JP2006342844A - 軸受装置、減速歯車装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 歯車等の回転部材を弾性的に支持することができ、しかも、弾性部材の耐久性を高めることができる軸受装置、該軸受装置を備える減速歯車装置及び該減速歯車装置を備える電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 内輪1a及び外輪1b間にボール等の転動体1cを有する転がり軸受1と、内輪1aの内周部に嵌合された筒部材2とを備えており、該筒部材2を、線材が網目構造に織成されシートを円筒状に成形された構成とし、筒部材2の撓みにより回転部材を弾性的に支持するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 内輪1a及び外輪1b間にボール等の転動体1cを有する転がり軸受1と、内輪1aの内周部に嵌合された筒部材2とを備えており、該筒部材2を、線材が網目構造に織成されシートを円筒状に成形された構成とし、筒部材2の撓みにより回転部材を弾性的に支持するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は転がり軸受を有する軸受装置、該軸受装置により歯車が支持された減速歯車装置及び該減速歯車装置を備える電動パワーステアリング装置に関する。
転がり軸受を有する軸受装置、該軸受装置を備える減速歯車装置、及び該減速歯車装置を備える電動パワーステアリング装置は例えば特許文献1に記載されている。特許文献1の電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに繋がる入力軸及び該入力軸にトーションバーを介して同軸的に連結された出力軸を有する舵取手段と、入力軸に加わるトルク等に基づいて駆動される電動モータと、該電動モータの駆動軸に連動連結された小歯車及び該小径歯車に噛合する大歯車を有する減速歯車機構と、該減速歯車機構の小歯車を回転自在に支持する軸受装置とを備えており、ステアリングホイールの操作に応じた舵取手段の動作を前記電動モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
また、軸受装置は、転がり軸受及び該転がり軸受の内周部及び外周部に嵌合された第1及び第2のゴム環を有しており、第1及び第2のゴム環により小歯車を弾性的に支持し、第1及び第2のゴム環の弾性復元力により小歯車及び大歯車の噛合部に予圧を加え、前記噛合部のバックラッシュ量を低減するように構成されている。
特開2004−82896号公報
ところが、特許文献1のように転がり軸受にゴム環が嵌合された軸受装置にあっては、ゴム環が経時的に劣化し易く、このゴム環の劣化による弾性復元力の変化が懸念され、改善策が要望されていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は歯車等の回転部材を弾性的に支持することができ、しかも、弾性部材の耐久性を高めることができる軸受装置、該軸受装置を備える減速歯車装置、該減速歯車装置を備える電動パワーステアリング装置を提供することにある。
第1発明に係る軸受装置は、転がり軸受の内周部又は外周部は、線材が網目構造に織成された筒部材を嵌合してあることを特徴とする。
第2発明に係る減速歯車装置は、小歯車及び該小歯車に噛合する大歯車と、前記小歯車及び/又は大歯車を支持する第1発明の軸受装置とを備えることを特徴とする。
第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記小歯車が電動モータに連動連結され、前記大歯車が舵取手段に連動連結される第2発明の減速歯車装置を備えることを特徴とする。
第1発明にあっては、筒部材の線材として金属線、合成樹脂線等の耐久性が高い材料にすることができ、しかも、この耐久性が高い線材が網目構造に織成されているため、撓み性を得ることができ、この筒部材の撓み性により回転部材を弾性的に支持することができ、振動伝達を低減することができる。
第2発明にあっては、金属線、合成樹脂線等の耐久性が高い線材が網目構造に織成されることにより形成された筒部材を備える軸受装置が小歯車及び/又は大歯車を支持しているため、小歯車及び大歯車の噛合部のバックラッシュ量を低減でき、しかも、減速歯車装置の耐久性を高めることができる。
第3発明にあっては、金属線、合成樹脂線等の耐久性が高い線材が網目構造に織成されることにより形成された筒部材により減速歯車装置の噛合部のバックラッシュ量を低減でき、しかも、電動パワーステアリング装置の耐久性を高めることができる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る軸受装置の実施の形態1の構成を示す断面図、図2は軸受装置の筒部材の構成を示す拡大斜視図、図3は筒部材の一部を拡大した拡大図である。
実施の形態1
図1は本発明に係る軸受装置の実施の形態1の構成を示す断面図、図2は軸受装置の筒部材の構成を示す拡大斜視図、図3は筒部材の一部を拡大した拡大図である。
この軸受装置Aは、内輪1a及び外輪1b間にボール等の転動体1cを有する転がり軸受1と、内輪1aの内周部に嵌合された筒部材2とを備える。
筒部材2は、銅線等の金属線、合成樹脂線等の耐久性が比較的高い線材3が網目構造に織成されることにより形成されている。また、筒部材2は銅線等の比較的可撓性が高いたて糸及びよこ糸が平織、綾織、朱子織、からみ織等の織り組織となるようにシート状に織成されており、このシート状の織成物が適宜の広さの素体に切断され、この素体が円筒形をなすように成形される。筒部材2の突合せ端は中心軸線と交差している。
以上のように構成された軸受装置Aは、孔を有する静止部材の前記孔に内嵌保持される。この軸受装置Aは、線材3が網目構造に織成された筒部材2が転がり軸受1の内周部に嵌合保持されているため、転がり軸受1が支持する回転部材の軸部は筒部材2に回転自在に内嵌される。この筒部材2は織成された網目構造によりラジアル方向の可撓性を有するため、回転部材を弾性的に支持することができる。つまり、筒部材2にラジアル荷重が加わった場合、周方向の一部のたて糸及びよこ糸の交錯点がずれて回転部材を弾性的に支持することができ、回転部材から軸受装置への振動伝達を低減することができる。また、筒部材2は銅線等の金属線、合成樹脂線等の耐久性が比較的高い線材3が織成されているため、耐久性を高めることができる。
尚、筒部材2は、突合せ端が中心軸線と交差する構成とする他、前記中心軸線と平行的であってもよい。しかし、図2のように突合せ端を中心軸線と交差する構成とすることにより、筒部材に加わるラジアル荷重により拡径し難くできる。
尚、筒部材2は、突合せ端が中心軸線と交差する構成とする他、前記中心軸線と平行的であってもよい。しかし、図2のように突合せ端を中心軸線と交差する構成とすることにより、筒部材に加わるラジアル荷重により拡径し難くできる。
実施の形態2
図4は軸受装置Aの実施の形態2の構成を示す断面図である。この軸受装置Aは、筒部材2が転がり軸受1の内輪1aの一側に突設する鍔部2bを有する構成としたものである。
図4は軸受装置Aの実施の形態2の構成を示す断面図である。この軸受装置Aは、筒部材2が転がり軸受1の内輪1aの一側に突設する鍔部2bを有する構成としたものである。
筒部材2は円筒部2a、及び該円筒部2aの一端からラジアル方向外向きに屈曲する鍔部2bを有しており、適宜の広さに切断された織成物の素体が鍔付の円筒形をなすように成形される。
この実施の形態にあっては、回転部材に軸長方向のスラスト力が加わる場合においても、このスラスト力による回転部材の移動を抑制することができ、また、鍔部2bの弾性復元力を転がり軸受1の内輪1aから転動体1cを介して外輪1bに伝動することができるため、転がり軸受1の内輪1a及び外輪1b間の隙間を低減でき、この隙間により発生する音鳴りをなくし得る。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
図5は本発明に係る減速歯車装置の構成を示す断面図、図6は本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。以上のように構成された軸受装置Aは例えば減速歯車装置Bに組み込まれるのであり、また、この減速歯車装置Bは例えば電動パワーステアリング装置に組み込まれる。
減速歯車装置Bは、駆動源としての電動モータ4に連動連結される小歯車5としてのウォーム及び該小歯車5に噛合する大歯車6としてのウォームホイールを備えており、小歯車5及び大歯車6が静止部材としてのハウジング7内に収容される。小歯車5は歯幅方向両側に軸部5a,5aを有しており、夫々の軸部5a,5aが軸受装置Aの筒部材2に回転自在に内嵌されており、軸受装置Aがハウジング7内に内嵌保持されている。大歯車6は中心部に嵌合孔6aを有しており、該嵌合孔6aに嵌入された回転軸8が軸受9,9を介してハウジング7内に回転自在に支持されている。
電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに繋がる入力軸10及び該入力軸10にトーションバー11を介して同軸的に連結された出力軸12を有する舵取手段Cと、入力軸10に加わるトルクを検出するトルクセンサ13と、該トルクセンサ13が検出したトルク等に基づいて駆動される操舵補助用の電動モータ4と、該電動モータ4の駆動軸に連動連結された小歯車5及び該小歯車5に噛合し、出力軸12の途中に外嵌固定された大歯車6を有する減速歯車装置Bと、該減速歯車装置Bを収容するハウジング7と、小歯車5をハウジング7に回転自在に支持する軸受装置A,Aと、大歯車6をハウジング7に回転自在に支持する軸受9,9とを備えており、ステアリングホイールの操作に応じた舵取手段Cの動作を前記電動モータ4の回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
減速歯車装置B及び電動パワーステアリング装置は、線材3が網目構造に織成された筒部材2を有する軸受装置A,Aを備えており、筒部材2に小歯車5の軸部5a,5aが回転自在に内嵌されている。筒部材2は織成された網目構造によりラジアル方向の可撓性を有するため、小歯車5を弾性的に支持することができる。従って、転がり軸受1,1が内嵌される嵌合孔及び軸受9,9が内嵌される嵌合孔の中心間距離を、小歯車5及び大歯車6の軸心間距離より短くすることにより、筒部材2の弾性復元力を小歯車5に加えることができ、小歯車5及び大歯車6の噛合部のバックラッシュ量を低減でき、バックラッシュに起因する異音の発生をなくし得る。また、回転力が噛合部に伝動されるときの衝撃エネルギを筒部材2の撓みにより緩和することができ、また、キックバック等により小歯車5が大歯車6に対しラジアル方向へ離隔するように押圧されたときの小歯車5の動きを筒部材2の撓みにより抑制することができ、歯打音をなくし得る。
また、筒部材2が鍔部2bを有する場合、該鍔部2bを筒部材2の長手方向へ撓ませて小歯車5を組み込むことにより、鍔部2bの弾性復元力を転がり軸受1の内輪1aから転動体1cを介して外輪1bに伝動することができるため、転がり軸受1の内輪1a及び外輪1b間の隙間を低減でき、この隙間により発生する音鳴りをなくし得るのであり、また、小歯車5に軸長方向のスラスト力が加わる場合においても、このスラスト力による小歯車5の移動を抑制することができる。
尚、以上説明した実施の形態において、筒部材2は潤滑剤を付着させた構成としてもよいし、また、合成樹脂製のコーティング層を有する構成としてもよい。このように構成した場合、転がり軸受1に対して筒部材2に滑りが発生した場合、転がり軸受1の内輪1a及び小歯車5の軸部5aの損傷を防ぐことができる。また、筒部材2は周方向の一部が突合わされる構成とする他、全周に亘って連なる構成としてもよい。
また、以上説明した実施の形態では転がり軸受1の内輪1aに筒部材2が嵌合されている構成について説明したが、その他、外輪1bの外周部に筒部材2が外嵌保持された構成としてもよいし、また、転がり軸受1の内輪1aの内周部及び外輪1bの外周部の夫々に筒部材2が嵌合された構成としてもよい。後者のように構成した場合、転がり軸受1,1の内側及び外側の筒部材2,2が可撓性を有するから、噛合部のバックラッシュ量の調整をより一層容易にでき、また、回転力が噛合部に伝動されるときの衝撃エネルギをより一層緩和することができ、また、キックバック等により小歯車5が大歯車6に対しラジアル方向へ離隔するように押圧されたときの小歯車5の動きを吸収することができる。また、鍔部2bを有する構成にあっては、転がり軸受1の内輪1a及び外輪1b間の隙間を低減でき、この隙間により発生する音鳴りをより一層容易になくし得る。
また、以上説明した実施の形態では、小歯車5を軸受装置Aが支持したが、その他、大歯車6を軸受装置Aが支持する構成としてもよいし、また、小歯車5及び大歯車6を軸受装置Aが支持する構成としてもよい。
A 軸受装置
B 減速歯車装置
C 舵取手段
1 転がり軸受
2 筒部材
3 線材
4 電動モータ
5 小歯車
6 大歯車
B 減速歯車装置
C 舵取手段
1 転がり軸受
2 筒部材
3 線材
4 電動モータ
5 小歯車
6 大歯車
Claims (3)
- 転がり軸受の内周部又は外周部は、線材が網目構造に織成された筒部材を嵌合してあることを特徴とする軸受装置。
- 小歯車及び該小歯車に噛合する大歯車と、前記小歯車及び/又は大歯車を支持する請求項1記載の軸受装置とを備えることを特徴とする減速歯車装置。
- 前記小歯車が電動モータに連動連結され、前記大歯車が舵取手段に連動連結される請求項2記載の減速歯車装置を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005167311A JP2006342844A (ja) | 2005-06-07 | 2005-06-07 | 軸受装置、減速歯車装置及び電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005167311A JP2006342844A (ja) | 2005-06-07 | 2005-06-07 | 軸受装置、減速歯車装置及び電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
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JP2006342844A true JP2006342844A (ja) | 2006-12-21 |
Family
ID=37639958
Family Applications (1)
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JP2005167311A Pending JP2006342844A (ja) | 2005-06-07 | 2005-06-07 | 軸受装置、減速歯車装置及び電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006342844A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011065491A1 (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-03 | 日本精工株式会社 | 電動式パワーステアリング装置 |
US9878426B2 (en) | 2014-12-24 | 2018-01-30 | Toyoda Van Moppes Ltd. | Manufacturing method for grinding wheel |
-
2005
- 2005-06-07 JP JP2005167311A patent/JP2006342844A/ja active Pending
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WO2011065491A1 (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-03 | 日本精工株式会社 | 電動式パワーステアリング装置 |
CN102224058A (zh) * | 2009-11-27 | 2011-10-19 | 日本精工株式会社 | 电动式动力转向装置 |
CN102224058B (zh) * | 2009-11-27 | 2015-08-19 | 日本精工株式会社 | 电动式动力转向装置 |
US9878426B2 (en) | 2014-12-24 | 2018-01-30 | Toyoda Van Moppes Ltd. | Manufacturing method for grinding wheel |
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