JP2006348326A - ガス発生貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解セルを保護した状態で、水素ガスと酸素ガスを生成し、高圧で貯蔵する。
【解決手段】タンク13に純水W1を貯留する。タンク14の純水W1中に電解セル101を設置する。電解セル101の第1の電極部(電極2−1側)にタンク13内の純水W1を通し、第2の電極部(電極2−2側)にタンク13内の純水W1を通す。すると、第1の電極部から酸素ガスが得られ、第2の電極部から水素ガスが得られる。通路L2から排出される純水から酸素ガスを分離し、タンク13の室17に貯蔵する。通路L3から排出される純水から水素ガスを分離し、タンク13の室18に貯蔵する。室17と18の容積比は1:2とする。室17の液面に蓋27を被せる。室18の液面に蓋28を被せる。
【選択図】 図5
【解決手段】タンク13に純水W1を貯留する。タンク14の純水W1中に電解セル101を設置する。電解セル101の第1の電極部(電極2−1側)にタンク13内の純水W1を通し、第2の電極部(電極2−2側)にタンク13内の純水W1を通す。すると、第1の電極部から酸素ガスが得られ、第2の電極部から水素ガスが得られる。通路L2から排出される純水から酸素ガスを分離し、タンク13の室17に貯蔵する。通路L3から排出される純水から水素ガスを分離し、タンク13の室18に貯蔵する。室17と18の容積比は1:2とする。室17の液面に蓋27を被せる。室18の液面に蓋28を被せる。
【選択図】 図5
Description
この発明は、固体高分子電解質膜を用いて水素ガスや酸素ガスなどのガスを生成し貯蔵するガス発生貯蔵装置に関するものである。
従来より、この種のガス発生貯蔵装置として、純水より水素ガスを生成するHHEG(high-compressed hydrogen energy generator )と呼ばれる装置が考えられている(非特許文献1参照)。このHHEGは、水を電気分解して水素を製造する機能と、発生した水素を圧縮する機能の両方を備えており、圧縮機を用いることなく圧縮水素を取り出せるので、装置コストを安くできるという利点に加え、昇圧するために必要な動力費を低減することができるという利点を有している。
なお、上述した非特許文献1には、HHEGにより、100MPa以上の高圧水素を製造することも可能である旨、記載されている。また、このHHEGにより製造された高圧水素を、次世代の燃料電池車へ使用しようすることが示唆されている。
〔電解セル〕
図13にこのHHEGに用いられている電解セルの構造を示す。同図において、1はPEMと呼ばれる厚さが0.1mm程度の固体高分子電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)であり、PEM膜1の両面にはPt(白金)触媒電極2−1,2−2が無電解メッキで形成され、これを多孔質給電体3−1,3−2で挟み込んだ構造とされている。また、多孔質給電体3−1が設けられたPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)にセルケース4−1を設け、多孔質給電体3−2が設けられたPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)にセルケース4−2を設け、セルケース4−1と4−2とでPEM膜1を挟み込み、この挟まれたPEM膜1の周囲の空間部にシール5を充填している。セルケース4−1には多孔質給電体3−1を介してPt触媒電極2−1に通ずる通路L1とL2が設けられ、セルケース4−2には多孔質給電体3−2を介してPt触媒電極2−2に通ずる通路L3が設けられている。
図13にこのHHEGに用いられている電解セルの構造を示す。同図において、1はPEMと呼ばれる厚さが0.1mm程度の固体高分子電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)であり、PEM膜1の両面にはPt(白金)触媒電極2−1,2−2が無電解メッキで形成され、これを多孔質給電体3−1,3−2で挟み込んだ構造とされている。また、多孔質給電体3−1が設けられたPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)にセルケース4−1を設け、多孔質給電体3−2が設けられたPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)にセルケース4−2を設け、セルケース4−1と4−2とでPEM膜1を挟み込み、この挟まれたPEM膜1の周囲の空間部にシール5を充填している。セルケース4−1には多孔質給電体3−1を介してPt触媒電極2−1に通ずる通路L1とL2が設けられ、セルケース4−2には多孔質給電体3−2を介してPt触媒電極2−2に通ずる通路L3が設けられている。
この電解セル100において、Pt触媒電極2−1を陽極とし、Pt触媒電極2−2を陰極とし、このPt触媒電極2−1,2−2間に直流電圧を印加した状態で、通路L1から多孔質給電体3−1を通してPt触媒電極2−1に純水を送ると、Pt触媒電極2−1触媒層で水が電気分解して、酸素(O2 )とプロトン(H+ )と電子が発生する(2H2 O→O2 +4H+ +4e- )。プロトンは、PEM膜1を透過し、Pt触媒電極2−2側に移動する。陽極では、純水が酸化され(電子が引き離され)、酸素が発生する。陰極では、陽子がPEM膜1から引き剥がされ、Pt触媒電極2−2からの電子を得て、水素(H2 )が発生する(4H+ +4e- →2H2 )。これにより、Pt触媒電極2−1で生成された酸素ガス(O2 )を含む純水が通路L2から排出され、Pt触媒電極2−2で生成された水素ガス(H2 )が通路L3から排出される。
〔HHEG〕
図14はこの電解セル100を用いたHHEGの構成図である。同図において、6は第1のタンク(高圧容器)、7は第2のタンク(高圧容器)であり、第1のタンク6内に電解セル100を設け、第2のタンク7に純水を貯留している。また、第1のタンク6と第2のタンク7との間にポンプ8を設け、第2のタンク7に貯留されている純水を第1のタンク6内の電解セル100の通路L1へ送り、電解セル100の通路L2から排出される純水と酸素ガスを第2のタンク7に戻すようにしている。
図14はこの電解セル100を用いたHHEGの構成図である。同図において、6は第1のタンク(高圧容器)、7は第2のタンク(高圧容器)であり、第1のタンク6内に電解セル100を設け、第2のタンク7に純水を貯留している。また、第1のタンク6と第2のタンク7との間にポンプ8を設け、第2のタンク7に貯留されている純水を第1のタンク6内の電解セル100の通路L1へ送り、電解セル100の通路L2から排出される純水と酸素ガスを第2のタンク7に戻すようにしている。
これにより、第1のタンク6には、電解セル100の通路L3から排出される水素ガスとともに、PEM膜1を透過した純水が貯まる。なお、第1のタンク6には、そのタンク6内に貯蔵される水素ガスを必要に応じて放出するためのバルブ11が設けられている。また、第2のタンク7には、そのタンク7内に貯まる酸素ガスを放出するためのバルブ12が設けられている。
第1のタンク6の底部と第2のタンク7の底部とは、差圧解消センサ9を介してつながれている。差圧解消センサ9には、一方の圧力導入路9−1に、第1のタンク6内の純水を介してタンク6内の水素ガスの圧力Phが与えられ、他方の圧力導入路9−2に、第2のタンク7内の純水を介してタンク7内の酸素ガスの圧力Poが与えられる。差圧解消センサ9は、この水素ガスの圧力Phと酸素ガスの圧力Poとの差に応じた信号(差圧信号)を開閉制御部10へ送る。開閉制御部10は、差圧解消センサ9から送られてくる差圧信号を零とするように、バルブ12の開閉を制御し、第2のタンク7内の酸素ガスの圧力を調整する。
これにより、電解セル100のシール部5に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)に加わる圧力とが等しくなり、PEM膜1やシール部5に加わる圧力差がなくなる。したがって、タンク6内に貯蔵される水素ガスが高圧となっても、電解セル100が圧力破損する虞れがなくなる。このようにして、非特許文献1に示されたHHEGでは、電解セル100を保護した状態で、水素ガスが生成され、タンク6内に高圧で貯蔵されて行く。
NIKKEI ELECTRONICS 2004.10.11、129〜135頁、「高圧水素を水の電気分解だけで製造」、原田宙幸、戸嶋健介。
しかしながら、上述した非特許文献1に示されたガス発生貯蔵装置(HHEG)によると、第2のタンク7内に貯まる酸素ガスを捨てて圧力の調整を行うようにしており、酸素ガスを積極的に貯蔵する構成とはなっていない。また、圧力を調整するために差圧解消センサ9などを必要とし、高コストとなる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、差圧解消センサなどを設けることなく、また生成された酸素ガスを捨てることなく、電解セルを保護した状態で、水素ガスや酸素ガスなどのガスを生成し、高圧で貯蔵することが可能なガス発生貯蔵装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜を挾んで設けられた第1の電極部および第2の電極部とを有し、第1の電極部と第2の電極部との間に直流電圧を印加した状態で第1の電極部に通される液体から第1のガスと第2のガスを生成し、生成した第1のガスを第1の電極部から、生成した第2のガスを第2の電極部から排出する電解セルと、液体が貯留されたタンクと、電解セルの第1の電極部にタンクに貯留された液体を通す手段と、電解セルの第2の電極部にタンクに貯留された液体を通す手段と、電解セルの第1の電極部に通された液体に含まれる第1のガスを分離する第1の気液分離手段と、電解セルの第2の電極部に通された液体に含まれる第2のガスを分離する第2の気液分離手段とを設け、タンクは、第1の気液分離手段によって分離された第1のガスが貯蔵される第1の室と、第2の気液分離手段によって分離された第2のガスが貯蔵される第2の室とを有するものとし、タンクの第1の室と第2の室を、そのタンクに貯留された液体の液面をその室の内壁面の一部とし、その室に貯蔵されるガスが他の室のガスと混ざらないように分離された空間とし、タンクに貯留された液体中に電解セルを設置するようにしたものである。
例えば、本発明では、タンクに純水を貯留し、タンクに貯留された純水中に電解セルを設置する。そして、電解セルの第1の電極部と第2の電極部との間に直流電圧を印加した状態で、第1の電極部にタンクに貯留された純水を通し、第2の電極部にタンクに貯留された純水を通す。すると、電解セルでの電気分解により、第1の電極部から酸素ガスが得られ、第2の電極部から水素ガスが得られる。第1の電極部から得られる酸素ガスは、第1の電極部に通された純水とともに排出され、純水と酸素ガスとに分離され、分離された酸素ガスがタンクの第1の室に貯蔵される。第2の電極部から得られる水素ガスは、第2の電極部に通された純水とともに排出され、純水と水素ガスとに分離され、分離された水素ガスがタンクの第2の室に貯蔵される。
純水を電気分解すると、1モルの酸素ガスに対し、2モルの水素ガスが生成される(2H2 O→2H2 +O2 )。したがって、この発明において、タンクの第1の室に酸素ガスが1モル貯蔵されると、タンクの第2の室には2モルの水素ガスが貯蔵されることになる。ここで、タンクの第1の室と第2の室との容積比をほゞ1:2とすると、第1の室に酸素ガスが1モル貯蔵される毎に、第2の室には水素ガスが2モルずつ貯蔵されるので、第1の室に貯蔵される酸素ガスの圧力(P1o)と第2の室に貯蔵される水素ガスの圧力(P1h)とがほゞ等しくなり、タンク内の純水に作用するガス圧(タンク内のガス圧)P1はP1≒P1o≒P1hとなる。これにより、第1の室の液面と第2の室の液面とをほゞ同じ高さに保ちつつ、第1の室に酸素ガスが貯蔵されて行き、第2の室に水素ガスが貯蔵されて行く。また、電解セルのシール部に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第1の電極部側に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第2の電極部側に加わる圧力ととがほゞ等しくなり、圧力差がなくなる。
なお、本発明では、1つのタンクに貯留された純水中へ電解セルを設置することによって、電解セルのシール部に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第1の電極部側に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第2の電極部側に加わる圧力とは必然的に同じとなる。すなわち、この発明において、タンクに貯留された純水中への電解セルの設置は、電解セルのシール部に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第1の電極部側に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第2の電極部側に加わる圧力とを同じとするために、意図的に行われるものである。この意図からすれば、タンクの第1の室と第2の室との容積比は、必ずしも1:2にしなくてもよい。しかし、容積比を1:2にしないと、ガスを貯蔵するに連れ、第1の室の液面の高さと第2の室の液面の高さとがずれ、第1の室と第2の室とを仕切る仕切板の下端よりも液面が低下してしまうなどの虞れが生じる。
本発明では、第1の室や第2の室にガスが貯蔵されて行くが、ガス圧が高圧となると、そのガスがタンク内の液体中に溶け込んで行く虞れがある。この場合、生成したガスが無駄となるし、水素ガスが液体中に溶け込むと、水素脆性による金属の腐食などの問題も生じる。そこで、本発明では、第1の室の液面にこの液面とともに上下動する第1の蓋を被せ、第2の室の液面にこの液面とともに上下動する第2の蓋を被せる。例えば、第1の室の液面に、この液面の全面を覆うように第1の蓋を浮かばせ、第2の室の液面に、この液面の全面を覆うように第2の蓋を浮かばせる。これにより、第1の蓋を介して第1の室の液面が押し下げられ、第2の蓋を介して第2の室の液面が押し下げられ、第1の室に貯蔵されるガスが第1の室の液面と直接接触しなくなり、また第2の室に貯蔵されるガスが第2の室の液面と直接接触しなくなり、貯留された液体中へのガスの溶け込みが防止される。
なお、第1の室の液面に第1の蓋を被せたり、第2の室の液面に第2の蓋を被せる代わりに、第1の室にこの室の内壁面を覆う第1の膜を設けたり、第2の室にこの室の内壁面を覆う第2の膜を設けたりしてもよい。第1の膜や第2の膜は、例えばポリエチレンの膜とし、第1の膜で囲まれた内部空間に第1の室へのガス(酸素ガス)を貯蔵し、第2の膜で囲まれた内部空間に第2の室へのガス(水素ガス)を貯蔵する。これにより、第1の室に貯蔵されるガスが第1の室の内壁面(液面を含む)と直接接触しなくなり、また第2の室に貯蔵されるガスが第2の室の内壁面(液面を含む)と直接接触しなくなり、貯留された液体中へのガスの溶け込みが防止される。
また、本発明においては、第1の電極部と第2の電極部との間に直流電圧を印加するが、この直流電圧は半波整流したものであってもよいし、全波整流したものであってもよい。
また、本発明においては、第1の電極部と第2の電極部との間に直流電圧を印加するが、この直流電圧は半波整流したものであってもよいし、全波整流したものであってもよい。
本発明によれば、電解セルをタンクに貯留された液体中に設置し、この電解セルの第1の電極部にタンクに貯留された液体を通し、第2の電極部にタンクに貯留された液体を通し、第1の電極部から第1のガス(例えば、酸素ガス)を、第2の電極部から第2のガス(例えば、水素ガス)を得るようにし、第1の電極部に通された液体に含まれる第1のガスを分離してタンクの第1の室に貯蔵するようにし、第2の電極部に通された液体に含まれる第2のガスを分離してタンクの第2の室に貯蔵するようにしたので、差圧解消センサなどを設けることなく、また生成された第1のガスを捨てることなく、電解セルのシール部に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第1の電極部側に加わる圧力と、固体高分子電解質膜の第2の電極部側に加わる圧力とを意図的に等しくし、電解セルを保護した状態で、酸素ガスや水素ガスなどのガスを生成し、高圧で貯蔵することが可能となる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明の一実施の形態を示すガス発生貯蔵装置の構成図である。
同図において、タンク(高圧容器)であり、タンク13には純水W1が貯留され、タンク13の純水W1中には電解セル101が設置されている。また、タンク13の純水W1の液面とこのタンク13の内壁面とで囲まれた空間15は、仕切板16によって第1の室17と第2の室18とに分けられている。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明の一実施の形態を示すガス発生貯蔵装置の構成図である。
同図において、タンク(高圧容器)であり、タンク13には純水W1が貯留され、タンク13の純水W1中には電解セル101が設置されている。また、タンク13の純水W1の液面とこのタンク13の内壁面とで囲まれた空間15は、仕切板16によって第1の室17と第2の室18とに分けられている。
図2に図1におけるタンク13をA方向から見た図を示す。この図からも分かるように、タンク13内を径方向に2つに分割する仕切板16が設けられており、この仕切板16の下端面よりも純水W1の液面を上方に位置させることによって、純水W1の液面をその室の内壁面の一部とし、その室に貯蔵されるガスが他の室のガスと混ざらないように分離された第1の室17と第2の室18とがタンク13内に形成されている。本実施の形態において、第1の室17と第2の室18とは、仕切板16の位置によって、その容積比が1:2とされている。
図3はタンク13の純水W1中に設置された電解セル101の構造を示す図である。この電解セル101は、図13に示した従来の電解セル100とその基本構造は同じであるが、Pt触媒電極2−2への純水の供給路として通路L4をセルケース4−2に設けている点が異なる。なお、図3には、図1における電解セル101の配置に合わせ、図13に示した電解セル100とはその構造を左右反対として示している。
また、この構造において、PEM膜1を挟んで向かい合う第1の電極部における純水の通路(この例では、多孔質給電体3−1)と第2の電極部における純水の通路(この例では、多孔質給電体3−2)は、その向かい合う面の形状および位置が同一とされている。すなわち、多孔質給電体3−1の長さLG1と多孔質給電体3−2の長さLG2とを同一とし、この同一長さの多孔質給電体3−1と3−2とを正対させている。なお、この例において、多孔質給電体3−1,3−2は直方体とされているが、必ずしも直方体でなくてもよい。
電解セル101の通路L1には、ポンプPM1につながれたパイプPL1を介してタンク13内の純水W1を送るようにしている。また、電解セル101の通路L4には、ポンプPM2につながれたパイプPL2を介してタンク13内の純水W1を送るようにしている。なお、ポンプPM1,PM2のポンプ圧は、電解セル101内を通過する純水の流れができればよく、最小限のポンプ圧とすることが望まれる。このポンプ圧を高くすると、Pt触媒電極2−1への純水W1の圧力とPt触媒電極2−2への純水W1の圧力との均衡が崩れ、PEM膜1に圧力差が生じる虞れがある。
電解セル101の通路L2に対しては、パイプPL3を介して気液分離器20を設けており、通路L2から排出される純水に含まれる酸素を気液分離器20で分離し、分離した酸素ガスをパイプPL5を介して第1の室17へ送る一方、酸素ガスが分離された純水をタンク13内の純水W1に戻すようにしている。
また、電解セル101の通路L3に対しては、パイプPL4を介して気液分離器21を設けており、通路L3から排出される純水に含まれる水素ガスを気液分離器21で分離し、分離した水素ガスをパイプPL6を介して第2の室18へ送る一方、酸素ガスが分離された純水をタンク13内の純水W1に戻すようにしている。
このガス発生貯蔵装置200では、次のようにして酸素ガスと水素ガスが生成され、生成された酸素ガスがタンク13の第1の室17に、生成された水素ガスがタンク13の第2の室18に貯蔵されて行く。
なお、図示してはいないが、本実施の形態では、タンク13内の純水W1、タンク13の第1の室17に貯蔵される酸素ガス、タンク13の第2の室18に貯蔵される水素ガスの温度をほゞ同じ温度にするような工夫がされている。
〔ガスの生成〕
Pt触媒電極2−1を陽極とし、Pt触媒電極2−2を陰極とし、このPt触媒電極2−1,2−2間に直流電圧を印加する。そして、ポンプPM1,PM2を駆動し、タンク13内の純水W1を通路L1から多孔質給電体3−1を通してPt触媒電極2−1に送り、タンク13内の純水W1を通路L4から多孔質給電体3−2を通してPt触媒電極2−2に送る。
Pt触媒電極2−1を陽極とし、Pt触媒電極2−2を陰極とし、このPt触媒電極2−1,2−2間に直流電圧を印加する。そして、ポンプPM1,PM2を駆動し、タンク13内の純水W1を通路L1から多孔質給電体3−1を通してPt触媒電極2−1に送り、タンク13内の純水W1を通路L4から多孔質給電体3−2を通してPt触媒電極2−2に送る。
電解セル101内では、Pt触媒電極2−1を陽極とし、Pt触媒電極2−2を陰極とし、このPt触媒電極2−1,2−2間に直流電圧を印加した状態で、通路L1から多孔質給電体3−1を通してPt触媒電極2−1に純水を送ると、Pt触媒電極2−1の触媒層で水が電気分解して、酸素(O2 )とプロトン(H+ )と電子が発生する(2H2 O→O2 +4H+ +4e- )。プロトンは、PEM膜1を透過し、Pt触媒電極2−2側に移動する。陽極では、純水が酸化され(電子が引き離され)、酸素が発生する。陰極では、陽子がPEM膜1から引き剥がされ、Pt触媒電極2−2からの電子を得て、水素(H2 )が発生する(4H+ +4e- →2H2 )。これにより、Pt触媒電極2−1で生成された酸素ガス(O2 )を含む純水が通路L2から排出され、Pt触媒電極2−2で生成された水素ガス(H2 )を含む純水が通路L3から排出される。
〔ガスの貯蔵〕
通路L2から排出された酸素ガスを含む純水はパイプPL3を介して気液分離器20へ送られる。気液分離器20は、送られてくる純水から酸素ガスを分離し、分離した酸素ガスをパイプPL5を介して第1の室17へ送る。また、酸素ガスが分離された純水をタンク13内の純水W1に戻す。
通路L2から排出された酸素ガスを含む純水はパイプPL3を介して気液分離器20へ送られる。気液分離器20は、送られてくる純水から酸素ガスを分離し、分離した酸素ガスをパイプPL5を介して第1の室17へ送る。また、酸素ガスが分離された純水をタンク13内の純水W1に戻す。
通路L3から排出された水素ガスを含む純水はパイプPL4を介して気液分離器21へ送られる。気液分離器21は、その純水から水素ガスを分離し、分離した水素ガスをパイプPL6を介して第2の室18へ送る。また、水素ガスが分離された純水をパイプPL7を介してタンク13内の純水W1に戻す。
純水を電気分解すると、1モルの酸素ガスに対し、2モルの水素ガスが生成される(2H2 O→2H2 +O2 )。すなわち、本実施の形態において、タンク13の第1の室17に酸素ガスが1モル貯蔵されると、タンク13の第2の室18には2モルの水素ガスが貯蔵されることになる。
ここで、タンク13の第1の室17と第2の室18との容積比は1:2とされており、容積比が「1」とされた第1の室17に酸素ガスが1モル貯蔵される毎に、容積比が「2」とされた第2の室18に水素ガスが2モルずつ貯蔵されるので、第1の室17に貯蔵される酸素ガスの圧力P1oと第2の室18に貯蔵される水素ガスの圧力P1hとが等しくなり、タンク13内の純水W1に作用するガス圧(タンク内のガス圧)P1はP1=P1o=P1hとなる。
これにより、第1の室17における純水W1の液面と第2の室18における純水W1の液面とを同じ高さに保ちつつ、第1の室17に酸素ガスが貯蔵されて行き、第2の室18に水素ガスが貯蔵されて行く。また、タンク13の純水W1中に設置された電解セル101のシール部5に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)に加わる圧力とが等しくなり、圧力差がなくなる。したがって、タンク13内のガス圧P1が高圧となっても、電解セル101が圧力破損する虞れがない。このようにして、本実施の形態では、差圧解消センサなどを設けることなく、また生成された酸素ガスを捨てることなく、電解セル101を保護した状態で、水素ガスと酸素ガスを生成し、高圧で貯蔵して行くことができるようになる。
なお、この構成において、電解セル101のシール部5に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)に加わる圧力とは必然的に同じとなる。すなわち、この構成において、タンク13に貯留された純水W1中への電解セル101の設置は、電解セル101のシール部5に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−1側(第1の電極部側)に加わる圧力と、PEM膜1のPt触媒電極2−2側(第2の電極部側)に加わる圧力とを同じとするために、意図的に行われているものである。
この意図からすれば、タンク13の第1の室17と第2の室18との容積比は、必ずしも1:2にしなくてもよい。しかし、容積比を1:2にしないと、ガスを貯蔵するに連れ、第1の室17におけるガス圧P1oと第2の室18におけるガス圧P1hとの差により、第1の室17の液面の高さと第2の室18の液面の高さとがずれ、第1の室17と第2の室18とを仕切る仕切板16の下端よりも液面が低下してしまうなどの虞れが生じる。
また、この構成において、多孔質給電体3−1の長さLG1と多孔質給電体3−2の長さLG2とは同一とされ、この同一長さの多孔質給電体3−1と3−2とが正対している。すなわち、第1の電極部における純水W1の通路と第2の電極部における純水W1の通路は、PEM膜1を挟んで向かい合う面の形状および位置が同一とされている。したがって、第1の電極部における純水W1の通路に面するPEM膜1の膜面と第2の電極部における純水W1の通路に面するPEM膜1の膜面の全てにおいて、その膜面間の圧力差が零となり、PEM膜1の膜面間にアンバランスな圧力が加わることがない。
なお、多孔質給電体3−1は、その内部にポンプPM1からの純水W1が行き渡るので、通路L1,L2の位置に拘わらず、第1の電極部における純水W1の通路となる。多孔質給電体3−2も同様に、その内部にポンプPM2からの純水W1が行き渡るので、通路L3,L4の位置に拘わらず、第2の電極部における純水W1の通路となる。
〔貯蔵した酸素ガス、水素ガスの取り出し〕
タンク13や14に貯蔵した酸素や水素を燃料などとして使用する場合、このタンク13や14に貯蔵された酸素や水素を取り出すが、この場合には注意を必要とする。すなわち、第1の室17内のガス圧P1oと第2の室18内のガス圧P1hとを同じ値にして取り出すために、水素ガスと酸素ガスとのモル比を2:1の比率を保った状態で取り出さなければならない。この条件下で、第1の室17内のガス圧P1oと第2の室18内のガス圧P1hとが同じ値となる。
タンク13や14に貯蔵した酸素や水素を燃料などとして使用する場合、このタンク13や14に貯蔵された酸素や水素を取り出すが、この場合には注意を必要とする。すなわち、第1の室17内のガス圧P1oと第2の室18内のガス圧P1hとを同じ値にして取り出すために、水素ガスと酸素ガスとのモル比を2:1の比率を保った状態で取り出さなければならない。この条件下で、第1の室17内のガス圧P1oと第2の室18内のガス圧P1hとが同じ値となる。
このような取り出し方をするために、図4に示すガス発生貯蔵装置201では、タンク13の第1の室17に貯蔵された酸素ガスを気体圧力調整弁25を介して取り出すようにし、タンク13の第2の室18に貯蔵された水素ガスを気体圧力調整弁26を介して取り出すようにしている。このガス発生貯蔵装置201では、例えば水素ガスと酸素ガスを燃料電池に供給するような場合、タンク13の第1の室17内のガス圧P1oと第2の室18内のガス圧P1hとが同じになるように、気体圧力調整弁25,26の弁開度を制御する。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、第1の室17に酸素ガスが、第2の室18に水素ガスが貯蔵されて行くが、ガス圧が高圧となると、そのガスがタンク内の純水中に溶け込んで行く虞れがある。この場合、生成した酸素ガスや水素ガスが無駄となるし、水素ガスが純水中に溶け込むと、水素脆性による金属の腐食などの問題も生じる。
実施の形態1では、第1の室17に酸素ガスが、第2の室18に水素ガスが貯蔵されて行くが、ガス圧が高圧となると、そのガスがタンク内の純水中に溶け込んで行く虞れがある。この場合、生成した酸素ガスや水素ガスが無駄となるし、水素ガスが純水中に溶け込むと、水素脆性による金属の腐食などの問題も生じる。
そこで、実施の形態2では、図5に示すように、第1の室17の液面にこの液面とともに上下動する第1の蓋27を被せ、第2の室18の液面にこの液面とともに上下動する第2の蓋28を被せている。すなわち、第1の室17の液面に、この液面の全面を覆うように第1の蓋27を浮かばせ、第2の室18の液面に、この液面の全面を覆うように第2の蓋28を浮かばせている。
これにより、第1の蓋27を介して第1の室17の液面が押し下げられ、第2の蓋28を介して第2の室18の液面が押し下げられ、第1の室17内の酸素ガスが第1の室17の液面と直接接触しなくなり、第2の室18内の水素ガスが第2の室18の液面と直接接触しなくなり、貯留された純水W1中への酸素ガスや水素ガスの溶け込みが防止される。なお、第1の蓋27および第2の蓋28は、高圧の酸素ガスや水素ガスを通さなければよく、金属製に限らず、樹脂製としてもよい。
なお、蓋27,28を設けた場合、蓋27が第1の室17の内壁面の一部をなし、蓋28が第2の室18の内壁面の一部をなすが、本発明では、タンクに貯留された液体の液面の定義として、この液体の液面に浮かばせた蓋も含むものとする。
〔実施の形態3〕
実施の形態2では、第1の室17の液面に第1の蓋27を被せたり、第2の室18の液面に第2の蓋28を被せたりしたが、図6に示すように、第1の室17にその室の内壁面を覆う第1の膜29を設けたり、第2の室18にその室の内壁面を覆う第2の膜30を設けたりしてもよい。この実施の形態3では、膜29,30をポリエチレンの膜とし、第1の膜29で囲まれた内部空間に第1の室17への酸素ガスを貯蔵するようにし、第2の膜30で囲まれた内部空間に第2の室18への水素ガスを貯蔵するようにしている。
実施の形態2では、第1の室17の液面に第1の蓋27を被せたり、第2の室18の液面に第2の蓋28を被せたりしたが、図6に示すように、第1の室17にその室の内壁面を覆う第1の膜29を設けたり、第2の室18にその室の内壁面を覆う第2の膜30を設けたりしてもよい。この実施の形態3では、膜29,30をポリエチレンの膜とし、第1の膜29で囲まれた内部空間に第1の室17への酸素ガスを貯蔵するようにし、第2の膜30で囲まれた内部空間に第2の室18への水素ガスを貯蔵するようにしている。
これにより、第1の17室に貯蔵される酸素ガスが第1の室17の内壁面(液面を含む)と直接接触しなくなり、また第2の室18に貯蔵される水素ガスが第2の室18の内壁面(液面を含む)と直接接触しなくなり、タンク13に貯留された純水W1中への酸素ガスや水素ガスの溶け込みが防止される。なお、第1の膜29や第2の膜30は、高圧の酸素ガスや水素ガスを通さず、かつ伸縮性があればよく、ポリエチレンに限らす、ゴムなどの膜としてもよい。
〔実施の形態4〕
実施の形態1〜3では、タンク13に貯留された純水W1中にPEM膜1の膜面を重力方向とほゞ平行にして電解セル101を置いたが、図7に示すように、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ垂直にして電解セル101をタンク13に貯留された純水W1中に置くようにしてもよい。以下、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ平行にして電解セル101を置いたタイプを縦置きタイプ、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ垂直にして電解セル101を置いたタイプを横置きタイプと呼ぶ、
実施の形態1〜3では、タンク13に貯留された純水W1中にPEM膜1の膜面を重力方向とほゞ平行にして電解セル101を置いたが、図7に示すように、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ垂直にして電解セル101をタンク13に貯留された純水W1中に置くようにしてもよい。以下、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ平行にして電解セル101を置いたタイプを縦置きタイプ、PEM膜1の膜面を重力方向とほゞ垂直にして電解セル101を置いたタイプを横置きタイプと呼ぶ、
縦置きタイプでは、電解セル101のPEM膜1の膜面に高さの差が生じるので、PEM膜1の膜面の上下に圧力差が生じる。この圧力差は、電解セル101の大きさが小さい場合には、あまり問題とはならない。しかし、電解セル101が大きくなると、PEM膜1の膜面の上下の圧力差によって、PEM膜1が破損してしまう虞れがある。
これに対し、横置きタイプでは、PEM膜1の膜面に高さの差が生じないので、縦置きタイプのような上下の圧力差(左右の圧力差)がPEM膜1の膜面に生じることはない。したがって、電解セル101が大きくなっても、PEM膜1が破損してしまう虞れがなく、より大きな電解セル101を使用することが可能となる。
〔実施の形態5〕
また、上述した実施の形態1〜4では、タンク13に貯留された純水W1中に電解セル101を1つだけ設置するものとしたが、複数の電解セル101を設置するようにしてもよい。例えば、実施の形態1〜3において、図8(a)に示すように、電解セル101−1〜101−nを縦方向(水深方向)に積み重ね、これら電解セル101−1〜101−nから水素ガスと酸素ガスとを得るようにしてもよい。また、実施の形態4において、図9(a)に示すように、電解セル101−1〜101−nを横方向に連ね、これら電解セル101−1〜101−nから水素ガスと酸素ガスとを得るようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1〜4では、タンク13に貯留された純水W1中に電解セル101を1つだけ設置するものとしたが、複数の電解セル101を設置するようにしてもよい。例えば、実施の形態1〜3において、図8(a)に示すように、電解セル101−1〜101−nを縦方向(水深方向)に積み重ね、これら電解セル101−1〜101−nから水素ガスと酸素ガスとを得るようにしてもよい。また、実施の形態4において、図9(a)に示すように、電解セル101−1〜101−nを横方向に連ね、これら電解セル101−1〜101−nから水素ガスと酸素ガスとを得るようにしてもよい。
この場合、電解セル101−1〜101−n毎に、独立して純水の供給および酸素ガス,水素ガスの取り出しを行うようにしてもよいが、縦置きタイプの場合、図8(b)に示すように、隣接する電解セル101の通路L1とL2、通路L3とL4とを継ぎ、最下段の電解セル101−1の通路L1から純水を供給することにより最上段の電解セル101−nの通路L2から酸素ガスを取り出すようにし、最下段の電解セル101−1の通路L4から純水を供給することにより最上段の電解セル101−nの通路L3から水素ガスを取り出すようにしてもよい。
同様に、横置きタイプの場合、図9(b)に示すように、隣接する電解セル101の通路L1とL2、通路L3とL4とを継ぎ、最左端の電解101−1の通路L1から純水を供給することにより最右端の電解セル101−nの通路L2から酸素ガスを取り出すようにし、最左端の電解セル101−1の通路L4から純水を供給することにより最右端の電解セル101−nの通路L3から水素ガスを取り出すようにしてもよい。この場合、電解セル101−1〜101−nのPEM膜1の膜面には高さの差が生じないので、全ての電解セル101においてそのPEM膜1の膜面の左右の圧力差が生じず、電解セル101−1〜101−nのPEM膜1を一体化することも可能である。
また、図10(a)に示すように円筒状の電解セルとしたり、図10(b)に示すように半円柱状の電解セルとしたり、図10(c)に示すように半円柱状の電解セルを積み重ねたりするなどとしてもよい。なお、図10において、太線はPEM膜を示している。
また、上述した実施の形態1〜5では、電解セル101を用いて純水から水素ガスと酸素ガスを生成するようにしたが、同様の原理で他の液体から他のガスを生成できるような場合にも適用することが可能である。すなわち、本発明において、液体は純水に限られるものではなく、生成するガスも水素ガスや酸素ガスに限られるものではない。この場合、生成するガスのモル比に合わせて、タンク13の第1の室17と第2の室18との容積比を1:nとする。また、取り出した水素ガスや酸素ガスは、燃料電池用としての使用に限られるものではなく、生成した酸素を医療用として使用するようにしてもよい。
〔ガス発生貯蔵装置の応用例〕
本発明に係るガス発生貯蔵装置の応用として新エネルギー(風量発電や太陽光発電)とのハイブリット化を考えることができる。
本発明に係るガス発生貯蔵装置の応用として新エネルギー(風量発電や太陽光発電)とのハイブリット化を考えることができる。
〔応用例1:パラレル的なハイブリット化〕
風力発電は、風量に依存するので、定常的な発電は望めない。そこで、図11に示すように、風力発電機303によって余剰に発電した電気(余剰発電量)を本発明に係るガス発生貯蔵装置200に与え、酸素ガスと水素ガスとして高圧で貯蔵する。ガス発生貯蔵装置200の後段には燃料電池400を接続し、風力発電量が少なくなった時に、加算器500により燃料電池による発電を風力発電による発電に加算することで、風力発電の安定化を図る。
風力発電は、風量に依存するので、定常的な発電は望めない。そこで、図11に示すように、風力発電機303によって余剰に発電した電気(余剰発電量)を本発明に係るガス発生貯蔵装置200に与え、酸素ガスと水素ガスとして高圧で貯蔵する。ガス発生貯蔵装置200の後段には燃料電池400を接続し、風力発電量が少なくなった時に、加算器500により燃料電池による発電を風力発電による発電に加算することで、風力発電の安定化を図る。
〔応用例2:シリアル的なハイブリット化〕
風力発電は、風量に依存するので、定常的な発電は望めない。そこで、図12に示すように、風力発電機300によって発電した電気を本発明に係るガス発生貯蔵装置200に与え、酸素ガスと水素ガスとして高圧で貯蔵する。ガス発生貯蔵装置200の後段には燃料電池400を接続し、必要に応じてガス発生貯蔵装置200から燃料電池500へ水素と酸素を供給し、発電を行う。
風力発電は、風量に依存するので、定常的な発電は望めない。そこで、図12に示すように、風力発電機300によって発電した電気を本発明に係るガス発生貯蔵装置200に与え、酸素ガスと水素ガスとして高圧で貯蔵する。ガス発生貯蔵装置200の後段には燃料電池400を接続し、必要に応じてガス発生貯蔵装置200から燃料電池500へ水素と酸素を供給し、発電を行う。
この構成では、風量発電がメインではなく、燃料電池500による発電が主となる。風力発電から見ると、パラレル的なハイブリッド化ではなく、シリアル的なハイブリット化となる。なお、燃料電池500において生じる排熱は、給湯などに使用することができる。また、ガス発生貯蔵装置200における酸素ガスと水素ガスとの貯蔵には、風力発電機300からの電力に加え、夜間電力を利用するようにしてもよい。
1…PEM膜(固体高分子電解質膜)、2−1,2−2…Pt触媒電極、3−1,3−2…多孔質給電体、4−1,4−2…セルケース、5…シール、L1〜L4…通路、13…タンク、16…仕切板、17…第1の室、18…第2の室、PL1〜PL6…パイプ、20,21…気液分離器、25,26…気体圧力調整弁、27…第1の蓋、28…第2の蓋、29…第1の膜、30…第2の膜、101(101−1〜101−n)…電解セル、200〜204…ガス発生貯蔵装置。
Claims (6)
- 固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜を挾んで設けられた第1の電極部および第2の電極部とを有し、前記第1の電極部と前記第2の電極部との間に直流電圧を印加した状態で前記第1の電極部に通される液体から第1のガスと第2のガスを生成し、生成した第1のガスを前記第1の電極部から、生成した第2のガスを前記第2の電極部から排出する電解セルと、
前記液体が貯留されたタンクと、
前記電解セルの第1の電極部に前記タンクに貯留された液体を通す手段と、
前記電解セルの第2の電極部に前記タンクに貯留された液体を通す手段と、
前記電解セルの第1の電極部に通された液体に含まれる前記第1のガスを分離する第1の気液分離手段と、
前記電解セルの第2の電極部に通された液体に含まれる前記第2のガスを分離する第2の気液分離手段とを備え、
前記タンクは、
前記第1の気液分離手段によって分離された第1のガスが貯蔵される第1の室と、
前記第2の気液分離手段によって分離された第2のガスが貯蔵される第2の室とを有し、
前記タンクの第1の室と第2の室は、そのタンクに貯留された液体の液面をその室の内壁面の一部とし、その室に貯蔵されるガスが他の室のガスと混ざらないように分離された空間とされ、
前記電解セルは、前記タンクに貯留された液体中に設置されている
こと特徴とするガス発生貯蔵蔵置。 - 請求項1に記載されたガス発生貯蔵蔵置において、
前記タンクの第1の室と第2の室とはその容積比がほゞ1:nとされている
ことを特徴とするガス発生貯蔵蔵置。 - 固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜を挾んで設けられた第1の電極部および第2の電極部とを有し、前記第1の電極部と前記第2の電極部との間に直流電圧を印加した状態で前記第1の電極部に通される純水から酸素ガスと水素ガスを生成し、生成した酸素ガスを前記第1の電極部から、生成した水素ガスを前記第2の電極部から排出する電解セルと、
前記純水が貯留されたタンクと、
前記電解セルの第1の電極部に前記タンクに貯留された純水を通す手段と、
前記電解セルの第2の電極部に前記タンクに貯留された純水を通す手段と、
前記電解セルの第1の電極部に通された純水に含まれる前記酸素ガスを分離する第1の気液分離手段と、
前記電解セルの第2の電極部に通された純水に含まれる前記水素ガスを分離する第2の気液分離手段とを備え、
前記タンクは、
前記第1の気液分離手段によって分離された酸素ガスが貯蔵される第1の室と、
前記第2の気液分離手段によって分離された水素ガスが貯蔵される第2の室とを有し、
前記タンクの第1の室と第2の室は、そのタンクに貯留された純水の液面をその室の内壁面の一部とし、その室に貯蔵されるガスが他の室のガスと混ざらないように分離された空間とされ、
前記電解セルは、前記タンクに貯留された純水中に設置されている
ことを特徴とするガス発生貯蔵蔵置。 - 請求項3に記載されたガス発生貯蔵蔵置において、
前記タンクの第1の室と第2の室とはその容積比がほゞ1:2とされている
ことを特徴とするガス発生貯蔵蔵置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載されたガス発生貯蔵装置において、
前記第1の室の液面にこの液面とともに上下動する第1の蓋が被せられ、
前記第2の室の液面にこの液面とともに上下動する第2の蓋が被せられている
ことを特徴とするガス発生貯蔵蔵置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載されたガス発生貯蔵装置において、
前記第1の室にこの室の内壁面を覆う第1の膜が設けられ、
前記第2の室にこの室の内壁面を覆う第2の膜が設けられ、
前記第1の膜で囲まれた内部空間に前記第1の室へのガスが貯蔵され、
前記第2の膜で囲まれた内部空間に前記第2の室へのガスが貯蔵される
ことを特徴とするガス発生貯蔵蔵置。
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Cited By (1)
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CN108385126A (zh) * | 2018-05-24 | 2018-08-10 | 张维国 | 一种半开敞膜式电解槽 |
-
2005
- 2005-06-14 JP JP2005173432A patent/JP2006348326A/ja active Pending
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