JP2006349721A - プラズマディスプレイパネル駆動装置及びプラズマディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】 回路規模を増大させることなく、最短の放電維持期間の長さをほぼ維持したまま、PDPの階調の更なる精細化を実現するPDP駆動装置、を提供する。
【解決手段】 放電維持期間中、分離スイッチ部(QS)とローサイド走査スイッチ素子SC2とはオン状態に維持され、放電維持パルス生成部(3Y)では二つの維持スイッチ部(Q1Y、Q2Y)が交互にオンオフする。それにより、PDP(20)の走査電極(Y)の電位が電源部(Es)の電位(Vs)と接地電位との間で推移する。分離スイッチ部(QS)と維持スイッチ部(Q1Y、Q2Y)とはそれぞれ、複数のスイッチ素子(Q1、Q2、・・・)の並列接続を含む。それらのスイッチ素子(Q1、Q2、・・・)のうち、実際にオン状態に維持されるスイッチ素子の数が放電セルの輝度に応じて調節される。
【選択図】 図2
【解決手段】 放電維持期間中、分離スイッチ部(QS)とローサイド走査スイッチ素子SC2とはオン状態に維持され、放電維持パルス生成部(3Y)では二つの維持スイッチ部(Q1Y、Q2Y)が交互にオンオフする。それにより、PDP(20)の走査電極(Y)の電位が電源部(Es)の電位(Vs)と接地電位との間で推移する。分離スイッチ部(QS)と維持スイッチ部(Q1Y、Q2Y)とはそれぞれ、複数のスイッチ素子(Q1、Q2、・・・)の並列接続を含む。それらのスイッチ素子(Q1、Q2、・・・)のうち、実際にオン状態に維持されるスイッチ素子の数が放電セルの輝度に応じて調節される。
【選択図】 図2
Description
本発明はプラズマディスプレイパネル(PDP)の駆動装置に関する。
プラズマディスプレイは、気体放電に伴う発光現象を利用した表示装置である。プラズマディスプレイの表示部分、すなわちPDPは、大画面化、薄型化、及び広視野角の点で他の表示装置より有利である。PDPは、直流パルスで動作するDC型と、交流パルスで動作するAC型とに大別される。AC型PDPは特に、輝度が高く、かつ構造が簡素である。従って、AC型PDPは量産化と画素の精細化とに適し、広範に使用される。
AC型PDPは例えば三電極面放電型構造を有する(例えば特許文献1参照)。その構造では、PDPの背面基板上にアドレス電極がパネルの縦方向に配置され、PDPの前面基板上に維持電極と走査電極とが交互に、かつパネルの横方向に配置される。アドレス電極と走査電極とは一本ずつ個別に電位を変化させ得る。
隣り合う維持電極と走査電極との対及びアドレス電極の間の交差点には放電セルが設置される。放電セルの表面には、誘電体から成る層(誘電体層)、電極と誘電体層とを保護するための層(保護層)、蛍光体を含む層(蛍光層)が設けられる。放電セルの内部にはガスが封入される。維持電極、走査電極、及びアドレス電極間に対するパルス電圧の印加により放電セル中で放電が生じるとき、そのガスの分子が電離し、紫外線を発する。その紫外線が放電セル表面の蛍光体を励起し、可視光を発生させる。こうして、放電セルが発光する。
隣り合う維持電極と走査電極との対及びアドレス電極の間の交差点には放電セルが設置される。放電セルの表面には、誘電体から成る層(誘電体層)、電極と誘電体層とを保護するための層(保護層)、蛍光体を含む層(蛍光層)が設けられる。放電セルの内部にはガスが封入される。維持電極、走査電極、及びアドレス電極間に対するパルス電圧の印加により放電セル中で放電が生じるとき、そのガスの分子が電離し、紫外線を発する。その紫外線が放電セル表面の蛍光体を励起し、可視光を発生させる。こうして、放電セルが発光する。
PDP駆動装置は一般に、PDPの維持電極、走査電極、及びアドレス電極の電位を、ADS(Address Display−period Separation)方式に従って制御する。ADS方式はサブフィールド方式の一種である。サブフィールド方式では画像の一フィールドが複数のサブフィールドに分けられる。サブフィールドは、初期化期間、アドレス期間、及び放電維持期間を含む。ADS方式では特に、PDPの全ての放電セルに対して上記三つの期間が共通に設定される。
初期化期間では、初期化パルス電圧が維持電極と走査電極との全ての対の間に同時に印加される。初期化パルス電圧は放電開始電圧より十分に高いので、全ての放電セルで放電が一様に生じ、全ての放電セル間で壁電荷が均一化される。ここで、初期化パルス電圧は各フィールドの特定のサブフィールド(例えば先頭のサブフィールド)でのみ、印加されても良い(例えば特許文献1参照)。
アドレス期間では、走査パルス電圧が走査電極に対して順次印加され、データパルス電圧がアドレス電極のいくつかに対して印加される。データパルス電圧を印加すべきアドレス電極は外部から入力される映像信号に基づき選択される。走査パルス電圧が走査電極の一つに印加されると同時に、データパルス電圧がアドレス電極の一つに印加されるとき、その走査電極とそのアドレス電極との間の交差点に位置する放電セルで放電が生じる。その放電によりその放電セル表面には壁電荷が蓄積される。
放電維持期間では、放電維持パルス電圧が維持電極と走査電極との全ての対に対して同時に印加される。更に、放電維持パルス電圧の極性が一定周波数で反転する。
アドレス期間中に壁電荷を蓄積した放電セルでは、放電維持パルス電圧の印加時、維持電極と走査電極との間の電圧が放電維持パルス電圧より壁電圧だけ高く、特に放電開始電圧を超えるので放電が生じる。それにより、蛍光層では発光が生じ、更に、新たな壁電荷が蓄積される。放電維持パルス電圧の極性が反転するごとに、その放電セルではガス放電と壁電荷の蓄積とが反復される。その結果、その放電セルでは放電維持期間全体を通し、蛍光体の発光が持続する。
放電維持期間の最後では更に、消去パルス電圧が維持電極又は走査電極に対して印加されても良い。その印加により、放電維持期間中、発光が持続していた放電セルの表面から壁電荷が除去される(例えば特許文献1、3参照)。
アドレス期間中に壁電荷を蓄積した放電セルでは、放電維持パルス電圧の印加時、維持電極と走査電極との間の電圧が放電維持パルス電圧より壁電圧だけ高く、特に放電開始電圧を超えるので放電が生じる。それにより、蛍光層では発光が生じ、更に、新たな壁電荷が蓄積される。放電維持パルス電圧の極性が反転するごとに、その放電セルではガス放電と壁電荷の蓄積とが反復される。その結果、その放電セルでは放電維持期間全体を通し、蛍光体の発光が持続する。
放電維持期間の最後では更に、消去パルス電圧が維持電極又は走査電極に対して印加されても良い。その印加により、放電維持期間中、発光が持続していた放電セルの表面から壁電荷が除去される(例えば特許文献1、3参照)。
初期化パルス電圧、走査パルス電圧、データパルス電圧、放電維持パルス電圧、及び消去パルス電圧はそれぞれ、PDP駆動装置内で、個別のパルス生成部により生成される。パルス生成部は、PDPの維持電極、走査電極、又はアドレス電極を、特定の期間に特定のタイミングで、直流電源又は接地導体に接続し、又はそれらから分離する。その接続と分離との反復により、各電極の電位をパルス状に変化させる。その結果、各電極間の電圧が各パルス電圧として放電セルに対して印加される。
パルス生成部は一般に、複数のスイッチ素子の並列接続を含む。それにより、電流容量が十分に大きく維持される。更に、パルス生成部の抵抗が低いので、PDPに供給される電流量の変化に関わらず、電圧降下が小さく維持される。従って、PDPに対して実際に印加されるパルス電圧が十分に高く維持され、かつPDPに供給されるべき電流量が十分に大きく維持される。
パルス生成部は一般に、複数のスイッチ素子の並列接続を含む。それにより、電流容量が十分に大きく維持される。更に、パルス生成部の抵抗が低いので、PDPに供給される電流量の変化に関わらず、電圧降下が小さく維持される。従って、PDPに対して実際に印加されるパルス電圧が十分に高く維持され、かつPDPに供給されるべき電流量が十分に大きく維持される。
ADS方式では一般に、放電維持期間中、一回のガス放電に伴う発光の強度が放電セル間で一定である。従って、放電セルの輝度はその放電セルの一フィールド当たりの発光時間で決まる。
具体的には、放電セルの輝度が一定のビット数の二進数で表現され、一フィールドがそのビット数と同数のサブフィールドに分けられる。サブフィールド間では、放電維持期間の長さ、すなわち放電維持パルス電圧のパルス数の比が、1:2:22:…:2k−1(k:輝度のビット数)に設定される。更に、放電セルの輝度を表す二進数のうち、「1」のビットに対応するサブフィールドでその放電セルが発光する。
このように、サブフィールドの組み合わせで一フィールド当たりの放電セルの発光時間が調節される。すなわち、放電セル間での輝度変化がサブフィールドの組み合わせの変化として実現される。
具体的には、放電セルの輝度が一定のビット数の二進数で表現され、一フィールドがそのビット数と同数のサブフィールドに分けられる。サブフィールド間では、放電維持期間の長さ、すなわち放電維持パルス電圧のパルス数の比が、1:2:22:…:2k−1(k:輝度のビット数)に設定される。更に、放電セルの輝度を表す二進数のうち、「1」のビットに対応するサブフィールドでその放電セルが発光する。
このように、サブフィールドの組み合わせで一フィールド当たりの放電セルの発光時間が調節される。すなわち、放電セル間での輝度変化がサブフィールドの組み合わせの変化として実現される。
PDPには高画質化が望まれる。高画質化はPDPの階調の精細化を要する。ADS方式では上記の通り、一フィールド当たりのサブフィールド数が大きいほど、放電セルの輝度を表すビット数が大きい。すなわち、PDPの階調が精細化され得る。
一フィールド当たりの表示時間は一般に一定であるので、一フィールド当たりのサブフィールド数を増やすには、最短の放電維持期間の長さ、すなわち放電維持パルス電圧のパルス幅を短縮しなければならない。しかし、PDPでは維持電極と走査電極との間の容量(パネル容量)が大きいので、放電維持パルス電圧の立ち上がり/立ち下がりの更なる迅速化、及びそれによるパルス幅の更なる短縮が困難である。PDPには更に、大型化が望まれるので、パネル容量の更なる低減も困難である。
従来のPDP駆動装置は、例えば以下の三つのように、最短の放電維持期間の長さをほぼ維持したまま、PDPの階調の更なる精細化を実現する。
一フィールド当たりの表示時間は一般に一定であるので、一フィールド当たりのサブフィールド数を増やすには、最短の放電維持期間の長さ、すなわち放電維持パルス電圧のパルス幅を短縮しなければならない。しかし、PDPでは維持電極と走査電極との間の容量(パネル容量)が大きいので、放電維持パルス電圧の立ち上がり/立ち下がりの更なる迅速化、及びそれによるパルス幅の更なる短縮が困難である。PDPには更に、大型化が望まれるので、パネル容量の更なる低減も困難である。
従来のPDP駆動装置は、例えば以下の三つのように、最短の放電維持期間の長さをほぼ維持したまま、PDPの階調の更なる精細化を実現する。
第一のPDP駆動装置は、放電維持期間に一つの消去パルス電圧EPのみを含むサブフィールドSF1(図8参照)、又は、消去パルス電圧EPを含まず、一つの放電維持パルス電圧SPのみを含むサブフィールドSF1(図9参照)を新たに設定する(詳細は例えば、特許文献1参照)。消去パルス電圧EPの印加時にも放電電流I1が流れるので、放電セルは発光する。従って、サブフィールドSF1でのみ発光する放電セルの輝度は、放電維持期間に一つの放電維持パルス電圧SPと消去パルス電圧EPとを共に含むサブフィールドSF2でのみ発光する放電セルの輝度より低い(図9では、サブフィールドSF2の初期化期間での放電電流IRがPDPの全放電セルでの発光を示すことに注意せよ)。こうして、放電セルの輝度の下限が更に低下するので、PDPの階調が更に精細化される。
第二のPDP駆動装置は、同じサブフィールド内で、走査パルス電圧又はデータパルス電圧、及び放電維持パルス電圧の各レベルを変化させる(図10参照。詳細は例えば、特許文献2参照)。例えば図10では、走査パルス電圧のレベルが三段階LS1、LS2、LS3で変化し、各段階のいずれかに合わせてデータパルス電圧が印加される。それにより、アドレス期間中に蓄積される壁電荷の量が三段階に調節される。更に、放電維持パルス電圧のレベルが三段階LU1、LU2、LU3で変化する。その結果、アドレス期間中に蓄積された壁電荷の量に応じて放電維持期間中での発光の持続時間が三段階で変化する。
例えば、走査パルス電圧の最も低いレベルLS1に合わせてデータパルス電圧が印加されるとき、蓄積される壁電荷の量が最も少ないので、放電維持パルス電圧の最も高いレベルLU3が維持される期間SP3でのみ、放電電流Iが維持され、発光が持続する。
一方、走査パルス電圧の最も高いレベルLS3に合わせてデータパルス電圧が印加されるとき、蓄積される壁電荷の量が最も多いので、放電維持パルス電圧のレベルが最も低いレベルLU1以上に維持される期間、すなわち放電維持期間全体SP1を通して放電電流Iが維持され、発光が持続する。
こうして、放電セルの発光時間が、サブフィールドの組み合わせに加え、走査パルス電圧又はデータパルス電圧のレベルの組み合わせにより更に微調節される。それ故、PDPの階調が更に精細化される。
例えば、走査パルス電圧の最も低いレベルLS1に合わせてデータパルス電圧が印加されるとき、蓄積される壁電荷の量が最も少ないので、放電維持パルス電圧の最も高いレベルLU3が維持される期間SP3でのみ、放電電流Iが維持され、発光が持続する。
一方、走査パルス電圧の最も高いレベルLS3に合わせてデータパルス電圧が印加されるとき、蓄積される壁電荷の量が最も多いので、放電維持パルス電圧のレベルが最も低いレベルLU1以上に維持される期間、すなわち放電維持期間全体SP1を通して放電電流Iが維持され、発光が持続する。
こうして、放電セルの発光時間が、サブフィールドの組み合わせに加え、走査パルス電圧又はデータパルス電圧のレベルの組み合わせにより更に微調節される。それ故、PDPの階調が更に精細化される。
第三のPDP駆動装置は、他のサブフィールドSF2での放電維持パルス電圧SPよりパルス幅の小さいパルス電圧P1、又はレベル変化の緩やかなパルス電圧P2を一つだけ放電維持期間に含むサブフィールドSF1(図11参照)を新たに設定する(詳細は例えば、特許文献3参照)。変形されたパルス電圧P1、P2の印加に伴う放電電流I1は、放電維持パルス電圧SPの印加に伴う放電電流I2より少ない。すなわち、変形されたパルス電圧P1、P2の印加に伴う放電セルの発光は、放電維持パルス電圧SPの印加に伴う発光より弱い。従って、サブフィールドSF1でのみ発光する放電セルの輝度は、放電維持期間に放電維持パルス電圧SPを一つだけ含むサブフィールドSF2でのみ発光する放電セルの輝度より低い。こうして、放電セルの輝度の下限が更に低下するので、PDPの階調が更に精細化される。
上記の通り、従来のPDP駆動装置は種々の方法で、最短の放電維持期間の長さをほぼ維持したまま、PDPの階調の更なる精細化を実現する。しかし、それらの方法のいずれでも以下のように、回路規模の更なる低減が阻まれるので、PDP駆動装置の更なる小型化が困難である。
第一のPDP駆動装置では、新設されたサブフィールドSF1が放電維持期間に消去パルス電圧EPのみを含む場合、その消去パルス電圧EPは他のサブフィールドSF2での消去パルス電圧EP2とは印加先の電極が異なる(図8参照)。従って、消去パルス電圧生成部が二つ必要であるので、回路規模の更なる低減が阻まれる。
新設されたサブフィールドSF1が放電維持期間に一つの放電維持パルス電圧SPのみを含む場合、そのサブフィールドSF1で発光した放電セルに蓄積された壁電荷が、消去パルス電圧ではなく、直後のサブフィールドSF2での初期化パルス電圧RPにより消去される(図9参照)。従って、初期化パルス電圧RPの印加直前では一般に、壁電荷の量が放電セル間で大きく異なる。それ故、初期化パルス電圧RPの印加による壁電荷の均一化を更に高精度化することが阻まれる。すなわち、PDPの更なる高画質化が困難である。
新設されたサブフィールドSF1が放電維持期間に一つの放電維持パルス電圧SPのみを含む場合、そのサブフィールドSF1で発光した放電セルに蓄積された壁電荷が、消去パルス電圧ではなく、直後のサブフィールドSF2での初期化パルス電圧RPにより消去される(図9参照)。従って、初期化パルス電圧RPの印加直前では一般に、壁電荷の量が放電セル間で大きく異なる。それ故、初期化パルス電圧RPの印加による壁電荷の均一化を更に高精度化することが阻まれる。すなわち、PDPの更なる高画質化が困難である。
第二のPDP駆動装置は、走査パルス電圧又はデータパルス電圧、及び放電維持パルス電圧の各レベルを変化させる(図10参照)。従って、各パルス電圧の生成部の構成が複雑化するので、回路規模の更なる低減が阻まれる。
更に、パルス電圧のレベルが高いほどパルス電圧の生成に伴う電力損失が高いので、PDP駆動装置の更なる省電力化が阻まれる。
更に、パルス電圧のレベルが高いほどパルス電圧の生成に伴う電力損失が高いので、PDP駆動装置の更なる省電力化が阻まれる。
第三のPDP駆動装置は、特定のサブフィールドSF1の放電維持期間に、他のサブフィールドSF2での放電維持パルス電圧SPに代え、パルス幅の小さいパルス電圧P1、又はレベル変化の緩やかなパルス電圧P2を生成する(図11参照)。従って、パルス電圧P1、P2の生成部が放電維持パルス電圧SPの生成部とは別に必要であるので、回路規模の更なる低減が阻まれる。
更に、特定の波形のパルス電圧P1、P2がフィールド周波数(例えば60Hz)で印加されるので、その印加に起因する雑音は可聴周波数域に属する。従って、その雑音がPDPの視聴者に不快感を与えるおそれがある。
更に、特定の波形のパルス電圧P1、P2がフィールド周波数(例えば60Hz)で印加されるので、その印加に起因する雑音は可聴周波数域に属する。従って、その雑音がPDPの視聴者に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、回路規模を増大させることなく、最短の放電維持期間の長さをほぼ維持したまま、PDPの階調の更なる精細化を実現するPDP駆動装置、の提供を目的とする。
本発明によるPDP駆動装置はプラズマディスプレイに搭載される。そのプラズマディスプレイは次のようなPDPを具備する。そのPDPは、内部に封入されたガスの放電により発光する放電セル、及び、外部から印加されるパルス電圧を放電セルに対して伝達するための維持電極と走査電極、を有する。
本発明によるPDP駆動装置は、
PDPの維持電極又は走査電極を、特に放電維持期間中、直流電源又は接地導体に接続する複数のスイッチ素子の並列接続、を含むスイッチ部;及び、
上記のスイッチ素子を個別にオンオフさせ、特に放電維持期間ごとに、同時にオンにされるべきスイッチ素子の数を変化させる、制御部;
を有する。
PDPの維持電極又は走査電極を、特に放電維持期間中、直流電源又は接地導体に接続する複数のスイッチ素子の並列接続、を含むスイッチ部;及び、
上記のスイッチ素子を個別にオンオフさせ、特に放電維持期間ごとに、同時にオンにされるべきスイッチ素子の数を変化させる、制御部;
を有する。
このPDP駆動装置では、特に放電維持パルス電圧が上記のスイッチ部を通して維持電極又は走査電極に対して印加される。
好ましくは、上記のスイッチ部が放電維持パルス生成部に含まれ、そのオンオフによりPDPの維持電極又は走査電極に対して放電維持パルス電圧が印加される。
放電維持パルス生成部の他に、維持電極又は走査電極に対して初期化パルス電圧を印加する初期化パルス生成部、及び、走査電極に対して走査パルス電圧を印加する走査パルス生成部、を本発明による上記のPDP駆動装置が有する場合、上記のスイッチ部が初期化パルス電圧又は走査パルス電圧の印加時に、放電維持パルス生成部を初期化パルス生成部又は走査パルス生成部から分離しても良い(以下、その場合のスイッチ部を分離スイッチ部という)。
このように、上記のスイッチ部は従来の駆動装置に含まれるスイッチ部と同様で良い。特に、並列に接続されるスイッチ素子の数が、従来の駆動装置に含まれるスイッチ部での数と同程度で良い。
好ましくは、上記のスイッチ部が放電維持パルス生成部に含まれ、そのオンオフによりPDPの維持電極又は走査電極に対して放電維持パルス電圧が印加される。
放電維持パルス生成部の他に、維持電極又は走査電極に対して初期化パルス電圧を印加する初期化パルス生成部、及び、走査電極に対して走査パルス電圧を印加する走査パルス生成部、を本発明による上記のPDP駆動装置が有する場合、上記のスイッチ部が初期化パルス電圧又は走査パルス電圧の印加時に、放電維持パルス生成部を初期化パルス生成部又は走査パルス生成部から分離しても良い(以下、その場合のスイッチ部を分離スイッチ部という)。
このように、上記のスイッチ部は従来の駆動装置に含まれるスイッチ部と同様で良い。特に、並列に接続されるスイッチ素子の数が、従来の駆動装置に含まれるスイッチ部での数と同程度で良い。
上記のスイッチ部では、放電維持期間ごとにオン状態に維持されるスイッチ素子の数が変化する。それにより、スイッチ部のオン抵抗値又は飽和電圧が放電維持期間ごとに変化する。従って、発光対象の放電セルの数が一定であっても、放電電流の総量が変化する。
例えば、オン状態に維持されるスイッチ素子の数が少ないほどスイッチ部のオン抵抗が上昇するので、放電電流の総量が低減する。一方、各放電セルでは、一回のガス放電に伴う放電電流量が小さいほど発光強度が低い。従って、放電維持期間の長さ(放電維持パルス電圧のパルス数)が一定であっても、オン状態に維持されるスイッチ素子の数が少ないほど放電セルの輝度が低減する。
こうして、本発明による上記のPDP駆動装置は、放電維持期間の長さを一定に維持したまま、放電セルの輝度を低減させ得る。そのとき、回路規模が従来の駆動装置と同程度に維持できる。特にADS方式では、サブフィールドの構成が一定に維持されたまま、PDPの階調が更に精細化され得る。
放電電流量の低減は更に、放電セルの発光強度の低減以上に、例えばスイッチ部等の導通損失を低減させ得る。従って、PDPの階調の更なる精細化だけでなく、更なる省電力化も実現し得る。
例えば、オン状態に維持されるスイッチ素子の数が少ないほどスイッチ部のオン抵抗が上昇するので、放電電流の総量が低減する。一方、各放電セルでは、一回のガス放電に伴う放電電流量が小さいほど発光強度が低い。従って、放電維持期間の長さ(放電維持パルス電圧のパルス数)が一定であっても、オン状態に維持されるスイッチ素子の数が少ないほど放電セルの輝度が低減する。
こうして、本発明による上記のPDP駆動装置は、放電維持期間の長さを一定に維持したまま、放電セルの輝度を低減させ得る。そのとき、回路規模が従来の駆動装置と同程度に維持できる。特にADS方式では、サブフィールドの構成が一定に維持されたまま、PDPの階調が更に精細化され得る。
放電電流量の低減は更に、放電セルの発光強度の低減以上に、例えばスイッチ部等の導通損失を低減させ得る。従って、PDPの階調の更なる精細化だけでなく、更なる省電力化も実現し得る。
好ましくは、上記のスイッチ素子ごとに、維持電極又は走査電極と直流電源又は接地導体との間で導通する経路のインピーダンスが異なる。
例えば、各スイッチ素子に異なるインピーダンス素子が直列に接続されても良い。
スイッチ素子がFETである場合、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるオン抵抗を持っても良い。
スイッチ素子がバイポーラトランジスタである場合、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるコレクタ−エミッタ間飽和電圧を持っても良い。
更に、スイッチ素子の一部がFETであり、残りがバイポーラトランジスタであっても良い。
このようにして、スイッチ部の抵抗値又は飽和電圧の種類が柔軟に、かつ多様に設定される。それにより、放電セルの輝度の調節を詳細に、かつ効率良く実現できる。
例えば、各スイッチ素子に異なるインピーダンス素子が直列に接続されても良い。
スイッチ素子がFETである場合、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるオン抵抗を持っても良い。
スイッチ素子がバイポーラトランジスタである場合、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるコレクタ−エミッタ間飽和電圧を持っても良い。
更に、スイッチ素子の一部がFETであり、残りがバイポーラトランジスタであっても良い。
このようにして、スイッチ部の抵抗値又は飽和電圧の種類が柔軟に、かつ多様に設定される。それにより、放電セルの輝度の調節を詳細に、かつ効率良く実現できる。
好ましくは、上記の制御部が、外部から受信される映像信号により指示されるPDPの放電セルの輝度に応じ、同時にオンにされるべきスイッチ素子の数を調節する。その調節に用いられるパラメータとして、更に好ましくは、映像信号に従って同時に点灯すべき放電セルの数が含まれる。PDPに実際に供給されるべき放電電流の総量は放電セルの輝度だけでなく、同時に点灯すべき放電セルの数にも依存するからである。
本発明による上記のPDP駆動装置が更に、維持電極又は走査電極に対して実際に供給される電流量を検出する電流検出部、を有する場合、好ましくは、その電流量が上記のパラメータとして更に含まれる。それにより、上記のスイッチ素子数の調節による放電セルの輝度調節について、フィードバック制御が適用され得る。従って、回路素子の品質のばらつきや動作状態の変動に関わらず、その調節能力が更に向上し得る。
本発明による上記のPDP駆動装置が更に、維持電極又は走査電極に対して実際に供給される電流量を検出する電流検出部、を有する場合、好ましくは、その電流量が上記のパラメータとして更に含まれる。それにより、上記のスイッチ素子数の調節による放電セルの輝度調節について、フィードバック制御が適用され得る。従って、回路素子の品質のばらつきや動作状態の変動に関わらず、その調節能力が更に向上し得る。
本発明によるPDP駆動装置は上記の通り、特に放電維持パルス生成部のスイッチ部、又はその生成部をPDPの維持電極又は走査電極に接続するための分離スイッチ部について、実際にオン状態に維持されるべきスイッチ素子の数を調節する。それにより、各スイッチ部のオン抵抗値又は飽和電圧を変化させる。その結果、放電維持期間の長さを一定に維持したまま、放電セルの輝度を低減させ得る。
こうして、本発明によるPDP駆動装置は、回路規模を従来の駆動装置と同程度に維持し、かつサブフィールドの構成を従来の構成と共通に維持したまま、PDPの階調を従来の駆動装置よりも更に精細化し得る。それにより、例えば動画疑似輪郭等、サブフィールド方式特有の画像の歪みが低減するので、PDPの高画質化が更に向上できる。
こうして、本発明によるPDP駆動装置は、回路規模を従来の駆動装置と同程度に維持し、かつサブフィールドの構成を従来の構成と共通に維持したまま、PDPの階調を従来の駆動装置よりも更に精細化し得る。それにより、例えば動画疑似輪郭等、サブフィールド方式特有の画像の歪みが低減するので、PDPの高画質化が更に向上できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
《実施形態1》
本発明の実施形態1によるプラズマディスプレイはPDP20とPDP駆動装置とを有する(図1参照)。
《実施形態1》
本発明の実施形態1によるプラズマディスプレイはPDP20とPDP駆動装置とを有する(図1参照)。
PDP20は例えばAC型であり、三電極面放電型構造を有する。PDP20の背面基板上にはアドレス電極A1、A2、A3、・・・がパネルの縦方向に配置される。PDP20の前面基板上には維持電極X1、X2、X3、・・・と走査電極Y1、Y2、Y3、・・・とが交互に、かつパネルの横方向に配置される。維持電極X1、X2、X3、・・・は互いに接続され、電位が実質的に等しい。アドレス電極A1、A2、A3、・・・と走査電極Y1、Y2、Y3、・・・とは一本ずつ個別に電位を変化させ得る。
隣り合う維持電極と走査電極との対(例えば維持電極X2と走査電極Y2との対)及びアドレス電極(例えばアドレス電極A2)の間の交差点には放電セルが設置される(例えば図1に示される斜線部P参照)。放電セルの表面には、誘電体から成る層(誘電体層)、電極と誘電体層とを保護するための層(保護層)、及び蛍光体を含む層(蛍光層)が設けられる。放電セルの内部にはガスが封入される。維持電極、走査電極、及びアドレス電極の間に対し所定のパルス電圧が印加されるとき、放電セルでは放電が生じる。そのとき、放電セル中のガス分子が電離し、紫外線を発する。その紫外線が放電セル表面の蛍光体を励起し、可視光を発生させる。こうして、放電セルが発光する。
PDP駆動装置は、走査電極駆動部11、維持電極駆動部12、アドレス電極駆動部13、及び、制御部30を含む(図1参照)。
走査電極駆動部11と維持電極駆動部12との入力端子は電源部Esに接続される。電源部Esは、外部の商用交流電源(図示せず)から供給される交流電圧を一定の直流電圧Vsに変換する。その直流電圧VsはPDP駆動装置に対して印加される。
走査電極駆動部11の出力端子はPDP20の走査電極Y1、Y2、Y3、・・・のそれぞれに個別に接続される。走査電極駆動部11は走査電極Y1、Y2、Y3、・・・の各電位を個別に変化させる。
維持電極駆動部12の出力端子はPDP20の維持電極X1、X2、X3、・・・に接続される。維持電極駆動部12は維持電極X1、X2、X3、・・・の電位を一様に変化させる。
アドレス電極駆動部13はPDP20のアドレス電極A1、A2、A3、・・・のそれぞれに個別に接続される。アドレス電極駆動部13はアドレス電極A1、A2、A3、・・・の中からいくつかを選択し、それらに対してデータパルス電圧を印加する。
走査電極駆動部11と維持電極駆動部12との入力端子は電源部Esに接続される。電源部Esは、外部の商用交流電源(図示せず)から供給される交流電圧を一定の直流電圧Vsに変換する。その直流電圧VsはPDP駆動装置に対して印加される。
走査電極駆動部11の出力端子はPDP20の走査電極Y1、Y2、Y3、・・・のそれぞれに個別に接続される。走査電極駆動部11は走査電極Y1、Y2、Y3、・・・の各電位を個別に変化させる。
維持電極駆動部12の出力端子はPDP20の維持電極X1、X2、X3、・・・に接続される。維持電極駆動部12は維持電極X1、X2、X3、・・・の電位を一様に変化させる。
アドレス電極駆動部13はPDP20のアドレス電極A1、A2、A3、・・・のそれぞれに個別に接続される。アドレス電極駆動部13はアドレス電極A1、A2、A3、・・・の中からいくつかを選択し、それらに対してデータパルス電圧を印加する。
図2、3は、走査電極駆動部11、維持電極駆動部12、及びPDP20の等価回路図である。
走査電極駆動部11は、走査パルス生成部1、初期化パルス生成部2、分離スイッチ部QS、及び第一の放電維持パルス生成部3Yを含む(図2参照)。
維持電極駆動部12は第二の放電維持パルス生成部3Xを含む。
PDP20の等価回路はパネル容量Cpでのみ表され、放電セルでの放電時にPDP20を流れる放電電流の経路は省略される。
走査電極駆動部11は、走査パルス生成部1、初期化パルス生成部2、分離スイッチ部QS、及び第一の放電維持パルス生成部3Yを含む(図2参照)。
維持電極駆動部12は第二の放電維持パルス生成部3Xを含む。
PDP20の等価回路はパネル容量Cpでのみ表され、放電セルでの放電時にPDP20を流れる放電電流の経路は省略される。
走査パルス生成部1は、定電圧源E1、二つの走査スイッチ素子SC1、SC2、及び二つの補助スイッチ素子SA1、SA2を含む。
定電圧源E1は正極の電位を負極の電位より一定の電圧V1だけ高く維持する。
定電圧源E1は正極の電位を負極の電位より一定の電圧V1だけ高く維持する。
二つの走査スイッチ素子SC1、SC2、及び二つの補助スイッチ素子SA1、SA2は、好ましくはMOSFETである。その他に、バイポーラトランジスタ、特にIGBTであっても良い。
MOSFETはボディダイオードを並列に含むので、極性を持つ。MOSFETでは一般に、ボディダイオードのアノードがソースと並列に接続され、カソードがドレインと並列に接続される。
一方、IGBTとバイポーラトランジスタとはいずれもMOSFETとは異なり、ボディダイオードを含まない。しかし、IGBTとバイポーラトランジスタとではスイッチ素子としての機能上、エミッタがMOSFETのソースに相当し、コレクタがMOSFETのドレインに相当する。
以下、スイッチ素子の二つの端子をアノードとカソードと呼ぶ。
スイッチ素子がMOSFETである場合、アノードがソースに相当し、カソードがドレインに相当する。
スイッチ素子がIGBT又はバイポーラトランジスタである場合、アノードがエミッタに相当し、カソードがコレクタに相当する。
MOSFETはボディダイオードを並列に含むので、極性を持つ。MOSFETでは一般に、ボディダイオードのアノードがソースと並列に接続され、カソードがドレインと並列に接続される。
一方、IGBTとバイポーラトランジスタとはいずれもMOSFETとは異なり、ボディダイオードを含まない。しかし、IGBTとバイポーラトランジスタとではスイッチ素子としての機能上、エミッタがMOSFETのソースに相当し、コレクタがMOSFETのドレインに相当する。
以下、スイッチ素子の二つの端子をアノードとカソードと呼ぶ。
スイッチ素子がMOSFETである場合、アノードがソースに相当し、カソードがドレインに相当する。
スイッチ素子がIGBT又はバイポーラトランジスタである場合、アノードがエミッタに相当し、カソードがコレクタに相当する。
定電圧源E1の正極はハイサイド補助スイッチ素子SA1のカソードに接続される。ハイサイド補助スイッチ素子SA1のアノードはハイサイド走査スイッチ素子SC1のカソードとローサイド補助スイッチ素子SA2のカソードとに接続される。
ハイサイド走査スイッチ素子SC1のアノードはローサイド走査スイッチ素子SC2のカソードに接続される。それらの間の接続点JはPDP20の走査電極の一つYに接続される。ここで、ハイサイド走査スイッチ素子SC1とローサイド走査スイッチ素子SC2との直列接続1Sは実際には複数の走査電極Y1、Y2、・・・(図1参照)と同数だけ設けられ、走査電極Y1、Y2、・・・のそれぞれに一つずつ接続される。
ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードとローサイド補助スイッチ素子SA2のアノードとは共に、定電圧源E1の負極に接続される。
ハイサイド走査スイッチ素子SC1のアノードはローサイド走査スイッチ素子SC2のカソードに接続される。それらの間の接続点JはPDP20の走査電極の一つYに接続される。ここで、ハイサイド走査スイッチ素子SC1とローサイド走査スイッチ素子SC2との直列接続1Sは実際には複数の走査電極Y1、Y2、・・・(図1参照)と同数だけ設けられ、走査電極Y1、Y2、・・・のそれぞれに一つずつ接続される。
ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードとローサイド補助スイッチ素子SA2のアノードとは共に、定電圧源E1の負極に接続される。
二つの補助スイッチ素子SA1、SA2は好ましくは、二つの走査スイッチ素子SC1、SC2と同様に、交互にオンオフする。
二つの補助スイッチ素子SA1、SA2の設置は二つの走査スイッチ素子SC1、SC2に対する過電圧の防止を目的とする。それにより、二つの走査スイッチ素子SC1、SC2の誤動作が回避される。その誤動作のおそれが少ないとき、補助スイッチ素子SA1、SA2は設置されなくても良い。その場合、ハイサイド走査スイッチ素子SC1のカソードが定電圧源E1の正極に直結し、更に定電圧源E1を通してのみ、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに接続される。
二つの補助スイッチ素子SA1、SA2の設置は二つの走査スイッチ素子SC1、SC2に対する過電圧の防止を目的とする。それにより、二つの走査スイッチ素子SC1、SC2の誤動作が回避される。その誤動作のおそれが少ないとき、補助スイッチ素子SA1、SA2は設置されなくても良い。その場合、ハイサイド走査スイッチ素子SC1のカソードが定電圧源E1の正極に直結し、更に定電圧源E1を通してのみ、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに接続される。
初期化パルス生成部2は、正電圧源Ep、負電圧源En、及び二つのランプ波形生成部QR1、QR2を含む。
正電圧源Epは出力端子を一定の正電位+Vrに維持する。その正電位+Vrは初期化パルス電圧の上限に等しい。
負電圧源Enは出力端子を一定の負電位−Vnに維持する。その負電位−Vnは初期化パルス電圧の下限、及び走査パルス電圧の下限に等しい。
正電圧源Epは出力端子を一定の正電位+Vrに維持する。その正電位+Vrは初期化パルス電圧の上限に等しい。
負電圧源Enは出力端子を一定の負電位−Vnに維持する。その負電位−Vnは初期化パルス電圧の下限、及び走査パルス電圧の下限に等しい。
ランプ波形生成部QR1、QR2は好ましくはNチャネルMOSFET(NMOS)を含む。そのNMOSのゲートとドレインとはコンデンサを含む素子で接続される。ランプ波形生成部QR1、QR2がオンするとき、両端電圧が実質的に一定の速度で零まで変化する。
ランプ波形生成部QR1、QR2はその他に、放電回路で構成されても良い。放電回路はコンデンサと抵抗とを含み、その時定数がランプ波形生成部QR1、QR2の両端電圧の減衰時間に相当する。
ランプ波形生成部QR1、QR2はその他に、放電回路で構成されても良い。放電回路はコンデンサと抵抗とを含み、その時定数がランプ波形生成部QR1、QR2の両端電圧の減衰時間に相当する。
正電圧源Epはハイサイドランプ波形生成部QR1のカソードに接続される。ハイサイドランプ波形生成部QR1のアノードは、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに接続される。
負電圧源Enはローサイドランプ波形生成部QR2のアノードに接続される。ローサイドランプ波形生成部QR2のカソードは、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに接続される。
負電圧源Enはローサイドランプ波形生成部QR2のアノードに接続される。ローサイドランプ波形生成部QR2のカソードは、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに接続される。
分離スイッチ部QSは双方向スイッチであり、二つのスイッチ部の直列接続を含む。各スイッチ部は複数のスイッチ素子Q1、Q2、…の並列接続を含み(図4参照)、各スイッチ素子Q1、Q2、…の極性に応じて極性を持つ。両スイッチ部のアノード同士又はカソード同士が接続される。両スイッチ部のオン状態とオフ状態とが等しく維持される。
分離スイッチ部QSはローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードと第一の放電維持パルス生成部3Yとの間に接続され、オン状態ではいずれの方向についても電流を通し、オフ状態ではいずれの方向についても電流を遮断する。
分離スイッチ部QSはローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードと第一の放電維持パルス生成部3Yとの間に接続され、オン状態ではいずれの方向についても電流を通し、オフ状態ではいずれの方向についても電流を遮断する。
第一の放電維持パルス生成部3Yは、第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、及び第一の電力回収部4Yを含む。
第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Yはそれぞれ、複数のスイッチ素子Q1、Q2、…の並列接続を含む(図4参照)。各スイッチ素子Q1、Q2、…の極性に応じ、第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Yは極性を持つ。
第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yのカソードは電源部Esに接続され、一定の正電位+Vsに維持される。第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yのアノードは第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yのカソードに接続される。第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yのアノードは接地される。第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Y間の接続点JYは第一の放電維持パルス生成部3の出力端子であり、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに直結する。
第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Yはそれぞれ、複数のスイッチ素子Q1、Q2、…の並列接続を含む(図4参照)。各スイッチ素子Q1、Q2、…の極性に応じ、第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Yは極性を持つ。
第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yのカソードは電源部Esに接続され、一定の正電位+Vsに維持される。第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yのアノードは第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yのカソードに接続される。第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yのアノードは接地される。第一の維持スイッチ部Q1Y、Q2Y間の接続点JYは第一の放電維持パルス生成部3の出力端子であり、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードに直結する。
第一の電力回収部4Yは好ましくはコンデンサとインダクタとの直列接続を含む(図示せず)。その直列接続は各維持スイッチ部Q1Y、Q2Yのターンオン直前に分離スイッチ部QSを通してPDP20の走査電極Yに接続される。そのとき、インダクタがPDP20のパネル容量Cpと共振し、コンデンサとパネル容量Cpとの間で電力が効率良く交換される。
第二の放電維持パルス生成部3Xは、第二の維持スイッチ部Q1X、Q2X、及び第二の電力回収部4Xを含む(図3参照)。
第二の維持スイッチ部Q1X、Q2Xはそれぞれ、複数のスイッチ素子Q1、Q2、…の並列接続を含む(図4参照)。各スイッチ素子Q1、Q2、…の極性に応じ、第二の維持スイッチ部Q1X、Q2Xは極性を持つ。
第二の維持スイッチ部Q1X、Q2Xはそれぞれ、複数のスイッチ素子Q1、Q2、…の並列接続を含む(図4参照)。各スイッチ素子Q1、Q2、…の極性に応じ、第二の維持スイッチ部Q1X、Q2Xは極性を持つ。
第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xのカソードは電源部Esに接続され、一定の正電位+Vsに維持される。第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xのアノードは第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xのカソードに接続される。第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xのアノードは接地される。第二の維持スイッチ部Q1X、Q2X間の接続点JXはPDP20の維持電極Xに接続される。
第二の電力回収部4Xは好ましくはコンデンサとインダクタとの直列接続を含む(図示せず)。その直列接続は各維持スイッチ部Q1X、Q2Xのターンオン直前にPDP20の維持電極Xに接続される。そのとき、インダクタがPDP20のパネル容量Cpと共振し、コンデンサとパネル容量Cpとの間で電力が効率良く交換される。
分離スイッチ部QSと維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xとのそれぞれを構成するスイッチ部は好ましくは、複数のスイッチ素子(例えば四つのスイッチ素子Q1、Q2、Q3、Q4)の並列接続を含む(図4参照)。各スイッチ素子Q1〜Q4は好ましくはFET、特にMOSFETである(図4(b)参照)。その他に、バイポーラトランジスタ、特にIGBTであっても良い(図4(c)参照)。更に、FETとバイポーラトランジスタとが併用されても良い(図4(d)参照)。
スイッチ部では、その両端間の抵抗値が、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の数に応じて変化する。
スイッチ部では、その両端間の抵抗値が、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の数に応じて変化する。
スイッチ部では好ましくは、スイッチ素子Q1〜Q4ごとに異なるインピーダンス素子Z1〜Z4が接続される(図4(a)参照)。
例えば、三つのインピーダンス素子Z1、Z2、Z3が同じ抵抗値を持ち、残り一つのインピーダンス素子Z4の抵抗値が他のインピーダンス素子Z1、Z2、Z3の抵抗値の1/4倍に設定される。そのとき、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体の両端間の抵抗値が、スイッチ素子Q1を含む経路の抵抗値の1、2、3、…、7倍のいずれかに設定される。
例えば、三つのインピーダンス素子Z1、Z2、Z3が同じ抵抗値を持ち、残り一つのインピーダンス素子Z4の抵抗値が他のインピーダンス素子Z1、Z2、Z3の抵抗値の1/4倍に設定される。そのとき、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体の両端間の抵抗値が、スイッチ素子Q1を含む経路の抵抗値の1、2、3、…、7倍のいずれかに設定される。
スイッチ素子Q1〜Q4がMOSFETである場合(図4(b)参照)、好ましくは、各MOSFETが異なるオン抵抗を持つ。
例えば、三つのMOSFETQ1、Q2、Q3が同じオン抵抗値を持ち、残り一つのMOSFETQ4のオン抵抗値が他のMOSFETQ1、Q2、Q3のオン抵抗値の1/4倍に設定される。そのとき、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体の両端間の抵抗値が、MOSFETQ1のオン抵抗値の1、2、3、・・・、7倍のいずれかに設定される。
例えば、三つのMOSFETQ1、Q2、Q3が同じオン抵抗値を持ち、残り一つのMOSFETQ4のオン抵抗値が他のMOSFETQ1、Q2、Q3のオン抵抗値の1/4倍に設定される。そのとき、オン状態に維持されるスイッチ素子Q1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体の両端間の抵抗値が、MOSFETQ1のオン抵抗値の1、2、3、・・・、7倍のいずれかに設定される。
スイッチ素子Q1〜Q4がIGBTである場合(図4(c)参照)、好ましくは、各IGBTが異なるコレクタ−エミッタ間飽和電圧を持つ。
例えば、三つのIGBTQ1、Q2、Q3が同じ飽和電圧を持ち、残り一つのIGBTQ4の飽和電圧が他のIGBTQ1、Q2、Q3の飽和電圧より高く設定される。そのとき、三つのIGBTQ1、Q2、Q3をオンにして残り一つのIGBTQ4をオフにすることにより、又はその逆により、スイッチ部全体の飽和電圧が高低二通りで変化する。
例えば、三つのIGBTQ1、Q2、Q3が同じ飽和電圧を持ち、残り一つのIGBTQ4の飽和電圧が他のIGBTQ1、Q2、Q3の飽和電圧より高く設定される。そのとき、三つのIGBTQ1、Q2、Q3をオンにして残り一つのIGBTQ4をオフにすることにより、又はその逆により、スイッチ部全体の飽和電圧が高低二通りで変化する。
スイッチ素子Q1〜Q4としてMOSFETとIGBTとが併用される場合(図4(d)参照)では一般に、IGBTのコレクタ−エミッタ間飽和電圧が、MOSFETのオン抵抗による電圧降下より十分に低い。例えば、三つのスイッチ素子Q1、Q2、Q3がMOSFETであり、残り一つのスイッチ素子Q4がIGBTであるとき、一つのIGBTQ4のオンオフにより、スイッチ部全体の両端間の電圧が少なくとも高低二通りで変化する。
制御部30(図1参照)は、走査電極駆動部11、維持電極駆動部12、及びアドレス電極駆動部13について、好ましくはADS方式に従い、次のようなスイッチング制御を行う。
制御部30はまず、外部から映像信号を一フィールドずつ受信する。ここで、一フィールドは複数のサブフィールドに分けられる(図5参照)。例えば図5では、一フィールドが七つのサブフィールドSF1、SF2、…、SF7に分割される。サブフィールドSF1〜SF7はそれぞれ、初期化期間RP、アドレス期間AP、及び放電維持期間SPを含む。
制御部30はまず、外部から映像信号を一フィールドずつ受信する。ここで、一フィールドは複数のサブフィールドに分けられる(図5参照)。例えば図5では、一フィールドが七つのサブフィールドSF1、SF2、…、SF7に分割される。サブフィールドSF1〜SF7はそれぞれ、初期化期間RP、アドレス期間AP、及び放電維持期間SPを含む。
初期化期間RPでは、初期化パルス電圧が維持電極と走査電極との全ての対X1−Y1、X2−Y2、X3−Y3、…の間に同時に印加される(図1参照)。初期化パルス電圧は放電開始電圧より十分に高いので、全ての放電セルでガス放電が一様に生じ、全ての放電セル間で壁電荷が均一化される。
ここで、初期化パルス電圧が実際には、各フィールドの特定のサブフィールド(例えば先頭のサブフィールドSF1)でのみ、印加されても良い。
ここで、初期化パルス電圧が実際には、各フィールドの特定のサブフィールド(例えば先頭のサブフィールドSF1)でのみ、印加されても良い。
初期化期間中、走査電極Yと維持電極Xとの電位が初期化パルス電圧の印加で次のように変化する(図6参照)。一方、アドレス電極Aは接地電位(≒0)に維持される。
初期化パルス電圧の変化に応じ、初期化期間は次の六つのモードI〜VIに分けられる。各モードごとに、走査電極駆動部11と維持電極駆動部12とに含まれるスイッチ素子のオンオフ状態が切り換えられる。但し、初期化期間中、ハイサイド補助スイッチ素子SA1はオフ状態に維持され、ローサイド補助スイッチ素子SA2はオン状態に維持される。
初期化パルス電圧の変化に応じ、初期化期間は次の六つのモードI〜VIに分けられる。各モードごとに、走査電極駆動部11と維持電極駆動部12とに含まれるスイッチ素子のオンオフ状態が切り換えられる。但し、初期化期間中、ハイサイド補助スイッチ素子SA1はオフ状態に維持され、ローサイド補助スイッチ素子SA2はオン状態に維持される。
<モードI>
走査電極駆動部11では、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yと分離スイッチ部QSとがオンにされる。それにより、走査電極Yが接地電位に維持される。
維持電極駆動部12では、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオンにされる。それにより、維持電極Xが接地電位に維持される。
走査電極駆動部11では、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yと分離スイッチ部QSとがオンにされる。それにより、走査電極Yが接地電位に維持される。
維持電極駆動部12では、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオンにされる。それにより、維持電極Xが接地電位に維持される。
<モードII>
走査電極駆動部11では、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yがオフにされ、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsまで上昇する。
維持電極駆動部12では、モードIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
走査電極駆動部11では、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yがオフにされ、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsまで上昇する。
維持電極駆動部12では、モードIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
<モードIII>
走査電極駆動部11では、分離スイッチ部QSがオフにされ、ハイサイドランプ波形生成部QR1がオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が一定の速度で上昇し、正電圧源Epの電位+Vr、すなわち初期化パルス電圧の上限に達する。
維持電極駆動部12では、モードIIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
こうして、PDP20の全ての放電セルに対して一様に、印加電圧が初期化パルス電圧の上限Vrまで比較的緩やかに上昇する。それにより、PDP20の全ての放電セルで一様な壁電荷が蓄積される。そのとき、印加電圧の上昇速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光が微弱に抑えられる。
走査電極駆動部11では、分離スイッチ部QSがオフにされ、ハイサイドランプ波形生成部QR1がオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が一定の速度で上昇し、正電圧源Epの電位+Vr、すなわち初期化パルス電圧の上限に達する。
維持電極駆動部12では、モードIIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
こうして、PDP20の全ての放電セルに対して一様に、印加電圧が初期化パルス電圧の上限Vrまで比較的緩やかに上昇する。それにより、PDP20の全ての放電セルで一様な壁電荷が蓄積される。そのとき、印加電圧の上昇速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光が微弱に抑えられる。
モードIIIでは、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードの電位が電源部Esの電位+Vsを超える。そのとき、分離スイッチ部QSがローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードから第一の放電維持パルス生成部3Yの出力端子JYへ流れ込む電流を遮断する。従って、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsでクランプされることなく、初期化パルス電圧の上限+Vr(>+Vs)に達し得る。
<モードIV>
走査電極駆動部11では、ハイサイドランプ波形生成部QR1がオフにされ、分離スイッチ部QSがオンにされる。従って、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsまで降下する。
維持電極駆動部12では、モードIIIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
走査電極駆動部11では、ハイサイドランプ波形生成部QR1がオフにされ、分離スイッチ部QSがオンにされる。従って、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsまで降下する。
維持電極駆動部12では、モードIIIの状態が維持されるので、維持電極Xは接地電位に維持される。
<モードV>
走査電極駆動部11では、モードIVの状態が維持されるので、走査電極Yは電源部Esの電位+Vsに維持される。
維持電極駆動部12では、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオフにされ、第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsまで上昇する。
こうして、走査電極Yと維持電極Xとが同電位+Vsに維持される。
走査電極駆動部11では、モードIVの状態が維持されるので、走査電極Yは電源部Esの電位+Vsに維持される。
維持電極駆動部12では、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオフにされ、第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsまで上昇する。
こうして、走査電極Yと維持電極Xとが同電位+Vsに維持される。
<モードVI>
走査電極駆動部11では、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yと分離スイッチ部QSとがオフにされ、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yとローサイドランプ波形生成部QR2とがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が一定の速度で、電源部Esの電位+Vsから降下し、負電圧源Enの電位−Vn、すなわち初期化パルス電圧の下限に達する。
維持電極駆動部12では、モードVの状態が維持されるので、維持電極Xは電源部Esの電位+Vsに維持される。
こうして、PDP20の全ての放電セルに対して一様にモードII〜Vでの印加電圧とは逆極性の電圧が印加される。特に、その印加電圧は比較的緩やかに降下する。それにより、全ての放電セルで壁電荷が一様に除去され、均一化される。そのとき、印加電圧の降下速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光は微弱に抑えられる。
走査電極駆動部11では、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yと分離スイッチ部QSとがオフにされ、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yとローサイドランプ波形生成部QR2とがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が一定の速度で、電源部Esの電位+Vsから降下し、負電圧源Enの電位−Vn、すなわち初期化パルス電圧の下限に達する。
維持電極駆動部12では、モードVの状態が維持されるので、維持電極Xは電源部Esの電位+Vsに維持される。
こうして、PDP20の全ての放電セルに対して一様にモードII〜Vでの印加電圧とは逆極性の電圧が印加される。特に、その印加電圧は比較的緩やかに降下する。それにより、全ての放電セルで壁電荷が一様に除去され、均一化される。そのとき、印加電圧の降下速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光は微弱に抑えられる。
アドレス期間AP中、維持電極駆動部12では、第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオン状態に維持され、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオフ状態に維持される。それにより、維持電極Xが電源部Esの電位+Vsに維持される。
走査電極駆動部11では、ローサイドランプ波形生成部QR2とハイサイド補助スイッチ素子SA1とがオン状態に維持され、分離スイッチ部QS、ハイサイドランプ波形生成部QR1、及びローサイド補助スイッチ素子SA2がオフ状態に維持される。それにより、ハイサイド走査スイッチ素子SC1のカソードが負電圧源Enの電位−Vnより定電圧源E1の電圧V1だけ高い電位Vp=V1−Vn、すなわち走査パルス電圧の上限に維持される。一方、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードが負電圧源Enの電位−Vn、すなわち走査パルス電圧の下限に維持される。
走査電極駆動部11では、ローサイドランプ波形生成部QR2とハイサイド補助スイッチ素子SA1とがオン状態に維持され、分離スイッチ部QS、ハイサイドランプ波形生成部QR1、及びローサイド補助スイッチ素子SA2がオフ状態に維持される。それにより、ハイサイド走査スイッチ素子SC1のカソードが負電圧源Enの電位−Vnより定電圧源E1の電圧V1だけ高い電位Vp=V1−Vn、すなわち走査パルス電圧の上限に維持される。一方、ローサイド走査スイッチ素子SC2のアノードが負電圧源Enの電位−Vn、すなわち走査パルス電圧の下限に維持される。
アドレス期間APの開始時、全ての走査電極Y1、Y2、Y3、…(図1参照)について、ハイサイド走査スイッチ素子SC1がオン状態に維持され、ローサイド走査スイッチ素子SC2がオフ状態に維持される。それにより、全ての走査電極Yが一様に走査パルス電圧の上限Vpに維持される。
走査電極駆動部11は続いて、走査電極Y1、Y2、Y3、…の各電位を順次、次のように変化させる(図6参照)。走査電極の一つYが選択されるとき、その走査電極Yに接続されるハイサイド走査スイッチ素子SC1がオフにされ、ローサイド走査スイッチ素子SC2がオンにされる。それにより、その走査電極Yの電位が走査パルス電圧の下限−Vnまで降下する。
その走査電極Yが所定時間、走査パルス電圧の下限−Vnに維持されるとき、その走査電極Yに接続されるローサイド走査スイッチ素子SC2がオフにされ、ハイサイド走査スイッチ素子SC1がオンにされる。それにより、その走査電極Yの電位が走査パルス電圧の上限Vpまで上昇する。
走査電極駆動部11は走査電極Y1、Y2、Y3、…のそれぞれに接続される走査スイッチ素子SC1、SC2の直列接続1Sについて、上記と同様なスイッチング動作を順次行う。こうして、走査パルス電圧SPが走査電極Y1、Y2、Y3、…のそれぞれに対して順次、印加される。
走査電極駆動部11は続いて、走査電極Y1、Y2、Y3、…の各電位を順次、次のように変化させる(図6参照)。走査電極の一つYが選択されるとき、その走査電極Yに接続されるハイサイド走査スイッチ素子SC1がオフにされ、ローサイド走査スイッチ素子SC2がオンにされる。それにより、その走査電極Yの電位が走査パルス電圧の下限−Vnまで降下する。
その走査電極Yが所定時間、走査パルス電圧の下限−Vnに維持されるとき、その走査電極Yに接続されるローサイド走査スイッチ素子SC2がオフにされ、ハイサイド走査スイッチ素子SC1がオンにされる。それにより、その走査電極Yの電位が走査パルス電圧の上限Vpまで上昇する。
走査電極駆動部11は走査電極Y1、Y2、Y3、…のそれぞれに接続される走査スイッチ素子SC1、SC2の直列接続1Sについて、上記と同様なスイッチング動作を順次行う。こうして、走査パルス電圧SPが走査電極Y1、Y2、Y3、…のそれぞれに対して順次、印加される。
制御部30(図1参照)は、一フィールドの映像信号からPDP20の各放電セルの輝度を解読する。更に、解読された輝度に基づき、各サブフィールドごとに点灯させるべき放電セルを選択する。選択された放電セルの情報はアドレス電極駆動部13に伝達される。
アドレス期間AP(図5参照)中、アドレス電極駆動部13は、選択されたアドレス電極Aの電位を所定のタイミングでデータパルス電圧の上限まで上昇させる(図6参照)。
例えば図6に示されるように、走査パルス電圧が走査電極の一つYに印加され、それと同時にデータパルス電圧がアドレス電極の一つAに印加されるとき、その走査電極Yとアドレス電極Aとの間の電圧は他の電極間の電圧より高い。従って、その走査電極Yとアドレス電極Aとの間の交差点に位置する放電セルではガス放電が生じ、放電電流Iが流れる。それにより、その放電セル表面に新たな壁電荷が蓄積される。
アドレス期間AP(図5参照)中、アドレス電極駆動部13は、選択されたアドレス電極Aの電位を所定のタイミングでデータパルス電圧の上限まで上昇させる(図6参照)。
例えば図6に示されるように、走査パルス電圧が走査電極の一つYに印加され、それと同時にデータパルス電圧がアドレス電極の一つAに印加されるとき、その走査電極Yとアドレス電極Aとの間の電圧は他の電極間の電圧より高い。従って、その走査電極Yとアドレス電極Aとの間の交差点に位置する放電セルではガス放電が生じ、放電電流Iが流れる。それにより、その放電セル表面に新たな壁電荷が蓄積される。
放電維持期間SP(図5参照)中、走査電極駆動部11では、分離スイッチ部QS、ローサイド補助スイッチ素子SA2、及びローサイド走査スイッチ素子SC2がオン状態に維持され、ハイサイド補助スイッチ素子SA1とハイサイド走査スイッチ素子SC1とがオフ状態に維持される(図2、6参照)。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、分離スイッチ部QSに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、分離スイッチ部QSに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
放電維持期間SPの開始時、第一と第二との放電維持パルス生成部3Y、3Xでは共に、ローサイド維持スイッチ部Q2Y、Q2Xがオン状態に維持され、ハイサイド維持スイッチ部Q1Y、Q1Xがオフ状態に維持される(図2、3参照)。それにより、走査電極Yと維持電極Xとが共に接地電位に維持される。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、ローサイド維持スイッチ部Q2Y、Q2Xのそれぞれに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、ローサイド維持スイッチ部Q2Y、Q2Xのそれぞれに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
まず、第一の放電維持パルス生成部3Yで第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yがオフにされる。そのとき、第一の電力回収部4Yが走査電極Yの電位を滑らかに上昇させる。
走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsに達するとき、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsにクランプされる。
そのとき、アドレス期間AP中に壁電荷が蓄積された放電セルでは、維持電極Xと走査電極Yとの間の電圧が放電維持パルス電圧より壁電圧だけ高く、特に放電開始電圧を超えるのでガス放電が生じる。すなわち、放電電流Iが流れ、蛍光体が発光し、更に新たな壁電荷が蓄積される。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、ハイサイド維持スイッチ部Q1Y、Q1Xのそれぞれに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsに達するとき、第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が電源部Esの電位+Vsにクランプされる。
そのとき、アドレス期間AP中に壁電荷が蓄積された放電セルでは、維持電極Xと走査電極Yとの間の電圧が放電維持パルス電圧より壁電圧だけ高く、特に放電開始電圧を超えるのでガス放電が生じる。すなわち、放電電流Iが流れ、蛍光体が発光し、更に新たな壁電荷が蓄積される。
ここで、制御部30は特に、放電セルの輝度、及び点灯すべき放電セルの数に基づき、ハイサイド維持スイッチ部Q1Y、Q1Xのそれぞれに含まれるスイッチ素子群Q1〜Q4(図4参照)のうち、オン状態に維持されるべきスイッチ素子を選択する。
走査電極Yが所定時間、電源部Esの電位+Vsに維持されるとき、第一の放電維持パルス生成部3Yでは第一のハイサイド維持スイッチ部Q1Yがオフにされる。そのとき、第一の電力回収部4Yが走査電極Yの電位を滑らかに降下させる。
走査電極Yの電位が接地電位に達するとき、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が接地電位にクランプされる。
走査電極Yの電位が接地電位に達するとき、第一のローサイド維持スイッチ部Q2Yがオンにされる。それにより、走査電極Yの電位が接地電位にクランプされる。
続いて、第二の放電維持パルス生成部3Xで第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオフにされる。そのとき、第二の電力回収部4Xが維持電極Xの電位を滑らかに上昇させる。
維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsに達するとき、第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsにクランプされる。
そのとき、最初の放電維持パルス電圧の印加で壁電荷が蓄積された放電セルではガス放電が生じ、放電電流Iが流れる。それにより、その放電セルでは蛍光体が発光し、更に新たな壁電荷が蓄積される。
維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsに達するとき、第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が電源部Esの電位+Vsにクランプされる。
そのとき、最初の放電維持パルス電圧の印加で壁電荷が蓄積された放電セルではガス放電が生じ、放電電流Iが流れる。それにより、その放電セルでは蛍光体が発光し、更に新たな壁電荷が蓄積される。
維持電極Xが所定時間、電源部Esの電位+Vsに維持されるとき、第二の放電維持パルス生成部3Xでは第二のハイサイド維持スイッチ部Q1Xがオフにされる。そのとき、第二の電力回収部4Xが維持電極Xの電位を滑らかに降下させる。
維持電極Xの電位が接地電位に達するとき、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が接地電位にクランプされる。
維持電極Xの電位が接地電位に達するとき、第二のローサイド維持スイッチ部Q2Xがオンにされる。それにより、維持電極Xの電位が接地電位にクランプされる。
放電維持期間SP(図5参照)では上記の通り、走査電極駆動部11と維持電極駆動部12とが交互に、放電維持パルス電圧をそれぞれ、走査電極Y1、Y2、Y3、…と維持電極X1、X2、X3、…とに対して印加する。そのとき、アドレス期間AP中に壁電荷が蓄積された放電セルではガス放電と壁電荷の蓄積とが反復される。その結果、その放電セルでは放電維持期間SP全体を通し、蛍光体の発光が持続する。
例えば図6に示されるように、放電維持期間の末期で、最後の放電維持パルス電圧が走査電極Yに対して印加されるとき、更に、消去パルス電圧EPが次のように、走査電極Y1、Y2、Y3、…に対して印加されても良い。
走査電極駆動部11では分離スイッチ部QSがオフにされ、ローサイドランプ波形生成部QR2がオンにされる。それにより、ローサイド走査スイッチ素子SC2を通し、走査電極Yの電位が接地電位から負電圧源Enの電位−Vnまで、一定の速度で降下する。それにより、PDP20の全ての放電セルに対して一様に、直前の放電維持パルス電圧とは逆極性の電圧EPが印加される。従って、放電維持期間中、発光が持続していた放電セルで特に、壁電荷が除去される。
ここで、消去パルス電圧EPの降下速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光は微弱に抑えられる。
走査電極駆動部11では分離スイッチ部QSがオフにされ、ローサイドランプ波形生成部QR2がオンにされる。それにより、ローサイド走査スイッチ素子SC2を通し、走査電極Yの電位が接地電位から負電圧源Enの電位−Vnまで、一定の速度で降下する。それにより、PDP20の全ての放電セルに対して一様に、直前の放電維持パルス電圧とは逆極性の電圧EPが印加される。従って、放電維持期間中、発光が持続していた放電セルで特に、壁電荷が除去される。
ここで、消去パルス電圧EPの降下速度が小さいので、放電電流Iが小さく抑えられ、すなわち放電セルの発光は微弱に抑えられる。
サブフィールドSF1〜SF7間では、放電維持期間SPの長さの比、すなわち放電維持パルス電圧のパルス数の比が好ましくは、1:2:22(=4):…:26(=64)に設定される(図5参照)。図5では、放電維持期間SPの長さが短い順にサブフィールドSF1〜SF7が配置されている。その他に、放電維持期間SPの長さが適度にばらつくように、サブフィールドSF1〜SF7の順序が変えられても良い。それにより、例えば動画疑似輪郭が低減できる。
このように、放電維持期間SPの長さはサブフィールドSF1〜SF7ごとに異なる。従って、放電セルを点灯させるべきサブフィールドの組み合わせにより、一フィールド当たりの放電セルの発光時間が27=128段階に調節され得る。
このように、放電維持期間SPの長さはサブフィールドSF1〜SF7ごとに異なる。従って、放電セルを点灯させるべきサブフィールドの組み合わせにより、一フィールド当たりの放電セルの発光時間が27=128段階に調節され得る。
本発明の実施形態1による制御部30は更に、分離スイッチ部QSと維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xとのそれぞれについて、オン状態に維持されるべきスイッチ素子Q1〜Q4を選択する(図4参照)。それにより、放電維持期間SPでの放電電流Iの大きさが調節される。特に、オン状態に維持されるべきスイッチ素子の数が減少するとき、スイッチ部全体のオン抵抗又は飽和電圧が上昇するので、放電電流Iが低減する(図6に示される破線参照)。従って、ガス放電一回当たりの発光強度が低下する。それ故、放電維持期間SPの長さが一定でも、放電セルの輝度が更に低減し得る。
例えば、分離スイッチ部QS、又は維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xがそれぞれ、四つのMOSFETQ1〜Q4の並列接続を含み、そのうち、三つのMOSFETQ1〜Q3のオン抵抗値が残り一つQ4のオン抵抗値の四倍に設定される場合を想定する(図4(b)参照)。その場合、オン状態に維持されるMOSFETQ1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体のオン抵抗が、MOSFETQ1単体のオン抵抗の1、2、3、…、7倍のいずれかに調節され得る。すなわち、ガス放電一回当たりの放電セルの発光強度が七段階に調節され得る。
好ましくは、放電セルの発光強度の調節が、最短の放電維持期間を含むサブフィールドSF1について行われる。それにより、放電セルの輝度の下限が従来の下限より低減するので、PDP20の階調が特に輝度の低域で精細化される。
放電電流量の低減は更に、放電セルの発光強度の低減以上に、例えばスイッチ部等の導通損失を低減させ得る。従って、PDP20の発光効率をも向上させ得る。
例えば、分離スイッチ部QS、又は維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xがそれぞれ、四つのMOSFETQ1〜Q4の並列接続を含み、そのうち、三つのMOSFETQ1〜Q3のオン抵抗値が残り一つQ4のオン抵抗値の四倍に設定される場合を想定する(図4(b)参照)。その場合、オン状態に維持されるMOSFETQ1〜Q4の組み合わせにより、スイッチ部全体のオン抵抗が、MOSFETQ1単体のオン抵抗の1、2、3、…、7倍のいずれかに調節され得る。すなわち、ガス放電一回当たりの放電セルの発光強度が七段階に調節され得る。
好ましくは、放電セルの発光強度の調節が、最短の放電維持期間を含むサブフィールドSF1について行われる。それにより、放電セルの輝度の下限が従来の下限より低減するので、PDP20の階調が特に輝度の低域で精細化される。
放電電流量の低減は更に、放電セルの発光強度の低減以上に、例えばスイッチ部等の導通損失を低減させ得る。従って、PDP20の発光効率をも向上させ得る。
こうして、本発明の実施形態1によるPDP駆動装置では、回路規模が従来の駆動装置と同程度に維持され、かつサブフィールドの構成が従来の構成と共通に維持されたまま、PDPの階調が従来よりも更に精細化される。それ故、本発明の実施形態1によるPDP駆動装置はプラズマディスプレイの更なる高画質化に有利である。
《実施形態2》
本発明の実施形態2によるプラズマディスプレイは、電流検出部14を含む点を除き、上記の実施形態1によるプラズマディスプレイ(図1参照)と全く同様な構成を有する(図7参照)。特に、走査電極駆動部11と維持電極駆動部12との等価回路は実施形態1による等価回路と全く同様である(図2〜4参照)。従って、それら同様な構成要素とそれらの動作との詳細については上記の実施形態1の説明、及び図1〜6を援用する。
本発明の実施形態2によるプラズマディスプレイは、電流検出部14を含む点を除き、上記の実施形態1によるプラズマディスプレイ(図1参照)と全く同様な構成を有する(図7参照)。特に、走査電極駆動部11と維持電極駆動部12との等価回路は実施形態1による等価回路と全く同様である(図2〜4参照)。従って、それら同様な構成要素とそれらの動作との詳細については上記の実施形態1の説明、及び図1〜6を援用する。
電流検出部14は、好ましくはホール素子を用いた磁気センサ14Aにより、PDP20の維持電極X1、X2、X3、・・・に対して実際に供給される電流の総量を検出する。ここで、磁気センサ14Aに代え、特定のシャント抵抗、又は、分離スイッチ部QS、若しくは維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xによる電圧降下量から、実際の放電電流量が検出されても良い。
制御部30は、映像信号から解読された放電セルの輝度に基づいて放電電流量の目標値を設定する。例えば、放電セルでの放電状態の変動や、スイッチ素子ごとのオン抵抗又は飽和電圧のばらつき等により、放電電流量の目標値と実際の検出値との間には差が生じる。制御部30は、放電電流量の目標値を実際の検出値と比較し、その差に応じて目標値を補正する。更に、その補正に応じて、分離スイッチ部QSと維持スイッチ部Q1Y、Q2Y、Q1X、Q2Xとのそれぞれについて、オン状態に維持されるべきスイッチ素子Q1〜Q4を選択し直す(図4参照)。それにより、放電維持期間SPでの放電電流Iの大きさが最適化される。
こうして、本発明の実施形態2による制御部30は、放電セルの輝度調節についてフィードバック制御を行う。従って、回路素子の品質のばらつきや動作状態の変動に関わらず、その調節能力が更に向上し得る。それ故、PDPの更なる高画質化と省電力化とが実現できる。
こうして、本発明の実施形態2による制御部30は、放電セルの輝度調節についてフィードバック制御を行う。従って、回路素子の品質のばらつきや動作状態の変動に関わらず、その調節能力が更に向上し得る。それ故、PDPの更なる高画質化と省電力化とが実現できる。
本発明はPDP駆動装置に関し、上記の通り、放電セルの輝度に応じ、制御対象のスイッチ素子の数を調節する。このように、本発明は産業上利用可能な発明である。
11 走査電極駆動部
1 走査パルス生成部
SC1 ハイサイド走査スイッチ素子
SC2 ローサイド走査スイッチ素子
SA1 ハイサイド補助スイッチ素子
SA2 ローサイド補助スイッチ素子
E1 定電圧源
2 初期化パルス生成部
Ep 正電圧源
QR1 ハイサイドランプ波形生成部
QR2 ローサイドランプ波形生成部
En 負電圧源
QS 分離スイッチ部
3Y 第一の放電維持パルス生成部
Q1Y 第一のハイサイド維持スイッチ部
Q2Y 第一のローサイド維持スイッチ部
4 第一の電力回収部
Es 電源部
20 PDP
X PDP20の維持電極
Y PDP20の走査電極
Cp PDP20のパネル容量
1 走査パルス生成部
SC1 ハイサイド走査スイッチ素子
SC2 ローサイド走査スイッチ素子
SA1 ハイサイド補助スイッチ素子
SA2 ローサイド補助スイッチ素子
E1 定電圧源
2 初期化パルス生成部
Ep 正電圧源
QR1 ハイサイドランプ波形生成部
QR2 ローサイドランプ波形生成部
En 負電圧源
QS 分離スイッチ部
3Y 第一の放電維持パルス生成部
Q1Y 第一のハイサイド維持スイッチ部
Q2Y 第一のローサイド維持スイッチ部
4 第一の電力回収部
Es 電源部
20 PDP
X PDP20の維持電極
Y PDP20の走査電極
Cp PDP20のパネル容量
Claims (11)
- プラズマディスプレイパネル(PDP)の維持電極又は走査電極を、特に放電維持期間中、直流電源又は接地導体に接続する複数のスイッチ素子の並列接続、を含むスイッチ部;及び、
前記スイッチ素子を個別にオンオフさせ、特に放電維持期間ごとに、同時にオンにされるべき前記スイッチ素子の数を変化させる、制御部;
を有するPDP駆動装置。 - 前記スイッチ部を含み、前記スイッチ部のオンオフにより、前記維持電極又は前記走査電極に対して放電維持パルス電圧を印加する放電維持パルス生成部、を有する、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記維持電極又は前記走査電極に対して初期化パルス電圧を印加する初期化パルス生成部、
前記走査電極に対して走査パルス電圧を印加する走査パルス生成部、及び、
前記維持電極又は前記走査電極に対して放電維持パルス電圧を印加する放電維持パルス生成部、
を前記PDP駆動装置が有し;
前記スイッチ部が初期化パルス電圧又は走査パルス電圧の印加時に、前記放電維持パルス生成部を前記初期化パルス生成部又は前記走査パルス生成部から分離する;
請求項1記載のPDP駆動装置。 - 前記スイッチ素子ごとに、前記維持電極又は前記走査電極と前記直流電源又は前記接地導体との間で導通する経路のインピーダンスが異なる、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記複数のスイッチ素子がFETであり、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるオン抵抗を持つ、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記複数のスイッチ素子がバイポーラトランジスタであり、そのうちの少なくとも一つが他とは異なるコレクタ−エミッタ間飽和電圧を持つ、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記複数のスイッチ素子の一部がFETであり、残りがバイポーラトランジスタである、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記制御部が、外部から受信される映像信号により指示される前記PDPの放電セルの輝度に応じ、同時にオンにされるべき前記スイッチ素子の数を調節する、請求項1記載のPDP駆動装置。
- 前記制御部が更に、前記映像信号に従って同時に点灯すべき前記放電セルの数に応じ、同時にオンにされるべき前記スイッチ素子の数を調節する、請求項8記載のPDP駆動装置。
- 前記維持電極又は前記走査電極に対して実際に供給される電流量を検出する電流検出部、を前記PDP駆動装置が更に有し;
前記制御部が更に、前記電流量に応じ、同時にオンにされるべき前記スイッチ素子の数を調節する、請求項8記載のPDP駆動装置。 - 内部に封入されたガスの放電により発光する放電セル、及び、
外部から印加されるパルス電圧を前記放電セルに対して伝達するための維持電極と走査電極、
を有するPDP;
並びに、
前記維持電極又は前記走査電極を、特に放電維持期間中、直流電源又は接地導体に接続する複数のスイッチ素子の並列接続、を含むスイッチ部;及び、
前記スイッチ素子を個別にオンオフさせ、特に放電維持期間ごとに、同時にオンにされるべき前記スイッチ素子の数を変化させる、制御部;
を有するPDP駆動装置;
を具備するプラズマディスプレイ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010016233A1 (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-11 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
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