JP2006349588A - 電気泳動システム - Google Patents

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俊介 西原
Kuniyuki Matsuda
晋幸 松田
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明也 矢田
Shigeki Joko
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Abstract

【課題】
電気泳動、電気泳動パターンの撮影、分離した高分子生体試料の切り出しが、手動による作業の介在なしに実施可能であり、高精度で小型かつ、安価な、電気泳動システムを提供する。
【解決手段】
生体高分子試料を分離するための支持体を付設した電気泳動槽と、電気泳動パターンの画像を撮影する画像撮影手段と、各画像の画像歪を補正する画像歪補正手段と、分離した生体高分子試料の画分を支持体より切り出すための切り出し手段とを有し、電気泳動槽、および画像撮影手段のいずれか、あるいは両方を、X軸およびY軸方向のいずれか、あるいはその双方に駆動することにより、電気泳動パターン画像の撮影を行うとともに、電気泳動により分離した支持体内の生体高分子試料の画分の位置情報の獲得を行い、この位置情報に基づき、切り出し手段による生体高分子試料の画分の切り出しを、連続的に、高精度に実施可能とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体高分子、とりわけ核酸を分析するための電気泳動システムに関するものである。
本発明は、核酸の電気泳動システムに関し、より詳細には、電気泳動システムにより核酸を分子量毎に分離し、その画像を撮影すると共に電気泳動の支持体より核酸の切り出しおよび抽出回収する際のカメラ画像の画像歪を補正する技術に関する。
本発明は、電気泳動システムに係り、特に電気泳動により核酸を分子量毎に分離させた結果に基づき、一貫したシステム内で電気泳動の実施、その結果の画像の撮影さらに電気泳動支持体からの核酸の切り出し・抽出回収までを好適に高精度に実現できるものである。
従来より、生体高分子とりわけ核酸の電気泳動装置による分子量に基づいた分離、解析方法は、簡便かつ安価であると共に分析精度も高いため、核酸分析の装置として広範囲に利用されている。以下、核酸の電気泳動に関して述べる。
電気泳動による核酸の分析は、まず、両端に電圧を導電する電極を緩衝液で接触させる電気泳動槽に核酸試料が移動する支持体を付設することにより構成されている。この電気泳動の支持体としては、アガロースあるいはポリアクリルアミドなどのゲル状物質が使用されている。また装置の形態としては、取り扱いの容易さから支持体を横面に設置する水平方式の電気泳動装置が汎用されている。電気泳動の動作は、支持体の一端に形成した溝に核酸試料を滴下し、支持体の両端に電圧を印加させ、支持体中の核酸試料を電気的に移動させる。この時に支持体の網目構造により核酸試料の移動が制約を受け、分子量が大きい程、移動度が遅くなることにより、核酸の分子量に基づいた分離が可能となる。さらにこのようにして分離した核酸を支持体より核酸画分毎に切り出し、VogelsteinとGillespieの方法(非特許文献1)あるいはMolecular Cloningに記載の方法(非特許文献2)などの適当な方法で核酸を抽出回収することにより、核酸試料からの不純物質の分離除去、ベクターへの組み込み、配列マッピングなどへ利用されている。
なお、この核酸分画を回収する方法としては、電気泳動装置を利用する方法以外にも高速液体クロマトグラフィーに代表されるカラムクロマトグラフィーを利用する方法などがあるが、核酸の分離精度に対する装置の簡便性、融通性、装置価格、維持費用などを勘案した場合、電気泳動装置による方法は極めて高効率であるため、専ら核酸画分の回収には電気泳動による方法が利用されている。
この電気泳動装置の利便性をさらに向上させるため、支持体の小型化、電圧印加により生じるジュール熱を抑制する提案がなされ、電気泳動の短時間化が可能となり、設置場所も制約を受けないため作業効率の向上に貢献している(特許文献1および特許文献2)。
次に電気泳動により分離した核酸の検出方法については、臭化エチジウム等の核酸結合性蛍光試薬を電気泳動前に予め支持体中に混合あるいは電気泳動後、支持体をこれらの溶液中に浸漬し、支持体中に浸潤させ、支持体中の核酸試料とこの蛍光試薬を結合させた後、蛍光試薬を紫外線により励起し、蛍光発色させて、支持体中の分離した核酸試料を可視化させる(この紫外線を照射する装置はトランスイルミネーターと呼ばれている)。
この紫外線照射により可視化した核酸試料の結果は、従来、フィルム式カメラを利用した画像撮影によりデータを取得していたが、近年の電子デバイスの進歩と共に電荷結合素子(CCD)式カメラを採用した電気泳動画像撮影装置が提案され(特許文献3、非特許文献3)、画像をデジタル化することが可能となり、フィルム式に比べ、撮影の簡便性、データの保存性およびコンピュータ等のデジタルデバイスとの親和性が高く、電気泳動の短時間化と共に一連の電気泳動手技の作業効率向上に貢献している。
さらに近年、電気泳動装置と画像撮影装置を一体化させて、電気泳動のリアルタイムモニタリングが提案されており、電気泳動による最適な核酸分離分析及び画像の取得を可能にしている(特許文献4、特許文献5および特許文献6)。
電気泳動により分離した核酸の支持体からの抽出回収については、従来、鋭利な刃物を利用して支持体より目的の核酸画分を切り出し、非特許文献1あるいは2などの適当な方法により核酸を抽出回収していたが、近年、機械的に支持体より核酸分画を切り出す装置および抽出回収装置(特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10)が提案され、従来の手動による方法に比べ、作業効率を大幅に向上している。
特開平10−288597号公報 特開2002−328113号公報 特許第2838117号公報 特開2000−105219号公報 特開2002−357590号公報 特開2003−240756号公報 特許3381484号公報 特開2001−22176号公報 実用新案登録第310144号公報 特開2000−88804号公報 ヴォーゲルステイン(Vogelstein. B.)、ギレスピー(Gillespie. D.),「米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)」,1979年,76巻,p.615−619 サンブルック(Sambrook. J.)、フリッチ(Fritsch. E. F.)、マニアティス(Maniatis. T.)編,モレキュラークローニング(Molecular Cloning)第2版,1989年,p.6.22−6.35,コールドスプリングハーバー研究所出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)刊 サザーランド(Sutherland. J. F.)ら,「アナリティカルバイオケミストリー(Anal. Biochem.)」,1987年,第163巻,p.446−457
しかしながら、前記従来の電気泳動システムとりわけ電気泳動画像撮影では、異なる任意の寸法の支持体が画像撮影装置であるカメラの一定規格のフレーム内に収まるように設計しているため、支持体の寸法が大きい場合と小さい場合とでは、必然的に単位面積当たりの画像の解像度が異なり、さらには、支持体の寸法の変動に従って画像の歪度合いが変動してしまい、そのため支持体寸法を規格化する以外は、電気泳動による支持体の生体高分子試料の一定した画像解像度および高精度な生体高分子分画の画像位置情報を獲得することが困難となり、結果としてさまざまな支持体寸法からの獲得画像に基づいた支持体からの生体高分子試料画分の高精度な切り出しが困難になるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、設置場所を制限せず、かつ、電気泳動の実施から電気泳動による分画画分の抽出回収を一連に実施可能とし、かつ、任意の支持体寸法に依存しない取得画像解像度の最適化、および、任意の支持体寸法に対する任意の生体高分子試料の分子量画分に合わせて画像の歪の補正の最適化を行い、任意の支持体寸法に対しても生体高分子の画分を切り出す際に必要な高精度の位置情報の取得を行うことのできる、小型で安価な電気泳動システムを提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる電気泳動システムは、生体高分子試料を分離解析する電気泳動システムであって、前記生体高分子試料を、支持体を用いて電気泳動させるための電気泳動槽と、前記電気泳動槽に付設した前記支持体の両端に電圧を印加し、前記生体高分子試料を電気泳動させる電圧印加手段と、前記電気泳動支持体に対し光を照射する手段を有し前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段により獲得した画像と、画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像とを用いて画像の補正係数を取得し、該補正係数に基づいて、被写体を前記画像撮影手段により撮影したときの各撮影画像において前記被写体までの距離の差に応じて生ずる湾曲を補正し、該湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す切り出し手段と、を備え、前記電気泳動の実施から、前記電気泳動による前記生体高分子分画画分の抽出回収までを、一連に実施可能である、ことを特徴とするものである。
本発明の請求項2にかかる電気泳動システムは、請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段が、モノクロCCDよりなり、前記切り出し手段は、生体高分子試料の撮影に用いない波長領域の画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像を用いて画像の補正係数を取得し、前記湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す、ことを特徴とするものである。
本発明の請求項3にかかる電気泳動システムは、請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段が、カラーCCDよりなり、前記切り出し手段は、生体高分子試料の撮影に用いない波長領域の画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像を用いて画像の補正係数を取得し、前記湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す、ことを特徴とするものである。
本発明の請求項4にかかる電気泳動システムは、請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、前記画像歪補正用のパターンは、格子状のものである、ことを特徴とするものである。
本発明の請求項5にかかる電気泳動システムは、請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、前記画像歪補正用のパターンは、複数の点から構成される、ことを特徴とするおのである。
本発明の請求項6にかかる電気泳動システムは、請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、前記画像歪補正用のパターンは、紫外線蛍光塗料よりなる、ことを特徴とするものである。
要するに、本発明の電気泳動システムは、生体高分子試料を分離解析する電気泳動システムにあって、電気泳動槽と、前記電気泳動槽に付設した支持体を有し、前記支持の両端に電圧を印加し、電気泳動を実施する手段と、電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段と、画像撮影手段により獲得した画像に基づき電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す切り出し手段とを有し、電気泳動の実施から電気泳動による分画画分の抽出回収を好適に一連実施可能とする、ようにしたものである。
また、本発明は、生体高分子試料を分離解析する電気泳動システムにあって、支持体を設置し、その両端に電圧を印加し、電気泳動を実施する手段と、電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段と、画像撮影手段により獲得した画像に基づき、電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す切り出し手段とを有し、電気泳動の実施から電気泳動による分画画分の抽出回収を一連に実施可能とし、かつ、任意の生体高分子試料の大きさにあわせて取得画像の大きさの最適化を行い、さらには、画像の歪の補正を任意の生体高分子試料の任意の大きさにあわせて最適化し、任意の大きさの生体高分子試料に対しても生体高分子の画分を切り出す際に必要な高精度の位置情報を取得するようにしたものである。
本発明の電気泳動システムによれば、支持体寸法の変動に依存せず最適な画像解像度を獲得し、かつ画像歪の最適化をすることで、支持体での生体高分子分画の高精度な位置情報が獲得可能となるため、高精度な生体高分子試料分画の切り出しが可能となる、小型で安価な電気泳動システムを提供できるものである。
以下に、本発明の電気泳動システムの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
なお、生体高分子の試料を核酸(デオキシリボ核酸)、電気泳動用の支持体にアガロースゲルを使用し、紫外線を光源として核酸を検出する場合について以下、説明する。
(実施の形態1)
図1から図10は、本発明の実施の形態1における電気泳動システムを示すものである。
図1は、本発明の電気泳動システムの概略構成を示した図である。図2は、本発明の電気泳動システム内部の概略構成を示した図である。本発明の実施の形態1の電気泳動システムは、主に、Y軸方向に駆動可能なテーブル機構40、X軸方向に駆動可能なキャリッジ機構60、Z軸方向に駆動可能な切り出し手段62、画像撮影手段61、および紫外線照射部70から構成されている。テーブル機構40は、スライドテーブル挿入部41、および動力伝達部42から構成され、前記動力伝達部42は、歯車51、および歯車52を介して、ステッピングモータなどの駆動量を制御可能な駆動用モータ50に接続されており、前記駆動用モータ50の回転動力を直線運動に変換する。
図3および図4は、本実施の形態1のよる電気泳動システムにおけるテーブル機構およびスライドテーブルの概略を示す。図3に示すテーブル機構40の中心部43は、窓状に開口されているか、または、紫外線透過性アクリル樹脂(例えば、住友化学製スミペックス010など)、あるいは紫外線透過性ガラス(例えば、旭テクノグラス製UV−33S、UV−29など)などの紫外線透過性の高い材料で構成されている。さらに、前記テーブル機構40は、スライドテーブル挿入部41にY軸方向にスライド移動可能なスライドテーブル45を挿入可能であり、図4に示したスライドテーブル45は、前記テーブル機構40と同様に、中心部が窓状に開口しているか、または、前出のような紫外線透過性の高い材料で構成され、テーブル機構40内をY軸方向に移動することができる。また、スライドテーブル45は、電気泳動槽10の設置部45a、切り出し器具ホルダー30の設置部45bを有している。
前記スライドテーブル45に設置可能な電気泳動槽10は、電気泳動用ゲル101を付設するための支持体付設面11を有し、支持体付設面11に設置された電気泳動用ゲル101の両端に、白金線等の電極14を備えており、前記電極に電圧を印加するための受電部12を有し、該受電部12は、電気泳動システム本体に設けられた電力供給部(図示せず)と脱着可能な構造となっている。
図5は、キャリッジ機構60を詳細に示した図であり、図6は、切り出し器具20を示した図である。ゲル切り出し器具20は、切り出し手段62にて把持されZ軸方向に駆動させることで、電気泳動によって分離された核酸試料を、電気泳動用ゲル101と共に切出すことが可能であり、切り出し器具ホルダー30は、複数の前記切り出し器具20を収容可能である。前記テーブル機構40の直上には、画像撮影手段61と前記切り出し器具20を把持可能な切り出し手段62を一体として有したキャリッジ機構60が配置されている。本実施の形態1では、画像撮影手段61にはエリアCCD方式のカメラを採用し、撮影された電気泳動パターン画像をデジタル化することが可能である。切り出し手段62は、電気泳動槽10の支持体付設面11に対して垂直なZ軸方向に動作するように、切り出し器具動作用モータ56と、かつ、前記切り出し器具動作用モータ56に接続された歯車53と連結されるように、ラック部を有した切り出し器具把持ピン67から構成される。切り出し器具把持ピン67は、切り出し器具の上部孔21に接続可能な構成となっている。前記キャリッジ機構60は、X軸方向に直線移動が可能なようにX軸方向に設置された直動シャフト63と、スラスト軸受け部65によって連結され、またキャリッジ用モータ55に接続されたリードスクリュー64と、スクリューナット66によって連結されている。
また、前記テーブル機構40の下部に、紫外線照射部70を設ける。該紫外線照射70は、紫外線光源71を設けるとともに、該紫外線光源71とテーブル機構40との間に、可視光以上の波長の光(例えば400nm以上の波長の光)をカットする第1の光学フィルター91を設置する。また、前記キャリッジ機構60に搭載された画像撮影手段61には、紫外線をカットする(例えば600nm以下の光をカットする)第2の光学フィルター92が設置してある。
また、図7は、本実施の形態1による電気泳動システムにおいて、蛍光位置マーカーによる位置検出、およびこれを用いた位置制御を行う手段を示す図であり、図8は、蛍光マーカーを利用して画像歪補正係数を取得する手段を示す図であり、図9は、本実施の形態1による電気泳動システムの構成ブロック図を示す図である。
図9に示すように、本実施の形態1は、さらに、紫外線照射部70の点灯・消灯、画像撮影手段61の撮影制御、撮影された画像を元にした電気泳動槽10の電圧制御、自動的にまたは手動により指定した箇所のゲルを切り出すための、テーブル機構40の駆動、キャリッジ機構60の駆動、切り出し手段62の駆動、を制御するシステム制御部120を備えている。さらに、システム制御部120においては、前記テーブル機構40、キャリッジ機構60、および前記画像撮影手段61を操作するためのCPU123およびインタフェイス部124と、前記前記テーブル機構40、キャリッジ機構60、および前記画像撮影手段61を操作して分割撮影して得た複数枚のゲル画像を保持する記録装置125と、該分割撮影した複数画像を、図7に示したような、蛍光位置マーカーによる位置検出、および位置制御を行って、かつ、図8に示したような、蛍光マーカーを利用した画像歪補正係数の取得を行って、1枚の画像に合成するための画像合成手段121と、撮影したゲル画像から核酸画分の位置を計測する核酸画分位置計測手段122とを有している。
図10はさらに、本実施の形態1による電気泳動システム100を制御するための外部インタフェイス24及び外部コンピュータ25を含む構成を示す図であり、外部インタフェイス24が図9のインタフェイス124に相当し、外部コンピュータ25が図9のCPU123に相当する。
以上のように構成された本実施の形態1による電気泳動システムについて、以下、その動作および作用を説明する。
まず、電気泳動槽10内に電気泳動用ゲル101を設置する。支持体である電気泳動用ゲル101の一端に設けた注入口に、核酸試料を注入した後、ゲルの両端に設置された1対の電極間に、規定の電圧を印加する。電圧を印加することで、負に帯電している核酸試料は陰極から陽極方向に向かって移動を開始する。ゲル内部は微細な網目状となっているため、ゲル内部を移動する核酸試料は、その分子量の大きさによって移動する速度が異なるため、一定時間の電圧を加えたゲル内部では、分子量に基づいてゲルの注入口とほぼ同じ幅の帯状に分離される。
このとき、紫外線光源71を点灯して核酸試料に紫外線を照射すると、核酸試料に予め混合しておいた臭化エチジウムなどの核酸結合性蛍光試薬が蛍光発色する。この蛍光を画像撮影手段61にて撮影することで、核酸試料が分子量に基づいて帯状に分離している電気泳動パターンの画像を得ることが出来る。このとき、第1の光学フィルター91により、紫外線光源71から発している紫外線より長い波長の不用な光をカットすることで、撮影画質を向上させることができる。また、画像撮影手段61に取り付けられた第2の光学フィルター92により、紫外線光源から発光される紫外線をカットすることで、核酸試料に混合された核酸結合性蛍光試薬の蛍光状態のみをより鮮明に撮影することができる。
本実施の形態1では、詳しくは紫外線照射部70の発光面に400nm以上の波長の光を遮断する第1の光学フィルター91を設け、画像撮影手段においては、撮影面には600nm以下の波長の光を遮断する第2の光学フィルター92を設けている。
また、本実施の形態1においては、電気泳動槽10がテーブル機構40の直上に設置されていることと、泳画像撮影手段61がゲル面上の移動可能なキャリッジ機構に搭載されていることとから、画像撮影手段61であるカメラと、被写体であるゲルとの距離が小さく、それに伴い撮影範囲も小さくなる。そこで、前記画像撮影手段61の撮影範囲を超えるような大面積ゲルの撮影を行う場合は、システム制御部を用いて駆動用モータ50と、キャリッジ用モータ55を駆動させることで、テーブル機構40およびキャリッジ機構をゲル面上の任意の場所に移動させることができ、画像撮影手段61にてゲルを部分的に分割して撮影し、システム制御部120内の記録装置に記録する。システム制御部120の記録装置125内に記録された分割画像は、システム制御部に設けられた画像合成手段121を利用することで、1枚の電気泳動パターン画像を得ることができる。
次に、ゲル切り出し手段62を用いて、電気泳動実施後の分離した核酸を核酸画分毎に切り出す動作について説明する。これまで述べたように、電気泳動から撮影まで実施した核酸試料を更に後続の実験にて使用する際には、ゲルの切り出しによる核酸試料の抽出が必要となる。本発明による電気泳動システムにおいては、まず前記のような方法によって電気泳動パターンを撮影する。
その電気泳動パターン画像を元に、目的とする核酸試料が含まれる核酸画分を自動的に検出するか、または表示部に表示された電気泳動パターンの画像を元に、作業者によって手動で指定する。作業者によって切り出し開始命令が実行されると、キャリッジ機構60がスライドテーブル45上の切り出し器具ホルダー30に収納された、切り出し器具20の直上まで移動し、切り出し手段62を下方向に移動させることで、切り出し器具20を把持する。
次に、電気泳動パターン撮影画像を元に、指定された場所へ切り出し手段62を移動させるため、システム制御部120において、その移動すべき量を、テーブル機構40と、キャリッジ機構60の駆動量に変換し、駆動用モータを回転駆動させる。キャリッジ機構60が指定した位置へ移動したのちは、切り出し器具動作用モータ56を駆動させることにより、切り出し器具把持ピン67をゲル設置方向へ降下させ、把持している切り出し器具20をゲルに押し付け、ゲルの切り出しを行う。
切り出されたゲルが切り出し器具20内部に留まった状態で、キャリッジ機構60は切り出し器具ホルダー30の直上まで移動し、ゲルを内部に留置した状態の切り出し器具20を切り出し手段62から外して、切り出し器具20を切り出し器具ホルダー30へ収納して切り出し作業を終了する。さらに、テーブル機構40はテーブル排出動作に移行し、電気泳動槽10、および切り出し器具ホルダー30を、電気泳動システムの外部へと排出し、作業者は切り出し器具ホルダー30から切り出し器具20を取り出し、ピペットなどで切り出し器具20内部に留置された核酸試料を、ゲルごと取り出す。
本実施の形態1においては、画像撮影手段61と、切り出し手段62とを一体ユニット化したキャリッジ機構60を例示しているが、このように画像撮影手段61と、切り出し手段62をユニット化することで、電気泳動用ゲル101の切り出し過程、および切り出し手段62による切り出し器具20の切り出し器具ホルダー30からの把持、収納を、キャリッジによる影を生じることなく、画像撮影手段61によって詳細に追跡することが可能となる。その後は、背景技術に示したVogelsteinとGillespieの方法あるいはMolecular Cloningに記載の方法などの適当な方法で、核酸試料を抽出回収することが可能となる。
また、本実施の形態1の特徴は、電気泳動槽10の支持体付設面11に、設置可能な支持体ホルダー13を設け、この支持体ホルダー13に画像歪補正用のパターンとして、電気泳動パターン撮影に必要の無い波長に蛍光する紫外線蛍光塗料による蛍光位置マーカー16を塗抹し、画像撮影手段で撮影した該蛍光位置マーカー16の位置情報から、テーブル機構40またはキャリッジ機構60の位置情報を正確に取得するための画像歪補正係数を算出する画像歪補正係数算出手段130、および位置情報算出手段140と、前記位置情報算出手段140で得た位置情報を元に、テーブル機構40およびキャリッジ機構60を駆動する駆動制御手段150を有している点である。
蛍光位置マーカー16は、紫外線を照射すると電気泳動パターンの撮影に必要の無い波長に蛍光する可視光領域の光を蛍光発色する物質(例えば、シンロヒ社製ルミライトカラーなど)であり、支持体ホルダー13表面の一つ以上の所定箇所に、異なる記号または形状となるように蛍光位置マーカー16が塗抹されている。例えば、図7のように個々の蛍光位置マーカー16の塗抹位置を核酸試料の泳動に影響が無いようにマトリックス状に配置し、塗抹する形状または記号を位置に応じて異なる形状または記号とする。
また、塗抹したそれぞれの形状毎の蛍光位置マーカー16の位置情報は、事前に位置情報算出手段140に記録しておき、図8(a)に示すように実際に取得した電気泳動パターンの画像から、図8(b)に示すような蛍光位置マーカー16が含まれる必要な波長の画像情報を取得し、この中に含まれる蛍光位置マーカー16の位置情報と、図8(d)に示す本来の蛍光位置マーカー16の位置情報を、図8(e)に示すように減算処理することで、画像歪補正に必要な補正係数xz1〜xz4、yz1〜yz4を取得し、該補正係数を、実画像から得られた蛍光位置マーカー16の位置情報より減算することで、図8(f)に示す各蛍光位置マーカー16の新たな位置情報、(x1’,y1’)〜(x4’,y4’)に補正することで、画像歪を軽減し、テーブル機構40、およびキャリッジ機構60の正確な位置情報を算出することが可能となる。
なお、画像歪補正用のパターンとして、支持体ホルダー13表面の複数の点に紫外線蛍光塗料よりなる蛍光位置マーカー16を配置したものを示したが、支持体ホルダー13表面に格子状のパターンを形成する紫外線蛍光塗料を塗抹し、該格子状のパターンを画像歪補正用のパターンとして用いるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態1による電気泳動システムにおいては、電気泳動槽10と、電気泳動槽10を搭載可能なY軸方向に直線移動が可能なテーブル機構40と、電気泳動槽10内のゲルの一部を切り出すことが可能な切り出し器具20と、切り出し器具20を把持しゲル面に対して垂直なZ軸方向に切り出し器具20を移動させてゲルの切り出しを行う切り出し手段62と、切り出し手段62と、画像撮影手段61とを備え、ゲル面上X軸方向に平行移動可能なキャリッジ機構60と、テーブル機構40に搭載された電気泳動槽10内のゲルに紫外線を照射可能な紫外線照射部70と、キャリッジ機構60に搭載されたゲルの電機泳動パターンを撮影する画像撮影手段61と、泳動パターンを撮影するために紫外線照射部70の点灯、および画像撮影手段61の撮影制御と、電気泳動槽10の電圧制御、およびテーブル機構40、キャリッジ機構60、切り出し手段61の駆動制御、を行うシステム制御部120とを備えて、撮影した画像の合成を行えるようにし、さらにその際、各核酸画分の蛍光位置マーカー16との位置関係を比較し、画像歪を補正するようにしたので、各核酸画分の正確な位置を把握することができ、試料中の核酸画分の切り出しを高精度に行うことができる効果がある。しかも、かかる電気泳動システムを、小型で安価に得られる効果がある。
本発明にかかる電気泳動システムは、ゲル電気泳動、および電気移動パターンの撮影、電気泳動後の核酸試料の切り出し作業を、自動的に一括して実施可能で、作業者の安全と労力の低減を図り、かつ小型で安価な装置を提供でき、また試料の大きさによらず高精度な核酸画分の切出しを行うことができるものであり、生体高分子の分析で一般的に利用される電気泳動に関連する技術分野において有用である。
本発明の実施の形態1による電気泳動システムの、全体の概観を示した斜視図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムの、内部の概要を示した斜視図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムにおける、スライドテーブルの構成を示した斜視図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムにおける、テーブル機構の構成を示した斜視図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムにおける、切り出し手段および画像撮影手段を示した図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムにおける、切り出し器具を示した斜視図 本発明の実施の形態1における、蛍光マーカーによる位置検出、およびこれを用いて位置制御を行う手段を示した図 本発明の実施の形態1における、蛍光マーカーを利用して画像歪補正係数を取得する手段を示した図 本発明の実施の形態1による電気泳動システムのブロック構成を示す図 本発明の実施の形態1による、外部端末を接続した電気泳動システムの概略図
符号の説明
10 電気泳動槽
11 支持体付設面
12 受電部
13 支持体ホルダー
14 白金線等の電極
16 蛍光位置マーカー
20 切り出し器具
21 切り出し器具の上部孔
24 外部インタフェイス
25 外部コンピュータ
30 切り出し器具ホルダー
40 テーブル機構
41 スライドテーブル挿入部
42 動力伝達部
43 中心部
45 スライドテーブル
45a 電気泳動槽設置部
45b 切り出し器具ホルダー設置部
50 駆動用モータ
55 キャリッジ用モータ
56 切り出し器具動作用モータ
60 キャリッジ機構
61 画像撮影手段
62 切り出し手段
63 直動シャフト
64 リードスクリュー
65 スラスト軸受け部
66 スクリューナット
67 切り出し器具把持ピン
70 紫外線照射部
71 紫外線光源
91 第1の光学フィルター
92 第2の光学フィルター
101 電気泳動用ゲル
120 システム制御部
121 画像合成手段
122 核酸画分位置計測手段
123 CPU
124 インタフェイス部
125 記録装置
130 画像歪補正係数算出手段
140 位置情報算出手段
150 駆動制御手段

Claims (6)

  1. 生体高分子試料を分離解析する電気泳動システムであって、
    前記生体高分子試料を、支持体を用いて電気泳動させるための電気泳動槽と、
    前記電気泳動槽に付設した前記支持体の両端に電圧を印加し、前記生体高分子試料を電気泳動させる電圧印加手段と、
    前記電気泳動支持体に対し光を照射する手段を有し前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段と、
    前記画像撮影手段により獲得した画像と、画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像とを用いて画像の補正係数を取得し、該補正係数に基づいて、被写体を前記画像撮影手段により撮影したときの各撮影画像において前記被写体までの距離の差に応じて生ずる湾曲を補正し、該湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す切り出し手段と、を備え、
    前記電気泳動の実施から、前記電気泳動による前記生体高分子分画画分の抽出回収までを、一連に実施可能である、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
  2. 請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、
    前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段が、モノクロCCDよりなり、
    前記切り出し手段は、生体高分子試料の撮影に用いない波長領域の画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像を用いて画像の補正係数を取得し、前記湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
  3. 請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、
    前記電気泳動の結果を撮影する画像撮影手段が、カラーCCDよりなり、
    前記切り出し手段は、生体高分子試料の撮影に用いない波長領域の画像歪補正用のパターンから成る画像歪補正用画像を用いて画像の補正係数を取得し、前記湾曲を補正した画像に基づき、前記電気泳動支持体における生体高分子画分の位置情報を算出し、該支持体で分離した生体高分子の画分を切り出す、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
  4. 請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、
    前記画像歪補正用のパターンは、格子状のものである、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
  5. 請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、
    前記画像歪補正用のパターンは、複数の点から構成される、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
  6. 請求項1に記載の電気泳動システムにおいて、
    前記画像歪補正用のパターンは、紫外線蛍光塗料よりなる、
    ことを特徴とする電気泳動システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007163186A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気泳動システム
WO2015186673A1 (ja) * 2014-06-04 2015-12-10 シャープ株式会社 媒体切り出し器具、媒体切り出し装置および媒体切り出し方法

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