JP2006351564A - 急速変調成長分子線エピタキシー装置とその運転方法 - Google Patents

急速変調成長分子線エピタキシー装置とその運転方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 InNは有害物質を含まず太陽電池、高速素子、センサ材料など将来に希望が持てる材料である。しかし良い結晶成長方法がなくよい試料ができないので物性の研究も進んでいない。分子線エピタキシャル成長法は唯一可能性ある方法であるが窒素抜けのため良質の結晶を成長させることができない。
【解決手段】 分子線エピタキシー装置のマニピュレータの基板加熱を抵抗加熱ではなく赤外光・石英ロッドを用いた光加熱機構とする。石英ロッドによって外部の赤外線ランプで発生した赤外光を成長室の内部へ導き基板を裏面から加熱する。基板と基板ホルダ−との熱容量は小さく赤外線ランプの出力パワーは迅速に変化させることができる。20℃/秒〜100℃/秒程度の基板温度変化を与え、低温(500℃〜600℃)と高温(800℃〜900℃)の間で基板温度を5秒〜20秒といった短時間で変化させる。
【選択図】 図3

Description

この発明はInN、ZnOその他解離温度の低い材料系結晶成長のための分子線エピタキシー装置(MBE装置)とその運転方法に関する。窒化物半導体は有害な物質を使わず環境汚染の可能性が少なく環境に優しい半導体材料である。窒化物半導体の中でもGaNは既に青色発光素子(LD、LED)の材料として揺るぎのない地位を占めている。蛍光体と組み合わせ白色発光素子としての用途も開けつつある。GaNはバンドギャップ(3.4eV)が広くGaN系LD、LEDは青色発光素子として最適である。これは主にサファイヤ基板の上にMOCVD法で薄膜が生成される。GaN基板の上にMOCVD法で作られる場合もある。
GaNの次に注目されているのはAlNである。これはGaNよりもさらにバンドギャップ(6.2eV)が広いので紫外発光素子の可能性もある。また高速の電子デバイスとして利用できる可能性もある。AlNの厚い基板は未だに製造されていない。サファイヤ基板やSiC基板の上に薄膜をMOCVD法で作製するということが試みられている。AlNもなかなか品質のよい薄膜ができないし、n型、p型などのドーピングも難しい問題がある。解決すべき問題はたくさんある。しかしAlNは将来性のある希望の持てる材料である。
もう一つBNも窒素を含む3−5族の化合物である。バンドギャップが極めて広い。通常は堅固な絶縁体である。不純物をドーピングすれば半導体になる筈であるが高濃度にドーピングするのが難しく、半導体としての実績は殆どない。
本発明が問題にするのは、GaNでもAlNでもBNでもない窒化物半導体である。本発明が目指すものはInN半導体である。
InNはバンドギャップが狭くて青色や緑色は出せない。赤外域の発光素子はInP基板の上にInGaAsPの4元系を載せた発光素子が既にある。そのような訳でInNはあまり重要でないと考えられていた。良い単結晶試料を作ることもできないという状況が続いた。
InNは半導体材料として殆ど研究が進んでいないということも言える。バンドギャップ一つにしても正確な値が長い間分からず、2eV程度と言われていた。しかし最近になってやっとInNのバンドギャップが約0.7eV〜0.8eVらしいということが分かってきた。半導体として利用するにはn型、p型を作る必要がある。しかしInNの場合、n型ドーパントとしてSi、p型ドーパントとしてMgが通常使用されている。
あまり用途はないのではないかという予想もある。反対にInNには固有の用途があるという意見もある。未だ漠然としている。InNに関して次のような可能性が挙げられる。
1. 1.5μm帯のレーザーとして利用できる可能性がある。現在光通信の波長帯として1.3μm〜1.6μm程度の赤外領域が用いられている。それはInP基板の上にInGaAsPの4元混晶をエピタキシャル成長させたものである。混晶比が二つパラメータとして入る。InP基板との整合条件があってももう一つパラメータがありこれを変えることによって発光波長を変化させることができる。受光素子はInP基板の上にInGaAs受光層をエピタキシャル成長させたものが用いられる。これらのInP基板上の発光素子は既に実績もあり十分に安価であるが、温度変化による波長の変動がなお大きいという問題がある。それに反してInN系発光素子がもしもできれば1.5μm近傍で温度変化があっても波長変動が殆どないという予想がされている。
その原理は少し難しいが次のようなことである。InGaN/InN多層膜あるいはInAlN/InN多層膜よりなる量子井戸構造を作り二つのサブバンドを形成し、サブバンド間の電子遷移によって発光する発光素子を作る。温度変化によってバンドギャップは変わるがサブバンドのエネルギー差は殆ど不変であるから発光波長が安定するというのである。
2. 太陽電池としての用途が考えられる。GaAs太陽電池に比べて有害物質を使用しない。より安全である。InNのバンドギャップは狭いが、一部にInGaNを加えた吸収層を用いると広い範囲の波長の光を吸収できる。太陽表面温度は6000K程度であるから最大のパワーを持つのは1μm程度の赤外でありSi太陽電池は感受できない。InNはバンドギャップが狭いから赤外光をも十分に吸収できる。そのためにSi太陽電池より高効率になるということが予想される。これも実際にInN太陽電池ができたわけでなくバンドギャップからの類推であるから予想にすぎない。
3. 高周波デバイスとしての用途が考えられる。HEMT素子としてGaN系デバイスを製造することが試みられている。InNはGaNよりも電子移動度が速いと考えられている。全体をInNで作ることができなくても電子の走行するチャンネルだけをInNとすることによって超高速のデバイスとする可能性がある。
4.環境モニタとしての利用が考えられる。InN量子井戸のサブバンド間遷移を用いる赤外長波長素子によって、排ガスセンサなどの大気汚染監視装置に応用できる。炭酸ガスなどの振動エネルギー程度の低いエネルギー(数十μm)の赤外光を出すことができる素子として使える可能性がある。しかしそれも未だ赤外発光素子としてInN発光素子ができたわけではない。またそのような低エネルギー赤外を発生する素子は既にあるからもしInN系の素子ができたとしても既存の素子との競争ということになる。
そのようにInNにも色々な利用が考えられる。しかし未だに良好な試料ができずデバイスもできないという状況にある。InN結晶は天然には存在しない。InN原料を加熱しても融液にならない。InNをブリッジマン法、チョクラススキー法で単結晶試料を作ることはできない。窒素が解離しやすいのでInN基板結晶というようなものは未だに存在しない。厚いものはできないが薄膜単結晶ならできるかもしれない。
しかし薄膜でも未だに問題がある。薄膜の成長であれば第1に思い浮かぶのは有機金属CVD(MOCVD)法であろう。しかしMOCVD法でもInNを作るのは難しい。MOCVD法は窒素源としてアンモニアを用いる。アンモニアは1000℃を越える高温にしないと分解しない。しかし1000℃を越える温度で(例えば1100℃)InNを成長させると窒素が抜けてしまって良いものはできない。低温でも窒素が解離し窒素空孔ができInNでなくなる。つまりMOCVD法でInN薄膜はできないということである。
それで分子線エピタキシャル成長法(MBE)でInN薄膜を作ることが試みられている。唯一これが有望な方法であろうと予想される。InNを作るとすればMBE法は窒素源として窒素ガスを用いることになる。アンモニアを分解するのではないからそれほど高温を必要としない。ラジカルセルで窒素ガスをラジカルにしそれを分子線として飛ばす。アンモニアを分解するのでないからあまり高温は必要でない。Inは融点の低い金属であるから容易に融液となる。Inは通常の分子線セル(Kセル)から飛ばすようにすることができる。MBE法でInN薄膜を作ることはできる。MBEはInNを作るのが可能な唯一の方法だといえる。しかしMBEでも良質のInN結晶薄膜を作るのは難しい。
特願2003−010769、特開2004−225066「分子線セル」(2004.8.12公開)
特許文献1は本出願人が以前に提案した、赤外光で材料を加熱するようにした分子線セルに関するものである。これについては後に述べる。
Y.Nanishi,Y.Saito and T.Yamaguhi,"RF−Molecular Beam Epitaxy Growth and Properties of InN and Related Allyos"、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.42(2003)2549−2559
非特許文献1はMBEでInN薄膜を作り特性を測定したというものである。InN結晶のバンドギャップが長い間1.9eVだと言われて来たが最近になって1.0eV以下であることが分かってきた。実際にはEg=0.8eVであると主張している。MBE法でInNを作製し評価をしている。そこで用いられているMBE法は基板を抵抗加熱する従来の装置によるものである。
図1によって従来例に係る分子線エピタキシャル成長装置の概略を説明する。成長室1はステンレス製の密封できる容器であり、その中には内壁に沿って液体窒素シュラウド(図示しない)が設けられる。中央部には基板5を保持し加熱するマニピュレータ2が設けられる。成長室1の下方斜めには幾つものポート8があってそこに分子線セル3や窒素ラジカルセル4が設けられる。マニピュレータ2の下端の基板ホルダ−9によって目的の基板5が下向きに保持される。
マニピュレータ2は基板を保持し加熱し中心線周りに回転する。分子線セル3、ラジカルセル4の軸線の延長方向に目的の基板5が来るように配置される。分子線が真っ直ぐに飛んで基板に到達するようにするためである。るつぼの開口部を開閉できるように分子線セル、ラジカルセルの上にはシャッター6、7が設けられる。実際にはもっと数多くのポートが基板を頂点とする円錐とチャンバの交線上にあり分子線セルが設けられるがここでは簡単のため二つだけを書いている。InNだけを成長させるなら、InのKセルと、窒素のラジカルセルだけでよいが、その他の物も作るのでかなりの数のポートがある。不純物ドープする場合にはそのための分子線セルも必要になる。
成長室1を真空に引くために、真空排気装置(図示しない)が設けられる。これは幾つかのポンプを組み合わせて段階的にチャンバ内を真空に引くものである。高品質な薄膜作製のためには10−8〜10−9Pa程度の超高真空にしなければならない。
分子線セルというのはPBNの有底円筒状のるつぼ、るつぼを取り巻くヒータ、ヒータの周囲に設けられるタンタルの反射板(リフレクタ)、反射板を保持する支柱、熱電対、電流導入端子、シャッター、シャッター開閉機構、フランジ等よりなる。るつぼに固体の材料を入れて分子線セルをポートに取り付ける。真空に引いてヒータに電流を流し抵抗加熱する。るつぼ内の固体材料が溶ける。超高真空であるから加熱によって沸騰し分子単位となってるつぼから飛び出す。中には昇華する材料もある。それが分子線である。In、Ga、Zn、Al、Si等の常温で固体の材料はそのようなKセルで分子線を作り出すことができる。
常温で気体のものは外部のガスボンベに繋がったガスソースセルが用いられる。それ自身で反応性のあるガスの場合はチャンバ内部の真空を維持するためのオリフィスと加熱コイルを備えたガスソースセルが用いられる。窒素の場合は常温で気体であるからガスソースということになるが、窒素分子は分子状態で安定であるからそのまま分子線としても活性がなくて反応しない。それで窒素の場合は放電などによって励起してガスプラズマとすることによって反応性を与えるようにしている。それがラジカルセルである。
図2にその概略の断面図を示す。円盤状のフランジ40がガス導入パイプ43、44を支持している。ガスボンベからの配管が接続部42に接続される。ガス導入パイプ44の上には円筒形の放電室45が設けられる。放電室45の周囲にはRFコイル46が巻いてある。放電室45の上部中央にはラジカル出口47が開口している。これは概略の構造であって実際には放電室やコイルの支持機構があるし電流導入端子などもある。RFコイル46は中空で内部に冷却用の水が通っている。コイルにRF電力を流すことによって放電室45で放電が起こる。外部の窒素ガスボンベ49から窒素ガスが内部へ送られて放電室45で窒素のラジカルとなる。内部の真空とガスボンベの間には圧力を落とすためのバルブや流量を調整するためのマスフローコントローラ(MFC)48などがある。放電室の内部にも圧力を落とすためのオリフィスなどがあるが図示を略す。窒素のラジカルというのは、励起状態にある中性窒素原子、窒素原子のイオン、窒素分子などの集合ということである。活性のある中性ラジカルだけでなくイオンもあるし不活性な分子も含まれる。
ラジカルセル4としてはRF電力励起だけでなく、2.45GHzのマイクロ波を導入してマイクロ波励起するものもある。マイクロ波の導波管の先端にチャンバを設けアンテナを立てる。チャンバへガスを導入し、マイクロ波を導波管から入れるとアンテナからマイクロ波が出て放電しそれが窒素ガスをラジカルにする。本発明の対象はラジカルセルでないのでこれ以上ラジカルセルについては説明しない。
InN単結晶基板というようなものはない。基板はGaAsウエハ−、サファイヤウエハ−など既存の入手可能なウエハ−を用いる。現在MBEによるInN薄膜成長の実験は基板加熱温度を500℃〜600℃として行われている。そのように基板温度が低いのは窒素の解離を防ぐためである。GaN、AlN、InNの窒化物半導体はいずれも窒素の解離が重大な問題となるのであるが、その中でもInNの場合最も窒素解離の問題が甚だしい。600℃以上に基板温度を上げるとInN格子の中の窒素が離れてしまい局所的にInだけになってしまう。窒素の解離をおそれて基板温度を600℃以上にはできない。それが現状である。
ところが500℃程度の基板温度で成長させたInNは膜の品質が悪い。欠陥が多いし単結晶にならないことが多い。結晶品質を上げるためには成長温度を上げる方が良い。より高温でIn分子線とN分子線を作用させて反応させ基板の上にInNとして堆積する様にした方がよい。しかし基板温度を上げると折角一旦反応した窒素原子が抜けてしまう。
窒素の抜けを防ぐには、窒素ラジカルの供給量を増やしInN薄膜の近傍での窒素ラジカルの濃度を高めれば良いと思われよう。基板温度を上げしかも窒素ラジカルの濃度を上げ窒素抜けを防止するというのである。それは可能であるがやはり温度を上げると窒素の解離が激しくなってInN成長ができない。
本発明者はそこで短い時間だけ基板温度を例えば800℃〜900℃に上げて品質のよい成長膜を生成しその後は500℃〜600℃の低い温度にして窒素抜けを防ぐというように急速に基板温度を降下して膜成長を行えばよいのではないかと考える。800℃〜900℃で成長した膜は欠陥の少ない品質のよい膜となることであろう。すぐに温度を500℃〜600℃に下げるので窒素抜けがあまり起こらないであろう、というように思う。急速に基板温度を変化させると窒素解離を防ぎつつ高品質の膜を生成できるのではないかと考える。
このような成長法というものはこれまでにない。多くの場合基板温度は一定であるのが望ましいというのが分子線エピタキシャル成長法における薄膜成長の常識である。本発明はそれとは全く相反する手法を提案しているのである。基板温度を急激に変化させる成長法と言うのは煩雑であるから、ここでは本発明が提案する手法を急速温度変調法と呼ぶことにしよう。
分子線エピタキシャル成長法ではマニピュレータ2の下端の基板ホルダ−9によって基板5を支持し、内蔵したタングステン、カーボン、タンタル等のヒータに電流を流して基板を背面から抵抗加熱するようになっている。抵抗加熱ヒータは基板温度を所望の一定の温度に保持するために用いられる。
基板の温度を急速に変化させるにはヒータ電力を変えて発熱量を加減すれば良いはずである。それはできるのであるが、基板ホルダ−やヒータ保持部材や回転機構などが基板のすぐ近くにあってこれらも同時にヒータによって加熱されている。冷却の場合はそれら全部の熱を放射散逸させなければならない。
基板自体の熱容量は小さいとしても近傍にある基板ホルダ−、回転保持部材などの合計の熱容量はかなり大きい。そのため抵抗加熱ヒータの電力を変化させてもすぐには基板の温度が変わらない。ヒータ電流を増やし温度を上げるときはかなり速く追随したとしてもヒータ電流を下げて温度を下げる場合は、周囲の部材の熱容量が大きく放熱が迅速に進まないから温度の下がりが遅い。どのようにしても100℃以上の温度変化を引き起こすには10分〜1時間の長い時間がかかる。とくに放冷時間がかかりすぎる。
これが急速温度変調法を実現しようとする場合に第1に問題になることである。本発明は基板を保持するマニピュレータの加熱機構を抵抗加熱ヒータでなく、赤外ランプと石英ロッドを用いた光遠隔加熱によって基板温度を急速に下げたり上げたりすることによって上の問題を解決する。
赤外ランプは赤外光を出しInNは赤外光に対し不透明だからこれを吸収できる。その点バンドギャップの広いGaN、AlN、BNとは違う。これら広バンドギャップ材料は赤外加熱はできない。InNはバンドギャップが狭くて赤外をうまく吸収できるから赤外加熱が可能である。しかし分子線エピタキシー装置のマニピュレータの中は狭い空間でしかない。狭い空間に強力な赤外ランプを設けることは難しい。基板ホルダ−のすぐ裏のヒータの設けられた部分にヒータの替わりに小型のランプを付けてもパワーが得られない。それに赤外ランプには集光性がないので基板だけに赤外光を当てることができず四方八方に赤外光が広がってしまう。周りの部材の熱容量の大きさが急な温度変化を妨害する。それなら抵抗加熱ヒータの場合とあまり変わらない。
本発明は、強力な赤外ランプはチャンバの外側に設け、石英ロッドがチャンバを内外に挿通するようにし、石英ロッドの先端を基板に近接させる。チャンバ外の赤外ランプで強い赤外光を発生させる。その赤外光を回転楕円曲面ミラーで集束させて石英ロッドに入れる。石英ロッドを伝搬して赤外光はチャンバに入り反対側の他面から出て基板にあたる。石英ロッドの直径を基板の直径にほぼ等しくしておくと、基板は石英ロッドを伝搬した殆ど全ての光を受光し吸収できる。つまり基板ホルダ−や回転機構や周辺部材には全く当たらないようにできる。熱と違って光は指向性が強くミラーによって所望の経路へ導くことができるからである。
本発明は、分子線エピタキシー装置において、マニピュレータの基板加熱機構を抵抗加熱ではなく、赤外光・石英ロッドを用いた光加熱機構とする。赤外線ランプは真空の外に設け、石英ロッドによって外部で発生した赤外光を成長室の内部へ導き基板を裏面から加熱するようにする。基板と基板ホルダ−との熱容量の合計は小さい。赤外線ランプの出力パワーは迅速に変化させることができるので、20℃/秒〜100℃/秒程度の基板温度変化を与えることができる。低温Tl(500℃〜600℃)と高温Th(800℃〜900℃)の間で基板温度を変化させる。高温で高品質膜を作りすぐに温度を下げて窒素解離を防ぐ。窒素の解離を防ぎつつ薄膜を段階的に成長させる。窒素抜けがないのできれいなモーフォロジーの結晶薄膜ができる。本発明の急速温度変調法によってこれまでにない優れたInN膜を生成できる。
また、InN分子線、N分子線の量を基板温度変化に同期して急激に変化させることによって高温での薄膜成長を効率的に行うことができる。その場合、InN分子線セル、N分子線セルにも工夫が必要である。N分子線セルはラジカルセルなので時間応答性が優れる。InN分子線セルは従来の抵抗加熱では応答性が悪いので、光加熱を用いた分子線セルとする必要がある。
本発明によれば分子線エピタキシー装置において赤外ランプと石英ロッドを使って基板を赤外遠隔加熱するようにしたので急速な温度変化を基板に与えることができる。そのために800℃〜900℃でInN薄膜を成長させすぐに500℃〜600℃に降温して窒素抜けを防ぎ、また800℃〜900℃に加熱してInN薄膜を成長させてすぐに500℃〜600℃に下げるというような急速変調成長が可能になる。
800℃になると結晶成長が進むというものではなく、温度が上がると結晶成長速度がかえって遅くなることもあるので、温度を上げると同時に窒素ラジカルの濃度を急増させるとかIn分子線を急増させるということも必要である。
窒素ラジカルの量を増減するのは基板温度変化よりも簡単である。窒素ラジカルセルへの窒素ガスの供給を瞬間的に増やしRF電力を一瞬増大させるというようにしてラジカル発生を瞬時に増加させることが可能である。In分子線セルの方も融液温度を上げることによって瞬時にIn分子線を増やしたり減らしたりということが可能である。In分子線セルの場合抵抗加熱ではそのような迅速な追随性が得られないから、In分子線セルについても赤外ランプ・石英ロッドによる遠隔赤外加熱を行うようにすればよい。
そのようにして、分子線セルと基板の赤外ランプを同期して制御することによってTh(800℃〜900℃)でInNの生成、Tl(500℃〜600℃)で窒素抜けを防止する、というような複雑な成長のモードが可能となる。図6に基板温度変化の一例を示す。Tlが低温(500℃〜600℃)を示す。ここでは窒素抜けはあまり起こらない。Thが高温(800℃〜900℃)である。ここで品質優れた薄膜結晶を作る。τrはTlからThへの昇温時間である。数秒から数十秒の短い時間である。τkは高温Thでの保持時間である。これも数秒から数十秒の短い時間である。τfはThからTlへの降温時間である。これも数秒〜数十秒である。τwはTlにある待機時間である。これは数十秒あるいは数分でも数十分でもよい。それは一つのサイクルにすぎない。実際には昇温、保持、降温、待機という行程を何度も繰り返す。
図6は基板温度の変化だけを示すが、上に述べたように、基板温度の変化に同期してInN分子線量、窒素Nのラジカル量も増減するようにしてもよい。その場合は図7のように、(1)基板温度、(2)In分子線量、(3)N分子線量が変動するようにする。そうすると、高温ThにおいてInN薄膜形成がなされ、低温Tlで窒素抜けを抑えるというようになる。
石英ロッドは透明石英で吸収のないものを用いる。石英ロッドの直径は5mmφ〜30mmφである。それは対象となる基板の寸法に合わせて適当に決める。ここでは1インチのSi基板、GaAs基板、サファイヤ基板を用いるものとして20mmφの石英ロッドを用いた。ウエハ−直径が大きい場合はもっと大きい石英ロッドを用いるべきである。
赤外線ランプの発光波長は広い範囲に広がっているが、700nm〜2500nmの波長を含む。赤外線ランプのピーク波長は800nm〜900nmにある。サファイヤは透明で吸収が少ないのでこの場合はMoなど不透明基板ホルダ−で光を吸収させ間接加熱するようにする。
Si基板は上の赤外光を一部吸収できる。基板ホルダ−はタンタルなどのSi基板の外周を軽く把持するような構造のものであってもよい。しかしそれで不十分であれば不透明のMoを基板ホルダ−としてSi基板をMoに張り付けたものであってもよい。光はMoにあたり基板ホルダ−を加熱しさらに基板を加熱する。
GaAs基板は赤外光をより多く吸収できる。だから基板ホルダ−を薄いタンタルで作りウエハ−の端を懸架する構造とし直接に基板に光が当たるようにしてもよい。そのように基板によって基板ホルダ−の構造、材質も変えることができる。
成長対象となる薄膜がInNの場合、材料はIn、窒素である。窒素はラジカルセルを用いる。Inについては抵抗加熱分子線セルでもよいが、本出願人がかつて提案した光加熱分子線セルでもよい。これについては後に述べる。ドーパントが必要な場合は、ドーパントも同時に分子線にして基板へ向かって飛ばす必要がある。InNの場合p型不純物はMgを用いる。n型不純物としてはSiを用いる。そのほかにもInNに対するドーパントは存在するであろうが、現在のところMgとSiがドーパントとして知られている。
ミラーは球殻を主体としたミラーであってもよい。あるいはランプの後方だけにミラーがあるというものでもよい。回転対称性のあるミラーならランプ光を石英ロッドの方へ反射できる。しかし最もよいのは回転楕円面ミラーである。回転楕円面ミラーなら一方の焦点近くにランプを設け、他方焦点の近くに光ファイバ端を設けるとランプの出力の大部分を石英ロッドへ入れることができる。
石英ロッドにある程度の直径があるので、石英ロッドの中心近くを楕円の焦点におくと、図3のようにロッドの端が回転楕円面と交差して隙間がないということもある。楕円の離心率が大きくてロッド直径が大きいと図3のようなロッドと回転楕円面の間に隙間がないという好都合なことが起こる。そのような場合はランプから直前に出た光は直接に石英ロッドに入る。これは伝搬光になる。ミラーで一旦反射された光は焦点に集まるので、焦点に石英ロッド端があれば反射光は必ず石英ロッドに入る。つまり図3のようにミラーの回転楕円面が石英ロッド端面によって焦点の近傍で閉じられるならばランプの光が全て石英ロッドに一旦入るということである。
しかし石英ロッドに入ったからといって全てが伝搬光になるというわけではない。傾斜角の大きいものは石英ロッドから抜けでて損失となる。損失をできるだけ少なくするというのが望ましい。そのためには回転楕円面の寸法、石英ロッドの寸法、石英ロッドの位置に少し工夫をする必要がある。石英ロッドの屈折率は波長によって1.39〜1.53の値をとり材料によってまたばらつきがある。赤外ランプの出す赤外光の波長は700nm〜2500nmに広がっており中心波長は800nm〜900nmである。900nmでの石英の屈折率は1.45程度である。
そこで石英ロッドの屈折率をn=1.45とすると石英ロッドの外側は屈折率が1の空間であるから、全反射角αはα=cos−1(1/n)=46.4゜となる。大きい全反射角である。全反射角より小さい角度をなして石英ロッドの壁に内側から衝突する光は全て反射される。それは軸線となす角度が46.4゜以下の光は石英ロッドの壁面で全反射し伝搬光となるということである。軸線となす角度が46.4゜というのはかなりの傾きの光まで含むということである。
平坦な入射面を持つ場合、入射法線となす角がβである場合、スネルの法則にしたがって、石英ロッドでの軸線との傾き角が決まる。臨界角αを持つような光線を与える入射光線の傾きβはsinβ=nsinα=nsin{cos−1(1/n)}=1.05となる。それはつまりβが90゜近くであっても石英ロッドへ入り伝搬光になるということである。ということは石英ロッド端面を平坦にしてミラーの回転楕円面の焦点におき石英ロッド端面の広がりが焦点での短軸方向の長さに等しい場合、赤外線ランプが発生した全ての赤外光を石英ロッドに集め石英ロッドの伝搬光にすることができるということである。
石英ロッドの直径が大きい場合それは可能である。楕円の短軸を短くすればよいのである。20mmφとか30mmφとか直径の大きい石英ロッドであればそれは可能である。しかし10mmφとか直径の小さい場合は図3のような回転楕円面の焦点位置でロッド直径が楕円面の直径に等しくできない場合がある。そのような場合は石英ロッドを回転楕円面の焦点より少し後方へずらせて、石英ロッド端面を凸型半球面にすればよい。そうすれば、ランプから発生した全ての光を石英ロッドへ入れることができる。
ミラーはしかし必ずしも回転楕円面でなく、球面の組み合わせであってもよい。半球面を楕円面で接続したような準回転楕円面でもよい。図3に示したように閉曲面が最も良いが、一部が欠けた曲面ミラーでもよい。ミラーは金属板を彎曲させて作ることができる。それだけでは反射率が不足するので金メッキ或いは銀メッキミラーとする。
図3によって赤外ランプ急速加熱装置を有するマニピュレータ12の構造を述べる。フランジ20は分子線エピタキシー装置の成長室1の上開口部に取り付けられる円盤状部材である。フランジ20はステンレス製である。マニピュレータ12の全ての部材は、通し穴19を有するフランジ20に直接間接に結合されフランジ20によって支持されている。マニピュレータ12を成長室1に取り付けた状態では、フランジ20より上は大気中(チャンバ外)に、フランジより下は真空中(チャンバ内)にある。基板5を固定した基板ホルダ−9はチャッキング22の中央段部によって下向きに保持される。
基板ホルダ−9はモリブデン(Mo)、炭素(C)、タンタル(Ta)、タングステン(W)等である。単なる平板に基板をはりつけるということもある。熱容量を減らすためには薄板の中央部を打ち抜き爪を出しておいて爪で基板の円周3、4箇所を把持するというようにしてもよい。
基板ホルダ−9の縁を支持するチャッキング22はMoで作ってある。耐熱性と強度が必要だからである。
チャッキング22の支持筒23は中心軸回り水平回転可能に保持される。チャッキング支持筒23もMoで作る。ここでチャッキングの水平回転を可能にする軸受や枠体などの保持機構は煩雑になるので図示を略している。支持筒23の上には歯車24が取り付けられる。歯車24は回転軸26に取り付けた小歯車25とかみあっている。フランジ20を貫いて伸びる回転軸26は外部にある回転導入機27によって正逆に回転する。回転軸26が回転するので、小歯車25、歯車24で噛み合っているチャッキング支持筒23は軸回りに水平回転する。基板5、基板ホルダ−9も同様に水平回転する。基板5を軸回りに水平回転させるのは円周方向で薄膜形成条件を均一にするためである。
基板ホルダ−9の裏面近くには基板ホルダ−の温度をモニタするための熱電対28が設けられる。熱電対28は例えばタングステン・レニウム(W/Re)である。熱電対28の端子はフランジ20の熱電対フィードスルー29を通して外部ヘ連絡する。熱電対28の先端は基板ホルダ−9に接触せず隙間を持って対向している。基板5、基板ホルダ−9、チャッキング22は回転している。熱電対28は静止している。だから両者を接触させることができない。熱電対の示す温度が基板温度そのものではない。初めに基板温度Tsを放射温度計などで正確に測定しそのときの熱電対温度Tcとの差異、相関などを求めておき熱電対温度を較正しておく。そうすれば熱電対先端が基板ホルダ−から離れていても基板の温度をある程度正確に求めることができる。
以上の構造は従来のマニピュレータの基板の保持、回転機構と同様である。本発明で異なるのは基板の加熱機構である。抵抗加熱ヒータの替わりに光加熱を用いる。円柱形の石英ロッド30が基板ホルダ−9の裏面から上方へ伸びている。石英ロッド30はフランジ20の通し穴19、ランプ室底板31を貫き上端は赤外線ランプ32と対向するように設けられる。
赤外線ランプ32と石英ロッド30の上端は回転楕円体ミラー33を備えたランプ室34の内部に収容される。ランプ室34の内部にある楕円体ミラー33は上下方向に平行な長軸を持つ回転楕円体である。回転楕円体には二つの焦点(上焦点、下焦点)がある。上焦点の近傍に赤外線ランプ32がある。下焦点の近傍に石英ロッド30の上端が設けられる。ランプ室34の内部には冷却媒体35が循環しており赤外線ランプ32の発生する熱を速やかに除去している。ランプ室34は大気中にあり、石英ロッド30の上半分も大気中にある。石英ロッド30の下半分は真空中にある。石英ロッド30は大気・真空という異なる雰囲気の間を繋ぐように設けられる。赤外線ランプ32が大気中にあるので大出力のものを使うことが可能になる。ランプ電流コードも外部にあって取扱容易である。ランプ交換も簡単である。冷却機構の冷媒(冷却水のこともある)の導入、排出のホース設置も容易である。石英ロッド30の直径は加熱対象である基板の寸法にほぼ等しいか少し小さいようにする。ランプが外部にあるので大出力、冷却容易、交換可能などの利点がある。
反対にもしもランプをチャンバ内部の基板ホルダ−の直上に設けるとすると狭い空間だから小型小出力のものしか使えない。それにランプ用電流導入端子がいるのでマニピュレータのチャンバ内部構造がより複雑になる。ランプの交換も煩鎖なものになる。冷媒の導入、導出のためのポートも必要でマニピュレータの構造が極めて複雑になる。そのような訳でランプを真空内部に設けるのは難しい。本発明は石英ロッドによって外部のランプパワーを、内部の基板へ伝達するようにして上記の難点を克服している。
石英ロッド30の上下における真空、大気の切り分けをする機構を述べる。フランジ20の通し穴19の上には円筒状のポート36が設けられる。Oリング37、カラー38、抑え板39がポート36に固定される。Oリング37によって石英ロッド30の周囲を抑えるので、成長室内部の真空を維持できる。
そのような光加熱マニピュレータを設けた分子線エピタキシー装置においては基板の急速加熱、急速冷却ということが可能になる。従来抵抗加熱では昇温降温速度はいくら速くしても20℃/分〜40℃/分程度であった。ヒータパワーの変動が遅いのと周囲の部材の熱容量が大きいためである。
本発明のように光加熱とすると、ランプパワーの制御性がよく基板と基板ホルダ−の熱容量が小さいので、昇温降温速度を20℃/秒〜100℃/秒にすることができる。赤外線ランプのパワー制御性と基板ホルダ−と基板の合計の熱容量によってその速度は異なる。基板ホルダ−を薄くし熱容量を減らすと合計の熱容量が減るので100℃/秒以上という高速温度変化も可能である。
例えば低温をTl(500℃〜600℃)として、高温をTh(800℃〜900℃)とする。低温Tlにあった基板を5秒〜10秒の短時間でThまで加熱することができる。5秒〜10秒間Thの温度に保持して高品質のInN膜を生成させる。さらに10秒〜20秒で元の低温Tlにまで冷却する。
昇温時間τr、保持時間τk、降温時間τfを共に数秒〜数十秒の短い時間とすることができる。窒素抜けは保持時間τkの間に起こるのであるがそれは短い時間なので問題になるほどではない。低温に保持する待機時間τwは任意である。数十秒でもよいし、数分、あるいは数十分であってもよい。例えばTl=500℃、Th=800℃、として昇温時間τr=5秒とすると、昇温速度Vr=60℃/秒となる。降温時間をτf=10秒とすると、降温速度Vf=30℃/秒となる。
本発明は、マニピュレータを工夫して基板の温度を敏活に昇降できるようにした分子線エピタキシー装置を与える。そのように基板の温度を高速で上下することによって生成の難しいInN薄膜を作ることができる。本発明はInNの他にZnOやGaAs等解離温度の低い材料の薄膜の成長にも用いることができる。例えばZnOの場合はZnは常温で固体であるからKセルを用いる。酸素は常温で気体であるからラジカルセルを用いる。ZnOも加熱して融液を作ることができず大型の単結晶を作ることはできない。単結晶は薄膜しかできないが酸素がやはり抜けるので良質のものはできない。本発明を適用することによって高品質のZnO単結晶薄膜を生成することができる。
基板温度を昇降することによって窒素抜けを防ぎながら薄膜成長させるというのが本発明の目的であった。図3の基板光加熱装置だけでその目的は達成される。それだけでも本発明の成長は可能である。
しかし基板温度を上げたときに原料ガスの供給を増加させるようにすると高温Thでの薄膜成長が促進されるはずである。そのようにするためには、ラジカルセルの窒素供給量を増減し、KセルのIn供給量を瞬時に増やす必要がある。
ラジカルセルの窒素ラジカルの供給量を増やすには、マスフローコントローラを調整して流量を増やしRFパワーを増やすようにすればよい。いずれも応答性の速い装置であるから急激に窒素ラジカルを増大させることが可能である。また降温時にはラジカル発生量を急激に低減させることもできる。ラジカルセルには抵抗加熱ヒータがないので追随性がもともと優れている。
しかしInを分子線にするKセルの方は抵抗加熱ヒータを用いるので5秒とか10秒で分子線を増減するようなことはできない。固体材料を分子線にするセルも分子線量を高速に変化させることができるようにしなければならない。
そのような目的のための分子線セルはすでに本出願人によって提案されている。特許文献1(特開2004−225066)である。それはチャンバ外に赤外線ランプを設け、石英ロッドで赤外光を導光しチャンバ内にあるるつぼを加熱するようにした分子線セルである。それは時間応答性を上げるための開発されたのではない。そうではなくて抵抗加熱ではどのように工夫しても材料の温度を1400℃以上へ上げることができない。1400℃以上にセル温度を上げるために赤外線ランプ・石英ロッド・るつぼの組み合わせになる分子線セルとしている。
図3の基板加熱装置と、光加熱分子線セルを組み合わせることによって応答性に優れたInN薄膜成長を実現することができる。図4に本出願人の開発した光加熱分子線セルの断面図を示す。
円形のフランジ50に全ての機構部分が取り付けられる。フランジ50によって分子線セルが分子線エピタキシー装置のポートに取り付けられる。フランジ50はステンレスで作る。フランジ50の中央通し穴52を石英ロッド53が貫いている。図3は上から下へ光を導く石英ロッドであったが、図4の分子線セルでは下から上へ光を導く石英ロッドになっている。石英ロッド53の上端の上すぐ直近にるつぼ54が設けられる。これは固体材料を入れて加熱して融液としたものを保持するるつぼである。鍔部を有する有底円筒体である。るつぼは例えばPBN(パイロリティックボロンナイトライド)などで作られることが多い。PBNは赤外光に対して透明であるので光はるつぼ内の材料に当たり材料を加熱できる。材料が透明の場合は、PBNをカーボンコ−ティングして吸収を良くするのが好ましい。Inの場合は赤外光を吸収できるがそれでもるつぼ底部にカーボンコ−ティングするのは有用である。
るつぼ54上の鍔部が円筒状の側面反射板55によって保持される。側面反射板55はタンタルの薄い板を円筒状にしたものを何重にも同心に組み合わせたものである。中心部にあるるつぼと材料からの輻射熱を側面反射板で反射する。反射板の数が多いほど反射係数が大きくなる。通常のKセル(クヌーセンセル)の場合は、るつぼと側面反射板の間にコイル状あるいはリボン状のヒータが設けられる。しかし本発明では抵抗加熱ヒータを使わないから、るつぼと側面反射板の間は空間となっている。
るつぼ54の下方には底面反射板56が設けられる。これもタンタルの薄い円板状の板を何枚も重ねたものである。底面反射板56はるつぼや材料からの下方へ向かう熱を上向きに反射する。るつぼ54の近傍に熱電対57先端が設けられる。熱電対57はるつぼ54に接触しない。初めに放射温度計などでるつぼ温度を測定し熱電対温度との相違、相関を求めて較正する。だから少し離れた位置にある熱電対によってるつぼの温度を求めることができる。熱電対リード58はベース板60を貫き、下方へ伸び、フランジ50で熱電対フィードスルー59を通って外部へ取り出される。
側面反射板55、底面反射板56、熱電対リード58などはベース板60によって支持される。ベース板60は例えば耐熱性あるMoで作る。
るつぼ54の開口部の上方にはシャッター62が設けられる。これは分子線を遮断通過させるための板である。タンタル(Ta)の板で作られる。一点においてシャッター軸63で支持される。シャッター軸63は下方に伸び、フランジ50に設けた回転導入機64によって前逆に回転できるようになっている。シャッター軸63は例えばステンレスで作られる。
石英ロッド53の下端には赤外線ランプ機構70が設けられる。ランプ室蓋72に閉じられたランプ室73が固着されている。ランプ室73の中に回転楕円体ミラー76がある。回転楕円体ミラー76は金(あるいは銀)コ−ティングして反射率を上げる。冷媒74がランプ室73の中を循環しミラー76を冷却するようになっている。
るつぼ54に固体材料を入れて分子線エピタキシー装置に入れチャンバを閉じ真空に引く。赤外線ランプ75に通電すると強い赤外光が発生する。ある光は直接に石英ロッド53の下端に入る。ある光成分はミラー76で反射されてから石英ロッド53の下端に入る。石英ロッドに入った赤外光は上方向へ全反射しながら伝搬して上端から外部へ出る。そこにはるつぼと材料がある。るつぼ自身が赤外光を吸収することもある。るつぼが透明でも材料が赤外光を吸収するから材料が加熱される。光が加熱するのはるつぼ底部と材料だけであり合計の熱容量は小さい。赤外線ランプ75の出力は電流制御することによって容易に変化させることができる。熱容量が小さいので材料の温度はすぐに追随して変化する。
このような光加熱分子線セルは固体材料をより高温まで加熱できる。また加熱温度を急激に変動することができる。本発明においてこの光加熱分子線セルを利用するのは、加熱温度の変動を速くするためである。基板温度の変動に同期してIn材料の温度を速やかに変動させることができれば、高温で膜質を高品質化させ、低温で成膜を維持するというようなパルス成長が可能である。
図4に示す光加熱分子線セルは本出願人になる特許文献1によって提案されたもので本発明が新たに提案するものではない。本発明は分子線エピタキシーにおいて基板温度を高速で変化させる機構であるが、それと光加熱分子線セルを合体して使用することによって、InNのような作製困難な薄膜をうまく作ることができる。
抵抗加熱ヒータを持つ分子線セルと窒素ラジカルセルと、抵抗加熱マニピュレータを含む従来例に係る分子線エピタキシー装置の概略断面図。
分子線エピタキシー装置において、窒素をラジカルにして分子線とするラジカルセルの概略断面図。
本発明の実施例に係る基板光加熱機構を持つ分子線エピタキシー装置マニピュレータの概略構成図。
本出願人によって提案された(特願2003−010769、特開2004−225066)材料の光加熱機構を持つ分子線セルの概略構成図。
本発明の基板光加熱機構を持つマニピュレータと、光加熱機構を持つ分子線セルを備えた分子線エピタキシー装置の概略断面図。
低温Tlにある長い待機時間τwと、短い昇温時間τrと、高温Thにある短い保持時間τkと、短い降温時間τfとを組み合わせた基板温度高速変調成長法における基板温度の時間変化を示すグラフ。
低温Tlと高温Thの間を迅速に変化する基板温度変化に同期して、InN分子線セル、Nラジカル量を増減するようにした高速変調成長法における基板温度、In分子線、N分子線の時間変化を示すグラフ。
符号の説明
1成長室
2抵抗加熱マニピュレータ
3分子線セル
4ラジカルセル
5基板
6シャッター
7シャッター
8ポート
9基板ホルダ−
12光加熱マニピュレータ
13光加熱分子線セル
19通し穴
20フランジ
21反射板
22チャッキング
23支持筒
24歯車
25小歯車
26回転軸
27回転導入機
28熱電対
29熱電対フィードスルー
30石英ロッド
31ランプ室底板
32赤外線ランプ
33回転楕円体ミラー
34ランプ室
35冷媒
36ポート
37Oリング
38カラー
39抑え板
40フランジ
42接続部
43ガス導入パイプ
44ガス導入パイプ
45放電室
46RFコイル
47ラジカル出口
48マスフローコントローラ
49ガスボンベ
50フランジ
52通し穴
53石英ロッド
54るつぼ
55側面反射板
56底面反射板
57熱電対
58リード
59熱電対フィードスルー
60ベース板
62シャッター
63シャッター軸
64回転導入機
65ポート
66Oリング
67カラー
68抑え板
70赤外線ランプ機構
72ランプ室蓋
73ランプ室
74冷媒
75赤外線ランプ
76回転楕円体ミラー
77石英ロッド下端
















Claims (4)

  1. 成長室の内部に設けられ基板を下向きに把持する基板ホルダ−と、基板ホルダ−を回転しながら保持する機構と、基板ホルダ−の上方を囲むように設けられ輻射熱を基板の方へ反射する反射板と、チャンバの外に設けられ赤外光を発生する赤外線ランプと、成長室の内外に連続するよう設けられ赤外線ランプが発生した赤外光をチャンバの内部にある基板ホルダ−の背面に導く石英ロッドと、赤外線ランプから発生した赤外光を反射して石英ロッドへ集光するミラーと、ミラーを冷却する冷却機構を含み抵抗加熱ヒータを持たないマニピュレータと、固体材料を分子線にする分子線セルと、ガス材料をラジカルにするラジカルセルを含むことを特徴とする急速変調成長分子線エピタキシー装置。
  2. 固体材料を分子線にする一つあるいは複数の分子線セルが、抵抗加熱ヒータを持たずるつぼとるつぼを囲む反射板を含み外部に設けた赤外線ランプの光をミラーで集光し成長室の内外に伸びる石英ロッドによってるつぼまで伝搬させるつぼと固体材料を赤外光によって加熱するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の急速変調成長分子線エピタキシー装置。
  3. マニピュレータで保持した基板温度の最高昇温速度が10℃/秒〜100℃/秒、最高降温速度が10℃/秒〜100℃/秒であることを特徴とする請求項1に記載の急速変調成長分子線エピタキシー装置。
  4. 成長室の内部に設けられ基板を下向きに把持する基板ホルダ−と、基板ホルダ−を回転しながら保持する機構と、基板ホルダ−の上方を囲むように設けられ輻射熱を基板の方へ反射する反射板と、チャンバの外に設けられ赤外光を発生する赤外線ランプと、成長室の内外に連続するよう設けられ赤外線ランプが発生した赤外光をチャンバの内部にある基板ホルダ−の背面に導く石英ロッドと、赤外線ランプから発生した赤外光を反射して石英ロッドへ集光するミラーと、ミラーを冷却する冷却機構を含み抵抗加熱ヒータを持たないマニピュレータと、抵抗加熱ヒータを持たずるつぼとるつぼを囲む反射板を含み外部に設けた赤外線ランプの光をミラーで集光し成長室の内外に伸びる石英ロッドによってるつぼまで伝搬させるつぼと固体材料を赤外光によって加熱し固体材料を分子線にする分子線セルと、ガス材料をラジカルにするラジカルセルを含み、マニピュレータの赤外線ランプ出力を増強して基板温度を低温Tlから高温Thへ急速に増加させそれに同期して固体材料の分子線セルの赤外線ランプ出力を上げて分子線発生量を増加させ、ガス材料のラジカルセルの出力を増加してガス材料分子線発生量を増加させ、高温で薄膜成長させ、マニピュレータの赤外ランプ出力を減少させて基板温度をThからTlに下げそれに同期して固体材料の分子線セルの赤外線ランプ出力を下げて分子線発生量を減少させ、ガス材料のラジカルセルの出力を減少させガス材料分子線発生量を減少させるようにし、基板温度変化と分子線発生量の変化を同期させてガス材料の解離を防ぎながら薄膜を基板の上に成長させることを特徴とする急速変調成長分子線エピタキシー装置の運転方法。



















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