JP2006500431A - 異方性の自由流動性ショットコークを製造するためのディレードコーキング方法 - Google Patents

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Abstract

製造されたコークの実質的に全てが、自由流動性の異方性ショットコークであるディレードコーキング方法が開示される。減圧残油などのコーカーの原料を、空気などの酸化剤で処理し、アスファルテン、極性物質および有機結合酸素基のうち一種以上のレベルを増大する。次いで、酸化された原料をコーキング温度に加熱し、揮発性物質を放出し、また実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、コーカードラムに送る。

Description

本発明は、製造されたコークの実質的に全てが、自由流動性の異方性ショットコークであるディレードコーキング方法に関する。減圧残油などのコーカーの原料を、空気などの酸化剤で処理し、アスファルテン、極性物質および有機結合酸素基のうち一種以上のレベルを増大する。次いで、酸化された原料をコーキング温度に加熱し、揮発性物質を放出し、また実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、コーカードラムに送る。
ディレードコーキングは、多年にわたり実施されている。この方法には、石油残油(残油(resid))の熱分解が広く含まれ、ガス、種々の沸点範囲の液体ストリームおよびコークが製造される。重質およびヘビーサワー(高硫黄)原油からの残油のディレードコーキングは、主として、これらの低価値原料の廃棄手段として、残油の一部をより価値のある液体およびガス生成物に転化することによって行なわれる。得られたコークは、一般には低価値副生物とみなされるものの、燃料(燃料グレード)、アルミニウム製造用電極(陽極グレード)等としていくらかの価値を有するものである。
ディレードコーキング法において、原料は、燃焼加熱器または管状炉で、急速に加熱される。次いでそれは、コーキングが生じる条件(一般に、約400℃を超える温度および加圧下)で保持されるコーキングドラムに送られる。加熱された残油原料は、更に、コーカードラムで分解して、揮発性成分が形成される。これは、オーバーヘッドから除去されて分留装置に送られ、コークが後に残される。コーカードラムがコークで一杯になると、加熱された原料は他のドラムに切替えられ、炭化水素蒸気がスチームでコークドラムから追い出される。次いで、ドラムは水で急冷されて、温度が約200〜300゜Fに下げられ、その後水が排出される。冷却工程が完了すると、ドラムは開放され、高速ウォータージェットを用いるドリリングおよび/または切断の後、コークが除去される。
コークをドラムから切りだすのには、例えば高速の高衝撃ウォータージェットが用いられる。典型的には、穴あけ器具に配置されたウォータージェットノズルにより、コークに穴があけられる。切断器具の先端に水平に向けられたノズルにより、ドラムからコークが切り出される。コークの除去処理は、この方法の処理時間を少なからず増大する。即ち、得られたコーク塊をドリリングして、除去するのに約1〜6時間(典型的には約3時間)を要することから、コーカードラムのターンアラウンド時間および方法コストが増大される。従って、コーカードラム内に自由流動性コークが製造され、従来の凝集されたコーク塊を除去するのに伴う費用および時間を必要としないことが望まれる。
更に、コーキングドラムが完全に冷却されて見えても、当該分野において「ホットドラム」と呼ばれる問題がしばしば生じる。この問題は、ドラムの領域が完全に冷却していない場合に生じる。これは、ドラム内のコーク形態の組み合わせの結果であり、不均一ドラムをもたらしうる。ドラムは、二タイプ以上の固体コーク生成物、例えばニードルコーク、スポンジコークおよびショットコークの組み合わせを含むことがある。BBサイズのショットコークは、他のコーク(大きなショットコーク塊、スポンジコークなど)より速く冷却しうる。「ホットドラム」を防止することは、主としてショットコークをディレードコーカー内に製造することの、もう一つの理由である。
ディレードコーキング中に、主として、または実質的に全て単一のタイプのコークを製造する試みが為された。
例えば、特許文献1(本明細書に引用して含まれる)には、ディレードコーカー原料中、またはコーカードラム自体に使用済み苛性物質(spent caustic)を導入して、ホットドラム問題を軽減するのに役立つショットコークを製造するディレードコーキング方法が教示される。これはまた、冷却時間を低減する。
更に、特許文献2(これもまた、本明細書に引用して含まれる)には、等方性コークが生成物であるディレードコーキング方法が教示される。等方性コークは、三つの結晶軸に沿ってほぼ等しい熱膨張を有するコークである。これは、ある軟化点を示すまで石油残油原料に通気し、またコーキング方法を、比較的高いリサイクル比で、好ましくは希釈油を用いて運転することによって達成される。
ディレードコーキングは、多年にわたって商業的に用いられたものの、依然として、コーク除去時間を短縮しうる改良のための技術的必要性が残る。
米国特許第5,258,115号明細書 米国特許第3,960,704号明細書 米国特許第3,116,231号明細書
本発明によれば、製造されたコークの実質的に全てが、実質的に自由流動性の異方性ショットコークであるディレードコーキング方法が提供される。前記方法は、
a)減圧残油原料を、残油中のアスファルテンおよび有機結合酸素の量を増大させるのに有効な時間、約150〜約325℃の温度で酸化剤と接触させる工程;
b)前記酸化された残油原料を、前記原料をコーキングするのに有効な温度に加熱する工程;
c)前記酸化および加熱された残油を、揮発性物質および実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、約15〜50psigの圧力でディレードコーカードラムに供給する工程;
d)前記揮発性物質の少なくとも一部を、オーバーヘッドから除去する工程;および
e)実質的に自由流動性の異方性ショットコーク生成物を、コーカードラムから除去する工程
を含む。
また本発明によれば、
a)減圧残油を、残油中のアスファルテンおよび/または極性物質、並びに他の有機結合酸素基の量を有意に増大させるのに有効な時間、約150〜約375℃の温度で有効量の空気と接触させる工程;
b)前記酸化された残油を、前記残油をコーキングするのに有効な温度に加熱する工程;
c)前記酸化および加熱された残油を、揮発性物質および実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、約15〜50psigの圧力でディレードコーカードラムに供給する工程;
d)前記揮発性物質の少なくとも一部を、オーバーヘッドから除去する工程;
e)残った高温のコーク床を、水で急冷する工程;および
f)得られた実質的に自由流動性の異方性ショットコーク生成物を、コーカードラムから除去する工程
を含むディレードコーキング方法が提供される。
本発明の一つの好ましい実施形態においては、酸化剤は空気である。
本発明の他の好ましい実施形態においては、コーカー炉での加熱前、加熱中または加熱後に、酸化された残油コーカー原料に苛性物質を添加しうる。
本発明のディレードコーキング方法に適切な原料は、石油減圧残油である。そのような石油残油は、多くの場合、減圧下で原油原料から留出油を除去した後に得られ、大きな分子サイズおよび高分子量の成分からなるものとして特徴付けられ、一般には、(a)アスファルテンおよび他の高分子量芳香族構造体(水素化/水素化分解の速度を抑制し、触媒の失活を引き起こす);(b)原油中に天然に存在するか、または原油の前処理に起因する金属汚染物質(水素化/水素化分解触媒を失活させ、触媒の再生を阻害する傾向がある):および(c)比較的高い含有量の硫黄および窒素化合物(石油残油を燃焼する際に、好ましくない量のSO、SOおよびNOを生じさせる)を含む。窒素化合物はまた、接触分解触媒を失活させる傾向を有する。本発明で用いると予期されるコーカー石油原料の典型的な例には、石油原油の常圧および減圧蒸留、或いは重油の常圧または減圧蒸留からの残渣、ビスブレーキング法による残油、脱歴装置からのタール、またはこれらの物質の組み合わせが含まれる。常圧および減圧抜頭重質ビチューメンもまた使用しうる。典型的には、これらの原料は、名目初留点約538℃以上、API比重約20°以下およびコンラドソン残留炭素含有量約0〜40重量%の高沸点炭化水素質物質である。
本発明のコーキング法はディレードコーキングであり、当該分野において周知である。一般に、ディレードコーキング方法においては、石油残油供給原料などのボトム留分を、約50〜550psigの圧力で加熱器にポンプ輸送し、そこで約480〜約520℃の温度に加熱する。次いでそれを、垂直に向けられた断熱コーカードラム中に、ドラムの基部にある入口を通って放出する。ドラム内の圧力は、通常比較的低く(例えば約15〜50psig)、揮発性物質がオーバーヘッドから除去可能となる。ドラムの典型的な運転温度は、約410〜475℃である。高温の原料を、コーカードラム内で一定時間熱分解し、主に炭化水素生成物からなる揮発性物質を遊離させる。これは、連続的にコーク塊を通って上昇し、オーバーヘッドに集められる。揮発性生成物は、コーカー分留装置に送られて、コーカーガス、ガソリン、軽質ガスオイルおよび重質ガスオイルが蒸留・回収される。コーカー分留装置に導入された生成物ストリームに存在する重質コーカーガスオイルの少なくとも一部は、リサイクルのために補足され、新原料(コーカー原料成分)と組み合わされ、それによりコーカー加熱器またはコーカー炉への供給が為される。
一般に、固体ディレードコーカー生成物には、価値、外観および特性の異なる三つの異なるタイプがある。これらは、ニードルコーク、スポンジコークおよびショックコークである。ニードルコークは、三種類のうちで最も高品質である。ニードルコークは、更に熱処理された際に、高い伝導性を有し、電気アーク製鋼で用いられる。それは、硫黄および金属が比較的少なく、また、アスファルテンおよびレジンとは対照をなすものとしての、ある種のより高品質のコーカー原料(これには、接触分解装置からのスラリーおよびデカント油、並びに熱分解タールなどの、より芳香族性の原料が含まれる)から製造される。
スポンジコーク(より低品質のコークで、しばしば「レギュラーコーク」と呼ばれる)は、殆どの場合、精油所で形成される。相当量のアスファルテン、ヘテロ原子および金属を有する低品質の精油所コーカー原料は、このより低品質のコークを製造する。硫黄および金属含有量が十分に低い場合、スポンジコークは、アルミニウム産業用の電極の製造に用いうる。硫黄および金属含有量が非常に高い場合、コークは燃料として用いうる。名称「スポンジコーク」は、その多孔質のスポンジ様外観に由来する。従来のディレードコーキング方法は、本発明の好ましい減圧残油原料を用いて、典型的には、スポンジコークを製造する。これは、凝集された塊として製造され、ドリリングおよびウォータージェット技術を含む大規模な除去処理を必要とする。これにより、かなりの時間および費用がこの方法に加えられる。
ショットコークは、最も高い硫黄および金属含有量、並びに最も低い電気伝導性を有し、また最も粉砕困難であることから、最も低品質のコークとみなされた。用語「ショットコーク」は、BBサイズ(約1/16インチ〜3/8インチ)の球と類似したその形状に由来する。ショットコークは、他のタイプのコークのように、特にスポンジコークとの混合物においては、より大きな塊(しばしば直径が1フィートより大きい)に凝集する傾向がある。これは、精油所設備およびプロセスに問題をもたらしうる。ショットコークは通常、最も低品質の高レジン−アスファルテン原料から製造され、また特に、セメントキルンおよび製鋼での使用に対しては、良好な高硫黄燃料源となる。本発明者らは、先ず残油原料を酸化剤で処理し、そのアスファルテンおよび/または極性部分(ケトン、カルボン酸等のような有機結合酸素を含むものなど)の含有量を実質的に増大することによって、実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造しうることを、意外にも見出した。残油原料を、酸化剤(好ましくは空気)に、有効な温度(即ち、アスファルテンおよび有機結合酸素基の形成が促進される温度)で接触させる。そのような温度は、典型的には約150〜約325℃、好ましくは約185〜約280℃、より好ましくは約185〜約250℃である。酸化剤は、ガス、液体または固体を含むいかなる適切な形態でもよい。本発明を実施する際に用いうる酸化剤の例には、空気、酸素、オゾン、過酸化水素、有機過酸化物、ヒドロペルオキシド、無機過酸、無機酸化物、無機過酸化物、酸化物の塩、硫酸および硝酸が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは空気である。残油を酸化剤で処理した後、任意に苛性物質(好ましくは使用済み苛性物質)を添加しうることは、理解されるところである。使用済み苛性物質はまた、酸化された残油をコーカー炉に送り、コーキング温度に加熱する前、加熱中または加熱後に添加しうる。苛性物質は、種々の精油所プロセスで典型的に用いられるアルカリ金属物質、好ましくは使用済み苛性ソーダおよび/または苛性カリのストリームである。そのような使用済み苛性物質ストリームは、典型的には、ナトリウムおよびカリウム、硫黄並びに他の廃棄物(炭化水素源によって異なるが、有機酸、溶解炭化水素、フェノール、ナフテン酸および有機酸塩でありうる有機汚染物質を含む)のうち一種以上を含む。使用済み苛性物質ストリームは通常、水の含有量が比較的高い(典型的には約50〜95重量%、より典型的には約65〜約80重量%の水)。
残油原料を酸化剤で処理する正確な条件は原料による。即ち、原料を酸化剤で処理する条件は、コーキングする原料の組成および特性による。これらの条件は、過度な実験なしに、当業者によって決定されうる。数回にわたり、特定の原料について、異なる酸化時間および温度で運転し、続いてコーキングを行う。次いで、本明細書の実施例に示されるように、マイクロカーボン試験手順および顕微鏡を用いて、得られたコークを分析する。実質的に自由流動性のコークを製造する所望のコーク形態は、約1〜10μm、好ましくは約1〜5μmの平均サイズを有する、分離したマイクロドメインからなるコーク微細構造(いくらかモザイク様)である(本明細書の図2)。自由流動性の異方性ショットコークでないコークを表すコーク微細構造は、本明細書の図1に表される微細構造である。これは、実質的に非分離の、または実質的に大きな(約60μmまでのサイズまたはそれ以上、典型的には約10〜60μmのサイズ)流れドメインからなるコーク微細構造を示す。
本明細書に引用して含まれる特許文献2には、目標の軟化点を示すまで残油原料に通気するディレードコーキングが教示される。次いで、通気した原料を、等方性コークの形成を促進する条件で運転されるディレードコーキングプロセスに送る。即ち、コーク粒子は、三つの主結晶軸に沿って実質的に等しい熱膨張特性を有する。この特許文献2は、ペレットタイプの等方性コークを製造するように、比較的高いリサイクル比および更なる量の油(希釈剤として)を必要とする。例えば、この特許文献2のリサイクル比は約1〜5である。これは、新鮮原料を基準として100〜500%のリサイクルに相当する。本発明を実施する際には、約15%までのリサイクルを用いうるが、全くリサイクルを用いないことが好ましい。本明細書ででクレームされるディレードコーキング方法は、等方性ペレットタイプコークを製造しないものであり、実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造する。また、本発明の実施により得られたショットコークは、コーカードラムから、ドリリングやウォータージェット切削技術を用いることなく容易に除去しうる。ショットコークは従来の方法によって製造されてきたが、それは典型的には、ウォータージェット技術がそれを除去するのに必要とされる程度に凝集する。
本発明を実施するに際して、先ず残油原料を酸化剤で処理して、そのアスファルテン、極性物質および有機結合酸素基のレベルを実質的に増大することが重要である。これは、実質的に自由流動性の異方性ショットコークの形成を促進する。本発明を実施するに際しては、また、放出する揮発性物質の殆どをオーバーヘッドに集めることを可能にするように、コーカードラムを比較的低圧力に保持することが重要である。これは、得られたショットコークの凝集を防止するのに役立つ。リサイクル比、即ち、炉への供給量(=減圧残油+リサイクル油)/連続的ディレードコーカー運転への新鮮原料供給量の容積比もまた、できるだけ低く保つべきである。ディレードコーキングに対するリサイクル比の使用は、特許文献3(本明細書に引用して含まれる)により詳細に教示される。
本発明は、次の実施例を引用することによって、より深く理解される。これは例証目的でのみ示され、いかなる意味においても、本発明を限定するものとはみなされない。
一般手順:
サーム−O−ウォッチ(Therm−O−Watch)制御装置、機械式羽根スターラーおよびディーン−スターク(Dean−Stark)トラップ(反応中にライトエンドおよび水が生成すれば回収する)を取付けた500ccの丸底フラスコに、5種の異なる石油残油を各々約180g加えた。残油を180℃に加熱し、その際、高温の残油原料中に、その表面下でスパージャーチューブを用いて空気を導入した。温度を上昇させて、3時間にわたり(または所望程度の酸化に応じて必要な分だけ)、220〜230℃に調整し、且つ空気流量を0.675ft/時間に制御した。所望時間後にスパージャーチューブを除去し、フラスコを室温まで冷却した。
250ccの丸底フラスコに、脱アスファルト手順:新鮮または酸化コーカー原料とn−ヘプタンの混合物を、原料1部/n−ヘプタン8部の比率で加え、室温で16時間撹拌した。次いで、粗いブフナーロートを通して混合物を濾過し、沈殿したアスファルトを分離した。減圧オーブン中で、固形分を100℃で終夜乾燥した。油/ヘプタン混合物からヘプタンを、蒸発させて、脱アスファルト油を回収した。酸化原料から製造されたアスファルテンの量を、同じ脱アスファルト手順で出発残油から得られた量と比較した。結果を下記表1に示す。
Figure 2006500431
マイクロカーボン残留試験を、上記の原料について行ない、コークを生成させ、顕微鏡によって評価した。下記表2は、マイクロカーボン試験に用いられた手順である。
Figure 2006500431
図1および2は、サンホアキンヴァレー(San Joaquin Valley)残油について、未処理残油および上記の手順に従って空気処理した残油の両者から得られたコークの微細構造を示す交差偏光顕微鏡写真である。両者の視界領域は、170μm×136μmである。未処理残油は、分離した細かいドメインではない微細構造を有するコークを生じた。ドメインは、比較的大きな(10〜30μm)流れドメインであった。これは、ディレードコーカーのコーカードラム内で、ショットコークとスポンジコークの混合物が製造されることを示す。最初に空気酸化した残油試料から得られたコークの微細構造(図2)は、比較的細かい(2〜5μm)分離した細かいドメインを示す。これは、ディレードコーカーのコーカードラム内で、自由流動性のショットコークが製造されることを示す。同じ手順に従って、次に示す流れドメインサイズの変化が観察された。
中東(Midwest)減圧残油:10〜50μm/2〜3μm
ルイジアナスウィート[(Louisiana Sweet)減圧残油(6時間):20〜60μm/2〜5μm
マヤ(Maya)減圧残油:2〜10μm/変化なし
重質カナディアン(Heavy Canadian)減圧残油:10〜20μm/2〜10μm
コーキング前に酸化剤で処理しなかったサンホアキンヴァレー減圧残油から得られたコークの交差偏光顕微鏡写真である。視界領域は、170μm×136μmである。 コーキング前に185〜225℃の温度で3時間空気処理したサンホアキンヴァレー減圧残油から得られたコークの顕微鏡写真である。視界領域は、170μm×136μmである。

Claims (15)

  1. 製造されたコークの実質的に全てが、実質的に自由流動性の異方性ショットコークであるディレードコーキング方法であって、
    a)減圧残油原料を、残油中のアスファルテン、極性物質および有機結合酸素基のうち一種以上の量を有意に増大させるのに有効な時間、150〜325℃の温度で酸化剤と接触させる工程;
    b)前記酸化された残油原料を、前記原料をコーキングするのに有効な温度に加熱する工程;
    c)前記酸化および加熱された残油を、揮発性物質および実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、15〜50psigの圧力でディレードコーカードラムに供給する工程;
    d)前記揮発性物質の少なくとも一部を、オーバーヘッドから除去する工程;および
    e)生成物である実質的に自由流動性の異方性ショットコークを、コーカードラムから除去する工程
    を含むことを特徴とするディレードコーキング方法。
  2. 前記酸化剤は、空気、酸素、オゾン、過酸化水素、有機過酸化物、ヒドロペルオキシド、無機過酸、無機酸化物、無機過酸化物、酸化物の塩、硫酸および硝酸よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のディレードコーキング方法。
  3. 前記酸化剤は、空気、酸素およびオゾンよりなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載のディレードコーキング方法。
  4. 前記酸化剤は、空気であることを特徴とする請求項3に記載のディレードコーキング方法。
  5. 残油が酸化剤で処理される前記温度は、185〜280℃であることを特徴とする請求項1に記載のディレードコーキング方法。
  6. コーキング温度への加熱前、加熱中または加熱後に、残油に苛性水溶液を添加することを特徴とする請求項1に記載のディレードコーキング方法。
  7. 苛性水溶液は、コーキング温度への加熱後に残油に添加されることを特徴とする請求項6に記載のディレードコーキング方法。
  8. 前記ショットコークの粒子サイズは、1/16〜3/8インチであることを特徴とする請求項1に記載のディレードコーキング方法。
  9. 前記得られた実質的に自由流動性の異方性コークの微細構造は、平均サイズが1〜10μmの実質的に分離したドメインからなるものとして特性付けられることを特徴とする請求項1に記載のディレードコーキング方法。
  10. a)減圧残油を、残油中のアスファルテン、極性物質および有機結合酸素基のうち一種以上の量を有意に増大させるのに有効な時間、150〜325℃の温度で有効量の空気と接触させる工程;
    b)前記酸化された残油を、前記残油をコーキングするのに有効な温度に加熱する工程;
    c)前記酸化および加熱された残油を、揮発性物質および実質的に自由流動性の異方性ショットコークを製造するのに有効な時間、15〜50psigの圧力でディレードコーカードラムに供給する工程;
    d)前記揮発性物質の少なくとも一部を、オーバーヘッドから除去する工程;
    e)残った高温のコーク床を、水で急冷する工程;および
    f)得られた実質的に自由流動性の異方性ショットコーク生成物を、コーカードラムから除去する工程
    を含むことを特徴とするディレードコーキング方法。
  11. 残油が酸化剤で処理される前記温度は、185〜280℃であることを特徴とする請求項10に記載のディレードコーキング方法。
  12. コーキング温度への加熱前、加熱中または加熱後に、残油に苛性水溶液を添加することを特徴とする請求項10に記載のディレードコーキング方法。
  13. 苛性水溶液は、コーキング温度への加熱後に残油に添加されることを特徴とする請求項12に記載のディレードコーキング方法。
  14. 前記ショットコークの粒子サイズは、1/16〜3/8インチであることを特徴とする請求項10に記載のディレードコーキング方法。
  15. 前記得られた実質的に自由流動性の異方性コークの微細構造は、平均サイズが1〜10μmを有する実質的に分離したドメインからなるものとして特性付けられることを特徴とする請求項10に記載のディレードコーキング方法。
JP2003549451A 2001-12-04 2002-12-03 異方性の自由流動性ショットコークを製造するためのディレードコーキング方法 Withdrawn JP2006500431A (ja)

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