JP2006342433A - 印刷用塗被紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた平滑度を備えながら、緊度が1.05g/cm以下である嵩高の印刷用塗被紙を提供することにある。
【解決手段】
緊度0.75g/cm以下の原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層以上設けた緊度1.05g/cm以下の印刷用塗被紙において、上塗り塗被層と接する下塗り塗被層の顔料成分を、沈降方式により測定した平均粒子径が、0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料で構成させ、下塗り塗被層の顔料成分の一種として、特定条件を満足するデラミカオリンを下塗り塗被層中の全顔料の50質量%以上含有し、前記下塗り塗被層の接着剤成分の量が、顔料成分100質量部当たり、10〜20質量部の範囲である印刷用塗被紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平滑性が改良された嵩高な印刷用塗被紙に関する。
一般に印刷用塗被紙は、原紙の少なくとも片面に顔料と接着剤を主成分とする塗被液を塗布して乾燥することで製造される。印刷用塗被紙は、塗被液の塗工量や塗被紙の仕上げ方法によって、キャストコート紙、アート紙、コート紙、微塗工紙等に分類される。これら塗被紙は、これに多色印刷又は単色印刷を施して、チラシ、パンフレット、ポスター等の商業用印刷物として、あるいは書籍、雑誌等の出版物として広く使用されている。
近年、印刷物のビジュアル化、カラー化が進み、印刷用塗被紙の高品質化の要求が高まっている。具体的には、印刷用塗被紙自体の光沢度、平滑度及び白色度が、印刷仕上りの良否を左右する。
印刷用塗被紙の平滑度を向上させる手法としては、塗被層にデラミネーテッドカオリン(以下、デラミカオリンと略す。)を配合することが提案されている(特許文献1〜3参照)。デラミカオリンとは、六角形の薄平板状の粘土鉱物系顔料であり、形状が平板状であるために、顔料が塗被層表面を広く覆うように並ぶため、高い平滑性を発現する特長を有している。そして該デラミカオリンの薄平板状の程度(偏平性)は、アスペクト比(顔料直径の大きさ/顔料厚み)を用いて一般的に表記され、アスペクト比が高いほど顔料粒子形状が薄くて、広く、大きい平板状(高偏平性)の顔料形状であることを表している。具体的なアスペクト比の数値としては、一般的なデラミカオリンでは15〜20程度であるが、特殊なデラミカオリンでは30〜60程度の高偏平性を有しており、近年では、さらにアスペクト比が100といった極めて高偏平性の特殊なデラミカオリンまで出現している。
印刷用塗被紙の平滑度を向上させる手法としては、さらに塗被層にサチンホワイトを配合することが提案されている(特許文献4〜7参照)。サチンホワイトは、例えば、水酸化カルシウムと硫酸アルミニウムとの反応によって生じる針状結晶の白色顔料であって、その正式名称はトリスルホアルミン酸カルシウムである。サチンホワイトは、下記の一般式(1)で表示される無機錯体化合物であり、これが配合された塗被層表面は、優れた平滑性を呈するのが通例である。
3CaO・Al・3CaSO・31〜32HO (1)
しかし、何れの先行文献も、インク受理を司る塗被紙の塗被層に、デラミカオリン、サチンホワイトを配合することを教示しているに過ぎない。従前の印刷用塗被紙には、インク受理を司る塗被層(以下これを上塗り塗被層と呼ぶ)の下側に、1つの下塗り塗被層を設けたものも存在する。下塗り塗被層の設置は、多くの場合、上塗り塗被層の平滑度を向上させる手立ての一つである。それにも拘わらず、当該下塗り塗被層が上塗り塗被層の平滑度に及ぼす影響を、従来技術は等閑に付している。
ちなみに、下塗り塗被層を備えた従来の印刷用塗被紙では、その下塗り塗被層の顔料にカオリンを配合した例(特許文献8〜10参照)、サチンホワイトを配合した僅かな例もあるが(特許文献11参照)、多くは比較的安価な顔料が使用され、接着剤にも比較的安価な澱粉などが使用されていた。
なお、前記カオリンについては、粒子径、あるいは粒度分布によって“顔料の大きさ”を特定した、所謂“一般的な粒子形状範囲内のカオリン”であり、前述のような高いアスペクト比を有し平板性(偏平性)を大幅に改善させた特殊なデラミカオリンとは異なるものである。
しかしながら、下塗り塗被層を設けた場合、その層の表面平滑性が、下塗り塗被層上に設けた上塗り塗被層(インク受理層)の平滑性に影響を及ぼすのが通例であって、インク受理を司る上塗り塗被層の平滑性は、その層の光沢度を左右する。従って、光沢度、平滑度及び白色度に優れた印刷用塗被紙を得るためには、塗被紙の上塗り塗被層(=インク受理層)だけでなく、下塗り塗被層の構成にも工夫を施さなければならない。
また、印刷用塗被紙には、優れた光沢度、平滑度及び白色度が要求されることに加えて、近年は塗被紙一枚一枚の手触り感(紙腰)や見かけ比容積に関心が払われる傾向がある。特に、出版物の向けの塗被紙は、より嵩高であることが尊ばれるのが最近の傾向である。
印刷用塗被紙の嵩高化には、嵩高剤の添加によって原紙そのものを嵩高にする方法(特許文献12〜13参照)とか、原紙上に塗布された塗被層を熱ソフトカレンダ等によって処理する方法(特許文献14〜16参照)とか、塗被層に配合する顔料として、中空プラスチックピグメントを使用する方法(特許文献17〜18参照)などが、従来提案されている。
つまり、嵩高化に関する従来の提案は、印刷用塗被紙の原紙として、比較的嵩高な原紙を採用すると共に、塗被液を原紙上に塗布して得た塗被紙をカレンダ処理するに当たっては、原紙や塗被層に掛かる押圧力をできるだけ少なくすることである。しかし、カレンダ処理時の押圧力の軽減は、カレンダ処理による塗被層の平滑化作用が、軽減させなかった場合に比較して、小さくなる憾みがある。
従って、平滑性に優れた、より詳しく言えば、上塗り塗被層の平滑性に優れ、しかも、嵩高の塗被紙を得るためには、マイルドな条件でカレンダ処理が施される前の上塗り塗被層が、ある程度の平滑性を保持していることが重要である。
マイルドなカレンダ処理でも、平滑性に優れた塗被紙を得る先行技術の一つは、先に説明したように、上塗り塗被層の顔料として、塗被層の平滑化に貢献すると考えられているところの、結晶形状が針状又は平板状の白色顔料(例えば、サチンホワイトやデラミカオリン)を使用する方法である。他の一つは、上塗り塗被層の厚さを増大させ、上塗り塗被層が接する面の凹凸を、上塗り塗被層にてカムフラージュする方法である。
しかし、塗被紙には所定の坪量が定められているため、上塗り塗被層の厚さを徒に増大させることができないできないばかりでなく、上塗り塗被層の厚さ増大は必然的に塗被紙の密度を増大させる。従って、前者の方法を採用した場合には、嵩高な塗被紙を得ることが難しい。
「嵩高」を謳っていない通常の印刷用塗被紙は、その緊度が1.15〜1.25g/cmの範囲にあるのが一般的である。従って、この明細書で言う「嵩高な印刷用塗被紙」とは、緊度が1.10g/cm以下、典型的には1.05g/cm以下である塗被紙を指す。なお、緊度の測定は、ISO 534:1988の規定に準じて行った。
特開2002−27443号公報 特開2002−220795号公報 特開平11−302998号公報 特開平11−247097号公報 特開平09−256295号公報 特開平09−67794公報 特開平02−14098号公報 特開2003−268695号公報 特開2002−69894号公報 特開平08−120569号公報 特開平07−238495号公報 特開2002−155494号公報 特開2003−171893号公報 特許3249212号公報 特開平09−228298号公報 特開平06−294100号公報 特開2002−220795号公報 特開平09−119090号公報
本発明は、原紙の少なくとも片面に、白色顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層設けた印刷用塗被紙であって、優れた平滑度を備えながら、緊度が1.05g/cm以下である嵩高の印刷用塗被紙を提供することにある。
従って、本発明に係る印刷用塗被紙は、緊度0.75g/cm以下の原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層設けた緊度1.05g/cm以下の印刷用塗被紙において、上塗り塗被層に接する下塗り塗被層の顔料成分を、沈降方式により測定した平均粒子径が0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料で構成させ、下塗り塗被層の顔料成分の一種として、下記条件を満足するデラミネーテッドカオリンを下塗り塗被層中の全顔料の50質量%以上含有し、前記下塗り塗被層の接着剤成分の量が、顔料成分100質量部当たり10〜20質量部の範囲であることを特徴とする。
デラミネーテッドカオリン:光散乱方式により測定した平均粒子径d50が2.0〜5.0μmの範囲内にあり、沈降方式により測定した平均粒子径d50が0.30〜0.55μmの範囲内にあり、しかも、平均粒子径d50と平均粒子径d50の比(d50/d50)が4以上であるデラミネーテッドカオリン。
前記下塗り塗被層に含まれる白色顔料の1〜30質量%が、サチンホワイトであることが好ましい。
下塗り塗被層の接着剤成分には、分散粒子の粒子径が50〜120nm、特に50〜100nmの分散型の接着剤を使用することが好ましく、水溶性接着剤を併用する場合には、その量を顔料成分100質量部当たり7質量部以下とすることが好ましい。
原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層設けた印刷用塗被紙では、上塗り塗被層に接する下塗り塗被層は、既述した先行技術の下塗り塗被層に相当する。また、本発明では顔料成分の平均粒子径を、沈降方式により測定したので、顔料成分に関して以下に言う平均粒子径は、沈降方式により測定した平均粒子径を意味する。
本発明に係る印刷用塗被紙は、その上塗り塗被層の顔料成分が、平均粒子径が0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料で構成され、上塗り塗被層の接着剤成分の量が、上塗り塗被層の顔料成分100質量部当たり10〜20質量部の範囲であることが好ましい。
上塗り塗被層の顔料成分は、その1〜30質量%がサチンホワイトであることが好ましい。
上塗り塗被層の顔料成分は、その1〜30質量%がプラスチックピグメントであることが好ましい。
上塗り塗被層の接着剤成分には、分散粒子の粒子径が50〜120nm、特に50〜100nmの分散型の接着剤を使用することが好ましく、水溶性接着剤を併用する場合には、その量を顔料成分100質量部当たり4質量部以下とすることが好ましい。
本発明に係る印刷用塗被紙は、緊度が1.05g/cm以下と嵩高であり、しかも平滑性に優れているため、これに印刷を施せば、外観良好な印刷紙を得ることができる。
一般的に言えば、印刷用塗被紙は原紙の少なくとも片面に、白色原料と接着剤を主成分とする塗被層を、単層又は複層で形成させることで製造される。本発明は、緊度が1.05g/cm以下である塗被紙の提供を目論みの一つとしている関係で、本発明で使用する原紙は、緊度(密度)が0.75g/cm以下であることが唯一無二の条件であって、この条件を満たす限り、原紙自体を製造する際の原料パルプの種類や抄紙条件の如何を全く問わない。また、原紙がサイズプレスされているか否かも問わない。
本発明の塗被紙は、緊度が0.75g/cm以下である原紙の少なくとも片面に、下塗り塗被層と、上塗り塗被層を順に形成させることで製造することができる。下塗り塗被層と上塗り塗被層は、ともに顔料成分と接着剤成分を主成分とする。
本発明の印刷用塗被紙において、下塗り塗被層を構成する顔料成分は、それが如何なる種類のものであっても、平均粒子径が0.1〜1.3μmの範囲、好ましくは0.3〜1.0μmの範囲にある。下塗り塗被層を構成する顔料成分の平均粒子径が1.3μmを超える場合は、下塗り塗被層自体に優れた平滑性を付与することが難しく、0.1μm未満である場合は、平滑性を付与する上では好ましいが、下塗り塗被層の形成に比較的多量の接着剤を必要とするため、経済性で不利がある。
下塗り塗被層の顔料成分は、その50質量%以上、好ましくは70〜95質量%のデラミカオリンを含有する。デラミカオリンを下塗り塗被層に含有させることは、顔料成分の平均粒子径を上記した如く特定したことと相俟って、下塗り塗被層自体に優れた平滑性を付与する上で公的であることを本発明者等は見出した。デラミカオリンの量が下塗り塗被層の顔料成分の50質量%未満である場合には、下塗り塗被層自体に優れた平滑性を付与することが難しい。
顔料粒子に関して、アスペクト比(縦横比)という言葉で意味されるところの一般的定義は、その顔料粒子の各寸法の大きさを比較したときの平均短寸法に対する平均長寸法の比であるが、上記の顔料粒子の長寸法、および短寸法の適切な平均値については、顔料粒子の種類によって異なるものである。
例えば、カオリン、マイカ(雲母)、タルク(滑石)などの平板状顔料の場合、長寸法は粒子面に相当する面積を持つ円の直径であり、短寸法は粒子の厚さであるのに対して、軽質炭酸カルシウムやサチンホワイトなどの針状(棒状)構造の顔料粒子の場合、長寸法は粒子の長さであり、短寸法は粒子の平均径となり、平板状顔料であっても、針状顔料であっても、その顔料粒子の長寸法と短寸法が同じであれば、定義上は同じアスペクト比となってしまう結果となる。
また、アスペクト比測定は、技術的難易度が高く費用と時間がかかる問題点がある。(特許文献19を参照)
特許2896250号公報
また、平板状顔料は、針状顔料に比べて非常に大きな粒子面積を有しており、この顔料粒子の形状的特長が、印刷用塗被紙に対して平滑度向上といった優れた特性を発現させるものであり、その粒子の形状的特長をアスペクト比で表現することは、不正確、かつ不十分であると考えられる。
これに対して、発明者らは、カオリンのような平板状顔料の粒子形状を容易、かつ短時間に測定する方法を検討し、光散乱方式による平均粒子径d50、沈降方式による平均粒子径d50、および光散乱方式による平均粒子径d50と沈降方式による平均粒子径d50の比(d50/d50)による平板状顔料の形状特性の表現方法を考案した。
すなわち、光散乱方式による平均粒子径d50の測定では、個々の粒子が全て球形粒子に見做されてその径が計測されるのに対し、沈降方式による平均粒子径d50の測定では、粒子形状が沈降性に影響を及ぼすため、形状が平板状で沈降が遅い粒子ほど、見かけ上、その径が小さい粒子として計測される。このため、上記のアスペクト比が大きい粒子ほど、光散乱方式による平均粒子径d50と沈降方式による平均粒子径d50の比(d50/d50)は、大きくなるものと考えられる。
このため、本発明ではデラミカオリンの粒状特性について、アスペクト比ではなく、光散乱方式による平均粒子径d50、沈降方式による平均粒子径d50、及びd50/d50で規定した。
なお、本発明では、光散乱方式による平均粒子径の測定方法としてレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000(島津製作所製)を使用し、沈降方式による平均粒子径の測定方法としてセディグラフ5100(米国 マイクロメリティックス社製)を使用した。
そして本発明では、下塗り塗被層に含有させるデラミカオリンとして、光散乱方式により測定した平均粒子径d50が2.0〜5.0μmの範囲に、好ましくは2.2〜4.7μmの範囲にあり、沈降方式により測定した平均粒子径d50が0.30〜0.55μm、好ましくは0.35〜0.50μmの範囲にあり、平均粒子径d50と平均粒子径d50の比、d50/d50が4以上、好ましくは5以上であるデラミネーテッドカオリンを使用する。
ちなみに、下塗り塗被層に含有させるデラミカオリンのd50およびd50が、それぞれ2.0μm未満および0.30μm未満である場合には、塗被液中のデラミカオリンが、原紙内に過度に浸透するため、平滑性の高い塗被層を形成することが困難になる。また、d50およびd50が、それぞれ5.0μmおよび0.55μmを越える場合も、平滑性の高い塗被層を形成することが困難になる。そして、d50/d50が4未満の場合も、顔料の平板性(偏平性)が低いために原紙内に過度に浸透して、平滑性の高い塗被層を形成することが困難になることから、本発明の印刷用塗被紙を得ることが困難である。
下塗り塗被層の顔料成分として、さらに、その1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%のサチンホワイトを含有することが好ましい。サチンホワイトを下塗り塗被層に含有させることは、顔料成分の平均粒子径を上記した如く特定したことと相俟って、下塗り塗被層自体に優れた平滑性を付与する上で公的であることを本発明者等は見出した。サチンホワイトの量が下塗り塗被層の顔料成分の1質量%未満である場合には、下塗り塗被層自体に優れた平滑性を付与する効果が少ない。一方、サチンホワイトの量が下塗り塗被層の顔料成分の30質量%を超えると、下塗り塗被層自体の平滑性は向上するものの、下塗り塗被層の形成に比較的多量の接着剤を必要とするため、経済性で不利がある。
下塗り塗被層の顔料成分として、デラミカオリン、サチンホワイトと併用されるその他の白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、エンジニアードカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ニ酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料や、密実型、中空型、貫通孔型のプラスチックピグメントなどを例示することができ、これらの1種又は2種以上がデラミカオリン、サチンホワイトと併用可能である。
下塗り塗被層の接着剤成分には、通常は分散型接着剤を使用する。分散型接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスなどを例示することができる。上記した分散型接着剤は、1種又は2種以上が使用可能であるが、何れの分散型接着剤を使用する場合でも、分散した接着剤粒子の粒子径は、50〜120nm、特に50〜100nmの範囲であることが好ましい。
上記した分散型接着剤と共に少量の水溶性接着剤を併用することができる。水溶性接着剤としては、酸化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶性澱粉などの各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールやその変性品などが例示できる。
下塗り塗被層が含有する接着剤成分の量は、水溶性接着剤を併用するか否かに拘わらず、下塗り塗被層に含まれる顔料成分100質量部当たり、10〜20質量部、特に10〜18質量部の範囲で選ばれる。接着剤成分の含有量が10質量部未満である場合は、結合力(binding power)が不足し、20質量部を超えた場合は、下塗り塗被層の平滑性を損なう心配がある。
水溶性接着剤を併用する場合は、その含有量を顔料成分100質量部当たり、7質量部以下、特に4質量部以下とすることが好ましい。7質量部を超えると下塗り塗被層の平滑性が劣るため好ましくない。少量の水溶性接着剤を分散型接着剤と併用することは、下塗り塗被層を形成する塗被液(coating mixture)の増粘、保水に有効である。
本発明に係る印刷用塗被紙の下塗り塗被層は、平均粒子径が0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料と、特定条件を満足するデラミカオリン50質量%以上とで構成させた顔料成分と、顔料成分100質量部当たり10〜20質量部の接着剤を含有する第1の塗被液(coating mixture)を、原紙の片面又は両面に塗工して乾燥することによって形成される。塗工にはロール塗工、エアナイフ塗工、バー塗工、ブレード塗工等が採用可能であるが、ブレード塗工の採用が好ましい。第1塗被液の塗工量は、後述する上塗り塗被層の形成に用いる第2塗被液の塗工量との合計で、原紙の片面当たり、10〜20g/mの範囲で選ばれる。
第1塗被液から得られる下塗り塗被層のPPS平滑度は、2.0〜3.5μmの範囲に、特に2.6〜3.2μmの範囲に調整することが好ましい。上記した組成の第1塗被液を原紙にブレード塗工して得られる下塗り塗被層のPPS平滑度は、通常、上に規定した範囲にある。
念のため付言すると、後に詳述する第2塗被液から上塗り塗被層を形成するに際し、ブレード塗工を採用する場合には、下塗り塗被層のPPS平滑度が2.0μm未満であると、上塗り塗被層にストリーク(streak)又はスクラッチ(scratch)が発生することがある。しかし、下塗り塗被層のPPS平滑度が2.6μm以上であれば、ストリーク又はスクラッチの発生を完全に防止することができる。
本発明に係る印刷用塗被紙の上塗り塗被層は、平均粒子径が0.1〜1.3μmの範囲、好ましくは0.3〜1.0μmの範囲にある白色顔料と、白色顔料100質量部当たり10〜20質量部の接着剤を含有する第2塗被液(coating mixture)を、原紙上に形成されている下塗り塗被層の表面に塗工して乾燥することによって形成される。塗工にはロール塗工、エアナイフ塗工、バー塗工、ブレード塗工等が採用可能であるが、ブレード塗工の採用が好ましい。第2塗被液の塗工量は、前述した下塗り塗被層の形成に用いる第1塗被液の塗工量との合計で、原紙の片面当たり、10〜20g/mの範囲で選ばれる。
上塗り塗被層に含まれる白色顔料の平均粒子径を上記の如く規定する理由は、下塗り塗被層に関するそれと実質的に同じである。上塗り塗被層の主成分の一つである白色顔料は、全量の1〜30質量%、特に3〜20質量%に相当する量で、サチンホワイト及び/またはプラスチックピグメントを含んでいることが好ましい。その理由は、前述した下塗り塗被層の場合と実質的に同じである。
上塗り塗被層に使用できるサチンホワイト、プラスチックピグメント以外の白色顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成カオリン、エンジニアードカオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ニ酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料等を挙げることができる。これらの白色顔料は、1種又は2種以上が本発明では使用可能である。
上塗り塗被層の接着剤成分には、既述した下塗り塗被層の場合と同様、通常は分散型接着剤を使用する。分散型接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスなどを例示することができ、これらの1種又は2種以上が、最外塗被層の接着剤成分として使用可能である。
上塗り塗被層の形成に使用する上記分散型接着剤は、重合時のモノマーとしてアクリロニトリルを10〜35質量%、特に20〜30質量%含有していることが好ましい。分散型接着剤のアクリロニトリル含有量が10質量%未満であると、形成された上塗り塗被層のインク溶剤吸収性を満足できるほど低下させることができず、これに原因して印刷光沢が損なわれる心配がある。一方、分散型接着剤のアクリロニトリル含有量が35質量%を超える場合は、乳化重合が難しくなり、このものに満足できる結合力(binding power)を期待することができない。
上塗り塗被層の接着剤成分が、何れの分散型接着剤を使用する場合でも、分散した接着剤粒子の粒子径は、50〜120nm、特に50〜90nmの範囲であることが好ましい。
上記した分散型接着剤と共に少量の水溶性接着剤を併用することができる。水溶性接着剤としては、酸化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶性澱粉などの各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールやその変性品などが例示できる。
上塗り塗被層が含有する接着剤成分の量は、水溶性接着剤を併用するか否かに拘わらず、上塗り塗被層に含まれる顔料成分100質量部当たり、10〜20質量部、特に10〜18質量部の範囲で選ばれる。接着剤成分の含有量が10質量部未満である場合は、結合力(binding power)が不足し、20質量部を超えた場合は、上塗り塗被層の平滑性を損なう心配がある。
水溶性接着剤を併用する場合は、その含有量を顔料成分100質量部当たり、特に4質量部以下とすることが好ましい。4質量部を超えると上塗り塗被層の平滑性が劣るため好ましくない。少量の水溶性接着剤を分散型接着剤と併用することは、上塗り塗被層を形成する塗被液(coating mixture)の増粘、保水に有効である。
下塗り塗被層の形成に使用する第1塗被液および上塗り塗被層の形成に使用する第2塗被液には、それぞれ必要に応じて、青系統あるいは紫系統の染料や有色顔料、蛍光染料、増粘保水剤、酸化防止剤、老化防止剤、導電誘導剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の各種助剤を適宜配合することができる。
上塗り塗被層を形成するために第2塗被液を塗工した塗被紙は、仕上げ工程に供せられ、この工程では、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等が使用可能であるが、なかでも、硬質樹脂ロールを備えたカレンダを採用するのが好ましい。
本発明では、下塗り塗被層及び上塗り塗被層にそれぞれ含まれる顔料成分の平均粒子径を特定するとともに、その下塗り塗被層及び上塗り塗被層を、比較的緊度の低い原紙の片面又は両面に設けているため、カレンダに格別高い押圧力を採用しない限り、当業界で常用されているカレンダ仕上げによって、緊度が1.05g/cm以下である印刷用塗被紙を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ質量部、および質量%を示す。また、実施例や比較例で使用した顔料の平均粒子径は以下の方法で測定した。
・光散乱方式による顔料の平均粒子径測定
(株)島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000を使用して、顔料の粒度分布を測定し、50累積質量%に該当する平均粒子径(d50)を測定した。なお、測定に供した顔料分散液は、分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)を対顔料0.05%添加し、顔料固形分濃度が1%になるように希釈して得た。さらに必要に応じて、当該測定装置で測定可能な領域にまで希釈した。
・沈降方式による顔料の平均粒子径測定
米国 マイクロメリティックス社製のセディグラフ5100を使用して、顔料の粒度分布を測定し、50累積質量%に該当する平均粒子径(d50)を求めた。なお、測定に供した顔料分散液は、分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム)を対顔料0.05%添加して調製した顔料スラリーを、燐酸塩系分散剤(ナンカリン)の0.1%水溶液で、顔料固形分濃度が約5%になるよう希釈して得た。
・共重合体ラテックスの平均粒子径
共重合体ラテックスを含む試料を、透過型電子顕微鏡にて倍率5万倍で写真撮影し、得られた顕微鏡写真から共重合体ラテックス粒子を測定し、数平均で求めた。
実施例1
・第1塗被液の調製
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムを、分散するデラミカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、d50:2.7μm、d50:0.38μm、d50/d50:7.1、イメリス社製)90部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、d50:1.3μm、備北粉化工業社製)10部を順次添加し、コーレス分散機で分散し、顔料スラリーを調製した。このスラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)4.0部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA2182−2、粒子径:100nm、日本エイアンドエル社製)10部(いずれも固形分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度54%の第1塗被液を調製した。
・第2塗被液の調製
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムを、分散する顔料に対して0.1部添加した水溶液に、顔料として、微細カオリン(商品名:カオグロス、d50:0.4μm、ヒューバー社製:米国)80部、および重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、d50:0.8μm、備北粉化工業社製)20部を順次添加し、コーレス分散機で分散し、顔料スラリーを調製した。このスラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:王子エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA2323、アクリロニトリルモノマー含有量:21質量%、粒子径:89nm、日本エイアンドエル社製)12部(いずれも固形分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的には固形分濃度が59%の第2塗被液を調製した。
・印刷用塗被紙の作製
緊度が0.73g/cmである上質原紙(米坪72.5g/m)の両面に、前記第1塗被液を片面当たりの乾燥重量が6g/mとなるようにブレードコーターを使用して塗工し、これを乾燥して下塗り塗被層を設けた。次いで、各下塗り塗被層上に前記第2塗被液を片面当たりの乾燥重量が9g/mとなるようにブレードコーターを使用して塗工し、これを乾燥して上塗り塗被層を設けた。このようにして得られた塗被紙を、温度35℃、線圧80KN/mでスーパーカレンダに通紙して、緊度1.03g/cmの印刷用塗被紙を得た。
実施例2
実施例1で使用した第2塗被液の顔料成分を、微細カオリン(商品名:カオグロス、前出)80部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、d50:1.0μm、白石工業社製)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例3
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー2070、d50:2.1μm、d50:0.47μm、d50/d50:4.5、イメリス社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、d50:1.3μm、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例4
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー2000、d50:3.6μm、d50:0.47μm、d50/d50:7.7、イメリス社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例5
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー2070、前出)60部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)40部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例6
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例7
実施例2で使用した第1塗被液の接着剤成分を、酸化澱粉(商品名:王子エースB、前出)0.1部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA2182−2、前出)12部(いずれも固形分換算)に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例8
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)80部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度53%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例9
実施例8で使用した第2塗被液の接着剤成分を、酸化澱粉(商品名:王子エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:T−2629M、アクリロニトリルモノマー含有量:17質量%、平均粒子径:125nm、ジェイエスアール社製)12部(いずれも固形分換算)に変更した以外は、実施例8と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例10
実施例8で使用した第2塗被液の顔料成分を、微細カオリン(商品名:カオグロス、前出)80部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部と、プラスチックピグメント(商品名:AE851、d50:1.1μm、空隙率50%、JSR社製)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例8と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例11
実施例8で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)60部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、前出)30部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度44%の塗被液とした以外は、実施例8と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例12
実施例8の印刷用塗被紙の作製において、下塗り塗被層の塗被量(片面当たりの乾燥重量)を9g/mとした以外は、実施例8と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例13
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)80部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度53%の塗被液を調製し、次いで印刷用塗被紙の作製において、原紙として、緊度が0.67g/cmである上質原紙(米坪70.0g/m)を使用した以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例1
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:B21、d50:2.1μm、王子製紙米子工場自製)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例2
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、d50が3.7μm、d50が0.95μm、d50/d50が3.9であるデラミネーテッドカオリン(商品名:カピムNP、d50:3.7μm、d50:0.95μm、d50/d50:3.9、イメリス社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例3
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:カピムDG、d50:2.3μm、d50:0.61μm、d50/d50:3.8、イメリス社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例4
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:ニューサーフ、d50:5.6μm、d50:2.1μm、d50/d50:2.7、エンゲルハード社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例5
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、微粒カオリン(商品名:ミラグロス、d50:1.8μm、d50:0.24μm、d50/d50:7.5、エンゲルハード社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例6
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、d50が2.4μm、d50が0.61μm、d50/d50が3.9であるエンジニアードカオリン(商品名:エクシロン、d50:2.4μm、d50:0.61μm、d50/d50:3.9、エンゲルハード社製)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例7
実施例5で使用した第1塗被液の顔料成分において、デラミカオリン(商品名:コンツアー2070、前出)60部のうち、30部を微粒カオリン(商品名:ミラグロス、前出)に変更して最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例5と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例14
実施例2で使用した第1塗被液の接着剤成分を、酸化澱粉(商品名:王子エースB、前出)8部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:スマーテックスPA2182−2、前出)8部(いずれも固形分換算)に変更して、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例8
・粗粒サチンホワイト顔料スラリーの調製
容積が250リットルの反応槽(コーレス攪拌槽)に90kg(90リットル)の水を入れ、これに攪拌しながら、分級処理を行っていない(粒径が直径1〜4cmの大きさのものが混在している)塊状の生石灰(CaO、足立石灰工業社製)10kgを投入した。次いで、攪拌を続けながら溶解し液の温度を上昇させ、85〜95℃の範囲に1時間保持した後に、30℃に冷却した。次に、攪拌を更に激しくしながら硫酸バンドの水溶液(水50kg(50リットル)に対して、Al(SO・18HO 25kgを溶解したもの)58.3kgを約1kg/分の送液量で徐々に添加し、サチンホワイトの懸濁液を得た。
この懸濁液をフィルタープレスで搾水し、固形分濃度32%のケーキ状のサチンホワイトを得。次にこのサチンホワイトの固形分100部当りポリカルボン酸ナトリウム(商品名:アロンT−40、東亜合成社製)3部及び水を加えて固形分濃度20%とした後、サンドグラインダーに通してサチンホワイトの分散液を得、更にこの分散液を150メッシュのスクリーンメッシュ処理を行い、固形分濃度20%のサチンホワイト顔料スラリーを得た。この顔料スラリーから得たサチンホワイトのX線透過式粒度分布測定による平均粒子径は、3.0μmであった。
実施例2で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)80部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部と、上で得た粗粒サチンホワイト10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度53%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例15
実施例2で使用した第2塗被液の顔料成分を、微細カオリン(商品名:カオグロス、前出)10部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)80部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度59%の塗被液とした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
実施例16
実施例15で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:コンツアー1160、前出)80部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部と、サチンホワイト(商品名:サチンホワイトB、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度59%の塗被液とした以外は、実施例15と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例9
実施例15で使用した第1塗被液の顔料成分を、デラミカオリン(商品名:カピムNP、前出)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例15と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例10
実施例15で使用した第1塗被液の顔料成分を、微粒カオリン(商品名:ミラグロス、前出)90部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)10部とからなる顔料成分に変更し、最終的な固形濃度54%の塗被液とした以外は、実施例15と同様にして印刷用塗被紙を得た。
印刷用塗被紙の品質評価
実施例1〜16及び比較例1〜10で得た各印刷用塗被紙の品質を、下記の項目で評価した。評価は、特に記載ない限り、23℃、50RH%の環境下で行った。結果を(表1)〜(表4)に示す。
・塗被紙のPPS平滑度
パーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(機種名:MODEL M−569型、MESSMER BUCHEL社製、英国)を用い、バッキングディスク:ソフトラバー、クランプ圧力:0.98MPaで5回平滑度測定を行ない、その平均を求めた。平滑度は、下塗り塗被層を設けた後、上塗り塗被層を設けた後、およびカレンダー仕上げ後の3点で、それぞれ実施した。
・表面平滑性
最終のカレンダー仕上げ後の塗被層表面を肉眼で観察し、平滑性を4段階評価した。
◎:平滑性が特に優れる。
○:平滑性が優れる。
△:平滑性がやや劣る。
×:平滑性が劣る。
・塗被層面のストリーク
カレンダー処理した各塗被紙の上塗り層表面を肉眼で観察し、ストリークの有無を調べた。
○:ストリークなし。
△:ストリークあり。
・白紙光沢
カレンダー処理前後の各塗被紙の光沢を、TAPPI試験法:T 480 om−92(TAPPI Test Method T 480 om−92)に準じて、光沢度計(型式:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)にて測定した。
・印刷適性(インキ着肉性、および印刷平滑性)
RI印刷機にて、印刷インキ(商品名:Values−G 墨 Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)を0.1cc使用して、各塗被紙に印刷を行い、塗被紙のインキ転写面を肉眼で観察し、転写したインキ濃度(インキ着肉性)と、濃度の均一性(印刷平滑性)とから、塗被紙の印刷適性を4段階評価した。
◎:印刷適性が特に優れる。
○:印刷適性が優れる。
△:印刷適性がやや劣る。
×:印刷適性が劣る。
・印刷光沢
印刷インキ(商品名:Values−G 墨 Sタイプ、大日本インキ化学社製)を0.7ccを使用して各塗被紙に印刷を施し、印刷物を24時間静置乾燥した。その後、各塗被紙の印刷面の60°光沢を、JIS Z8741−1997に準拠して測定した。
・緊度
カレンダー処理後の印刷用塗被紙および原紙の緊度は、ISO 534:1988の規定に従って測定した。
Figure 2006342433
Figure 2006342433
Figure 2006342433
Figure 2006342433

Claims (9)

  1. 緊度0.75g/cm以下の原紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層設けた緊度1.05g/cm以下の印刷用塗被紙において、上塗り塗被層と接する下塗り塗被層の顔料成分を、沈降方式により測定した平均粒子径が、0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料で構成させ、下塗り塗被層の顔料成分の一種として、下記条件を満足するデラミネーテッドカオリンを下塗り塗被層中の全顔料の50質量%以上含有し、前記下塗り塗被層の接着剤成分の量が、顔料成分100質量部当たり、10〜20質量部の範囲であることを特徴とする印刷用塗被紙。
    デラミネーテッドカオリン:光散乱方式により測定した平均粒子径d50が2.0〜5.0μmの範囲内にあり、沈降方式により測定した平均粒子径d50が0.30〜0.55μmの範囲内にあり、しかも、平均粒子径d50と平均粒子径d50の比(d50/d50)が4以上であるデラミネーテッドカオリン。
  2. 前記下塗り塗被層に含まれる白色顔料の1〜30質量%が、サチンホワイトである請求項1に記載の印刷用塗被紙。
  3. 前記下塗り塗被層の接着剤成分が、粒子径が50〜120nmの分散型接着剤を含有する請求項1記載の印刷用塗被紙。
  4. 前記下塗り塗被層の接着剤成分が、水溶性接着剤と分散型接着剤からなり、水溶性接着剤の量が、下塗り塗被層に含まれる顔料成分100質量部当たり7質量部以下である請求項3記載の印刷用塗被紙。
  5. 前記下塗り塗被層表面のPPS平滑度が、2.0〜3.5μmの範囲である請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷用塗被紙。
  6. 前記上塗り塗被層の顔料成分が、沈降方式により測定した平均粒子径が、0.1〜1.3μmの範囲にある白色顔料であり、前記上塗り塗被層の接着剤成分の量が、白色顔料100質量部当たり、10〜20質量部の範囲である請求項1記載の印刷用塗被紙。
  7. 前記上塗り塗被層に含まれる白色顔料の1〜30質量%が、サチンホワイトである請求項6に記載の印刷用塗被紙。
  8. 前記上塗り塗被層に含まれる白色顔料の1〜30質量%が、プラスチックピグメントである請求項6に記載の印刷用塗被紙。
  9. 前記上塗り塗被層の接着剤成分が、水溶性接着剤と分散型接着剤からなり、水溶性接着剤の量が、上塗り塗被層に含まれる顔料成分100質量部当たり4質量部以下である請求項1記載の印刷用塗被紙。
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