JP2006341398A - 液体の到達位置調整方法、液体検出装置、液体吐出装置、およびプログラム - Google Patents

液体の到達位置調整方法、液体検出装置、液体吐出装置、およびプログラム Download PDF

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雄一 西原
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Abstract

【課題】 ノズルから吐出される液体の到達位置の調整を簡単に行う。
【解決手段】 所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、所定の方向とは反対の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、所定の方向とは反対の方向に向かって移動している少なくとも1つのノズルから吐出された液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、検出された第1誘導電流および第2誘導電流に基づき、所定の方向に向かって移動している複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、所定の方向とは反対の方向に向かって移動している複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置とが一致するように調整するステップとを有する。
【選択図】 図17

Description

本発明は、液体の到達位置調整方法、液体検出装置、液体吐出装置、およびプログラムに関する。
媒体に向けてインクを吐出して媒体に印刷をする印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、インクを吐出するヘッドを備え、このヘッドが媒体に対して相対的に移動して印刷をする。ヘッドには、通常、イエロやシアン、マゼンダ、ブラックといった2種類以上の異なる色のインクを吐出するための複数のノズルが設けられている。インクジェットプリンタは、これら複数のノズルからそれぞれ異なる色のインクを吐出してカラー印刷を実施する。
ところで、このようなインクジェットプリンタにあっては、ヘッドの取付位置のずれやヘッドの傾き、インクの特性、ノズルの形状や寸法のバラツキ、ヘッドの移動方向の違いなどの様々な要因によって、各ノズルから吐出されるインクが媒体に到達する位置にずれが発生することがある。このようなずれが発生した場合に、ノズルから吐出されたインクを適正な位置に到達させることができず、印刷される画像の画質が劣化する虞があった。
そこで、このようなインクジェットプリンタにあっては、従来より、このようなずれを可及的に抑制するために、ヘッドの取付位置や各ノズルからのインクの吐出タイミングなどの調整が行われている。これらの調整を行うにあたっては、実際にノズルからインクが吐出されて媒体上に所定の調整用パターンが形成されていた(特許文献1参照)。
特開2004−330499号公報
しかしながら、このように調整用パターンを形成して、ずれ具合の調査を行った場合には、次のような問題が発生した。すなわち、ノズルからのインクの媒体への到達位置の調整を行う毎に、ノズルからインクを吐出して媒体に所定の調整用パターンを形成しなければならず、このため、媒体を消費したり、媒体をセットするなどの煩雑な作業が必要となった。特に、このような調整がユーザー等により行われる場合、そのユーザーに対して大きな負担を強いることになった。このようなことから、調整用パターンを媒体上に形成することなく、媒体への到達位置の調整を行えるような方法が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、調整用パターンを形成することなく、ノズルから吐出されるインク等の液体の到達位置の調整を行えるようにすることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
を有することを特徴とする液体の到達位置調整方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
を有することを特徴とする液体の到達位置調整方法。
この液体の到達位置調整方法にあっては、所定の方向に向かって移動している複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、所定の方向とは反対の方向に向かって移動している複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置とが一致するように簡単に調整をすることができる。
かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第1誘導電流および前記第2誘導電流のうちの少なくともいずれか一方が、前記ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生しても良い。このような感知部に第1誘導電流または第2誘導電流が発生すれば、第1誘導電流または第2誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記複数のノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生しても良い。このような同一の感知部に第1誘導電流および第2誘導電流が発生すれば、第1誘導電流および第2誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルと、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルとが、同一であっても良い。このように複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルと、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルとが同一であれば、ノズルから吐出される液体の媒体への到達位置の調整を的確に行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記ノズルが複数あっても良い。このように複数のノズルが所定の方向に向かって移動しているときに、帯電した液体を吐出するノズルが複数あれば、第1誘導電流を十分に発生させることができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出するノズルが複数あっても良い。このように複数のノズルが所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、帯電した液体を吐出するノズルが複数あれば、第2誘導電流を十分に発生させることができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさに基づき行われても良い。このように第1誘導電流および第2誘導電流の大きさに基づき調整を行うことで、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき行われても良い。このように第1誘導電流および第2誘導電流の大きさの差分に基づき調整を行うことで、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整をすることにより行われても良い。このようにノズルから液体が吐出されるタイミングを調整をすることにより、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記ノズルから吐出される前記液体がインクであっても良い。このようにノズルから吐出される液体がインクであれば、インクの媒体への到達位置が一致するように調整をすることができる。
所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
を有し、
(A)前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記複数のノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生し、
(B)前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルと、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルとが、同一であり、
(C)前記複数のノズルが前記所定の方向または前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記ノズルが複数あり、
(D)前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われ、
(E)前記ノズルから吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体の到達位置調整方法。
所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
を備えたことを特徴とする液体検出装置。
液体を各々吐出する複数のノズルと、
前記複数のノズルが所定の方向に向かって移動しているときに、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
を有することを特徴とする液体の到達位置調整方法。
このような液体の到達位置調整方法にあっては、所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように簡単に調整をすることができる。
かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第1誘導電流が、前記第1ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生しても良い。このような感知部に第1誘導電流が発生すれば、第1誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第2誘導電流が、前記第2ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生しても良い。このような感知部に第2誘導電流が発生すれば、第2誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生しても良い。このような同一の感知部に第1誘導電流および第2誘導電流が発生すれば、第1誘導電流および第2誘導電流を簡単に検出することができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記第1ノズルが複数あっても良い。このように第1ノズルが所定の方向に向かって移動しているときに、帯電した液体を吐出する第1ノズルが複数あれば、第1誘導電流を十分に発生させることができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記第2ノズルが複数あっても良い。このように第2ノズルが所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、帯電した液体を吐出する第2ノズルが複数あれば、第2誘導電流を十分に発生させることができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさに基づき行われても良い。このように第1誘導電流および第2誘導電流の大きさに基づき調整を行うことで、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき行われても良い。このように第1誘導電流および第2誘導電流の大きさに基づき調整を行うことで、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記調整は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から液体が吐出されるタイミングを調整をすることにより行われても良い。このように第1ノズルおよび第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から液体が吐出されるタイミングを調整をすることにより、簡単に調整を行うことができる。
また、かかる液体の到達位置調整方法にあっては、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から吐出される前記液体がインクであっても良い。このように第1ノズルおよび第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から吐出される液体がインクであれば、インクの媒体への到達位置が一致するように調整をすることができる。
所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
を有し、
(A)前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生し、
(B)前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記第1ノズルが複数あり、
(C)前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記第2ノズルが複数あり、
(D)前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われ、
(E)前記ノズルから吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体の到達位置調整方法。
所定の方向に向かって移動している第1ノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
を備えたことを特徴とする液体検出装置。
液体をそれぞれ吐出する第1ノズルおよび第2ノズルと、
所定の方向に向かって移動している前記第 1ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
前記所定の方向に向かって移動している前記第2ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
===印刷装置の概要===
本発明の実施の形態について、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。なお、このインクジェットプリンタ1は、「液体吐出装置」に相当する。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には、給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ7が設けられている。給紙部4には、カット紙などの媒体を保持するための給紙トレイ8が設けられている。
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、左右方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とが設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を左右方向(以下、キャリッジ移動方向ともいう)に沿って相対的に移動させるための駆動源である。タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って案内する。
この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ41の移動方向と交差する方向(図中、前後方向。以下、搬送方向ともいう)に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる搬送モータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部49に着脱可能に装着されている。また、ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインクを吐出して印刷を施す。このために、ヘッド21には、インクを吐出するための多数のノズルが設けられている。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するためにノズルからインクを吸い出すポンプ装置31や、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するために、印刷を行わないとき(待機時など)にヘッド21のノズルを封止するキャッピング装置35などが設けられている。
次に、このインクジェットプリンタ1の搬送部について説明する。この搬送部には、図3に示すように、給紙ローラ13と、紙検知センサ53と、搬送ローラ17Aと、排紙ローラ17Bと、プラテン14と、フリーローラ18A、18Bとが設けられている。
印刷される媒体Sは、給紙トレイ8にセットされる。給紙トレイ8にセットされた媒体Sは、断面略D形状に成形された給紙ローラ13により、図中矢印A方向に沿って搬送されて、インクジェットプリンタ1の内部へと送られる。インクジェットプリンタ1の内部に送られてきた媒体Sは、紙検知センサ53と接触する。この紙検知センサ53は、給紙ローラ13と、搬送ローラ17Aとの間に設置されたもので、給紙ローラ13により給紙された媒体Sを検知する。
紙検知センサ53により検知された媒体Sは、搬送ローラ17Aによって、印刷が実施されるプラテン14へと順次搬送される。搬送ローラ17Aの対向位置には、フリーローラ18Aが設けられている。このフリーローラ18Aと搬送ローラ17Aとの間に、媒体Sを挟み込むことによって、媒体Sをスムーズに搬送する。
プラテン14へと送り込まれた媒体Sは、ヘッド21から吐出されたインクによって順次印刷される。プラテン14は、ヘッド21と対向して設けられ、印刷される媒体Sを下側から支持する。
印刷が施された媒体Sは、排紙ローラ17Bにより順次、プリンタ外部へと排出される。排紙ローラ17Bは、搬送モータ15と同期に駆動されていて、当該排紙ローラ17Bに対向して設けられたフリーローラ18Bとの間に媒体Sを挟み込んで、媒体Sをプリンタ外部へと排出する。
<システム構成>
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
通信インターフェース129は、当該インクジェットプリンタ1が、例えばパーソナルコンピュータ等の外部のコンピュータ140とデータのやりとりを行うたものである。通信インターフェース129は、外部のコンピュータ140と有線または無線等により通信可能に接続され、コンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信する。
バッファメモリ122には、通信インターフェース129により受信された印刷データ等の各種データが一時的に記憶される。また、イメージバッファ124には、バッファメモリに記憶された印刷データが順次記憶される。イメージバッファ124に記憶された印刷データは、順次、ヘッド駆動部132へと送られる。また、メインメモリ127は、ROMやRAM、EEPROMなどにより構成される。メインメモリ127には、当該インクジェットプリンタ1を制御するための各種プログラムや各種設定データなどが記憶される。
コントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムや各設定データなどを読み出して、当該制御用プログラムや各種設定データに従ってインクジェットプリンタ1全体の制御を行う。また、コントローラ126には、ロータリ式エンコーダ134やリニア式エンコーダ51、紙検知センサ53などの各種センサからの検出信号が入力される。
コントローラ126は、外部のコンピュータ140から送られてきた印刷データ等の各種データが通信インターフェース129により受信されてバッファメモリ122に格納されると、その格納されたデータの中から必要な情報をバッファメモリ122から読み出す。コントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御する。
キャリッジモータ制御部128は、コントローラ126からの命令に従って、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。搬送制御部130は、コントローラ126からの命令に従って、搬送ローラ17Aを回転駆動する搬送モータ15などの駆動を制御する。
ヘッド駆動部132は、コントローラ126からの命令に従って、イメージバッファ124に格納された印刷データに基づき、ヘッド21に設けられた各色のノズルを駆動制御する。
この他に、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、液体検出装置60の構成として、検出部80と、A/D変換部88とを備えている。この液体検出装置60は、ヘッド21に設けられたノズルから吐出されたインクを検出するための装置である。この液体検出装置60については、後で詳しく説明する。
<リニア式エンコーダ>
(1)エンコーダの構成
図5Aは、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものである。リニア式エンコーダ51は、リニア式エンコーダ符号板464と、検出部466とを備えている。リニア式エンコーダ符号板464は、図2に示すように、インクジェットプリンタ1内部のフレーム側に取り付けられている。一方、検出部466は、キャリッジ41側に取り付けられている。キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動すると、検出部466がリニア式エンコーダ符号板464に沿って相対的に移動する。これによって、検出部466は、キャリッジ41の移動量を検出する。
(2)検出部の構成
図5Bは、この検出部466の構成を模式的に示したものである。この検出部466は、発光ダイオード452と、コリメータレンズ454と、検出処理部456とを備えている。検出処理部456は、複数(例えば4個)のフォトダイオード458と、信号処理回路460と、例えば2個のコンパレータ462A、462Bとを有している。
発光ダイオード452の両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード452から光が発せられる。この光はコリメータレンズ454により平行光に集光されてリニア式エンコーダ符号板464を通過する。リニア式エンコーダ符号板464には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ符号板464を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード458に入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード458から出力される電気信号は信号処理回路460において信号処理され、信号処理回路460から出力される信号はコンパレータ462A、462Bにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ462A、462Bから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ51の出力となる。
(3)出力信号
図6A及び図6Bは、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時における検出部466の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図6A及び図6Bに示すように、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ42が正転しているとき、即ち、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動しているときは、図6Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ42が逆転しているときは、図6Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔を移動する時間に等しい。
そして、リニア式エンコーダ51の出力パルスENC−A、ENC−Bの各々の立ち上がりエッジが検出され、検出されたエッジの個数が計数され、この計数値に基づいてキャリッジモータ42の回転位置が演算される。この計数はキャリッジモータ42が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−A及びENC−Bの各々の周期は、リニア式エンコーダ符号板464の、あるスリットが検出部466を通過してから次のスリットが検出部466を通過するまでの時間に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔の1/4に対応する。これにより上記計数値にスリット間隔の1/4を乗算すれば、その乗算値に基づいて、計数値が「0」に対応する回転位置からのキャリッジモータ42の移動量を求めることができる。このとき、リニア式エンコーダ51の解像度はリニア式エンコーダ符号板464のスリットの間隔の1/4となる。
<ヘッド>
図7Aは、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、およびブラックノズル列211Kが設けられている。
各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180は、所定の方向(ここでは、媒体Sの搬送方向)に沿って相互に間隔をあけて直線状に1列に配列されている。各ノズル列211C、211M、211Y、211Kは、ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に所定の間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色のノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
<駆動回路>
図7Bは、各ノズル♯1〜♯180の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原駆動信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド21のノズル♯1〜♯180をそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原駆動信号発生部221から原駆動信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原駆動信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原駆動信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて実駆動信号DRVとして、各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、マスク回路222からの実駆動信号DRVに基づき駆動してインクの吐出を行う。
<各信号波形>
図7Cは、原駆動信号発生部221の動作を示す原駆動信号ODRV、印刷信号PRT(i)、実駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原駆動信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジ41の移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『10』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から小さいインク滴が吐出され、媒体Sには小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『01』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から中サイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズル♯1〜♯180から大きいサイズのインク滴が吐出され、媒体Sには、大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。
以上説明したとおり、一画素区間における実駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいて、ヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『00』に対応しているときには、ノズル♯1〜♯180からインク滴が吐出されず、媒体Sには、ドットが形成されないことになる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路220が、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kごと、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに各々個別に設けられ、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜180ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
<PTS信号>
PTS(Pulse Timing Signal)信号は、原駆動信号発生部221が原駆動信号ODRVを生成するタイミングや、PRT(i)信号が出力するデータの切り換えタイミングを規定する信号であり、図7Cに示すように、パルスを周期的に出力する信号である。このPTS信号のパルスは、リニア式エンコーダ51(検出部466)からの出力パルスENC−A、ENC−Bに基づき、生成される。つまり、PTS信号のパルスは、キャリッジ41の移動量に応じて発生する。すなわち、キャリッジ41の移動速度が遅くなれば、PTS信号のパルスが生成される時間の間隔も長くなり、また、キャリッジ41の移動速度が速くなれば、PTS信号のパルスが生成される時間の間隔も短くなる。さらに、PTS信号のパルスが発生するタイミングを少し遅らせれば、原駆動信号発生部221が原駆動信号ODRVを生成するタイミング等を遅らせることができる。また、PTS信号のパルスが発生するタイミングを少し早めれば、原駆動信号発生部221が原駆動信号ODRVを生成するタイミング等を早めることができる。
PTS信号の生成は、本実施形態では、コントローラ126により行われる。コントローラ126は、リニア式エンコーダ51(検出部466)からの出力パルスENC−A、ENC−Bに基づきPTS信号のパルスを生成するとともに、コンピュータ140から送られてきた印刷データに基づき、パルスが発生するタイミングと周期とを適宜変更する。コントローラ126にて生成されたPTS信号は、ヘッド駆動部132へと出力される。ヘッド駆動部132は、コントローラ126からのPTS信号に基づき、原駆動信号発生部221にて駆動信号ODRVを生成したり、PRT(i)信号が出力するデータを切り換えたりする。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
コントローラ126は、コンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体Sをインクジェットプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。コントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする媒体Sを搬送ローラ17Aまで送る。コントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた媒体Sを印刷開始位置(プラテン14の上方付近)に位置決めする。
次に、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を駆動して、キャリッジ41を媒体Sに対して相対的に移動させて媒体Sに対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインクを吐出する往路印刷を実行する(S104)。コントローラ126は、キャリッジモータ42を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出する。ヘッド21から吐出されたインクは、媒体Sに到達してドットとして形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、コントローラ126は、媒体Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。ここでは、コントローラ126は、搬送制御部130を通じて搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、媒体Sをヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、コントローラ126は、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出して、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にコンピュータ140からの印刷データに基づき、次に印刷すべき媒体Sがないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき媒体Sがある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき媒体Sがない場合には、印刷処理を終了する。
===液体検出装置===
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、次のような液体検出装置60を備えている。この液体検出装置60は、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク(液体)を検出する。このような液体検出装置60を用いて、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク(液体)を検出することで、調整用パターンを形成することなく、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を調整する。ここでは、この液体検出装置60を用いて、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、キャリッジ41が前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置とが一致するように調整を行う。すなわち、キャリッジ41の往路と復路とにおいてインクの媒体Sへの到達位置が相互に一致するように調整を行う。以下に、この調整のことを『Bi−d調整』ともいう。
また、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置とが一致するように調整を行う。すなわち、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときに、異なるノズル列からそれぞれ吐出されたインクの媒体Sへの到達位置が一致するように調整を行う。以下に、この調整のことを『Uni−d調整』ともいう。はじめに、液体検出装置60の構成について以下に詳しく説明する。
<液体検出装置の概要>
図9及び図10は、本実施形態のインクジェットプリンタ1に搭載された液体検出装置60について概略的に説明したものである。図9は、液体検出装置60の構成を説明した説明図である。図10は、液体検出装置60の検出原理について説明した説明図である。
この液体検出装置60は、図9に示すように、ヘッド21と対向可能な位置に配設された感知部70と、この感知部70に接続された検出部80とを備えている。感知部70は、金属等の導電性を有する材料により形成されたもので、ここでは、図10に示すように、所定の肉厚を有し、幅寸法Hに成形された帯状の板状部材により形成されている。なお、この感知部70は、「第1感知部」および「第2感知部」に相当する。
感知部70は、図9に示すように、ヘッド21に対して平行になるように、横方向に沿って配置されている。さらに、感知部70は、図10に示すように、その側面部がヘッド21に設けられたノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの飛行経路と平行になるように配置されている。つまり、感知部70には、ノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出方向に沿って配置された面が設けられている。感知部70の幅寸法Hは、例えば、2〜3mmほどに設定される。キャリッジ41が移動したときには、感知部70は、ヘッド21との間に間隔Dをあけて、ヘッド21と非接触状態にて対向し得るように配設されている。ヘッド21と感知部70との間の間隔Dは、例えば、1mmなどに設定される。
また、感知部70には、保護抵抗R1を介して、電源(図示外)が接続されている。これにより、感知部70には、この電源から例えば、+100V(ボルト)などの高い電圧が印加されている。
一方、検出部80は、感知部70に発生する電流を検出するようになっている。本実施形態では、この検出部80が、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部70に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、A/D変換部88(図4参照)によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、デジタルデータなどとして、適宜な形態でコントローラ126に向けて送信される。なお、この検出部80は、「第1検出部」および「第2検出部」に相当する。
実際に、調整を行う場合には、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から感知部70の近傍に向けてインクを吐出する動作を実行する。図10は、ヘッド21のあるノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される様子を説明したものである。ここでは、ヘッド21のノズル♯1〜♯180のうちの1つのノズルからインク滴Ipを1滴、即ち1回分だけ吐出している。
このとき、感知部70には、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。このため、ヘッド21と感知部70との間には、非常に強い電界が形成されている。このような状況において、ノズル♯1〜♯180のうちのいずれか1つのノズルからインク滴Ipが吐出されると、その吐出されたインク滴Ipは、帯電される。
ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、感知部70の近傍を通過する。帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過すると、帯電したインク滴Ipが感知部70に近付く際、および帯電したインク滴Ipが感知部70から遠ざかる際に、感知部70に誘導電流が発生する。なお、この誘導電流は、帯電したインク滴Ipの接近および離脱により静電誘導の影響を受けて発生したものと考えられる。本実施形態では、図9に示すように、感知部70が幅寸法Hを有する帯状の板状部材により形成され、その側面部がノズル♯1〜♯180からのインク滴Ipの吐出経路と平行になるように配置されている。このため、感知部70には、大きな誘導電流を発生させることができる。
このとき、感知部70に発生する誘導電流は、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mに応じた大きさとなる。つまり、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとが近いとき、即ち、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが小さいときには、感知部70には、大きい誘導電流が発生する。また、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとが離れているとき、即ち、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが大きいときには、感知部70には、小さな誘導電流が発生する。
このようにして、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mに応じた誘導電流が感知部70に発生すると、検出部80に入力される電流に変動が生じる。そして、この電流変動は、電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、検出信号として、コントローラ126等に向けて出力される。これにより、感知部70に誘導電流が発生したときには、これが検出部80により検出されて、その検出信号がA/D変換部88(図4参照)を通じてアナログ信号からデジタルデータなどとして変換されて、コントローラ126に向けて出力される。
コントローラ126は、検出部80から出力された検出信号の信号レベルから、感知部70に生じた誘導電流の大きさを取得する。そして、コントローラ126は、その取得した誘導電流の大きさから、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mを取得する。これによって、ノズルから吐出されたインク滴Ipが、感知部70からどれくらい離れたポイントを通過したのか検知することができる。
なお、ここで吐出されるインク滴Ipのサイズとしては、なるべく大きい方が好ましい。つまり、例えば、本実施形態では、一番大きいサイズのドット、媒体Sに大ドット(画素データ『11』)を形成するために吐出されるインク滴Ipとほぼ等しいサイズに設定される。これは、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipのサイズが大きければ大きいほど、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipが帯電する電荷の量が増えるからである。ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipの電荷量が増えれば、感知部70に発生する誘導電流も大きくなる。これによって、感知部70に発生した誘導電流を検出部80によってより簡単に検出することができる。
もちろん、吐出されるインク滴Ipのサイズは、必ずしも一番大きいサイズのドット(大ドット等)を形成する場合のサイズに設定する必要はない。つまり、このような調整を行うときだけ、特別にサイズの大きいインク滴Ipを吐出するようにしても良い。また、サイズの小さいインク滴Ipを吐出するようにしても良い。
ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipについては、必ずしも感知部70の近傍を通過する必要はなく、感知部70と接触しても構わない。このような場合であっても、感知部70に誘導電流が発生する。
また、調整が行われる際に、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipの数としては、必ずしも1滴とは限らない。すなわち、ノズル♯1〜♯180のうちの2以上のノズルからインク滴Ipが吐出されても構わない。このように2以上のノズルからそれぞれインク滴Ipが吐出されれば、感知部70の近傍を通過するインク滴Ipの数が増え、これにより、感知部70により大きな誘導電流を発生させることができる。したがって、感知部70に発生した誘導電流を検出部80によってより検出し易くすることができる。
===検出波形===
図11は、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipを吐出するために、各ノズル♯1〜♯180に設けられたピエゾ素子に対して出力される駆動信号と、検出部80からの検出信号の各波形をそれぞれ示したものである。同図中の上の波形は駆動信号の波形を示したものである。同図中の下の波形は、検出部80の検出信号の波形を示したものである。
インク滴Ipを吐出するノズルに設けられたピエゾ素子には、同図に示すように、インク滴を1回、即ち1滴吐出するための駆動パルスWaが駆動信号として入力される。この駆動信号によりノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されると、感知部70に誘導電流が発生し、この誘導電流が検出部80により検出されて、検出部80からは、例えば、同図に示すような上下に振れた波形のパルスWbを有する検出信号が出力される。検出部80から出力される検出信号のパルスWbは、駆動信号の駆動パルスWaに比べて立上りが若干遅れることになる。ここで出力される検出信号のパルスWbの振幅は、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mに応じて異なる。
図12は、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mと、検出部80からの検出信号の波形との関係を示したものである。図12Aは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが小さい場合を示している。図12Bは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが大きい場合を示している。図12Cは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが中くらいの場合を示している。
感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが小さい場合、即ち、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合には、図12Aに示すように、検出部80からの検出信号の振幅が大きく、その検出信号のピーク値Vmaxは、大きい値となる。また、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが大きい場合、即ち、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れている場合には、図12Bに示すように、検出部80からの検出信号の振幅が小さく、その検出信号のピーク値Vmaxは、小さい値となる。また、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mが中くらいの場合には、図12Cに示すように、検出部80からの検出信号の振幅も中くらいとなり、その検出信号のピーク値Vmaxは、中くらいのレベルとなる。
===感知部の設置例===
図13は、感知部70の設置例について説明したものである。ここでは、感知部70が基板72上に設けられた場合を例にして説明する。図13Aは、感知部70が設けられた基板72を表側から示したものである。図13Bは、感知部70が設けられた基板72を裏側から示したものである。基板72は、ここでは、プリント配線基板である。
感知部70は、基板72上に一体的に設けられたもので、例えば、基板72に直接金属板等の導電性の板状部材を取り付けたり、また基板72上に薄膜を形成してパターンとして設けられる。ここで、感知部70は、図13Aに示すように、基板72の一方の面に、その上端部に沿って帯状に設けられている。ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、同図に示すように、基板72の上方から飛来して、基板72上の感知部70の側方を通過して下方に落下するようになっている。これによって、感知部70には、誘導電流が発生する。
なお、ここでは、感知部70が設けられた基板72の一方の面には、感知部70以外に他の電子部品等、基板72上に突出するような突出部は設けられないようになっている。これは、感知部70が設けられた基板72の一方の面に電子部品等の突起部を設けた場合に、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクによって汚損される虞があるからである。
一方、感知部70が設けられた一方の面とは反対側の他方の面には、図13Bに示すように、図9にて説明した検出部80を構成する回路構成部品が一体的に設けられている。すなわち、他方の面には、検出部80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する各種回路構成部品81、82、83、84が一体的に実装されている。これにより、基板72は、液体検出装置60の感知部70や回路構成部品81、82、83、84、85、86やコネクタ87が実装された1つの液体検出ユニット75となっている。
さらに、本実施形態の基板72にあっては、感知部70が設けられた側とは反対側に、グランド部76が設けられている。このグランド部76は、反対側の感知部70に対応して設けられたもので、感知部70が設けられた位置とちょうど重なるように反対側に設けられている。このグランド部76は、反対側に設けられた感知部70と同様に、基板72の上端部に沿って帯状に設けられたもので、ここでは、感知部70と同じ形状および同じサイズに設定されている。このグランド部76についても、感知部70の場合と同様に、基板72上に一体的に設けられたもので、例えば、基板72に直接金属板等導電性の板状部材を取り付けたり、また基板72上に薄膜を形成してパターンとして設けられたりする。なお、このグランド部76は、図示しない配線部等により接地されている。
このようなグランド部76が、感知部70が設けられた側とは反対側に、当該感知部70が設けられた位置に対応して設けられることで、感知部70を裏側からシールドして外部からのノイズが感知部70に悪影響を及ぼすのを防止することができる。これによって、外部からのノイズによって感知部70に、関係のない誘導電流がノイズとして生じるのを防ぐことができる。したがって、感知部70からは、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipによって発生する誘導電流を検出することができる。これにより、ノズル♯1〜♯180においてインクの吐出が正常に行われているか否かより正確に判定することができる。
なお、このグランド部76にあっては、必ずしも感知部70と同じ大きさに形成される必要はない。グランド部76の大きさが大きくなれば、感知部70に対するシールド効果を増大させることができる。これによって、外部からのノイズによって感知部70が悪影響を及ぼされるのをより一層防止することができる。
===感知部の設置位置===
図14は、感知部70が設けられた液体検出ユニット75の設置位置について詳しく説明したものである。本実施形態の液体検出ユニット75は、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアAnという)に設けられたインク回収部90(ここでは、印刷エリアApに対して左側の非印刷エリアAn)に設置されている。このインク回収部90は、フラッシングを行うために設けられたものである。ここで、フラッシングとは、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からインクを強制的に吐出する動作を実行してインクを排出する処理である。具体的には、各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子を駆動して、印刷時に各ノズル♯1〜♯180からインクを吐出する場合と同じように、ノズル♯1〜♯180から各々インクを積極的に吐出する動作を実行する。このような動作を実行することによって、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等の吐出不良の解消を図る。このようなフラッシングは、印刷中に行われたりする。つまり、キャリッジ41がキャリッジ移動方向に沿って移動しながらインクを吐出して印刷を行ったときに、キャリッジ41がインク回収部90の上方へと移動して、そこで、各ノズル♯1〜♯180からインクを強制的に吐出するフラッシングを実行する。その後、再びキャリッジ41が移動して、キャリッジ移動方向に移動しながらインクを吐出して印刷をする。インク回収部90は、このように印刷中等に行われるフラッシングにおいて、各ノズル♯1〜♯180から排出されたインクを回収するために設けられたものである。
他方、印刷エリアApに対して右側の非印刷エリアAnには、ノズル♯1〜♯180のクリーニング装置として、ノズルの目詰まりを解消するためにノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置31が設けられている。また、この非印刷エリアAnには、印刷が行われないときにヘッド21のノズル♯1〜♯180を覆ってキャップするキャッピング装置35が設けられている。なお、これらポンプ装置31およびキャッピング装置35の他に、ノズル♯1〜♯180の開口部から余計に付着したインクを拭き取るワイピング装置など、各種装置が設けられることもある。
実際に調整を行うときには、キャリッジ41がキャリッジ移動方向に沿ってインク回収部90に向かって移動する。そして、キャリッジ41がインク回収部90の上方に到達したときに、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180から各々インクを吐出する。
図15および図16は、インク回収部90について詳しく示したものである。図15は、インク回収部90の斜視図であり、図16は、インク回収部90の縦断面図である。このインク回収部90は、図15に示すように、媒体Sが印刷されるプラテン14に隣接して設けられている。このインク回収部90には、図15および図16に示すように、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクを回収するために2つの凹部93、94が設けられている。1つは、底の浅い第1凹部93であり、もう1つは、底の深い第2凹部94である。これら第1凹部93および第2凹部94は、キャリッジ41の移動方向に沿って相互に隣接して設けられている。
液体検出ユニット75は、図15および図16に示すように、第2凹部94に設置されている。液体検出ユニット75は、第2凹部94から下向きに垂直に配置されている。これにより、感知部70が、ノズル♯1〜♯180からのインクの吐出方向と平行になるように配置されている。また、液体検出ユニット75は、図15に示すように、搬送方向に沿って配置されている。これによって、感知部70が、ヘッド21の各ノズル列211C、211M、211Y、211Kと平行に配置されている。感知部70は、第2凹部94の内側に露出されている。
調整を行う際には、各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクが、感知部70の側方を通過して、インク回収部90の第2凹部94に落下する。これにより、調整を行うために各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクをスムーズに回収することができ、インクジェットプリンタ1の内部の汚損を防ぐことができる。
===誘導電流の検出===
本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1では、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向(キャリッジ移動方向)とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置とが一致するようにするための調整(いわゆる『Bi−d調整』)を行うにあたって、次の(A)および(B)の動作を実施する。
(A)キャリッジ41が所定の方向に向かってキャリッジ移動方向に沿って移動しているときに、ヘッド21に設けられたノズル列211C,211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列のノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出する。そして、この帯電したインクによって、感知部70に発生する誘導電流(第1誘導電流に相当)を検出する。
(B)キャリッジ41が前記所定の方向とは反対の方向に向かってキャリッジ移動方向に沿って移動しているときに、前記一のノズル列のノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出する。そして、この帯電したインクによって、感知部70に発生する誘導電流(第2誘導電流に相当)を検出する。
また、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1では、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向(キャリッジ移動方向)に向かって移動したときに、ヘッド21の4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、他のノズル列のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置とが一致するようにするための調整(いわゆる『Uni−d調整』)を行うにあたって、次の(C)および(D)の動作を実施する。
(C)キャリッジ41が所定の方向に向かってキャリッジ移動方向に沿って移動しているときに、ヘッド21に設けられたノズル列211C,211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列のノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズル(第1ノズルに相当)から、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出する。そして、この帯電したインクによって、感知部70に発生する誘導電流(第1誘導電流に相当)を検出する。
(D)キャリッジ41が前記所定の方向に向かってキャリッジ移動方向に沿って移動しているときに、前記一のノズル列以外の他のノズル列のノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズル(第2ノズルに相当)から、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出する。そして、この帯電したインクによって、感知部70に発生する誘導電流(第2誘導電流に相当)を検出する。
<実際の誘導電流の検出>
(1)Bi−d調整の場合
図17は、Bi−d調整を行うために実施される誘導電流の検出の一例について説明したものである。図17Aは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列(ここでは、イエロノズル列211Y)のノズルから、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出した場合について説明している。図17Bは、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、ヘッド21の前記ノズルから、液体検出装置60の感知部70の近傍に向けて、帯電したインクを吐出した場合について説明している。ここでは、所定の方向が紙面左方向となっている。
キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipは、図17Aに示すように、キャリッジ41の移動による慣性力によって、吐出されたノズルから所定の方向(紙面左方向)に向かって斜めに飛行して、感知部70の近傍を通過して落下する。このときのインク滴Ipの飛行経路の一例を同図中にF1にて表す。これによって、感知部70には、誘導電流(第1誘導電流に相当)が発生する。この誘導電流の大きさは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F1との間の距離M1に応じた大きさとなる。感知部70に発生した誘導電流(第1誘導電流に相当)は、検出部80によって検出される。検出部80によって検出された誘導電流(第1誘導電流に相当)の大きさに関する情報は、検出部80からコントローラ126へと伝達される。
一方、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipは、図17Bに示すように、キャリッジ41の移動による慣性力によって、吐出されたノズルから所定の方向とは反対の方向(紙面右方向)に向かって斜めに飛行して、感知部70の近傍を通過して落下する。このときのインク滴Ipの飛行経路の一例を同図中にF2にて表わす。これによって、感知部70には、誘導電流(第2誘導電流に相当)が発生する。この誘導電流の大きさは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F2との間の距離M2に応じた大きさとなる。感知部70に発生した誘導電流(第2誘導電流に相当)は、検出部80によって検出される。検出部80によって検出された誘導電流(第2誘導電流に相当)の大きさに関する情報は、検出部80からコントローラ126へと伝達される。
図18は、インクが吐出されるときのイエロノズル列211Yと感知部70との位置関係について説明したものである。なお、ここでは、イエロノズル列211Yのノズルからインクが吐出されるときのイエロノズル列211Yと感知部70との位置関係は、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動している場合と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動する場合とで、同じである。これは、インクが吐出されるときのイエロノズル列211Yと感知部70との位置関係を同一にする必要があるためである。すなわち、インクが吐出されるときのイエロノズル列211Yと感知部70との位置関係が同一にならなければ、イエロノズル列211Yのノズルから吐出されるインクの帯電量に違いが発生する。このため、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動している場合と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動する場合とで、同一の条件にて誘導電流の検出を実施することができず、的確な誘導電流を検出することができないからである。
キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達すると、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される。ここで、感知部70は、同図に示すように、イエロノズル列211Yと平行になるように配置されている。感知部70の長さ寸法Lは、イエロノズル列211Yをはじめ、シアンノズル列211Cやマゼンダノズル列211M、ブラックノズル列211Kの長さ寸法に対応して、それよりも若干長くなるように設定されている。
イエロノズル列211Yが所定位置Aに達したときに、感知部70の近傍に向けてインクを吐出するノズルの数は、必ずしも1つである必要はない。つまり、インクを吐出するノズルが2つであってもよく、また3つ以上であっても構わない。このように複数のノズルからインクが吐出されれば、感知部70に発生する誘導電流の大きさをより大きくすることが可能である。このように感知部70に発生する誘導電流の大きさが大きくなれば、検出部80によって、よりスムーズに誘導電流を検出することができる。
また、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動している場合でも、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達すると、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される。ここでも、感知部70の近傍に向けてインクを吐出するノズルの数は、必ずしも1つである必要はなく、複数であっても良い。ここで、複数のノズルからインクが吐出されれば、感知部70に発生する誘導電流の大きさをより大きくすることでき、検出部80によりスムーズに誘導電流を検出することができる。さらに、ここでインクを吐出するノズルにあっては、必ずしもキャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときと同じノズルである必要はなく、別のノズルからインクが吐出されても良い。
図19は、誘導電流の検出手順の一例について説明したフローチャートである。ここでは、まずはじめに、キャリッジ41を所定の方向に向かって移動させる(S202)。次に、キャリッジ41が液体検出装置60の感知部70に接近してイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックする(S204)。イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達していない場合には、再びS204にてイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックし、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達するまで実行される。一方、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達した場合には、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから液体検出装置60の感知部70の近傍に向けてインクを吐出する(S206)。その後、キャリッジ41は移動を停止する(S208)。
次に、キャリッジ41は、所定の方向とは反対の方向に向かって移動を開始する(S210)。そして、キャリッジ41が液体検出装置60の感知部70に接近してイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックする(S212)。イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達していない場合には、再びS212にてイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックし、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達するまで実行される。一方、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達した場合には、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから液体検出装置60の感知部70の近傍に向けてインクを吐出する(S214)。その後、キャリッジ41は移動を停止する(S216)。
(2)Uni−d調整の場合
図20は、Uni−d調整を行うために実施される調査の一例について説明したものである。図20Aは、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向(ここでは紙面左方向)に向かって移動したときに、ヘッド21の4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列(ここでは、イエロノズル列211Y)のノズル(第1ノズルに相当)からインクを吐出する場合について説明している。図20Bは、ヘッド21が所定の方向(ここでは紙面左方向)に向かって移動したときに、他のノズル列(ここでは、ブラックノズル列211K)のノズル(第2ノズルに相当)からインクを吐出する場合について説明している。なお、ここでは、所定の方向が紙面左方向となっている。
キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のイエロノズル列211Yのノズルから吐出されたインク滴Ipは、図20Aに示すように、キャリッジ41の移動による慣性力によって、吐出されたノズルから所定の方向(紙面左方向)に向かって斜めに飛行経路F3を通って、感知部70の近傍を通過して落下する。これによって、感知部70には、誘導電流(第1誘導電流に相当)が発生する。この誘導電流の大きさは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F3との間の距離M3に応じた大きさとなる。感知部70に発生した誘導電流(第1誘導電流に相当)は、検出部80によって検出される。検出部80によって検出された誘導電流(第1誘導電流に相当)の大きさに関する情報は、検出部80からコントローラ126へと伝達される。
一方、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のブラックノズル列211Kのノズルから吐出されたインク滴Ipは、図20Bに示すように、キャリッジ41の移動による慣性力によって、吐出されたノズルから所定の方向(紙面左方向)に向かって斜めに飛行経路F4を通って、感知部70の近傍を通過して落下する。ここで、飛行経路F4は、インクの特性やノズルの形状や特性など各種要因によって、図20Aにて説明する飛行経路F3と異なる場合がある。
感知部70には、誘導電流(第2誘導電流に相当)が発生する。この誘導電流の大きさは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F4との間の距離M4に応じた大きさとなる。感知部70に発生した誘導電流(第2誘導電流に相当)は、検出部80によって検出される。検出部80によって検出された誘導電流(第2誘導電流に相当)の大きさに関する情報は、検出部80からコントローラ126へと伝達される。
図21は、イエロノズル列211Yおよびブラックノズル列211Kの各ノズルからそれぞれインクが吐出されるときのイエロノズル列211Yまたはブラックノズル列211Kと感知部70との位置関係について説明したものである。図21Aは、イエロノズル列211Yのノズルからインクが吐出されるときのイエロノズル列211Yと感知部70との位置関係について説明したものである。図21Bは、ブラックノズル列211Kのノズルからインクが吐出されるときのブラックノズル列211Kと感知部70との位置関係について説明したものである。
キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、図21Aに示すように、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達すると、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される。ここで、感知部70の近傍に向けてインクを吐出するノズルの数は、必ずしも1つである必要はない。つまり、インクを吐出するノズルが2つであってもよく、また3つ以上であっても構わない。このように複数のノズルからインクが吐出されれば、感知部70に発生する誘導電流の大きさをより大きくすることが可能である。このように感知部70に発生する誘導電流の大きさが大きくなれば、検出部80によって、よりスムーズに誘導電流を検出することができる。
また、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、図21Bに示すように、ブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達すると、ブラックノズル列211Kのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される。ここでも、感知部70の近傍に向けてインクを吐出するノズルの数は、必ずしも1つである必要なく、複数であっても良い。このように複数のノズルからインクが吐出されれば、感知部70に発生する誘導電流の大きさをより大きくすることが可能である。これによって、検出部80によりスムーズに誘導電流を検出することができる。
図22は、誘導電流の検出手順の一例について説明したフローチャートである。ここでは、はじめに、キャリッジ41を所定の方向に向かって移動させる(S302)。次に、キャリッジ41が感知部70に接近してイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックする(S304)。イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達していない場合には、再びS304にてイエロノズル列211Yが所定位置Aに到達したか否かチェックし、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達するまで実行される。一方、イエロノズル列211Yが所定位置Aに到達した場合には、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクを吐出する(S306)。その後、キャリッジ41は移動を停止する(S308)。
そして、キャリッジ41は、所定の方向とは反対の方向に向かって移動を開始し(S309)、感知部70の上方を通過した後、適当な位置にて停止する(S310)。
次に、キャリッジ41は、再び所定の方向に向かって移動する(S311)。そして、キャリッジ41が感知部70に接近してブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達したか否かチェックする(S312)。ブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達していない場合には、再びS312にてブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達したか否かチェックし、ブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達するまで実行される。一方、ブラックノズル列211Kが所定位置Aに到達した場合には、ブラックノズル列211Kのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルから感知部70の近傍に向けてインクを吐出する(S314)。その後、キャリッジ41は移動を停止する(S316)。
===ずれ量の検出===
(1)Bi−d調整の場合
このようにして得られた誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)に基づき、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向(キャリッジ移動方向)とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの媒体Sへの到達位置との間のずれ量について検出する。
ここでは、検出部80により検出された2つの誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)からそれぞれピーク値V1max、V2maxを取得し、それらのピーク値V1max、V2maxから差分ΔVを求め、その差分ΔVに基づき、ずれ量の検出を行う。
図23は、Bi−d調整の場合に、誘導電流を検出した検出部80から出力される検出信号の信号波形の一例を示したものである。図23Aは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときの検出部80からの検出信号の一例を示す。図23Bは、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときの検出部80からの検出信号の一例を示す。
ここでは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときには、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F1との間の距離M1が比較的小さいことから、図23Aに示すように、検出信号のピーク値V1maxは大きくなっている。一方、キャリッジ41が所定の方向と反対の方向に向かって移動したときには、感知部70とインク滴Ipの飛行経路F2との間の距離M2は、比較的大きいことから、図23Bに示すように、検出信号のピーク値V2maxは小さくなっている。このようにして得られたピーク値V1max、V2maxからその差分ΔVを求める。差分ΔVは、|V1max−V2max|により求めることができる。
そして、求めた差分ΔVに基づき、インクの媒体Sへの到達位置のずれ量の検出を行う。図24は、求めた差分ΔVに基づき、インクの媒体への到達位置のずれ量を検出する方法について説明したものである。求めた差分ΔVは、図17にて説明したように、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipが飛行する飛行経路F1と感知部70との間の距離M1と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときにヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipが飛行する飛行経路F2と感知部70との間の距離M2との差分ΔM1に応じた値となる。つまり、求めた差分ΔVに基づいて、距離M1、M2の差分ΔM1を取得することができる。
この差分ΔM1を取得することができれば、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipが到達する媒体S上の位置P1と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインク滴Ipが到達する媒体S上の位置P2との間のずれ量ΔL1を求めることができる。つまり、キャリッジ41(ヘッド21)と媒体Sとの間の間隔Ghと、媒体Sと感知部70が感知するポイントとの間の間隔Gsとは、既定値として取得することが可能である。このことから、次の式(1)により、ずれ量ΔL1を簡単に求めることができる。
ΔL1=ΔM1×Gh/(Gh+Gs) ………(1)

このようにして、距離M1、M2の差分ΔM1に基づき、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動している場合と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動している場合とにおける、インクの到達位置の媒体S上のずれ量ΔL1を求めることができる。
(2)Uni−d調整の場合
ここでも、得られた誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)に基づき、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向(ここでは紙面左方向)に向かって移動したときに、ヘッド21の4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kのうちの一のノズル列(ここでは、イエロノズル列211Y)のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置と、キャリッジ41(ヘッド21)が所定の方向(ここでは紙面左方向)に向かって移動したときに、一のノズル列(ここでは、イエロノズル列211Y)以外の他のノズル列(ここではブラックノズル列211K)のノズルから吐出されたインクの媒体Sへの到達位置との間のずれ量について検出することができる。
ここでは、Bi−d調整の場合と同様に、検出部80により検出された2つの誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)からそれぞれピーク値V3max、V4maxを取得し、それらのピーク値V3max、V4maxから差分ΔVを求め、その差分ΔVに基づき、ずれ量の検出を行う。
図25は、Uni−d調整の場合に誘導電流を検出した検出部80から出力される検出信号の信号波形の一例を示したものである。図25Aは、イエロノズル列211Yのノズルからインクが吐出されたときに検出された誘導電流(第1誘導電流)を検出部80により検出したときの検出信号の一例を示す。図25Bは、ブラックノズル列211Kのノズルからインクが吐出されたときに検出された誘導電流(第2誘導電流)を検出部80により検出したときの検出信号の一例を示す。
イエロノズル列211Yのノズルからインクが吐出されたときに発生した誘導電流(第1誘導電流)を検出部80により検出したときの検出信号のピーク値を、図25Aに示すように、「V3max」とする。また、ブラックノズル列211Kのノズルからインクが吐出されたときに発生した誘導電流(第2誘導電流)を検出部80により検出したときの検出信号のピーク値を、図25Bに示すように、「V4max」とする。これら2つのピーク値V3max、V4maxの差分ΔVは、|V3max−V4max|により求めることができる。
そして、求めた差分ΔVに基づき、インクの媒体Sへの到達位置のずれ量の検出を行う。図26は、求めた差分ΔVに基づき、インクの媒体Sへの到達位置のずれ量を検出する方法について説明したものである。求めた差分ΔVは、図20にて説明したように、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときにヘッド21のイエロノズル列211Yのノズルから吐出されたインク滴Ipが飛行する飛行経路F3と感知部70との間の距離M3と、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面右方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のブラックノズル列211Kのノズルから吐出されたインク滴Ipが飛行する飛行経路F4と感知部70との間の距離M4との差分ΔM2に応じた値となる。つまり、求めた差分ΔVに基づいて、距離M3、M4の差分ΔM2を取得することができる。
この差分ΔM2を取得することができれば、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、ヘッド21のイエロノズル列211Yのノズルから吐出されたインク滴Ipが到達する媒体S上の位置P3と、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときに、ヘッド21のブラックノズル列211Kのノズルから吐出されたインク滴Ipが到達する媒体S上の位置P4との間のずれ量ΔL1を求めることができる。つまり、キャリッジ41(ヘッド21)と媒体Sとの間の間隔Ghと、媒体Sと感知部70が感知するポイントとの間の間隔Gsとは、既定値として取得することが可能である。このから、次の式(2)により、ずれ量ΔL2を求めることができる。
ΔL2=ΔM2×Gh/(Gh+Gs)…………………(2)

このようにして、距離M3、M4の差分ΔM2に基づき、キャリッジ41が所定の方向(ここでは、紙面左方向)に向かって移動しているときに、イエロノズル列211Yのノズルからインクが吐出された場合と、ブラックノズル列211Kのノズルからインクが吐出された場合とにおける、インクの到達位置の媒体S上のずれ量ΔL2を求めることができる。
===調整の要否の判定方法===
ここで、インクの到達位置の調整の必要がある否か判定する方法について説明する。なお、ここで説明する判定方法にあっては、特に、「Uni−d調整」において非常に有用である。
図27は、インクの到達位置の調整の必要がある否か判定する方法の一例について説明したものである。ここで説明する判定方法にあっては、検出部80により検出された2つの誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)のピーク値V3max、V4max(V1max、V2max)の差分ΔVに基づき判定する。このように求めたピーク値V3max、V4max(V1max、V2max)の差分ΔVを所定のしきい値V0と比較して、差分ΔVが所定のしきい値V0を超えていた場合には、「調整の必要あり」と判定する。一方、差分ΔVが所定のしきい値V0を超えていなかった場合には、「調整の必要無し」と判定する。すなわち、ピーク値V3max(V1max)とピーク値V4max(V2max)との差分ΔVが、例えば図中「ΔVa」に示すように所定のしきい値V0よりも大きければ、インクの媒体Sへの到達位置に大きなずれが発生していると判断して、「調整の必要あり」と判定する。
他方、ピーク値V3max(V1max)とピーク値V4max(V2max)との差分ΔVが、例えば図中「ΔVb」に示すように所定のしきい値V0よりも小さければ、インクの媒体への到達位置に、あまり大きなずれは発生していないと判断して、「調整の必要無し」と判定する。
図28は、このときの調整の要否の判定手順の一例を説明したフローチャートである。ここでは、検出された2つの誘導電流(第1誘導電流および第2誘導電流)のピーク値V3max、V4max(V1max、V2max)を取得する(S402)。次に、このようにして取得したピーク値V3max、V4max(V1max、V2max)から、差分ΔVを求める(S404)。そして、その求めた差分ΔVと、所定のしきい値V0とを比較する(S406)。ここで、求めた差分ΔVが所定のしきい値V0を超えていなかった場合には、「調整の必要なし」と判定する(S408)。そして、その後、処理を終了する。一方、求めた差分ΔVが所定のしきい値V0を超えていた場合には、「調整の必要あり」と判定する(S410)。そして、その後、処理を終了する。このようにして調整の必要があるか否かを判定する。
===実際の調整方法===
(1)Bi−d調整
Bi−d調整は、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときに吐出されたインクの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに吐出されたインクの到達位置との間のずれを解消する。つまり、「双方向印刷」において、キャリッジ41をガイドレール46(キャリッジ移動方向)に沿って往復移動させながら、その往路および復路の双方においてインクを吐出して印刷を行うときに、往路および復路におけるインクの到達位置のずれを抑制する。
図29は、実際に実施されるBi−d調整について概略的に説明したものである。ヘッド21と媒体SとがギャップGhを隔てて配置されているとする。キャリッジ41が所定の方向(往路)に向かって移動しながらヘッド21から媒体Sに向けてインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴が慣性力によってキャリッジ41の移動方向に沿って相対的に移動しながら、ギャップGhを飛行移動して媒体Sに到達する。これによって、インク滴が到達する媒体S上の位置は、インクが吐出された位置からキャリッジ41の移動方向へとずれた位置となる。一方、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向(復路)に向かって移動しながらヘッド21から媒体Sに向けてインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴が同じく慣性力によってキャリッジ41の移動方向に沿って相対的に移動しながら、ギャップGhを飛行して媒体Sに到達する。これにより、インク滴が到達する媒体S上の位置は、キャリッジ41の移動方向へとずれた位置となる。
往路および復路においてそれぞれ同じ目標位置Qにインク滴を到達させるためには、それぞれ、その目標位置Qよりも手前でインク滴を吐出する必要がある。しかし、往路と復路とでは、キャリッジ41の移動方向が異なる。このため、同じ目標位置Qにインク滴を到達させるためには、往路と復路とにおいてそれぞれ異なる吐出位置R1、R2にてインク滴を吐出しなければならない。そこで、往路および復路におけるインク滴の到達位置が一致するようにするために、往路および復路においてそれぞれ、ノズルからインクが吐出されるタイミングを調整する。具体的には、往路および復路のうちの少なくともいずれか一方において、ノズルからインクが吐出されるタイミングをこれよりも早いタイミングに設定して調整をする。
(2)Uni−d調整
ここでいうUni−d調整とは、ここでは、ヘッド21に設けられた4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kの間にてインクの吐出タイミングの調整のことである。すなわち、ヘッド21に設けられた4つのノズル列211C、211M、211Y、211Kについては、インクの特性やノズルの形状または寸法のバラツキなどによって、媒体Sへのインクの到達位置にずれが発生する場合がある。このようなずれが発生しないようにするために、必要なノズル列について、ノズルからインクが吐出されるタイミングを変更して、各ノズル列211C、211M、211Y、211Kのノズル♯1〜♯180から吐出されるインクが媒体Sに到達する位置が相互に一致するように調整を行う。
図30は、実際に実施されるUni−d調整について概略的に説明したものである。インクの到達位置が異なる2つのノズル列があった場合、各ノズル列についてそれぞれ同じ目標位置Qにインクを到達させるためには、それぞれ異なる吐出位置R3、R4にてインク滴を吐出しなければならない。そこで、インクの到達位置が異なる2つのノズル列があった場合に、それらのノズル列についてそれぞれインクが吐出されるタイミングを変更する。具体的には、インクの到達位置が異なる2つのノズル列のうちの少なくともいずれか一方のノズル列のノズルからインクが吐出されるタイミングをこれよりも早いタイミングまたは遅いタイミングに変更して調整をする。
===インクの吐出タイミングの変更方法===
(1)PTS信号による変更
PTS信号のパルスの発生タイミングをずらすことにより、インクが吐出されるタイミングを変更する。これにより、ノズルから吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を調整をする。
PTS信号は、図7Cにて説明したように、原駆動信号発生部221が原駆動信号ODRVを生成するタイミングや、PRT(i)信号が出力するデータの切り換えタイミングを規定する信号である。このPTS信号のパルスが発生するタイミングを遅らせたり早めたりすれば、原駆動信号発生部221が原駆動信号ODRVを生成するタイミング等を変更することができる。これによって、ノズルから吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を調整をすることができる。
図31は、PTS信号のパルスが発生するタイミングを変更した場合のインクの到達位置について説明図である。媒体Sに対し印刷を実行する場合に、キャリッジ41がキャリッジ移動方向に沿って移動しているときに、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kのノズルから媒体Sに向けてインクが吐出される。ここで、PTS信号のパルスが発生するタイミングを遅らせたり早めたりしてずらせば、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kのノズルにおけるインクの吐出タイミングをずらすことができる。これによって、吐出されたインクの媒体Sへの到達位置をずらすことができる。
PTS信号のパルスが発生するタイミングを遅らせた場合、同図に示すように、ヘッド21のノズル列211C、211M、211Y、211Kのノズルから吐出されたインクは、キャリッジ41の移動方向に沿って斜めに飛行しながら媒体Sに到達する。ここで、インクの吐出タイミングが遅れれば、インクの到達位置がポイントP1からポイントP2へと変更される。これによって、吐出されたインクの媒体Sへの到達位置を変更することができる。ここで、PTS信号のパルスが発生するタイミングを適当なタイミングに変更すれば、往路および復路におけるヘッド21のノズル♯1〜♯180からそれぞれ吐出されるインクの媒体Sへの到達位置が相互に一致するように調整を行うことができる。
ここで、適当なタイミングへの変更にあっては、Bi−d調整の場合には、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V1maxと、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V2maxとの差分ΔVに基づき、インクの吐出タイミングを変更することができる。つまり、ピーク値V1maxとピーク値V2maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときのインクの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときのインクの到達位置との間のずれ量ΔL1に応じた値となることから、適当なタイミングに変更することができる。
また、Uni−d調整の場合には、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V3maxと、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V4maxとの差分ΔVに基づき、インクの吐出タイミングを変更することができる。つまり、ピーク値V3maxとピーク値V4maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置と、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置との間のずれ量ΔL2に応じた値となることから、適当なタイミングに変更することができる。
(2)駆動信号の波形選択による変更
原駆動信号発生部221から出力される原駆動信号ODRVから選択するパルスの位置を変更する。ここでは、原駆動信号発生部221から原駆動信号ODRVとして、同じ大きさを有する複数の駆動パルスを出力し、その複数の駆動パルスの中からピエゾ素子を駆動するために選択する駆動パルスを変更する。
図32は、この場合の原駆動信号ODRVと、選択する駆動パルスを変更した場合に形成されるドットとについて説明したものである。ここでは、原駆動信号ODRVが、印刷しようとする画像を構成する1つの画素に対応して、3つの駆動パルスPS1、PS2、PS3を有する場合について説明する。駆動パルスPS1、PS2、PS3がそれぞれピエゾ素子に入力されると、各駆動パルスPS1、PS2、PS3が入力される毎に、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出される。つまり、1つのノズルn(♯1〜♯180)からは、1つの画素に対応して、同量のインクが最大で3回連続して吐出される。
小ドットを形成する場合には、ここでは、ノズルから所定量のインクを1回吐出する。これにより、媒体S上に小さなサイズのドットを1つ形成する。ピエゾ素子には、駆動パルスPS1、PS2、PS3のうちのいずれか1つが入力される。ここで、ピエゾ素子に入力される駆動パルスを駆動パルスPS1、PS2、PS3の中から1つの駆動パルスを適宜選択すれば、ノズルからインクを吐出するタイミングを変更することができる。これにより、ノズルから吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を変更することができる。したがって、同図に示すように、媒体S上の位置が異なる3種類の小ドット(1)〜(3)を形成することができる。
また、中ドットの場合も同様、ここでは、ノズルn(♯1〜♯180)から所定量のインクを2回連続して吐出して中ドットを形成しているから、ピエゾ素子に入力される駆動パルスを駆動パルスPS1、PS2、PS3の中から、連続した2つの駆動パルスを適宜選択すれば、ノズルからインクを吐出するタイミングを変更することができる。これにより、ノズルから吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を変更することができ、したがって、同図に示すように、媒体S上の位置が異なる2種類の中ドット(1)、(2)を形成することができる。
なお、大ドットについては、ここでは、ノズルn(♯1〜♯180)から所定量のインクを3回連続して吐出して形成しているから、3つの駆動パルスPS1、PS2、PS3を全て選択しなければならず、ノズルからインクを吐出するタイミングを変更することはできない。
ただし、原駆動信号ODRVが、印刷しようとする画像を構成する1つの画素に対応して有する駆動パルスの数が増えれば、即ち4つ以上になれば、大ドットについてもノズルからインクを吐出するタイミングを変更して媒体Sへの到達位置を変更することは可能である。この場合、小ドットおよび中ドットについては、駆動パルスの選択バリエーションが増え、よりきめ細やかな調整を行うことができる。
また、ここでは、原駆動信号ODRVが、印刷しようとする画像を構成する1つの画素に対応して、同じ大きさの3つの駆動パルスPS1、PS2、PS3を有する場合について説明したが、原駆動信号ODRVが有する駆動パルスの個数は、必ずしもこのように3個である必要はなく、4個であっても良く、また5個以上であっても良い。原駆動信号ODRVが有する1画素当たりの駆動パルスの数が増えれば増えるほど、吐出されたインクの媒体Sへの到達位置をより高精度に調整することができる。
また、原駆動信号ODRVが有する駆動パルスの大きさは、必ずしも同一である必要はない。つまり、例えば、図7Cにて説明するように小さい駆動パルスW1と、大きい駆動パルスW2とを2種類有していてもよい。この場合、原駆動信号ODRVは、1つの画素に対応して同じ大きさの駆動パルスを複数有していても良い。このように原駆動信号ODRVが1画素に対応して大きさの異なる2種類以上の駆動パルスを有していた場合であっても、同じ大きさのドットを2以上の異なる位置に形成することができれば、吐出されるインクの媒体Sへの到達位置の調整を図ることができる。
ここで、インクの到達位置の調整にあっては、Bi−d調整の場合には、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V1maxと、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V2maxとの差分ΔVに基づき、適切な駆動パルスを選択することができる。つまり、ピーク値V1maxとピーク値V2maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときのインクの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときのインクの到達位置との間のずれ量ΔL1に応じた値となることから、適当な駆動パルスを選択することができる。
また、Uni−d調整の場合には、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V3maxと、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V4maxとの差分ΔVに基づき、適切な駆動パルスを選択することができる。つまり、ピーク値V3maxとピーク値V4maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置と、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置との間のずれ量ΔL2に応じた値となることから、適当な駆動パルスを選択することができる。
(3)画素ずらしによる変更
印刷しようとする画像を構成する画素のデータをずらすことにより、ノズルからインクが吐出されるタイミングを変更する。これにより、インクの到達位置が相互に一致するように調整をする。
図33は、印刷する画像を構成する画素のデータをずらすことにより、インクの到達位置の調整を行う方法について説明したものである。同図中の上段は、調整前の画像データ(元画像データ)の構成について説明したものである。同図中の下段は、調整後の画像データ(新画像データ)の構成について説明したものである。
調整後の新画像データは、調整前の元画像データ(図中、灰色の部分)に対して、左端部分に、空白のデータ(図中白色の部分。ここでは、データ「00」)が横4画素分、追加されている。これによって、調整前の元画像データの左端部分に余白部を形成している。このように元画像データの端部分に余白部が形成されることで、元画像データの各画素のデータが新画像データにおいて右側にずれる、いわゆる画素ずらしが実行される。このような画素ずらしが行われることで、ノズルからインクが吐出されるタイミングを変更することができる。つまり、元画像データの右端部分に空白のデータ(データ「00」)を追加して余白部を形成したり、また、元画像データの左端部分に空白のデータ(データ「00」)を追加して余白部を形成したりすることで、ノズルからのインクを吐出タイミングを早めたり遅くしたりすることができる。これによって、ノズルから吐出されるインクの媒体Sへの到達位置を変更することができる。このことから、インクの到達位置が相互に一致するように調整をすることができる。
ここで、画素ずらしの対象となる画像データとしては、Bi−d調整の場合、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動するときに参照するデータであっても良く、また、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動するときに参照するデータであっても良い。もちろん、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動するときと、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動するときとの両方のデータが画素ずらしの対象となっても構わない。
他方、Uni−d調整の場合には、画素ずらしの対象となる画像データとしては、インクの到達位置の調整を行う2つのノズル列のうちの少なくともどちらか一方のデータが対象となれば良い。
また、調整前の元画像データの端部に形成する余白部の幅については、Bi−d調整の場合には、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V1maxと、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときに、ヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V2maxとの差分ΔVに基づき設定することができる。つまり、ピーク値V1maxとピーク値V2maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときのインクの到達位置と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動したときのインクの到達位置との間のずれ量ΔL1に応じた値となることから、適当な幅に設定することができる。
また、Uni−d調整の場合に、調整前の元画像データの端部に形成する余白部の幅については、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V3maxと、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生した誘導電流の検出信号のピーク値V4maxとの差分ΔVに基づき、適当な幅に設定することができる。つまり、ピーク値V3maxとピーク値V4maxとの差分ΔVは、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動したときに、ヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置と、ヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクの到達位置との間のずれ量ΔL2に応じた値となることから、適当な幅に設定することができる。
===調整タイミング===
インクの到達位置が相互に一致するようにBi−d調整やUni−d調整を行うタイミングとしては、次のようなタイミングがある。
(A)製造工程における調整
インクジェットプリンタ1を製造する工程にて調整を行う。このようにインクジェットプリンタ1の製造段階にて調整を行うことで、インクジェットプリンタ1の製品としての個体差によるインクの媒体Sへの到達位置のずれの解消を図ることができる。
(B)使用開始後のユーザー等による調整
インクジェットプリンタ1の使用開始後に、ユーザーやメンテナンス作業者等により調整を行う。このように使用開始後であっても、Bi−d調整およびUni−d調整を実施することで、印刷画像の画質向上を図ることができる。また、経時的要因によって生じたずれをも解消することができる。
なお、調整を行うタイミングとしては、これら(A)および(B)以外の他のタイミングにおいて実施されても良い。
===まとめ===
以上、このようなインクジェットプリンタ1にあっては、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21のノズルから吐出されたインクが媒体Sに到達する位置と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときにヘッド21のノズルから吐出されたインクが媒体Sに到達する位置とが相互に一致するように、調整用パターンを形成することなく、簡単に調整を行うことができる。
また、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21のノズルから吐出されたインクに発生する誘導電流(第1誘導電流)およびキャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときにヘッド21のノズルから吐出されたインクによって発生する誘導電流(第2誘導電流)が、同一の感知部70に発生し、同一の検出部80によって検出されることで、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動する場合と、キャリッジ41が所定の方向とは反対の方向に向かって移動する場合とで、それぞれ別々に感知部70や検出部80を備える必要がない。これによって、液体検出装置60の構成を簡略化することができ、コスト低減を図ることができる。
また、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクが媒体Sに到達する位置と、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクが媒体Sに到達する位置とが相互に一致するように、調整用パターンを形成することなく、簡単に調整を行うことができる。
そして、キャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21の一のノズル列のノズルから吐出されたインクに発生する誘導電流(第1誘導電流)およびキャリッジ41が所定の方向に向かって移動しているときにヘッド21の他のノズル列のノズルから吐出されたインクによって発生する誘導電流(第2誘導電流)が、同一の感知部70に発生し、同一の検出部80によって検出されることで、一のノズル列のノズルからインクを吐出した場合と、他のノズル列のノズルからインクを吐出した場合とで、それぞれ別々に感知部70や検出部80を備える必要がない。これによって、液体検出装置60の構成を簡略化することができ、コスト低減を図ることができる。
さらに、検出された誘導電流の大きさに基づき調整を行うことで、調整を簡単に行うことができる。さらに、検出された誘導電流の大きさの差分に基づき調整を行うことで、調整をより一層簡単に行うことができる。
===液体検出装置の他の構成例<その1>===
<その1:摩擦帯電の利用>
図34は、本発明に係る液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この液体検出装置100は、同図に示すように、先に説明した液体検出装置(図9〜図10参照)のように、誘導電流が発生する感知部70に高電圧を印加することによって、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させるのではなく、各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipが、各ノズル♯1〜♯180から離れる際に、自然に帯電する、いわゆる摩擦帯電現象を利用して、インク滴Ipを帯電させるようになっている。このため、インク滴Ipを帯電させるために感知部70に高電圧を印加する構成が省かれている。
このように摩擦帯電を利用して、各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させることによって、液体検出装置100の構成をより簡略化することができる。
なお、この液体検出装置においては、感知部70に高電圧が印加されないため、先に説明した液体検出装置60(図9〜図10参照)の検出部80に設けられたコンデンサCは、構成から省かれている。
<その2;電極部の設置>
図35は、液体検出装置の他の構成例を説明したものである。この液体検出装置110は、同図に示すように、感知部70とは別に電極部112を備え、この電極部112によって、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させるようになっている。この電極部112は、同図に示すように、金属等の導電性を有する線材からなり、緊張状態にて張られた形で、ヘッド21と平行に配置されている。電極部112には、保護抵抗R1を介して電源(図示外)が接続されていて、この電源から例えば100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
このような電極部112が設けられていることによって、ヘッド21と電極部112との間には、電界が形成され、インク滴Ipがノズル♯1〜♯180から離れる際に帯電させることができる。
なお、電極部112の設置位置にあっては、なるべくヘッド21に近い方が好ましい。電極部112がヘッド21に近ければ近いほど、電極部112とヘッド21との間の電界をより強くすることができる。これによって、ノズルから吐出されたインク滴Ipをより一層、感知部70により感知し易くすることができる。
===液体検出装置の他の構成例<その2>===
図36および図37は、液体検出装置の他の構成例を説明したものである。この液体検出装置116は、これら図36および図37に示すように、感知部70が板状部材により形成されているのではなく、金属等の導電性を有する細長な線材により形成されている。線材により形成された感知部70は、緊張状態にて張られた形で、ヘッド21に対して平行に配置される。そして、キャリッジ41が移動したときに、感知部70は、ヘッド21との間に間隔Dをあけて、ヘッド21と非接触状態にて対向し得るように配設される。
このように感知部70が、金属等の導電性を有する細長な線材により形成されていても、ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipによって、十分に誘導電流が発生する。これによって、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipを十分に検知することができる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、プリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体について>
前述した実施の形態では、「液体」としてインクが使用された場合を例にして説明したが、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
<ノズルについて>
前述した実施の形態では、「ノズル」として、インクを吐出するノズル♯1〜♯180を例にして説明したが、「ノズル」にあっては、このようなインクを吐出するノズルに限らない。すなわち、前述したように、「液体」として、インク以外のもの、即ち、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体を吐出するノズルであっても構わない。
また、前述した実施の形態では、「ノズル」として、インクを吐出するノズル♯1〜♯180が、媒体Sの搬送方向に沿って相互に間隔をあけて直線状に1列に配列された場合を例にして説明したが、「ノズル」にあっては、必ずしもこのように配列される必要はない。すなわち、「ノズル」は、このような形態とは別の形態にて配列されてもよく、ノズルの配列形態については特に問わない。
<所定の方向について>
前述した実施の形態では、所定の方向としてキャリッジが移動する方向を例にして説明したが、他の方向であっても構わない。
<第1誘導電流および第2誘導電流について>
前述した実施形態では、第1誘導電流および第2誘導電流が、ヘッド21に設けられたノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電した液体(インク)によって、液体検出装置60の感知部70に発生していたが、必ずしもこのような感知部70に発生する場合には限られない。つまり、第1誘導電流および第2誘導電流にあっては、このような液体検出装置60の感知部70以外の部分に発生しても構わない。
また、前述した実施形態では、第1誘導電流および第2誘導電流が同一の感知部70に発生していたが、必ずしもこのような場合に限られない。
<第1ノズル・第2ノズルについて>
前述した実施形態では、第1ノズルについては、イエロノズル列211Yのノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルを例にして、また、第2ノズルについては、ブラックノズル列211Kののノズル♯1〜♯180のうちの少なくとも1つのノズルを例にして説明したが、第1ノズルおよび第2ノズルについては、必ずしもこれらイエロノズル列211Yのノズルやブラックノズル列211Kのノズルに限らない。すなわち、第1ノズルおよび第2ノズルにあっては、シアンノズル列211Cのノズルやマゼンダノズル列211Mのノズルであっても構わない。またさらに、第1ノズルおよび第2ノズルにあっては、必ずしも異なる色のインクを吐出するノズルである必要はない。もちろん、第1ノズルおよび第2ノズルの組合せにあっては、イエロノズル列211Yとブラックノズル列211Kとの組に限られるものではない。
<調整について>
前述した実施形態では、検出された第1誘導電流および第2誘導電流のピーク値に基づき、調整を行っていたが、必ずしもこのように調整を行う場合には限られない。また、第1誘導電流および第2誘導電流の各ピーク値の差分に基づき、調整を行っていたが、必ずしもこのように調整を行う場合には限られない。
<媒体について>
媒体Sについては、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
<感知部について>
前述した実施の形態では、感知部70が幅2mm〜3mmの帯状の板状部材若しくは線材により形成された場合を例にして説明したが、「感知部」にあっては、必ずしもこのような形態や大きさの部材により形成される場合には限られない。
<第1感知部・第2感知部について>
前述した実施の形態では、「第1感知部」および「第2感知部」が、感知部70として同一の感知部により構成されていたが、それぞれ別々の感知部により構成されていても良い。つまり、第1誘導電流および第2誘導電流がそれぞれ異なる感知部に発生しても構わない。
<検出部について>
前述した実施の形態では、「検出部」として、感知部70に発生する誘導電流を検出する検出部80が説明されていたが、「検出部」にあっては、このような検出部80に限らず、ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電した液体(インク)によって、感知部70に発生した誘導電流を検出することができれば、どのようなタイプの検出部であっても構わない。
<第1検出部・第2検出部について>
前述した実施の形態では、「第1検出部」および「第2検出部」が、検出部80として同一の検出部により構成されていたが、それぞれ別々の検出部により構成されても良い。つまり、第1誘導電流および第2誘導電流がそれぞれ異なる検出部により検出されても構わない。
<液体検出装置について>
前述した実施の形態では、「液体検出装置」として、液体吐出装置(印刷装置)であるインクジェットプリンタ1に搭載された液体検出装置を例にして説明したが、ここでいう「液体検出装置」にあっては、必ずしもこのような液体吐出装置(印刷装置)に搭載される場合には限られない。つまり、「液体検出装置」は、液体吐出装置(印刷装置)等とは別体に独立して1つの装置として構成されていても構わず、また、他の種類の装置等に搭載されていても良い。
<液体吐出装置について>
前述した実施の形態では、「液体吐出装置」として、印刷装置であるインクジェットプリンタ1を例にして説明したが、ここでいう「液体吐出装置」にあっては、必ずしもこのような印刷装置には限られない。つまり、「液体吐出装置」は、液体を吐出する装置であれば、どのようなタイプの装置であっても構わない。
<印刷装置について>
前述した実施の形態では、印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
<インクについて>
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
印刷装置の一実施形態の斜視図。 印刷装置の内部構成を説明した斜視図。 印刷装置の搬送部を示す断面図。 印刷装置のシステム構成を示すブロック構成図。 リニア式エンコーダの構成を概略的に説明した図。 リニア式エンコーダの検出部の構成を模式的に説明した図。 図6Aは正転時のリニア式エンコーダの出力波形を示したタイミングチャートであり、図6Bは逆転時のリニア式エンコーダの出力波形を示したタイミングチャートである。 ヘッドのノズルの配列を示す説明図。 ヘッドの駆動回路の一例を説明した図。 各信号のタイミングチャートである。 印刷処理の一例を説明するフローチャート。 液体検出装置の一実施形態を説明する説明図。 液体検出装置の一実施形態を説明する説明図。 インクを吐出するための駆動信号および検出部の検出信号の説明図。 図12Aはインク滴の飛行経路が検出部材に近すぎる場合を示し、図12Bはインク滴の飛行経路が許容範囲内にある場合を示し、図12Cはインク滴の飛行経路が検出部材から離れ過ぎている場合を示す。 図13Aは感知部を有する液体検出ユニットの一例を示す斜視図であり、図13Bはその液体検出ユニットの裏側を示す斜視図である。 液体検出ユニットが設置されるインク回収部の位置の説明図。 液体検出ユニットの設置位置を説明する斜視図。 液体検出ユニットの設置位置を説明する縦断面図。 図17Aは所定の方向への移動時にインクを吐出した場合の説明図であり、図17Bは所定の方向とは反対の方向への移動時にインクを吐出した場合の説明図である。 インク吐出時のノズル列と感知部との位置関係の説明図。 誘導電流の検出手順の一例について説明したフローチャート。 図20Aは所定の方向への移動時に一のノズル列からインクを吐出した場合の説明図であり、図20Bは所定の方向への移動時に他のノズル列からインクを吐出した場合の説明図である。 図21Aはインク吐出時の一のノズル列と感知部との位置関係の説明図であり、図21Bはインク吐出時の他のノズル列と感知部との位置関係の説明図である。 誘導電流の検出手順の一例について説明したフローチャート。 図23Aは所定の方向への移動時の検出部からの検出信号の一例を示す説明図であり、図23Bは所定の方向とは反対の方向への移動時の検出部からの検出信号の一例を示す説明図である。 インクの媒体への到達位置のずれ量を検出する方法の説明図。 図25Aは一のノズル列からのインク吐出時に検出部からの検出信号の一例を示す説明図であり、図25Bは他のノズル列からのインク吐出時に検出部からの検出信号の一例を示す説明図である。 インクの媒体への到達位置のずれ量を検出する方法の説明図。 調整の要否を判定する方法の一例を説明する説明図。 調整の要否の判定手順の一例を説明するフローチャート。 Bi−d調整について説明した図。 Uni−d調整について説明した図。 インク到達位置の調整方法の一例を説明する説明図。 インク到達位置の調整方法の他の例を説明する説明図。 インク到達位置の調整方法の他の例を説明する説明図。 液体検出装置の他の構成例を説明する図。 液体検出装置の他の構成例を説明する図。 液体検出装置の他の構成例を説明する図。 液体検出装置の他の構成例を説明する図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 操作パネル、3 排紙部、4 給紙部、
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、
51 リニア式エンコーダ、53 紙検知センサ、60 液体検出装置、
70 感知部、72 基板、75 液体検出ユニット、76 グランド部、
80 検出部、81 回路構成部品、82 回路構成部品、
83 回路構成部品、84 回路構成部品、85 回路構成部品、
86 回路構成部品、87 コネクタ、88 A/D変換部、90 インク回収部、
93 第1凹部、94 第2凹部、100 液体検出装置、110 液体検出装置、
112 電極部、116 液体検出装置、122 バッファメモリ、
124 イメージバッファ、126 コントローラ、127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、129 通信インターフェース、
130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、134 ロータリ式エンコーダ、
140 コンピュータ、211Y イエロノズル列、211M マゼンダノズル列、
211C シアンノズル列、211K ブラックノズル列、
220 駆動回路、221 原駆動信号発生部、222 マスク回路、
452 発光ダイオード、454 コリメータレンズ、456 検出処理部、
458 フォトダイオード、460 信号処理回路、462A コンパレータ、
462B コンパレータ、464 リニア式エンコーダ符号板、466 検出部、
Ap 印刷エリア、An 非印刷エリア、S 媒体、Ip インク滴、
R1 保護抵抗、R2 入力抵抗、R3 帰還抵抗、C コンデンサ、
Amp オペアンプ

Claims (28)

  1. 所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
    を有することを特徴とする液体の到達位置調整方法。
  2. 前記第1誘導電流および前記第2誘導電流のうちの少なくともいずれか一方が、前記ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生することを特徴とする請求項1に記載の液体の到達位置調整方法。
  3. 前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記複数のノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生することを特徴とする請求項1に記載の液体の到達位置調整方法。
  4. 前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルと、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルとが、同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  5. 前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記ノズルが複数あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  6. 前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記ノズルが複数あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  7. 前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさに基づき行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  8. 前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき行われることを特徴とする請求項7に記載の液体の到達位置調整方法。
  9. 前記調整は、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  10. 前記ノズルから吐出される前記液体がインクであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  11. 所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
    を有し、
    (A)前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記複数のノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生し、
    (B)前記複数のノズルが前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルと、前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記少なくとも1つのノズルとが、同一であり、
    (C)前記複数のノズルが前記所定の方向または前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記ノズルが複数あり、
    (D)前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われ、
    (E)前記ノズルから吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体の到達位置調整方法。
  12. 所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
    前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
    前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
    を備えたことを特徴とする液体検出装置。
  13. 液体を各々吐出する複数のノズルと、
    前記複数のノズルが所定の方向に向かって移動しているときに、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
    前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
    前記複数のノズルが前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動しているときに、前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
    前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  14. 所定の方向に向かって移動している複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルのうちの少なくとも1つのノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記少なくとも1つのノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の媒体への到達位置と、前記所定の方向とは反対の方向に向かって移動している前記複数のノズルから吐出される液体の前記媒体への到達位置とが一致するように調整をするステップと、
    を実行することを特徴とするプログラム。
  15. 所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
    を有することを特徴とする液体の到達位置調整方法。
  16. 前記第1誘導電流が、前記第1ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生することを特徴とする請求項15に記載の液体の到達位置調整方法。
  17. 前記第2誘導電流が、前記第2ノズルと非接触状態にて設けられた感知部に発生することを特徴とする請求項15または16に記載の液体の到達位置調整方法。
  18. 前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生することを特徴とする請求項15に記載の液体の到達位置調整方法。
  19. 前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記第1ノズルが複数あることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  20. 前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記第2ノズルが複数あることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  21. 前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさに基づき行われることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  22. 前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき行われることを特徴とする請求項21に記載の液体の到達位置調整方法。
  23. 前記調整は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われることを特徴とする請求項15〜22のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  24. 前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうちの少なくともどちらか一方から吐出される前記液体がインクであることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の液体の到達位置調整方法。
  25. 所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
    を有し、
    (A)前記第1誘導電流および前記第2誘導電流が、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルとそれぞれ非接触状態にて設けられた同一の感知部に発生し、
    (B)前記所定の方向に向かって移動しているときに前記帯電した液体を吐出する前記第1ノズルが複数あり、
    (C)前記所定の方向に向かって移動しているときに、前記帯電した液体を吐出する前記第2ノズルが複数あり、
    (D)前記調整は、検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流の大きさの差分に基づき、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングを調整することにより行われ、
    (E)前記ノズルから吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体の到達位置調整方法。
  26. 所定の方向に向かって移動している第1ノズルから吐出された、帯電した液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
    前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
    前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから吐出された、帯電した液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
    前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
    を備えたことを特徴とする液体検出装置。
  27. 液体をそれぞれ吐出する第1ノズルおよび第2ノズルと、
    所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって第1誘導電流が発生する第1感知部と、
    前記第1感知部に発生した前記第1誘導電流を検出する第1検出部と、
    前記所定の方向に向かって移動している前記第2ノズルから吐出された、帯電した前記液体によって第2誘導電流が発生する第2感知部と、
    前記第2感知部に発生した前記第2誘導電流を検出する第2検出部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  28. 所定の方向に向かって移動している第1ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第1ノズルから吐出された前記液体によって発生する第1誘導電流を検出するステップと、
    前記所定の方向に向かって移動している第2ノズルから帯電した液体を吐出するステップと、
    前記第2ノズルから吐出された前記液体によって発生する第2誘導電流を検出するステップと、
    検出された前記第1誘導電流および前記第2誘導電流に基づき、前記所定の方向に向かって移動している前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから各々吐出される液体の媒体への到達位置が相互に一致するように調整をするステップと、
    を実行することを特徴とするプログラム。
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