図1は、図2に示される中継ノード11a〜11i〜11nxの夫々を形成することができる、本発明に係る通信装置の一例を示す。
図1に示される例においては、通信端末間送受信部12と複数の中継ノード間送受信部13a〜13nとが備えられている。通信端末間送受信部12は、図1に示される例により形成される中継ノードに所属するものとして登録されている通信端末装置との間における通信を行う送受信部であって、当該通信端末装置からの入力通信信号を受信するとともに、出力通信信号を当該通信端末装置へと送信する。また、中継ノード間送受信部13a〜13nの夫々は、図1に示される例により形成される中継ノードに隣接する他の中継ノードとの間における通信を行う送受信部であって、当該他の中継ノードからの入力通信信号を受信するとともに、出力通信信号を当該他の中継ノードへと送信する。
通信端末間送受信部12及び中継ノード間送受信部13a〜13nの夫々は、入力通信信号を受信すると、受信した入力通信信号に対応した入力情報信号を得、それらをフレーム処理部14に供給する。
フレーム処理部14は、通信端末間送受信部12あるいは中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかからの入力情報信号に対するフレーム化処理を行って、中継フレームヘッダ領域とフレームヘッダ領域とそれに続く情報領域とを含んだフレームを構成する格納用フレーム化データを、当該入力情報信号に基づくものとして形成する。斯かる場合における格納用フレーム化データが構成するフレームにあっては、中継フレームヘッダ領域に、後述されるHELOモードもしくはSRCDSTモードとされるフレームモードや転送モード等をあらわすモード情報とされる識別情報,送信元をあらわす識別情報,送信先をあらわす識別情報,中継ノードを経由する都度、例えば、減少もしくは増加していくように変化する値(以下、バジェット(Budget)という。)をあらわす識別情報等の各種の識別情報が配され、フレームヘッダ領域に、通過した中継ノードに関わる識別情報,送信元についての識別情報、送信先についての識別情報,通過した中継ノードに関わる識別情報等の各種の識別情報が配され、さらに、情報領域に、伝達される通信情報が配される。
バジェットは、例えば、情報信号の送信元において1000であり、特別な条件がない限り、その後中継ノードを経由するごとに一定の値、例えば、200ずつ減少していく、正の値,0あるいは負の値をとるものとされる。但し、他の例として、減少していくのではなく増加していくものとされる場合もある。
そして、フレーム処理部14は、通信端末間送受信部12からの入力情報信号が供給された場合、及び、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかからの入力情報信号が供給された場合のいずれにおいても、中継フレームヘッダ領域とフレームヘッダ領域とそれに続く情報領域とを含んだフレームを構成する格納用フレーム化データを、一時メモリ部15に供給する。
上述の通信端末間送受信部12,中継ノード間送受信部13a〜13n、及び、フレーム処理部14の夫々の動作は、動作制御部20による制御のもとに行われる。また、一時メモリ部15における格納用フレーム化データの格納は、一時メモリ部15に対応するものとして設けられた一時管理部16による制御動作のもとに行われる。そして、一時管理部16による制御動作は、動作制御部20による制御を受けて行われる。
一時管理部16は、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データを、図1に示される例により形成される中継ノード内においてのみ用いられるノード内ヘッダ領域が付加されたものとなす。ノード内ヘッダ領域には、格納用フレーム化データに対する処理状況、例えば、未処理,処理中,処理済等をあらわす識別情報、さらには、処理時点での時間情報や各種フラグ情報等の識別情報が配される。
そして、一時管理部16は、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データにおけるノード内ヘッダ領域,中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報を走査し、ノード内ヘッダ領域の識別情報が、転送情報が更新されたことをあらわしているか否か,中継フレームヘッダ領域の識別情報が、強制転送されるべきこと、もしくは、廃棄可能であることをあらわしているか否か、さらには、フレームヘッダ領域の識別情報が、図1に示される例により形成される中継ノードに所属する通信端末宛の通信情報が存在することをあらわしているか否か等を確認する。その結果、例えば、中継フレームヘッダ領域の識別情報が、強制転送されるべきことをあらわしているときには、一時管理部16は、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データを、排出用フレーム化データとして、それを送信処理に供するべく、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとする。フレーム処理部14は、一時メモリ部15から排出された排出用フレーム化データにフレーム分解処理を施し、排出用フレーム化データ基づく出力情報信号を得て、それを中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかに供給する。出力情報信号が供給された中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかは、その出力情報信号に基づく出力通信信号を形成して、それを他の中継ノードへと送信する。それにより、排出用フレーム化データが構成するフレームについての強制中継が行われることになる。
斯かる際におけるフレーム処理部14及び中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかの動作も、動作制御部20による制御のもとに行われる。
また、一時管理部16は、例えば、中継フレームヘッダ領域の識別情報が、強制転送されるべきこと、もしくは、廃棄可能であることをあらわしていないとき、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データに含まれる中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報を、一時メモリ部15から取り出されて主メモリ部17に格納されるようにする。それにより、主メモリ部17に、中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が格納される。斯かる主メモリ部17における中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報の格納は、主メモリ部17に対応するものとして設けられた主管理部18による制御動作のもとに行われる。そして、主管理部18による制御動作も、動作制御部20による制御を受けて行われる。
このとき、一時管理部16は、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データに含まれる中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が主メモリ部17に格納されるようにするとともに、一時メモリ部15に残されたノード内ヘッダ領域に、主管理部18による判断待ちの状態であることをあらわす識別情報を付加する。
主管理部18は、主メモリ部17に格納された中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報を、整理された履歴情報として主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存されるようにする。それにより、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースには、過去において主メモリ部17に格納された中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が保存されることになる。
また、主管理部18は、新たに主メモリ部17に格納された中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報と、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存された履歴情報との比較を行う。そして、主管理部18は、その比較の結果から、例えば、当該中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が得られることとなった元の入力情報信号の送信元が、図1に示される例により形成される中継ノードに所属する通信端末装置であるか否か,当該中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が得られることとなった元の入力情報信号の送信先が、図1に示される例により形成される中継ノードに所属する通信端末装置であるか否か,当該中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報が得られることとなった元の入力情報信号が、過去において図1に示される例により形成される中継ノードに到来したことがあるか等々について判定する。
さらに、主管理部18は、必要に応じ、判定結果に応じて中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報を変更する処理,判定結果に応じたフラッグを中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報に付加する処理等を行い、主メモリ部17に格納された中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報に必要に応じた変更処理を加える。斯かる変更処理には、中継フレームヘッダ領域の識別情報の一つであるバジェットについての、それがあらわす値を、例えば、200だけ減少させる処理も含まれる。そして、主管理部18は、必要に応じた変更処理が加えられた中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域の夫々の識別情報を、処理済識別情報として、主メモリ部17から一時メモリ部15へと排出されるものとなす。
従って、主メモリ部17は、主管理部18による制御動作のもとに、一時メモリ部15に格納された格納用フレーム化データに含まれる識別情報を格納して、整理された履歴情報として履歴情報データベースに保存するとともに、格納された識別情報もしくはそれにに変更処理が加えられた情報を処理済識別情報として一時メモリ部15へと排出し、処理済識別情報の一時メモリ部15への転送が行われるようにするものとなる。
主メモリ部17からの処理済識別情報の一時メモリ部15への転送が行われると、一時管理部16は、一時メモリ部15に格納されている、ノード内ヘッダ領域に主管理部18による判断待ちの状態であることをあらわす識別情報が付加された格納用フレーム化データの中継フレームヘッダ領域及びフレームヘッダ領域に、転送された処理済識別情報を配する。それにより、ノード内ヘッダ領域,処理済識別情報が配された中継フレームヘッダ領域とフレームヘッダ領域とからなる成る処理済ヘッダ領域、及び、通信情報が配された情報領域を含んだフレームを構成する排出用フレーム化データが形成される。そして、一時管理部16は、状況に応じて、排出用フレーム化データを、それにおけるノード内ヘッダ領域が廃棄され、処理済ヘッダ領域及び情報領域を含んだフレームを構成するものとされて、その送信処理に供されるべく、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるもの、もしくは、フレーム処理部14に排出されることなく廃棄されるものとなす。
従って、一時メモリ部15は、一時管理部16による制御動作のもとに、フレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データを一時的に格納し、また、処理済識別情報が配された中継フレームヘッダ領域とフレームヘッダ領域とから成る処理済ヘッダ領域及び通信情報が配された情報領域を含んだフレームを構成する排出用フレーム化データを一時的に格納するとともに、状況に応じて、排出用フレーム化データを、その送信処理に供するべく、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出する、もしくは、フレーム処理部14に排出することなく廃棄するものとなる。
フレーム処理部14は、一時メモリ部15から排出された排出用フレーム化データが供給されたとき、その排出用フレーム化データにフレーム分解処理を施し、排出用フレーム化データ基づく出力情報信号を得て、それを、排出用フレーム化データに含まれる処理済識別情報に従って、通信端末間送受信部12あるいは中継ノード間送受信部13a〜13nのうちのいずれかに供給する。出力情報信号が供給された通信端末間送受信部12あるいは中継ノード間送受信部13a〜13nのうちのいずれかは、その出力情報信号に基づく出力通信信号を形成して、それを図1に示される例により形成される中継ノードに所属する通信端末装置あるいは他の中継ノードへと送信する。それにより、排出用フレーム化データが構成するフレームについての通信端末装置への伝達あるいは他の中継ノードへの中継が行われることになる。
上述のようにして通信情報の中継機能を果たす図1に示される例により形成される中継ノードにおいて、一時管理部16及び主管理部18に対する制御を行う動作制御部20は、一時管理部16及び主管理部18に、一時メモリ部15における格納用フレーム化データ及び排出用フレーム化データの一時的格納についての制御動作,主メモリ部17における識別情報の格納及び保存及び処理済識別情報の排出、及び、一時メモリ部15における排出用フレーム化データのフレーム処理部14への排出についての制御動作に加えて、以下の動作を行わせる。即ち、一時管理部16及び主管理部18は、動作制御部20による制御のもとに、以下に述べられる動作を行うのである。
図1に示される例により形成される中継ノードに到来する入力通信信号に基づいてフレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データが構成するフレームは、存在情報伝達モード(以下、HELOモードという。)のものである場合と、相手探索モード(以下、SRCDSTモードという。)のものである場合とがある。中継ノードに入力通信信号として到来する通信信号の送信元である通信端末装置は、通信に際して、先ず、それが関わる無線通信ネットワークに対して自分の存在を知らしめるべく、HELOモードのフレームを発信し、その後、通信情報を当該無線通信ネットワークを通じて送信先の通信端末装置に伝えるべくSRCDSTモードのフレームを送出するからである。
HELOモードのフレームは、例えば、図3のAに示されるように、中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含むものとされる。但し、情報領域は、実質的に通信情報が無いもの(空)とされる。それゆえ、HELOモードのフレームについては、図3のAに示される例とは異なって、情報領域自体が無いものとされてもよい。そして、中継フレームヘッダ領域には、図3のBに示されるように、フレームモードをあらわす識別情報(フレームモード情報:FM情報),送信元をあらわす識別情報(送信元ID),バジェットをあらわす識別情報(BD)及びその他の情報が配される。図3のBに示される中継フレームヘッダ領域においては、FM情報が、2ビットデータであって、HELOモードをあらわす“00”とされており、また、送信元IDは、送信元が通信端末装置TE1であることをあらわし、さらに、BDが、送信元である通信端末装置TE1についてのバジェットが1000であることをあらわしている。
一時管理部16及び主管理部18は、フレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データが構成するHELOモードのフレームが検出されると、それを一時メモリ部15に一時的に格納されるものとし、さらに、図3のCに示されるような中継フレームヘッダ領域に配された識別情報を、主メモリ部17に格納されるものとし、そのうちの送信元IDとBDとが、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存されるものとなす。このようにして、履歴情報データベースに履歴情報として保存される送信元IDとBDとは、例えば、後に当該送信元IDがあらわす通信端末装置が送信先とされる情報通信が行われる際に、当該BDがあらわすバジェットが、その送信先までの距離に相当する、送信先についてのバジェットとして用いられる。
続いて、一時管理部16及び主管理部18は、主メモリ部17に格納された中継フレームヘッダ領域に配された識別情報のうちのBDを、それがあらわすバジェットを200だけ減じて、1000とされたバジェットをあらわすものから800とされたバジェットをあらわすものに変更する。そして、変更されたBDを含んだ中継フレームヘッダ領域に配された識別情報を、処理済識別情報として主メモリ部17から一時メモリ部15に排出されるものとする。
それにより、一時メモリ部15において、図3のD及びEに示されるような、800とされたバジェットをあらわすBDが配された中継フレームヘッダ領域とフレームヘッダ領域とを、処理済ヘッダ領域として含むHELOモードのフレームが形成され、斯かるHELOモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。そして、一時管理部16及び主管理部18は、HELOモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、800とされたバジェットをあらわすBDが配された中継フレームヘッダ領域を含んだフレームに基づく出力通信信号が中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、800とされたバジェットをあらわすBDが配された中継フレームヘッダ領域を含んだフレームの中継が行われることになる。
送信元から発信されるHELOモードのフレームは、例えば、最初はバジェットを1000とし、その後中継されるごとにバジェットが、例えば、200ずつ減じていくものとされる。このとき、動作制御部20による制御のもとにおかれた一時管理部16及び主管理部18は、一時メモリ部15において形成される処理済ヘッダ領域を含んだHELOモードのフレームが、その処理済ヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、0もしくは負の値とされたときには、当該フレームを、中継されることなく、廃棄されるものとなす。
従って、HELOモードのフレームは、送信元から発信される際には、バジェットを、例えば、1000とし、その後、バジェットが0もしくは負の値とされるまで、中継されるごとにバジェットが200づつ減少されていき、バジェットが0もしくは負の値とされると、中継されることなく、廃棄されるものとされる。即ち、送信元から発信される際にバジェットが1000とされたHELOモードのフレームは、4回の中継が順次行われてバジェットが200とされたときには、5回目の中継は行われず、廃棄されるのである。そして、斯かるHELOモードのフレームの中継に関与した、図1に示される例により形成される中継ノードには、その主メモリ部17に構築される履歴情報データベースに、当該HELOモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信元IDとBDとが、履歴情報として保存される。
このようにして、主メモリ部17に構築される履歴情報データベースには、過去において検出されたことがある、フレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データが構成するHELOモードのフレームの夫々についての、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信元IDとBDとが、履歴情報として保存される。
一方、SRCDSTモードのフレームは、例えば、図4のA及びBに示されるように、転送モードをあらわす識別情報(転送モード情報:TM情報),送信先をあらわす識別情報(送信先ID),送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,送信元をあらわす識別情報(送信元ID),バジェットをあらわすBD、及び、その他の情報が配される中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含むものとされる。
TM情報があらわす転送モードは、拡散転送モード,浸透転送モード及び収束転送モードのいずれかとされ、TM情報は、拡散転送モードを2ビットデータ“11”をもってあらわし、浸透転送モードを2ビットデータ“10”をもってあらわし、収束転送モードを2ビットデータ“01”をもってあらわす。拡散転送モードは、それをあらわすTM情報が配された中継フレームヘッダ領域を含んだSRCDSTモードのフレ−ムが、送信元から発信されたフレーム、あるいは、拡散的送信がなされたフレームであることになるものとされ、また、浸透転送モードは、それをあらわすFM情報が配された中継フレームヘッダ領域を含んだSRCDSTモードのフレ−ムが、確率的送信がなされたフレームであることになるものとされ、さらに、収束転送モードは、それをあらわすFM情報が配された中継フレームヘッダ領域を含んだSRCDSTモードのフレ−ムが、送信先に向けての収束的送信がなされたフレームであることになるものとされる。フレームについての拡散的送信とは、フレームを周囲に広げて行くように送り出す送信をいい、フレームについての確率的送信とは、フレームを所定の確率のもとに送り出すあるいは破棄する送信をいい、フレームについての収束的送信とは、フレームを送信先に向かわせるように送り出す送信をいう。
また、BDは、HELOモードのフレームの場合と同様であって、フレームが送信元から発信されるとき、例えば、1000とされ、その後フレ−ムが中継されるごとに一定の値、例えば、200ずつ減じていくバジェットをあらわすものとされる。
図4のBに示される中継フレームヘッダ領域の例においては、FMモードが、拡散転送モードをあらわす“11”とされており、送信先IDが、送信先が通信端末装置TE2であることをあらわし、送信先BDが、送信先についてのバジェットが不明であることをあらわし、送信元IDが、送信元が通信端末装置TE1であることをあらわし、BDがバジェットが1000であることをあらわしている。
このようなもとで、動作制御部20による制御のもとにおかれた一時管理部16及び主管理部18が行う、拡散転送モード,浸透転送モード及び収束転送モードのいずれかとされるSRCDSTモードのフレームに対しての制御動作を、図5及び図6に示されるフローチャートを参照して以下に説明する。
一時管理部16及び主管理部18は、フレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データが構成する、拡散転送モード,浸透転送モード及び収束転送モードのいずれかとされるSRCDSTモードのフレームが検出されるのを待つ(図5のステップ31)。そして、SRCDSTモードのフレームが検出されると、検出されたSRCDSTモードのフレームを一時メモリ部15に一時的に格納されるものとし、さらに、図4のCに示されるような中継フレームヘッダ領域に配された識別情報を、主メモリ部17に格納されるものとし、そのうちの送信先ID,送信先BD,送信元ID及びBDが、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存されるものとなしたうえで、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、反射フレームであるか否かを判断する(図5のステップ32)。
一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが反射フレームであるか否かは、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、直前に中継されたSRCDSTモードのフレームと同一であるか否かによって判断する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、直前に中継されたSRCDSTモードのフレームと同一であるか否かは、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された識別情報と、主メモリ部17内に構築された履歴情報データベースに保存された、直前に中継されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された識別情報とを相互比較し、両者が一致するか否かによって判断する。
一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが反射フレームである場合には、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームを、中継することなく廃棄する(図5のステップ33)。また、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが反射フレームでないときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、重複フレームであるか否かを判断する(図5のステップ34)。
一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが重複フレームであるか否かは、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、過去において中継されたSRCDSTモードのフレームと同一であるか否かによって判断する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、過去において中継されたSRCDSTモードのフレームと同一であるか否かは、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された識別情報と、主メモリ部17内に構築された履歴情報データベースに保存された、過去において中継されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された識別情報とを相互比較し、両者が一致するか否かによって判断する。
一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが重複フレームである場合には、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームを、中継することなく廃棄する(図5のステップ33)。また、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが重複フレームでないときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての、転送モード設定・フレーム処理を行う状態をとる(図5のステップ35)。
転送モード設定・フレーム処理にあっては、例えば、先ず、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報により、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、拡散転送モードのものであるか否かを判断する(図6のステップ41)。一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報が、図4のBに示される中継フレームヘッダ領域の例の場合のように、拡散転送モードをあらわす“11”とされていて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが拡散転送モードのものであるときには、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、一定の値、例えば、200より大であるか否かを判断する(図6のステップ42)。
一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、図4のBに示される中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェット1000のように、200より大であるときには、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在し、それが0より大であるか否かを判断する(図6のステップ43)。
主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在しないか、あるいは、存在するが0もしくは0より小であるときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、拡散転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、変更することなく、拡散転送モードをあらわす“11”とする(図6のステップ44)。
それに加えて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを200だけ減じる。即ち、図4のBに示される中継フレームヘッダ領域の例の場合のように、BDがあらわすバジェットが1000であるときには、それを800にする(図6のステップ45)。
それにより、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームは、例えば、図7のA及びBに示されるような、拡散転送モードをあらわす“11”とされたTM情報,通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,送信先についてのバジェットが不明であることをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、800とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて処理済ヘッダ領域が形成され、さらに、その処理済ヘッダ領域に情報領域が続くものとされる。そして、一時メモリ部15において、斯かる処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。
続いて、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された、通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,送信先についてのバジェットが不明であることをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID、及び、例えば、800とされたバジェットをあらわすBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。
そして、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、拡散転送モードをあらわす“11”とされたTM情報,通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,送信先についてのバジェットが不明であることをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、800とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、拡散転送モードをあらわす“11”とされたTM情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての拡散的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる((図6のステップ47)。
また、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在し、それが0より大であるか否かの判断(図6のステップ43)の結果、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在し、それが、例えば、200とされていて0より大であるときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、収束転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、拡散転送モードをあらわす“11”から、収束転送モードをあらわす“01”に変更する(図6のステップ48)。
続いて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる送信先BDを、例えば、200とされる送信先についてのバジェットをあらわすものとする。それに加えて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを200だけ減じる。即ち、図4のBに示される中継フレームヘッダ領域の例の場合のように、BDがあらわすバジェットが1000であるときには、それを800にする(図6のステップ45)。
それにより、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームは、例えば、図7のC及びDに示されるような、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報,通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、800とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて処理済ヘッダ領域が形成され、さらに、その処理済ヘッダ領域に情報領域が続くものとされる。そして、一時メモリ部15において、斯かる処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。
次に、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された、通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID、及び、例えば、800とされたバジェットをあらわすBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。
そして、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報,通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、800とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての収束的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる(図6のステップ47)。
さらに、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、例えば、200より大であるか否かの判断(図6のステップ42)の結果、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、200もしくは200より小であるときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、浸透転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、拡散転送モードをあらわす“11”から、浸透転送モードをあらわす“10”に変更する(図6のステップ49)。
続いて、浸透転送モードをあらわす“10”に変更されたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームに、それを所定の確率のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものあるいは廃棄されるものとなす制御を行う確率処理を施す(図6のステップ50)。
確率処理にあたっては、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先BDがあらわすバジェット(ヘッダ送信先バジェット)と、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存された、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先(例えば、通信端末装置TE2)についてのバジェット(保存送信先バジェット)とを比較して、それにより得られる比較結果から、当該SRCDSTモードのフレームが、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先に近付いているのか、送信先から遠ざかっているのか、あるいは、送信先に近付いても送信先から遠ざかってもいないのかを判別する。
斯かる際には、例えば、比較されるヘッダ送信先バジェットと保存送信先バジェットとが、ヘッダ送信先バジェットの絶対値が保存送信先バジェットの絶対値より大であるとき、当該SRCDSTモードのフレームが送信先に近付いているとし、ヘッダ送信先バジェットの絶対値が保存送信先バジェットの絶対値より小であるとき、当該SRCDSTモードのフレームが送信先から遠ざかっているとし、ヘッダ送信先バジェットの絶対値と保存送信先バジェットの絶対値とが等しいとき、当該SRCDSTモードのフレームが送信先に近付いても送信先から遠ざかってもいないとする。
その結果、当該SRCDSTモードのフレームが送信先に近付いているときには、当該SRCDSTモードのフレームについての中継確率(転送確率/浸透確率)を、例えば、1/3に設定された基準確率の2倍、即ち、2/3とし、当該SRCDSTモードのフレームが送信先から遠ざかっているときには、当該SRCDSTモードのフレームについての中継確率(転送確率/浸透確率)を、例えば、1/3に設定された基準確率の1/2倍、即ち、1/6とし、当該SRCDSTモードのフレームが送信先に近付いても送信先から遠ざかってもいないときには、当該SRCDSTモードのフレームについての中継確率(転送確率/浸透確率)を、例えば、1/3に設定された基準確率とする。
また、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先(例えば、通信端末装置TE2)についてのバジェット(保存送信先バジェット)が保存されていず、ヘッダ送信先バジェットと保存送信先バジェットとの比較を行うことができない場合には、当該SRCDSTモードのフレームについての中継確率(転送確率/浸透確率)を、例えば、1(100パーセント)とする。
そして、このようにして設定した中継確率(転送確率/浸透確率)をもって、当該SRCDSTモードのフレームを排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものあるいは廃棄されるものとなす。
次に、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたSRCDSTモードのフレームについて、それに含まれる送信先BDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存された、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先(例えば、通信端末装置TE2)についてのバジェット(保存送信先バジェット)をあらわすものとする。それに加えて、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを、200だけ減じる。(図6のステップ45)。
それにより、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームのうちの、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたものは、例えば、図7のE及びFに示されるような、浸透転送モードをあらわす“10”とされたTM情報、通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、−1200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、−400とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて処理済ヘッダ領域が形成され、さらに、その処理済ヘッダ領域に情報領域が続くものとされる。そして、一時メモリ部15において、斯かる処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。
続いて、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された、通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、−1200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID、及び、例えば、−400とされたバジェットをあらわすBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。
そして、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、浸透転送モードをあらわす“10”とされたTM情報、通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID,例えば、−1200とされる送信先についてのバジェットをあらわす送信先BD,通信端末装置TE1が送信元であることをあらわす送信元ID,例えば、−400とされたバジェットをあらわすBD、及び、他の情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、浸透転送モードをあらわす“10”とされたTM情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての確率的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる(図6のステップ47)。
これに対して、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームのうちの、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに廃棄されるものとされたものについては、排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとすることなく、廃棄処分を施す。
一方、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、拡散転送モードのものであるかの判断(図6のステップ41)の結果、拡散転送モードのものでない場合には、当該フレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報により、当該フレームが、収束転送モードのものであるか否かを判断する(図6のステップ51)。その結果、当該フレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報が、例えば、図7のDに示される中継フレームヘッダ領域の場合のように、収束転送モードをあらわす“01”とされていて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが収束転送モードのものであるときには、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先が、登録された通信端末装置として、それに関する情報が主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存されているものか否かを判断する(図6のステップ52)。
その結果、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先が、登録された通信端末装置として、それに関する情報が主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存されているものである場合には、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームを、通信端末向けの排出用フレーム化データとして、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報,通信端末装置TE2が送信先であることをあらわす送信先ID等が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、通信端末間送受信部12から送信され、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先の通信端末装置へのデータ送信が行われることになる(図6のステップ53)。
また、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先が、登録された通信端末装置として、それに関する情報が主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存されているものか否かの判断(図6のステップ52)の結果、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先が、登録された通信端末装置として、それに関する情報が主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存されているものでない場合には、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、収束転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、変更することなく、収束転送モードをあらわす“01”とする(図6のステップ48)。
次に、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを200だけ減じる。(図6のステップ45)。それにより、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームは、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報,200だけ減じられたバジェットをあらわす送信先BD等が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて処理済ヘッダ領域が形成され、さらに、その処理済ヘッダ領域に情報領域が続くものとされる。そして、一時メモリ部15において、斯かる処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。
続いて、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された、送信先ID,送信先BD,送信元ID及びBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。そして、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。
その結果、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての収束的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる(図6のステップ47)。
さらに、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームが、収束転送モードのものであるかの判断(図6のステップ51)の結果、収束転送モードのものでない場合には、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームは、浸透転送モードのものであることになるので、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす、例えば、通信端末装置TE2とされる送信先についてのバジェットが存在し、それが0より大であるか否かを判断する(図6のステップ54)。
その結果、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在しないか、あるいは、存在するが0もしくは0より小であるときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、浸透転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、変更することなく、浸透転送モードをあらわす“10”とする(図6のステップ49)。
続いて、浸透転送モードをあらわす“10”に変更されたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームに、それを所定の確率のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものあるいは廃棄されるものとなす制御を行う確率処理を施す(図6のステップ50)。斯かる確率処理については、前述の場合と同様に行い、当該SRCDSTモードのフレームについての中継確率(転送確率/浸透確率)を設定する。そして、このようにして設定した中継確率(転送確率/浸透確率)をもって、当該SRCDSTモードのフレームを排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものあるいは廃棄されるものとなす。
次に、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたSRCDSTモードのフレームについて、それに含まれる送信先BDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存された、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先(例えば、通信端末装置TE2)についてのバジェット(保存送信先バジェット)をあらわすものとする。それに加えて、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを、200だけ減じる。(図6のステップ45)。
それにより、一時メモリ部15において、それに一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームのうちの、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとされたものを構成する排出用フレーム化データが得られる。そして、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された、送信先ID,送信先BD,送信元ID及びBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。
続いて、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、浸透転送モードをあらわす“10”とされたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、浸透転送モードをあらわす“10”とされたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての確率的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる(図6のステップ47)。
これに対して、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームのうちの、上述の中継確率(転送確率/浸透確率)のもとに廃棄されるものとされたものについては、排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとすることなく、廃棄処分を施す。
一方、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在し、それが0より大であるか否かの判断(図6のステップ54)の結果、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに履歴情報として保存された、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先についてのバジェットが存在し、それが、0より大であるときには、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームについての転送モード情報を、収束転送モードをあらわすものに設定する。そして、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたTM情報を、拡散転送モードをあらわす“11”から、収束転送モードをあらわす“01”に変更する(図6のステップ48)。
続いて、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットを200だけ減じる。(図6のステップ45)。それにより、一時メモリ部15に一時的に格納されたSRCDSTモードのフレームは、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報及び他の識別情報が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて処理済ヘッダ領域が形成され、さらに、その処理済ヘッダ領域に情報領域が続くものとされる。そして、一時メモリ部15において、斯かる処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データが得られる。そして、一時メモリ部15において得られる排出用フレーム化データが構成するSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先ID,送信先BD,送信元ID及びBDを、主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存する(図6のステップ46)。
次に、一時メモリ部15において得られる、上述の処理済ヘッダ領域及び情報領域が配されたSRCDSTモードのフレームを構成する排出用フレーム化データを、一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものとなす。その結果、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報及び他の識別情が配された中継フレームヘッダ領域に、フレームヘッダ領域が続いて形成される処理済ヘッダ領域と、情報領域とを含んだSRCDSTモードのフレームに基づく出力通信信号が、中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかから送信され、収束転送モードをあらわす“01”とされたTM情報及び他の識別情が配された中継フレームヘッダ領域,フレームヘッダ領域及び情報領域を含んだSRCDSTモードのフレームについての収束的転送が行われて、当該SRCDSTモードのフレームの中継が行われることになる(図6のステップ47)。
上述のように、図1に示される例により形成される中継ノードにおいては、動作制御部20が、一時管理部16及び主管理部18に、通信端末間送受信部12もしくは中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかからの入力情報信号に基づいてフレーム処理部14から得られる格納用フレーム化データが構成するフレームが検出されるとき、その検出されたフレームにおけるヘッダ領域に配された転送モード情報及び特定の識別情報と主メモリ部17に構築される履歴情報データベースに保存された履歴情報とに基づいて、検出されたフレームにおけるヘッダ領域に配されるべき転送モード情報を、拡散転送モード,浸透転送モード及び収束転送モードのうちのいずれかをあらわすものに設定し、検出されたフレームを、そのヘッダ領域に設定された転送モード情報が配されたフレームとする制御を行わせる。それに加えて、そのフレームを、設定された転送モード情報に応じて、排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるもの、あるいは、所定の確率のもとに排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるものあるいは廃棄されるものとなす制御、もしくは、検出されたフレームを、それにおけるヘッダ領域に配された転送モード情報及び特定の識別情報と主メモリ部17に構築される履歴情報データベースに保存された履歴情報とに応じて廃棄する制御をも行わせる。そして、設定された転送モード情報が配されたヘッダ領域を含んだフレームが排出用フレーム化データとして一時メモリ部15からフレーム処理部14に排出されるときには、フレーム処理部14がその排出用フレーム化データに基づく出力情報信号を通信端末間送受信部12もしくは中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかに供給し、通信端末間送受信部12もしくは中継ノード間送受信部13a〜13nのいずれかからその出力情報信号に基づく出力通信信号が送信され、それによって、検出されたフレームが、設定された転送モード情報が配されたヘッダ領域を含んだフレームとして転送されることになる。
このようにして、図1に示される例により形成される中継ノードにあっては、受信された入力通信信号に基づいて得られるヘッダ領域と情報領域とを含んだフレームが検出されるとき、そのフレームが、転送されるべきものである場合には、拡散転送モード,浸透転送モードあるいは収束転送モードをあらわす転送モード情報が配されたヘッダ領域を含んだフレームとして転送され、また、転送される必要がないものである場合には、廃棄されることになる動作が、自律的に行われる。そして、このような動作は、受信された入力通信信号に基づいて得られるヘッダ領域と情報領域とを含んだフレームに関する通信経路情報の通信が必要とされることなく、また、当該フレームについての転送回数(転送段数)の如何に関わらず実行される。
それゆえ、図1に示される例により形成される中継ノードが、無線メッシュ・ネットワークにおける複数の中継ノードの夫々を形成するものとされるときには、送信元からの通信情報が、中継ノードによる中継を、その段数が処理通信情報量の面からの制約を受けることなく自由に設定され得るもとで受けるものとされて、送信先に到達せしめられる。それにより、送信元からの通信情報についての長距離に亙る多段中継通信が可能とされ、長距離通信が実現されることになる。
図8は、それを構成する多数の中継ノードの各々が、例えば、上述された図1に示される例により形成されたものとされる無線通信ネットワークにおける、送信元から送信先までの通信信号の中継状態の一例を概念的にあらわす。
図8においては、通信端末装置TE1が送信元とされて、別の通信端末装置TE2が送信先とされており、送信元の通信端末装置TE1から送信先の通信端末TE2に向けた通信が行われる。各々がNDという文字を囲むものとされた多数の円は、夫々が、図1に示される例により形成された中継ノードをあらわしている。通信が行われる際には、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に対応するフレーム化データが構成するフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されるバジェットは、例えば、初期値を1000とし、中継ノードを通過するごとに一定の値、例えば、200だけ減じられるものとされる。
送信元である通信端末装置TE1とそれに対して比較的近い位置に配置された複数の中継ノードは、同じノード群に所属している。以下、このようなノード群をクラウド(Cloud)と呼ぶこととする。上述の通信端末装置TE1とそれに対して比較的近い位置に配された複数の中継ノードが所属するクラウドはクラウドCdである。
クラウドCdに所属する複数の中継ノードの一部における、図1に示される主メモリ部17に構築される履歴情報データベースには、送信元である通信端末装置TE1に関する情報が、通信端末装置TE1を登録された通信端末装置と認定するものとして保存されている。そして、クラウドCd内の複数の中継ノードの夫々は、通信端末装置TE1から発信された通信信号を入力通信信号として受信するとき、通信端末装置TE1から発信された通信信号に基づいて、図1に示される一時メモリ部15に一時的に格納されるSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、200より大であることになるものとされる。
このようなクラウドCd内の複数の中継ノードは、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームを、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された転送モード情報が拡散転送モードをあらわす2ビットデータ“11”とされる拡散転送モードのものとして、順次中継して拡散させていく、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームについての拡散的送信を行う。そして、クラウドCdの外周縁部に位置する中継ノードは、クラウドCd外に対して、拡散された擬似送信元としての役割を果たす。それゆえ、クラウドCdは、拡散クラウドということができる。
クラウドCdの外部には、それに続く中継ノード群であるクラウドCpに属する複数の中継ノードが配置されている。クラウドCp内の複数の中継ノードの夫々は、クラウドCdを経た通信端末装置TE1から発信された通信信号を入力通信信号として受信するとき、通信端末装置TE1から発信された通信信号に基づいて、図1に示される一時メモリ部15に一時的に格納されるSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配されたBDがあらわすバジェットが、0もしくは0より小(負の値)であることになるものとされる。
そして、クラウドCp内の複数の中継ノードは、クラウドCdの外周縁部に位置して拡散された擬似送信元としての役割を果たす中継ノードを経たものとされる、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームを、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された転送モード情報が浸透転送モードをあらわす2ビットデータ“10”とされる浸透転送モードのものとして、所定の確率のもとに中継して浸透させていく、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームについての確率的送信を行う。
即ち、クラウドCp内にあっては、それに所属する中継ノードの夫々において、クラウドCdを経た送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームが、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先BDがあらわすバジェット(ヘッダ送信先バジェット)と、図1に示される主メモリ部17内に構築される履歴情報データベースに保存された、当該SRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された送信先IDがあらわす送信先、即ち、通信端末装置TE2についてのバジェット(保存送信先バジェット)との比較結果に応じて設定される中継確率をもって、浸透転送モードのフレームとして中継されて浸透していくものとされる状態、あるいは、中継されることなく廃棄されてしまう状態がとられる。このようなクラウドCpは、浸透クラウドということができる。
クラウドCpには、送信先である通信端末装置TE2とそれに対して比較的近い位置に配置された複数の中継ノードが所属するクラウドCcが続いている。クラウドCcに所属する複数の中継ノードの一部における、図1に示される主メモリ部17に構築される履歴情報データベースには、送信先である通信端末装置TE2に関する情報が、通信端末装置TE2を登録された通信端末装置と認定するものとして保存されている。そして、クラウドCc内の複数の中継ノードの夫々は、通信端末装置TE1から発信された通信信号を入力通信信号として受信し、受信された入力通信信号に基づいて得られるSRCDSTモードのフレームに基づいて形成される出力通信信号を送信するとき、出力通信信号の形成に供されるSRCDSTモードのフレームに含まれる中継フレームヘッダ領域に配される送信先BDがあらわすバジェットが、一定の値、例えば、200より大であることになるものとされる。
このようなクラウドCc内の複数の中継ノードは、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームを、それに含まれる中継フレームヘッダ領域に配された転送モード情報が収束転送モードをあらわす2ビットデータ“01”とされる収束転送モードのものとして、送信先である通信端末装置TE2に向けて順次中継して収束させていく、もしくは、送信先である通信端末装置TE2へと送り出すこととする、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号に基づくSRCDSTモードのフレームについての、送信先に向けての収束的送信を行う。それゆえ、クラウドCcは、収束クラウドということができる。
このようにして、図8に示される例においては、送信元の通信端末装置TE1からの通信信号が、クラウドCdにおける拡散的送信が行われる状態、クラウドCpにおける確率的送信が行われる状態、及び、クラウドCcにおける送信先に向けての収束的送信が行われる状態を経て、送信先の通信端末装置TE2に到達するものとされる。その結果、送信元の通信端末装置TE1からの通信情報が、各中継ノードによる中継を、その段数が処理通信情報量の面からの制約を受けることなく自由に設定され得るもとで受けるものとされて、送信先の通信端末装置TE2に到達せしめられ、それにより、送信元からの通信情報についての長距離に亙る多段中継通信が可能とされて、長距離通信が実現されることになる。
11a〜11i〜11nx・・・中継ノード, 12・・・通信端末間送受信部, 13a〜13n・・・中継ノード間送受信部, 14・・・フレーム処理部, 15・・・一時メモリ部, 16・・・一時管理部, 17・・・主メモリ部, 18・・・主管理部, 20・・・動作制御部