JP2006343145A - 風速予測装置および風速予測方法、並びにそれを利用した作業安全判定装置および作業安全判定方法 - Google Patents
風速予測装置および風速予測方法、並びにそれを利用した作業安全判定装置および作業安全判定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】作業場所である所定の上空位置の予測風速を良好に得る。また、予測風速を用いて求められる平均風速によって作業場所での安全性を確保する。
【解決手段】CPU11は、風速測定器17で測定した地上位置の風速と、操作キー14による作業場所の高さおよび環境の情報入力に基づいて、所定の関係式を用いて作業場所の予測風速を取得する。CPU11は、その予測風速をもとにして作業場所の平均風速を計算し、その平均風速が作業が危険とされる所定の風速を超えていないかを判断する。さらに、CPU11は、作業場所の平均風速が所定の風速を超えていた場合に、ブザー16から警告としてのブザー音を出力させる。
【選択図】 図1
【解決手段】CPU11は、風速測定器17で測定した地上位置の風速と、操作キー14による作業場所の高さおよび環境の情報入力に基づいて、所定の関係式を用いて作業場所の予測風速を取得する。CPU11は、その予測風速をもとにして作業場所の平均風速を計算し、その平均風速が作業が危険とされる所定の風速を超えていないかを判断する。さらに、CPU11は、作業場所の平均風速が所定の風速を超えていた場合に、ブザー16から警告としてのブザー音を出力させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、例えば作業場所としての所定の上空位置の風速を予測する風速予測装置および風速予測方法、並びにそれを利用した作業安全判定装置および作業安全判定方法に関する。
詳しくは、この発明は、所定の上空位置に対応した地上位置の風速とこの所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、この上空位置の予測風速を取得することによって、この所定の上空位置における予測風速を良好に得ることができるようにした風速予測装置等に係るものである。
例えば、電柱工事のように、地上から離れた上空で作業をする際、作業場所としての上空位置の風速によっては作業が危険となり、落下や感電事故の発生が危惧される。そこで、作業場所における風速を測定することが作業場所での安全性を図るためになされている。
従来、種々の風速測定装置が知られている。例えば、特許文献1には、測定の正確性、携帯性、小型性を特徴とした風速測定装置が記載されている。
従来の風速測定装置は、当該風速測定装置を測定箇所に設置し、この測定箇所の風速を測定するものである。そのため、例えば、上述した作業場所としての上空位置の風速を測定する場合には、当該作業場所まで風速測定装置を運んでいかなければ測定ができないという問題があった。
この発明の目的は、所定の上空位置の予測風速を良好に得ることができる風速予測装置等を提供することにある。また、この発明の他の目的は、作業場所としての所定の上空位置の予測風速を用いて、作業場所での安全が確保されないと判断する場合に的確に警告を発生する作業安全判定装置等を提供することにある。
この発明の概念は、
風速予測箇所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、上記所定の上空位置の予測風速を取得する予測風速取得部と
を備える風速予測装置にある。
風速予測箇所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、上記所定の上空位置の予測風速を取得する予測風速取得部と
を備える風速予測装置にある。
またこの発明の概念は、
作業場所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記作業場所の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて上記作業場所の予測風速を取得する予測風速取得部と、
上記予測風速取得部で取得された上記作業場所の予測風速に基づいて上記作業場所の平均風速を求める平均風速算出部と、
上記平均風速算出部で求められた上記作業場所の平均風速が所定の風速以上となるか否かを判断する判断部と、
上記判断部で上記作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されるとき、上記作業場所における作業が安全でないことを示す警告を発生する警告発生部と
を備える作業安全判定装置にある。
作業場所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記作業場所の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて上記作業場所の予測風速を取得する予測風速取得部と、
上記予測風速取得部で取得された上記作業場所の予測風速に基づいて上記作業場所の平均風速を求める平均風速算出部と、
上記平均風速算出部で求められた上記作業場所の平均風速が所定の風速以上となるか否かを判断する判断部と、
上記判断部で上記作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されるとき、上記作業場所における作業が安全でないことを示す警告を発生する警告発生部と
を備える作業安全判定装置にある。
この発明においては、作業場所である風速予測箇所としての所定の上空位置の風速を予測するにあたって、作業場所としての所定の上空位置に対応した地上位置における風速が風速測定器を用いて測定され、またユーザーによってその作業場所の高さおよび環境の情報が入力される。これらの作業場所の高さおよび環境の情報は、当該作業場所の風速に影響を与える。一般に、作業場所の高さが高い程、風速の値が大きくなる。
環境の情報とは、例えば、作業場所が平地の上空であるか山間部の上空であるかを示す第1の情報と、作業場所の周囲に建物または樹木が存在するか否か、建物および樹木が存在するとき、この建物または樹木の高さが作業場所より高いか否かを示す第2の情報からなる。一般に、山間部では突風が吹くことがあり、作業場所の風速は平地より大きくなる。また一般に、作業場所周囲の建物等の存在、およびその建物等の作業場所に対する高低は、作業場所の風速に影響を与えることが知られている。
上述の地上位置の風速、並びに作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて、作業場所の予測風速が取得される。例えば、作業場所の地上位置の風速をD、上述の第1の情報で決まる係数をX,上述の作業場所の高さおよび第2の情報で決まる係数をYとするとき、作業場所の予測風速Pは、P=D*X*Yの関係式を満たすものとされる。
上述したように、この発明では、作業場所(測定箇所としての所定の上空位置)に対応した地上位置の風速とこの作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて、作業場所の予測風速が取得されるため、作業場所の予測風速を良好に得ることができる。これにより、地上にいながらにして作業場所である上空位置の予測風速を得ることが可能となり、わざわざ作業場所に行って風速を測定しなくてもよくなる。
また、上述のように取得された作業場所の予測風速に基づいて、作業場所の平均風速が求められる。作業場所の平均風速は、例えば以下のものとされる。すなわち、予測風速を取得することが開始されて一定時間、例えば10分が経過した場合は、過去一定時間で取得された予測風速の平均値と、過去上記一定時間より短い時間、例えば3分間に取得された予測風速の最大値の0.7倍のうち、値の大きな方が作業場所の平均風速とされる。また、予測風速を取得することが開始されてから一定時間が経過していない場合は、過去取得された予測風速の最大値の0.7倍が作業場所の平均風速とされる。このように、一定時間が経過するまでは、過去一定時間の予測風速の平均値を求めることができないため、過去取得された予測風速の最大値のみが用いられる。
上述のように求められた作業場所の平均風速が、所定の風速、つまり、作業するにあたって危険と判断される風速以上となるか否かが判断される。そして、平均風速が所定の風速以上となっている場合には、作業場所における作業が安全でないことを示す警告が発せられる。
例えばブザー音による警告、発光による警告、振動による警告、文字等の表示による警告等が考えられる。上述したように、この発明では、作業場所の予測風速から求められる平均風速が所定の風速以上である場合には警告を発生するものであり、作業が危険であることを瞬時に知らせることができる。
なお、警告発生部は、作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されたとき警告を発生するための無線信号を送信する無線送信部と、この無線信号を受信して警告を発生する無線受信部とを有するものであってもよい。この場合、送信部を含む作業安全判定装置の本体は地上に置くものの、作業場所で作業する作業者に無線受信部を携帯させることで、作業者に警告の発生を良好に知らせることができる。
この発明によれば、所定の上空位置に対応した地上位置の風速と、この所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、この所定の上空位置の予測風速を取得するものであり、この所定の上空位置の予測風速を良好に得ることができる。またこの発明によれば、作業場所としての所定の上空位置の予測風速を用いて求められる作業場所の平均風速が所定の風速以上となる場合に警告を発生するものであり、作業場所の作業の安全が確保されないと判断する場合に的確に警告を発生でき、作業の安全性を確保することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態としての、作業安全判定装置10の構成を示している。この作業安全判定装置10は、図2に示すように、作業場所WPとしての所定の上空位置に対応した地上位置、つまり作業場所WPの真下あるいはその近辺の地上位置に配置されて使用される。
この作業安全判定装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、操作キー14と、表示部15と、ブザー16と、風速測定器17とを有しており、これらはバス18に接続されている。
CPU11は、装置全体の動作を制御するものであり、RAM12はCPU11のプログラム実行におけるワークエリア等として使用され、ROM13にはCPU11が必要に応じて読み出すことができるプログラムやデータ等が格納されている。CPU11は、ROM13に格納されているデータを必要に応じて読み出し、RAM12において展開して処理を行う。
操作キー14は、ユーザーが情報を入力する情報入力部として機能し、キーボード、タッチパネル等で構成される。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示器によって構成されている。
風速測定器17は、上述したように、作業安全判定装置10が作業場所WPに対応した地上位置に配置されるとき、この地上位置の風速を測定し、その測定値をCPU11に送る。この風速測定器17としては、従来周知の種々の風速計、例えばプロペラ型風向風速計、3杯型風速計、超音波型風速計等を用いることができる。なお、図2は3杯型風速計を示している。
ユーザーは、操作キー14を用いて、作業場所WPの高さおよび環境の情報を入力する。これらの情報は、作業場所WPの予測風速Pを取得する際に用いられる。
作業場所の風速は一般にその高さが高くなるにつれて大きくなることから、作業場所WPの高さの情報は、作業場所の予測風速Pを取得する際の重要な情報となる。例えば、ユーザーは表示部15の表示を参照して、操作キー14によって、作業場所WPの高さを示す値を直接入力するか、あるいは高さに関連した複数の作業内容から所定の作業内容を選択することで、作業場所WPの高さの情報を入力する。作業場所内容を選択して作業場所の高さの情報を入力することで、ユーザーは個人差なく、比較的正確な高さ情報を入力することができる。
ここで、作業内容を選択することで作業場所WPの高さの情報を入力する場合、例えば表示部15には、図3Bに示すように、引き込み線の作業、変台・低圧線の作業、高圧線の作業が選択項目として表示される。引き込み線の作業が選択された場合、作業場所の高さは8m以下と特定される。また、変台・低圧線の作業が選択された場合、作業場所の高さは8〜11mと特定される。さらに、高圧線の作業が選択された場合、作業場所の高さは11m以上と特定される。
なお、図3Aは、作業場所の高さを示す値をユーザーが直接入力する場合における表示部15の表示例を表している。
ユーザーは、環境の情報として、第1の情報および第2の情報を入力する。第1の情報は、作業場所WPが、平地の上空であるか山間部の上空であるかという情報である。山間部には、山間部特有の突風が吹くため、作業場所WPが、平地の上空か、山間部の上空かは、作業場所WPの予測風速Pを取得する際の重要な情報となる。例えば、ユーザーは、表示部15の表示を参照して、操作キー14により平地または山間部を選択することで、当該第1の情報を入力する。
図4は、この場合における表示例であり、表示部15には、平地、山間部が選択項目として表示される。
第2の情報は、所定の上空位置の周囲に建物または樹木(以下、「建物等」という)が存在するか否か、および建物等が存在するときそれが作業場所WPより高いか否かという情報である。この情報は作業場所WPの予測風速Pを取得する際の重要な情報となる。
すなわち、作業場所の周囲に建物等がないとき、例えば海沿い等にあっては、地表抵抗が少なく、地上位置と作業場所との風速差は小さい。また、作業場所の周囲に建物等があり、それが作業場所より高い場合には、建物等が風を遮るが作業場所に風の乱れが影響する。また、作業場所の周囲に建物等があり、それが作業場所より低い場合には、地上位置と作業場所との風速差は大きくなる。例えば、ユーザーは、表示部15の表示を参照して、操作キー14により、(a)「建物・樹木なし」、(b)「建物・樹木あり、建物等より作業場所が低い」、(c)「建物・樹木あり、建物等より作業場所が高い」のいずれかを選択することで、当該第2の情報を入力する。図5は、この場合における表示例であり、表示部15には(a)〜(c)が選択項目として表示される。
CPU11は、風速測定器17で測定された地上位置の風速、並びにユーザーが操作キー14を操作することで入力された作業場所WPの高さおよび環境の情報に基づいて、作業場所WPの予測風速Pを取得する。この場合、CPU11は、予測風速取得部を構成している。CPU11は、例えば、地上位置の風速をD、第1の情報で決まる第1の係数をX、作業場所WPの高さおよび第2の情報で決まる第2の係数をYとするとき、作業場所WPの予測風速Pを、P=D*X*Yの関係式を用いて算出する。
第1の係数Xおよび第2の係数Yは、それぞれ、ROM13に予め格納されている。この実施の形態において、第1の係数Xとして、作業場所が平地の上空であるときは「1.0」が用いられ、作業場所が山間部の上空であるときは「1.1」が用いられる。上述したように、山間部には、山間部特有の突風が吹くことから、作業場所が平地の上空である場合より、作業場所が山間部の上空である場合の方が、係数Xの値は大きくされている。
また、この実施の形態において、第2の係数Yは、図6のテーブルに示すように、設定されている。すなわち、作業場所の高さが8m以下である場合、第2の係数Yとして、作業場所周囲に建物等がないときは「1.00」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が低いときは「1.05」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が高いときは「1.20」が用いられる。
また、作業場所の高さが8〜11mである場合、第2の係数Yとして、作業場所周囲に建物等がないときは「1.10」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が低いときは「1.10」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が高いときは「1.26」が用いられる。
さらに、作業場所の高さが11m以上である場合、第2の係数Yとして、作業場所周囲に建物等がないときは「1.15」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が低いときは「1.15」が用いられ、作業場所周囲に建物等があり、その建物等より作業場所が高いときは「1.33」が用いられる。
上述したように、作業場所の風速は一般にその高さが高くなるにつれて大きくなることから、図6に示すように、作業場所が高くなるにつれて、第2の係数Yは大きくされている。
また、上述したように、作業場所周囲の建物等の存在、およびその建物等の作業場所に対する高低が作業場所の風速に影響を与えることから、これらの情報に対応して第2の係数Yの値が変化するようにされている。
また、CPU11は、上述したように算出された作業場所WPの予測風速Pに基づいて、作業場所WPの平均風速Qを求める。この場合、CPU11は、平均風速算出部を構成している。
CPU11は、上述の予測風速Pの算出が開始されてから、一定時間、例えば10分が経過するまでは、A方法で、作業場所WPの平均風速Qを求める。例えば、このA方法では、過去に算出された予測風速Pの最大値の0.7倍を作業場所WPの平均風速Qとする。
また、CPU11は、上述の予測風速Pの算出が開始されてから、一定時間が経過した後は、B方法で作業場所WPの平均風速Qを求める。例えば、このB方法では、過去一定時間に算出された予測風速Pの平均値、または過去上述の一定時間より短い時間、例えば3分間に算出された予測風速Pの最大値の0.7倍のうち、値の大きい方を平均風速Qとする。
CPU11は、上述したように作業場所の予測風速Pを算出すること、およびこの予測風速Pに基づいて作業場所WPの平均風速Qを求めることを、繰り返し実行する。そして、CPU11は、算出された作業場所WPの平均風速Qが、所定の風速以上、例えば10m/s以上であるか否かを判断し、作業場所WPの平均風速Qが10m/s以上であるとき、ブザー16を制御し、警告としてのブザー音を出力させる。この所定の風速としては、例えば作業の安全性を確保し得る最大の風速が用いられる。一般的に、作業が危険とされる風速は、10m/sであるとされる。この場合、CPU11は、判断部を構成している。また、ブザー16は、警告発生部を構成している。
図1に示す作業安全判定装置10における、CPU11の制御動作を、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップST1で、動作を開始し、ステップST2に進む。このステップST2では、ユーザーが、例えば表示部15の表示に基づいて、操作キー14を操作し、上述したように作業場所WPの高さおよび環境の情報を入力する。このユーザーの情報入力の操作により、CPU11は、作業場所WPの高さおよび環境の情報(第1の情報および第2の情報)を取得する。
次に、ステップST3で、上述したP=D*X*Yの関係式を用いて、作業場所WPの予測風速Pを算出する。この場合、CPU11は、ステップST2で取得された作業場所WPの高さおよび環境の情報に対応した、係数X,Yの値を、ROM13から読み出して使用する。
次に、ステップST4で、CPU11が予測風速Pの算出を開始してから10分が経過したか否かを判定する。10分が経過した場合は、ステップST8で上述したA方法を用いて平均風速Qを求め、10分が経過していない場合は、ステップST5で上述したB方法を用いて平均風速Qを求める。
次に、ステップST6で、CPU11は、ステップST5もしくはステップST8で求められた平均風速Qが10m/s以上であるかを判断する。上述したように、一般的に、作業場所である上空位置の平均風速が10m/sの場合、作業をすることが危険であるとされているためである。
平均風速が10m/s以上でない場合、CPU11はステップST3へ戻り、上述したように作業場所WPの予測風速Pを算出すること、およびこの予測風速Pに基づいて作業場所WPの平均風速Qを求めることを、繰り返し実行する。
一方、平均風速が10m/s以上である場合、CPU11は、ステップST7で、ブザー16を制御して警告としてのブザー音を出力させて、作業場所WPの平均風速Qが10m/sを超えたことをユーザーに知らせるようにする。
図8Aは、このように警告が発生されたときの表示部15の表示例を表している。なお、図8Bは、作業場所WPの平均風速Qが10m/sより小さく、CPU11が安全と判断した場合の表示部15の表示例を表している。
図1に示す作業安全判定装置10によれば、風速測定器17で測定した地上位置の風速と、ユーザーによる情報入力によって取得した作業場所WPの高さおよび環境の情報とをもとにして作業場所WPの予測風速Pを算出しているので、作業場所WPの予測風速Pを良好に取得できる。
また、上記作業場所WPの予測風速Pを用いて作業場所WPの平均風速Qを算出し、その平均風速Qが、作業が危険とされる所定の風速、例えば10m/s以上である場合にはブザー音で警告を発生するので、ユーザーに作業が危険であることを瞬時に知らせることができる。この場合、予測風速Pを用いるため、作業場所WPである所定の上空位置に行かなくてもよく、作業の安全性を良好に確保することができる。
次に、第2の実施の形態を説明する。図9は第2の実施の形態である作業安全判定装置20の構成を表している。この図9において図1と対応する部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
図9の作業安全判定装置20は、図1の作業安全判定装置10の構成に加えて、送信アンテナ22を備えた送信部21と、受信アンテナ24およびブザー25を備えた受信部23とをさらに有している。これら送信部21および受信部23は警告発生部を構成している。
送信部21はバス18に接続されている。CPU11は作業場所WPの平均風速Qが所定の風速以上であると判断した場合、送信部21を制御し、送信アンテナ22から警告を発生するための無線信号が送信されるようにする。
受信部23は作業安全判定装置20の本体とは別体で設けられ、作業者の携帯が可能とされている。この受信部23は、受信アンテナ24で、上述したように送信部21によって送信された無線信号を受信し、ブザー25から警告としてのブザー音を出力する。
図9に示す作業安全判定装置20における、CPU11の制御動作を、図10のフローチャートを用いて説明する。図10においても、図7と対応する部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
平均風速Qが、作業が危険であるとされる所定の風速10m/s以上であると判断するとき、ステップST9において、CPU11は、送信部21を制御し、警告を発生するための無線信号が送信されるようにする。その他のステップについては、上述の図7のフローチャートと同じである。
図9に示す作業安全判定装置20によれば、図2にあるように、例えば作業者が作業場所WPで作業を開始した後であっても、作業者が受信部23を携帯していれば、この受信部23のブザー25からのブザー音によって、作業場所WPにおける平均風速Qが所定の風速以上となって危険であることを、作業者に瞬時に、かつ聴き漏らしのおそれなく知らせることができる。
なお、上述の実施の形態においては、CPU11は警告を発生すると同時に判定を終了していたが、風速は常に変化するものであり、警告を発生した後に風速が小さくなることも考えられる。そこで、CPU11が警告を発生した後、一定時間経過後にCPU11が自動的に再度判定を行うようにするか、もしくは、ユーザー自身が所定時間経過後に再度判定を行うように指示できるようにしてもよい。この場合、CPU11が図7および図10のステップST3から再び処理を始めるようにすれば、ユーザーは再度作業場所の高さおよび環境の情報を入力する必要がなくなる(図7および図10のステップST2参照)。
また、上述の実施の形態においては、CPU11が作業場所における作業が安全でないことを警告する際、ブザー16、25を用いたが、ブザーの代りに、音声による警告、発光による警告、振動による警告を用いてもよい。
また、上述の実施の形態において、CPU11は、作業場所WPの予測風速Pを取得することが開始されてから10分が経過したか否かで平均風速Qの求め方を分けていたが、経過時間は10分に限定されない。すなわち、上述実施の形態では過去10分間の予測風速Pの平均値を求めることから10分としているが、この10分が他の一定時間であれば、当該一定時間が経過したか否かで平均風速Qの求め方を分けることになる。
また、上述の実施の形態において、CPU11は、作業場所WPの高さおよび環境の情報に対応した係数X,YをROM13から読み出し、関係式に当てはめて作業場所WPの予想風速Pを算出している。
この方法に限らず、予め考えられる係数X,Y,Dの値をそれぞれ組み合わせて上記関係式を用いて予測風速Pを算出し、その値をメモリ上にテーブルとして記憶させておいてもよい。このテーブルを用いることで、毎回関係式を用いて算出するよりも、効率よくかつ速く作業場所WPの予測風速Pを取得することができる。
また、上述の実施の形態においては、地上から離れた上空での電柱工事の作業を想定して本発明を説明したが、この発明の適用範囲は上記作業に限られない。本発明は他の用途にも利用することができる。例えば、ビルの窓掃除、パラグライダーなどの風を使って楽しむスポーツ等においても、地上にいながら地上から離れた上空の風速を知り、安全性を判定できれば便利である。
また、上述の実施の形態においては、ユーザーが情報入力部である操作キー14を用いて入力する情報の1つとして作業場所の高さがあるが、その高さの入力を、例えば図3Bに示すように、引き込み線、変台・低圧線、高圧線の作業内容を選択することで、個人差なく、比較的正確に高さの情報を入力できることを説明した。
上述した他の用途で本発明を用いる場合に、測定位置付近に電線がない場合も考えられ、高さの目安が分かりづらい。そこで、例えば、ビルの窓掃除の場合においては、高さの選択項目として、階数範囲の項目を設けてもよい。
この発明は、地上にいながらにして上空にある作業場所の風速を予測できるものであり、配電設備の工事における作業の安全管理業務に適用できる。
10、20…作業安全判定装置、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…操作キー、15…表示部、16、25…ブザー、17…風速測定器、18…バス、21…送信部、22…送信アンテナ、23…受信部、24…受信アンテナ、WP…作業場所
Claims (8)
- 風速予測箇所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、上記所定の上空位置の予測風速を取得する予測風速取得部と
を備えることを特徴とする風速予測装置。 - 上記環境の情報は、
上記所定の上空位置が、平地の上空であるか山間部の上空であるかを示す第一の情報と、
上記所定の上空位置の周囲に建物または樹木が存在するか否かおよび該建物または樹木が存在するとき該建物または樹木が上記所定の上空位置より高いか否かを示す第二の情報とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の風速予測装置。 - 上記予測風速取得部で取得される上記所定の上空位置の予測風速は、
上記地上位置の風速をD、上記第1の情報で決まる第1の係数をX、上記所定の上空位置の高さの情報および上記第2の情報で決まる第2の係数をY、上記所定の上空位置の予測風速Pとするとき、P=D*X*Yの関係式を満たす
ことを特徴とする請求項2に記載の風速予測装置。 - 風速予測箇所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定ステップと、
上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報を取得する情報取得ステップと、
上記風速測定ステップで測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報取得ステップで取得された上記所定の上空位置の高さおよび環境の情報に基づいて、上記所定の上空位置の予測風速を取得する予測風速取得ステップと
を備えることを特徴とする風速予測方法。 - 作業場所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定器と、
上記作業場所の高さおよび環境の情報を入力するための情報入力部と、
上記風速測定器で測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報入力部で入力された上記作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて、上記作業場所の予測風速を取得する予測風速取得部と、
上記予測風速取得部で取得された上記作業場所の予測風速に基づいて上記作業場所の平均風速を求める平均風速算出部と、
上記平均風速算出部で求められた上記作業場所の平均風速が所定の風速以上となるか否かを判断する判断部と、
上記判断部で上記作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されるとき、上記作業場所における作業が安全でないことを示す警告を発生する警告発生部と
を備えることを特徴とする作業安全判定装置。 - 上記平均風速算出部は、
上記予測風速取得部で上記作業場所の予測風速を取得することが開始されてから一定時間が経過するまでは、上記予測風速取得部で過去取得された上記作業場所の予測風速の最大値の0.7倍を上記作業場所の平均風速として求め、
上記予測風速取得部で上記作業場所の予測風速を取得することが開始されてから一定時間が経過した後は、上記予測風速取得部で過去一定時間で取得された上記作業場所の予測風速の平均値または上記予測風速取得部で過去上記一定時間より短い時間に取得された上記作業場所の予測風速の最大値の0.7倍のうち大きな値を上記作業場所の平均風速として求める
ことを特徴とする請求項5に記載の作業安全判定装置。 - 上記警告発生部は、
上記判断部で上記作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されるとき、上記警告を発生するための無線信号を送信する無線送信部と、
上記無線送信部から送信される無線信号を受信し、該無線信号に基づいて上記警告を発生する無線受信部とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の作業安全判定装置。 - 作業場所としての所定の上空位置に対応した地上位置の風速を測定する風速測定ステップと、
上記作業場所の高さおよび環境の情報を取得する情報取得ステップと、
上記風速測定ステップで測定された上記地上位置の風速、並びに上記情報取得ステップで取得された上記作業場所の高さおよび環境の情報に基づいて、上記作業場所の予測風速を取得する予測風速取得ステップと、
上記予測風速取得ステップで取得された上記作業場所の予測風速に基づいて上記作業場所の平均風速を求める平均風速算出ステップと、
上記平均風速算出ステップで求められた上記作業場所の平均風速が所定の風速以上となるか否かを判断する判断ステップと、
上記判断ステップで上記作業場所の平均風速が所定の風速以上であると判断されるとき、上記作業場所における作業が安全でないことを示す警告を発生する警告発生ステップと
を備えることを特徴とする作業安全判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005167177A JP2006343145A (ja) | 2005-06-07 | 2005-06-07 | 風速予測装置および風速予測方法、並びにそれを利用した作業安全判定装置および作業安全判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005167177A JP2006343145A (ja) | 2005-06-07 | 2005-06-07 | 風速予測装置および風速予測方法、並びにそれを利用した作業安全判定装置および作業安全判定方法 |
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JP (1) | JP2006343145A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101871948A (zh) * | 2010-06-09 | 2010-10-27 | 中国科学院深圳先进技术研究院 | 风电场风速预测系统及方法 |
CN110598911A (zh) * | 2019-08-21 | 2019-12-20 | 同济大学 | 一种风电场风电机组风速预测方法 |
CN114261929A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-04-01 | 山河智能装备股份有限公司 | 一种高空作业自动控制方法和高空作业自动控制系统 |
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2005
- 2005-06-07 JP JP2005167177A patent/JP2006343145A/ja active Pending
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CN110598911A (zh) * | 2019-08-21 | 2019-12-20 | 同济大学 | 一种风电场风电机组风速预测方法 |
CN110598911B (zh) * | 2019-08-21 | 2022-06-21 | 同济大学 | 一种风电场风电机组风速预测方法 |
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