JP2006346789A - 薄膜磁気ヘッド用研磨液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 平坦化特性に優れ、研磨後の表面が腐食しない研磨液を得る。
【解決手段】 研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)からなる研磨液を用いる。研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、研磨材(A)の含有量は10〜50重量%、還元剤(B)の含有量は1〜30重量%、水(C)の含有量は20〜89重量%が好ましい。還元剤(B)はL−アスコルビン酸又はイソアスコルビン酸が好ましい。研磨材(A)はコロイダルシリカが好ましい。研磨液のpH(25℃)は0〜4が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)からなる研磨液を用いる。研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、研磨材(A)の含有量は10〜50重量%、還元剤(B)の含有量は1〜30重量%、水(C)の含有量は20〜89重量%が好ましい。還元剤(B)はL−アスコルビン酸又はイソアスコルビン酸が好ましい。研磨材(A)はコロイダルシリカが好ましい。研磨液のpH(25℃)は0〜4が好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、薄膜磁気ヘッド用研磨液に関する。さらに詳しくは、硬度の異なる異種材料(以下、異硬度材料)の混在する被研磨物を研磨加工する工程{特にエアベアリング面(空気浮上面)を有するスライダーを備えた薄膜磁気ヘッドを研磨加工する工程}において、異硬度材料間における研磨量の差(即ち選択研磨)を生じる事なく均一に加工するのに適する薄膜磁気ヘッド用研磨液に関する。
アルチック(Al2O3-TiC)等の基材、アルミナ(Al2O3)等から成る保護/絶縁のためのセラミック質膜、及びパーマロイ(Fe−Ni)やセンダスト(Fe−Al−Si)等の磁性金属膜から成る複合材料で構成されているハードディスクドライブ用薄膜磁気ヘッドの空気浮上面の研磨加工には、従来、衝撃圧力下で合成されるいわゆる多結晶ダイヤモンドやアルミナを用いた研磨材が用いられている(特許文献1)。
特開2002−338952号公報
しかしながら、従来の研磨材は、薄膜磁気ヘッドの研磨加工において、ヘッド構成材料間の硬度差により、相対的に軟質材料である金属膜が選択的に研磨加工されるため平坦化特性が悪いという問題がある。さらに、従来の研磨材は、研磨後の表面が腐食しやすいという問題も有する。本発明の目的は平坦化特性に優れ、研磨後の表面が腐食しない研磨液を得ることである。
本発明の薄膜磁気ヘッド用研磨液は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)からなることを要旨とする。
本発明の薄膜磁気ヘッド用研磨液は、平坦化特性に優れ、研磨後の表面が腐食しないという効果を奏する。
還元剤(B)としては、有機還元剤及び無機還元剤等が含まれる。
有機還元剤としては、アスコルビン酸、有機酸、並びにこれらのアンモニウム塩及び金属塩等が使用できる。
アスコルビン酸としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸−6−酢酸エステル等が挙げられる。
有機酸としては、シュウ酸及びコハク酸等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、モノアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩、ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩、トリアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩及びテトラアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩等が挙げられる。
金属塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩及び重金属(鉄及び銅等)塩等が挙げられる。
有機還元剤としては、アスコルビン酸、有機酸、並びにこれらのアンモニウム塩及び金属塩等が使用できる。
アスコルビン酸としては、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸−6−酢酸エステル等が挙げられる。
有機酸としては、シュウ酸及びコハク酸等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、モノアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩、ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩、トリアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩及びテトラアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アンモニウム塩等が挙げられる。
金属塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩及び重金属(鉄及び銅等)塩等が挙げられる。
無機還元剤としては、無機酸、並びにこのアンモニウム塩及び金属塩等が使用できる。
無機酸としては、亜硫酸及びチオ硫酸等が挙げられる。
アンモニウム塩及び金属塩は、有機還元剤の場合と同様である。
これらのうち、研磨後の表面腐食性の観点等から、アスコルビン酸、有機酸、無機酸及びこれらのアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはアスコルビン酸及びアスコルビン酸アンモニウム塩、次に好ましくはアスコルビン酸、特に好ましくはL−アスコルビン酸及びイソアスコルビン酸、最も好ましくはL−アスコルビン酸である。
無機酸としては、亜硫酸及びチオ硫酸等が挙げられる。
アンモニウム塩及び金属塩は、有機還元剤の場合と同様である。
これらのうち、研磨後の表面腐食性の観点等から、アスコルビン酸、有機酸、無機酸及びこれらのアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはアスコルビン酸及びアスコルビン酸アンモニウム塩、次に好ましくはアスコルビン酸、特に好ましくはL−アスコルビン酸及びイソアスコルビン酸、最も好ましくはL−アスコルビン酸である。
還元剤(B)の含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは1.2〜29、次に好ましくは1.5〜28、特に好ましくは1.8〜27、最も好ましくは2〜26である。この範囲であると、平坦化特性がさらに良くなるとともに、研磨面の腐食を抑制する効果がさらに優れる。
研磨材(A)は、無機微粒子及び有機微粒子等が使用できる。
無機微粒子としては、金属酸化物又は金属窒化物等からなる微粒子が含まれる。
金属酸化物としては、酸化ケイ素(一酸化ケイ素及び二酸化ケイ素)、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及び酸化セリウム等が挙げられる。
金属窒化物としては、窒化ケイ素(三窒化ケイ素、一窒化ケイ素及び四窒化三ケイ素)、窒化ジルコニウム、窒化アルミニウム及び窒化セリウム等が挙げられる。
有機微粒子としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂又はフェノール樹脂等からなる微粒子が挙げられる。
研磨材(A)は、非晶質又は結晶(正方晶系、単斜晶系、六方晶系、斜方晶系等)のいずれでももよいが、非晶質であることが好ましい。非晶質であると、研磨面にさらにキズが付きにくい。
これらの研磨材のうち、研磨速度及び平坦化特性の観点等から、無機微粒子が好ましく、さらに好ましくは酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化アルミニウム、窒化珪素又は酸化ジルコニウムからなる微粒子、次に好ましくは二酸化ケイ素、酸化セリウム又は酸化ジルコニウムからなる微粒子、特に好ましくは二酸化ケイ素からなる微粒子、最も好ましくはコロイダルシリカである。
無機微粒子としては、金属酸化物又は金属窒化物等からなる微粒子が含まれる。
金属酸化物としては、酸化ケイ素(一酸化ケイ素及び二酸化ケイ素)、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及び酸化セリウム等が挙げられる。
金属窒化物としては、窒化ケイ素(三窒化ケイ素、一窒化ケイ素及び四窒化三ケイ素)、窒化ジルコニウム、窒化アルミニウム及び窒化セリウム等が挙げられる。
有機微粒子としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂又はフェノール樹脂等からなる微粒子が挙げられる。
研磨材(A)は、非晶質又は結晶(正方晶系、単斜晶系、六方晶系、斜方晶系等)のいずれでももよいが、非晶質であることが好ましい。非晶質であると、研磨面にさらにキズが付きにくい。
これらの研磨材のうち、研磨速度及び平坦化特性の観点等から、無機微粒子が好ましく、さらに好ましくは酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化アルミニウム、窒化珪素又は酸化ジルコニウムからなる微粒子、次に好ましくは二酸化ケイ素、酸化セリウム又は酸化ジルコニウムからなる微粒子、特に好ましくは二酸化ケイ素からなる微粒子、最も好ましくはコロイダルシリカである。
研磨材(A)の重量平均粒子径(nm)は、1〜300が好ましく、さらに好ましくは5〜200、特に好ましくは10〜150、最も好ましくは20〜100である。この範囲であると、平坦化特性がさらによくなる。
なお、重量平均粒子径は、キャピラリー方式粒度分布測定装置(例えば、CHDF−2000、MATEC APPLIED SCIENCES社製)により測定される値である。この装置による測定法{キャピラリー方式による粒度分布測定法(以下、キャピラリー法)}は、粒子を水に分散したものをキャピラリーカラム(直径数μm)の中を溶離液で移動させることにより、粒子径毎に粒子を分離し、粒子径分布を測定する方法である。
なお、重量平均粒子径は、キャピラリー方式粒度分布測定装置(例えば、CHDF−2000、MATEC APPLIED SCIENCES社製)により測定される値である。この装置による測定法{キャピラリー方式による粒度分布測定法(以下、キャピラリー法)}は、粒子を水に分散したものをキャピラリーカラム(直径数μm)の中を溶離液で移動させることにより、粒子径毎に粒子を分離し、粒子径分布を測定する方法である。
研磨材(A)の含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、10〜50が好ましく、さらに好ましくは11〜48、次に好ましくは12〜45、特に好ましくは、13〜42、最も好ましくは15〜40である。
この範囲であると、平坦化特性がさらに良くなるとともに、研磨面の腐食を抑制する効果がさらに優れる。
この範囲であると、平坦化特性がさらに良くなるとともに、研磨面の腐食を抑制する効果がさらに優れる。
水(C)は、特に限定されないが、JIS K0552−1994に準拠して測定される電気伝導率が1μS/cm以下であるものが好ましい。さらに好ましくは0.1μS/cm以下、特に好ましくは0.06μS/cm以下、最も好ましくは0.05μS/cm以下である。この範囲であると、研磨面がさらに腐食しにくい。
このような電気伝導率が高い水としては、イオン交換水等が使用できる。
水(C)の含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて20〜89が好ましく、さらに好ましくは23〜87、次に好ましくは27〜86、特に好ましくは31〜84、最も好ましくは34〜83である。
このような電気伝導率が高い水としては、イオン交換水等が使用できる。
水(C)の含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて20〜89が好ましく、さらに好ましくは23〜87、次に好ましくは27〜86、特に好ましくは31〜84、最も好ましくは34〜83である。
本発明の研磨液のpHは、0〜4が好ましく、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2である。この範囲であると、さらに優れた平坦化特性を得ることができる。
なお、pHは、研磨液を25℃に温度調整したものを、JIS Z8802−1984に準拠して測定することができる。
なお、pHは、研磨液を25℃に温度調整したものを、JIS Z8802−1984に準拠して測定することができる。
研磨液のpHは、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の種類及び量等により調整することができるが、pH調整剤を用いて調整してもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、添加量の観点等から、水溶性の酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、酢酸及びリン酸等)が好ましく、さらに好ましくは水溶性の強酸(硫酸、塩酸及び硝酸等)である。
pH調整剤は、必要により、水で希釈したものを用いてもよい。希釈する場合、酸の濃度(モル/リットル)は、目的とするpH等により適宜調整すればよいが、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5である。この範囲であると、pHの微調整がさらに容易となる。
pH調整剤は、必要により、水で希釈したものを用いてもよい。希釈する場合、酸の濃度(モル/リットル)は、目的とするpH等により適宜調整すればよいが、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5である。この範囲であると、pHの微調整がさらに容易となる。
本発明の研磨液は、研磨材(A)、還元剤(B)、水(C)及びpH調整剤以外に、さらに必要により他の添加剤(界面活性剤、キレート剤、防腐剤等)等が含有されていてもよい。
界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が含まれる。これらの界面活性剤は、「界面活性剤 物性・性能要覧、株式会社技術情報協会、2003年5月29日発行」又は「新・界面活性剤入門、三洋化成工業株式会社、1996年10月発行」等に記載のもの等が使用できる。
界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が含まれる。これらの界面活性剤は、「界面活性剤 物性・性能要覧、株式会社技術情報協会、2003年5月29日発行」又は「新・界面活性剤入門、三洋化成工業株式会社、1996年10月発行」等に記載のもの等が使用できる。
キレート剤としては、公知のキレート剤等が使用でき、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩及び1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
防腐剤としては、公知の水溶性防腐剤等が使用でき、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
これらの添加剤(界面活性剤、キレート剤、防腐剤等)を加える場合、これらの含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.02〜5、特に好ましくは0.05〜3、最も好ましくは、0.1〜1である。
これらの添加剤(界面活性剤、キレート剤、防腐剤等)を加える場合、これらの含有量(重量%)は、研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.02〜5、特に好ましくは0.05〜3、最も好ましくは、0.1〜1である。
本発明の研磨液の製造方法はとくに限定されず、本発明の研磨剤は、研磨剤(A)、還元剤(B)、水(C)及び必要により他の添加剤を逐次又は同時に均一混合した後、pH調整剤でpH調整する方法等により得られる。
なお、研磨材(A)は、分散媒中に分散された分散液を用いることが好ましい。
分散媒としては、水及び炭素数1〜4のアルキルアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール及びエチレングリコール等)等が使用できる。これらのうち、水が好ましく、さらに好ましくは電気伝導率が水(C)と同じ範囲のものである。水であると、研磨材(A)の分散液と水(C)とを混合したときの研磨材(A)の分散安定性がさらによくなる。
このような分散液としては、コロイダルシリカ、コロイダルセリア及びコロイダルアルミナ等が挙げられ、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法により製造してもよい{例えば、コロイダルシリカの場合、イオン交換法(ケイ酸ナトリウムをイオン交換樹脂を用いて中和する方法)、又は液層反応法(ケイ酸エステルを加水分解する方法)等}。
市販品としては、コロイダルシリカとして、PlanarChem OS−70A(ATMI社製)等、コロイダルアルミナとして、カタロイド−AS(触媒化成工業株式会社製)等が挙げられる。
このような分散液を用いる場合、研磨材(A)の分散液と水(C)とを均一混合したものと、還元剤(B)及び必要により他の添加剤とを均一混合した後、必要によりpH調整剤によりpHを調製する方法が好ましい。このような製造方法にすると、研磨剤(A)の分散性がさらによくなるため、平坦化特性がさらに優れる。
なお、研磨材(A)は、分散媒中に分散された分散液を用いることが好ましい。
分散媒としては、水及び炭素数1〜4のアルキルアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール及びエチレングリコール等)等が使用できる。これらのうち、水が好ましく、さらに好ましくは電気伝導率が水(C)と同じ範囲のものである。水であると、研磨材(A)の分散液と水(C)とを混合したときの研磨材(A)の分散安定性がさらによくなる。
このような分散液としては、コロイダルシリカ、コロイダルセリア及びコロイダルアルミナ等が挙げられ、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法により製造してもよい{例えば、コロイダルシリカの場合、イオン交換法(ケイ酸ナトリウムをイオン交換樹脂を用いて中和する方法)、又は液層反応法(ケイ酸エステルを加水分解する方法)等}。
市販品としては、コロイダルシリカとして、PlanarChem OS−70A(ATMI社製)等、コロイダルアルミナとして、カタロイド−AS(触媒化成工業株式会社製)等が挙げられる。
このような分散液を用いる場合、研磨材(A)の分散液と水(C)とを均一混合したものと、還元剤(B)及び必要により他の添加剤とを均一混合した後、必要によりpH調整剤によりpHを調製する方法が好ましい。このような製造方法にすると、研磨剤(A)の分散性がさらによくなるため、平坦化特性がさらに優れる。
均一混合する方法は特に限定されないが、攪拌機(メカニカルスターラー及びマグネチックスターラー等)又は分散機(ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル及びビーズミル等)等を用いることにより、均一混合される。均一混合の温度及び時間には制限はなく、製造する規模や設備等に応じて適宜決められ、例えば、製造規模が数kg程度の場合、5〜40℃で0.1〜5時間程度である。
本発明の研磨液は、薄膜磁気ヘッドの研磨面に連続供給することが好ましい。
供給量(ml/min)は、研磨面の大きさ等により適宜決定されるが、50〜500程度が好ましく、さらに好ましくは100〜300、特に好ましくは150〜250程度である。
研磨装置としては、通常の装置がそのまま使用できる(株式会社岡本工作機械製作所製SPL等)。必要により、研磨パッド(材質としては、ポリウレタンフォーム等)等を使用してもよい。
薄膜磁気ヘッドは、ハードディスクドライブ等の書き込み・読み取りに使用される。そして、本発明の研磨液により研磨したものは、平坦化特性に優れ、腐食も生じにくいため、生産性が著しく向上する。さらに、記録密度及び製品寿命等の特性が、従来の薄膜磁気ヘッドに比べ著しく向上する。
供給量(ml/min)は、研磨面の大きさ等により適宜決定されるが、50〜500程度が好ましく、さらに好ましくは100〜300、特に好ましくは150〜250程度である。
研磨装置としては、通常の装置がそのまま使用できる(株式会社岡本工作機械製作所製SPL等)。必要により、研磨パッド(材質としては、ポリウレタンフォーム等)等を使用してもよい。
薄膜磁気ヘッドは、ハードディスクドライブ等の書き込み・読み取りに使用される。そして、本発明の研磨液により研磨したものは、平坦化特性に優れ、腐食も生じにくいため、生産性が著しく向上する。さらに、記録密度及び製品寿命等の特性が、従来の薄膜磁気ヘッドに比べ著しく向上する。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部又は重量%を示す。
なお、シリカゾルの重量平均粒子径は、次のように測定し、pHはpHメータ(株式会社堀場製作所製D−51)を用いてJIS Z8802−1984に準拠して測定した。また、イオン交換水は、電気伝導率0.06μS/cm以下のものを使用した。
<重量平均粒子径の測定方法>
研磨剤の分散液をイオン交換水で20倍に希釈し、約1mlをマイクロシリンジで粒度分布測定装置{CHDF−2000、MATEC APPLIED SCIENCES社}に注入して、圧力:24MPa、溶離液(イオン交換水)の流速:1.4ml/分、検出器:UV検出器(波長220nm)で測定した。
なお、シリカゾルの重量平均粒子径は、次のように測定し、pHはpHメータ(株式会社堀場製作所製D−51)を用いてJIS Z8802−1984に準拠して測定した。また、イオン交換水は、電気伝導率0.06μS/cm以下のものを使用した。
<重量平均粒子径の測定方法>
研磨剤の分散液をイオン交換水で20倍に希釈し、約1mlをマイクロシリンジで粒度分布測定装置{CHDF−2000、MATEC APPLIED SCIENCES社}に注入して、圧力:24MPa、溶離液(イオン交換水)の流速:1.4ml/分、検出器:UV検出器(波長220nm)で測定した。
<合成例1>
0.1%ケイ酸ナトリウム水溶液(旭電化工業株式会社製)1,000gを、陽イオン交換樹脂(ダイアイオンSK1B;三菱化学株式会社製)1,000gを充填したカラム(直径5cm×高さ50cm)に通した後、50℃で3時間攪拌(150rpm)してシリカゾル分散液を得た。25℃に冷却後、減圧脱水して濃縮して、30%のシリカゾル分散液(S1)を得た。
シリカゾルの重量平均粒子径は50nmであった。
0.1%ケイ酸ナトリウム水溶液(旭電化工業株式会社製)1,000gを、陽イオン交換樹脂(ダイアイオンSK1B;三菱化学株式会社製)1,000gを充填したカラム(直径5cm×高さ50cm)に通した後、50℃で3時間攪拌(150rpm)してシリカゾル分散液を得た。25℃に冷却後、減圧脱水して濃縮して、30%のシリカゾル分散液(S1)を得た。
シリカゾルの重量平均粒子径は50nmであった。
<合成例2>
1リットルの攪拌機つきガラス製反応容器に、トルエン360ml、ソルビタンモノオレエート10.8g、イオン交換水120ml及び酢酸1mlを仕込み、50℃で10分間激しく攪拌して乳化した。激しく撹拌しながら、この中にテトラエトキシシラン140mlを一気に投入し、50℃で3時間撹拌を継続して、シリカゾル分散液を得た。25℃に冷却後このシリカゾル分散液を濾紙{日本ミリポア株式会社製メンブレンフィルター(孔径0.2μm)}で濾過し、濾紙上のシリカゾルをメタノール及びイオン交換水の各1リットルでこの順に洗浄後、イオン交換水に再分散させて、40%のシリカゾル分散液(S2)を得た。シリカゾルの重量平均粒子径は100nmであった。
1リットルの攪拌機つきガラス製反応容器に、トルエン360ml、ソルビタンモノオレエート10.8g、イオン交換水120ml及び酢酸1mlを仕込み、50℃で10分間激しく攪拌して乳化した。激しく撹拌しながら、この中にテトラエトキシシラン140mlを一気に投入し、50℃で3時間撹拌を継続して、シリカゾル分散液を得た。25℃に冷却後このシリカゾル分散液を濾紙{日本ミリポア株式会社製メンブレンフィルター(孔径0.2μm)}で濾過し、濾紙上のシリカゾルをメタノール及びイオン交換水の各1リットルでこの順に洗浄後、イオン交換水に再分散させて、40%のシリカゾル分散液(S2)を得た。シリカゾルの重量平均粒子径は100nmであった。
<実施例1>
1リットルの攪拌機つきガラス製反応容器に、シリカゾル分散液(S1)1,000部及びL-アスコルビン酸(純度99.0%以上)50部を投入し、さらに濃硫酸(濃度98%)100部を発熱に注意しながら徐々に投入した後、15分間攪拌して本発明の研磨液(K1)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
1リットルの攪拌機つきガラス製反応容器に、シリカゾル分散液(S1)1,000部及びL-アスコルビン酸(純度99.0%以上)50部を投入し、さらに濃硫酸(濃度98%)100部を発熱に注意しながら徐々に投入した後、15分間攪拌して本発明の研磨液(K1)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
<実施例2>
シリカゾル分散液(1)をシリカゾル分散液(S2)に変更し、濃硫酸(濃度98%)100部を濃硫酸(濃度98%)30部に変更し、L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸20部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K2)(研磨材の重量平均粒子径70nm、pH=2)を得た。
シリカゾル分散液(1)をシリカゾル分散液(S2)に変更し、濃硫酸(濃度98%)100部を濃硫酸(濃度98%)30部に変更し、L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸20部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K2)(研磨材の重量平均粒子径70nm、pH=2)を得た。
<実施例3>
L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸350部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K3)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸350部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K3)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
<実施例4>
シリカゾル分散液(S1)1,000部をイオン交換水1,000部及びアルミナ(NANOPOLI、株式会社メディア研究所)185部を均一混合した分散液に変更し、L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸12部に変更し、濃硫酸(濃度98%)100部を濃硫酸(濃度98%)1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K4)(研磨材の重量平均粒子径300nm、pH=5)を得た。
シリカゾル分散液(S1)1,000部をイオン交換水1,000部及びアルミナ(NANOPOLI、株式会社メディア研究所)185部を均一混合した分散液に変更し、L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸12部に変更し、濃硫酸(濃度98%)100部を濃硫酸(濃度98%)1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K4)(研磨材の重量平均粒子径300nm、pH=5)を得た。
<実施例5>
L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸429部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K5)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
L-アスコルビン酸50部をL-アスコルビン酸429部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨液(K5)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
<比較例1>
L-アスコルビン酸を使用しない以外は実施例1と同様にして、比較用の研磨液(H1)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
L-アスコルビン酸を使用しない以外は実施例1と同様にして、比較用の研磨液(H1)(研磨材の重量平均粒子径50nm、pH=1)を得た。
本発明の研磨液(K1〜K5)及び比較用の研磨液(H1)を用いて、酸化アルミニウム蒸着アルチック基板{アルチック(Al2O3−TiC)基板(4インチウェハ)の表面に、パ−マロイ(Fe−Ni)層を形成し、そのパ−マロイ層の上に酸化アルミニウム層を蒸着した基板、以下、基板と略する。}を、研磨機(株式会社岡本工作機械製作所製SPL)で研磨して、平坦化特性及び腐食性を評価した。
<研磨条件>
研磨定盤(プラテン)に貼り付けた研磨パッド(IC1000、ロームハース社製)に研磨液を200ml/分の流量で供給しつつ、基板を下降させてプラテンに基板を押し当て、研磨加圧:40kPa、研磨定盤回転数:50rpm、基板回転数:52rpm、研磨時間:120秒で基板を研磨した。
<研磨条件>
研磨定盤(プラテン)に貼り付けた研磨パッド(IC1000、ロームハース社製)に研磨液を200ml/分の流量で供給しつつ、基板を下降させてプラテンに基板を押し当て、研磨加圧:40kPa、研磨定盤回転数:50rpm、基板回転数:52rpm、研磨時間:120秒で基板を研磨した。
<平坦化特性評価>
研磨後の基板をスクラブ洗浄し、基板の加工段差(アルチックの表面からパーマロイの表面の間に発生する段差)を次の条件で測定し、次の基準で平坦化特性を評価した。
(測定条件)
装置:KLA−Tencor社製P−15
スキャン速度:100μm/sec
(評価基準)
◎:段差が2nm未満であり、平坦化特性が非常に優れている。
○:段差が2nm以上5nm未満であり、平坦化特性が優れている。
×:段差が5nm以上であり、平坦化特性が悪い。
研磨後の基板をスクラブ洗浄し、基板の加工段差(アルチックの表面からパーマロイの表面の間に発生する段差)を次の条件で測定し、次の基準で平坦化特性を評価した。
(測定条件)
装置:KLA−Tencor社製P−15
スキャン速度:100μm/sec
(評価基準)
◎:段差が2nm未満であり、平坦化特性が非常に優れている。
○:段差が2nm以上5nm未満であり、平坦化特性が優れている。
×:段差が5nm以上であり、平坦化特性が悪い。
<腐食性評価>
研磨後の基板をスクラブ洗浄し、基板の表面を、顕微鏡(株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX)で観察(倍率:10,000倍)し、次の基準で腐食性を評価した。
(評価基準)
◎:基板表面に腐食が観察されない
×:基板表面に腐食が観察される
研磨後の基板をスクラブ洗浄し、基板の表面を、顕微鏡(株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX)で観察(倍率:10,000倍)し、次の基準で腐食性を評価した。
(評価基準)
◎:基板表面に腐食が観察されない
×:基板表面に腐食が観察される
本発明の研磨液(K1〜K5)は、比較用の研磨液(H1)に対して、平坦化特性及び腐食性が優れていた。特に、研磨液(K1〜K3)は、平坦化特性及び腐食性が非常に優れていた。
本発明の研磨液は、サファイヤ、水晶発振子等の研磨に適用でき、特に薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面となる面の研磨及び薄膜磁気ヘッドの製造に好適である。
Claims (6)
- 研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)からなる薄膜磁気ヘッド用研磨液。
- 研磨材(A)、還元剤(B)及び水(C)の合計重量に基づいて、研磨材(A)の含有量が10〜50重量%、還元剤(B)の含有量が1〜30重量%、水(C)の含有量が20〜89重量%である請求項1に記載の研磨液。
- 還元剤(B)がL−アスコルビン酸又はイソアスコルビン酸である請求項1又は2に記載の研磨液。
- 研磨材(A)がコロイダルシリカである請求項1〜3のいずれかに記載の研磨液。
- pH(25℃)が0〜4である請求項1〜4の何れかに記載の研磨液。
- 請求項1〜5の何れかに記載の研磨液を用いて薄膜磁気ヘッドを研磨する工程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005174464A JP2006346789A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | 薄膜磁気ヘッド用研磨液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005174464A JP2006346789A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | 薄膜磁気ヘッド用研磨液 |
Publications (1)
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JP2006346789A true JP2006346789A (ja) | 2006-12-28 |
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ID=37643159
Family Applications (1)
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JP2005174464A Pending JP2006346789A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | 薄膜磁気ヘッド用研磨液 |
Country Status (1)
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-
2005
- 2005-06-15 JP JP2005174464A patent/JP2006346789A/ja active Pending
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