め標識された、先に規定されたプローブ。または、上記プローブは、標識されておらず、標識のための成分がキット中の別々の容器内に含まれる;および
(ii)ハイブリダイゼーション試薬:上記キットは、適用できる場合に固相マトリックスを含む、特別なハイブリダイゼーション・プロトコールのために必要とされる他の好適に包装された試薬および材料、ならびに基準物質を同様に含む。
他の態様において、前記キットは以下の内容物を含む:
(i)配列決定または増幅プライマー:塩基配列決定プライマーは、予め標識されているか、または親和性精製もしくは結合部分を含んでいる;および
(ii)配列決定または増幅試薬:上記キットは、特別な配列増幅プロトコールのために必要とされる、他の好適に包装された試薬および材料を含む。1つの好ましい態様において、キットは、その配列が少なくとも1つの遺伝子多型位置に隣接する配列に一致する、塩基配列決定または増幅プライマーのパネル、ならびに各々の遺伝子多型配列の存在を検出するための手段を同様に含む。
特定の態様において、イントロン(配列番号1)の139、744および801位、および/またはエクソン2(配列番号2)の52位の少なくとも1つを含む、P2Y12遺伝子の全部または一部を増幅するために特異的な1組のヌクレオチド・プライマーを含むキットを提供する。
以下の図面および実施例はその範囲を制限することなく本発明を説明する。
実施例1:P2Y12遺伝子配列変異体の同定
方法
対象
18〜35歳の年齢の98人の親族ではない健康な白人男性のボランティアを募集して、Hopital Europeen Georges pompidouの臨床試験センターで詳しく調べた。ボランティアらは、非喫煙者であり、目立った個人および一族の病歴を持たず、かつ、採血前の少なくとも10日間あらゆる投薬を受けなかった。身体検査と白血球、赤血球および血小板計算、平均血小板容量、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、血漿フィブリノゲン、およびC-応答性タンパク質アッセイを含む日常的な検体検査を組み入れ前に実施した。0日目(往診1)と7日目(往診2)に全てのボランティアから得た血液を、血小板凝集試験に供した。第3の血液サンプルを、血小板cAMP分析、ならびにクエン酸中と、ヒルジン−抗凝固処理多血小板血漿(PRP)中での最大血小板凝集の比較のために20人のボランティアのサブセットから得た。全ての対象は、それらの書面インフォームドコンセントを受け、そして研究プロトコールは地方の倫理委員会によって認められた。
サンプル作成
19ゲージの針を使用し、止血帯なしで、0.105 Mのクエン酸ナトリウム(1 vol/9 vol)(BD Vacutainer(登録商標)、Becton Dickinson, Le Pont de Claix, France)または50 μg/mLのレピルジン(efludanR, Hoechst, Paris, France)のいずれかを含む試験管中に、一晩絶食した後、静脈血を午前8:00と10:00の間に採血した。最初の2 mLの血液を捨てた。多血小板血漿(PRP)を、室温での10分間1000 rpmの遠心分離によって得た。15分間4000 rpmのさらなる遠心分離によって得られた自家少血小板血漿を、PRPの血小板カウントを250×109/Lに調整するために使用した。
血小板凝集能の研究
血小板凝集研究を、採血後2時間以内に実施した。血小板凝集を、4チャネルの凝集測定器(RegulestR Amneville, France)を用いた光度法を使うことによって37℃で計測した。PRPの280 μLのアリコートを37℃で3分間インキュベートし、そして、2分間1100 rpmでかき回し、その後1、2または5 μM(終濃度)で、20 μLの生理食塩液またはADP(Sigma-Aldrich, St Quentin Fallavier, France)を加えた。血小板凝集応答を5分間記録した。
cAMPの測定法
血小板cAMP含量を、攪拌しながら、1分間、10 μLの安定なプロスタサイクリン・アナログのイロプロスト(20 μg/L、終濃度)(llomedine(登録商標)、Schering-Plough)と270 μLのPRPをインキュベートし、そして20 μLの生理食塩液またはADP(1、2または5 μM)を加えることによって、20人の選ばれた対象で計測した。20 μLの12%トリクロロ酢酸を加えることによって3分後に反応を止めた。
そしてcAMPを抽出し、対象のP2Y12遺伝子型の知識なしに、製造業者の取扱説明書に従って酵素免疫測定法(EIA)(Amersham, Pharmacia Biotech, Orsay, France)により計測した。
遺伝子型同定の研究
ゲノムDNAを、製造業者の取扱説明書に従ってQiamp Maxiキット(登録商標)(Qiagen, Courtaboeuf, France)を使うことによって末梢血単核細胞から単離した。
P2Y12レセプター。当該発明者らは、GenBank登録番号AF313449の下で利用可能である、Hollopeterら(2001)によって報告されたcDNA配列をうまく利用した。P2Y12遺伝子の組成が、そのほとんどが1つのイントロンによって分割された2つのエクソンを含む他の7つの膜貫通ドメイン・レセプター遺伝子のそれと同じものだったと仮定して、当該発明者らは、センス・プライマーおよびアンチセンス・プライマーとして、EおよびJと称された2つのオリゴヌクレオチドを使って予備的な増幅実験を実施した;それらは報告されたcDNAの5'および3'末端に位置した(図1)。そして、増幅産物を、Pre-Sequencingキット(Amersham Pharmacia Biotech)によって精製した。精製の後にプライマーE、BおよびJを使ったサイクルシークエンス反応が続いた。続く、いくつかの他のプライマー(G、H、KおよびL)(図1)を使った塩基配列決定が、我々が増幅産物のヌクレオチド配列を決定することを可能にした。配列分析を、ABI Prism3700(Applera)によって実施した。
集団中の40人の対象のスクリーニングは、95%の信頼区間(Cl)で、5%以上の頻度を持つ遺伝子多型を同定するのに十分である。このように、48人の継続的な健康なボランティアの最初の組を、プライマーKによるエクソン1の58ntの、プライマーEおよびGによるその3'隣接領域の947ntの、プライマーL、CおよびMによるエクソン2の1274ntの、およびプライマーHによるその5'隣接領域の570ntの塩基配列決定によって、P2Y12遺伝子多型に関して選別した。プライマーを、図1に説明した。そして、同定された遺伝子多型を狙ったプライマーを使うことによって、P2Y12遺伝子を他の50人の対象において塩基配列決定した。
PCRと塩基配列決定の結果を、血小板凝集の結果の知識なしに分析した。遺伝子型同定を、あいまいなケースにおいて繰り返した。全98人の対象を、首尾よく遺伝子型同定した。
血小板RNAの抽出と逆転写
4 mLのPRP(109個の血小板)を、4000 rpmで15分間の遠心分離でペレットにした。RNAを、製造業者の取扱説明書に従って、RNeasy(登録商標)キット(Qiagen)を用いて抽出した。逆転写を、10ユニットのRNasin(商標)リボヌクレアーゼ抑制因子(Promega, Charbonnieres, France)、100ユニットのSuperscript II Rnase H-逆転写酵素(Invitrogen)、および1.5 mMのランダム・ヘキサヌクレオチド(Amersham Pharmacia biotech)を使って実施した。cDNAを−20℃で保存した。
統計分析
データを、中央値として表される非対称的な変数を除いて、平均±SEMとして示した。往診1および2で得られた個々の対象の値を一致率検定(Lin, 1989)を使って比較した。カイ二乗検定を、観察された対立遺伝子と、Hardy-Weinberg平衡予測による遺伝子型の頻度とを比較するために使用した。ノンパラメトリックKruskall-Wallis検定を使って遺伝子型グループにまたがる傾向を検定した。遺伝子型とADPに対する最大血小板凝集応答の間の関連性を、最大血小板凝集<50%を、0とコードし、そして最大血小板凝集≧50%を、1とコードする多変量ロジスティック回帰モデルを使うことによって、他の変数の調節の後に検定した。少数の対象の突然変異対立遺伝子に関するホモ接合体を考慮すると(<7)、遺伝子多型にかかわりなく、回帰分析のためにヘテロ接合体と一緒にこれらの対象を含有した。
統計的検定を、STATA7.0ソフトウェアパッケージ(Stata Corp, College Station, TX)を使用して実施し、そしてP値<0.05の相違を統計的に有意であるとみなした。
結果
ADPで誘導した血小板凝集の変動を評価するために、当該発明者らは、98人の健康なボランティアの各々からの、1週間ずらして得られた、2点のサンプルを試験した。図2は、2つの往診におけるクエン酸PRP中の2 μM ADPに対する最大血小板凝集応答を比較する。少なくとも2つの表現型のグループを同定した。最大血小板凝集は、47人の対象(48.0%)において両方の往診で50%以下であった。しかも、このサブグループの43人の対象(91.5%)が、可逆的な主要相と一致する血小板凝集特性を持っていた。逆に、最大血小板凝集は、29人の対象(29.6%)で両往診において50%以上であって、そしてこれらの対象の28人(96.5%)が、ADP誘導血小板凝集の不可逆的な第2段階を持っていた。最大血小板凝集は2つの往診の間で安定していたので(r2=77%、P<0.001)、我々は続く分析のために、各々の対象についての平均値を使った(以下、最大血小板凝集と呼ぶ)。
血小板凝集のこれらの2つの明瞭な表現型のグループの存在は、長期にわたるADP応答の安定性と一緒に、血小板凝集に対するADP効果の起こり得る遺伝子制御を示した。よって、当該発明者らは、研究集団においてP2Y12遺伝子を分析し、それがATGコドンの上流に位置し、長さ約約1700 bpの1つのイントロンによって分けられた少なくとも2つのエクソンを含んでいることが分かった。エクソン2は、342個のアミノ酸のタンパク質全体をコードする(図1)。6ヌクレオチド(nt)反復配列のため(表1)、正確なエクソン1の3'末端,およびエクソン2の5'開始部位を同定できなかった。
当該発明者らは、H1およびH2ハプロタイプを規定した3つのSNPsと1つのヌクレオチド挿入の遺伝子多型を発見した(表2)。
H2ハプロタイプは、ADPに対する応答におけるより高い最大血小板凝集に関連し、H2対立遺伝子を担持しない対象(H1/H1、n=74)において34.7%の、1つのH2対立遺伝子を担持する対象(H1/H2、n=21)において67.9%の、そして2つのH2対立遺伝子を担持する3人の対象(H2/H2)において82.4%の中央値をもつ(図3、P=0.0071)。多変量ロジスティック回帰分析は、この関連性のオッズ率(OR)(OR 3.3、95% Cl:1.1-10.4)が、年齢、体格係数、血小板カウント、平均血小板容量、白血球数、フィブリノゲン、PT、aPTT、およびPlA1/PlA2遺伝子型の調整後も実質的に変わらなかったことを示した。C34T遺伝子多型は、ADPに対する応答における最大血小板凝集に関連しなかった。
H2ハプロタイプと、エクソン1と2の間に位置するイントロンの可能なスプライス変異体の関連性を調査するために、当該発明者らは、H1/H1(n=3)、H1/H2(n=3)およびH2/H2(n=3)遺伝子型のボランティアからの血小板mRNAの逆転写によって得られるP2Y12 cDNAを増幅して、塩基配列決定をした。ハプロタイプにかかわりなく、ヌクレオチド配列決定は変異体を明らかにしなかった。しかも、配列特性は、H1/H2対象の両方の対立遺伝子の増幅と一致しており、両方のmRNA変異体が転写されることを示唆した(データ未掲載)。
H2ハプロタイプとADP刺激血小板凝集の間の関連性をさらに検討するために、当該発明者らは、無作為に10人のH2ハプロタイプの保因者と、10の非保因者を選んだ。ADP誘導血小板凝集が細胞外Ca++濃度に依存していると考えられるので (Packam et al., 1987)、彼らは、低Ca++濃度を含む媒体(クエン酸抗凝固処理PRP)と、生理学的なCa++濃度を含む媒体(ヒルジン抗凝固処理PRP)中で2 μM ADPに対する最大血小板凝集を計測した。クエン酸添加血液で、H2対立遺伝子の保因者と非保因者は、それぞれ71.5%±5.2%と、50.7%±7.2%の最大血小板凝集を有した(P=0.023)。同じように、ヒルジン抗凝固処理血液で、H2対立遺伝子の保因者と非保因者は、それぞれ53.8%±3.9%と42.8%±3.4%の最大血小板凝集を有した(P=0.034)。
H2ハプロタイプとアデニレートシクラーゼのP2Y12調節の間の見込まれる関連性を同定するために、当該発明者らは、同じ20人の対象由来の血小板におけるイロプロスト刺激cAMP蓄積を阻害するためのADPの容量を測定した。ADPは、1、2および5 μMのADPで、H2ハプロタイプの保因者における、それぞれ31%、39%および50%と比べて、それぞれ13%、31%および37%阻害で濃度依存的に非保因者由来の血小板中のcAMP形成を阻害した(図4)(P=0.028)。
考察
当該発明者らは、P2Y12レセプター遺伝子における3つのシングルヌクレオチド遺伝子多型(SNP)と1つのヌクレオチド挿入を同定し、それはH1およびH2と称される2つのハプロタイプを確定した。H2ハプロタイプは、ADPに対する応答における高い最大血小板凝集能に関連した。これは、少なくとも一部で、ADPによるcAMP阻害を調節する機構の相違に関連した。
ADP誘導血小板応答が>50%の血小板凝集を有する二相応答を生じることが求められるADP濃度については相当な変動性を示すことが大集団研究で示された(Feng et al., 1999)。本研究において、98人の健康なボランティアのADP誘導血小板凝集は、1週間開けた、すなわちほとんどの血小板の再生の後の、2回の計測の間で安定していた。これらの結果は、ADP誘導血小板凝集の遺伝子による制御を示していた。
H2ハプロタイプの保因者と非保因者の間のADPに対する血小板凝集応答の相違をさらに検討するために、当該発明者らはイロプロストによって刺激した血小板のアデニレートシクラーゼ阻害を検討した。図4で示されるように、H2ハプロタイプと、ADPによる細胞内cAMP濃度の減少の間で相関関係が見られた。
特異的なP2Y12レセプター阻害因子、例えばチエノピリジン系チクロピジンおよびクロピドグレルにより得られたデータは、P2Y12がアデニレートシクラーゼ阻害、続く細胞内cAMPの減少に関与する唯一の知られている血小板ADPレセプターであることを裏付ける(Geiger et al., 1999)。しかも、選択的なP2Y1レセプター拮抗薬は、ADP誘導アデニレートシクラーゼ阻害に効果がない(Jin et al., 1998a)。よって、我々はアデニレートシクラーゼ非依存性機構の関与を排除できないが、ADP刺激後のH2ハプロタイプの保因者と非保因者の間の血小板cAMP濃度の相違は、対象のこれらの2つの群で観察された最大ADP誘導血小板凝集の相違のもっともらしい説明である(Kauffenstein et al., 2001)。
ADP誘導血小板凝集に対するCa++濃度の影響は、洗浄血小板によって特徴づけられた(Packam et al., 1987)。ヒルジンが抗凝固薬として使用された場合、血中Ca++濃度は、約1.1 mMであり、そしてADPは、クエン酸PRP中よりずっとわずかな顆粒内容物放出しか誘導しない(Mustard et al., 1975)。しかし、我々の研究において、最大血小板凝集はヒルジン抗凝固処理PRPでより低かったが、H2対立遺伝子は血小板凝集応答と関連し続けた。
H2ハプロタイプがADPに対する応答において血小板凝集能を高める分子機構は、依然として決定されていない。P2Y12遺伝子の全コーディング配列が当該研究集団において選別されたので、タンパク質構造に影響するアミノ酸置換を排除することができる。しかも、両ハプロタイプのcDNA分析が、スプライス変異体を排除し、エクソン1−エクソン2接合部での正常な配列を示した。よって、血小板表面上のレセプター数の増加が、H2ハプロタイプと、ADPに対する血小板応答性の間の関連性を説明する可能性が最も高い。合成されるタンパク質の転写効率と量を増加させるイントロンおよびエクソンのエンハンサー部位の遺伝子多型が、他の遺伝子で説明された(Scohy et al., 2000;Watakabe et al., 1993)。
実施例2:H2ハプロタイプと、下肢末梢動脈疾患(PAD)との関連
方法
パリ地区出身の70歳より若い継続的な白人男性のPAD患者を募集した。PAD患者を、足首/腕収縮期血圧比<0.90の下肢の症候性アテローム硬化性疾患を持っているか、あるいは前の外科的または血管内血管再開通術を伴う症候性下肢アテローム硬化性疾患の病歴を持つ患者と規定した。対照対象は、動脈疾患の病歴がなく、そして血管疾患の遺伝子リスク要因の研究のために計画された先に記載の対照群の703人の白人男性の中で、年齢の合致によって、無作為に選ばれた(Arnaud et al., 2000)。必要とされる対象数の計算は、実施例1に記載のようにP2Y12のH2ハプロタイプの対立遺伝子の頻度に基づき、2以上のオッズ比を検出するために決定された。α=0.05、そしてβ=0.20によると、150人の患者と、300人の対照を研究のために必要とした。2年間にわたり、185人の患者を組み入れ、331人の対照に組み合わせた。各々を1人の対照と組み合わせた38人の患者を除いて、各々の患者を2人の対照と組み合わせた。患者および対照対象は、書面のインフォームドコンセントを受け、研究プロトコールはParis-Cochin倫理委員会によって承認された。
P2Y12遺伝子のH2対立遺伝子の決定を、実施例1に記載の通りポリメラーゼ連鎖反応および配列分析によって実施した。
結果と考察
表3に患者と対照の特徴をまとめる(表3)。
表3:対象の特徴:値は、平均±SD、または各々の群についての百分率として与えられる。LDLとHDLは、低密度と高密度リポタンパク質;BMIは、体格指数。
Figure 2006502746
前記2つの群は、喫煙状況、高血圧、および糖尿病の有病率に関して顕著に異なっていた。高コレステロール血症は、両群において類似していた。患者は、より頻繁に脂質低下薬で治療され、より低い総コレステロールおよびLDLコレステロール値であった。ほとんどのPAD患者が間欠跛行に罹患しており、併発冠状動脈疾患または虚血性脳血管疾患が31%にあった。対照群の21%と比べて、PAD患者の中の、対象の30%が、少なくとも1つのH2対立遺伝子の保因者だった(p=0.03)。ロジスティック回帰の結果を表4に記載する。
表4.PADに関する一変量および多変量ORによる患者および対照におけるP2Y12のH1/H2ハプロタイプの遺伝子型頻度。OR計算に関して、H1/H2とH2/H2群は、一緒に含まれる。多変量解析のORを、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、および喫煙に関して方法で規定した通りに調節する。
Figure 2006502746
H2対立遺伝子は、一変量分析においてOR=1.6でPADと関連した。高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、および喫煙状況を含む一般的な心血管の危険因子に対する調節によって、関連性はOR=2.2と強化された(p=0.004)。
これは、機能性P2Y12遺伝子の遺伝子多型とアテローム硬化性疾患の間の関連性を示す最初の研究である。P2Y12は、PAD患者において血栓症合併症をもたらす事件のカスケードの中の重要なステップである。
H2ハプロタイプとPADの関連性は、アテローム発生における血小板の役割を明らかにする。
参考文献
Figure 2006502746
プライマーおよびP2Y12遺伝子内の遺伝子多型の位置を示している模式図である。 約3100 bpのPCR産物をプライマーEおよびJを使って得た。続く塩基配列決定分析を、以下のプライマーを使って実施した。
Figure 2006502746
ATGとTAAは、それぞれ開始コドンと停止コドンである。i-C139T、i-T744C、i-ins801A、C34TおよびG52Tが、研究集団で発見された遺伝子多型である。
98人の健康なボランティアのADPに対する最大血小板凝集応答を示すグラフである。 3分間のインキュベーション期間後に、血小板(クエン酸PRP中、250×109/L)を2 μMのADPで刺激した。往診(visits)1および往診2(1週間後)において記録された、血小板凝集値の間の一致率は77%(P<0.001)だった。 P2Y12ハプロタイプによる2 μMのADPに対する応答における最大血小板凝集を示すグラフである。 各々のボランティアの往診1および往診2で記録された最大血小板凝集値の平均を分析のために使用した。中央値は、H2対立遺伝子を担持していない対象(H1/H1、n=74)で34.7%、1つのH2対立遺伝子を担持している対象(H1/H2、n=21)で67.9%、そして2つのH2対立遺伝子を担持している3人の対象(H2/H2)(P=0.0071)で82.4%だった。 H2ハプロタイプの保因者と非保因者におけるADPによるイロプロストによって誘導されたcAMP形成の阻害を示すグラフである。 イロプロスト(20 μg/μLの終濃度)を、37℃でのインキュベーション1分後に、クエン酸PRPに加えた。生理食塩液(対照)または1、2または5 μMのADPを、1分後に加えた。前記反応を3分後に止めて、商業的なアッセイ・キットを使ってcAMP濃度を測定した。三角と円は、それぞれH2ハプロタイプの保因者と非保因者を意味する。平均±SEM。
【配列表】
Figure 2006502746
Figure 2006502746
Figure 2006502746

Claims (11)

  1. 対象の血栓症を発症する危険性の生体外判定方法であって、イントロン(配列番号1)の139位、744位および801位、ならびにエクソン2(配列番号2)の52位におけるP2Y12レセプターの遺伝子多型を同定するステップを含み、ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在は、H2ハプロタイプと称され、かつ、少なくとも一方の対立遺伝子上に存在する場合、H2対立遺伝子を全く含まない対照の対象に比べて血栓症の発症に対するより高い危険性を示す、前記方法。
  2. 前記血栓症が動脈血栓症である、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの対立遺伝子上のH2ハプロタイプの存在が、末梢動脈疾患(PAD)の発症に対するより高い危険性をさらに示す、請求項2に記載の方法。
  4. チエノピリジン療法に対する対象の感受性の生体外判定方法であって、イントロン(配列番号1)の139位、744位および801位、およびエクソン2(配列番号2)の52位におけるP2Y12レセプターの遺伝子多型を同定するステップを含み、ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在は、H2ハプロタイプと称され、かつ、少なくとも一方の対立遺伝子上に存在する場合、H2対立遺伝子を全く含まない対照の対象に比べてチエノピリジン療法に対する上記対象のより低い感受性を示す、前記方法。
  5. 前記チエノピリジン療法がチクロピジンまたはクロピドグレルを使った療法である、請求項4に記載の方法。
  6. 対象の血栓症に関連した、またはチエノピリジン療法に対するより低い感受性に関連したP2Y12レセプターのハプロタイプの少なくとも1つの遺伝子多型の生体外同定方法であって、イントロン(配列番号1)の139位、744位および801位、およびエクソン2(配列番号2)の52位の周囲に位置するP2Y12レセプター遺伝子の少なくとも1つの領域において生物学的サンプル中のゲノムDNAを分析するステップを含み;ここで、同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在は、H2ハプロタイプと称され、かつ、少なくとも一方の対立遺伝子上に存在する場合、血栓症の発症に対するより高い危険性か、または対照の対象に比べてチエノピリジン療法に対するより低い感受性を示す、前記方法。
  7. 前記分析が、前記生物学的サンプルから抽出されたゲノムDNAに対して行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記分析が、ゲノムDNAの前記領域の増幅ステップを含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記P2Y12レセプターの遺伝子多型が塩基配列決定法によって同定される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 同時に起こる、イントロンの139位のTの存在、イントロンの744位のCの存在、イントロンの801位のAの挿入、およびエクソン2の52位のTの存在を伴うP2Y12遺伝子配列を含むP2Y12レセプターをコードする単離された核酸。
  11. イントロン(配列番号1)の139位、744位および801位、および/またはエクソン2(配列番号2)の52位の少なくとも1ヶ所を含むP2Y12遺伝子の全部または一部を増幅するのに特異的な1組のヌクレオチド・プライマーを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法に好適なキット。
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