JP2006348440A - チーズ洗染方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】 ミシン糸2は、チーズボビン1の中空円筒部1aの外周に積層し、且つ互いに交錯して巻きつけられてチーズTが形成される。
ミシン糸2の内方にある一層目のミシン糸2aとその外方に配置される二層目のミシン糸2bとが交錯するミシン糸2の糸巻き綾角度Aを14度から0度の範囲としてミシン糸2がチーズボビン1に巻きつけられる。
前記チーズが染色槽内に配置され、染色槽内を循環流動する染液によりチーズが染色される。
【選択図】 図1
Description
かかるチーズ染色方法によると、例えば撚上りのボビンから染色用のチーズボビンにミシン糸を積層して巻きつけてチーズを形成し、このチーズが染色槽内に立設されたパイプ状のキャリアに複数段重ねて挿入されて染色槽内に配置される。
そしてかかる状態において、高温度(例えば130℃)に昇温された染液を染色槽内に供給して循環流動し、チーズを一定時間(例えば20分から60分間)染色槽内の染液中に浸せきすることによりチーズボビンに巻きつけられたミシン糸を染色する。
図3により、より詳細にチーズTについて説明すると、チーズボビン1はプラスチック、アルミニウム、又はステンレス材料によって形成され、中空円筒部1aを上下方向に備え、中空円筒部1aには内方から外方に向けて複数の貫通孔1b、1bが穿設される。
ミシン糸2は例えばポリエステル、綿、ナイロン、絹等によって形成され、このミシン糸2がチーズボビン1の中空円筒部1aに以下によって積層して巻きつけられる。
図4により説明すると、ミシン糸2はその製造工程において、例えば撚上りのボビン3に巻きつけられて用意され、このミシン糸2が図において左右方向に移動するトラバースガイド4に取着されたスネルガイド5を介して回転自在に配置されたチーズボビン1の外周(チーズボビン1の中空円筒部1aの外周)に積層して巻きつけられ、これによってチーズが形成される。
そして前記ミシン糸2はチーズボビン1の外周に糸巻き綾角度A度をつけて巻きつけられるもので、これはチーズボビン1を一定速度をもって回転させるとともにトラバースガイド4を左右方向に往復移動することにより、チーズボビン1の外周に糸巻き綾角度A度をもってミシン糸2を複数層に渡って積層交錯して巻きつけることができる。
前記においてミシン糸2の糸巻き綾角度A度とは、積層して巻きつけられるミシン糸2において、一層目のミシン糸2a(下方のミシン糸)と、その上に積層されて配置される二層目のミシン糸2b(上方のミシン糸)との交錯する角度を指すものであり、このようにチーズボビン1にミシン糸2を前記糸巻き綾角度A度をもって巻きつけることは、ミシン糸2の糸崩れを防止する為に行なわれる。尚、前記ミシン糸はチーズボビン1の外周に複数層に渡って積層して巻きつけられるので、下方のミシン糸とその上に配置される上方のミシン糸との間は、必ならず糸巻き綾角度A度をもって交錯される。
このようにクロスポイントPに扁平が生ずるのは、染色時において、ミシン糸が染色液の熱により収縮し、その力がクロスポイントPにおいて内側の糸を圧迫して変形することによるものと考えられる。
又、扁平になったミシン糸を修正する必要がなくなったことによりチーズ染色後の作業効率を大きく向上できたものである。
そして、このとき、特にチーズボビンを形成する中空円筒部の両端に外側方に向かってのびる環状鍔部を形成したので、中空円筒部に巻きつけられたミシン糸の糸崩れを完全に抑止できる。
まず、本発明者は、かかるミシン糸が糸巻き綾角度をもって複数積層して巻きつけられたチーズを、用いて染色するチーズ染色方法において、積層される一層目(内方)のミシン糸と一層目の上方に配置される二層目(外方)のミシン糸とが交錯するクロスポイントに扁形が生じることに着目し、更にこの扁形が染色時において、染液の熱の影響を受けてミシン糸が収縮することによって生ずることに着目した。
以上のことから、ミシン糸の収縮時において、クロスポイント部分の収縮による圧縮荷重を下げることを目標に種々のテストを繰り返し実施し、その結果、クロスポイントにおける糸巻き綾角度Aを適正に選択することによって、その扁平及び染め斑を改善できることが判明した。
そして上記テストの為に、糸巻き綾角度Aの異なる試料が3種類用意され、それらによってテストが実施された。
ここで糸巻き綾角度Aとは、図3に示されるチーズボビン1の外周に積層して複数巻きつけられるミシン糸2の一層目のミシン糸2aと二層目のミシン糸2bとの交錯する角度(いいかえると内側のミシン糸とその上に積層されるミシン糸との交錯する角度)であり、この糸巻き綾角度Aは、図4に示されるようにチーズボビン1の回転速度を一定とし、トラバースガイド4の往復送りストロークを変えることによって自在に変更できるものである。
本テストにあっては、ミシン糸としてポリエステルが使用され、ミシン糸224デシテックス(78dtex/1×3)と990デシテックス(330dtex/1×3)が用意され、糸巻き綾角度Aとして30度、14度、0度、が用意され、さらにこのミシン糸はチーズボビンに930g巻きつけられた。そしてこれらのミシン糸が巻きつけられたチーズがチーズ染色機によって130℃で60分染色された。
以上の試料によるテスト結果が以下に記されるもので、判定は目視によって行なわれ、○は良好、△はやや良好、×は不良を示す。
尚、△のやや良好とは、商品としての価値を有する領域であり、×の不良とは商品性が損なわれる状態をいうものである。
ミシン糸 990デシテックス
ミシン糸 244デシテックス
上記テスト結果によるとミシン糸の繊度に拘わらず、糸巻き綾角度が14度以下において、クロスポイントの扁平、染め斑の両方の改善を図ることができたものである。
尚、ミシン糸244デシテックスのものにあってはミシン糸990デシテックスに
比較し、繊度が細かい分より改善の傾向が見受けられた。
上記の如く糸巻き綾角度の14度以下における扁平、染め斑の改善を図ることができたのは、クロスポイントにおける接触面積を増加でき、ミシン糸の収縮によって発生するクロスポイントにおける収縮荷重を接触面積の増加に相当して分散することができたものと思料される。(集中荷重を減少できたこと)
以上の如く、本発明になるチーズ染色方法によると、チーズボビンに積層して、複数巻きつけられるミシン糸の糸巻き綾角度Aを14度から0度の範囲としたことによりミシン糸の扁平を抑止でき、染め斑のない染色されたミシン糸を提供できたものである。又、染め斑不良に伴なうプレセットによる修正を行なう必要がないので生産効率を向上できるとともに製造コストの低減を達成できる。
図1によって説明すると、チーズボビン1は、中空円筒状をなし上下方向にのびる中空円筒部1aとその上下両端からそれぞれ外側方に向かってのびる環状鍔部1c、1dとによって形成される。尚、貫通孔1bは図3と同様に穿設される。
そしてミシン糸2は前記環状鍔部1c、1d間において中空円筒部1aの外周へ糸巻き綾角度Aを略0度として複数層に渡って巻きつけられ、これによってチーズTが形成される。
以上によると、ミシン糸2の糸崩れは環状鍔部1c、1dによって阻止されることになり、ミシン糸2を安定して中空円筒部1aの外周に巻きつけ配置でき、チーズ染色の実施に何等の悪影響を与えることなく、チーズを良好に染色できる。
尚、図1において示される矢印は、ミシン糸に対する染液の液流方向を示すもので、チーズボビン1の中空円筒部1a内を流れる染液が貫通孔1bを介して積層されたミシン糸2の外方へ流出したり、あるいは染色槽内の染液がミシン糸2から貫通孔1bを介して中空円筒部1a内に流入する。
これによると、図1に示される染色の流れに加え、貫通孔1eよりミシン糸2を介して外方及び中空円筒部1aの貫通孔1bに向けて染液が流れるとともに染色槽内の染液及び貫通孔1bの染液がミシン糸2を介して環状鍔部1c、1dの貫通孔1eに流れ込む。
以上によるとミシン糸2に対して上方、下方及び内方、外方の4方向より染液が作用するので、特に糸巻き綾角度Aが略0度に整列状態で巻きつけられるものにおいて良好な染色を得ることができる。
尚、前記貫通孔1c、1dは、中空円筒部1aに巻きつけられたミシン糸2に臨んで開口させるとよい。
尚、図1、図2においてミシン糸2の巻き状態は省略された。
1a 中空円筒部
1b 中空円筒部の貫通孔
1c、1d 環状鍔部
1e 環状鍔部の貫通孔
2 ミシン糸
T チーズ
Claims (3)
- ミシン糸をチーズボビンに積層して巻きつけてチーズを形成し、該チーズを染色液が循環流動する染色槽内に浸せき配置してミシン糸を染色するチーズ染色方法において、
前記チーズボビンに積層し、且つ互いに交錯して巻きつけられるミシン糸2の糸巻き綾角度Aを14度から0度の範囲としたことを特徴とするチーズ染色方法。 - 前記チーズボビンを、その外周に複数の貫通孔1b、1b…が穿設される中空円筒部1aと、中空円筒部1aの両端から外側方に向かってのびる環状鍔部1c、1dとにより形成するとともに前記中空円筒部の外周に巻きつけられるミシン糸2の糸巻き綾角度Aを略0度としたことを特徴とする請求項1記載のチーズ染色方法。
- 前記チーズボビンの環状鍔部1c、1dに、積層して巻きつけられたミシン糸2に臨む複数の貫通孔1e、1eを穿設したことを特徴とする請求項2記載のチーズ染色方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005179156A JP2006348440A (ja) | 2005-06-20 | 2005-06-20 | チーズ洗染方法 |
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Publications (1)
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JP2006348440A true JP2006348440A (ja) | 2006-12-28 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102530652A (zh) * | 2011-12-26 | 2012-07-04 | 广东溢达纺织有限公司 | 可用于双免纱的染纱筒管 |
CN103572534A (zh) * | 2012-07-31 | 2014-02-12 | 广东溢达纺织有限公司 | 一种染纱管及使用其生产超细棉纱的方法 |
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2005
- 2005-06-20 JP JP2005179156A patent/JP2006348440A/ja active Pending
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