JP2006347654A - 記録媒体残量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、記録媒体載置台上のシート状記録媒体の残枚数を高精度に検出する記録媒体残量検出装置に関する。
【解決手段】画像形成装置1は、給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上の記録媒体Pの透過光量を検出する載置記録媒体検出部220と1枚の記録媒体Pの透過光量を検出する搬送記録媒体検出部221の双方に記録媒体Pが存在しないタイミングで、その出力値が所定の基準値から外れている受光部220b、221bの出力値を、当該基準値に補正して、双方の受光部220b、221bの出力値を基準値に一致させる。したがって、双方の発光部220a、221aと受光部220b、221bの配置条件や仕様の相違等による受光部220b、221bの出力値の変化を安価に補正して、記録媒体Pの残枚数を安価にかつ高精度に検出することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録媒体残量検出装置に関し、詳細には、載置台上のシート状記録媒体の残枚数を安価かつ高精度に検出する記録媒体残量検出装置に関する。
電子写真方式、インク噴射方式等の各種記録方式の複写装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複合装置等の画像形成装置においては、給紙部から1枚ずつシート状の用紙、フィルム等のシート状記録媒体を画像形成部に搬送し、画像形成部で、当該搬送されてきたシート状記録媒体に順次画像を形成している。
そして、従来の画像形成装置においては、用紙搬送路上を通過する用紙の透過光量を検出する第1透過光量検出手段と用紙トレイ内に重ねて載置されている用紙の透過光量を検出する第2透過光量検出手段の検出透過光量値から用紙トレイ内の用紙残量を判定している(特許文献1参照)。
この場合、例えば、第1透過光量検出手段及び第2透過光量検出手段として、用紙の厚さ方向に検出対象の用紙を挟んで発光手段と受光手段を配置し、第1透過光量検出手段の受光手段の出力する検出値としての検出電圧または検出電流と第2透過光量検出手段の受光手段の出力する検出値としての検出電圧または検出電流を単純に比較演算することで、用紙トレイ内の残用紙枚数を判定している。
特開2003−159859号公報
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、安価かつ高精度に残留する記録媒体の枚数を検出する上で、改良の必要があった。
すなわち、上記従来技術にあっては、第1透過光量検出手段の受光手段の出力する検出値と第2透過光量検出手段の受光手段の出力する検出値を単純に比較演算することで、用紙トレイ内の記録媒体である用紙の残枚数を判定しているため、例えば、第1透過光検出手段の受光手段と第2透過光量検出手段の発光手段の仕様が同じであっても、第1透過光検出手段と第2透過光量検出手段においてそれぞれの発光手段と受光手段で記録媒体の厚さ方向で挟む距離と角度等の配置条件が異なると、精度良く記録媒体の残量検知を行うことができなかった。また、この場合、精度を向上させるために、各々専用の発光手段と受光手段を用いると、コストが割高になり経済的でないという問題がある。
そこで、本発明は、載置台上の記録媒体の残枚数を安価にかつ高精度に検出する記録媒体残量検出装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明の記録媒体残量検出装置は、載置台上に載置されるシート状の記録媒体に厚さ方向に発光素子から光を照射して当該記録媒体を透過した光の受光量に対応する出力値を受光素子から出力する載置記録媒体検出手段と1枚の前記記録媒体に厚さ方向に発光素子から光を照射して当該記録媒体を透過した光の受光量に対応する出力値を受光素子から出力する搬送記録媒体検出手段の双方の受光素子の出力値を比較して前記載置台上の前記記録媒体の残枚数を検出する記録媒体残量検出装置であって、前記記録媒体が存在しない状態での前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段のうちその出力値が所定の基準値から外れている受光素子の出力値を当該基準値に補正して双方の出力値を当該基準値に一致させる補正手段を備えていることにより、上記目的を達成している。
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記補正手段は、前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段の受光素子の出力値のうち大きい方の出力値を前記基準値として、小さい方の出力値を当該基準値に増幅する増幅手段であってもよい。
また、例えば、請求項3に記載するように、前記補正手段は、前記増幅手段の増幅率を調整する増幅率調整手段を備えていてもよい。
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記補正手段は、前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段の受光素子の出力値をデジタル変換した後に、その出力値が前記基準値から外れている受光素子の出力値を当該基準値に演算処理して双方の出力値を当該基準値に一致させる演算処理手段であってもよい。
本発明の記録媒体残量検出装置によれば、載置台上の記録媒体の透過光量を検出する載置記録媒体検出手段と1枚の記録媒体の透過光量を検出する搬送記録媒体検出手段の双方の受光素子の出力値を比較して載置台上の記録媒体の残枚数を検出するに際して、当該双方の手段に記録媒体が存在しないタイミングで、その出力値が所定の基準値から外れている受光素子の出力値を、当該基準値に補正して、双方の受光素子の出力値を当該基準値に一致さているので、発光素子と受光素子の記録媒体の厚さ方向で挟む距離、角度等の配置条件の相違及び発光素子や受光素子の仕様の相違等による受光素子の出力値の変化を安価に補正することができ、記録媒体の残枚数を安価にかつ高精度に検出することができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1〜図7は、本発明の記録媒体残量検出装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の記録媒体残量検出装置の一実施例を適用した画像形成装置1の正面概略構成図である。
図1において、画像形成装置1は、中央部に画像形成部100が配置されており、画像形成部100の下方に、給紙部200が配置され、画像形成部100の上部に読取部300が配設され、さらに、読取部300の上部にADF(Auto Document Feeder)310が配置されている。
給紙部200は、複数、図1では、4つの給紙トレイ201a〜201dが上下方向に配置されており、各給紙トレイ201a〜201dには、図2に示すように、それぞれ複数枚のシート状の記録媒体Pが収納されるとともに、記録媒体Pをその送り出し方向先端側を上方に傾斜させて載置する底板(載置台)202a〜202dが収納されている。給紙部200は、各給紙トレイ201a〜201dに設けられている送り出しローラ203a〜203d、分離ローラ204a〜204dが設けられているとともに、各給紙トレイ201a〜201dから送り出された記録媒体Pを画像形成部100に搬送する複数の搬送ローラ205等を備えており、給紙部200には、必要に応じて、増設給紙部210や手差し給紙部211が設置される。
給紙部200は、選択された給紙トレイ201a〜201dから送り出しローラ203a〜203dによって最上段の記録媒体Pを送り出して、送り出しローラ203a〜203dによって送り出された記録媒体Pを分離ローラ204a〜204で1枚ずつ分離して搬送ローラ205に送り出す。搬送ローラ205は、給紙トレイ201a〜201dから1枚ずつ分離されて送り出された記録媒体Pを画像形成部100に搬送する。
読取部300は、原稿台301上にセットされた原稿を主走査及び副走査して当該原稿の画像を読み取って読み取る。また、ADF310は、セットされた複数枚の原稿を読取部300の読取位置に1枚ずつ順次搬送し、読取部300は、ADF310によって読取位置に搬送されてくる原稿の画像を順次読み取る。
画像形成部100は、転写ベルト機構部110、転写ベルト機構部110に沿って配設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の作像部111、光書込部112、2次転写部113、定着部114、反転部115、レジストローラ116等を備えており、これらの他に、図示しないが、モータ及びモータにより駆動される各部に駆動源を伝達する駆動機構部等を備えている。
画像形成部100は、読取部300の読み取った原稿の画像データまたは図示しないネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ等のホスト装置から受信した画像データやファクシミリ受信した画像データ等の各色の画像データに基づいて光書込部112が変調したレーザ光を各色の作像部111の感光体に照射して、当該感光体に各色用の静電潜像を形成する。画像形成部100は、各色の作像部111の感光体上の静電潜像を当該作像部111の現像部で各色のトナーを付着させることで現像して各色のトナー画像を形成し、当該各色のトナー画像を転写機構部110の時計方向に回転駆動される転写ベルト117に順次重ねて転写して、転写ベルト117上にカラーのトナー画像を形成する。画像形成部100は、転写ベルト117上のトナー画像を2次転写部113で給紙部200から搬送されてきた記録媒体Pに転写する。すなわち、給紙部200からの記録媒体Pは、図2に示すように、レジストローラ116に搬送され、レジストローラ116で転写ベルト117上のトナー画像とのタイミング調整が行われて、2次転写部113と転写ベルト117との間に送られる。
画像形成部100は、転写ベルト117上のトナー画像を2次転写部113で記録媒体Pに転写し、トナー画像の転写された記録媒体Pを定着部114に搬送して定着部114で加熱・加圧しつつ搬送して記録媒体上のトナー画像を記録媒体Pに定着させる。画像形成部100は、トナー画像の定着の完了した記録媒体Pを装置外の排紙トレイ118上に排出し、また、必要に応じて、トナー画像の定着の完了した記録媒体Pを反転部115で反転させて再度レジストローラ116を介して2次転写部113と転写ベルト117の間に搬送して裏面にトナー画像を転写させる。画像形成部100は、この裏面にトナー画像の転写の完了した記録媒体Pを、上記同様に、定着部114でトナー画像を定着させた後、排紙トレイI118上に排出する。
そして、本実施例の画像形成装置1は、給紙トレイ201a部分について図3に示すように、各給紙トレイ201a〜201d内に収納されている記録媒体Pを検出する載置記録媒体検出部(載置記録媒体検出手段)220と、各給紙トレイ201a〜201dから搬送路上に送り出された記録媒体Pを検出する搬送記録媒体検出部(搬送記録媒体検出手段)221が配設されている。
載置記録媒体検出部220は、各給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202dに取り付けられて載置される記録媒体Pの厚さ方向に検出光を投射する発光部220aと、発光部220aからの検出光を受光して光電変換して検出信号(出力値)を出力する受光部220bと、を備えている。すなわち、載置記録媒体検出部220は、各給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上に載置されている記録媒体Pの厚さ方向の透過光を受光部220bで検出して、検出信号を出力する。この載置記録媒体検出部220は、図4に示すように、受光部220bが、記録媒体Pの載置される底板202a〜202dに配置され、発光部220aが、底板202a〜202d上に載置される記録媒体Pの上方に、受光部220bから所定距離C1だけ離れて配置され、発光部220aから受光部220bに向かう検出光と検出対象である記録媒体Pの表面とのなす角度(媒体角度)E1が所定の媒体角度となっている。すなわち、記録媒体Pの厚さ方向と検出光の方向とが媒体角度E1だけ傾斜している。なお、図4において、距離D1は、受光部220bと記録媒体Pの表面との距離である。そして、この載置記録媒体検出部220は、給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上に載置されている記録媒体Pの厚さ方向の透過光を記録媒体Pに対して所定の媒体角度E1だけ傾斜した状態で検出して、検出信号を出力する。
搬送記録媒体検出部221は、各給紙トレイ201a〜201dから送り出された記録媒体Pの搬送路を挟んで当該搬送される記録媒体Pの厚さ方向に相対向する状態で配置された発光部221aと受光部221bを備え、発光部221aが、搬送される記録媒体Pの厚さ方向に検出光を投射して、受光部221bが当該発光部221aから投射され記録媒体Pを透過した検出光を受光して光電変換して検出信号を出力する。すなわち、搬送記録媒体検出部221は、図5に示すように、発光部221aと受光部221bとが、各給紙トレイ201a〜201dから送り出された記録媒体Pの搬送路を挟んで、所定距離C2だけ離れて配設されており、この発光部221aから受光部221bへの検出光に対して記録媒体Pが略90°(直角)となった状態で搬送される。すなわち、記録媒体Pの厚さ方向と検出光の方向とが一致している。なお、図5において、距離D2は、受光部221bと記録媒体Pの表面との距離である。そして、この搬送記録媒体検出部221は、各給紙トレイ201a〜201dから送り出される記録媒体Pの厚さ方向の透過光を記録媒体Pに対して直角の媒体角度E2で検出して、検出信号を出力する。
そして、上記載置記録媒体検出部220及び搬送記録媒体検出部221は、それぞれ発光部220aと発光部221a及び受光部220bと受光部221bの仕様が同じものが用いられており、発光部220a及び発光部221aとしては、例えば、小型化を考慮すると、LED(Light Emitting Diode)素子、半導体レーザ等が用いることができるが、白熱灯や蛍光灯等のその他の発光体であってもよい。また、受光部220b及び221bとしては、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード等を用いることができるが、受光した光を何らかの値に変換して検出できる検出素子であればどのようなものであってもよい。また、載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221は、その配置位置の相違等によって、上記図4及び図5に示したように、その発光部220aと受光部220b及び発光部221aと受光部221bの配置条件(距離C1、C2、記録媒体Pと検出光との媒体角度E1、E2、受光部220b、221bと記録媒体Pとの距離D1、D2等)は、異なっていてもよいし、同じであってもよい。
そして、画像形成装置1は、図6に示すように、図示しない内部制御回路に、増幅回路部(補正手段)10が設けられており、この増幅回路部10は、出力の小さい方の受光部220b、221b、本実施例では、載置記録媒体検出部220の受光部220bに接続された増幅回路(増幅手段)11及び増幅回路11の増幅率を制御する増幅率制御部(増幅率調整手段)12等を備えている。増幅回路11としては、種々のものを用いることができ、例えば、受光部220bの出力が電圧であるときには、オペアンプを利用した非反転増幅回路等を用いることができる。そして、上記載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221及び増幅回路部11は、全体として記録媒体残量検出装置230として機能する。
増幅回路部10は、載置記録媒体検出部220の受光部220bと搬送記録媒体検出部221の受光部221bのうち、出力値の小さい方の受光部220b、221bの出力値を、大きい方の出力値を基準値として、当該基準値である大きい方の出力値に一致させるように、増幅回路11で増幅(補正)することで、発光部220aと受光部220b及び発光部221aと受光部221bの双方の間に記録媒体Pが存在しない(介在しない)状態で、異なる配置条件での受光部220bと受光部221bの出力値を一致させ、また、出力の小さい方の受光部220b、221bの出力を増幅することで、そのダイナミックレンジを広くし、記録媒体Pの残枚数の検出精度を向上させる。また、増幅率制御部12は、増幅回路11の増幅率を調整し、記録媒体Pの介在しない状態での受光部220bと受光部221bの出力を簡単かつより一層適切に一致させることができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、各給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上に載置されている記録媒体Pの残枚数を、載置記録媒体検出部220の検出結果と搬送記録媒体検出部221の検出結果に基づいて安価にかつ高精度に検出する。
すなわち、画像形成装置1は、給紙部200の複数の給紙トレイ201a〜201dのうち選択された給紙トレイ201a〜201dから記録媒体Pを1枚ずつ画像形成部100に搬送し、読取部300で読み取った原稿の画像データまたは外部から受信した画像データに基づいて、画像形成部100でトナー画像を作成して給紙部200から搬送されてきた記録媒体Pに転写して、当該記録媒体P上のトナー画像を定着部114で定着させて排紙トレイ118上に排出することで、画像形成する。
そして、上記画像形成動作においては、各給紙トレイ201a〜201dの記録媒体Pの残枚数が何枚であるかが重要である。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、各給紙トレイ201a〜201dに載置記録媒体検出部220を設けるとともに、各給紙トレイ201a〜201dから画像形成部100への記録媒体Pの搬送路上に搬送記録媒体検出部221を設け、載置記録媒体検出部220の記録媒体Pの透過光の検出結果と搬送記録媒体検出部221の検出結果に基づいて、給紙トレイ201a〜201d内の記録媒体Pの残枚数を算出する。
すなわち、搬送路上を1枚のシート状の記録媒体Pが搬送される際に、搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bで、当該記録媒体Pの透過光量を検出し、当該記録媒体Pの収納されている給紙トレイ201a〜201dに配設されている載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bで、当該給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上に複数枚載置されている記録媒体Pを通過した透過光量を検出して、当該搬送記録媒体検出部221の検出した透過光量と載置記録媒体検出部220の検出した透過光量から当該給紙トレイ201a〜201d内の記録媒体Pの残枚数を算出する。
そして、いま、載置記録媒体検出部220の発光部220a及び搬送記録媒体検出部221の発光部221aと搬送記録媒体検出部221の受光部220b及び搬送記録媒体検出部221の受光部221bの仕様が同じであって、載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bの配置条件と搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bの配置条件、すなわち、発光部220aと受光部220b及び発光部221aと受光部221bの距離、記録媒体Pと受光部220aや受光部221aとの距離、検出光の光軸に対する記録媒体Pの傾斜角度等の配置条件が異なると、載置記録媒体検出部220の受光部220bの出力と搬送記録媒体検出部221の受光部221bの出力が異なる結果となり、例えば、載置記録媒体検出部220の受光部220bの出力が小さいと、出力のダイナミックレンジが狭くなり、検出精度が低下することとなる。
そこで、発光部220aと受光部220bとの間及び発光部221aと受光部221bとの間に記録媒体Pが存在しないときの受光部220bと受光部221bの出力が一致するようにすると、1枚の記録媒体Pを検出光が透過したときの出力(以下、検出光が記録媒体Pを透過したときの受光部220b、受光部221bの出力を透過出力という。)が一致するようになるため、受光部220bと受光部221bの出力が、発光部220aと発光部221aの配置条件が同じ場合と同様の比率となり、かつ、記録媒体P1枚の出力(透過出力)と比較したときの受光部220bの透過出力のダイナミックレンジを有効に利用することができ、より精度良く記録媒体Pの残量検知を行うことができる。
また、同一の出力を得るために載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bの配置条件と搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bの配置条件を同一にすると、画像形成装置1の大きさが大きくなったり、画像形成装置1のレイアウト上、発光部220a、221aと受光部220b、221bを搭載することができない等の不都合が発生することがあり、同一の配置条件とすることが困難な場合が多い。その結果、載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bの配置条件と搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bの配置条件が異なったものとなる。
いま、例えば、図4及び図5に示したように、載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bとの距離C1>搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bとの距離C2、記録媒体Pと受光部220bとの距離D1>記録媒体Pと受光部221bとの距離D2、載置記録媒体検出部220の光軸と記録媒体Pとのなす媒体角度E1が所定の傾斜角度で、搬送記録媒体検出部221の光軸と記録媒体Pとのなす媒体角度E2が直角である場合、具体的には、距離C1=30mm>距離C2=14mm、距離D1=8.5mm>距離D2=2mm、媒体角度E1=55°、媒体角度E2=90°である場合、ここで、発光部220aから発光された光と発光部221aから発光された光が同等であると、光量は距離C1、C2、角度E1、E2、距離D1、D2等によって変化するので、上記例の場合、これらの配置条件により受光部220bの受光光量が受光部221bの受光量よりも小さくなる。その結果、受光部220bの出力をそのまま用いると、ダイナミックレンジが狭くなり、給紙トレイ201a〜201d内の記録媒体Pの残量検知の検出精度が低下することとなる。
そして、発光部220a、221aとして、発光ダイオードを用い、受光部220b、221bとしてフォトトランジスタを用いた場合、発光ダイオードに流れる電流と、フォトトランジスタから出力される電圧の関係は、図7のように示され、図7は、図4における載置記録媒体検出部220の発光ダイオード電流とフォトトランジスタ出力の関係を出力Fとし、図5における搬送記録媒体検出部221の発光ダイオード電流とフォトトランジスタ出力の関係を出力Gとしている。図7から分かるように、発光ダイオードは流れる電流が多くなると発光量が増し、発光ダイオードの電流が多くなって発光量が増えることで、フォトトランジスタが受光する光量が大きくなって、出力する電圧が大きくなる。したがって、フォトトランジスタ出力を大きくするために、発光ダイオードの光量を大きくすることが考えられる。
ところが、発光ダイオードには絶対最大定格があるため、流すことのできる電流が限られており、発光ダイオードの発光量増加によるフォトトランジスタ出力の増加には限界がある。すなわち、図7において、フォトトランジスタ出力I1を得るには、出力GではH1、出力FではH2の発光ダイオード電流が必要となるが、H2が発光ダイオードの絶対最大定格を超えている場合には、フォトトランジスタ出力I1を得ることができない。
ところが、出力Fが出力Gと一致するように、出力Fのフォトトランジスタ出力を出力Gのレベルに増幅(補正)すると、発光ダイオード電流H1でフォトトランジスタ出力I1を得ることができる。
そこで、画像形成装置1は、図示しない内部制御回路に、図6に示したように、増幅回路部10が設けられており、この増幅回路部10で、出力の小さい方の受光部220b、221b、本実施例では、載置記録媒体検出部220の受光部220bの出力を、大きい方の受光部220b、221bの出力値に一致させるように増幅(補正)する。
すなわち、増幅回路部10は、上述のように、載置記録媒体検出部220の受光部220bと搬送記録媒体検出部221の受光部221bのうち、出力の小さい方の受光部220b、221bの出力値を、大きい方の受光部220b、221bの出力値に一致させるように、増幅回路11で増幅(補正)することで、配置条件が異なっていても、記録媒体Pが介在しない状態での受光部220bと受光部221bの出力を一致させ、また、出力の小さい方の受光部220b、221bの出力を増幅することで、そのダイナミックレンジを広くし、記録媒体Pの残枚数の検出精度を向上させる。また、増幅回路部10は、増幅率制御部12で増幅回路11の増幅率を変えることができ、異なる配置条件での受光部220bと受光部221bの出力を簡単かつより一層適切に同等にし、検出精度をより一層向上させることができる。
なお、増幅回路部10は、増幅率制御部12を接続せずに、増幅回路11が一定倍率で増幅するようにしてもよい。
いま、載置記録媒体検出部220の受光部220bの出力電圧が、0.8V、搬送記録媒体検出部221の受光部221bの出力電圧が、4.0Vの場合、受光部220bの出力が受光部221bと同等の出力4.0Vになるよう、例えば、倍率5倍のオペアンプを利用した非反転増幅回路を増幅回路11として受光部220bに接続し、受光部220bの出力を5倍に増幅することにより、載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221の発光部220aと受光部220b及び発光部221aと受光部221bとの配置条件が異なっても、記録媒体Pが介在しない状態での出力電圧を同等にすることができ、各給紙トレイ201a〜201d内の記録媒体Pの残枚数の検出精度を向上させることができる。
また、受光部221bの出力電圧が受光部220bの出力電圧より小さい場合には、受光部221bに非反転増幅回路等の増幅回路11を接続して、記録媒体Pが介在しない状態での受光部221bの出力電圧を受光部220bの出力電圧と一致するように出力電圧を増幅することにより、各給紙トレイ201a〜201d内の記録媒体Pの残枚数の検出精度を向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、増幅回路部10に増幅率制御部12を設けて、増幅回路11の増幅率を調整しているため、記録媒体Pの残枚数の検出精度をより一層向上させることができる。
すなわち、図6の場合、受光部220bに増幅回路11を接続し、記録媒体Pが介在しない状態での受光部220bの出力が受光部221bの出力と一致するように増幅するが、受光部220b、221bが、例えば、フォトトランジスタの場合、その感度は必ずしも同一ではないため、同一仕様の受光素子であっても全ての出力が一致するとは限らない。
そこで、増幅回路部10は、増幅回路11に増幅率制御部12を接続し、受光部220bの感度に合わせて増幅回路11の増幅率を増幅率制御部12で調整する。
したがって、記録媒体Pが介在しない状態での受光部220bの出力を受光部221bと一致するように高精度に補正することができ、載置記録媒体検出部220及び搬送記録媒体検出部221の発光部220aと発光部221a及び受光部220bと受光部221bの仕様が同じであって、載置記録媒体検出部220及び搬送記録媒体検出部221の発光部220aと受光部220b及び発光部221aと受光部221bとの配置条件が異なっても、記録媒体Pの検出精度をより一層向上させることができる。
また、増幅回路部10の増幅回路11で受光部220bまたは受光部221bの出力を増幅する場合、予め増幅回路11のバラツキに対する補正値を取得しておき、この補正値を増幅回路11の出力に対して演算処理するようにしてもよい。
すなわち、例えば、図6において、載置記録媒体検出部220の受光部220bの出力電圧が、0.8V、搬送記録媒体検出部221の受光部221bの出力電圧が、4.0Vの場合、まず、受光部220bに増幅回路11を接続せずに、0.8Vに調整する。その後、給紙トレイ201a〜201dに配置された載置記録媒体検出部220の受光部220bによって得られた出力を5倍にする増幅回路11を接続し、得られた電圧をVaとする。ここで、増幅回路11に使われる抵抗等の素子等にばらつきや増幅回路11としてオペアンプを使用した際のオフセット入力電圧等の影響がなければ、受光部220bの出力である0.8Vを正確に5倍した電圧4.0Vを増幅回路11の出力として得ることができる。
ところが、例えば、増幅回路11の増幅に対して、入力オフセット電圧のみの影響があり、入力オフセット電圧が0.1Vであった場合、増幅回路11で増幅した後の出力電圧は、(0.8−0.1)×5=3.5Vとなる。また、増幅回路11の増幅に対して、抵抗のみの影響があった場合、非反転増幅回路で1kΩと4kΩの抵抗で倍率を5倍に設定し、1kΩの抵抗の誤差が+10%、4kΩの抵抗の誤差が−10%であれば、それぞれの実際の抵抗の大きさが1.1kΩ、3.6kΩとなるので、非反転増幅回路の倍率が(3.6/1.1)+1≒5.27倍となり、増幅回路11の出力が、約4.2Vとなる。したがって、上記例のように、増幅回路11の抵抗等の素子やオペアンプのオフセット入力電圧等の影響等により倍率にばらつきがあると、4.0Vを得ることができない。
そこで、上記例の場合、0.8−Va/5=Vbにより補正すべき電圧を計算する。そして、増幅回路11から出力電圧を得るごとに、増幅回路11から得られた電圧に、5×Vbを加算することで、増幅回路11の素子のばらつき等により5倍に増幅できない場合であっても、5倍になるように補正した値を得ることができ、より一層精度良く記録媒体Pの残枚数を検出することができる。
なお、上記説明では、増幅回路部10を用いて、受光部220bまたは受光部221bの出力を増幅することで、記録媒体Pの残枚数の検出精度を向上させているが、検出精度を向上させる方法としては、上記方法に限るものではなく、例えば、図示しないが、受光部220bと受光部221bの出力をデジタル値に変換して、演算処理する演算処理部(演算処理手段)を設けることで、検出精度を向上させてもよい。
すなわち、例えば、載置記録媒体検出部220の受光部220bと搬送記録媒体検出部221の受光部221bの出力(例えば、出力電圧)をA/Dコンバータ等でデジタル値に変換し、デジタル変換した出力値を所定の基準値に一致させたり、一方、例えば、大きい方の出力値を基準値として、小さい方の出力値を当該基準値とした大きい方の出力値に一致させたりする。この場合、小さい方の出力値を大きい方の出力値に一致させる場合には、予め算出した一定倍率を乗じることで一致させるようにしてもよい。
このようにすることで、載置記録媒体検出部220の発光部220a及び搬送記録媒体検出部221の発光部221aと搬送記録媒体検出部221の受光部220b及び搬送記録媒体検出部221の受光部221bの仕様が同じであって、載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bとの配置条件と搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bとの配置条件が異なっても、記録媒体Pが介在しない状態での受光部220bと受光部221bの出力値が一致するように高精度に補正することができ、記録媒体Pの検出精度をより一層向上させることができる。
なお、上記説明においては、画像形成装置1に記録媒体残量検出装置230を適用した場合について説明したが、単独の給紙装置に対して記録媒体残量検出装置230を適用することもできる。
このように、本実施例の画像形成装置1は、給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上の記録媒体Pの透過光量を検出する載置記録媒体検出部220と1枚の記録媒体Pの透過光量を検出する搬送記録媒体検出部221の双方の受光部220b、221bの出力値を比較して給紙トレイ201a〜201dの底板202a〜202d上の記録媒体Pの残枚数を検出するに際して、当該双方の載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221に記録媒体Pが存在しないタイミングで、その出力値が所定の基準値から外れている受光部220b、221bの出力値を、当該基準値に補正して、双方の受光部220b、221bの出力値を当該基準値に一致さている。
したがって、それぞれの発光部220a、221aと受光部220b、221bで記録媒体Pの厚さ方向で挟む距離、角度等の配置条件や載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221の発光部220a、221aと受光部220b、221bの仕様の相違等による受光部220b、221bの出力値の変化を安価に補正することができ、記録媒体Pの残枚数を安価にかつ高精度に検出することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221の受光部220b、221bの出力値のうち大きい方の出力値を基準値として、小さい方の出力値を増幅回路11で当該基準値に増幅している。
したがって、記録媒体Pが間に介在しないときの載置記録媒体検出部220と搬送記録媒体検出部221の双方の受光部220b、221bの出力値が同じになるようにより一層安価かつ簡単に補正することができ、記録媒体Pの残枚数をより一層安価かつ高精度に検出することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、増幅回路11の増幅率を増幅率制御部12で調整している。
したがって、増幅回路11にバラツキがあったり、受光部220b、221bにバラツキがあっても、受光部220b、221bの出力値が同じになるようにより一層高精度に補正することができ、記録媒体Pの残枚数をより一層高精度に検出することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、載置記録媒体検出部220の受光部220bと搬送記録媒体検出部221の受光部221bの出力値をデジタル変換した後に、その出力値が基準値から外れている受光部220b、221bの出力値を当該基準値に演算処理して双方の出力値を当該基準値に一致させている。
したがって、載置記録媒体検出部220の発光部220a及び搬送記録媒体検出部221の発光部221aと搬送記録媒体検出部221の受光部220b及び搬送記録媒体検出部221の受光部221bの仕様が同じであって、載置記録媒体検出部220の発光部220aと受光部220bとの配置条件と搬送記録媒体検出部221の発光部221aと受光部221bとの配置条件が異なっても、記録媒体が介在しない状態での受光部220bと受光部221bの出力を同等に高精度に補正することができ、記録媒体Pの検出精度をより一層向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
複数枚重ねて載置されるとともに1枚ずつ搬送されるシート状の記録媒体の当該載置されている記録媒体の残枚数を安価かつ高精度に検出する記録媒体残量検出装置及びこの記録媒体残量検出装置を用いた給紙装置や画像形成装置に適用することができる。
本発明の記録媒体残量検出装置の一実施例を適用した画像形成装置の正面概略構成図。 図1の画像形成装置の給紙部の最上段の給紙トレイ及び画像形成部の要部正面概略構成図。 図1の画像形成装置の給紙部の最上段の給紙トレイ部分の載置記録媒体検出部と搬送記録媒体検出部を示す要部正面概略構成図。 図3の載置記録媒体検出部の配置図を示す図。 図3の搬送記録媒体検出部の配置図を示す図。 図3及び図4の載置記録媒体検出部の受光部に接続される増幅回路部の回路構成図。 図4及び図5の載置記録媒体検出部と図3の搬送記録媒体検出部としてフォトトランジスタと発光ダイオードを用いた場合の電流−電圧関係を示す図。
符号の説明
1 画像形成装置
10 増幅回路部
11 増幅回路
12 増幅率制御部
100 画像形成部
110 転写ベルト機構部
111 作像部
112 光書込部
113 2次転写部
114 定着部
115 反転部
116 レジストローラ
117 転写ベルト
200 給紙部
201a〜201d 給紙トレイ
202a〜202d 底板
203a〜203d 送り出しローラ
204a〜204d 分離ローラ
205 搬送ローラ
210 増設給紙部 211 手差し給紙部
220 載置記録媒体検出部
220a 発光部
220b 受光部
221 搬送記録媒体検出部
221a 発光部
221b 受光部
230 記録媒体残量検出装置
300 読取部
301 原稿台
310 ADF
P 記録媒体

Claims (4)

  1. 載置台上に載置されるシート状の記録媒体に厚さ方向に発光素子から光を照射して当該記録媒体を透過した光の受光量に対応する出力値を受光素子から出力する載置記録媒体検出手段と1枚の前記記録媒体に厚さ方向に発光素子から光を照射して当該記録媒体を透過した光の受光量に対応する出力値を受光素子から出力する搬送記録媒体検出手段の双方の受光素子の出力値を比較して前記載置台上の前記記録媒体の残枚数を検出する記録媒体残量検出装置であって、前記記録媒体が存在しない状態での前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段のうちその出力値が所定の基準値から外れている受光素子の出力値を当該基準値に補正して双方の出力値を当該基準値に一致させる補正手段を備えていることを特徴とする記録媒体残量検出装置。
  2. 前記補正手段は、前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段の受光素子の出力値のうち大きい方の出力値を前記基準値として、小さい方の出力値を当該基準値に増幅する増幅手段であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体残量検出装置。
  3. 前記補正手段は、前記増幅手段の増幅率を調整する増幅率調整手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の記録媒体残量検出装置。
  4. 前記補正手段は、前記載置記録媒体検出手段と前記搬送記録媒体検出手段の受光素子の出力値をデジタル変換した後に、その出力値が前記基準値から外れている受光素子の出力値を当該基準値に演算処理して双方の出力値を当該基準値に一致させる演算処理手段であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体残量検出装置。
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