JP2006340728A - 新規トランスフェラーゼ及びアミラーゼ、それらの製造法及び利用、並びに該新規酵素類の遺伝子 - Google Patents

新規トランスフェラーゼ及びアミラーゼ、それらの製造法及び利用、並びに該新規酵素類の遺伝子 Download PDF

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Abstract

【課題】新規酵素を用いたトレハロースオリゴ糖等の新規な製造法の提供。
【解決手段】少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼ。 また、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解し、α,α−トレハロースを遊離する主要な活性を持ち、最終主生成物として2糖及び/又は単糖を遊離する新規アミラーゼ、及びそれを上記新規トランスフェラーゼと組み合わせて用いたα,α−トレハロースの製造法。
【選択図】なし

Description

発明の背景
技術分野
本発明は、I−新規トランスフェラーゼ、その製造法及び該酵素を用いたオリゴ糖の製造法、並びに該酵素の遺伝子及びその利用、II−新規アミラーゼ、その製造法及び該酵素を用いたα,α−トレハロースの製造法、並びに該酵素の遺伝子及びその利用に関するものである。
より詳しくは、
I−本発明は、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼとその製造法に関し、詳しくは、Sulfolobales目の古細菌、例えばSulfolobus属、Acidianus属等の細菌の産生する上記酵素に関するものである。
また、本発明は、上記の新規酵素を用いたトレハロースオリゴ糖等の新規な製造法に関し、更に詳しくは、原料としてマルトオリゴ糖等を用いた効率的で、かつ高収率な、例えば、グルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖の製造法に関する。
また、本発明は上記の新規トランフェラーゼをコードするDNA断片及びこのDNA断片の遺伝子工学的な利用に関する。
II−本発明は、少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成される3糖以上の糖を基質とし、還元末端から加水分解して主に単糖及び/又は2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼとその製造法に関する。詳しくは、本発明は、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解し、α,α−トレハロースを遊離する主要な活性を有する新規アミラーゼ及びその製造法に関する。該酵素は更に基質の分子鎖中のα−1,4結合をエンド型で加水分解する活性を合わせて有する新規なアミラーゼであって、Sulfolobus属に属する細菌によって産生されうる新規な酵素である。本酵素はデンプン糖工業、繊維工業、食品工業等の産業において有用である。
また、本発明は、上記新規アミラーゼと、上記新規トランスフェラーゼとを組み合わせて作用させることを特徴とするα,α−トレハロースの製造法に関する。詳しくは、デンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖各単独又はマルトオリゴ糖の混合物を原料として用い、また酵素として本発明の新規トランスフェラーゼとアミラーゼとを用いて高収率でα,α−トレハロースを製造する方法に関する。
また、本発明は上記の新規アミラーゼをコードするDNA断片及びこのDNA断片の遺伝子工学的な利用に関する。
背景技術
I.酵素トランスフェラーゼの背景技術
デンプン、及びマルトオリゴ糖等のデンプン分解物に作用する糖転移酵素については、今までに様々なグルコシルトランスフェラーゼ、及びサイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)などが見出されている(生物化学実験法25、澱粉・関連糖質酵素実験法、学会出版センター刊、及びBIOINDUSTRY,Vol.9、No.1(1992)39−44など参照)。これらの酵素はグルコシル基をα−1,2、α−1,3、α−1,4、α−1,6位に転移する酵素であるが、α−1,α−1位に転移するような酵素は未だに知られていない。α−1,α−1結合に作用する酵素としては、トレハロース分解酵素であるトレハラーゼがあるが、あくまでトレハロースを唯一の基質とする分解酵素であり、その平衡及び反応速度は分解反応側に偏っている。
ところで近年、オリゴ糖には保湿性、保形性、粘性、褐変防止等の理化学的特性、及び低カロリー性、抗う食性、ビフィズス活性等の生理活性があることが見出されており、それに伴いマルトオリゴ糖、分岐オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖等のオリゴ糖が開発されてきた(甘味料(1989年版)メディカルリサーチ社刊、月刊フードケミカル(1993年2月号)21−29など参照)。
オリゴ糖のうち、還元末端の存在しないオリゴ糖に関しては、還元性を持たないショ糖を骨格とした、フラクトシルトランスフェラーゼにより生産されるフラクトオリゴ糖等がある。またマルトオリゴ糖等のデンプン分解物で、還元末端を持たないオリゴ糖としては、前記CGTaseにより生産されるサイクロデキストリン、α,β−トレハロース(ネオトレハロース)、及び化学合成により還元末端に水素添加したオリゴ糖還元物(オリゴ糖アルコール)等がある。これらの還元末端の存在しないオリゴ糖には、従来の水飴、マルトオリゴ糖にはない、様々な物理化学的特性及び生理活性がある。よって、マルトオリゴ糖においてその還元末端側がα−1,α−1結合を有しているオリゴ糖についてもこのオリゴ糖が還元末端を有さないことから、上記の還元末端を有さないオリゴ糖が持つような物理化学的特性及び生理活性を有することが期待されうる。
ところで、上記したような還元末端側がα−1,α−1結合を有しているマルトオリゴ糖は、α,α−トレハロースにグルコース又はマルトオリゴ糖が結合したトレハロースオリゴ糖であると考えることができる。よって、このようなトレハロースオリゴ糖は、還元末端を有さないオリゴ糖が有する物理化学特性及び生理活性に加えて、更にα,α−トレハロースに見られる様な特徴的な活性(例えば、特表昭63−500562号参照)も有することが期待されうる。
トレハロースオリゴ糖に関しては、自然界では酵母内に痕跡量認められるという報告(Biosci.Biotech.Biochem.,57(7),1220−1221(1993))があるがこれのみであり、また酵素による合成も報告(1994年度日本農芸化学大会、講演要旨集、247)されてはいるが、その方法は原料として高価なトレハロースを用いるものであり、安価な供給は期待できていないのが現状である。
ところで、Lamaらは古細菌の一種であるSulfolobus solfataricus strain MT−4株(DSM 5833株)の菌体抽出液中に耐熱性のデンプン分解活性があることを見出している(Biotech.Forum.Eur.8,4,2−1(1991))。彼らは更に、この活性は、デンプンからトレハロース及びグルコースを生成する活性であるとも報告している。しかしながら上記の報告にはグルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖の存在については全く触れられていない。更に上記の菌株以外の古細菌についての検討も全くなされていない。
また、トレハロースオリゴ糖の効率のよい生産のためには、この新規トランスフェラーゼの効率のよい入手法の確立が必要であるといえる。
従って、トレハロースオリゴ糖の大量生産のためには、この新規トランスフェラーゼの更なる大量取得が望まれる。そのためには、これら酵素の遺伝子を取得し、遺伝子工学的にそれを生産することが好ましい。さらに、遺伝子を取得出来れば、蛋白工学の技術を用いて、耐熱性、耐pH性の向上、反応速度が増大された酵素を得ることも期待出来る。しかしながら、このような酵素についての遺伝子クローニングに関する報告は未だなされていない。
本発明は、マルトオリゴ糖等の糖から、代表的にはグルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を生成する反応の触媒作用を有する新規なトランスフェラーゼと、その製造法、並びに該酵素を用いてマルトオリゴ糖等の原料から効率的、かつ高収率で、代表的には、グルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を製造する新規な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、古細菌のトレハロース生成活性について鋭意検討した結果、Sulfolobales目に属し、詳しくはSulfolobus属、Acidianus属等に属する広い範囲の古細菌の菌体抽出液が、マルトトリオースを基質としてグルコシルトレハロースを生成することを見出した。この際、デンプンを基質としたLamaらによる活性測定法ではトレハロースとグルコースの生成は確認されたものの、グルコシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖の生成の確認は非常に困難であることがわかった。また、古細菌の菌体抽出液の精製過程においてLamaらが見出したトレハロースの生成活性は消失されてしまうことも知見し、総じてこのような活性を有する酵素自体の精製及び特定化は実質上不可能であることがわかった。
このような状況下にあって本発明者らは更に研究を重ね、マルトオリゴ糖(例えばマルトトリオース)を基質とし、トレハロースオリゴ糖(例えばグルコシルトレハロース)を生成する活性を指標とする新しい活性測定法を思考するに至り、この測定法を実施したところトレハロースオリゴ糖(例えばグルコシルトレハロース)の検出が容易に可能であることを見出し、更に種々の菌株に関してこの活性を有する酵素の精製を試みたところ、驚くべきことにこうして得られた酵素は、還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合であるマルトトリオース以上の糖に作用して還元末端のグルコース残基をα−1,α−1に転移させ、グルコシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖を生産する能力を有する全く新規なトランスフェラーゼであることを知見した。なお、マルトオリゴ糖等の還元末端のグルコース残基がα−1,α−1に転移したトレハロースオリゴ糖の存在は 1H−NMR及び13C−NMRにより確認した(実施例I−1、7及び8参照)。
本発明者らは、更に、このような新規酵素を用いることよりマルトオリゴ糖等の糖から、大量に、例えば、グルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を生産することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、更に、このような新規酵素の遺伝子を単離し、この遺伝子を利用して組換え新規トランフェラーゼを遺伝子工学的に生産する手法を、今般、確立した。
II.酵素アミラーゼの背景技術
アミラーゼはデンプンを加水分解する酵素の総称であり、その中でα−アミラーゼはα−1,4グルコシド結合をエンド様式で加水分解する活性を持つ酵素である。α−アミラーゼは生物界に広く存在し、ほ乳類においては、消化酵素として、唾液、膵液中に認められる。植物においては、麦芽等に多く認められる。また微生物界においても広く分布しており、特にAspergillus属に属するかび、Bacillus属に属する細菌の産生するα−アミラーゼ等が産業上使用されている(アミラーゼ、中村道徳監修、学会出版センター刊、1986年)。
これらのα−アミラーゼは産業上様々な用途で使用されており、例えば、デンプン糖工業においてはデンプンの液化工程で、また繊維工業では糊抜き工程等で広く用いられており、工業的に大変重要な酵素である。「酵素応用の知識」(小巻利章、幸書房刊、1986年)によれば、デンプンの液化工程で重要なこととして、1)デンプン分子をできるだけ完全に溶かすこと、2)液化生成物が次の糖化工程の目的に対して好都合であること、3)液化生成物が老化しない条件であること、4)経済的見地からできるだけ高濃度(30〜35%)で実施することなどが挙げられている。デンプンの液化工程は例えば、連続恒温液化法、ジェットクッカー法などで実施され、通常α−アミラーゼ含有の、高濃度デンプン乳液を瞬間的に高温(85〜110℃前後)にまで上げ、デンプンが糊化、膨潤しはじめると同時に、α−アミラーゼを作用させて液化している。すなわち、デンプンの液化工程では酵素が作用できるようにデンプンを膨潤させるだけの十分な温度を必要としている。このような分野で使用しうる酵素としては、例えば、上述のAspergillus属に属する麹菌やBacillus属に属する細菌の産生する耐熱性α−アミラーゼが挙げられる。これらの酵素の耐熱性を更に向上させるために、カルシウムを添加する必要がある場合もある。もしデンプンの液化工程で膨潤し、開裂しかけたデンプンミセルがα−アミラーゼの作用を受けずに、ひとたび温度が低下すると、デンプンは再び集まり、α−アミラーゼで液化されにくい新しいミセル(難溶性デンプン)を作ってしまう。その結果、生じた糖液は混濁し、難濾過性となるという問題が知られている。このような事態を防止するために、液化度(DE=Dextrose Equivalent)をある程度高める方法がとられている。しかし酵素法マルトースの製造工程のように、収率を高く維持するためになるべくこのDEを低く(すなわち糖鎖の重合度を高く)保つ必要がある場合もある。従って、デンプンの液化工程後、次工程で酵素を更に作用させる場合、高温を維持したまま作用させうる耐熱性酵素を用いるならば、デンプン濃度が高い場合でも、これを用いて難溶性デンプンを生成させることなく反応を進めることが可能であり、また同時に、微生物汚染の危険も低減させうるために工程管理、衛生管理の面からも有利であるといえる。また、酵素を反復使用するために、固定化してバイオリアクターとして利用する場合には、酵素が高い安定性、特に耐熱性を有することが重要であるといわれている。すなわち、固定化のために比較的高温にさらされることがあるが、耐熱性が低いものでは固定化操作中に失活してしまう恐れがあるからである。以上のことから耐熱性の高い酵素は、例えばデンプンの液化工程などの場合を含め各種の産業において非常に有利に用いることができ、かつ、望まれていると言えよう。
また、近年アミラーゼを含み耐熱性酵素の取得に関しては好熱性、高度好熱性細菌のスクリーニングが広く行われている。その中にはThermococcales目、Pyrococcus属に属する古細菌も対象となっており、α−アミラーゼを産生するとの報告がある(Applied and Environmental Microbiology,1985−1991(1990);特開平6ー62869など)。またSulfolobus属に属する古細菌もその対象になっており、耐熱性酵素の単離が報告されている。ここにおいて、Sulfolobus属に属する古細菌とは、分類学上、高度高熱性(温度:55℃〜88℃の範囲で生育)、好酸性(pH:1〜6の範囲で生育)、好気性、硫黄細菌(球菌(不規則):直径0.6〜2μm)として定義される古細菌をいう。よって、Sulfolobus属に属する古細菌がアミラーゼを産生しうるならばこのアミラーゼも耐熱性を有することが期待される。Lamaらは古細菌の一種であるSulfolobus solfataricus strain MT−4株(DSM 5833株)の菌体抽出液に耐熱性のデンプン分解活性があることを見出している(Biotech.Forum.Eur.8,4,2−1(1991))。この文献ではこの活性は、デンプンからα,α−トレハロース及びグルコースを生成する活性であると報告している。しかしながらこの活性物質については部分精製しかしておらず、活性本体についての特定はしていない。また活性の酵素学的諸性質についても全く解明していない。本発明者らの研究によれば(詳細は後述する)、Lamaらがデンプンに作用させた上記菌株由来の活性物質は複数の酵素の混合体であり、これを用いて得られた最終生成物がα,α−トレハロースとグルコースであったのである。
ところで、α−アミラーゼには初期にヨウ素デンプン反応を減少させるという、すなわち、α−1,4グルカンをエンド型に加水分解する活性(液化活性)がある。この液化型アミラーゼにも反応機構上様々な様式がある。すなわち、エンド型で加水分解する活性としては共通しているが、マルトオリゴ糖の分解パターンについて調べてみると、それぞれ特徴があることが知られている。例えば、非還元末端側から特定の位置を認識して加水分解するもの、還元末端側から特定の位置を認識して加水分解するものがあり、また、分解された主生成物がグルコースであるもの、或いはマルトース又はマルトオリゴ糖であるものなどがある。具体的には、すい臓由来のα−アミラーゼは還元末端から2つ目、或いは3つ目のα−1,4結合を加水分解する(澱粉・関連糖質酵素実験法、中村道徳・貝沼圭二、学会出版センター刊、1989年)。また、枯草菌由来のα−アミラーゼは非還元末端から6つ目あるいは還元末端から3つ目のα−1,4結合を加水分解する(酵素応用の知識、小巻利章、幸書房刊、1986年)。このようなα−アミラーゼの反応様式の差異は、各酵素の構造に起因するといわれており、これらの現象の解釈についてはサブサイト理論が提唱されている。また転移活性、縮合活性を持つものや、更にはサイクロデキストリンを生成するような特殊なα−アミラーゼも存在することが認められている。
一方、α,α−トレハロースは、2分子のグルコースがその還元性基どうしでα−1,α−1結合したものであり、自然界の多くの生物、植物、微生物に存在し、生体膜の凍結や乾燥からの細胞保護や、昆虫のエネルギー源等、多くの働きを持つことが知られている。近年、このα,α−トレハロースはタンパク質の凍結や乾燥に対する安定化剤として、医薬品、化粧品、食品等の分野で検討されている(特公平5−81232、特開昭63−500562など)。しかしながら現在までのところ安価な大量生産法が確立していないためか、実際に利用されている例はほとんどない。
従来のα,α−トレハロースの製造法としては、例えば、酵母抽出による方法(特開平5−91890、特開平4−360692など)、酵母による菌体内生産による方法(特開平5−292986、ヨーロッパ特許0451896など)、スクレロチウム(Sclerotium)属、或いはリゾクトニア(Rhizoctonia)属に属する微生物による生産法(特開平3−130084)等が試みられている。ただし、これらの方法では菌体内生産であるために、菌体破砕、夾雑物の除去の為の多段階の精製工程を必要としている。また、アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物(Agric.Biol.Chem.,33,No.2,190,1969,Suzuki T,et al)、ノカルディア(Nocardia)属に属する微生物(特開昭50−154485)、グルタミン酸生産菌(フランス特許2671099、特開平5−211882など)を用いた発酵法による菌体外生産の検討もなされている。更にまた、α,α−トレハロースの生合成酵素遺伝子による生産の検討も試みられている(PCT特許93−17093)。これらの方法はいずれもグルコース等の糖源を用い、かつATP、UTPをエネルギーとして必要とする代謝系を利用するものである。よって、培養液からのα,α−トレハロースの繁雑な精製工程を必要としている。また更に、トレハロースホスホリラーゼを用いた方法(特公昭63−60998)、トレハラーゼを用いた方法(特開平7−51063)等の酵素法による生産の検討も試みられているが、酵素の大量生産、酵素の安定性等の問題がある。以上のような従来の方法はいずれも低収量、精製工程の煩雑さ、低生産量、酵素調製の煩雑さ等の問題があり、未だに工業化しうる方法は確立されておらず、よって、より効率の良いα,α−トレハロースの製造法の確立が強く望まれているのが現状である。
α,α−トレハロースは上述のように自然界に広く見出され、古細菌にもその存在が確認されている(System.Appl.Microbiol.10,215.1988)。具体的には、前述したように、Lamaらは古細菌の一種であるSulfolobus solfataricus strain MT−4株(DSM 5833株)の菌体抽出液に耐熱性のデンプン分解活性があることを見出しており、その生成物中にα,α−トレハロースの存在を確認している(前掲Biotech.Forum.Eur.8,4,2−1(1991))。この文献ではこの活性はデンプンからα,α−トレハロース及びグルコースを生成する活性であると報告はしていても、実際には0.33%可溶性デンプンを基質とした場合の例を挙げているのみで、その際生成したα,α−トレハロースの量は極僅かなものであり、しかもα,α−トレハロース:グルコースの生成比は1:2であった。従って大量のグルコースを副生するためにその分離を必要とし、α,α−トレハロースの大量生産法としての目的を達成しうるものでは全くなかったのである。
本発明者等は、前述したように、Sulfolobales目に属する古細菌が、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有するトランスフェラーゼを産生することを見出し、更にこの酵素を用いた、マルトオリゴ糖からのグルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖の製造法を発明した。なお、トレハロースオリゴ糖とは、還元末端側にα−1,α−1結合を有しているマルトオリゴ糖をいう。
また一方、従来知られている各種酵素のうちで、マルトオリゴ糖の還元末端がα−1,α−1結合となったトレハロースオリゴ糖を、そのα−1,α−1結合のとなりのα−1,4結合の位置で特異的に加水分解して収率よくα,α−トレハロースを遊離する作用を有する酵素に関しては、本発明者らの知る限りでは、そのような報告は全くない。すなわち、トレハロースオリゴ糖の還元末端側の2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を特異的に加水分解してα,α−トレハロースを遊離することは従来のアミラーゼでは不可能であった。よって、デンプン又はデンプン分解物分子鎖中のα−1,4結合を加水分解する活性を有すると共に、上記したようなα,α−トレハロース生成反応を触媒しうるアミラーゼを開発し得たならば、α,α−トレハロースの大量生産上益することは多大であろう。
また、α,α‐トレハロースの大量生産のためには、この新規アミラーゼの大量取得が望まれる。そのためには、これら酵素の遺伝子を取得し、遺伝子工学的にそれを生産することが好ましい。さらに、遺伝子を取得出来れば、蛋白工学の技術を用いて、耐熱性、耐pH性の向上、反応速度が増大された酵素を得ることも期待出来る。
本発明は、デンプン又はデンプン分解物分子鎖中のα−1,4結合をエンド型で加水分解する活性を有すると共に、マルトオリゴ糖の還元末端がα−1,α−1結合となったトレハロースオリゴ糖の還元末端側の2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を特異的に加水分解してα,α−トレハロースを遊離する反応を触媒しうる新規なアミラーゼを提供すること、及び該酵素を製造する方法を提供すること、並びに該酵素を用いてデンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖等の安価な原料から効果的、かつ高収率で、α,α−トレハロースを製造する新規な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは古細菌のデンプン分解活性について鋭意検討した結果、Sulfolobales目に属し、詳しくはSulfolobus属に属する広い範囲の古細菌の菌体抽出液が、耐熱性のデンプン分解活性を有することを見出した。その際デンプンの分解によって生成する糖は、Lamaらの文献記載におけるのと同様に、主にグルコースとα,α−トレハロースであることを確認した。そこで、更に種々の菌株抽出液についてデンプン分解活性の性質を調べてみたところ、これらの菌株が産生する酵素が、デンプン分解活性やα,α−トレハロース生成活性などの酵素活性の点から液化アミラーゼ、グルコアミラーゼ等のエンド型、エキソ型の各種アミラーゼ、及びトランスフェラーゼなどにより構成されている酵素混合体であることを発見した。しかもその酵素活性は、これらの複数の酵素による活性の相乗作用によるものであることがわかった。更に、個々の酵素を精製しようとした場合、ヨウ素デンプン反応による青色の減少を指標としたLamaらによる活性測定法では感度および定量性が低いためか、総じてこの様な酵素活性を有する酵素の精製は収率の点で低く、しかも操作が非常に困難であることがわかった。また本発明者らの詳細な検討によれば、Lamaらの文献記載の部分精製方法では、蛋白質レベルでは全く精製、単離がなされていないことがわかった。
このような状況下にあって本発明者らは更に研究を重ね、トレハロースオリゴ糖(例えばマルトトリオシルトレハロース)を基質とし、α,α−トレハロースを遊離する活性を指標とする新しい活性測定法を思考するに至り、この測定法を実施したところ、アミラーゼ活性の検出が容易に可能であることを見出し、更に種々の菌株に関してこの活性を有する酵素の精製を試みたところ、最終的にアミラーゼの単離精製に成功するに至った。また、単離精製されたアミラーゼに関して酵素学的な諸性質を調べてみたところ、驚くべきことにこうして得られた酵素は、デンプンまたはデンプン分解物をエンド型で加水分解する活性を有する他に、デンプン分解物またはマルトオリゴ糖などを還元末端側から加水分解して単糖及び/又は2糖を生成する活性を有し、特に還元末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖(例えばトレハロースオリゴ糖)との反応性が、それぞれ対応するマルトオリゴ糖と比較して高く、このような3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解してα,α−トレハロースを遊離する活性を合わせて有するという、全く新規な作用機作を有する酵素であることを知見した。
本発明者らは、更に、このような新規酵素の遺伝子を単離し、この遺伝子を利用して組換え新規アミラーゼを遺伝子工学的に生産する手法を、今般、確立した。
I.新規トランスフェラーゼ
本発明は、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼ (以下、本発明の新規トランスフェラーゼ、或いは単に本発明の酵素又は本酵素とも称する)を提供するものである。
本発明は、また、他面において、すべてのグルコース残基がα−1,4結合であるマルトオリゴ糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼを提供するものである。
本発明は、更に、このような作用をするトランスフェラーゼ産生能を有する細菌を培地に培養し、培養物より、マルトオリゴ糖を基質としトレハロースオリゴ糖を生成する活性を指標とする活性測定法に基づいて、該トランスフェラーゼを単離精製することを特徴とする本発明の新規トランスフェラーゼの製造法を提供するものである。
本発明は、更にまた、本発明の酵素を用い、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として作用させ、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である糖を製造することを特徴とする末端の2糖がα−1,α−1結合である糖の製造法を提供するものである。
本発明はまた更に、本発明の酵素を用い、マルトオリゴ糖各単独又はそれらの混合物を基質として作用させることを特徴とするトレハロースオリゴ糖の製造法を提供するものである。
また、本発明は新規トランスフェラーゼ遺伝子の提供をその目的としている。
また、本発明は前記遺伝子を用いた組換え新規トランスフェラーゼおよびその製造法の提供を目的としている。
さらに本発明は、組換え新規トランスフェラーゼを用いた効率的なグルコシルトレハロース、マルトグルコシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖の製造法の提供をその目的としている。
よって、本発明によるDNA断片は、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である三糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα‐1,4結合をα‐1,α‐1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼをコードする遺伝子を含んでなるもの、である。
また、本発明による組換え新規トランスフェラーゼは、上記DNA断片の発現産物である。
さらに、本発明による組換え新規トランスフェラーゼの製造法は、
前記遺伝子で形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物中に前記組換え新規トランスフェラーゼを生成させ、これを採取することを含んでなるもの、である。
II.新規アミラーゼ
本発明は、少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成される3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して主に単糖及び/又は2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼを提供するものである。
また、本発明は、他面において、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解し、α,α−トレハロースを遊離する主要な活性を有する新規アミラーゼを提供するものである。
また、更に、本発明は、別の面において、上記したような活性を有すると共に、基質の分子鎖中のα−1,4結合をエンド型で加水分解する活性を合わせ有する新規アミラーゼを提供するものである。
本発明は、更に、上記したような本発明のアミラーゼを産生する能力を有する細菌を培地に培養し、培養物より、トレハロースオリゴ糖を基質としてα,α−トレハロースを生成する活性を指標とする活性測定法に基づいて、該アミラーゼを単離精製することを特徴とする該アミラーゼの製造法を提供するものである。
本発明者らは、上記したような本発明のアミラーゼと、前述した本発明のトランスフェラーゼとを、デンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖質原料に組み合わせて作用させたところ効率的に、かつ高収率でα,α−トレハロースが生成することを知見した。
よって、本発明は、更にまた、上記したような本発明のアミラーゼとトランスフェラーゼとを組み合わせて用いることを特徴とするα,α−トレハロースの製造法を提供するものである。
また、本発明は新規アミラーゼ、およびその遺伝子の提供をその目的としている。
また、本発明は前記遺伝子を用いた組換え新規アミラーゼおよびその製造法の提供をその目的としている。
さらに本発明は、組換え新規アミラーゼを用いたα,α‐トレハロースの製造法の提供をその目的としている。
従って、本発明によるアミラーゼ遺伝子は、
(1)糖鎖中のα‐1,4グルコシド結合をエンド型で加水分解する活性、
(2)少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成され、かつその結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して主に単糖および/または2糖を遊離する活性、および
(3)少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合であり、かつ該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する主要な活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなるもの、である。
また、本発明による組換え新規アミラーゼは上記遺伝子の発現産物である。
更に本発明によるα,α‐トレハロースの製造法は、
上記組換え新規アミラーゼ、および
少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である三糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα‐1,4結合をα‐1,α‐1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼとを、
少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させる工程を含んでなるもの、である。
微生物の寄託
本発明者らにより自然界から実質的に純粋な形で分離した後述の新菌株KM1株は、平成6年(1994)4月1日に受託番号FERM BP−4626の番号のもとに工業技術院生命工学技術研究所に寄託されている。
本発明による新規トランスフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドpKT22(後記する実施例I−14参照)で形質転換された大腸菌株E.coli JM109/pKT22は、平成6年(1994年)10月21日に受託番号FERM BP‐4843の番号のもとに、またプラスミドp09T1(後記する実施例I−16参照)で形質転換された大腸菌E.coli JM109/p09T1は平成7年(1995年)5月9日に受託番号FERM BP−5093の番号のもとに工業技術院生命工学技術研究所に寄託されている。
また、本発明による新規アミラーゼ遺伝子を含むプラスミドpKA2(後記する実施例II−19参照)で形質転換された大腸菌株E.coli JM109/pKA2は、平成6年(1994年)10月31日に受託番号FERM BP‐4857の番号のもとに、またプラスミドp09A1(後記する実施例II−22参照)で形質転換された大腸菌E.coli JM109/p09A1は平成7年(1995年)5月9日に受託番号FERM BP−5092の番号のもとに工業技術院生命工学技術研究所に寄託されている。
I.新規トランスフェラーゼ
本発明の新規トランスフェラーゼを産生する微生物
本発明において利用されうる古細菌としては、Sulfolobus solfataricus ATCC 35091(DSM 1616)株、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、Sulfolobus solfataricus KM1株(本発明者らにより自然界から実質的に純粋な形で分離した後述の新菌株)、Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909(DSM 639)株、Acidianus brierleyi DSM 1651株等を挙げることができる。
本発明の新規トランスフェラーゼを産生する微生物は、このように、分類学上Sulfolobus及びAcidianus属が属するSulfolobales目に属するかなり広い範囲の古細菌に及ぶと考えられる。ここにおいて、Sulfolobales目とは、分類学上、高度好酸性好熱性、好気性、硫黄細菌(球菌)として定義される古細菌である。Acidianus属に属する上記のAcidianus brierleyi DSM 1651株は以前はSulfolobus brierleyi DSM 1651株として分類されていた菌であり、また、上記のSulfolobus solfataricus DSM 5833株は以前はCaldariella acidophilaと命名されていた菌である。よって、このような事実から、上記の古細菌に遺伝学的に或いは分類学的に近縁であり、かつ同種の酵素を産生しうる菌はすべて本発明において使用できることは言うまでもない。
Sulfolobus solfataricus KM1株
上記において例示した微生物の中で、Sulfolobus solfataricus KM1株は本発明者らが群馬県の温泉から分離した菌株であって、次の様な性質を示すものである。
(1)形態的性質
菌の形、大きさ:球菌(不規則) 直径0.6〜2μm
(2)生育最適条件
pH:3〜5.5の範囲で生育し、最適生育pHは3.5〜4.5
温度:55℃〜85℃の範囲で生育し、最適生育温度は75℃〜80℃
硫黄を代謝できる
(3)好気性、嫌気性の区別:好気性
以上の性質から、Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology Volume 3(1989)に従い菌株の同定を行った結果、本菌株はSulfolobus solfataricusに属する菌株であり、従って本菌株をSulfolobus solfataricus KM1株と命名した。
上記の菌株の培養にあたっては、培地は液体でも固体でもよく、通常は液体培地を用いた振とう培養又は通気撹拌培養が行なわれる。このように、培地は生育に適するものであれば特に限定されず、例えば、American Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria andPhages 18版(1992)及びDeutsche Sammlung von
Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)発行 Catalogue of Strains 5版(1993)に記載のSulfolobus solfataricus Medium等を好ましく用いることができる。更に糖源としてデンプン、マルトオリゴ糖等を加えてもよい。また、培養条件も上記の生育可能な温度及びpHのもとであれば特に限定されない。
本発明の新規トランスフェラーゼを産生する微生物の培養
本発明の新規トランスフェラーゼ産生のための培養条件は、該トランスフェラーゼを産生しうる範囲内で適宜選択すればよい。液体振とう培養又は通気撹拌培養の場合は各微生物が生育するpH、培養温度で、2日〜7日間の培養が適当である。培地としては、例えば、American Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)及びDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)発行 Catalogue of Strains 5版(1993)に記載のSulfolobus solfataricus Medium等を好ましく用いることができる。更に糖源としてデンプン、マルトオリゴ糖等を加えてもよい。
本発明の新規トランスフェラーゼの精製
上記微生物の産生する本発明の新規トランスフェラーゼの抽出は、まず上記のような培養方法により得られた培養物から公知の方法、例えば遠心分離により菌体を得て、これを適切な緩衝液中に懸濁し、凍結融解、超音波処理、磨砕等により菌体を破砕し、遠心分離またはろ過により該トランスフェラーゼを含有する菌体抽出物を得る。
この菌体抽出物に存在する本発明の新規トランスフェラーゼの精製には、公知の分離、精製法を適当に組み合わせて行うことができる。例えば、塩沈澱及び溶媒沈澱のような溶解性を利用する方法、透析、限外ろ過、ゲルろ過及びSDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動のような分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーのような特異的親和性を利用する方法、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用する方法、更に等電点電気泳動のような等電点の差を利用する方法等が挙げられる。これらの具体的な例は、後述の実施例I−2〜I−5に示すとおりである。最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル或いは等電点電気泳動にて単一バンドを示す酵素を精製酵素として得る。
上記したような各種の精製過程において分離された酵素或いは酵素含有物の活性測定に関しては、Lamaらの方法における活性測定法ではデンプンを基質として行っており、それによれば、トレハロースとグルコースの生成は確認できるものの、トレハロースオリゴ糖の生成は全く検出できず、また、この方法では精製途中においてトレハロース生成活性さえも消失して確認できなくなるという大きな問題があり、酵素活性本体の精製、特定化は実質上不可能であった。ところが、本発明者らにより、マルトオリゴ糖(例えばマルトトリオース)を基質とし、トレハロースオリゴ糖(例えばグルコシルトレハロース)を生成する活性を指標とする新しい活性測定法を採用したところ、初めて目的とする酵素の単離精製が可能となり、ようやくにして、本発明の新規トランスフェラーゼ活性本体の精製及び特定化を実現し得たのである。
本発明の新規トランスフェラーゼの諸性質
本発明の酵素例として、Sulfolobus solfataricus KM1株、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株、Acidianus brierleyi DSM1651株の微生物がそれぞれ産生したトランスフェラーゼについてそれらの酵素学的な諸性質を下記の第1表にまとめて示す。なお、表中のデータは、実施例I−6及び7に示した具体例に基づくものである。
Figure 2006340728
註1:経時変化
マルトトリオースを基質として用いた場合、主反応であるグルコシルトレハロースの生成とともに、副反応としてマルトース及びグルコースが等モル生成された。
マルトテトラオース以上の重合度nを持つ糖では、主反応として、還元末端のグルコース単位がα−1、α−1結合した糖が生成され、同様に副反応として等モルずつの重合度(n−1)糖及びグルコースが生成された。
註2:酵素作用/酵素反応様式
還元末端がα−1,4結合でグルコースが3つ結合したマルトトリオース以上の糖の還元末端の糖を、転移によりα−1,α−1で結合させる活性を有する酵素と考えられる。また基質濃度が低い場合、及び長時間反応させた場合等においては、副反応、即ち、グルコースポリマーからグルコースを遊離する活性も有する。この詳細は、実施例I−7の具体例において示す通りである。
以上、本酵素の諸性質を述べたが、酵素作用/酵素反応様式のところで述べたように、本酵素の活性は、還元末端がα−1,4結合でグルコースが3つ結合したマルトトリオース以上の糖の還元末端の糖を、転移によりα−1,α−1で結合させるという活性であり、これは全く新規な酵素活性である。但し、以下の実施例において明らかなように、このような酵素活性以外の本酵素の諸性質に関しては、菌株の属或いは種の違いにより若干の差違がある。
グルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖の製造
本発明は、本酵素を用い、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として作用させ、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である糖を製造することを特徴とする末端の2糖がα−1,α−1結合である糖の製造法を提供するものであるが、該本発明の製造法を、最も典型的な具体例、即ち、グルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖の製造法でもって以下説明する。
本発明におけるグルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖の製造法は、古細菌が産生する本酵素によって、マルトオリゴ糖等の糖から、典型的には、マルトオリゴ糖各単独又はそれらの混合物から、グルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を製造するものである。従って、古細菌が産生する本酵素がマルトオリゴ糖等の糖に作用可能な様態である限り、本酵素トランスフェラーゼとマルトオリゴ糖等の糖との接触の様態は特に限定されない。具体的には、一般的に、古細菌の菌体或いは菌体破砕物から粗酵素を得、次いで各種精製工程で得られた精製酵素、或いは各種精製手段を経て単離精製された酵素を直接マルトオリゴ糖等の糖に作用させればよい。或いは、上記酵素を常法に準じて担体に固定化し、固定化した酵素としてマルトオリゴ糖等の糖に接触させてもよい。なお、古細菌の複数種から得た二つ以上の本酵素を共存させて、マルトオリゴ糖等の糖と接触させてもよい。
上記の本発明の製造法において代表的な基質原料であるマルトオリゴ糖の混合物は、例えばデンプンをエンド型アミラーゼ、枝切り酵素などによる分解或いは酸分解に処し、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合であるように適宜分解することにより製造し得る。その際エンド型アミラーゼとしては、例えば、Bacillus属等のバクテリア、Aspergillus属等のかび、麦芽等の植物由来の酵素等が利用できる。また枝切り酵素については、例えば、Bacillus属、Klebsiella属等バクテリア由来のプルラナーゼ、Pseudomonas属由来のイソアミラーゼ等が利用できる。更にこれらの酵素を組み合わせても利用できる。
マルトオリゴ糖等の糖の使用濃度は、用いる糖が溶解されうる範囲であれば、本酵素の比活性、反応温度等を考慮して適宜選択すればよい。0.5〜70%の範囲とするのが一般的であり、好ましくは5〜40%の範囲である。糖と酵素との反応における反応温度及びpH条件は、本酵素トランスフェラーゼの最適条件下で行うことが好ましい。よって、50〜85℃程度、pH3.5〜6.5程度の条件下で行うのが一般的であり、好ましくは60〜80℃、pH4.5〜6.0の範囲である。
生成されたグルコシルトレハロース或いはマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を含む反応液は、公知の方法に従い精製することができる。例えば、得られた反応液をイオン交換樹脂により脱塩し、活性炭、イオン交換樹脂(HSO3型)又は陽イオン交換樹脂(Ca型)等を分離剤とするクロマトグラフィーによって目的の糖画分を分離し、又は更に続いて濃縮し、結晶化することにより、高純度のトレハロースオリゴ糖を得ることができる。
新規トランスフェラーゼをコードする遺伝子
本発明によれば、更に上記の新規トランフェラーゼをコードする遺伝子が提供される。
本発明による新規トランスフェラーゼをコードしている遺伝子を含んでなるDNA断片としては、例えば図26または図29に示される制限酵素地図で表されるDNA断片が挙げられる。
このDNA断片は、Sulfolobales目に属する古細菌から得ることが出来、好ましくはSulfolobus属に属する古細菌、より好ましくは後記するSulfolobus solfataricus KM1株、またはSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株から単離することが出来る。Sulfolobus solfataricus KM1株、およびSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株からのその好ましい単離法については、後記する実施例において詳細に説明されている。
このDNA断片を取得可能と思われる起源の具体例としては、さらにSulfolobus solfataricus DSM 5354株、DSM5833株、ATCC35091株、ATCC35092株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426株、Sulfolobus shibatae DSM5389、Acidianus brierleyi DSM1651株等を挙げることができる。これらの古細菌が、本発明によるDNA断片の起源となりうることは、後記する実施例I−17のハイブリダイゼーション試験において、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子が、これら古細菌の染色体DNAとハイブリッドを形成すること、さらには、上記したように酵素自体の性質も酷似していることを示していることからも明らかである。更にこの実施例の結果は、本発明による新規トランスフェラーゼ遺伝子が、Sulfolobales目に属する古細菌に特異的に高度に保存されていることを示しているといえる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による新規トランスフェラーゼをコードしている遺伝子の好ましい具体例として、配列番号2または4に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片が提供される。さらに、配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列の好ましい具体例としては、配列番号1に示される塩基配列の335番から2518番までの塩基配列が挙げられる。配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列の好ましい具体例としては、配列番号3に示される塩基配列の816番から2855番までの塩基配列が挙げられる。
一般に、タンパク質のアミノ酸配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は、いわゆるコドン表を参照して容易に定まる。よって配列番号2または4に示されるアミノ酸配列をコードする種々の塩基配列を適宜選択することが可能である。従って、本発明において「配列番号2に示されるアミノ酸をコードするDNA配列」とは、配列番号1に示される塩基配列の335番から2518番の配列を有するもの、およびその縮重関係にあるコドンが使用されている以外は同一の塩基配列を有しかつ配列番号2に示されるアミノ酸をコードする塩基配列をも意味するものとする。また「配列番号4に示されるアミノ酸をコードするDNA配列」とは、配列番号3に示される塩基配列の816番から2855番の配列を有するもの、およびその縮重関係にあるコドンが使用されている以外は同一の塩基配列を有しかつ配列番号4に示されるアミノ酸をコードする塩基配列をも意味するものとする。
さらに、後記するように本発明による新規トランスフェラーゼには、配列番号2または4に示されるアミノ酸配列の等価配列をも包含するものである。従って、本発明によるDNA断片には、さらにこの等価配列をコードする塩基配列も包含される。
なお、配列番号1または3に示される塩基配列と相同性を有する配列の存在について、塩基配列データバンク(EMBL)を通じて、配列解析ソフトジェネティックス(ソフトウエア開発)を用いて調べた結果、そのような配列は存在しないことを本発明者らは確認している。
本発明による配列番号1に示される塩基配列の335番から2518番の配列を有するDNA断片、および配列番号3に示される塩基配列の816番から2518番の配列を有するDNA断片は塩基配列が定まっていることから、そのDNA断片を取得する一つの手段は核酸合成の手法に従って製造することである。
またこの配列は、前記したSulfolobales目に属する古細菌、好ましくはSulfolobus solfataricus KM1株、またはSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株から遺伝子工学的な手法を用いて得ることが出来る。例えば、Molecular Cloing:A Laboratory Manual(Sambrook,Maniatisら、Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989))などに記載の手法で好ましく行うことができる。具体的な方法は、後記する実施例に詳細に説明されている。
組換え新規トランスフェラーゼ
上記の通り、新規トランフェラーゼの遺伝子が提供されたことから、本発明によれば、この遺伝子の発現産物である組換え新規トランフェラーゼが提供される。
本発明による組換え新規トランスフェラーゼの好ましい具体例としては、図26または図29に示される制限酵素地図で表されるDNA断片の発現産物が挙げられる。
更に、好ましい具体例としては、配列表の配列番号2または4に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなるポリペプチドが挙げられる。ここで、「その等価配列」とは、配列番号2または4に示されるアミノ酸配列において、いくつかのアミノ酸の挿入、置換または欠失、若しくは両末端への付加がなされたものであって、かつその新規トランスフェラーゼ作用を依然として保持するものをいうものとする。その等価配列における新規トランスフェラーゼ作用の保持とは、その作用を利用した実際の使用態様において、配列番号2または4に示される配列を全て有するポリペプチドと、同一の条件でほぼ同様の利用が可能な程度の活性が維持されていることをいうものとする。このような「等価配列」は具体的に実施例I−18においてSulfolobus solfataricus KM1株、およびSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の2株の間で新規トランスフェラーゼのアミノ酸配列の相同性がギャップを考慮して計算した場合49%であっても同一の活性が保持されていることからも、配列番号2および4に示される配列を参照すれば、当業者であれば格別の困難性なしに選択し、製造可能であることは明らかである。
後記する実施例I−17において明らかにされているように、配列番号1および3に示される配列を有するDNA断片が、このDNA断片の起源であるSulfolobus solfataricus KM1株、およびSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株以外の他の菌株由来のDNA断片とハイブリッドを形成している。一方、上記したように、これらの菌株から性質の酷似した新規トランスフェラーゼの存在を今般確認した。また後記する実施例I−18において明かにされるように、Sulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の2株の間で、新規トランスフェラーゼのアミノ酸配列の相同性はギャップを考慮して計算した場合49%である。従って、配列番号2または4に示されるアミノ酸配列とある程度の相同性ある配列において、新規トランスフェラーゼ活性が保持されうることは当業者に明らかであるといえる。
なお、配列番号2および4に示されるアミノ酸配列と相同性を有する配列の存在について、アミノ酸配列データバンク(Swiss prot、およびNBRF‐PFB)を通じて、配列解析ソフトジェネティックス(ソフトウエア開発)を用いて調べた結果、そのような配列は存在しないことを本発明者らは確認している。
新規トランスフェラーゼをコードする遺伝子の発現
本発明による新規トランスフェラーゼをコードするDNA断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA分子、特に発現ベクター、の形態として宿主細胞の形質転換を行えば、宿主細胞において本発明による組換え新規トランスフェラーゼを産生させることができる。
従って、本発明によれば、さらに本発明による新規トランスフェラーゼをコードする遺伝子を含んだDNA分子、特に発現ベクター、が提供される。このDNA分子は、ベクター分子に本発明による新規トランスフェラーゼをコードするDNA断片を組み込むことによって得ることが出来る。本発明の好ましい態様によれば、このベクターはプラスミドである。
この本発明によるDNA分子の作成は前掲のMolecular Cloing:A Laboratory Manualに記載の方法に準じて行うことができる。
本発明において利用されるベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案しながら、ウイルス、プラスミド、コスミドベクターなどから適宜選択することができる。例えば、宿主細胞が大腸菌の場合はλファージ系のバクテリオファージ、pBR,pUC系のプラスミド、枯草菌の場合はpUB系のプラスミド、酵母の場合はYEp、YCp系のベクターが挙げられる。
このプラスミドは形質転換体の選択マーカーを含むのが好ましく、選択マーカーとしては薬剤耐性マーカー、栄養要求マーカー遺伝子を使用することができる。
さらに、本発明による発現ベクターとしてのDNA分子は、新規トランスフェラーゼ遺伝子の発現に必要なDNA配列、例えばプロモーター、転写開始信号、リボゾーム結合部位、翻訳停止シグナル、転写終結信号などの転写調節信号、翻訳調節信号などを有しているのが好ましい。
プロモーターとしては、挿入断片に含まれる宿主中でも機能することができるプロモーターはもちろんのこと、大腸菌においてはラクトースオペロン(lac)、トリプトファンオペロン(trp)等のプロモーター、酵母ではアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH)、酸性フォスファターゼ遺伝子(PHO)、ガラクトース遺伝子(GAL)、グリセロアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(GPD)等のプロモーターが好ましく用いることができるものとして挙げられる。
ここで、配列番号1に示される塩基配列の1番から2578番までの塩基配列および配列番号3に示される塩基配列の1番から3467番までの塩基配列は、上記の発現に必要な配列を含んでいると思われることから、この配列をそのまま利用するのも好ましい。
また、宿主細胞が枯草菌、酵母の場合には、分泌型ベクターを使用して、菌体外に組換え新規トランスフェラーゼ酵素を分泌することも有利である。
宿主細胞としては、大腸菌の他に、枯草菌、酵母、高等真核生物を用いることができる。枯草菌としては例えばBacilus属に属する微生物を用いることが好ましい。該属には、タンパク質を多く菌体外へ分泌する株が存在することが知られている。従って、分泌型ベクターを用いることにより、培養液中に多量の組換え新規アミラーゼを分泌させることが出来る。さらに培養上清からの精製も容易となるので好ましい。また、該属には菌体外にプロテアーゼをほとんど分泌しない株も知られており、このような株を用いることにより、本発明による組換え新規アミラーゼを効率よく生産することが出来るので好ましい。また、宿主細胞としてグルコアミラーゼを産生しない生物を選択すると、菌体抽出液、または簡単な精製を行った粗酵素の状態で本発明による組換え新規トランスフェラーゼを得て、それをそのまま後記するトレハロースオリゴ糖の製造に用いることができるので、極めて有利である。
前記した形質転換体の産生する組換え新規トランスフェラーゼは、次のようにして得ることが出来る。まず上記の宿主細胞を適切な条件下で培養し、得られた培養物から公知の方法、例えば遠心分離により菌体を得て、これを適切な緩衝液中に懸濁し、凍結融解、超音波処理、磨砕等により菌体を破砕し、遠心分離またはろ過により組換え新規トランスフェラーゼを含有する菌体抽出物を得る。
この菌体抽出物に存在する組換え新規トランスフェラーゼの精製には、公知の分離、精製法を適当に組み合わせて行うことができる。例えば、熱処理のような耐熱性の差を利用する方法、塩沈澱および溶媒沈澱のような溶解性の差を利用する方法、透析、限外ろ過、ゲルろ過およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動のような分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーのような特異的親和性を利用する方法、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用する方法、更に等電点電気泳動のような等電点の差を利用する方法等が挙げられる。この組換え新規トランスフェラーゼは耐熱性を有するため、熱処理により宿主のタンパク質を変性させることにより、これを沈澱として除去できるため、精製を非常に簡単に行うことができる。
組換え新規トランフェラーゼを用いたトレハロースオリゴ糖の製造
更に本発明によれば、上記の組換え新規トランスフェラーゼを用いた、グルコシルトレハロースおよびマルトオリゴシルトレハロース等のいわゆるトレハロースオリゴ糖の製造法が提供される。
すなわち、本発明による方法は、少なくとも還元末端側の三糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合であるトレハロースオリゴ糖の製造法であって、上記組換え新規トランスフェラーゼを、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である三糖以上の糖と接触させることを含んでなる。
少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である三糖以上の糖は特に限定されないが、デンプン、デンプン分解物、マルトオリゴ糖等が挙げられる。ここでデンプン分解物としては、デンプンをエンド型アミラーゼ、枝切り酵素などによる分解または酸分解に付し、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合であるように適宜分解することにより製造されたものが挙げられる。ここで用いられるエンド型アミラーゼとしては、例えば、Bacillus属等のバクテリア、Aspergillus属等のかび、麦芽等の植物由来の酵素等が利用できる。また枝切り酵素としては、例えばBacillus属、Klebsiella属等バクテリア由来のプルラナーゼ、Pseudomonas属由来のイソアミラーゼ等が利用できる。更にこれらの酵素を組み合わせて利用することも可能である。
本発明による組換え新規トランスフェラーゼと、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である三糖以上の糖との接触態様およびその条件は、組換え新規トランスフェラーゼが該糖に作用可能な様態である限り特に限定されない。溶液中で接触させる場合の好ましい態様を示せば次の通りである。すなわち、マルトオリゴ糖等の糖の使用濃度は、用いる糖が溶解されうる範囲であれば、本酵素の比活性、反応温度等を考慮して適宜選択してよいが、0.5〜70%の範囲とするのが一般的であり、好ましくは5〜40%の範囲である。糖と酵素との反応における反応温度およびpH条件は、組換え新規トランスフェラーゼの最適条件下で行うことが好ましい。よって、50〜85℃程度、pH3.5〜6.5程度の条件下で行うのが一般的であり、好ましくは60〜80℃、pH4.5〜6.0の範囲である。
また、組換え新規トランスフェラーゼの精製の程度も適宜選択することができ、形質転換体の菌体破砕物から粗酵素のまま用いることもでき、また、各種精製工程で得られた精製酵素として利用してもよい。さらには各種精製手段を経て単離精製された酵素として用いてもよい。
さらに酵素は、常法に準じて担体に固定化し、固定化した状態で、糖と接触させてもよい。
生成したグルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖は、反応液を公知の方法に従い精製することにより得ることが出来る。例えば、得られた反応液をイオン交換樹脂により脱塩し、活性炭、イオン交換樹脂(HSO3型)又は陽イオン交換樹脂(Ca型)等を分離剤とするクロマトグラフィーによって目的の糖画分を分離し、又は更に続いて濃縮し、結晶化することにより、高純度のトレハロースオリゴ糖を得ることができる。
II.新規アミラーゼ
本発明の新規アミラーゼを産生する微生物
本発明において利用されうる古細菌としては、Sulfolobus solfataricus KM1株(本発明者らにより自然界から実質的に純粋な形で分離した前述の新菌株)、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909(DSM 639)株等を挙げることができる。
本発明の新規アミラーゼを産生する微生物は、このように、分類学上Sulfolobales目に属するかなり広い範囲の古細菌に及ぶと考えられる。ここにおいて、Sulfolobales目とは、分類学上、高度好熱性(温度:55℃〜88℃の範囲で生育)、好酸性(pH:1〜6の範囲で生育)、好気性、硫黄細菌(球菌(不規則):直径0.6〜2μm)として定義される古細菌である。上記のSulfolobus solfataricus DSM 5833株は以前はCaldariella acidophilaと命名されていた菌である。よって、このような事実から、上記の古細菌に遺伝学的に或いは分類学的に近縁であり、かつ同種の酵素を産生しうる菌、及び該菌の菌株を各種変異剤によって処理して得られる変異株はすべて本発明において使用できることは言うまでもない。
上記において例示した微生物の中で、Sulfolobus solfataricus KM1株は本発明者らが群馬県の温泉から分離した菌株であって、その性質、培養法並びに寄託に関しては、前述において詳しく説明したとおりのものである。
本発明の新規アミラーゼを産生する微生物の培養
本発明の新規アミラーゼ産生のための培養条件は、該アミラーゼを産生しうる範囲内で適宜選択すればよい。液体振とう培養又は通気撹拌培養の場合は各微生物が生育するpH、培養温度で、2日〜7日間の培養が適当である。培地としては、例えば、American Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)及びDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)発行 Catalogue of Strains 5版(1993)に記載のものを好ましく用いることができる。更に糖源としてデンプン、マルトオリゴ糖等を加えてもよい。
本発明の新規アミラーゼの精製
上記微生物の産生する本発明の新規アミラーゼの抽出は、まず上記のような培養方法により得られた培養物から公知の方法、例えば、遠心分離により菌体を得て、これを適切な緩衝液中に懸濁し、凍結融解、超音波処理、磨砕等により菌体を破砕し、遠心分離又はろ過により該アミラーゼを含有する菌体抽出物を得る。
この菌体抽出物に存在する本発明の新規アミラーゼの精製には、公知の分離、精製法を適当に組み合わせて行うことができる。例えば、塩沈澱及び溶媒沈澱のような溶解性を利用する方法、透析、限外ろ過、ゲルろ過、及びSDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動のような分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーのような特異的親和性を利用する方法、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用する方法、更に等電点電気泳動のような等電点の差を利用する方法等が挙げられる。これらの具体的な例は、後述の実施例II−2〜II−4に示すとおりである。最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル或いは等電点電気泳動にて単一バンドを示す酵素を精製酵素として得る。
上記したような各種の精製過程において分離された酵素或いは酵素含有物の活性測定に関しては、Lamaらの方法における活性測定法ではデンプンを基質として行っており、それによれば、各種アミラーゼが複数存在している状態ではデンプンの分解が検出できるものの、それらのアミラーゼがそれぞれ分離された状態では検出感度、定量性が共に低く、また、この方法では精製途中においてデンプン分解活性はほとんど消失して確認できなくなるという大きな問題があり、酵素活性本体の精製、特定化は実質上不可能であった。ところが、本発明者らにより、トレハロースオリゴ糖(例えばマルトトリオシルトレハロース)を基質とし、α,α−トレハロースとマルトオリゴ糖(例えばマルトトリオース)に分解する活性を指標とする新しい活性測定法を採用したところ、非常に特異性、検出感度、及び定量性が高く、初めて目的とする酵素の単離精製が可能となり、ようやくにして、本発明の新規アミラーゼ活性本体の精製及び特定化を実現し得たのである。
本発明の新規アミラーゼの諸性質
本発明の酵素例として、Sulfolobus solfataricus KM1株、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、及びSulfolobus acidocaldarius ATCC 33909(DSM 639)株の古細菌がそれぞれ産生した新規アミラーゼについてそれらの酵素学的な諸性質を下記の第2表にまとめて示す。なお、表中のデータは、実施例II−5に示した具体例に基づくものである。
Figure 2006340728
註1:経時変化
可溶性デンプンを基質として用いた場合、反応初期にヨウ素デンプン反応が速やかに消失し、引き続き、マルトース、グルコースを主成分として若干量のマルトトリオース、マルトテトラオースを生成するように分解した。
註2:酵素作用/酵素反応様式
本酵素はデンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖を基質とした場合、加水分解反応により主にグルコース、マルトースを生成し、少量のマルトトリオース、マルトテトラオースを生成する。本活性の作用機作についてはこれらの基質に対してエンド型に作用するアミラーゼ活性と共にその還元末端側から主に単糖、2糖を生成する活性を有する。
特に、還元末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖(例えばトレハロースオリゴ糖)との反応性が高く、これを基質とした場合、還元末端側から2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解して反応の初期に特異的にα,α−トレハロースを遊離する活性を有する。
よって、本酵素は新規なアミラーゼであると考えられる。この詳細は、実施例II−5の具体的な例において示す通りである。
以上、本酵素の諸性質を述べたが、第2表及び後述の実施例から明らかなように、酵素活性以外の本酵素の諸性質に関しては、菌株の属或いは種の違いにより若干の差異があるのが認められる。
α,α−トレハロースの製造において用いられるトランスフェラーゼ
本発明のα,α−トレハロースの製造法において使用するトランスフェラーゼとしては、前述のI.新規トランフェラーゼの項において詳説した本発明のトランフェラーゼを用いることができる。具体的には、例えばSulfolobus solfataricus ATCC 35091(DSM 1616)株、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、Sulfolobus solfataricus KM1株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909(DSM 639)株、Acidianus brierleyi DSM 1651株等が産生するトランスフェラーゼを挙げることができる。
上記トランスフェラーゼは、例えば、後述する実施例I−2〜I−5に示す方法に従って製造することができる。こうして得られたトランスフェラーゼは後述の実施例I−6において示すような諸性質を有するものである。
α,α−トレハロースの製造
本発明は、本発明の新規アミラーゼとトランスフェラーゼとを用いて、α,α−トレハロースを製造する方法を提供するものであるが、該本発明の製造法を、最も典型的な具体例、即ち、デンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖原料から、α,α−トレハロースを製造する方法でもって以下説明する。なお、デンプン等に上記の2つの酵素が作用する機構は、多分、以下の通りであると考えられる。すなわち、デンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖に本発明の新規アミラーゼがそのエンド型活性により、まず作用してこのものをアミロース又はマルトオリゴ糖に分解し、続いて、トランスフェラーゼの作用によって該アミロース又はマルトオリゴ糖の還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転位させ、更に、再び新規アミラーゼが作用してα,α−トレハロースと、重合度を2つ減じたアミロース又はマルトオリゴ糖を生成し、こうして生じたアミロース又はマルトオリゴ糖に上記の反応が繰り返されて、延いては、高収率でα,α−トレハロースが生成されるようになるのではないかと考えられる。
このような作用機構は、還元末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖(例えばトレハロースオリゴ糖)に対する反応性が、それぞれ対応するマルトオリゴ糖との反応性に比較して高く、上記の3糖以上の糖の還元末端側の2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を特異的に加水分解してα,α−トレハロースを遊離するという、本発明の新規アミラーゼの特異的な反応様式に起因するものと考えられる。
本発明者らの知る限りでは、従来知られているアミラーゼで、マルトオリゴ糖の還元末端がα−1,α−1結合となったマルトオリゴシルトレハロースを、そのα−1,α−1結合のとなりのα−1,4結合の位置で特異的に加水分解し、収率よくα,α−トレハロースを遊離する活性を有するものはなく、従ってα,α−トレハロースを高い収率で生成することはほとんど不可能であった。
本発明におけるα,α−トレハロースの製造法は、古細菌が産生する本発明のアミラーゼ(本酵素)がデンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖に作用可能な様態である限り、該アミラーゼ、及びトランスフェラーゼとデンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖との接触の様態は特に限定されない。具体的には、一般的に、古細菌の菌体或いは菌体破砕物から粗酵素を得、次いで各種精製工程で得られた精製酵素、或いは各種精製手段を経て単離精製された酵素を直接デンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖等の糖に作用させればよい。或いは、そのようにして得た酵素を担体に固定化し、固定化された酵素としてデンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖等の糖に接触させてもよい。なお古細菌の複数種から得た二つ以上の本酵素を共存させて、デンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖等の糖と接触させてもよい。
本発明のα,α−トレハロースの製造法において、上記アミラーゼ、及びトランスフェラーゼの使用量については、いずれも最適範囲内で使用されるべきである。即ち、過剰のアミラーゼは、還元末端がトランスフェラーゼにより作用を受けていないデンプン、デンプン分解物、或いはマルトオリゴ糖に作用してグルコース、マルトースを生成するようになり、一方、過剰のトランスフェラーゼは、同酵素によって生成したマルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を副反応により分解し、グルコースを生成するようになるからである。
具体的には、アミラーゼ及びトランスフェラーゼの基質に対する濃度は、それぞれ1.5U/ml及び0.1U/ml以上、好ましくはそれぞれ1.5U/ml及び1.0U/ml以上、更に好ましくはそれぞれ15U/ml及び1.0U/ml以上であり、また、アミラーゼ対トランスフェラーゼの濃度比は100〜0.075、好ましくは40〜3である。
デンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖の使用濃度は、用いる糖が溶解されうる範囲であれば、用いる酵素の比活性、反応温度等を考慮して適宜選択すればよい。0.5〜70%の範囲とするのが一般的であり、好ましくは5〜40%の範囲である。糖と酵素との反応における反応温度及びpH条件は、アミラーゼ、及びトランスフェラーゼの最適条件で行うことが好ましい。よって、50〜85℃程度、pH3.5〜8程度の条件下で行うのが一般的であり、好ましくは60〜75℃、pH4.5〜6.0の範囲である。
また、用いる糖原料が高重合度のデンプン、デンプン分解物等の場合は、補助的に他のエンド型液化アミラーゼを併用することにより、α,α−トレハロースの生成を促進させることができる。更にプルラナーゼ、イソアミラーゼ等の枝切り酵素を用いることもできる。この場合のエンド型アミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ等については、古細菌が産生する酵素である必要はない。よって、特に限定されないが、例えば、Bacillus属等のバクテリア、Aspergillus属等のかび、麦芽等の植物由来のアミラーゼが利用できる。また枝切り酵素については、例えばBacillus属、Klebsiella属等バクテリア由来のプルラナーゼ(耐熱性のプルラナーゼを含む)、Pseudomonas属由来のイソアミラーゼ等が利用できる。更にこれらの酵素どうしを組み合わせても利用できる。
ただし、過剰量のアミラーゼの添加はトランスフェラーゼによって利用されないグルコース、マルトースを生成する可能性がある。また、枝切り酵素においても同様に、過剰量の添加は1,6結合の切断による基質の溶解度の低下を引き起こし、利用されない高粘度の不溶物質(アミロース)を生じるようになる。よって、用いるアミラーゼ及び枝切り酵素等の量は、過剰のグルコース、マルトース、或いは不溶性物質を生成させないように注意して調節する必要がある。例えば、枝切り酵素に関しては、その使用濃度は、本発明のアミラーゼの比活性、反応温度等を考慮し、かつ不溶性物質を生成させない範囲で適宜選択する必要がある。具体的には、40℃にて1hr処理する場合は、基質に対して0.01〜100U/mlの範囲とするのが一般的であり、好ましくは0.1〜25U/mlの範囲である。(枝切り酵素の活性の定義については実施例II−6,13及び14参照。)枝切り酵素を用いる場合は、α,α−トレハロースの生成反応の前に予め基質を枝切り酵素にて前処理する方法、又はα,α−トレハロースの生成反応に際していずれかの段階でアミラーゼ及びトランスフェラーゼと共存させて用いる方法などいずれであってもよい。なお、その際枝切り酵素はいずれかの段階で1回以上組み合わせて用いるのが好ましく、特に初期の段階で1回以上組み合わせて用いるのが好ましい。なお、耐熱性枝切り酵素を用いる場合はα,α−トレハロース生成反応に際していずれかの段階、或いは初期の段階において、1回添加するのみで同様の効果が得られる。
生成されたα,α−トレハロースを含む反応液は、公知の方法に従い精製することができる。例えば、得られた反応液をイオン交換樹脂により脱塩し、活性炭、イオン交換樹脂(HSO 3型)、又は陽イオン交換樹脂(Ca型)等を分離剤とするクロマトグラフィーによって目的の糖画分を分離し、又は更に続いて濃縮し、結晶化することにより、高純度のα,α−トレハロースを得ることができる。
新規アミラーゼをコードする遺伝子
本発明によれば更に上記の新規アミラーゼをコードする遺伝子が提供される。
本発明による新規アミラーゼをコードしている遺伝子を含むDNA断片の具体例としては、図34または図38に示される制限酵素地図で表されるDNA断片が挙げられる。
このDNA断片は、Sulfolobales目に属する古細菌から得ることが出来、好ましくはSulfolobus属に属する古細菌、より好ましくは後記するSulfolobus solfataricus KM1株、またはSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株から単離することが出来る。Sulfolobus solfataricus KM1株、およびSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株からのその好ましい単離法については、後記する実施例において詳細に説明されている。
このDNA断片を取得可能と思われる起源の具体例としては、さらにSulfolobus solfataricus DSM5354株、DSM5833株、ATCC35091株、ATCC35092株 Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426株 Sulfolobus shibatae DSM5389株 Acidianus brierleyi DSM1651株等を挙げることができる。これらの古細菌が、本発明によるDNA断片の起源となりうることは、後記する実施例II−24のハイブリダイゼーション試験において、Sulfolobus solfataricus KM1株 および Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規アミラーゼ遺伝子が、これら古細菌の染色体DNAとハイブリッドを形成すること、さらには、上記したように酵素自体の性質も酷似していることを示していることからも明らかである。更にこの実施例の結果は、本発明による新規アミラーゼ遺伝子が、Sulfolobales目に属する古細菌に特異的に高度に保存されていることを示しているといえる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による新規アミラーゼをコードしている遺伝子の好ましい具体例として、配列番号6または8に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片が提供される。さらに、配列番号6に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列の好ましい具体例としては、配列番号5に示される塩基配列の642番から2315番までの塩基配列が、また配列番号8のアミノ酸配列をコードするDNA断片の好ましい具体例として配列番号7に示される塩基配列の1176番から2843番が挙げられる。
一般に、タンパク質のアミノ酸配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は、いわゆるコドン表を参照して容易に定まる。よって配列番号6または8に示されるアミノ酸配列をコードする種々の塩基配列を適宜選択することが可能である。従って、本発明において「配列番号6に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列」とは、配列番号5に示される塩基配列の642番から2315番の配列を有するもの、およびその縮重関係にあるコドンが使用されている以外は同一の塩基配列を有しかつ配列番号6に示されるアミノ酸をコードする塩基配列をも意味するものとする。また「配列番号8に示されるアミノ酸配列をコードするDNA配列」とは、配列番号7に示される塩基配列の1176番から2843番の配列を有するもの、およびその縮重関係にあるコドンが使用されている以外は同一の塩基配列を有しかつ配列番号8に示されるアミノ酸をコードする塩基配列をも意味するものとする。
さらに、後記するように本発明による新規アミラーゼには、配列番号6または8に示されるアミノ酸配列の等価配列をも包含するものである。従って、本発明によるDNA断片には、さらにこの等価配列をコードする塩基配列も包含される。
そしてさらに、本発明による新規アミラーゼには、配列番号6に示されるアミノ酸配列のN末端に更にMetが付加した配列が包含される。よって、本発明による新規アミラーゼを含むDNA断片には、配列番号5に示される塩基配列の639番から2315番の配列を有するものが包含される。
なお、配列番号5および7に示される塩基配列と相同性を有する配列の存在について、塩基配列データバンク(EMBL)を通じて、配列解析ソフトジェネティックス(ソフトウエア開発)を用いて調べた結果、そのような配列は存在しないことを本発明者らは確認している。
本発明による配列番号5に示される塩基配列の639番または642番から2315番の配列を有するDNA断片、または配列番号7に示される塩基配列の1176番から2843番の配列を有するDNA断片は塩基配列が定まっていることから、そのDNA断片を取得する一つの手段は核酸合成の手法に従って製造することである。
またこの配列は、前記したSulfolobales目に属する古細菌、好ましくはSulfolobus solfataricus KM1株、またはSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株から遺伝子工学的な手法を用いて得ることが出来る。例えば、Molecular Cloing:A Laboratory Manual(Sambrook,Maniatisら、Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989))などに記載の手法で好ましく行うことができる。具体的な方法は、後記する実施例に詳細に説明されている。
組換え新規アミラーゼ
上記の通り、新規アミラーゼの遺伝子が提供されたことから、本発明によれば、この遺伝子の発現産物である組換え新規アミラーゼが提供される。
本発明による組換え新規アミラーゼの好ましい具体例としては、図34または図38に示される制限酵素地図で表されるDNA断片の発現産物が挙げられる。
更に、好ましい具体例としては、配列表の配列番号6または8に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなるポリペプチドが挙げられる。ここで、「その等価配列」とは、配列番号6または8に示されるアミノ酸配列において、いくつかのアミノ酸の挿入、置換、または欠失、若しくは両末端への付加がなされたものであって、かつその上記した新規アミラーゼ活性を依然として保持するものをいうものとする。その等価配列における新規アミラーゼ活性の保持とは、その活性を利用した実際の使用態様において、配列番号6または8に示される配列を全て有するポリペプチドと、同一の条件でほぼ同様の利用が可能な程度の活性が維持されていることをいうものとする。このような「等価配列」は具体的に実施例II−23においてSulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の2株の間で、新規アミラーゼの相同性がアミノ酸配列レベルでギャップを考慮して計算した場合59%であっても、同一の活性が保持されていることからも、配列番号6または8に示される配列を参照すれば、当業者であれば格別の困難性なしに選択し、製造可能であることは明らかである。
さらに、本発明の別の態様によれば、この配列番号6に示されるアミノ酸配列のN末端にMetが更に付加されたアミノ酸配列が更に提供される。本発明による新規アミラーゼはその天然型において配列番号6に示される配列を有していた。しかしながら、後記するように単離されたその遺伝子情報から、その配列を利用して遺伝子組換えの手法により新規アミラーゼを得た場合、配列番号6のアミノ酸配列のN末端に更にMetが付加したものが得られることがわかる。更にこの配列が新規アミラーゼ活性を有することは明らかであり、よって、このMetが付加したアミノ酸配列も本願発明に包含される。
後記する実施例II−24において明らかにされているように、配列番号7に示される1393番から2116番までの配列を有するDNA断片が、このDNA断片の起源であるSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株またはSulfolobus solfataricus KM1株以外の他の菌株由来のDNA断片とハイブリッドを形成している。一方、上記したように、これらの菌株から性質の酷似した新規アミラーゼの存在を今般確認した。また後記する実施例II−23において明らかにされるように、Sulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の2株の間で、新規アミラーゼのアミノ酸配列の相同性はギャップを考慮して計算した場合59%である。従って、配列番号6または8に示されるアミノ酸配列とある程度の相同性ある配列において、新規アミラーゼ活性が保持されうることは当業者に明らかであるといえる。
なお、配列番号6および8に示されるアミノ酸配列と相同性を有する配列の存在について、アミノ酸配列データバンク(Swiss prot、およびNBRF‐PFB)を通じて、配列解析ソフトジェネティックス(ソフトウエア開発)を用いて調べた結果、そのような配列は存在しないことを本発明者らは確認している。
新規アミラーゼをコードする遺伝子の発現
本発明による新規アミラーゼをコードするDNA断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA分子、特に発現ベクター、の形態として宿主細胞の形質転換を行えば、宿主細胞において本発明による新規アミラーゼを産生させることができる。
従って、本発明によれば、さらに本発明による新規アミラーゼをコードする遺伝子を含んだDNA分子、特に発現ベクター、が提供される。このDNA分子は、ベクター分子に本発明による新規アミラーゼをコードするDNA断片を組み込むことによって得ることが出来る。本発明の好ましい態様によれば、このベクターはプラスミドである。
この本発明によるDNA分子の作成は前掲のMolecular Cloing:A Laboratory Manualに記載の方法に準じて行うことができる。
本発明において利用されるベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案しながら、ウイルス、プラスミド、コスミドベクターなどから適宜選択することができる。例えば、宿主細胞が大腸菌の場合はλファージ系のバクテリオファージ、pBR、pUC系のプラスミド、枯草菌の場合はpUB系のプラスミド、酵母の場合はYEp、YCp系のベクターが挙げられる。
このプラスミドは形質転換体の選択マーカーを含むのが好ましく、選択マーカーとしては薬剤耐性マーカー、栄養要求マーカー遺伝子を使用することができる。
さらに、本発明による発現ベクターとしてのDNA分子は、新規アミラーゼ遺伝子の発現に必要なDNA配列、例えばプロモーター、転写開始信号、リボゾーム結合部位、翻訳停止シグナル、転写終結信号などの転写調節信号、翻訳調節信号などを有しているのが好ましい。
プロモーターとしては、挿入断片に含まれる宿主中でも機能することができるプロモーターはもちろんのこと、大腸菌においてはラクトースオペロン(lac)、トリプトファンオペロン(trp)等のプロモーター、酵母ではアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH)、酸性フォスファターゼ遺伝子(PHO)、ガラクトース遺伝子(GAL)、グリセロアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(GPD)等のプロモーターが好ましく用いることができるものとして挙げられる。
ここで、配列番号5に示される塩基配列の1番から2691番までの塩基配列および配列番号7に示される塩基配列の1番から3600番までの塩基配列は大腸菌において新規アミラーゼを効率よく発現させる。よって、この配列番号5および7に示される塩基配列は、少なくとも大腸菌における発現に必要な配列を含んでいると思われることから、この配列をそのまま利用するのも好ましい。
また、宿主細胞が枯草菌、酵母の場合には、分泌型ベクターを使用して、菌体外に新規アミラーゼを分泌することも有利である。
宿主細胞としては、大腸菌の他に、枯草菌、酵母、高等真核生物を用いることができる。枯草菌としては例えばBacilus属に属する微生物を用いることが好ましい。該属には、タンパク質を多く菌体外へ分泌する株が存在することが知られている。従って、分泌型ベクターを用いることにより、培養液中に多量の組換え新規アミラーゼを分泌させることが出来る。さらに培養上清からの精製も容易となるので好ましい。また、該属には菌体外にプロテアーゼをほとんど分泌しない株も知られており、このような株を用いることにより、本発明による組換え新規アミラーゼを効率よく生産することが出来るので好ましい。また、宿主細胞としてグルコアミラーゼを産生しない生物を選択すると、菌体抽出液、または簡単な精製を行った粗酵素の状態で本発明による組換え新規アミラーゼを得て、それをそのまま後記するα,α‐トレハロースの製造に用いることができるので、極めて有利である。
前記した形質転換体の産生する組換え新規アミラーゼは、次のようにして得ることが出来る。まず上記の宿主細胞を適切な条件下で培養し、得られた培養物から公知の方法、例えば遠心分離により菌体を得て、これを適切な緩衝液中に懸濁し、凍結融解、超音波処理、磨砕等により菌体を破砕し、遠心分離またはろ過により組換え新規アミラーゼを含有する菌体抽出物を得る。
この菌体抽出物に存在する組換え新規アミラーゼの精製には、公知の分離、精製法を適当に組み合わせて行うことができる。例えば、熱処理のような耐熱性の差を利用する方法、塩沈澱および溶媒沈澱のような溶解性の差を利用する方法、透析、限外ろ過、ゲルろ過およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動のような分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーのような特異的親和性を利用する方法、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用する方法、更に等電点電気泳動のような等電点の差を利用する方法等が挙げられる。この組換え新規アミラーゼは耐熱性を有するため、熱処理により宿主のタンパク質を変性させることにより、これを沈澱として除去できるため、精製を非常に簡単に行うことができる。
組換え体を用いたα,α‐トレハロースの製造
本発明によれば、上記の組換え新規アミラーゼと、前記した組換え新規トランスフェラーゼを用いた、α,α‐トレハロースの製造法が提供される。
α,α‐トレハロースの製造法の好ましい態様によれば、本発明による組換え新規アミラーゼと、組換え新規トランスフェラーゼは同時にデンプン、デンプン分解物、マルトオリゴ糖等の糖と、混合され、接触されてよい。また、組換え新規トランフェラーゼ及び組換え新規アミラーゼのいずれか一方を天然由来の酵素に置き換えることも好ましい。
デンプン、デンプン分解物、マルトオリゴ糖等の糖の使用濃度は、用いる糖が溶解されうる範囲であれば、本酵素の比活性、反応温度等を考慮して適宜選択されて良いが、0.5〜70%の範囲とするのが一般的であり、好ましくは5〜40%の範囲である。糖と酵素との反応における反応温度及びpH条件は本発明による組換え新規アミラーゼ、および組換え新規トランスフェラーゼの最適条件で行うことが好ましい。よって50〜85℃程度、pH3.5〜8程度が一般的であり、好ましくは60〜75℃、pH4.5〜6.0の範囲である。
また高重合度のデンプン、デンプン分解物等の糖においては、補助的にエンド型液化アミラーゼ、枝切り酵素を用いることによりα,α‐トレハロースの生成を促進させることができる。このようなエンド型液化アミラーゼとしては、例えば、Bacillus属等のバクテリア、Aspergillus属等のかび、麦芽等の植物由来の酵素等が利用できる。また枝切り酵素については例えばBacillus属、Klebsiella属等バクテリア由来のプルラナーゼ、Pseudomonas属由来のイソアミラーゼ等が利用できる。更にこれらの酵素を組み合わせて使用することも可能である。
ただし、過剰量のエンド型液化アミラーゼの添加は新規トランスフェラーゼによって利用されないグルコース、マルトースを生成する。またプルラナーゼにおいても同様に過剰量の添加はα‐1,6結合の切断による基質の溶解度の低下を引き起こし利用されない高粘度の不溶物を生じる。よってこの際に用いるエンド型液化アミラーゼおよびプルラナーゼの量は過剰のグルコース、マルトース、または不溶物を生成しないよう調節されるのが好ましい。
また、プルラナーゼを用いる場合は、基質をあらかじめプルラナーゼにて前処理する方法、またはα,α‐トレハロースの生成反応に際していずれかの段階で組換え新規アミラーゼおよび新規トランスフェラーゼとを共存させて用いる方法のいずれであってもよい。
生成されたα,α‐トレハロースは、反応液を公知の方法に従い精製することによって得ることが出来る。例えば、得られた反応液をイオン交換樹脂により脱塩し、活性炭、イオン交換樹脂(HSO3型)、または陽イオン交換樹脂(Ca型)等を分離剤とするクロマトグラフィーによって目的の糖画分を分離し、または更に続いて濃縮し、結晶化させることにより、高純度のα,α‐トレハロースを得ることができる。
以下に、具体的な実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に制限されないことは言うまでもない。
実施例I−1 古細菌のグルコシルトレハロース生成活性
下記の第3表に示す菌株についてグルコシルトレハロース生成活性を調べた。方法としては、各菌株の培養菌体を超音波破砕処理、遠心分離を行い、その上清に基質であるマルトトリオースを最終的に10%となるように加え、60℃で24時間反応後、100℃で5分間加熱処理して反応を停止させた後、生成したグルコシルトレハロースを、以下に示す条件のHPLC分析法により測定した。
カラム: TOSOH TSK-gel Amide-80(4.6 ×250mm )
溶媒 : 75%アセトニトリル
流速 : 1.0ml/min
温度 : 室温
検出器: 示差屈折計
酵素活性は、マルトトリオースを1時間に1μmolのグルコシルトレハロースに変換する酵素活性を1ユニットとして示した。但し、第3表においては菌体g当りの活性として示した。
そのHPLCチャートは図1(B)に示す通りである。図に示すように、主反応物はHPLCチャート上ではアノマーのない一本のピークとして、未反応基質よりやや遅れて現れた。なお、この主生成物をTSK-gel amide-80 HPLC column にて分取し、 1H−NMR、13CーNMRにより解析の結果、グルコシルトレハロースであることを確認した。化学式は以下の通りである。
Figure 2006340728
その結果、Sulfolobales目に属する菌株の細胞抽出液はグルコシルトレハロース生成活性、即ち、本酵素トランスフェラーゼ活性を有することがわかった。
Figure 2006340728
実施例I−2 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼの精製
Sulfolobus solfataricus KM1株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmericanType Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は3.3g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体200gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)400mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次に遠心分離を行い上清溶液を得た。これに硫安を60%飽和となるように加えた。
遠心分離して得られた沈澱を1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl- TOYOPEARL 650S 800ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次に600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次いで同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、引き続き900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的トランスフェラーゼを溶出した。活性画分をを限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液に1Mとなるよう硫安を溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-5PW HPLC )に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで30mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE 5PW HPLC )に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで30mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、活性測定は、実施例I−1と同様に行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第4表に示す。
Figure 2006340728
実施例I−3 Sulfolobus solfataricus DSM5833株由来の本酵素トランスフェラーゼの精製
Sulfolobus solfataricus DSM5833株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は1.7g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体56gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)100mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次に遠心分離を行い上清溶液を得た。
次に上清溶液に1Mとなるよう硫安を溶解し、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 200ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜 (分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液 (pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液に1Mとなるよう硫安を溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 200ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的トランスフェラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mM ビス‐トリスHCl緩衝液(pH6.7)にて透析した。
次に同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:ファルマシア Mono P HR/5/20 )に通した。サンプルを注入後、直ちに10%ポリバッファー74HCl(pH5.0ファルマシア社製)にて標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mM ビス‐トリスHCl緩衝液(pH6.7)にて透析した。
さらに同様の条件にてクロマトフォーカシングを行い、標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、活性測定は、実施例I−1と同様に行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第5表に示す。
Figure 2006340728
実施例I−4 Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株由来の本酵素トランスフェラーゼの精製
Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地(pH3.0)で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は2.9g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体92.5gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)200mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。
次に上清溶液に1Mとなるよう硫安を溶解し、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 400ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜 (分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液に1Mとなるよう硫安を溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 200ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的トランスフェラーゼを溶出した。活性画分をを限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mM ビス- トリスHCl緩衝液 (pH6.7)にて透析した。
次に同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:ファルマシア Mono P HR/5/20 )に通した。サンプルを注入後、直ちに10%ポリバッファー74HCl(pH5.0 ファルマシア社製)にて標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス-トリスHCl緩衝液(pH6.7)にて透析した。
さらに同様の条件にてクロマトフォーカシングを行い、標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、活性測定は、実施例I−1と同様に行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第6表に示す。
Figure 2006340728
実施例I−5 Acidianus brierleyi DSM 1651株由来の本酵素トランスフェラーゼの精製
Acidianus brierleyi DSM 1651株を、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)発行 Catalogueof Strains 5版(1993)に記載の培地番号150の培地で70℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は0.6g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体12gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)120mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。
次に上清溶液に1Mとなるよう硫安を溶解し、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 200ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的トランスフェラーゼを溶出した。活性画分をを限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mM ビス- トリスHCl緩衝液(pH6.7)にて透析した。
次に同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:ファルマシア Mono P HR5/20)に通した。サンプルを注入後、直ちに10%ポリバッファー74HCl(pH5.0 ファルマシア社製)にて標的トランスフェラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、活性測定は、実施例I−1と同様に行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第7表に示す。
Figure 2006340728
実施例I−6 本酵素トランスフェラーゼの諸性質の検討
実施例I−2で得られた精製酵素の酵素学的諸性質を測定した。
(1)分子量
ネイティブな状態での精製酵素の分子量測定は、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg)により行った。マーカータンパク質として分子量200,000;97,400;68,000;43,000;29,000;18,400;14,300のものを用いた。
その結果、該トランスフェラーゼの分子量は54,000であった。
ゲル濃度6%のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分子量測定を行った。マーカータンパク質として分子量200,000;116,300;97,400;66,300;55,400;36,500;31,000;21,500;14,400のものを用いた。
その結果、該トランスフェラーゼの分子量は76,000であった。
ゲル濾過クロマトグラフィーとSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子量の測定値に相違が見られたが、これは多分、ゲル濾過カラムの充填剤とタンパク質との間に何らかの相互作用が働くためではないかと考えられる。よって、ゲル濾過による分子量の値は本酵素のネイティブな状態での分子量を示しているとは必ずしもいえない。
(2)等電点
アガロースゲル等電点電気泳動の結果、等電点は6.1であった。
(3)安定性
得られた精製酵素の各温度、各pHにおける安定性を、それぞれ図2、図3に示す。測定は、pH3〜5の間はグリシン塩酸系緩衝液を、pH4〜6の間は酢酸ナトリウム系緩衝液を、pH5〜8の間は燐酸ナトリウム系緩衝液を、pH8〜9の間はトリス塩酸系緩衝液を、pH9〜10の間は炭酸水素ナトリウム系緩衝液を、pH11〜13の間はKCl−NaOH系緩衝液をそれぞれ用いた。
本酵素は85℃で6時間の処理で安定であり、またpH4.0〜10.0の室温6時間の処理で安定であった。
(4)反応性
得られた精製酵素の各温度、各pHにおける反応性を、それぞれ図4、図5に示す。測定は、pH3〜5の間はグリシン塩酸系緩衝液(□)を、pH4〜5.5の間は酢酸ナトリウム系緩衝液(●)を、pH5〜7.5の間は燐酸ナトリウム系緩衝液(△)を、pH8〜9の間はトリス塩酸系緩衝液(◇)をそれぞれ用いた。本酵素は60〜80℃付近に反応最適温度、pH5.0〜6.0付近に反応最適pHを有する。
(5)各種活性化剤、阻害剤の影響
実施例I−1のグルコシルトレハロース生成活性の測定法において以下の第8表に示す物質を基質と共に添加し、それぞれの場合の活性測定を実施例I−1と同様に行い、活性化又は阻害の有無を調べた。その結果、銅イオン、SDSにて阻害を受けることがわかった。糖関連酵素ではカルシウムイオンによって活性化される場合が多く認められるが、本酵素ではカルシウムイオンによっては活性化されない。
Figure 2006340728
(6)基質特異性
本精製酵素を以下の第9表に示す基質に作用させて、α−1,α−1転移体の生成の有無を調べた。なお、活性測定は実施例I−1と同様に行った。
Figure 2006340728
その結果、本精製酵素に関しては、マルトトリオース(G3)〜マルトヘプタオース(G7)からトレハロースオリゴ糖の生成が確認された。また、α−1,6結合を還元末端から1つ目〜4つ目、又は2つ目に有するイソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、パノースに対してはいずれも反応しなかった。
なお、実施例I−3〜I−5で得たSulfolobus solfataricusDSM 5833株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株、Acidianus brierleyi DSM 1651株由来の各精製酵素についても同様の方法により酵素学的性質を調べ、その結果を前記した第1表に示した。
実施例I−7 マルトオリゴ糖からのグルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロースの製造
基質を100mMのマルトトリオース(G3)〜マルトヘプタオース(G7)とし、実施例I−2で得られた精製酵素13.5Units/ml(マルトトリオースを基質として作用させたときの酵素活性)をそれぞれ作用させ、対応するα−1,α−1転移体を生成させた。各生成物の分析法は実施例I−1の方法により行い、その収率及び酵素活性を調べた。なお、第10表中での酵素活性は、各マルトオリゴ糖を1時間に1μmol の対応するα−1,α−1転移体に変換する酵素活性を1ユニットとして示した。結果は以下の第10表に示した通りである。
Figure 2006340728
表の結果より、基質はG5の時、最も活性が高く、G3のおよそ8倍を示した。また、収率はG3の場合44.6%であるが、G4以上では63.5〜73.1%であった。
また、G3、G4、及びG5を基質として得られた反応生成物の組成を調べたところその結果は、それぞれ図6〜8に示した通りであった。
すなわち、マルトトリオースを基質として用いた場合、主反応であるグルコシルトレハロースの生成とともに、副反応として等モルずつのマルトース及びグルコースが生成された。
マルトテトラオース以上の重合度nを持つ糖を基質として用いた場合では、主反応としてまず還元末端のグルコース単位がα−1,α−1結合した重合度nの糖が生成され、同様に副反応として等モルずつの重合度(n−1)糖及びグルコースが生成された。さらにこれらの糖の反応が進むと、二次的に、重合度(n−1)糖から同様の反応が進んだ(なお、図7、8において3糖又は4糖と示した糖にはそれぞれ、未反応のマルトトリオース又はマルトテトラオースと、二次的に同様の反応が進み、その末端がα−1,α−1結合した糖が含まれている)。また、重合度(n+1)以上の糖、すなわち分子間の転移体の生成は認められなかった。なお、副反応である加水分解は鎖長がG4以上になると少なくなることが認められた。
これらの主反応物の例として、基質G3、G4、及びG5からの主生成物である3糖、4糖、及び5糖をTSK-gel amide-80 HPLC columnにて分取し、 1H−NMR、13CーNMRにより解析を行った。その結果、いずれも還元末端のグルコース残基1個がα−1,α−1で結合した構造を示し、それぞれグルコシルトレハロース(α−D−マルトシル α−D−グルコピラノシド)、マルトシルトレハロース(α−D−マルトトリオシル α−D−グルコピラノシド)、及びマルトトリオシルトレハロース(α−D−マルトテトラオシル α−D−グルコピラノシド)であることを確認した。これらの化学式はそれぞれ以下の通りである。
Figure 2006340728
以上の結果から、本発明の酵素はグルコースがα−1,4で結合したマルトトリオース以上のグルコースポリマーの還元末端を、転移によりα−1,α−1で結合させる活性を有する酵素であると結論される。また、副反応として、糖転移酵素によく観察されるように、水分子を受容体として加水分解反応し、還元末端側の結合1個を切断してグルコース1分子を遊離することもわかった。
実施例I−8 マルトオリゴ糖混合物からのグルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロースの製造
実施例I−2で得られた精製酵素10Units/mlを用い、基質を可溶性デンプン(ナカライテスク社製、特級品)のα−アミラーゼ分解物(ヨウ素デンプン反応を示さずオリゴ糖にまで分解されたもの:なおここにおいて用いられたα−アミラーゼは、Sigma 社製のA-0273 アスペルギルス・オリゼ由来のもの)とし、グルコシルトレハロース及び各種のマルトオリゴシルトレハロースの製造を試みた。反応液は以下に示す条件下のHPLC分析法により分析を行った。
カラム: BIORAD AMINEX HPX-42A (7.8 ×300mm )
溶媒 : 水
流速 : 0.6ml/min
温度 : 85℃
検出器: 示差屈折計
図9にそのHPLCによる分析チャートを示した(A) 。なお対照として、本酵素トランスフェラーゼを添加しない場合のHPLCチャートを示した(B) 。その結果、反応生成物のオリゴ糖類は還元末端がα−1,α−1に転移されるため、対照のアミラーゼのみによる生成物よりも各々保持時間が短いオリゴ糖類を生じた。これらの反応物の例として、実施例I−7の場合と同様に3糖、4糖、及び5糖をそれぞれ分取し、 1H−NMR、13CーNMRにより解析を行ったところ、いずれも還元末端のグルコース残基1個がα−1,α−1で結合した構造を示し、それぞれグルコシルトレハロース(α−D−マルトシル α−D−グルコピラノシド)、マルトシルトレハロース(α−D−マルトトリオシル α−D−グルコピラノシド)、及びマルトトリオシルトレハロース(α−D−マルトテトラオシル α−D−グルコピラノシド)であることを確認した。これらの化学式はそれぞれ以下の通りである。
Figure 2006340728
以下の実施例II−1〜II−14(比較例II−1〜II−2及び参考例II−1〜II−4を含む)において用いた下記の試薬或いは原料は、いずれも下記の製造元から入手したものである。
α,α−トレハロース:Sigma 社製
可溶性デンプン:ナカライテスク社製、特級品
Klebsiella pneumoniae 由来プルラナーゼ:和光純薬製、165-15651
パインデックス#1及びパインデックス#3:松谷化学製
マルトース(G2):和光純薬製
マルトトリオース(G3)、マルトテトラオース(G4)、マルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオース(G6)、マルトヘプタオース(G7)、及びアミロース DP−17:林原バイオケミカル製
アミロペクチン:ナカライテスク社製、特級品
イソマルトース:和光純薬製
イソマルトトリオース:和光純薬製
イソマルトテトラオース:生化学工業製
イソマルトペンタオース:生化学工業製
パノース:東京化成工業製
実施例II−1 古細菌のトレハロースオリゴ糖分解活性、及びデンプン液化活性の測定
下記の第11表に示す菌株について活性を調べた。方法としては各菌株の培養菌体を超音波破砕処理、遠心分離を行い、その上清を粗酵素液として、これに基質であるマルトトリオシルトレハロースを最終的に10mMとなるように加え、60℃、pH5.5(50mM酢酸ナトリウム緩衝液)で反応後、100℃で5分間加熱処理して反応を停止させた後、生成したα,α−トレハロースを、以下に示す条件のHPLC分析法により測定した。
カラム: TOSOH TSK-gel Amide-80(4.6 ×250mm )
溶媒 : 72.5%アセトニトリル
流速 : 1.0ml/min
温度 : 室温
検出器: 示差屈折計
トレハロースオリゴ糖分解活性は、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。但し、第11表においては菌体g当りの活性として示した。また、マルトトリオシルトレハロースの調製は、50mM酢酸(pH5.5)を含む10%マルトペンタオースにSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを10Units/mlとなるように添加して60℃で24hr反応させた後、上記条件のTSK-gel Amide-80 HPLC columnにより分取することによって行った。なお、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitと定義する。
そのHPLCチャートは図10に示す通りである。図に示すように、HPLCチャート上ではアノマーのないα,α−トレハロースと同一の保持時間を示すピークと、マルトトリオースと同一の保持時間を示すピークが現れた。なお、はじめの生成物をTSK-gel amide-80 HPLC columnにて分取し、 1H−NMR、13CーNMRにより解析の結果、α,α−トレハロースであることを確認した。
また、上記と同じ粗酵素液(上清)を用いて、2%可溶性デンプンを含む100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)0.5mlに該上清を適宜希釈して0.5ml加え、60℃にて反応を行った。経時的にサンプリングを行い、このサンプルに2倍量の1N塩酸を加えて反応を停止した。次いで2/3倍量の0.01%ヨウ素を含む0.1%ヨウ化カリウム溶液を加え、更に1.8倍量の水を加えた。最後に620nmの吸光を測定し、その経時変化から活性を測定した。
反応後生成する糖の分析は、100℃で5分間処理して反応を停止させた後、以下に示す条件下HPLC分析法により測定した。
カラム: BIO-RAD AMINEX HPX-42A(7.8 ×300mm )
溶媒 : 水
流速 : 0.6ml/min
温度 : 85℃
検出器: 示差屈折計
デンプン分解活性は、デンプン- ヨウ素複合体の青紫色による620nmの吸光を10分に10%減少させる酵素量を1Unitと定義した。但し、第11表においては菌体g当たりの活性として示した。
Figure 2006340728
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の粗酵素液による反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果は図11に示す通りであった。
以上の結果、Sulfolobus属に属する菌株の細胞抽出液はトレハロースオリゴ糖を分解し、α,α−トレハロースを遊離する活性及び、デンプンを加水分解して主に単糖及び2糖を遊離する活性を有することがわかった。
実施例II−2 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼの精製
Sulfolobus solfataricus KM1株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は3.3g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体200gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)400mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。これに硫安を60%飽和となるように加えた。
遠心分離して得られた沈澱を1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl- TOYOPEARL 650S 800ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次に600mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、引き続き900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス−トリス塩酸緩衝液(pH6.3)にて洗浄、脱塩した。
次にこの脱塩濃縮液を、同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:Pharmacia Mono P HR5/20)に載せ、10%Polybuffer 74 (Pharmacia 製、塩酸にてpH4.0に調製したもの)で標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)にて洗浄、脱塩した。
次にこの脱塩濃縮液に4分の1量のサンプルバッファー(62.5mMトリス塩酸緩衝液(pH6.8)、10%グリセロール、2%SDS、0.0125%ブロモフェノールブルー)を加え、10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)(装置:BIO-RAD プレップセル モデル491 )にて標的アミラーゼを溶離した。活性画分を分取し限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、この精製における活性測定には、基質としてマルトトリオシルトレハロースを用い、その他の方法は実施例II−1において示したTSK-gel Amide-80のHPLC分析法と同様にして行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第12表に示す。
Figure 2006340728
実施例II−3 Sulfolobus solfataricus DSM5833株由来の本酵素アミラーゼの精製
Sulfolobus solfataricus DSM5833株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は1.2g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体25gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)50mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。
この上清溶液に硫安を1Mとなるように加え、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 100ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで300mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 100ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで300mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス−トリス−イミノジ酢酸緩衝液(pH7.1)にて洗浄、脱塩した。
次にこの脱塩濃縮液を同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:Pharmacia Mono P HR5/20 )に載せ、10%Polybuffer 74 (Pharmacia 製、イミノジ酢酸にてpH4.0に調製したもの)で標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス−トリス−イミノジ酢酸緩衝液(pH7.1)にて洗浄、脱塩した。
次にこの脱塩濃縮液を、同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:Pharmacia Mono P HR5/20)に載せ、10%Polybuffer 74 (Pharmacia 製、イミノジ酢酸にてpH4.0に調製したもの)で標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:TSK-gel G3000SW HPLC)に載せ、同緩衝液にて標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、この精製における活性測定には、基質としてマルトトリオシルトレハロースを用い、その他の方法は実施例II−1において示したTSK-gel Amide-80のHPLC分析法と同様にして行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第13表に示す。
Figure 2006340728
実施例II−4 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の本酵素アミラーゼの精製
Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株を、2g/リットルの可溶性デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は2.7g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体25gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)50mlに懸濁し、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。
この上清溶液に硫安を1Mとなるように加え、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650S 100ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで300mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄、脱塩した。
次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DEAE-TOYOPEARL 650S 100ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで300mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的アミラゼーを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg )に載せ、同緩衝液にて標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
次に脱塩濃縮液に1Mとなるよう硫安を溶解し、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-5PW HPLC )に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次に30mlの1M〜0M硫安の線状勾配で標的アミラーゼを溶離した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス−トリス−イミノジ酢酸緩衝液(pH7.1)にて洗浄、脱塩した。
次にこの脱塩濃縮液を、同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:Pharmacia Mono P HR5/20)に載せ、10%Polybuffer 74 (Pharmacia 製、イミノジ酢酸にてpH4.0に調製したもの)で標的アミラーゼを溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄、脱塩した。
最終的にネイティブポリアクリルアミドゲル、SDSポリアクリルアミドゲル、及び等電点電気泳動にて単一バンドを示す精製酵素を得た。
なお、この精製における活性測定には、基質としてマルトトリオシルトレハロースを用い、その他の方法は実施例II−1において示したTSK-gel Amide-80のHPLC分析法と同様にして行った。
各精製ステップにおける総酵素活性、総蛋白量、比活性を以下の第14表に示す。
Figure 2006340728
実施例II−5 本酵素アミラーゼの諸性質の検討
実施例II−2で得られた精製酵素の酵素学的諸性質を測定した。
(1)分子量
ゲル濃度6%のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分子量測定を行った。マーカータンパク質として分子量200,000;116,300;97,400;66,300;55,400;36,500;31,000;21,500;14,400のものを用いた。
その結果、該アミラーゼの分子量は61,000であった。
(2)等電点
アガロースゲル等電点電気泳動の結果、等電点は4.8であった。
(3)安定性
得られた精製酵素の各温度、各pHにおける安定性を、それぞれ図12、図13に示す。酵素活性の測定は、実施例II−1においてマルトトリオシルトレハロースを用いた測定法に準じて行ない、pH3〜5の間はグリシン塩酸系緩衝液を、pH4〜6の間は酢酸ナトリウム系緩衝液を、pH5〜8の間は燐酸ナトリウム系緩衝液を、pH8〜9の間はトリス塩酸系緩衝液を、pH9〜10の間は炭酸水素ナトリウム系緩衝液を、pH11〜
13.5の間はKCl−NaOH系緩衝液をそれぞれ用いた。
本酵素は85℃で6時間の処理で安定であり、またpH3.5〜10.0の室温6時間の処理で安定であった。
(4)反応性
得られた精製酵素の各温度、各pHにおける反応性を、それぞれ図14、図15に示す。酵素活性の測定は、実施例II−1においてマルトトリオシルトレハロースを用いた測定法に準じて行ない、pH2〜4の間はクエン酸ナトリウム系緩衝液(□)を、pH4〜5.5の間は酢酸ナトリウム系緩衝液(●)を、pH5〜7.5の間は燐酸ナトリウム系緩衝液(△)を、pH8〜9の間はトリス塩酸系緩衝液(◇)をそれぞれ用いた。
本酵素は70〜85℃付近に反応最適温度、pH4.5〜5.5付近に反応最適pHを有する。
(5)各種活性化剤、阻害剤の影響
実施例II−1のマルトトリオシルトレハロース分解活性測定法において以下の第15表に示す物質を基質と共に添加し、それぞれの場合の活性測定を実施例II−1と同様に行い、活性化又は阻害の有無を調べた。その結果、銅イオン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)によって阻害を受けることがわかった。但し、SDSによる阻害については透析、限外瀘過などの方法でSDSを除去することにより、酵素活性が回復した。糖関連酵素ではカルシウムイオンによって活性化される場合が多く認められるが、本酵素ではカルシウムイオンによっては活性化されない。
Figure 2006340728
(6)基質特異性
本精製酵素25.0Units/ml(マルトトリオシルトレハロースを基質として作用させたときの酵素活性)を以下の第16表に示す10mMの基質(アミロペクチン、可溶性デンプンについては2.8%)に作用させ、分解性及び分解生成物の分析を行った。各種マルトオリゴ糖、アミロース DP−17、アミロペクチン、可溶性デンプン、各種イソマルトオリゴ糖、及びパノースについては単糖+2糖の生成活性を指標として、また、各種トレハロースオリゴ糖、アミロース DP−17α−1,α−1転移体(アミロース DP−17の還元末端側の、1つ目と2つ目のグルコース残基間の結合がα−1,α−1であるオリゴ糖)についてはα,α−トレハロースの生成活性を指標として、マルトース及びα,α−トレハロースについてはグルコースの生成活性を指標として実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC による分析法で分析を行った。
なお、第16表中での酵素活性は、各々単糖及び2糖を1時間に1μmol遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
結果は以下の第16表及び図16〜19に示した通りである。
Figure 2006340728
註:グルコシルトレハロース、マルトシルトレハロース、マルトテトラオシルトレハロース、マルトペンタオシルトレハロース及びアミロースDP-17,α-1, α-1転移体は、いずれも実施例II−1におけるマルトトリオシルトレハロースの調製法に準じて製造したものである。
マルトペンタオース、アミロース DP−17、可溶性デンプンからの反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果は、それぞれ図17のA、B、Cに、また、マルトトリオシルトレハロース、マルトペンタオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果は、それぞれ図18、図19に示す。
その結果、本精製酵素に関しては、還元末端側のグルコース残基がα−1,α−1結合したマルトトリオシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖に、極めてよく作用し、α,α−トレハロースと重合度が2つ減少した対応するマルトオリゴ糖を生成することが確認された。またマルトース(G2)〜マルトヘプタオース(G7)、アミロース、可溶性デンプンからは、主としてグルコース又はマルトースを遊離することが確認された。しかしながらα−1,α−1結合であるα,α−トレハロースに反応せず、また、すべての結合がα−1,6結合であるイソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース及びイソマルトペンタオース、又は、α−1,6結合を還元末端から2つ目に有するパノースに対しても反応しなかった。
(7)エンド型アミラーゼ活性
本精製酵素200Units/ml(マルトトリオシルトレハロースを基質として作用させたときの酵素活性)による、可溶性デンプンに作用させた時のヨウ素発色の消失、及び単糖及び2糖の生成量から求めたデンプン加水分解率の経時変化を、実施例II−1に示したデンプン分解活性測定法、及びAMINEX HPX-42A HPLC による分析法により分析を行った。
その結果、図20に示した様に、本精製酵素に関してはヨウ素反応呈色度が50%消失した時点での加水分解率は3.7%と低く、従ってエンド型アミラーゼの性質を示すことが確認された。
(8)作用機作の検討
ウリジンジホスホグルコース[グルコース-6 - 3H ]、及びマルトテトラオースにグリコーゲンシンターゼ(ウサギ骨格筋由来、Sigma 社製G-2259)を作用させ、非還元末端のグルコース残基を 3Hで放射能ラベル化したマルトペンタオースを合成させ、分取精製した。次にこの放射能ラベル化した10mMのマルトペンタオースを基質とし、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼ10 Units/ml(マルトトリオースを基質として作用させたときの酵素活性)を添加し、60℃、3hr作用させ、非還元末端のグルコース残基を 3Hで放射能ラベル化したマルトトリオシルトレハロースを合成させ、分取精製した。(なお、この生成物にグルコアミラーゼ(Rhizopus由来、生化学工業製)を作用させ、グルコースとα,α−トレハロースに完全に分解させた。これらを薄層クロマトグラフィーにて分取し、それぞれ液体シンチレーションカウンターで放射能を測定したところ、α,α−トレハロース画分に放射活性は見られず、グルコース画分に放射活性が認められ、よって、非還元末端のグルコース残基が放射能ラベル化されていることを確認した。)
以上のように調製した非還元末端のグルコース残基を 3Hで放射能ラベル化したマルトペンタオース、及び非還元末端のグルコース残基を 3Hで放射能ラベル化したマルトトリオシルトレハロースを基質として、これらに実施例II−2で得られた精製酵素をそれぞれ50 Units/ml 及び5 Units/ml 作用させ、反応前、及び60℃、0.5、1及び3時間後にサンプリングを行った。この反応物を薄層クロマトグラフィー(Kieselgel 60 メルク社製、溶媒:ブタノール−エタノール−水=5:5:3)で展開した。得られた各糖に相当するところを分取し、液体シンチレーションカウンターで放射能を測定した。その結果をそれぞれ図21、及び図22に示す。
図21、22より明らかなように、マルトペンタオースを基質とした場合、加水分解産物であるグルコース、マルトース画分には放射活性は見られず、マルトテトラオース、マルトトリオース画分に放射活性が認められた。またマルトトリオシルトレハロースを基質とした場合、加水分解産物であるα,α−トレハロース画分には放射活性は見られず、マルトトリオース画分に放射活性が認められた。
よって、本精製酵素の作用機作はエンド型に作用するアミラーゼ活性と共に、還元末端側から主に単糖、2糖を生成する活性を有するものであることがわかった。
なお、実施例II−3、4で得たSulfolobus solfataricus DSM5833株、及びSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の各精製酵素についても同様の方法により酵素学的諸性質を調べ、その結果を前記した第2表に示した。
比較例II−1 膵臓α−アミラーゼによる各種オリゴ糖の分解性と分解生成物の分析
ブタ膵臓由来α−アミラーゼは、マルトオリゴ糖を還元末端から2糖または3糖単位で加水分解することが知られている(澱粉・関連糖質酵素実験法 P135 、中村道徳、貝沼圭二、学会出版センター)。そこで、本発明の新規アミラーゼの比較例としてブタ膵臓由来α−アミラーゼ(Sigma 社製、A-6255)1Units/ml(デンプンを基質として、pH6.9、20℃において3分間に1mgのマルトースに相当する還元糖を生成する酵素量を1Unitとする)を以下の第17表に示す10mMの基質にpH6.9 、20℃にて作用させ、分解性及び分解生成物の分析を行った。酵素活性は2糖+3糖の生成活性を指標として、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法で分析を行った。
なお、第17表中での酵素活性は、各オリゴ糖を1時間に1μmol 遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
結果は以下の第17表及び図23、24に示した通りである。
Figure 2006340728
註:グルコシルトレハロース、マルトシルトレハロース、マルトテトラオシルトレハロース及びマルトペンタオシルトレハロースは、いずれも実施例II−1におけるマルトトリオシルトレハロースの調製法に準じて製造したものである。
マルトペンタオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を図24に示す。
その結果、膵臓アミラーゼはマルトテトラオース(G4)〜マルトヘプタオース(G7)からマルトースあるいはマルトトリオースと重合度が2つまたは3つ減少した対応するマルトオリゴ糖を生成するが、還元末端側のグルコース残基がα−1,α−1結合したグルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖からはα,α−トレハロースを遊離しない上、反応性が低いことが確認された。
実施例II−6 可溶性デンプン、及び各種デンプン分解物からのα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素150Units/ml、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼ10Units/mlを用い、基質を、可溶性デンプン(ナカライテスク社製、特級品);デンプン分解物として、Klebsiella pneumoniae 由来のプルラナーゼ(和光純薬製)25Units/mlで40℃、1hrの条件の下で予めα−1,6結合を分解しておいた可溶性デンプン;また別のデンプン分解物として、Bacillus amylolichefaciens由来のα- アミラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)12.5Units/mlで30℃、2.5hrの条件の下で予め部分分解しておいた可溶性デンプン;パインデックス#1;パインデックス#3(ともに松谷化学製);G3〜G7マルトオリゴ糖各単独;及びアミロースDP−17(いずれも林原バイオケミカル製)として、それぞれ最終濃度10%、60℃、pH5.5の条件下で約100hr反応させ、用いた酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。
反応液は基質を可溶性デンプンとした場合を例として、実施例II−1に示したAMINEX HPX42A HPLC 分析法による分析を行った。
また、未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法による分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性は,プルランを基質としてpH6.0、30℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第18表に示した。
Figure 2006340728
可溶性デンプンからの反応生成物のAMINEX HPX42A HPLC による分析結果は図25に示す。
その結果、可溶性デンプンを基質とした場合、37.0%の収率にてα,α−トレハロースを生成した。また各種デンプン分解物ではプルラナーゼにてα−1,6結合を加水分解した可溶性デンプンを基質とした場合、62.1%、全ての結合がα−1,4結合である各種マルトオリゴ糖、及びアミロース DP−17ではそれぞれ36.4〜67.1%、及び83.5%であった。これらの結果は、α−1,4結合の直鎖が長い基質を用いるほど最終製品のα,α−トレハロースの収率が高いことを示している。
実施例II−7 可溶性デンプンからの各種酵素濃度におけるα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを用い、基質を、Klebsiella pneumoniae 由来のプルラナーゼ(和光純薬製)25Units/mlで40℃、1hrの条件下で前処理した可溶性デンプンとし、該基質(最終濃度10%)に第19表に示した濃度の酵素をそれぞれ添加して60℃、pH5.5にて約100hr反応させて、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性は,プルランを基質としてpH6.0、30℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第19表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、α,α−トレハロースの収率は、トランスフェラーゼ20Units/ml、アミラーゼ150Units/mlのとき最大となり、65.1%に達したことがわかる。
比較例II−2 他の生物起源のアミラーゼを用いたα,α−トレハロースの製造
本発明の新規アミラーゼの比較として、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis及びAspergillus oryzae由来のアミラーゼ(それぞれ、生化学工業製100200、Sigma 製 A-3403 、及び A-0273 :いずれも60℃にて活性を有する)を用い、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼとの併用において、基質をKlebsiella pneumoniae 由来のプルラナーゼ(和光純薬製)25Units/mlで40℃、1hrの条件下で前処理した可溶性デンプン(最終濃度10%)として、該基質に、第20表に示した濃度の酵素をそれぞれ添加し、60℃、pH5.5にて約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、アミラーゼの酵素活性は、実施例II−1と同様の条件にて反応させて、デンプン- ヨウ素複合体の青紫色による620nmの吸光を10分間に10%減少させる酵素量を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性は,プルランを基質としてpH6.0、30℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第20表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、他の生物起源のアミラーゼを用いても、α,α−トレハロースを生成することはできるが、いずれも収率は、本発明の新規酵素を用いた場合よりも低いことがわかった。
実施例II−8 アミロース DP−17からの各種酵素濃度におけるα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを用い、基質を、アミロース DP−17(林原バイオケミカル製)(最終濃度10%)として、該基質に、第21表に示した濃度の酵素をそれぞれ添加し、60℃、pH5.5にて約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼ活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第21表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、直鎖状のα−1,4結合からなるアミロース DP−17を基質とした場合にはα,α−トレハロースの収率は、トランスフェラーゼ10Units/ml、アミラーゼ150Units/mlのとき最大となり、83.4%に達したことがわかる。
実施例II−9 各種可溶性デンプン濃度におけるα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを用い、基質を可溶性デンプンとし、該基質の最終濃度5%、10%、20%、及び30%のものに、第22表に示した濃度の酵素をそれぞれ添加し、60℃、pH5.5にて約100hr反応させ、これらの酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。この際、反応途中、0hrから96hrの間、0hrも含めて12hr毎に合計9回、5Units/mlとなるようプルラナーゼ(Klebsiella pneumoniae 由来品、和光純薬製)を添加し、40℃、1hrの条件下で処理した。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性は,プルランを基質としてpH6.0、30℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第22表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、基質の可溶性デンプンの濃度を5〜30%と変化させた場合でも、アミラーゼ及びトランスフェラーゼ濃度を最適条件の下で使用することにより、α,α−トレハロースの収率を、いずれも70%以上とすることができることがわかる。
実施例II−10 各種プルラナーゼ処理を含む可溶性デンプンからのα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを用い、基質を、可溶性デンプン(最終濃度10%)として、該基質に第23表に示した濃度の酵素をそれぞれ添加し、60℃、pH5.5にて約120hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。この際、反応途中24hr後に1回(a)、48hr後に1回(b)、72hr後に1回(c)、96hr後に1回(d)、24hrから96hrの間、24hr毎に合計4回(e)、0hrから96hrの間、0hrも含めて12hr毎に合計9回(f)、及び0hrから12hrの反応初期段階に、0hrも含めて3hr毎に合計5回、その後は24hrから96hrの間、12hr毎に合計7回(g)の条件の下で表中に示した濃度となるようにプルラナーゼ(Klebsiella pneumoniae 由来品)を添加し、いずれの場合にも添加後40℃、1hrの条件の下でプルラナーゼ処理をした。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性は,プルランを基質としてpH6.0、30℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第23表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、反応途中にプルラナーゼ処理を導入することにより収率を向上させることができ、しかも、複数回にわたって該処理をする方法、或いは反応初期段階で複数回にわたって該処理をする方法において、α,α−トレハロースの収率を一段と向上させることができることがわかった。トランスフェラーゼ10Units/ml、アミラーゼ150Units/ml、プルラナーゼ処理方法(g)、プルラナーゼ5Units/mlの条件下でα,α−トレハロースの収率は最大となり、80.9%に達した。
実施例II−11 各種アミロース DP−17濃度及び各種反応温度におけるα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを、それぞれ320Units /g −基質、及び20Units /g −基質となるように添加し、基質をアミロースDP−17として、第24及び25表に示した基質濃度及び反応温度において、それぞれ約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率及び反応速度を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第24及び25表に示した。
なお、第24表中の反応速度は、1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する速度を1Unitとして示した。
Figure 2006340728
Figure 2006340728
表の結果より、反応温度を40〜80℃に上げると温度依存的に反応速度は増加することがわかった。また、低温(40〜50℃)では基質濃度を高濃度(30〜
40%)とすると不溶化し、収率が著しく低下するが、高温にすると基質が溶解し、収率も高く維持できた。収率は75.1%に達した。
本実施例の結果から、耐熱性の高い本発明のアミラーゼを用いることにより、高温、高濃度仕込を可能とし、経済的にも、ハンドリングの容易さの観点からも有利なα,α−トレハロースの製造法を提供し得ることが理解される。
実施例II−12 各種可溶性デンプン濃度及び各種反応温度における、耐熱性プルラナーゼを用いたα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼ、及び市販耐熱性プルラナーゼ(デブランチングエンザイム アマノ (Bacillus sp.由来品、天野製薬社製);なお、疎水クロマトグラフィー TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 650Sにより、混在するグルコアミラーゼ活性及びα−アミラーゼ活性を除去した)を、それぞれ1280Units /g −基質、80Units /g −基質、及び32Units /mlとなるように添加し、基質を可溶性デンプンとして、第26及び27表に示した基質濃度及び反応温度において、それぞれ約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率及び反応速度を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
プルラナーゼの活性はプルランを基質としてpH5.5、60℃で1分間に1μmolのマルトトリオースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第26及び27表に示した。
なお、第26表中の反応速度は、1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する速度を1Unitとして示した。
Figure 2006340728
Figure 2006340728
なお、耐熱性プルラナーゼを添加しない以外は基質濃度10%、反応温度60℃において、上記の条件下で反応させたところ、反応収率は35.0%であった。
表の結果より、耐熱性プルラナーゼは反応にあたり一度添加するのみで収率向上効果が得られ、反応温度を
40〜60℃に上げると温度依存的に反応速度は増加することがわかった。また、低温(40〜50℃)では基質濃度を高濃度(20〜30%)とすると不溶化し、収率が著しく低下するが、高温(60℃)にすると基質が溶解し、収率も高く維持できた。収率は、74.1%に達した。
実施例II−13 イソアミラーゼ処理を含む可溶性デンプンからのα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、及びSulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを用い、基質を可溶性デンプン(最終濃度10%)として、該基質にそれぞれ1280Units /g −基質、及び80Units /g −基質となるように添加し、60℃、pH5.0にて約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。この際、0hrから12hrの反応初期段階に、0hrも含めて3hr毎に合計5回、その後は24hrから96hrの間、24hr毎に合計3回の条件の下でイソアミラーゼ(Pseudomanas amyloderamosa 由来品、生化学工業)を第28表に示した濃度となるように添加し、いずれの場合にも添加後40℃、1hrの条件の下でイソアミラーゼ処理をした。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
イソアミラーゼの活性は、1%可溶性モチゴメデンプン0.5mlに0.5M酢酸緩衝液pH3.5を0.1ml、酵素液0.1mlを混合して40℃で反応させ、アミロース−ヨウ素複合体の青紫色による610nmの吸光度を1cm幅のセルで測定し(澱粉、関連糖質酵素実験法、中村道徳、貝沼圭二、学会出版センター刊、1989年)、1時間に0.1増加させる酵素量を1Unitと定義した。
その結果は以下の第28表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、プルラナーゼ(Klebsiella pneumoniae 由来品)の場合と同様に、反応途中にイソアミラーゼ処理を導入することにより収率を向上させることができ、α,α−トレハロースの収率は、75.7%に達した。
実施例II−14 Sulfolobus solfataricus KM1株由来枝切り酵素処理を含む可溶性デンプンからのα,α−トレハロースの製造
実施例II−2で得られた本精製酵素、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼ、及びSulfolobus solfataricus KM1株の枝切り酵素(参考例II−3の方法に準じて菌体抽出液より分離精製したもの)を、それぞれ1280Units /g −基質、80Units /g −基質、及び下表中に示す濃度となるように添加し、基質を可溶性デンプン(最終濃度10%)として、60℃、pH5.5として、約100hr反応させ、これら酵素の相乗作用を利用したα,α−トレハロースの製造を試みた。
反応液は未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解後、実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC 分析法により分析を行い、生成したα,α−トレハロースの収率を調べた。
なお、本発明の新規アミラーゼの活性は、実施例II−1と同様に、マルトトリオシルトレハロースから1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製枝切り酵素の活性は、1%可溶性モチゴメデンプン0.5mlに0.5M酢酸緩衝液pH5.0を0.1ml、酵素液0.1mlを混合して60℃で反応させ、アミロース−ヨウ素複合体の青紫色による610nmの吸光度を1cm幅のセルで測定し、1時間に0.1増加させる酵素量を1Unitと定義した。
その結果は以下の第29表に示した。
Figure 2006340728
表の結果より、耐熱性プルラナーゼ(デブランチングエンザイム アマノ、Bacillus sp. 由来品)の場合と同様に、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の枝切り酵素は反応にあたり一度添加するのみで収率を向上させることができ、α,α−トレハロースの収率は、69.8%に達した。
参考例II−1 各種アミロース DP−17濃度及び各種反応温度におけるトランスフェラーゼによる転移オリゴ糖の製造
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼを、20Units /g −基質となるように添加し、基質をアミロースDP−17として、第30及び31表に示した基質濃度及び反応温度において、それぞれ約100hr反応させ、還元末端側のグルコース残基がα−1,α−1結合した対応のトレハロースオリゴ糖を生成させた。
生成した還元末端側のグルコース残基がα−1,α−1結合した対応のトレハロースオリゴ糖は、ジニトロサリチル酸法(澱粉・関連糖質酵素実験法、中村道徳・貝沼圭二、学会出版センター刊、1989年)によりその還元末端量を測定し、その減少量より収率及び反応速度を調べた。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製トランスフェラーゼの活性は、マルトトリオースを基質としてpH5.5、60℃で1時間に1μmolのグルコシルトレハロースを生成する酵素活性を1Unitとして示した。
その結果は以下の第30及び31表に示した。
なお、第30表中の反応速度は、1時間に1μmolのα,α−トレハロースを遊離する速度を1Unitとして示した。
Figure 2006340728
Figure 2006340728
表の結果より、反応温度を40〜80℃に上げると温度依存的に反応速度は増加することがわかった。また、低温(40〜50℃)では基質濃度を高濃度(特に40%)とすると不溶化し、収率が著しく低下するが、高温にすると基質が溶解し、収率も高く維持できた。モル収率は76.6%に達した。
参考例II−2 アミロース DP−17の水に対する溶解度の測定
アミロース DP−17を5、10、20、30、40%(w/vol) 溶液となるように加熱溶解した後、35、40、50、60、70、80℃の高温槽に入れ、経時的にサンプリングし、生じた不溶物を濾過して得られた上清溶液中のアミロース DP−17濃度を求め、平衡となった濃度を飽和点として溶解度を求めた。
その結果は以下の第32表に示した。
Figure 2006340728
参考例II−3 Sulfolobus solfataricus KM1株由来枝切り酵素の精製
Sulfolobus solfataricus KM1株を、2g/リットルの可溶姓デンプン及び2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of Bacteria and Phages 18版(1992)に記載の培地番号1304の培地で75℃、3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は3.3g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体82gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)400mlに懸濁させ、0℃で15分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。
この上清溶液に硫安を1Mとなるように加え、1Mの硫安、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて平衡化した疎水クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel Phenyl-TOYOPEARL 65OS 800ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、素通り画分中に標的枝切り酵素を回収した。上清溶液中に含まれているアミラーゼ、トランスフェラーゼ、及びグルコアミラーゼはカラム充填剤Phenyl-TOYOPEARL 65OS に保持、吸着されるので、標的枝切り酵素とは分離された。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄し、脱塩した。
次いで同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DATE-TOYOPEARL 65OS 300ml)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、引き続き900mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的枝切り酵素を溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、次いで0.15Mの食塩、5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)にて洗浄し、脱塩した。
この脱塩濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Pharmacia HiLoad 16/60 Superdex 200pg)に載せ、同緩衝液にて標的枝切り酵素を溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き25mMビス−トリス−イミノジ酢酸緩衝液(pH7.1)にて洗浄し、脱塩した。
この脱塩濃縮液を同緩衝液にて平衡化したクロマトフォーカシング(カラム:Pharmacia Mono P HR5/20)に載せ、10% Polybuffer 74(Pharmacia 製、イミノジ酢酸にてpH4.0に調整したもの)で標的枝切り酵素を溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、引き続き10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄し、脱塩した。
この脱塩濃縮液を同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー(カラム:TOSOH TSK-gel DATE 5PW HPLC )に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで30mlの0M〜0.3M食塩の線状勾配で標的枝切り酵素を溶出した。活性画分を限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮し、標的枝切り酵素の部分精製品(液状品)を得た。
なお、上記の精製法における標的枝切り酵素の検出は、基質として5%可溶性デンプンを用い、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製アミラーゼ及び精製トランスフェラーゼのそれぞれ2Units /ml及び32Units /mlを被検液と共に添加し、pH5.5、60℃にて反応させ、被検液の無添加の場合との比較においてα,α−トレハロース生成量が増加する活性を指標として行った。
上記の精製法によって得られたSulfolobus solfataricus KM1株由来の部分精製枝切り酵素の活性は、1%可溶性モチゴメデンプン0.5mlに0.5M酢酸緩衝液pH5.0を0.1ml、酵素液0.1mlを混合して60℃で反応させ、アミロース−ヨウ素複合体の青紫色による610nmの吸光度を1cm幅のセルで測定し、1時間に0.1増加させる酵素量を1Unitと定義した。
以上の精製操作により部分精製された枝切り酵素の比活性は495Units /mgであった。
参考例II−4 Sulfolobus solfataricus KM1株由来枝切り酵素の諸性質の検討
参考例II−3で得られた部分精製枝切り酵素の酵素学的諸性質を測定した。
(1)作用及び基質特異性
以下の第33表に示す基質及び各活性測定法を用いて、各基質に対する反応性及び作用を調べた。
ジニトロサリチル酸法(澱粉・関連糖質酵素実験法、中村道徳・貝沼圭二、学会出版センター刊、1989年)は、α−1,6結合の加水分解反応による還元末端量の増加を定量する方法である。
ヨウ素呈色法は参考例II−3と同様に行い、α−1,6結合の加水分解反応による直鎖状アミロースの増加を、アミロース−ヨウ素複合体の青紫色による610nmの吸光度増加によって定量する方法である。
液体クロマトグラフィーによる分解生成物の分析(HPLC法)は、実施例II−1に示したBio-Rad AMINEX HPX-42A HPLC分析法により行い、生じるオリゴ糖を調べた。
Figure 2006340728
上記の結果から明らかなように、本枝切り酵素は、1)プルラン及び各種デンプンより、還元末端を生じさせ、2)各種デンプンのヨウ素呈色度を増加させ、また、3)プルランよりマルトトリオースを生じさせうる。更にまた、4)実施例II−14に示したように、可溶性デンプンを基質として用い、Sulfolobus solfataricus KM1株由来の精製アミラーゼ及び精製トランスフェラーゼと共に反応させた場合、本枝切り酵素を添加しない場合に比べて著しくα,α−トレハロース生成量を増加させる。よって、これらの事実から本酵素はデンプンやプルランのα−1,6結合を加水分解することが理解される。
(2)安定性
得られた部分精製酵素の各温度での3時間処理における安定性を第34表に示す。
Figure 2006340728
本酵素は60℃で3時間の処理で73.3%の残存活性があった。
(3)反応性
得られた部分精製酵素の各pH及び各温度における反応性を、それぞれ第35及び36表に示す。測定は、pH3〜5の間はグリシン塩酸系緩衝液を、pH4〜5.5の間は酢酸ナトリウム系緩衝液を、pH5〜7.5の間は燐酸ナトリウム系緩衝液をそれぞれ用いた。
Figure 2006340728
Figure 2006340728
本酵素は60〜65℃付近に反応最適温度、pH4.0〜5.5付近に反応最適pHを有する。
(4)等電点
クロマトフォーカーシングにより分離された枝切り酵素画分のpH測定の結果、等電点は4.4であった。
(5)各種活性化剤及び阻害剤の影響
以下の第37表に示す物質を基質と共に添加し、それぞれの場合の活性測定を参考例II−3と同様に行い、活性化又は阻害の有無を調べた。その結果、銅イオンにより阻害を受けることがわかった。糖関連酵素ではカルシウムイオンによって活性化される場合が多く認められるが、本酵素はカルシウムイオンによっては活性化されない。
Figure 2006340728
実施例I−9 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規トランスフェラーゼの部分アミノ酸配列の決定
実施例I−2で得られた精製酵素の部分アミノ酸配列の決定は岩松(生化学 63、139(1991))らの方法により行った。すなわち、精製された新規トランスフェラーゼを、泳動用緩衝液(10%グリセロール、2.5%SDS、2%2‐メルカプトエタノール、62mMトリス塩酸緩衝液(pH6.8))に懸濁し、SDSポリアクリルアミド電気泳動に供した。泳動後、当該酵素をゲルよりポリビニリデンジフロリド(PVDF)膜(ProBlot、(アプライド、バイオシステムズ社))に、エレクトロブロッティング(ザルトブロットIIs型(ザルトリウス社))を160mAで1時間行った。
転写後、当該酵素の転写された部分の膜を切りとり、約300μl還元用緩衝液(6Mグアニジン塩酸、0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH3.5)、0.3%EDTA、2%アセトニトリル)に浸し、これに1mgのジチオスレイトールを加え、アルゴン下で60℃/約1時間の還元を行った。これに2.4mgモノヨード酢酸を0.5N水酸化ナトリウム液10μlに溶かしたものを加え、遮光下で20分間撹拌した。PVDF膜を取り出し、2%アセトニトリルで十分洗浄した後、0.1%SDS中で5分間撹拌した。次に、PVDF膜を水で軽く洗浄後、0.5%ポリビニルピロリドン−40、100mM酢酸に浸し30分放置した。この後PVDF膜を水で軽く洗浄し、約1mm四方に切断した。これを消化用緩衝液(8%アセトニトリル、90mMトリス塩酸緩衝液(pH9.0))に浸し、Achromobacter Protease I(和光純薬社)を1pmol加え、室温で15時間消化した。この消化物をC8カラム(日本ミリポアリミテッド社、μ‐Bondashere 5C8、300A、2.1x150mm)を用いた逆相HPLCにより分離し、10数種のペプチド断片を得た。ペプチドの溶出溶媒としては、A溶媒(0.05%トリフルオロ酢酸)、B溶媒(0.02%トリフルオロ酢酸を含む2‐プロパノール/アセトニトリル 7:3)を用い、B溶媒に関し2〜50%の直線濃度勾配で0.25ml/分の流速で40分間溶出させた。得られたペプチド断片について、気相ペプチドシーケンサー(アプライド バイオシステム社 モデル470型)を用いた自動エドマン分解法によりアミノ酸配列を決定した。
またAchromobacter ProteaseIで消化されたペプチド断片を更にAsp‐Nにより2次消化し、得られたペプチド断片について上記の条件で同様に分離しアミノ酸配列を決定した。
その結果、部分アミノ酸配列は下記の通りであった。
Achromobacter protease消化ペプチドフラグメント
AP−1:Val Ile Arg Glu Ala Lys (配列番号9)
AP−2:Ile Ser Ile Arg Gln Lys (配列番号10)
AP−3:Ile Ile Tyr Val Glu (配列番号11)
AP−4:Met Leu Tyr Val Lys (配列番号12)
AP−5:Ile Leu Ser Ile Asn Glu Lys (配列番号13)
AP−6:Val Val Ile Leu Thr Glu Lys (配列番号14)
AP−7:Asn Leu Glu Leu Ser Asp Pro Arg Val Lys (配列番号15)
AP−8:Met Ile Ile Gly Thr Tyr Arg Leu Gln Leu Asn Lys (配列番号16)
AP−9:Val Ala Val Leu Phe Ser Pro Ile Val (配列番号17)
AP−10:Ile Asn Ile Asp Glu Leu Ile Ile Gln Ser Lys (配列番号18)
AP−11:Glu Leu Gly Val Ser His Leu Tyr Leu Ser Pro Ile (配列番号19)
Asp-N 消化ペプチドフラグメント
DN−1:Asp Glu Val Phe Arg Glu Ser (配列番号20)
DN−2:Asp Tyr Phe Lys (配列番号21)
DN−3:Asp Gly Leu Tyr Asn Pro Lys (配列番号22)
DN−4:Asp Ile Asn Gly Ile Arg Glu Cys (配列番号23)
DN−5:Asp Phe Glu Asn Phe Glu Lys (配列番号24)
DN−6:Asp Leu Leu Arg Pro Asn Ile (配列番号25)
DN−7:Asp Ile Ile Glu Asn (配列番号26)
DN−8:Asp Asn Ile Glu Tyr Arg Gly (配列番号27)
実施例I−10 Sulfolobus solfataricus KM1株染色体DNAの調製
Sulfolobus solfataricus KM1株の菌体は実施例I−2の方法に従って得た。
この菌体の1gに25%スクロース、1mg/mlリゾチーム、1mMEDTA、150mMNaClを含む50mMのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)10mlを加え懸濁し、室温にて30分放置した。これに10%SDS 0.5ml、及び10mg/mlプロテイナーゼK(和光純薬社製)0.2mlを加え、50℃で2時間放置した。次にこの溶液をフェノール/クロロホルムで抽出し、水相をとりこれをエタノール沈殿させた。沈殿してきたDNAを滅菌したガラス棒で巻きとり、これを70%エタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。最終的に1.5mgの染色体DNAが得られた。
実施例I−11 部分アミノ酸配列に基づくDNAプローブの作成およびPCR法によるプローブの確認
実施例I−9により決定されたSulfolobus solfataricus KM1株由来新規トランスフェラーゼの部分アミノ酸配列の情報をもとにオリゴヌクレオチドDNAプライマーをDNA合成装置(アプライドバイオシステムズ社製モデル381)によって作成した。その配列は下記の通りであった。
DN−1
アミノ酸配列 N末端 AspGluValPheArgGluSe C末端
DNAプライマー 5’TTCACGAAAAACCTCATC 3’ (配列番号28)
塩基配列 C T TG T T
DN−8
アミノ酸配列 N末端 AspAsnIleGluTyrArgGly C末端
DNAプライマー 5’GATAACATAGAATACAGAGG 3’(配列番号29)
塩基配列 T T G T G
このDNAプライマーを各々100pmolおよび実施例I−10で調製されたSulfolobus solfataricus KM1株の染色体DNA 100ngを用いてPCR法を実施した。PCR装置はパーキンエルマー社製、GeneAmp PCRシステムモデル9600を用い、1サイクルを94℃で30秒、50℃で1分および72℃で2分で行い、サイクル数30回および総液量100μlで実施した。
得られた反応液10μlを1%アガロース電気泳動により分析した。その結果約1.2kbの長さを持つDNA断片が特異的に増幅された。
このPCR産物の末端を平滑化し、pUC118のHincII部位にサブクローニングした。このプラスミドの挿入断片のDNA配列をアプライド・バイオシステムズ社製、DNAシークエンサ/GENESCAN モデル373Aを用いて決定した。その結果、実施例I−9で得られたアミノ酸配列に相当するDNA配列が見いだされた。
実施例I−12 Sulfolobus solfataricus KM1株由来新規トランスフェラーゼ遺伝子のクローニング
実施例I−10で調製されたSulfolobus solfataricus KM1株の染色体DNA 100μgを制限酵素Sau3Alで部分消化した。反応液をスクロース密度勾配を用いて超遠心で5〜10kbのDNA断片を分離精製した。一方、プラスミドベクターpUC118をBamHIで消化し、アルカリホスファターゼにより末端を脱リン酸化したものと、上記5〜10kbの長さを持つSulfolobus solfataricus KM1株の染色体DNA断片をT4DNAリガーゼにより連結(ライゲーション)した。この挿入断片を含むpUC118プラスミドベクターを含んだ混合液を用いて、E. coli JM109細胞を形質転換した。これを50μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレート培地に蒔きコロニーを形成させ、DNAライブラリーを作成した。
このDNAライブラリーにおける新規トランスフェラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドのスクリーニングは、PCR法により以下のように行った。
まず、コロニーをかき取りTE緩衝液に懸濁した。これを100℃にて5分間処理し菌体を破砕し、実施例I−11に記載の方法でPCR法を実施した。
次いで得られたPCR反応液10μlを1%アガロース電気泳動により分析し、約1.2kbの長さを持つDNA断片が増幅されてくるクローンを陽性クローンとした。
その結果、600個の形質転換体から1個の陽性クローンを得た。そこから抽出されたプラスミドを解析したところ約8kbの挿入断片を有していた。このプラスミドを「pKT1」と称した。
更に挿入断片を制限酵素Sau3AIで部分消化し、上記の方法と同様にPCR法を実施して、挿入断片を縮小化した。その結果約3.8kbおよび約4.5kbの挿入断片を有するプラスミドを保持する形質転換体を得た。これらのプラスミドをそれぞれ「pKT21」、 「pKT11」と称した。
これらのプラスミドの挿入断片の制限酵素地図は図26に示される通りであった。
なお、以上の実施例で使用された制限酵素としては、全て市販品(宝酒造株式会社より購入)を利用した。
実施例I−13 Sulfolobus solfataricus KM1株由来新規トランスフェラーゼ遺伝子のDNA配列の決定
実施例I−12で得られたプラスミドpKT11、pKT21中の挿入断片の共通部分のDNA塩基配列を決定した。
まず、このプラスミドDNAを宝酒造社製、キロシークエンス用デレーションキットを用いて、デレーションプラスミドを作成した。次いでこのプラスミドの挿入断片のDNA配列をパーキンエルマージャパン社製、PRISM,Sequenase Dye Primer Sequencingキット、Taq Dye DeoxyTM Terminator Cycle Sequencing Kitおよびアプライド バイオシステムズ社製、DNAシークエンサ/GENESCAN モデル373Aを用いて決定した。
共通配列中のSphI−pKT21の末端間(図26のA,B間)の塩基配列およびそこから推定されるアミノ酸配列は配列番号1および2に示される通りであった。
このアミノ酸配列中に実施例I−9で得られた部分アミノ酸配列に相当する配列が全て認められた。このアミノ酸配列は長さが728個で、推定分子量82kDaのタンパク質をコードしているものと考えられた。この分子量はSulfolobus solfataricus KM1株由来新規トランスフェラーゼの精製酵素をSDS−PAGEにかけることによって得られた分子量の値にほぼ一致した。
実施例I−14 形質転換体における新規トランスフェラーゼの発現
実施例I−12で得られたpKT21についてSphIおよびXbaIで切断し、同酵素で切断したpUC119(宝酒造社製)に連結したものをpKT22とした。図27にその手段を示した。pKT22に挿入された新規トランスフェラーゼ遺伝子を含む断片中、マルチクローニングサイトを除く塩基配列は、配列番号1の塩基番号1〜2578の配列であった。
このプラスミドを含む形質転換体の新規トランスフェラーゼ活性を次のように調べた。まず、形質転換体を100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地で37℃で、1晩培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は10g/リットルであった。
上記のようにして得られた菌体10gを5mMのEDTAを含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)40mlに懸濁し、0℃で3分間、超音波破砕処理により溶菌し、次いで遠心分離を行い上清溶液を得た。これを75℃で30分間熱処理し、再度遠心を行い、限外濾過膜(分子量カット13000)にて濃縮して、粗酵素液(6Unit/ml )として、基質であるマルトトリオースを最終的に10%となるように加えた。pH5.5(50mM 酢酸ナトリウム)で、60℃で24時間反応させた後、100℃で5分間加熱処理して反応を停止させた。生成したグルコシルトレハロースを実施例I−1におけるのと同様のHPLC分析法により測定した。
HPLC分析の結果は図28に示される通りであった。主反応物はHPLCチャート上ではアノマーのない一本のピークとして、未反応基質よりやや遅れて現れた。また、この主生成物をTSK-gel amide-80 HPLC columnにて分取し、 1H−NMR、13C−NMRにより解析の結果、グルコシルトレハロースであることを確認した。この結果、形質転換体はSulfolobus solfataricus KM1株由来の新規トランスフェラーゼ活性を有することがわかった。またJM109にpUC119のみを入れた形質転換体からは新規トランスフェラーゼ活性は検出されなかった。
実施例I−15 Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株由来の新規トランスフェラーゼの部分アミノ酸配列の決定
実施例I−4で得られた新規トランスフェラーゼの部分アミノ酸配列の決定は実施例I−9に記載される方法に従って行った。以下に決定された部分アミノ酸配列を示す。
Achromobacter protease 消化ペプチドフラグメント
AP−6 :Arg Asn Pro Glu Ala Tyr Thr Lys (配列番号30)
AP−8 :Asp His Val Phe Gln Glu Ser His Ser (配列番号31)
AP−10:Ile Thr Leu Asn Ala Thr Ser Thr (配列番号32)
AP−12:Ile Ile Ile Val Glu Lys (配列番号33)
AP−13:Leu Gln Gln Tyr Met Pro Ala Val Tyr Ala Lys (配列番号34)
AP−14:Asn Met Leu Glu Ser (配列番号35)
AP−16:Lys Ile Ser Pro Asp Gln Phe His Val Phe Asn Gln Lys (配列番号36)
AP−18:Gln Leu Ala Glu Asp Phe Leu Lys (配列番号37)
AP−19:Lys Ile Leu Gly Phe Gln Glu Glu Leu Lys (配列番号38)
AP−20:Ile Ser Val Leu Ser Glu Phe Pro Glu Glu (配列番号39)
AP−23:Leu Lys Leu Glu Glu Gly Ala Ile Tyr (配列番号40)
AP−28:Glu Val Gln Ile Asn Glu Leu Pro (配列番号41)
Asp-N 消化ペプチドフラグメント
DN−1:Asp His Ser Arg Ile (配列番号42)
DN−5:Asp Leu Arg Tyr Tyr Lys (配列番号43)
DN−6:Asp Val Tyr Arg Thr Tyr Ala Asn Gln Ile Val Lys Glu Cys (配列番号44)
実施例I−16 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株来の新規トランスフェラーゼのクローニング
Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の染色体DNAは実施例I−4の方法に従って得た菌体より実施例I−10の方法に従って得た。上記染色体DNAをSau3AIで部分消化した後、EMBL3 BamHI切断アーム(STRATAGENE社製)に、T4DNAリガーゼにより連結(ライゲーション)した。パッケージングはSTRATAGENE社製 GigapackII Goldを用いて行った。上記ライブラリーを大腸菌LE392に37℃15分間感染させた後、NZY寒天プレート培地に播種し、37℃で約8から12時間程度培養して、プラークを形成させた。約2時間、4℃で保存した後、ナイロンメンブレン(アマシャム社製,Hybond N+)へDNAを吸着させた。2xSSPEで軽く洗浄した後、80℃で2時間ベーキングを行った。プローブは実施例I−14で得られたpKT22のEcoRI−XbaI断片(配列番号1の824番より2578番へ対応する)を用い、アマシャム社製 メガプライムDNA標識システムを用いて32Pで標識した。
ハイブリダイセーションの条件は6xSSPE、0.5%SDSで60℃オーバーナイトでおこなった。洗浄は2xSSPE、0.5%SDSで、室温10分、2回行った。
約5000クローンからスクリーニングを開始して8個の陽性クローンを得た。このクローンより約7.6kbpのBamHI断片を得て、これをpUC118の上記サイトへ挿入した。このプラスミドを「p09T3」と称する。さらに上記クローンの挿入断片をSau3AIで部分消化し、得られた約6.7kbpの断片をpUC118のBamHIサイトへ挿入した。このプラスミドを「p09T2」と称する。このプラスミドより約
3.8kbpのXbaI断片についてpUC118の上記サイトへ挿入した。このプラスミドを「p09T1」と称する。このプラスミドの挿入断片の制限酵素地図を図29に示す。またその作成方法を図30に示す。上記p09T1について新規トランスフェラーゼをコードしている領域を中心に実施例I−13の方法に従って塩基配列の決定を行った。決定された塩基配列およびそこさら推定されるアミノ酸配列は配列番号3および4に示される通りである。このアミノ酸配列中に実施例I−15で得られた部分アミノ酸配列に相当する配列が全て認められた。このアミノ酸配列は長さが680個で、推定分子量80.1kDaのタンパク質をコードしているものと考えられた。この分子量はSulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株由来新規トランスフェラーゼの精製酵素をSDS−PAGEにかけることによって得られた分子量の値にほぼ一致した。またプラスミドp09T1を含む形質転換体について実施例I−14の方法に従って新規トランスフェラーゼ活性を確認した。
実施例I−17 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子と他の生物種の染色体DNAとのハイブリダイゼーション試験
Sulfolobus solfataricus DSM 5833株、Sulfolobus shibatae DSM 5389株、E.coli JM109株の染色体DNAを実施例I−10に準じた方法で得て、これを制限酵素PstIおよびEcoRIで消化した。
この消化物を1%アガロースゲル電気泳動にて分離し、アマシャムジャパン社製、Hybond−Nにサザンブロッティングした。このメンブレンに実施例I−12で得られたpKT21の約2.6kbpのSphI、XbaI断片(配列番号1に示される配列に対応、図26におけるA〜B間の範囲に対応)を、ベーリンガーマンハイム社製、DIGシステムキットによって標識し、これを用いてハイブリダイゼーションを行った。
条件はハイブリダイゼーション:5xSSC、40℃、2時間、洗浄:2xSSC(0.1%SDSを含む)、40℃、5分、2回 0.1xSSC(0.1%SDSを含む)、40℃、5分、2回であった。
その結果、SphI、XbaI断片は、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株については約5.9kbpの断片と、Sulfolobus shibatae DSM 5389株については約5.0kbpおよび約0.8kbpの断片とそれぞれハイブリッドを形成した。一方、ネガティブコントロールであるE.coli JM109株については、ハイブリッドの形成は観察されなかった。
さらにSulfolobus solfataricus KM1株、DSM5354株、DSM5833株、ATCC35091株,ATCC35092株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株、ATCC49426株、Sulfolobus shibatae DSM5389株、Acidianus brierleyi DSM1651株 E.coli JM109株の染色体DNAを実施例I−10方法に準じて得、制限酵素HindIII、XbaI、EcoRVで消化した。
この消化物を1%アガロースゲル電気泳動にて分離し、アマシャムジャパン社、Hybond−N+にブロッティングした。このメンブレンに配列番号1の1880番より2257番の領域(378bp)をPCRにて増幅し、実施例I−16の方法に従って32Pで標識し、これを用いてハイブリダイゼーションを行った。
条件はハイブリダイゼーション:6xSSPE、0.5%SDSで60℃、オーバーナイトで、洗浄:2xSSPE、0.1%SDSで室温、10分、2回行った。
その結果、Sulfolobus solfataricus KM1株、DSM5354株、DSM5833株、ATCC35091株,ATCC35092株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株、ATCC49426株、Sulfolobus shibatae DSM5389株、Acidianus brierleyi DSM1651株について、それぞれ約4.4kbp、3.7kbp、3.7kbp、0.8kbp、3.9kbp、0.8kbp、0.8kbp、4.4kbp、2.1kbpの部位でハイブリッドを形成することが判明した。一方JM109のゲノムDNAについては結合が観察されなかった。
また配列番号1、2、3および4の範囲に含まれるアミノ酸配列、塩基配列と相同性を有する配列が存在しないことを、アミノ酸配列データーバンク(Swiss prot、及びNBRF−PDB)、塩基配列データーバンク(EMBL)から、配列解析ソフト ジェネティックス(ソフトウエアー開発)を用いて確認した。よってこの新規トランスフェラーゼ遺伝子はSulfolobales目に属する古細菌に特異的に高度に保存されていることがわかった。
実施例I−18 Sulfolobus solfataricus KM1株 および Sulfolobus acidocaldariusu ATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼの塩基配列、アミノ酸配列の比較
配列番号2のKM1株由来の新規トランスフェラーゼのアミノ酸配列と配列番号4のATCC33909株由来の新規トランスフェラのアミノ酸配列とを、また配列番号1のKM1株由来の新規トランスフェラーゼの塩基配列と配列番号3のATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼの塩基配列とを配列解析ソフト,ジェネティックス(ソフトウエアー開発)を用いてギャップを考慮した解析を行った。アミノ酸配列についての結果を図31に、塩基配列についての結果を図32に示した。それぞれの図中上段にATCC33909株の配列を、下段にKM1株の配列を示し、中段の(*)は両者で一致する配列を、また(.)は両者で性質の似たアミノ酸配列であることを示す。相同性はアミノ酸配列レベルで49%、塩基配列レベルで57%であった。
実施例I−19 形質転換体由来組換え新規トランスフェラーゼを用いたマルトオリゴ糖混合物からのトレハロースオリゴ糖の製造
可溶性デンプン(ナカライテスク社製、特級品)のα−アミラーゼ分解物であってヨウ素デンプン反応を示さずオリゴ糖にまで分解されたもの(α−アミラーゼは、Sigma 社製のA-0273 アスペルギルス・オリゼ由来のものを用いた)を基質とした。
実施例I−14で得た粗酵素液、および上記基質を用いて、実施例I−14の反応条件に従いグルコシルトレハロースおよび各種のマルトオリゴシルトレハロースの製造を試みた。反応液の分析は以下に示す条件のHPLC分析法により行った。
カラム: BIORAD AMINEX HPX-42A (7.8 ×300mm )
溶媒 : 水
流速 : 0.6ml/min
温度 : 85℃
検出器: 示差屈折計
図33(A) にHPLCによる分析の結果を(B) に組換え新規トランスフェラーゼを添加しない場合のHPLC分析の結果を示した。その結果、反応生成物のオリゴ糖類は対照のアミラーゼのみによる生成物よりも各々保持時間が短かった。また、基質マルトトリオース(G3)、マルトテトラオース(G4)およびマルトペンタオース(G5)(いずれも林原バイオケミカル社製)からの主生成物である3糖、4糖および5糖をTSK-gel amide-80 HPLC columnにて分取し、 1H−NMR、13C−NMRにより解析を行った。その結果、いずれも還元末端のグルコース残基1個がα‐1,α‐1で結合した構造を示し、それぞれグルコシルトレハロース(α‐D‐マルトシル α‐D‐グルコピラノシド)、マルトシルトレハロース(α‐D‐マルトトリオシル α‐D‐グルコピラノシド)およびマルトトリオシルトレハロース(α‐D‐マルトテトラオシル α‐D‐グルコピラノシド)であることが確認された。
実施例I−20 形質転換体由来組換え新規トランスフェラーゼを用いたグルコシルトレハロースおよびマルトオリゴシルトレハロースの製造
基質を100mMのマルトトリオース(G3)〜マルトヘプタオース(G7)(いずれも林原バイオケミカル社製)とし、実施例I−14で得られた粗酵素液を凍結乾燥した後、50mM酢酸ナトリウム溶液(pH5.5)に懸濁し、濃縮酵素とした。この濃縮酵素12.7Unit/ml (マルトトリオースを基質として作用させたときの酵素活性)をそれぞれの基質に作用させ、対応するα‐1,α‐1転移体を生成させた。各生成物の分析法は実施例I−1の方法に従って行い、その収率および酵素活性を調べた。結果は第38表に示される通りであった。なお、第38表中での酵素活性は、マルトオリゴ糖を1時間に1μmolの対応するα‐1,α‐1転移体に変換する酵素活性を1Unitとして示した。
Figure 2006340728
実施例II−15 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規アミラーゼの部分アミノ酸配列の決定
実施例II−2で得られた精製酵素の部分アミノ酸配列の決定は岩松ら(生化学 63、139(1991))の方法により、またN末端アミノ酸配列の決定はMatsudaira T(J.Biol.Chem.262,10035-10038(1987) )の方法により行った。
まず精製された新規アミラーゼを、泳動用緩衝液(10%グリセロール、2.5%SDS、2%2−メルカプトエタノール、62mMトリス塩酸緩衝液(pH6.8))に懸濁し、SDSポリアクリルアミド電気泳動に供した。泳動後、当該酵素をゲルよりポリビニリデンジフロリド(PVDF)膜(ProBlot、アプライドバイオシステムズ社製)に、160mAで1時間エレクトロブロッティング(ザルトブロットIIs型、ザルトリウス社製)することにより転写を行った。
転写した後、当該酵素の転写された部分の膜を切りとり、約300μl還元用緩衝液(6Mグアニジン塩酸、0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH3.5)、0.3%EDTA、2%アセトニトリル)に浸し、これに1mgのジチオスレイトールを加え、アルゴン下で60℃/約1時間の還元を行った。これに2.4mgモノヨード酢酸を0.5N水酸化ナトリウム液10μlに溶かしたものを加え、遮光下で20分間攪拌した。PVDF膜を取り出し、2%アセトニトリルで十分洗浄した後、0.1%SDS中で5分間攪拌した。次いで、PVDF膜を水で軽く洗浄した後、0.5%ポリビニルピロリドン−40を含む100mM酢酸に浸し30分間放置した。この後PVDF膜を水で軽く洗浄し、約1mm四方に切断した。N末端アミノ酸配列についてはこの切断した膜を直接気相シークエンサーで分析した。部分アミノ酸配列についてはこの切断した膜を消化用緩衝液(8%アセトニトリル、90mMトリス塩酸緩衝液(pH9.0))に浸し、Achromobacter Protease I(和光純薬工業社製)を1pmol加え、室温で15時間かけて消化した。この消化物をC8カラム(日本ミリポアリミテッド社製、μ−Bondashere 5C8、300A、2.1X 150mm)を用いた逆相HPLCにより分離し、10数種のペプチド断片を得た。ペプチドの溶出溶媒としては、A溶媒(0.05%トリフルオロ酢酸)およびB溶媒(0.02%トリフルオロ酢酸を含む2−プロパノール/アセトニトリル 7:3)を用い、溶出はB溶媒に関し2〜50%の直線濃度勾配で0.25ml/分の流速で40分間溶出させることにより行った。得られたペプチド断片についてのアミノ酸配列の決定は、気相ペプチドシーケンサー(アプライドバイオシステムズ社製、モデル470型)を用いた自動エドマン分解法により行った。
決定されたN末端アミノ酸配列および部分アミノ酸配列は下記の通りであった。
N末端アミノ酸配列
Thr Phe Ala Tyr Lys Ile Asp Gly Asn Glu (配列番号45)
部分アミノ配列
P−6 : Leu Gly Pro Tyr Phe Ser Gln (配列番号46)
P−7 : Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly (配列番号47)
P−10: Tyr Asn Arg Ile Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu (配列番号48)
Asn Asp Pro Arg Val Val Asn Pro
実施例II−16 Sulfolobus solfataricus KM1株染色体DNAの調製
Sulfolobus solfataricus KM1株を、2g/リットルの可溶性デンプンおよび2g/リットルの酵母エキスを含むAmerican Type Culture Collection(ATCC)発行 Catalogue of
Bacteria and Phages 18版,1992に記載の培地番号1304の培地で、75℃で3日間培養した。遠心分離により集菌し、−80℃にて保存した。菌体の収率は3.3g/リットルであった。
この菌体1gに25%スクロース、1mg/mlリゾチーム、1mMEDTAおよび150mMNaClを含む50mMのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)10mlを加えて懸濁し、室温にて30分間放置した。これに10%SDS0.5mlおよび10mg/mlプロテイナーゼK(和光純薬工業社製)0.2mlを加え、37℃で2時間放置した。次にこの溶液をフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈澱させた。沈澱したDNAを滅菌したガラス棒で巻きとり、これを70%エタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。最終的に1.5mgの染色体DNAが得られた。
実施例II−17 Sulfolobus solfataricus KM1株由来新規アミラーゼ遺伝子の活性染色法による発現クローニング
実施例II−16で調製されたSulfolobus solfataricus KM1株の染色体DNA 100μgを制限酵素Sau3AIで部分消化した。反応液をショ糖密度勾配遠心分離法を用いて分画し、5〜10kbのDNA断片を分離精製した。一方プラスミドベクターpUC118(宝酒造社製)をBamHIで消化し、アルカリホスファターゼにより末端を脱リン酸化し精製したものと、上記5〜10kbの染色体DNA断片をT4DNAリガーゼにより連結(ライゲーション)した。この挿入断片を含んだpUC118プラスミドベクターを含んだ混合液を用いて、大腸菌JM109細胞(宝酒造社製)を形質転換した。これを50μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレート培地に播種しコロニーを形成させて、DNAライブラリーを作成した。
Sulfolobus solfataricus KM1株由来新規アミラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドを有する形質転換体のスクリーニングは活性染色法により行った。
まず、得られた形質転換体を濾紙にレプリカし、LB寒天培地上にてコロニーを形成させ、この濾紙を1mg/mlリゾチーム(生化学工業社製)、1mM EDTAを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)溶液に浸し30分間放置した。次いで1%Triton−X100溶液に30分間浸して、溶菌させ、60℃で1時間熱処理して、宿主由来の酵素を失活させた。この処理した濾紙を0.2%可溶性デンプンを含む寒天プレートにのせて60℃にて一晩反応を行った。反応させたプレートをヨウ素の蒸気下に置いてデンプンを発色させ、ハローを形成したコロニーを陽性クローンとした。その結果、6000個の形質転換体から5個の陽性クローンを得た。そこからプラスミドを抽出したところ最も挿入断片の短いものは約4.3kbの挿入断片を有していた。
そこでこの挿入断片を更に制限酵素BamHIで消化し、更に上記の方法と同様にして、挿入断片を縮小化した。その結果3.5kbの挿入断片を有するプラスミドを保持する形質転換体を得た。このプラスミドを「pKA1」と称した。
このプラスミドの挿入断片の制限酵素地図は図34に示される通りであった。
実施例II−18 Sulfolobus solfataricus KM1株由来新規アミラーゼ遺伝子のDNA配列の決定
実施例II−17で得られたプラスミドpKA1中の挿入断片の(後記するpKA2に対応する領域の)DNA塩基配列を決定した。
まず、このプラスミドDNAを宝酒造社製、キロシークエンス用デレーションキットを用いて、デレーションプラスミドを作成した。次いでこのプラスミドの挿入断片のDNA配列をパーキンエルマージャパン社製、PRISM,Sequenase Dye Primer Sequencingキット、Taq DyeDeoxyTM Terminator Cycle Sequencing kit およびアプライド バイオシステムズ社製、DNAシークエンサ/GENESCAN モデル373Aを用いて決定した。
塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列は配列番号5および6に示される通りであった。
このアミノ酸配列中に実施例II−15で得られた部分アミノ酸配列全てが認められた。このアミノ酸配列は長さが558個で、推定分子量64.4kDaのタンパク質をコードしているものと考えられた。この分子量はSulfolobus solfataricus KM1株由来アミラーゼの精製酵素のSDS−PAGEによる分子量の測定値61.0kDaにほぼ一致した。
実施例II−19 形質転換体における組換え新規アミラーゼの発現
実施例II−17で得られたpKA1について制限酵素PstIで部分消化したものをpKA2とした。図35はその制限酵素地図を示したものである。pKA2を含む形質転換体の活性は次のようにして調べた。まず上記形質転換体を100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地で37℃で一晩培養した。遠心分離により集菌した菌体を1gあたり4mlのpH5.5(50mM酢酸ナトリウム緩衝液)へ懸濁し、超音波破砕処理および遠心分離を行ない、その上清を70℃で1時間熱処理し、宿主のアミラーゼを失活させた。遠心分離により沈澱物を除去し、限外濾過膜(分子量カット13,000)で濃縮したものを粗酵素液として、以下の実験に用いた。
(1)基質特異性
前記粗酵素液35.2Units/ml(ここで1Unit とは、マルトトリオシルトレハロースを基質として作用させたときの酵素活性で、反応条件は実施例II−1に従い、1時間にマルトトリオシルトレハロースからα,α‐トレハロースを1μmol生成する活性として定義した)を、以下の第39表に示す10mMの基質(アミロペクチン、可溶性デンプンについては3.0%)に作用させ、分解性及び分解生成物の分析を行った。各種マルトオリゴ糖、アミロースDP−17、アミロペクチン、可溶性デンプン、各種イソマルトオリゴ糖、及びパノースについては単糖+2糖の生成活性を指標として、また、各種トレハロースオリゴ糖、アミロースDP−17α−1,α−1転移体(アミロースDP−17の還元末端側の、1つ目と2つ目のグルコース残基間の結合がα−1,α−1であるオリゴ糖)についてはα,α−トレハロースの生成活性を指標として、マルトース及びα,α−トレハロースについてはグルコースの生成活性を指標として実施例II−1に示したTSK-gel Amide-80 HPLC による分析法で分析を行った。
なお、表中での酵素活性は、各々単糖及び2糖を1時間に1μmol遊離する酵素活性を1Unitとして示した。
結果は以下の第39表に示される通りであった。
Figure 2006340728
マルトトリオシルトレハロースからの反応生成物の実施例II−1の条件に従って行ったTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果は図36(A)に示される通りであった。また、可溶性デンプンからの反応生成物を、以下の条件で行ったAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果は図36(B)に示される通りであった。
カラム:AMINEX HPX-42A (7.8 X 300mm )
溶媒 :水
流速 :0.6ml/min
温度 :85℃
検出器:示差屈折計
以上の結果より、本酵素に関しては還元末端側のグルコース残基がα−1,α−1結合したマルトトリオシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖に、極めてよく作用し、α,α−トレハロースと重合度が2つ減少した対応するマルトオリゴ糖を生成することが確認された。またマルトース(G2)〜マルトペンタオース(G5)、アミロース、可溶性デンプンからは、主としてグルコースまたはマルトースを遊離することが確認された。しかしながらα,α−トレハロース、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、およびパノースに対してはいずれも反応しなかった。
(2)エンド型アミラーゼ活性
前記粗酵素液150Unit/ml (活性単位は上記(1)と同様)を可溶性デンプンに作用させた。実施例II−1に示したデンプン分解活性測定法と同様の条件でヨウ素発色の消失を測定し、また上記(1)に示した基質特異性を決定する際の条件のHPLC分析法の条件に従って単糖、および2糖の生成量を測定した。これらからデンプン加水分解率を求めた。
その経時変化は図37に示される通りであった。図から、ヨウ素反応呈色度が50%消失した時点でのデンプンの加水分解率は4.5%と低く、従って本粗酵素はエンド型アミラーゼの性質を示すことが確認された。
(3)作用機作の検討
ウリジンジホスホグルコース[グルコース-6-H]、およびマルトテトラオースにグリコーゲンシンターゼ(ウサギ骨格筋由来、Sigma 社製G-2259)を作用させ、非還元末端のグルコース残基をHで放射能ラベルしたマルトペンタオースを合成し、これを分取精製した。
次にこの放射能ラベルした10mMのマルトペンタオースを基質とし、前記実施例I−20で得られた組換え新規トランスフェラーゼ(10Unit/ml :活性単位は実施例I−1に従った)を添加し、60℃、3時間作用させ、非還元末端のグルコース残基をHで放射能ラベルしたマルトトリオシルトレハロースを合成し、これを分取精製した。なお、この生成物にグルコアミラーゼ(Rhizopus由来、生化学工業社製)を作用させ、グルコースとα,α−トレハロースに完全に分解した。これらを薄相クロマトグラフィーにて分取しそれぞれ液体シンチレーションカウンターで放射能を測定したところ、α,α−トレハロース画分に放射活性は見られず、グルコース画分に放射活性が回収され、非還元末端のグルコース残基が放射能ラベルされている事を確認した。
以上のように調製した、非還元末端のグルコース残基がHで放射能ラベルされたマルトペンタオース、および非還元末端のグルコース残基がHで放射能ラベルされたマルトトリオシルトレハロースを基質として、これに上記粗酵素液をそれぞれ30 Units/ml 及び10Units/ml作用させた。反応前、および60℃、3時間後に反応物をサンプリングした。この反応物を薄相クロマトグラフィー(Kieselgel 60メルク社製、溶媒;ブタノール:エタノール:水=5:5:3)で展開した。得られた各糖に相当するところを分取し液体シンチレーションカウンターで放射能を測定したところ、マルトペンタオースを基質とした場合、加水分解産物であるグルコース、マルトース画分には放射活性は見られず、マルトテトラオース、マルトトリオース画分に放射活性が回収された。またマルトトリオシルトレハロースを基質とした場合、加水分解産物であるα,α−トレハロース画分には放射活性は見られず、マルトトリオース画分に放射活性が回収された。
以上の結果より、本組換え新規アミラーゼの作用機作はエンド型に作用するアミラーゼ活性と共に、還元末端側から主に単糖、2糖を生成する活性を有することが確認された。
なお、以上の実施例で用いた試薬の入手先は、それぞれα,α−トレハロース:Sigma 社、マルトース(G2):和光純薬社、マルトトリオース〜マルトペンタオース(G3〜G5):林原バイオケミカル社、アミロースDP17:林原バイオケミカル社、イソマルトース:和光純薬社、イソマルトトリオース:和光純薬社、イソマルトテトラオース:生化学工業社、イソマルトペンタオース:生化学工業社、パノース:東京化成社、アミロペクチン:ナカライテスク社である。
実施例II−20 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来新規アミラーゼの部分アミノ酸配列の決定
実施例II−4で得た精製酵素の部分アミノ酸配列の決定は実施例II−15に記載される方法に従って行った。部分アミノ酸配列は下記の通りであった。
AP−9 Leu Asp Tyr Leu Lys (配列番号49)
AP−10 Lys Arg Glu Ile Pro Asp Pro Ala Ser Arg Tyr Gln Pro Leu Gly Val His
(配列番号50)
AP−11 Lys Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys (配列番号51)
AP−12 His Ile Leu Gln Glu Ile Ala Glu Lys (配列番号52)
AP−16 Lys Leu Trp Ala Pro Tyr Val Asn Ser Val (配列番号53)
AP−17 Met Phe Ser Phe Gly Gly Asn (配列番号54)
AP−18 Asp Tyr Try Tyr Gln Asp Phe Gly Arg Ile Glu Asp Ile Glu
(配列番号55)
AP−21 Lys Ile Asp Ala Gln Trp Val (配列番号56)
実施例II−21 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株 新規アミラーゼ 部分アミノ酸配列に基づくDNAプローブの作成
実施例II−20により決定された部分アミノ酸配列の情報を基にオリゴヌクレオチドDNAプライマーをDNA合成装置(アプライドバイオシステムズ社モデル381)によって作成した。その配列は下記の通りであった。
AP−10
アミノ酸配列 N末端 Pro Ala Ser Arg Tyr Gln Pro C末端

DNAプライマー5’ AGCTAGTAGATATCAACC 3’
(配列番号57)
塩基配列 A G C C G

AP−11
(相補鎖)
アミノ酸配列 N末端 Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys C末端
DNAプライマー5’TTTTCCATCATAAACAAAAACATC 3’
(配列番号58)
塩基配列 C A G T G T
このプライマーを各々100pmolおよび実施例II−4の方法に従って得た菌体より実施例II−16の方法に従って調製されたSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の染色体DNA約100ngを用いてPCRを行った。PCR装置はパーキンエルマー社製Gene Amp PCRシステム モデル9600を用い、1サイクル94℃30秒、54℃30秒、72℃30秒で行いサイクル数30回および総液量100μlで実施した。約830bpの増幅断片をpT7 Blue T−Vector(Novagen社製)へサブクローニングした。このプラスミドの挿入断片の塩基配列を決定したところ実施例II−20で得られたアミノ酸配列に相当する配列が見いだされた。
実施例II−22 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来新規アミラーゼ遺伝子のクローニング
Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株の染色体DNAは実施例II−4の方法に従って得た菌体より、実施例II−16の方法に従って得た。上記染色体DNAを制限酵素Sau3AIで部分消化した後,EMBL3 BamHI切断アーム(STRATAGENE社製)にT4DNAリガーゼにより連結(ライゲーション)した。パッケージングはSTRATAGENE社製,GigapackII Goldを用いて行った。上記ライブラリーを大腸菌LE392に37℃15分感染させた後、NZY寒天プレート培地に播種し、37℃で約8から12時間程度培養して、プラークを形成させた。約2時間、4℃で保存した後、ナイロンメンブレン(アマシャム社製、Hybond N+)へDNAを吸着させた。2xSSPEで軽く洗浄した後80℃2時間ベーキングを行った。プローブは実施例II−21のPCR断片を用い、アマシャム社製メガプライムDNA標識システムを用いて32Pで標識した。
ハイブリダイセーションの条件は6xSSPE、0.5%SDSで65℃オーバーナイトで行った。洗浄は2xSSPE、0.1%SDSで、室温10分、2回行った。
約8000クローンからスクリーニングを開始して17個の陽性クローンを得た。このクローンより約5.4kbpのBamHI断片を得て、これをpUC118の上記サイトへ挿入した。得られたプラミドをp09A2と命名した。このプラスミドDNAをさらに制限酵素SacIで消化したものをp09A1とする。p09A1の挿入断片の制限酵素地図を図38に、またp09A1の作成方法を図39に記す。上記p09A1についてPharmacia社製,double−strand Nested Delation Kitを用いてデレーションプラスミドを作成した。実施例II−18の方法に従って新規アミラーゼの構造遺伝子の領域を中心にDNA配列を決定した。これらのDNA配列およびそこから推定されるアミノ酸配列は配列番号7および配列番号8にそれぞれ示される通りであった。
このアミノ酸配列中に実施例II−20で得られた部分アミノ酸配列に相当する配列が全て認められた。このアミノ酸配列は長さが556個で、推定分子量64.4kDaのタンパク質をコードしているものと考えられた。この分子量はSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来新規アミラーゼの精製酵素をSDS−PAGEにかけることによって得られた分子量の値にほぼ一致した。またプラスミドp09A1を含む形質転換体について実施例II−19の方法に従って新規アミラーゼ活性を確認した。
実施例II−23 KM1株とATCC33909株の上記酵素のアミノ酸配列、塩基配列の相同性について
配列番号6のKM1株由来の新規アミラーゼのアミノ酸配列と、配列番号8のATCC33909株由来の 新規アミラーゼのアミノ酸配列とを、また配列番号5のKM1株由来の新規アミラーゼの塩基配列と、配列番号7のATCC33909株由来の新規アミラーゼの塩基配列とを、配列解析ソフト、ジェネティックス(ソフトウエアー開発)を用いてギャップを考慮してそれぞれ解析した。アミノ酸配列についての結果を図40に、塩基配列についての結果を図41に示す。それぞれの図中下段にKM1株の配列を、上段にATCC33909株の配列結果を示し、中段の(*)は両者で一致する配列を、また中段の(.)は両者で性質の似たアミノ酸を示す。相同性はアミノ酸レベルで約59%、塩基配列レベルで64%であった。
実施例II−24 Sulfolobus solfataricus KM1株 および
Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来新規アミラーゼ遺伝子の他の生物種の染色体DNAとのハイブリダイゼーション試験
Sulfolobus solfataricus DSM5833株、Sulfolobus shibatae DSM 5389株、Acidianus brierleyi DSM 1651株、E.coli JM109株の染色体DNAを実施例II−16の方法に準じて制限酵素Hind III で消化した。
この消化物を1%アガロースゲル電気泳動にて分離し、アマシャムジャパン社製、Hybond−Nにサザンブロッティングした。このメンブレンにプラスミドpKA1の約1.9kbpのPstI断片(配列番号5の1番から1845番までの配列に対応する)をベーリンガーマンハイム社製、DIGシステムキットによって標識し、これを用いてハイブリダイゼーションを行った。
条件はハイブリダイゼーション:5xSSC、40℃、3時間、洗浄:2xSSC(0.1%SDSを含む)、40℃、5分、2回 0.1xSSC(0.1%SDSを含む)、40℃、5分、2回であった。
その結果、PstI断片は、Sulfolobus solfataricus DSM 5833株については約13.0kbpの断片と、Sulfolobus shibatae DSM 5389株については約9.8kbpの断片と、Acidianus brierleyi DSM 1651株については約1.9kbpの断片とハイブリッドを形成した。一方、ネガティブコントロールであるE.coli JM109株については、ハイブリッドの形成は観察されなかった。
またSulfolobus solfataricus KM1株、DSM5354株、DSM5833株、ATCC35091株、ATCC35092株、Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株、ATCC49426株、Sulfolobus shibatae DSM5389株、Acidianus brierleyi DSM1651株、E.coli JM109株の染色体DNAを実施例II−16の方法に従って得、制限酵素XbaI,HindIII,EcoRVで消化した。この消化物を1%アガロースゲル電気泳動にて分離し、アマシャム社製、Hybond N+にサザンブロッティングした。このメンブレンに配列番号7番の1393番より2121番の領域(実施例II−22で得られたp09A1より制限酵素EcoT22IとEcoRVで消化し、ゲルから回収した)をプローブとして実施例II−22の方法に従い32Pによって標識し、これを用いてハイブリダイゼーションを行った。条件はハイブリダイゼーション6xSSPE、0.5%SDS、60℃でオーバーナイトで行った。洗浄は2xSSPE、0.1%SDSで室温10分、2回行った。その結果Sulfolobus solfataricus KM1株、DSM5354株、DSM5833株、ATCC35091株、ATCC35092株 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株、ATCC49426株 Sulfolobus shibatae DSM5389株 Acidianus brierleyi DSM1651株の染色体DNAはそれぞれ約3.6kbp,1.0kbp,0.9kbp、0.9kbp、1.0kbp、0.9kbp、0.9kbp、1.4kbp、0.9kbpの部位でハイブリッドを形成した。一方 E.coli JM109株の染色体DNAとはハイブリッドを形成しなかった。また配列番号5、6、7、および8の範囲内に含まれるアミノ酸配列、塩基配列と相同性を有する配列が存在しないことをアミノ酸データーバンク(Swiss prot,及びNBRF−PDB)、塩基配列データーバンク(EMBL)から、配列解析ソフト、ジェネティックス(ソフトウエアー開発)を用いて確認した。よってこの新規アミラーゼ遺伝子はSulfolobales目に属する古細菌に特異的に高度に保存されていることがわかった。
実施例III −1 組換え新規アミラーゼおよび組換え新規トランスフェラーゼを用いたα,α−トレハロースの製造
実施例II−19で得られた粗精製組換え新規アミラーゼおよび実施例I−20で得られた濃縮組換え新規トランスフェラーゼ並びに10%可溶性デンプン(ナカライテスク社製、特級品)を用い、プルラナーゼを補助的に添加して、α,α−トレハロースの製造を試みた。反応は以下のように行った。
まず10%可溶性デンプンを0.5〜50Unit/mlのプルラナーゼ(Klebsiella pneumoniae由来:和光純薬社製)で、40℃で1時間処理した後、上記組換え新規トランスフェラーゼ(10Unit/ml )と、上記組換え新規アミラーゼ(150Unit/ml )とを添加し、pH5.5、60℃で100時間反応させた。次いで反応液を100℃で5分間加熱処理して反応を停止し、未反応の基質をグルコアミラーゼにて分解した。その後、実施例II−1に示す条件のHPLC分析法により測定した。
TSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果は図42に示される通りであった。
ここで、組換え新規アミラーゼの酵素活性は1時間に1μmolのα,α‐トレハロースをマルトトリオシルトレハロースから遊離する活性を1Unitとして示した。組換え新規トランスフェラーゼの酵素活性はマルトトリオースを1時間に1μmolのグルコシルトレハロースに変換する活性を1Unitとして示した。プルラナーゼの酵素活性の定義は、pH6.0、30℃で1分間にプルランから1μmol のマルトトリオースを生成する酵素量を1Unitとして示した。
プルラナーゼの添加量50Unit/ml の際α,α‐トレハロースの収率は67%であった。この値は、組換え新規アミラーゼが、Sulfolobus solfataricus KM1株由来精製新規アミラーゼを上記条件で作用させた場合とほぼ同様の収率を与えることを示している。
産業上の利用可能性
本発明の新規な精製法に基づく酵素製造法により得られるマルトオリゴ糖等の糖に作用してグルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖等を生成する能力を有する新規トランスフェラーゼを用いることにより、マルトオリゴ糖等の原料を用いて効率的で、かつ高収率にグルコシルトレハロース及びマルトオリゴシルトレハロースなどのトレハロースオリゴ糖等を製造する新規な方法を提供することができる。
本発明の新規アミラーゼを、本発明の新規トランスフェラーゼと組み合わせて用いることにより、デンプン、デンプン分解物、及びマルトオリゴ糖等の糖質原料から効率的に、かつ高収率にα,α−トレハロースを製造する新規な方法を提供することができる。
発明の態様
以下、本発明の好ましい態様を示す。
1. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼであって、
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が74000〜76000であり、且つ、
下記の理化学的性質を有する上記酵素:
(1) 至適pH:4.5〜6.0
(2) 至適温度:60〜80℃
(3) 安定pH:4.5〜10.0
(4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により90%以上残存。
2. すべてのグルコース残基がα−1,4結合であるマルトオリゴ糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼであって、
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が74000〜76000であり、且つ、
下記の理化学的性質を有する上記酵素:
(1) 至適pH:4.5〜6.0
(2) 至適温度:60〜80℃
(3) 安定pH:4.5〜10.0
(4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により90%以上残存。
3. 等電点電気泳動法による等電点が5.3〜6.3である、態様1または2に記載の酵素。
4. 5mM CuSOで100%阻害される、態様1〜3のいずれかに記載の酵素。
5. Sulfolobales目の古細菌から得られる、態様1〜4のいずれかに記載の酵素。
6. Sulfolobus属に属する細菌から得られる、態様5に記載の酵素。
7. Acidianus属に属する細菌から得られる、態様5に記載の酵素。
8. Sulfolobus solfataricusに属する細菌から得られる、態様6に記載の酵素。
9. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)から得られる、態様8に記載の酵素。
10. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株から得られる、態様8に記載の酵素。
11. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌から得られる、態様6に記載の酵素。
12. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株から得られる、態様11に記載の酵素。
13. Acidianus brierleyiに属する細菌から得られる、態様7に記載の酵素。
14. Acidianus brierleyi DSM 1651株から得られる、態様13に記載の酵素。
15. 態様1〜4のいずれかに記載のトランスフェラーゼ産生能を有するSulfolobus属に属する細菌またはAcidianus属に属する細菌を培地に培養し、培養物より、マルトオリゴ糖を基質としてトレハロースオリゴ糖を生成する活性を指標とする活性測定法に基づいて、該トランスフェラーゼを単離精製することを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載のトランスフェラーゼの製造法。
16. Sulfolobus solfataricusに属する細菌を培養する、態様15に記載の製造法。
17. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)を培養する、態様16に記載の製造法。
18. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株を培養する、態様16に記載の製造法。
19. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌を培養する、態様15に記載の製造法。
20. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株を培養する、態様19に記載の製造法。
21. Acidianus brierleyiに属する細菌を培養する、態様15に記載の製造法。
22. Acidianus brierleyi DSM 1651株を培養する、態様21に記載の製造法。
23. 態様1〜4のいずれかに記載の酵素を用い、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として作用させ、少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である糖を製造することを特徴とする末端の2糖がα−1,α−1結合である糖の製造法。
24. マルトオリゴ糖各単独またはそれらの混合物を基質として用いる、態様23に記載の製造法。
25. グルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を製造する、態様24に記載の製造法。
26. 少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成される3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して主に単糖及び/又は2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼであって、
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が61,000〜64,000であり、且つ、
下記の理化学的性質を有する上記酵素:
(1) 至適pH:4.5〜5.5
(2) 至適温度:60〜85℃
(3) 安定pH:4.0〜10.0
(4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により100%残存。
27. 少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα−1,α−1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解し、α,α−トレハロースを遊離する主要な活性を有する態様26に記載の新規アミラーゼ。
28. 基質の分子鎖中のα−1,4結合をエンド型で加水分解する活性を合わせ持つ、態様26或いは27に記載の新規アミラーゼ。
29. グルコシルトレハロース、マルトオリゴシルトレハロース等のトレハロースオリゴ糖を基質とし、還元末端側の2つ目と3つ目のグルコース間のα−1,4結合を加水分解し、α,α−トレハロースを遊離する活性を有する、態様26、27或いは28に記載の新規アミラーゼ。
30. 等電点電気泳動法による等電点が4.3〜5.4である、態様26〜29のいずれかに記載の酵素。
31. 5mM CuSOで100%阻害される、態様26〜30のいずれかに記載の酵素。
32. Sulfolobales目に属する古細菌から得られる、態様26〜31のいずれかに記載の酵素。
33. Sulfolobus属に属する細菌から得られる、態様32に記載の酵素。
34. Sulfolobus solfataricusに属する細菌から得られる、態様33に記載の酵素。
35. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)或いはその変異株から得られる、態様34に記載の酵素。
36. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株或いはその変異株から得られる、態様34に記載の酵素。
37. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌から得られる、態様33に記載の酵素。
38. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株或いはその変異株から得られる、態様37に記載の酵素。
39. 態様26〜31のいずれかに記載のアミラーゼを産生する能力を有するSulfolobus属に属する細菌を培地に培養し、培養物より、トレハロースオリゴ糖を基質としてα,α−トレハロースを生成する活性を指標とする活性測定法に基づいて、該アミラーゼを単離精製することを特徴とする態様26〜31のいずれかに記載のアミラーゼの製造法。
40. Sulfolobus solfataricusに属する細菌を培養する、態様39に記載のアミラーゼの製造法。
41. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)を培養する、態様40に記載のアミラーゼの製造法。
42. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株を培養する、態様40に記載のアミラーゼの製造法。
43. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌を培養する、態様39に記載のアミラーゼの製造法。
44. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株を培養する、態様43に記載のアミラーゼの製造法。
45. 態様26〜38のいずれかに記載の新規アミラーゼと、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質としてその還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する態様1〜14のいずれかに記載の新規トランスフェラーゼとを組み合わせて用いることを特徴とするα,α−トレハロースの製造法。
46. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼを60〜80℃で作用させる、態様45に記載のα,α−トレハロースの製造法。
47. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ1.5Units/ml及び0.1Unit/ml 以上である、態様45或いは46に記載のα,α−トレハロースの製造法。
48. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ1.5Units/ml及び1Unit/ml 以上であり、かつアミラーゼ対トランスフェラーゼの濃度比が0.075〜100である、態様45或いは46に記載のα,α−トレハロースの製造法。
49. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ15Units/ml及び1Unit/ml 以上であり、かつアミラーゼ対トランスフェラーゼの濃度比が3〜40である、態様48に記載のα,α−トレハロースの製造法。
50. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として用いる、態様45〜49のいずれかに記載のα,α−トレハロースの製造法。
51. デンプン又はデンプン分解物を基質として用いる、態様45〜49のいずれかに記載のα,α−トレハロースの製造法。
52. デンプン分解物が酸分解或いは酵素分解によって製造されるデンプン分解物である、態様51に記載のα,α−トレハロースの製造法。
53. デンプン分解物が枝切り酵素を用いて得られるものである、態様52に記載のα,α−トレハロースの製造法。
54. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、態様53に記載のα,α−トレハロースの製造法。
55. すべてのグルコース残基がα−1,4結合であるマルトオリゴ糖を各単独又はそれらの混合物として基質に用いる、態様45〜49のいずれかに記載のα,α−トレハロースの製造法。
56. 更に枝切り酵素を組み合わせて用いる、態様45或いは46に記載のα,α−トレハロースの製造法。
57. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、態様56に記載のα,α−トレハロースの製造法。
58. α,α−トレハロースの製造のいずれかの段階でプルラナーゼ或いはイソアミラーゼを1回以上組み合わせて用いる、態様57に記載のα,α−トレハロースの製造法。
59. α,α−トレハロースの製造の初期段階でプルラナーゼ或いはイソアミラーゼを1回以上組み合わせて用いる、態様58に記載のα,α−トレハロースの製造法。
60. デンプン又はデンプン分解物を基質として用いる、態様56〜59のいずれかに記載のα,α−トレハロースの製造法。
61. デンプン分解物が酸分解或いは酵素分解によって製造されるデンプン分解物である、態様60に記載のα,α−トレハロースの製造法。
62. デンプン分解物が枝切り酵素を用いて得られるものである、態様61に記載のα,α−トレハロースの製造法。
63. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、態様62に記載のα,α−トレハロースの製造法。
64. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobales目に属する古細菌由来の酵素を用いる、態様45〜63のいずれかに記載のα,α−トレハロースの製造法。
65. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus属に属する細菌から得られる酵素を用いる、態様64に記載のα,α−トレハロースの製造法。
66. 該トランスフェラーゼとして、Acidianus属に属する細菌から得られる酵素を用いる、態様64に記載のα,α−トレハロースの製造法。
67. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus solfataricusに属する細菌から得られる酵素を用いる、態様65に記載のα,α−トレハロースの製造法。
68. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)或いはその変異株から得られる酵素を用いる、態様67に記載のα,α−トレハロースの製造法。
69. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、態様67に記載のα,α−トレハロースの製造法。
70. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌から得られる酵素を用いる、態様65に記載のα,α−トレハロースの製造法。
71. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、態様70に記載のα,α−トレハロースの製造法。
72. 該トランスフェラーゼとして、Acidianus brierleyiに属する細菌から得られる酵素を用いる、態様66に記載のα,α−トレハロースの製造法。
73. Acidianus brierleyi DSM 1651株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、態様72に記載のα,α−トレハロースの製造法。
74. 態様1に記載の新規トランスフェラーゼをコードするDNA配列を含んでなるDNA断片であって、図26に示される制限酵素地図で表される上記DNA断片。
75. 態様1に記載の新規トランスフェラーゼをコードするDNA配列を含んでなるDNA断片であって、図29に示される制限酵素地図で表される上記DNA断片。
76. 配列番号2に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなる、DNA断片。
77. 配列番号1に示される塩基配列の335番から2518番までの塩基配列を含んでなる、態様76に記載のDNA断片。
78. 配列番号1に示される塩基配列の1番から2578番までの塩基配列を含んでなる、態様76に記載のDNA断片。
79. 配列番号4に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなる、DNA断片。
80. 配列番号3に示される塩基配列の816番から2855番までの塩基配列を含んでなる、態様79に記載のDNA断片。
81. 配列番号3に示される塩基配列の1番から3467番までの塩基配列を含んでなる、態様79に記載のDNA断片。
82. Sulfolobales目に属する古細菌由来である、態様74〜81のいずれかに記載のDNA断片。
83. Sulfolobus属に属する細菌由来である、態様82に記載のDNA断片。
84. Sulfolobus solfataricusに属する細菌由来である、態様83に記載のDNA断片。
85. Sulfolobus solfataricus KM1株由来である、態様84に記載のDNA断片。
86. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌由来である、態様83に記載のDNA断片。
87. Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来である、態様86に記載のDNA断片。
88. 配列番号1に示される塩基配列の1880番から2257番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6xSSPEのイオン強度下でハイブリッドを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα‐1,4結合をα‐1,α‐1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼをコードするDNA断片、および該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片。
89. 配列番号2に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなる、ポリペプチド。
90. 配列番号4に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなる、ポリペプチド。
91. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα‐1,4結合をα‐1,α‐1結合に転移させる作用を有する、態様89または90に記載のポリペプチド。
92. 前記作用の至適温度が60〜80℃である、態様89〜91のいずれかに記載のポリペプチド。
93. 態様74〜88のいずれかに記載のDNA断片を含んでなる、組換えDNA分子。
94. 態様74〜88のいずれかに記載のDNA断片がプラスミドベクターに組み込まれてなる、態様93に記載の組換えDNA分子。
95. 態様93または94に記載の組換えDNA分子によって形質転換された、宿主細胞。
96. 宿主細胞がEscherichia属またはBacillus属に属する微生物である、態様95に記載の宿主細胞。
97. 宿主細胞がEscherichia coli JM109株である、態様96に記載の宿主細胞。
98. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα‐1,4結合をα‐1,α‐1結合に転移させる作用を有する組換え新規トランスフェラーゼの製造法であって、
態様95〜97のいずれかに記載の宿主細胞を培養し、その培養物中に前記組換え新規トランスフェラーゼを生成させ、これを採取することを含んでなる、上記方法。
99. 態様74〜88のいずれかに記載のDNA断片によりコードされる組換え新規トランスフェラーゼ、または態様89〜92のいずれかに記載のポリペプチドを含んでなる組換え新規トランスフェラーゼの製造法であって、
態様95〜97のいずれかに記載の宿主細胞を培養し、その培養物中に前記組換え新規トランスフェラーゼを生成させ、これを採取することを含んでなる、上記方法。
100. 少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合であるトレハロースオリゴ糖の製造法であって、
態様98または99で得られた組換え新規トランスフェラーゼを、少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させることを含んでなる、上記方法。
101. 態様26に記載の新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなるDNA断片であって、図34に示される制限酵素地図で表される、上記DNA断片。
102. 態様26に記載の新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなるDNA断片であって、図38に示される制限酵素地図で表される、上記DNA断片。
103. 態様27に記載の新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなる、態様101に記載のDNA断片。
104. 態様27に記載の新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなる、態様102に記載のDNA断片。
105. 糖鎖中のα‐1,4結合をエンド型で加水分解する活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA配列を含んでなる、態様101〜104のいずれかに記載のDNA断片。
106. 前記新規アミラーゼが、トレハロースオリゴ糖を基質とし、還元末端側の2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する活性を有するものである、態様101〜105のいずれかに記載のDNA断片。
107. 前記新規アミラーゼの至適温度が60〜85℃である、態様101〜106のいずれかに記載のDNA断片。
108. 配列番号6に示されるアミノ酸配列、またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなる、DNA断片。
109. 配列番号5に示される塩基配列の642番から2315番までの塩基配列を含んでなる、態様108に記載のDNA断片。
110. 配列番号5に示される塩基配列の639番から2315番までの塩基配列を含んでなる、態様108に記載のDNA断片。
111. 配列番号5に示される塩基配列の1番から2691番までの塩基配列を含んでなる、態様108に記載のDNA断片。
112. 配列番号8に示されるアミノ酸配列、またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなる、DNA断片。
113. 配列番号7に示される塩基配列の1176番から2843番までの塩基配列を含んでなる、態様112に記載のDNA断片。
114. 配列番号7に示される塩基配列の1番から3600番までの塩基配列を含んでなる、態様112に記載のDNA断片。
115. Sulfolobales目に属する古細菌由来である、態様101〜114のいずれかに記載のDNA断片。
116. Sulfolobus属に属する細菌由来である、態様115に記載のDNA断片。
117. Sulfolobus solfataricusに属する細菌由来である、態様116に記載のDNA断片。
118. Sulfolobus solfataricus KM1株由来である、態様117に記載のDNA断片。
119. Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌由来である、態様116に記載のDNA断片。
120. Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来である、態様119に記載のDNA断片。
121. 配列番号7に示される塩基配列の1393番から2121番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6xSSPEのイオン強度下でハイブリッドを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成された3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して、主に単糖および/または2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA断片、および該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片。
122. 配列番号7に示される塩基配列の1393番から2121番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6xSSPEのイオン強度下でハイブリッドを形成し、かつ少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合であり、かつ該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する主要な活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA断片、および該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片。
123. 配列番号6に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなる、ポリペプチド。
124. 配列番号8に示されるアミノ酸配列またはその等価配列を含んでなる、ポリペプチド。
125. そのN末端に更にMetを有してなる、態様123に記載のポリペプチド。
126. 少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合で、該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合である、3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する作用を有する、態様123〜125のいずれかに記載のポリペプチド。
127. (1)糖鎖中のα‐1,4グルコシド結合をエンド型で加水分解する活性、
(2)少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成され、かつその結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して単糖および/または2糖を遊離する活性、および
(3)少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合であり、かつ該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する主要な活性
を有する、態様123〜125のいずれかに記載のポリペプチド。
128. 作用の至適温度が60〜85℃である、態様123〜127のいずれかに記載のポリペプチド。
129. 態様101〜122のいずれかに記載のDNA断片を含んでなる、組換えDNA分子。
130. 態様101〜122のいずれかに記載のDNA断片がプラスミドベクターに組み込まれてなる、態様129記載の組換えDNA分子。
131. 態様129または130に記載の組換えDNA分子によって形質転換された、宿主細胞。
132. 宿主細胞がEscherichia属またはBacillus属に属する微生物である、態様131に記載の宿主細胞。
133. 宿主細胞がEscherichia coli JM109株である、態様132に記載の宿主細胞。
134. 組換え新規アミラーゼの製造法であって、
該組換え新規アミラーゼが
少なくとも還元末端側の3糖がグルコース単位で構成され、該末端側の1つ目と2つ目のグルコース間の結合がα‐1,α‐1結合であり、かつ該末端側の2つ目と3つ目のグルコース間の結合がα‐1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、2つ目と3つ目のグルコース間のα‐1,4結合を加水分解し、α,α‐トレハロースを遊離する主要な活性を有するものであり、
態様131〜133のいずれかに記載の宿主細胞を培養し、その培養物中に前記組換え新規アミラーゼを生成させ、これを採取することを含んでなる、上記方法。
135. 態様101〜122のいずれかに記載のDNA断片によりコードされる組換え新規アミラーゼ、または態様123〜128のいずれかに記載のポリペプチドを含んでなる組換え新規アミラーゼの製造法であって、
態様131〜133のいずれかに記載の宿主細胞を培養し、その培養物中に前記組換え新規アミラーゼを生成させ、これを採取することを含んでなる、上記方法。
136. α,α‐トレハロースの製造法であって、態様1〜14のいずれかに記載の新規トランスフェラーゼまたは態様98もしくは99で得られた組換え新規トランスフェラーゼ、および
態様134または135で得られた組換え新規アミラーゼとを、
少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させる工程を含んでなる、上記方法。
137. α,α‐トレハロースの製造法であって、
態様98または99で得られた組換え新規トランスフェラーゼ、および
態様26〜38のいずれか記載の新規アミラーゼまたは態様134もしくは135で得られた組換え新規アミラーゼとを、
少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させる工程を含んでなる、上記方法。
138. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖がデンプンまたはデンプン分解物である、態様136または137に記載の方法。
139. デンプン分解物が、デンプンを酸分解、または酵素分解することによって製造されたものである、態様138に記載の方法。
140. デンプン分解物が、デンプンの枝切り酵素による分解産物である、態様138に記載の方法。
141. 枝切り酵素がプルラナーゼまたはイソアミラーゼである、態様140に記載の方法。
142. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖が、全てのグルコース残基がα‐1,4結合であるマルトオリゴ糖の単独または混合物である、態様136または137に記載の方法。
143. 50〜85℃の温度で実施される、態様136〜142のいずれかに記載の方法。
[配列表]
配列番号:1
配列の長さ:2578
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
GCATGCCATT AAAAGATGTA ACATTTTACA CTCCAGACGG TAAGGAGGTT GATGAGAAAG 60
CATGGAATTC CCCAACGCAA ACTGTTATTT TCGTGTTAGA GGGGAGCGTA ATGGATGAGA 120
TTAACATCTA TGGAGAGAGA ATTGCGGATG ATTCATTCTT GATAATTCTT AACGCAAATC 180
CCAATAACGT AAAAGTGAAG TTCCCAAAGG GTAAATGGGA ACTAGTTGTT GGTTCTTATT 240
TGAGAGAGAT AAAACCAGAA GAAAGAATTG TAGAAGGTGA GAAGGAATTG GAAATTGAGG 300
GAAGAACAGC ATTAGTTTAT AGGAGGACAG AACT ATG ATA ATA GGC ACA TAT AGG 355
Met Ile Ile Gly Thr Tyr Arg
1 5
CTG CAA CTC AAT AAG AAA TTC ACT TTT TAC GAT ATA ATA GAA AAT TTG 403
Leu Gln Leu Asn Lys Lys Phe Thr Phe Tyr Asp Ile Ile Glu Asn Leu
10 15 20
GAT TAT TTT AAA GAA TTA GGA GTA TCA CAC CTA TAT CTA TCT CCA ATA 451
Asp Tyr Phe Lys Glu Leu Gly Val Ser His Leu Tyr Leu Ser Pro Ile
25 30 35
CTT AAG GCT AGA CCA GGG AGC ACT CAC GGC TAC GAT GTA GTA GAT CAT 499
Leu Lys Ala Arg Pro Gly Ser Thr His Gly Tyr Asp Val Val Asp His
40 45 50 55
AGT GAA ATT AAT GAG GAA TTA GGA GGA GAA GAG GGG TGC TTT AAA CTA 547
Ser Glu Ile Asn Glu Glu Leu Gly Gly Glu Glu Gly Cys Phe Lys Leu
60 65 70
GTT AAG GAA GCT AAG AGT AGA GGT TTA GAA ATC ATA CAA GAT ATA GTG 595
Val Lys Glu Ala Lys Ser Arg Gly Leu Glu Ile Ile Gln Asp Ile Val
75 80 85
CCA AAT CAC ATG GCG GTA CAT CAT ACT AAT TGG AGA CTT ATG GAT CTG 643
Pro Asn His Met Ala Val His His Thr Asn Trp Arg Leu Met Asp Leu
90 95 100
TTA AAG AGT TGG AAG AAT AGT AAA TAC TAT AAC TAT TTT GAT CAC TAC 691
Leu Lys Ser Trp Lys Asn Ser Lys Tyr Tyr Asn Tyr Phe Asp His Tyr
105 110 115
GAT GAT GAC AAG ATA ATC CTC CCA ATA CTT GAG GAC GAG TTG GAT ACC 739
Asp Asp Asp Lys Ile Ile Leu Pro Ile Leu Glu Asp Glu Leu Asp Thr
120 125 130 135
GTT ATA GAT AAG GGA TTG ATA AAA CTA CAG AAG GAT AAT ATA GAG TAC 787
Val Ile Asp Lys Gly Leu Ile Lys Leu Gln Lys Asp Asn Ile Glu Tyr
140 145 150
AGA GGG CTT ATA TTA CCT ATA AAT GAT GAA GGA GTT GAA TTC TTG AAA 835
Arg Gly Leu Ile Leu Pro Ile Asn Asp Glu Gly Val Glu Phe Leu Lys
155 160 165
AGG ATT AAT TGC TTT GAT AAT TCA TGT TTA AAG AAA GAG GAT ATA AAG 883
Arg Ile Asn Cys Phe Asp Asn Ser Cys Leu Lys Lys Glu Asp Ile Lys
170 175 180
AAA TTA CTA TTA ATA CAA TAT TAT CAG CTA ACT TAC TGG AAG AAA GGT 931
Lys Leu Leu Leu Ile Gln Tyr Tyr Gln Leu Thr Tyr Trp Lys Lys Gly
185 190 195
TAT CCA AAC TAT AGG AGA TTT TTC GCA GTA AAT GAT TTG ATA GCT GTT 979
Tyr Pro Asn Tyr Arg Arg Phe Phe Ala Val Asn Asp Leu Ile Ala Val
200 205 210 215
AGG GTA GAA TTG GAT GAA GTA TTT AGA GAG TCC CAT GAG ATA ATT GCT 1027
Arg Val Glu Leu Asp Glu Val Phe Arg Glu Ser His Glu Ile Ile Ala
220 225 230
AAG CTA CCA GTT GAC GGT TTA AGA ATT GAC CAC ATA GAT GGA CTA TAT 1075
Lys Leu Pro Val Asp Gly Leu Arg Ile Asp His Ile Asp Gly Leu Tyr
235 240 245
AAC CCT AAG GAG TAT TTA GAT AAG CTA AGA CAG TTA GTA GGA AAT GAT 1123
Asn Pro Lys Glu Tyr Leu Asp Lys Leu Arg Gln Leu Val Gly Asn Asp
250 255 260
AAG ATA ATA TAC GTA GAG AAG ATA TTG TCA ATC AAC GAG AAA TTA AGA 1171
Lys Ile Ile Tyr Val Glu Lys Ile Leu Ser Ile Asn Glu Lys Leu Arg
265 270 275
GAT GAT TGG AAA GTA GAT GGG ACT ACT GGA TAT GAT TTC TTG AAC TAC 1219
Asp Asp Trp Lys Val Asp Gly Thr Thr Gly Tyr Asp Phe Leu Asn Tyr
280 285 290 295
GTT AAT ATG CTA TTA GTA GAT GGA AGT GGT GAG GAG GAG TTA ACT AAG 1267
Val Asn Met Leu Leu Val Asp Gly Ser Gly Glu Glu Glu Leu Thr Lys
300 305 310
TTT TAT GAG AAT TTC ATT GGA AGG AAA ATC AAT ATA GAC GAG TTA ATA 1315
Phe Tyr Glu Asn Phe Ile Gly Arg Lys Ile Asn Ile Asp Glu Leu Ile
315 320 325
ATA CAA AGT AAA AAA TTA GTT GCA AAT CAG TTA TTT AAA GGT GAC ATT 1363
Ile Gln Ser Lys Lys Leu Val Ala Asn Gln Leu Phe Lys Gly Asp Ile
330 335 340
GAA AGA TTA AGC AAG TTA CTG AAC GTT AAT TAC GAT TAT TTA GTA GAT 1411
Glu Arg Leu Ser Lys Leu Leu Asn Val Asn Tyr Asp Tyr Leu Val Asp
345 350 355
TTT CTA GCA TGT ATG AAA AAA TAC AGG ACT TAT TTA CCA TAT GAG GAT 1459
Phe Leu Ala Cys Met Lys Lys Tyr Arg Thr Tyr Leu Pro Tyr Glu Asp
360 365 370 375
ATT AAC GGA ATA AGG GAA TGC GAT AAG GAG GGA AAG TTA AAA GAT GAA 1507
Ile Asn Gly Ile Arg Glu Cys Asp Lys Glu Gly Lys Leu Lys Asp Glu
380 385 390
AAG GGA ATC ATG AGA CTC CAA CAA TAC ATG CCA GCA ATC TTC GCT AAG 1555
Lys Gly Ile Met Arg Leu Gln Gln Tyr Met Pro Ala Ile Phe Ala Lys
395 400 405
GGC TAT GAG GAT ACT ACC CTC TTC ATC TAC AAT AGA TTA ATT TCC CTT 1603
Gly Tyr Glu Asp Thr Thr Leu Phe Ile Tyr Asn Arg Leu Ile Ser Leu
410 415 420
AAC GAG GTT GGG AGC GAC CTA AGA AGA TTC AGT TTA AGC ATC AAA GAC 1651
Asn Glu Val Gly Ser Asp Leu Arg Arg Phe Ser Leu Ser Ile Lys Asp
425 430 435
TTT CAT AAC TTT AAC CTA AGC AGA GTA AAT ACC ATA TCA ATG AAC ACT 1699
Phe His Asn Phe Asn Leu Ser Arg Val Asn Thr Ile Ser Met Asn Thr
440 445 450 455
CTT TCC ACT CAT GAT ACT AAA TTC AGT GAA GAC GTT AGA GCT AGA ATA 1747
Leu Ser Thr His Asp Thr Lys Phe Ser Glu Asp Val Arg Ala Arg Ile
460 465 470
TCA GTA CTA TCT GAG ATA CCA AAG GAG TGG GAG GAG AGG GTA ATA TAC 1795
Ser Val Leu Ser Glu Ile Pro Lys Glu Trp Glu Glu Arg Val Ile Tyr
475 480 485
TGG CAT GAT TTG TTA AGG CCA AAT ATT GAT AAA AAC GAT GAG TAT AGA 1843
Trp His Asp Leu Leu Arg Pro Asn Ile Asp Lys Asn Asp Glu Tyr Arg
490 495 500
TTT TAT CAA ACA CTT GTG GGA AGT TAC GAG GGA TTT GAT AAT AAG GAG 1891
Phe Tyr Gln Thr Leu Val Gly Ser Tyr Glu Gly Phe Asp Asn Lys Glu
505 510 515
AGA ATT AAG AAC CAC ATG ATT AAG GTC ATA AGA GAA GCT AAG GTA CAT 1939
Arg Ile Lys Asn His Met Ile Lys Val Ile Arg Glu Ala Lys Val His
520 525 530 535
ACA ACG TGG GAA AAT CCT AAT ATA GAG TAT GAA AAG AAG GTT CTG GGT 1987
Thr Thr Trp Glu Asn Pro Asn Ile Glu Tyr Glu Lys Lys Val Leu Gly
540 545 550
TTC ATA GAT GAA GTG TTC GAG AAC AGT AAT TTT AGA AAT GAT TTT GAA 2035
Phe Ile Asp Glu Val Phe Glu Asn Ser Asn Phe Arg Asn Asp Phe Glu
555 560 565
AAT TTT GAA AAG AAA ATA GTT TAT TTC GGT TAT ATG AAA TCA TTA ATC 2083
Asn Phe Glu Lys Lys Ile Val Tyr Phe Gly Tyr Met Lys Ser Leu Ile
570 575 580
GCA ACG ACA CTT AGG TTC CTT TCG CCC GGT GTA CCA GAT ATT TAT CAA 2131
Ala Thr Thr Leu Arg Phe Leu Ser Pro Gly Val Pro Asp Ile Tyr Gln
585 590 595
GGA ACT GAA GTT TGG AGA TTC TTA CTT ACA GAC CCA GAT AAC AGA ATG 2179
Gly Thr Glu Val Trp Arg Phe Leu Leu Thr Asp Pro Asp Asn Arg Met
600 605 610 615
CCG GTG GAT TTC AAG AAA CTA AAG GAA TTA TTA AAT AAT TTG ACT GAA 2227
Pro Val Asp Phe Lys Lys Leu Lys Glu Leu Leu Asn Asn Leu Thr Glu
620 625 630
AAG AAC TTA GAA CTC TCA GAT CCA AGA GTC AAA ATG TTA TAT GTT AAG 2275
Lys Asn Leu Glu Leu Ser Asp Pro Arg Val Lys Met Leu Tyr Val Lys
635 640 645
AAA TTG CTA CAG CTT AGA AGA GAG TAC TCA CTA AAC GAT TAT AAA CCA 2323
Lys Leu Leu Gln Leu Arg Arg Glu Tyr Ser Leu Asn Asp Tyr Lys Pro
650 655 660
TTG CCC TTT GGC TTC CAA AGG GGA AAA GTA GCT GTC CTT TTC TCA CCA 2371
Leu Pro Phe Gly Phe Gln Arg Gly Lys Val Ala Val Leu Phe Ser Pro
665 670 675
ATA GTG ACT AGG GAG GTT AAA GAG AAA ATT AGT ATA AGG CAA AAA AGC 2419
Ile Val Thr Arg Glu Val Lys Glu Lys Ile Ser Ile Arg Gln Lys Ser
680 685 690 695
GTT GAT TGG ATC AGA AAT GAG GAA ATT AGT AGT GGA GAA TAC AAT TTA 2467
Val Asp Trp Ile Arg Asn Glu Glu Ile Ser Ser Gly Glu Tyr Asn Leu
700 705 710
AGT GAG TTG ATT GGG AAG CAT AAA GTC GTT ATA TTA ACT GAA AAA AGG 2515
Ser Glu Leu Ile Gly Lys His Lys Val Val Ile Leu Thr Glu Lys Arg
715 720 725
GAG TGAACTACCT ACATAGATTT ATTCTTGAAC TACTCTGGTC AGAAATGTAT 2568
Glu
TACGCAGATC 2578

配列番号:2
配列の長さ:728
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Met Ile Ile Gly Thr Tyr Arg Leu Gln Leu Asn Lys Lys Phe Thr Phe
1 5 10 15
Tyr Asp Ile Ile Glu Asn Leu Asp Tyr Phe Lys Glu Leu Gly Val Ser
20 25 30
His Leu Tyr Leu Ser Pro Ile Leu Lys Ala Arg Pro Gly Ser Thr His
35 40 45
Gly Tyr Asp Val Val Asp His Ser Glu Ile Asn Glu Glu Leu Gly Gly
50 55 60
Glu Glu Gly Cys Phe Lys Leu Val Lys Glu Ala Lys Ser Arg Gly Leu
65 70 75 80
Glu Ile Ile Gln Asp Ile Val Pro Asn His Met Ala Val His His Thr
85 90 95
Asn Trp Arg Leu Met Asp Leu Leu Lys Ser Trp Lys Asn Ser Lys Tyr
100 105 110
Tyr Asn Tyr Phe Asp His Tyr Asp Asp Asp Lys Ile Ile Leu Pro Ile
115 120 125
Leu Glu Asp Glu Leu Asp Thr Val Ile Asp Lys Gly Leu Ile Lys Leu
130 135 140
Gln Lys Asp Asn Ile Glu Tyr Arg Gly Leu Ile Leu Pro Ile Asn Asp
145 150 155 160
Glu Gly Val Glu Phe Leu Lys Arg Ile Asn Cys Phe Asp Asn Ser Cys
165 170 175
Leu Lys Lys Glu Asp Ile Lys Lys Leu Leu Leu Ile Gln Tyr Tyr Gln
180 185 190
Leu Thr Tyr Trp Lys Lys Gly Tyr Pro Asn Tyr Arg Arg Phe Phe Ala
195 200 205
Val Asn Asp Leu Ile Ala Val Arg Val Glu Leu Asp Glu Val Phe Arg
210 215 220
Glu Ser His Glu Ile Ile Ala Lys Leu Pro Val Asp Gly Leu Arg Ile
225 230 235 240
Asp His Ile Asp Gly Leu Tyr Asn Pro Lys Glu Tyr Leu Asp Lys Leu
245 250 255
Arg Gln Leu Val Gly Asn Asp Lys Ile Ile Tyr Val Glu Lys Ile Leu
260 265 270
Ser Ile Asn Glu Lys Leu Arg Asp Asp Trp Lys Val Asp Gly Thr Thr
275 280 285
Gly Tyr Asp Phe Leu Asn Tyr Val Asn Met Leu Leu Val Asp Gly Ser
290 295 300
Gly Glu Glu Glu Leu Thr Lys Phe Tyr Glu Asn Phe Ile Gly Arg Lys
305 310 315 320
Ile Asn Ile Asp Glu Leu Ile Ile Gln Ser Lys Lys Leu Val Ala Asn
325 330 335
Gln Leu Phe Lys Gly Asp Ile Glu Arg Leu Ser Lys Leu Leu Asn Val
340 345 350
Asn Tyr Asp Tyr Leu Val Asp Phe Leu Ala Cys Met Lys Lys Tyr Arg
355 360 365
Thr Tyr Leu Pro Tyr Glu Asp Ile Asn Gly Ile Arg Glu Cys Asp Lys
370 375 380
Glu Gly Lys Leu Lys Asp Glu Lys Gly Ile Met Arg Leu Gln Gln Tyr
385 390 395 400
Met Pro Ala Ile Phe Ala Lys Gly Tyr Glu Asp Thr Thr Leu Phe Ile
405 410 415
Tyr Asn Arg Leu Ile Ser Leu Asn Glu Val Gly Ser Asp Leu Arg Arg
420 425 430
Phe Ser Leu Ser Ile Lys Asp Phe His Asn Phe Asn Leu Ser Arg Val
435 440 445
Asn Thr Ile Ser Met Asn Thr Leu Ser Thr His Asp Thr Lys Phe Ser
450 455 460
Glu Asp Val Arg Ala Arg Ile Ser Val Leu Ser Glu Ile Pro Lys Glu
465 470 475 480
Trp Glu Glu Arg Val Ile Tyr Trp His Asp Leu Leu Arg Pro Asn Ile
485 490 495
Asp Lys Asn Asp Glu Tyr Arg Phe Tyr Gln Thr Leu Val Gly Ser Tyr
500 505 510
Glu Gly Phe Asp Asn Lys Glu Arg Ile Lys Asn His Met Ile Lys Val
515 520 525
Ile Arg Glu Ala Lys Val His Thr Thr Trp Glu Asn Pro Asn Ile Glu
530 535 540
Tyr Glu Lys Lys Val Leu Gly Phe Ile Asp Glu Val Phe Glu Asn Ser
545 550 555 560
Asn Phe Arg Asn Asp Phe Glu Asn Phe Glu Lys Lys Ile Val Tyr Phe
565 570 575
Gly Tyr Met Lys Ser Leu Ile Ala Thr Thr Leu Arg Phe Leu Ser Pro
580 585 590
Gly Val Pro Asp Ile Tyr Gln Gly Thr Glu Val Trp Arg Phe Leu Leu
595 600 605
Thr Asp Pro Asp Asn Arg Met Pro Val Asp Phe Lys Lys Leu Lys Glu
610 615 620
Leu Leu Asn Asn Leu Thr Glu Lys Asn Leu Glu Leu Ser Asp Pro Arg
625 630 635 640
Val Lys Met Leu Tyr Val Lys Lys Leu Leu Gln Leu Arg Arg Glu Tyr
645 650 655
Ser Leu Asn Asp Tyr Lys Pro Leu Pro Phe Gly Phe Gln Arg Gly Lys
660 665 670
Val Ala Val Leu Phe Ser Pro Ile Val Thr Arg Glu Val Lys Glu Lys
675 680 685
Ile Ser Ile Arg Gln Lys Ser Val Asp Trp Ile Arg Asn Glu Glu Ile
690 695 700
Ser Ser Gly Glu Tyr Asn Leu Ser Glu Leu Ile Gly Lys His Lys Val
705 710 715 720
Val Ile Leu Thr Glu Lys Arg Glu
725

配列番号:3
配列の長さ:3467
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC 33909株
配列
GCTAATAAAC TGAACAATGA GGACGGAATG AATGAAAATT ATAGCTGGAA TTGTGGAGTA 60
GAAGGAGAAA CTAACGATTC TAATATTCTT TATTGTAGAG AAAAACAAAG AAGAAATTTT 120
GTAATAACAT TATTTGTTAG CCAAGGTATA CCAATGATCT TAGGGGGAGA CGAAATAGGA 180
AGAACACAAA AAGGCAACAA TAATGCTTTT TGTCAGGATA ATGAGACAAG TTGGTATGAT 240
TGGAACCTTG ATGAAAATCG TGTAAGGTTT CATGATTTTG TGAGGAGACT TACCAATTTT 300
TATAAAGCTC ATCCGATATT TAGGAGGGCT AGATATTTTC AGGGTAAGAA GTTACACGGT 360
TCCCCATTAA AGGATGTGAC GTGGCTAAAA CCTGACGGCA ATGAAGTTGA TGATTCAGTG 420
TGGAAATCTC CAACAAATCA TATTATTTAT ATATTAGAGG GAAGTGCTAT CGATGAAATA 480
AATTATAATG GAGAAAGGAT AGCTGACGAC ACTTTTCTAA TTATTTTGAA TGGAGCAAGT 540
ACTAATCTTA AGATAAAAGT ACCTCATGGA AAATGGGAGT TAGTGTTACA TCCTTATCCA 600
CATGAGCCAT CTAACGATAA AAAGATAATA GAAAACAACA AAGAAGTAGA AATAGATGGA 660
AAGACTGCAC TAATTTACAG GAGGATAGAG TTCCAGTGAT ATCAGCAACC TACAGATTAC 720
AGTTAAATAA GAATTTTAAT TTTGGTGACG TAATCGATAA CCTATGGTAT TTTAAGGATT 780
TAGGAGTTTC CCATCTCTAC CTCTCTCCTG TCTTA ATG GCT TCG CCA GGA AGT AAC 836
Met Ala Ser Pro Gly Ser Asn
1 5
CAT GGG TAC GAT GTA ATA GAT CAT TCA AGG ATA AAC GAT GAA CTT GGA 884
His Gly Tyr Asp Val Ile Asp His Ser Arg Ile Asn Asp Glu Leu Gly
10 15 20
GGA GAG AAA GAA TAC AGG AGA TTA ATA GAG ACA GCT CAT ACT ATT GGA 932
Gly Glu Lys Glu Tyr Arg Arg Leu Ile Glu Thr Ala His Thr Ile Gly
25 30 35
TTA GGT ATT ATA CAG GAC ATA GTA CCA AAT CAC ATG GCT GTA AAT TCT 980
Leu Gly Ile Ile Gln Asp Ile Val Pro Asn His Met Ala Val Asn Ser
40 45 50 55
CTA AAT TGG CGA CTA ATG GAT GTA TTA AAA ATG GGT AAA AAG AGT AAA 1028
Leu Asn Trp Arg Leu Met Asp Val Leu Lys Met Gly Lys Lys Ser Lys
60 65 70
TAT TAT ACG TAC TTT GAC TTT TTC CCA GAA GAT GAT AAG ATA CGA TTA 1076
Tyr Tyr Thr Tyr Phe Asp Phe Phe Pro Glu Asp Asp Lys Ile Arg Leu
75 80 85
CCC ATA TTA GGA GAA GAT TTA GAT ACA GTG ATA AGT AAA GGT TTA TTA 1124
Pro Ile Leu Gly Glu Asp Leu Asp Thr Val Ile Ser Lys Gly Leu Leu
90 95 100
AAG ATA GTA AAA GAT GGA GAT GAA TAT TTC CTA GAA TAT TTC AAA TGG 1172
Lys Ile Val Lys Asp Gly Asp Glu Tyr Phe Leu Glu Tyr Phe Lys Trp
105 110 115
AAA CTT CCT CTA ACA GAG GTT GGA AAT GAT ATA TAC GAC ACT TTA CAA 1220
Lys Leu Pro Leu Thr Glu Val Gly Asn Asp Ile Tyr Asp Thr Leu Gln
120 125 130 135
AAA CAG AAT TAT ACC CTA ATG TCT TGG AAA AAT CCT CCT AGC TAT AGA 1268
Lys Gln Asn Tyr Thr Leu Met Ser Trp Lys Asn Pro Pro Ser Tyr Arg
140 145 150
CGA TTC TTC GAT GTT AAT ACT TTA ATA GGA GTA AAT GTC GAA AAA GAT 1316
Arg Phe Phe Asp Val Asn Thr Leu Ile Gly Val Asn Val Glu Lys Asp
155 160 165
CAC GTA TTT CAA GAG TCC CAT TCA AAG ATC TTA GAT TTA GAT GTT GAT 1364
His Val Phe Gln Glu Ser His Ser Lys Ile Leu Asp Leu Asp Val Asp
170 175 180
GGC TAT AGA ATT GAT CAT ATT GAT GGA TTA TAT GAT CCT GAG AAA TAT 1412
Gly Tyr Arg Ile Asp His Ile Asp Gly Leu Tyr Asp Pro Glu Lys Tyr
185 190 195
ATT AAT GAC CTG AGG TCA ATA ATT AAA AAT AAA ATA ATT ATT GTA GAA 1460
Ile Asn Asp Leu Arg Ser Ile Ile Lys Asn Lys Ile Ile Ile Val Glu
200 205 210 215
AAA ATT CTG GGA TTT CAG GAG GAA TTA AAA TTA AAT TCA GAT GGA ACT 1508
Lys Ile Leu Gly Phe Gln Glu Glu Leu Lys Leu Asn Ser Asp Gly Thr
220 225 230
ACA GGA TAT GAC TTC TTA AAT TAC TCC AAC TTA CTG TTT AAT TTT AAT 1556
Thr Gly Tyr Asp Phe Leu Asn Tyr Ser Asn Leu Leu Phe Asn Phe Asn
235 240 245
CAA GAG ATA ATG GAC AGT ATA TAT GAG AAT TTC ACA GCG GAG AAA ATA 1604
Gln Glu Ile Met Asp Ser Ile Tyr Glu Asn Phe Thr Ala Glu Lys Ile
250 255 260
TCT ATA AGT GAA AGT ATA AAG AAA ATA AAA GCG CAA ATA ATT GAT GAG 1652
Ser Ile Ser Glu Ser Ile Lys Lys Ile Lys Ala Gln Ile Ile Asp Glu
265 270 275
CTA TTT AGT TAT GAA GTT AAA AGA TTA GCA TCA CAA CTA GGA ATT AGC 1700
Leu Phe Ser Tyr Glu Val Lys Arg Leu Ala Ser Gln Leu Gly Ile Ser
280 285 290 295
TAC GAT ATA TTG AGA GAT TAC CTT TCT TGT ATA GAT GTG TAC AGA ACT 1748
Tyr Asp Ile Leu Arg Asp Tyr Leu Ser Cys Ile Asp Val Tyr Arg Thr
300 305 310
TAT GCT AAT CAG ATT GTA AAA GAG TGT GAT AAG ACC AAT GAG ATA GAG 1796
Tyr Ala Asn Gln Ile Val Lys Glu Cys Asp Lys Thr Asn Glu Ile Glu
315 320 325
GAA GCA ACC AAA AGA AAT CCA GAG GCT TAT ACT AAA TTA CAA CAA TAT 1844
Glu Ala Thr Lys Arg Asn Pro Glu Ala Tyr Thr Lys Leu Gln Gln Tyr
330 335 340
ATG CCA GCA GTA TAC GCT AAA GCT TAT GAA GAT ACT TTC CTC TTT AGA 1892
Met Pro Ala Val Tyr Ala Lys Ala Tyr Glu Asp Thr Phe Leu Phe Arg
345 350 355
TAC AAT AGA TTA ATA TCC ATA AAT GAG GTT GGA AGC GAT TTA CGA TAT 1940
Tyr Asn Arg Leu Ile Ser Ile Asn Glu Val Gly Ser Asp Leu Arg Tyr
360 365 370 375
TAT AAG ATA TCG CCT GAT CAG TTT CAT GTA TTT AAT CAA AAA CGA AGA 1988
Tyr Lys Ile Ser Pro Asp Gln Phe His Val Phe Asn Gln Lys Arg Arg
380 385 390
GGA AAA ATC ACA CTA AAT GCC ACT AGC ACA CAT GAT ACT AAG TTT AGT 2036
Gly Lys Ile Thr Leu Asn Ala Thr Ser Thr His Asp Thr Lys Phe Ser
395 400 405
GAA GAT GTA AGG ATG AAA ATA AGT GTA TTA AGT GAA TTT CCT GAA GAA 2084
Glu Asp Val Arg Met Lys Ile Ser Val Leu Ser Glu Phe Pro Glu Glu
410 415 420
TGG AAA AAT AAG GTC GAG GAA TGG CAT AGT ATC ATA AAT CCA AAG GTA 2132
Trp Lys Asn Lys Val Glu Glu Trp His Ser Ile Ile Asn Pro Lys Val
425 430 435
TCA AGA AAT GAT GAA TAT AGA TAT TAT CAG GTT TTA GTG GGA AGT TTT 2180
Ser Arg Asn Asp Glu Tyr Arg Tyr Tyr Gln Val Leu Val Gly Ser Phe
440 445 450 455
TAT GAG GGA TTC TCT AAT GAT TTT AAG GAG AGA ATA AAG CAA CAT ATG 2228
Tyr Glu Gly Phe Ser Asn Asp Phe Lys Glu Arg Ile Lys Gln His Met
460 465 470
ATA AAA AGT GTC AGA GAA GCT AAG ATA AAT ACC TCA TGG AGA AAT CAA 2276
Ile Lys Ser Val Arg Glu Ala Lys Ile Asn Thr Ser Trp Arg Asn Gln
475 480 485
AAT AAA GAA TAT GAA AAT AGA GTA ATG GAA TTA GTG GAA GAA ACT TTT 2324
Asn Lys Glu Tyr Glu Asn Arg Val Met Glu Leu Val Glu Glu Thr Phe
490 495 500
ACC AAT AAG GAT TTC ATT AAA AGT TTC ATG AAA TTT GAA AGT AAG ATA 2372
Thr Asn Lys Asp Phe Ile Lys Ser Phe Met Lys Phe Glu Ser Lys Ile
505 510 515
AGA AGG ATA GGG ATG ATT AAG AGC TTA TCC TTG GTC GCA TTA AAA ATT 2420
Arg Arg Ile Gly Met Ile Lys Ser Leu Ser Leu Val Ala Leu Lys Ile
520 525 530 535
ATG TCA GCC GGT ATA CCT GAT TTT TAT CAG GGA ACA GAA ATA TGG CGA 2468
Met Ser Ala Gly Ile Pro Asp Phe Tyr Gln Gly Thr Glu Ile Trp Arg
540 545 550
TAT TTA CTT ACA GAT CCA GAT AAC AGA GTC CCA GTG GAT TTT AAG AAA 2516
Tyr Leu Leu Thr Asp Pro Asp Asn Arg Val Pro Val Asp Phe Lys Lys
555 560 565
TTA CAC GAA ATA TTA GAA AAA TCC AAA AAA TTT GAA AAA AAT ATG TTA 2564
Leu His Glu Ile Leu Glu Lys Ser Lys Lys Phe Glu Lys Asn Met Leu
570 575 580
GAG TCT ATG GAC GAT GGA AGA ATT AAG ATG TAT TTA ACA TAT AAG CTT 2612
Glu Ser Met Asp Asp Gly Arg Ile Lys Met Tyr Leu Thr Tyr Lys Leu
585 590 595
TTA TCC CTA AGA AAA CAG TTG GCT GAG GAT TTT TTA AAG GGC GAG TAT 2660
Leu Ser Leu Arg Lys Gln Leu Ala Glu Asp Phe Leu Lys Gly Glu Tyr
600 605 610 615
AAG GGA TTA GAT CTA GAA GAA GGA CTA TGT GGG TTT ATT AGG TTT AAC 2708
Lys Gly Leu Asp Leu Glu Glu Gly Leu Cys Gly Phe Ile Arg Phe Asn
620 625 630
AAA ATT TTG GTA ATA ATA AAA ACC AAG GGA AGT GTT AAT TAC AAA CTG 2756
Lys Ile Leu Val Ile Ile Lys Thr Lys Gly Ser Val Asn Tyr Lys Leu
635 640 645
AAA CTT GAA GAG GGA GCA ATT TAC ACA GAT GTA TTG ACA GGA GAA GAA 2804
Lys Leu Glu Glu Gly Ala Ile Tyr Thr Asp Val Leu Thr Gly Glu Glu
650 655 660
ATT AAA AAA GAG GTA CAG ATT AAT GAG CTA CCT AGG ATA CTA GTT AGA 2852
Ile Lys Lys Glu Val Gln Ile Asn Glu Leu Pro Arg Ile Leu Val Arg
665 670 675
ATG TAAGTTATAA TAATCCGATT TTTATGTGAC AAGATTTACG CTTACGAAAA 2905
Met
680
GGACTGTTAA ATCAACTTTT ATGTGAATTA TGAAACGTAA ATTATAAGTT TCCTGAGGAT 2965
AAACATATAT ATCTCTATCT CTCATTGATA TCACATGAGT ATTAGATTAA GGGGAAGTAA 3025
TTCTTACGGA CATTCAGGCT GGTTTACAGT ATACTGTAGA ATATGTAATA GGAAAATAAG 3085
AATAGGAACG GACTTAGTCT ACAAATGCCC TAAATGTGAA AAGAAGTATA ACGCATTCTT 3145
CTGTGAAGCA GATGCTAGGG GATTAAAGAA AAAGTGCCCA TACTGTGGTA CTGAACTTGT 3205
CAGTGCAATT TAAGACTCAA ATAGAAGGTA AAAATATTTT TATACTGAAT AATGAGTTGT 3265
TTTACGCTGA TACGGATATA GTTATTCGAA ATCAAGATTT TATTAAGAAA CTCACCTTTA 3325
CACAATATAA TAAGATTGCC TATATTGACA TGGACATAGA AACGACAGAA TTTAAGATAT 3385
TAAGATTAGT AGTGTGTAAA ACTAGAATAA ATATTTATGT TTGCAACGTA ATTGGTAAAT 3445
TGAAAGAAAC TAATTTTGAA AA 3467

配列番号:4
配列の長さ:680
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源
生物:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC 33909株
配列
Met Ala Ser Pro Gly Ser Asn His Gly Tyr Asp Val Ile Asp His Ser
1 5 10 15
Arg Ile Asn Asp Glu Leu Gly Gly Glu Lys Glu Tyr Arg Arg Leu Ile
20 25 30
Glu Thr Ala His Thr Ile Gly Leu Gly Ile Ile Gln Asp Ile Val Pro
35 40 45
Asn His Met Ala Val Asn Ser Leu Asn Trp Arg Leu Met Asp Val Leu
50 55 60
Lys Met Gly Lys Lys Ser Lys Tyr Tyr Thr Tyr Phe Asp Phe Phe Pro
65 70 75 80
Glu Asp Asp Lys Ile Arg Leu Pro Ile Leu Gly Glu Asp Leu Asp Thr
85 90 95
Val Ile Ser Lys Gly Leu Leu Lys Ile Val Lys Asp Gly Asp Glu Tyr
100 105 110
Phe Leu Glu Tyr Phe Lys Trp Lys Leu Pro Leu Thr Glu Val Gly Asn
115 120 125
Asp Ile Tyr Asp Thr Leu Gln Lys Gln Asn Tyr Thr Leu Met Ser Trp
130 135 140
Lys Asn Pro Pro Ser Tyr Arg Arg Phe Phe Asp Val Asn Thr Leu Ile
145 150 155 160
Gly Val Asn Val Glu Lys Asp His Val Phe Gln Glu Ser His Ser Lys
165 170 175
Ile Leu Asp Leu Asp Val Asp Gly Tyr Arg Ile Asp His Ile Asp Gly
180 185 190
Leu Tyr Asp Pro Glu Lys Tyr Ile Asn Asp Leu Arg Ser Ile Ile Lys
195 200 205
Asn Lys Ile Ile Ile Val Glu Lys Ile Leu Gly Phe Gln Glu Glu Leu
210 215 220
Lys Leu Asn Ser Asp Gly Thr Thr Gly Tyr Asp Phe Leu Asn Tyr Ser
225 230 235 240
Asn Leu Leu Phe Asn Phe Asn Gln Glu Ile Met Asp Ser Ile Tyr Glu
245 250 255
Asn Phe Thr Ala Glu Lys Ile Ser Ile Ser Glu Ser Ile Lys Lys Ile
260 265 270
Lys Ala Gln Ile Ile Asp Glu Leu Phe Ser Tyr Glu Val Lys Arg Leu
275 280 285
Ala Ser Gln Leu Gly Ile Ser Tyr Asp Ile Leu Arg Asp Tyr Leu Ser
290 295 300
Cys Ile Asp Val Tyr Arg Thr Tyr Ala Asn Gln Ile Val Lys Glu Cys
305 310 315 320
Asp Lys Thr Asn Glu Ile Glu Glu Ala Thr Lys Arg Asn Pro Glu Ala
325 330 335
Tyr Thr Lys Leu Gln Gln Tyr Met Pro Ala Val Tyr Ala Lys Ala Tyr
340 345 350
Glu Asp Thr Phe Leu Phe Arg Tyr Asn Arg Leu Ile Ser Ile Asn Glu
355 360 365
Val Gly Ser Asp Leu Arg Tyr Tyr Lys Ile Ser Pro Asp Gln Phe His
370 375 380
Val Phe Asn Gln Lys Arg Arg Gly Lys Ile Thr Leu Asn Ala Thr Ser
385 390 395 400
Thr His Asp Thr Lys Phe Ser Glu Asp Val Arg Met Lys Ile Ser Val
405 410 415
Leu Ser Glu Phe Pro Glu Glu Trp Lys Asn Lys Val Glu Glu Trp His
420 425 430
Ser Ile Ile Asn Pro Lys Val Ser Arg Asn Asp Glu Tyr Arg Tyr Tyr
435 440 445
Gln Val Leu Val Gly Ser Phe Tyr Glu Gly Phe Ser Asn Asp Phe Lys
450 455 460
Glu Arg Ile Lys Gln His Met Ile Lys Ser Val Arg Glu Ala Lys Ile
465 470 475 480
Asn Thr Ser Trp Arg Asn Gln Asn Lys Glu Tyr Glu Asn Arg Val Met
485 490 495
Glu Leu Val Glu Glu Thr Phe Thr Asn Lys Asp Phe Ile Lys Ser Phe
500 505 510
Met Lys Phe Glu Ser Lys Ile Arg Arg Ile Gly Met Ile Lys Ser Leu
515 520 525
Ser Leu Val Ala Leu Lys Ile Met Ser Ala Gly Ile Pro Asp Phe Tyr
530 535 540
Gln Gly Thr Glu Ile Trp Arg Tyr Leu Leu Thr Asp Pro Asp Asn Arg
545 550 555 560
Val Pro Val Asp Phe Lys Lys Leu His Glu Ile Leu Glu Lys Ser Lys
565 570 575
Lys Phe Glu Lys Asn Met Leu Glu Ser Met Asp Asp Gly Arg Ile Lys
580 585 590
Met Tyr Leu Thr Tyr Lys Leu Leu Ser Leu Arg Lys Gln Leu Ala Glu
595 600 605
Asp Phe Leu Lys Gly Glu Tyr Lys Gly Leu Asp Leu Glu Glu Gly Leu
610 615 620
Cys Gly Phe Ile Arg Phe Asn Lys Ile Leu Val Ile Ile Lys Thr Lys
625 630 635 640
Gly Ser Val Asn Tyr Lys Leu Lys Leu Glu Glu Gly Ala Ile Tyr Thr
645 650 655
Asp Val Leu Thr Gly Glu Glu Ile Lys Lys Glu Val Gln Ile Asn Glu
660 665 670
Leu Pro Arg Ile Leu Val Arg Met
675 680

配列番号:5
配列の長さ:2691
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
CTGCAGTAAC TAGCGCTATC GAAGACGTTA TAAAGAGAAG GATAAATAGA GTTCCAGTGA 60
GTCTAGAAGA CCTTTTTGAA TAAGGACTTT AATATCATTT AAATTTATTT TTTGGAACAT 120
GCAGAGGTAA ACCCATGAAT GTCATTTTCG ACGTATTAAA CGAGATCCAT GGGTTTTTTG 180
GTGCATTGTG GGCGGGAGCA GCTCTACTTA ACTACTTAGT TAAGCCTCAA GATAAGAGGC 240
AATTTGAGAG AATAGGGAAA TTCTTCATGA TAAACTCAGT CATTACAGTA ATAACTGGGA 300
TAATAATTTT CGCCTACATT TACCTAGCCC CTTATCAAGG GAATTTATTT CTAGTAGCGG 360
CAATTCTACG TTCAAGCCTT GACATTAGGT TAAGGGCCTT ACTAAACTTA ATAGGAGGAG 420
CGTTTGGGTT ATTGGCTTTT GGGGCAGGGA TAGTTATAAG CAATAGGATA AGGCTTATGG 480
TACGTGTTAA GGAAGGTGAC GCTACAATCC TAGAGTTGAG GAATAGTATT GCCAATTTAT 540
CTAAAATTAG TTTAATCTTC TTATTACTTT CCTTAGCCAT GATGATACTT GCTGGTTCCA 600
TAGCACAAGT TATAAGTTAG AGTTGAAAGA AAAATTTA ATG ACG TTT GCT TAT AAA 656
Met Thr Phe Ala Tyr Lys
0 1 5
ATA GAT GGA AAT GAG GTA ATC TTT ACC TTA TGG GCA CCT TAT CAA AAG 704
Ile Asp Gly Asn Glu Val Ile Phe Thr Leu Trp Ala Pro Tyr Gln Lys
10 15 20
AGC GTT AAA CTA AAG GTT CTA GAG AAG GGA CTT TAC GAA ATG GAA AGA 752
Ser Val Lys Leu Lys Val Leu Glu Lys Gly Leu Tyr Glu Met Glu Arg
25 30 35
GAT GAA AAA GGT TAC TTC ACC ATT ACC TTA AAC AAC GTA AAG GTT AGA 800
Asp Glu Lys Gly Tyr Phe Thr Ile Thr Leu Asn Asn Val Lys Val Arg
40 45 50
GAT AGG TAT AAA TAC GTT TTA GAT GAT GCT AGT GAA ATA CCA GAT CCA 848
Asp Arg Tyr Lys Tyr Val Leu Asp Asp Ala Ser Glu Ile Pro Asp Pro
55 60 65
GCA TCC AGA TAC CAA CCA GAA GGT GTA CAT GGG CCT TCA CAA ATT ATA 896
Ala Ser Arg Tyr Gln Pro Glu Gly Val His Gly Pro Ser Gln Ile Ile
70 75 80 85
CAA GAA AGT AAA GAG TTC AAC AAC GAG ACT TTT CTG AAG AAA GAG GAC 944
Gln Glu Ser Lys Glu Phe Asn Asn Glu Thr Phe Leu Lys Lys Glu Asp
90 95 100
TTG ATA ATT TAT GAA ATA CAC GTG GGG ACT TTC ACT CCA GAG GGA ACG 992
Leu Ile Ile Tyr Glu Ile His Val Gly Thr Phe Thr Pro Glu Gly Thr
105 110 115
TTT GAG GGA GTG ATA AGG AAA CTT GAC TAC TTA AAG GAT TTG GGA ATT 1040
Phe Glu Gly Val Ile Arg Lys Leu Asp Tyr Leu Lys Asp Leu Gly Ile
120 125 130
ACG GCA ATA GAG ATA ATG CCA ATA GCT CAA TTT CCT GGG AAA AGG GAT 1088
Thr Ala Ile Glu Ile Met Pro Ile Ala Gln Phe Pro Gly Lys Arg Asp
135 140 145
TGG GGT TAT GAT GGA GTT TAT TTA TAT GCA GTA CAG AAC TCT TAC GGA 1136
Trp Gly Tyr Asp Gly Val Tyr Leu Tyr Ala Val Gln Asn Ser Tyr Gly
150 155 160 165
GGG CCA GAA GGT TTT AGA AAG TTA GTT GAT GAA GCG CAC AAG AAA GGT 1184
Gly Pro Glu Gly Phe Arg Lys Leu Val Asp Glu Ala His Lys Lys Gly
170 175 180
TTA GGA GTT ATT TTA GAC GTA GTA TAC AAC CAC GTT GGA CCA GAG GGA 1232
Leu Gly Val Ile Leu Asp Val Val Tyr Asn His Val Gly Pro Glu Gly
185 190 195
AAC TAT ATG GTT AAA TTG GGG CCA TAT TTC TCA CAG AAA TAC AAA ACG 1280
Asn Tyr Met Val Lys Leu Gly Pro Tyr Phe Ser Gln Lys Tyr Lys Thr
200 205 210
CCA TGG GGA TTA ACC TTT AAC TTT GAC GAT GCT GAA AGC GAT GAG GTT 1328
Pro Trp Gly Leu Thr Phe Asn Phe Asp Asp Ala Glu Ser Asp Glu Val
215 220 225
AGG AAG TTC ATC TTA GAA AAC GTT GAG TAC TGG ATT AAG GAA TAT AAC 1376
Arg Lys Phe Ile Leu Glu Asn Val Glu Tyr Trp Ile Lys Glu Tyr Asn
230 235 240 245
GTT GAT GGG TTT AGA TTA GAT GCG GTT CAT GCA ATT ATT GAC ACT TCT 1424
Val Asp Gly Phe Arg Leu Asp Ala Val His Ala Ile Ile Asp Thr Ser
250 255 260
CCT AAG CAC ATC TTG GAG GAA ATA GCT GAC GTT GTG CAT AAG TAT AAT 1472
Pro Lys His Ile Leu Glu Glu Ile Ala Asp Val Val His Lys Tyr Asn
265 270 275
AGG ATT GTC ATA GCC GAA AGT GAT TTA AAC GAT CCT AGA GTC GTT AAT 1520
Arg Ile Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu Asn Asp Pro Arg Val Val Asn
280 285 290
CCC AAG GAA AAG TGT GGA TAT AAT ATT GAT GCT CAA TGG GTT GAC GAT 1568
Pro Lys Glu Lys Cys Gly Tyr Asn Ile Asp Ala Gln Trp Val Asp Asp
295 300 305
TTC CAT CAT TCT ATT CAC GCT TAC TTA ACT GGT GAG AGG CAA GGC TAT 1616
Phe His His Ser Ile His Ala Tyr Leu Thr Gly Glu Arg Gln Gly Tyr
310 315 320 325
TAT ACG GAT TTC GGT AAC CTT GAC GAT ATA GTT AAA TCG TAT AAG GAC 1664
Tyr Thr Asp Phe Gly Asn Leu Asp Asp Ile Val Lys Ser Tyr Lys Asp
330 335 340
GTT TTC GTA TAT GAT GGT AAG TAC TCC AAT TTT AGA AGA AAA ACT CAC 1712
Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys Tyr Ser Asn Phe Arg Arg Lys Thr His
345 350 355
GGA GAA CCA GTT GGT GAA CTA GAC GGA TGC AAT TTC GTA GTT TAT ATA 1760
Gly Glu Pro Val Gly Glu Leu Asp Gly Cys Asn Phe Val Val Tyr Ile
360 365 370
CAA AAT CAC GAT CAA GTC GGA AAT AGA GGC AAA GGT GAA AGA ATA ATT 1808
Gln Asn His Asp Gln Val Gly Asn Arg Gly Lys Gly Glu Arg Ile Ile
375 380 385
AAA TTA GTC GAT AGG GAA AGC TAC AAG ATC GCT GCA GCC CTT TAC CTT 1856
Lys Leu Val Asp Arg Glu Ser Tyr Lys Ile Ala Ala Ala Leu Tyr Leu
390 395 400 405
CTT TCC CCC TAT ATT CCA ATG ATT TTC ATG GGA GAG GAA TAC GGT GAG 1904
Leu Ser Pro Tyr Ile Pro Met Ile Phe Met Gly Glu Glu Tyr Gly Glu
410 415 420
GAA AAT CCC TTT TAT TTC TTT TCT GAT TTT TCA GAT TCA AAA CTG ATA 1952
Glu Asn Pro Phe Tyr Phe Phe Ser Asp Phe Ser Asp Ser Lys Leu Ile
425 430 435
CAA GGT GTA AGG GAA GGG AGA AAA AAG GAA AAC GGG CAA GAT ACT GAC 2000
Gln Gly Val Arg Glu Gly Arg Lys Lys Glu Asn Gly Gln Asp Thr Asp
440 445 450
CCT CAA GAT GAA TCA ACT TTT AAC GCT TCC AAA CTG AGT TGG AAG ATT 2048
Pro Gln Asp Glu Ser Thr Phe Asn Ala Ser Lys Leu Ser Trp Lys Ile
455 460 465
GAC GAG GAA ATC TTT TCA TTT TAC AAG ATT TTA ATA AAA ATG AGA AAG 2096
Asp Glu Glu Ile Phe Ser Phe Tyr Lys Ile Leu Ile Lys Met Arg Lys
470 475 480 485
GAG TTG AGC ATA GCG TGT GAT AGG AGA GTA AAC GTC GTG AAT GGC GAA 2144
Glu Leu Ser Ile Ala Cys Asp Arg Arg Val Asn Val Val Asn Gly Glu
490 495 500
AAT TGG TTG ATC ATC AAG GGA AGA GAA TAC TTT TCA CTC TAC GTT TTC 2192
Asn Trp Leu Ile Ile Lys Gly Arg Glu Tyr Phe Ser Leu Tyr Val Phe
505 510 515
TCT AAA TCA TCT ATT GAA GTT AAG TAC AGT GGA ACT TTA CTT TTG TCC 2240
Ser Lys Ser Ser Ile Glu Val Lys Tyr Ser Gly Thr Leu Leu Leu Ser
520 525 530
TCA AAT AAT TCA TTC CCT CAG CAT ATT GAA GAA GGT AAA TAT GAG TTT 2288
Ser Asn Asn Ser Phe Pro Gln His Ile Glu Glu Gly Lys Tyr Glu Phe
535 540 545
GAT AAG GGA TTT GCT TTA TAT AAA CTT TAGGACA GGAGAGTTTA AAAATTTCTA 2342
Asp Lys Gly Phe Ala Leu Tyr Lys Leu
550 555
TGAATGATTA TACTTTAGAT GATGAGTAAA AGCAAGATCG ATGAGGAAGA GAAAAGGAGA 2402
AGAGAAGAAG TCAAAAAGTT AGTAATGCTC TTAGCAATGT TAAGATAATG TTTTTTTAAA 2462
CTCAAATAAT AATAAATACC ATCATGTCAA TATTCTTCAG AACTAGAGAT AGACCTTTAC 2522
GTCCCGGAGA TCCGTATCCA TTAGGTTCAA ATTGGATAGA AGATGAGGAT GGCGTAAATT 2582
TTTCCTTGTT CTCAGAGAAT GCAGACAAAG TGGAGTTGAT TCTTTATTCA CAAACAAATC 2642
AAAAGTATCC AAAGGAGATA ATAGAGGTTA AGAATAGAAC GGGGGATCC 2691

配列番号:6
配列の長さ:558
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Thr Phe Ala Tyr Lys Ile Asp Gly Asn Glu Val Ile Phe Thr Leu Trp
1 5 10 15
Ala Pro Tyr Gln Lys Ser Val Lys Leu Lys Val Leu Glu Lys Gly Leu
20 25 30
Tyr Glu Met Glu Arg Asp Glu Lys Gly Tyr Phe Thr Ile Thr Leu Asn
35 40 45
Asn Val Lys Val Arg Asp Arg Tyr Lys Tyr Val Leu Asp Asp Ala Ser
50 55 60
Glu Ile Pro Asp Pro Ala Ser Arg Tyr Gln Pro Glu Gly Val His Gly
65 70 75 80
Pro Ser Gln Ile Ile Gln Glu Ser Lys Glu Phe Asn Asn Glu Thr Phe
85 90 95
Leu Lys Lys Glu Asp Leu Ile Ile Tyr Glu Ile His Val Gly Thr Phe
100 105 110
Thr Pro Glu Gly Thr Phe Glu Gly Val Ile Arg Lys Leu Asp Tyr Leu
115 120 125
Lys Asp Leu Gly Ile Thr Ala Ile Glu Ile Met Pro Ile Ala Gln Phe
130 135 140
Pro Gly Lys Arg Asp Trp Gly Tyr Asp Gly Val Tyr Leu Tyr Ala Val
145 150 155 160
Gln Asn Ser Tyr Gly Gly Pro Glu Gly Phe Arg Lys Leu Val Asp Glu
165 170 175
Ala His Lys Lys Gly Leu Gly Val Ile Leu Asp Val Val Tyr Asn His
180 185 190
Val Gly Pro Glu Gly Asn Tyr Met Val Lys Leu Gly Pro Tyr Phe Ser
195 200 205
Gln Lys Tyr Lys Thr Pro Trp Gly Leu Thr Phe Asn Phe Asp Asp Ala
210 215 220
Glu Ser Asp Glu Val Arg Lys Phe Ile Leu Glu Asn Val Glu Tyr Trp
225 230 235 240
Ile Lys Glu Tyr Asn Val Asp Gly Phe Arg Leu Asp Ala Val His Ala
245 250 255
Ile Ile Asp Thr Ser Pro Lys His Ile Leu Glu Glu Ile Ala Asp Val
260 265 270
Val His Lys Tyr Asn Arg Ile Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu Asn Asp
275 280 285
Pro Arg Val Val Asn Pro Lys Glu Lys Cys Gly Tyr Asn Ile Asp Ala
290 295 300
Gln Trp Val Asp Asp Phe His His Ser Ile His Ala Tyr Leu Thr Gly
305 310 315 320
Glu Arg Gln Gly Tyr Tyr Thr Asp Phe Gly Asn Leu Asp Asp Ile Val
325 330 335
Lys Ser Tyr Lys Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys Tyr Ser Asn Phe
340 345 350
Arg Arg Lys Thr His Gly Glu Pro Val Gly Glu Leu Asp Gly Cys Asn
355 360 365
Phe Val Val Tyr Ile Gln Asn His Asp Gln Val Gly Asn Arg Gly Lys
370 375 380
Gly Glu Arg Ile Ile Lys Leu Val Asp Arg Glu Ser Tyr Lys Ile Ala
385 390 395 400
Ala Ala Leu Tyr Leu Leu Ser Pro Tyr Ile Pro Met Ile Phe Met Gly
405 410 415
Glu Glu Tyr Gly Glu Glu Asn Pro Phe Tyr Phe Phe Ser Asp Phe Ser
420 425 430
Asp Ser Lys Leu Ile Gln Gly Val Arg Glu Gly Arg Lys Lys Glu Asn
435 440 445
Gly Gln Asp Thr Asp Pro Gln Asp Glu Ser Thr Phe Asn Ala Ser Lys
450 455 460
Leu Ser Trp Lys Ile Asp Glu Glu Ile Phe Ser Phe Tyr Lys Ile Leu
465 470 475 480
Ile Lys Met Arg Lys Glu Leu Ser Ile Ala Cys Asp Arg Arg Val Asn
485 490 495
Val Val Asn Gly Glu Asn Trp Leu Ile Ile Lys Gly Arg Glu Tyr Phe
500 505 510
Ser Leu Tyr Val Phe Ser Lys Ser Ser Ile Glu Val Lys Tyr Ser Gly
515 520 525
Thr Leu Leu Leu Ser Ser Asn Asn Ser Phe Pro Gln His Ile Glu Glu
530 535 540
Gly Lys Tyr Glu Phe Asp Lys Gly Phe Ala Leu Tyr Lys Leu
545 550 555

配列番号:7
配列の長さ:3600
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
ATTCGTTTTG AGTCACTCGG CGTAGGTCTG TAGTCTTTCT TGGCGAGGGC TAATAAGTTG 60
AGATAATGCT TGCCAAGAAT CGAAGAAGGC GTCCTGCCCT GCATGAAATC GATTACCTCG 120
GCACTAACTC CGAGCTCCGC GAGTTTAGTA GTCACGAATT TGCGTACATA TTTCGGCGCT 180
ATCCCTTTCT CATGCAATAA ATTCTTCGCG TAGTTGTACG TTATATCAGT CTTAGCTATA 240
GACGAAATGT GAAAGACATA GAACACTTTC TTTGGCCCTC TAGTCCAGTT GAGCGTGTAT 300
ACGTAGAAGC CGTCCTCTTT CACGTTGTTC TTCTCGTCAT ACTCATTGAG AACCTTTACA 360
GCCTCCCTAA GCCTTATACC GCTCTCAAGG AGGAGCTTGA AGACTAGCTC TACCTCAATA 420
CCTCTAACAG CCTCCAACCA CCTCCCTATC TCGTCAGCTC CTGGAACCTT AAGATCAACA 480
CCAGACTTTT TCGTTTTCAG CTTTTTCCAT GCCTCAAGAT CCCCTTTCCA CTTGTAGAAC 540
TTCTTCCAGG CTAGGATAGA GTTCTTAGCA TTACTAGGGG GCTTCTTCAG ATAATTGATA 600
TACTGCCTGC AAGTTTCCTC ACTGGCCATT TTCAAACAAT ATTCATAAAA TTCAATTAAT 660
TCCTTTTCCG TGAGACCATT TTTGCCCTCC CTAGAAGTAA GGGAGTTTAG GGCAAATCCC 720
TTACTCTCTT CATCATTTGA AAGAGGGGTT TTAGGGGATT CCTCCCCTAA CCAGGGCTTT 780
GGCCCCTGGG ACCAGGGTTC GAGTCCCTGC CCGGCTACCT TTGAAAGGTT AGGGGGATAC 840
ACCCTAATAC CCCACTTCTA TCTTACAATT TCAGGTAAGT CTTTACTAGG TCAACTAAAG 900
CACCAACGTA AGTCTCCTTC GTCTTACCAC CTTGACTCTT CTTGATAAAG TAAACATAAT 960
ATCATCCATA GACTTACCTT ATTCTTATAT TACCATATGA TTTTATTATT TTGTATTTCT 1020
ATTAGATAAG TCCCACTCAT AGAACAAATG ATGGTTTTAA CTTATATACT AAATACTCTA 1080
ATAACTCAAC AATAATAAGA ATTTAATCAG TTCTGATAAG TATTTTCACT CGAAAACATT 1140
TAAATATATT AAGACATAAT TTCTATTTAA ACAGC ATG TTT TCG TTC GGT GGA AAT 1196
Met Phe Ser Phe Gly Gly Asn
1 5
ATT GAA AAA AAT AAA GGT ATC TTT AAG TTA TGG GCA CCT TAT GTT AAT 1244
Ile Glu Lys Asn Lys Gly Ile Phe Lys Leu Trp Ala Pro Tyr Val Asn
10 15 20
AGT GTT AAG CTG AAG TTA AGC AAA AAA CTT ATT CCA ATG GAA AAA AAC 1292
Ser Val Lys Leu Lys Leu Ser Lys Lys Leu Ile Pro Met Glu Lys Asn
25 30 35
GAT GAG GGA TTT TTC GAA GTA GAA ATA GAC GAT ATC GAG GAA AAT TTA 1340
Asp Glu Gly Phe Phe Glu Val Glu Ile Asp Asp Ile Glu Glu Asn Leu
40 45 50 55
ACC TAT TCT TAT ATT ATA GAA GAT AAG AGA GAG ATA CCT GAT CCC GCA 1388
Thr Tyr Ser Tyr Ile Ile Glu Asp Lys Arg Glu Ile Pro Asp Pro Ala
60 65 70
TCA CGA TAT CAA CCT TTA GGA GTT CAT GAC AAA TCA CAA CTT ATA AGA 1436
Ser Arg Tyr Gln Pro Leu Gly Val His Asp Lys Ser Gln Leu Ile Arg
75 80 85
ACA GAT TAT CAG ATT CTT GAC CTT GGA AAA GTA AAA ATA GAA GAT CTA 1484
Thr Asp Tyr Gln Ile Leu Asp Leu Gly Lys Val Lys Ile Glu Asp Leu
90 95 100
ATA ATA TAT GAA CTC CAC GTT GGT ACT TTT TCC CAA GAA GGA AAT TTC 1532
Ile Ile Tyr Glu Leu His Val Gly Thr Phe Ser Gln Glu Gly Asn Phe
105 110 115
AAA GGA GTA ATA GAA AAG TTA GAT TAC CTC AAG GAT CTA GGA ATC ACA 1580
Lys Gly Val Ile Glu Lys Leu Asp Tyr Leu Lys Asp Leu Gly Ile Thr
120 125 130 135
GGA ATT GAA CTG ATG CCT GTG GCA CAA TTT CCA GGG AAT AGA GAT TGG 1628
Gly Ile Glu Leu Met Pro Val Ala Gln Phe Pro Gly Asn Arg Asp Trp
140 145 150
GGA TAC GAT GGT GTT TTT CTA TAC GCA GTT CAA AAT ACT TAT GGC GGA 1676
Gly Tyr Asp Gly Val Phe Leu Tyr Ala Val Gln Asn Thr Tyr Gly Gly
155 160 165
CCA TGG GAA TTG GCT AAG CTA GTA AAC GAG GCA CAT AAA AGG GGA ATA 1724
Pro Trp Glu Leu Ala Lys Leu Val Asn Glu Ala His Lys Arg Gly Ile
170 175 180
GCC GTA ATT TTG GAT GTT GTA TAT AAT CAT ATA GGT CCT GAG GGA AAT 1772
Ala Val Ile Leu Asp Val Val Tyr Asn His Ile Gly Pro Glu Gly Asn
185 190 195
TAC CTT TTA GGA TTA GGT CCT TAT TTT TCA GAC AGA TAT AAA ACT CCA 1820
Tyr Leu Leu Gly Leu Gly Pro Tyr Phe Ser Asp Arg Tyr Lys Thr Pro
200 205 210 215
TGG GGA TTA ACA TTT AAT TTT GAT GAT AGG GGA TGT GAT CAA GTT AGA 1868
Trp Gly Leu Thr Phe Asn Phe Asp Asp Arg Gly Cys Asp Gln Val Arg
220 225 230
AAA TTC ATT TTA GAA AAT GTC GAG TAT TGG TTT AAG ACC TTT AAA ATC 1916
Lys Phe Ile Leu Glu Asn Val Glu Tyr Trp Phe Lys Thr Phe Lys Ile
235 240 245
GAT GGT CTG AGA CTG GAT GCA GTT CAT GCA ATT TTT GAT AAT TCG CCT 1964
Asp Gly Leu Arg Leu Asp Ala Val His Ala Ile Phe Asp Asn Ser Pro
250 255 260
AAG CAT ATC CTC CAA GAG ATA GCT GAA AAA GCC CAT CAA TTA GGA AAA 2012
Lys His Ile Leu Gln Glu Ile Ala Glu Lys Ala His Gln Leu Gly Lys
265 270 275
TTT GTT ATT GCT GAA AGT GAT TTA AAT GAT CCA AAA ATA GTA AAA GAT 2060
Phe Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu Asn Asp Pro Lys Ile Val Lys Asp
280 285 290 295
GAT TGT GGA TAT AAA ATA GAT GCT CAA TGG GTT GAC GAT TTC CAC CAC 2108
Asp Cys Gly Tyr Lys Ile Asp Ala Gln Trp Val Asp Asp Phe His His
300 305 310
GCA GTT CAT GCA TTC ATA ACA AAA GAA AAA GAT TAT TAT TAC CAG GAT 2156
Ala Val His Ala Phe Ile Thr Lys Glu Lys Asp Tyr Tyr Tyr Gln Asp
315 320 325
TTT GGA AGG ATA GAA GAT ATA GAG AAA ACT TTT AAA GAT GTT TTT GTT 2204
Phe Gly Arg Ile Glu Asp Ile Glu Lys Thr Phe Lys Asp Val Phe Val
330 335 340
TAT GAT GGA AAG TAT TCT AGA TAC AGA GGA AGA ACT CAT GGT GCT CCT 2252
Tyr Asp Gly Lys Tyr Ser Arg Tyr Arg Gly Arg Thr His Gly Ala Pro
345 350 355
GTA GGT GAT CTT CCA CCA CGT AAA TTT GTA GTC TTC ATA CAA AAT CAC 2300
Val Gly Asp Leu Pro Pro Arg Lys Phe Val Val Phe Ile Gln Asn His
360 365 370 375
GAT CAA GTA GGA AAT AGA GGA AAT GGG GAA AGA CTT TCC ATA TTA ACC 2348
Asp Gln Val Gly Asn Arg Gly Asn Gly Glu Arg Leu Ser Ile Leu Thr
380 385 390
GAT AAA ACG ACA TAC CTT ATG GCA GCC ACA CTA TAT ATA CTC TCA CCG 2396
Asp Lys Thr Thr Tyr Leu Met Ala Ala Thr Leu Tyr Ile Leu Ser Pro
395 400 405
TAT ATA CCG CTA ATA TTT ATG GGC GAG GAA TAT TAT GAG ACG AAT CCT 2444
Tyr Ile Pro Leu Ile Phe Met Gly Glu Glu Tyr Tyr Glu Thr Asn Pro
410 415 420
TTT TTC TTC TTC TCT GAT TTC TCA GAT CCC GTA TTA ATT AAG GGT GTT 2492
Phe Phe Phe Phe Ser Asp Phe Ser Asp Pro Val Leu Ile Lys Gly Val
425 430 435
AGA GAA GGT AGA CTA AAG GAA AAT AAT CAA ATG ATA GAT CCA CAA TCT 2540
Arg Glu Gly Arg Leu Lys Glu Asn Asn Gln Met Ile Asp Pro Gln Ser
440 445 450 455
GAG GAA GCG TTC TTA AAG AGT AAA CTT TCA TGG AAA ATT GAT GAG GAA 2588
Glu Glu Ala Phe Leu Lys Ser Lys Leu Ser Trp Lys Ile Asp Glu Glu
460 465 470
GTT TTA GAT TAT TAT AAA CAA CTG ATA AAT ATC AGA AAG AGA TAT AAT 2636
Val Leu Asp Tyr Tyr Lys Gln Leu Ile Asn Ile Arg Lys Arg Tyr Asn
475 480 485
AAT TGT AAA AGG GTA AAG GAA GTT AGG AGA GAA GGG AAC TGT ATT ACT 2684
Asn Cys Lys Arg Val Lys Glu Val Arg Arg Glu Gly Asn Cys Ile Thr
490 495 500
TTG ATC ATG GAA AAA ATA GGA ATA ATT GCA TCG TTT GAT GAT ATT GTA 2732
Leu Ile Met Glu Lys Ile Gly Ile Ile Ala Ser Phe Asp Asp Ile Val
505 510 515
ATT AAT TCT AAA ATT ACA GGT AAT TTA CTT ATA GGC ATA GGA TTT CCG 2780
Ile Asn Ser Lys Ile Thr Gly Asn Leu Leu Ile Gly Ile Gly Phe Pro
520 525 530 535
AAA AAA TTG AAA AAA GAT GAA TTA ATT AAG GTT AAC AGA GGT GTT GGG 2828
Lys Lys Leu Lys Lys Asp Glu Leu Ile Lys Val Asn Arg Gly Val Gly
540 545 550
GTA TAT CAA TTA GAA TGAAAGATCG ACCATTAAAG CCTGGTGAAC CTTATCCTTT 2883
Val Tyr Gln Leu Glu
555
AGGGGCAACT TGGATAGAGG AAGAAGATGG AGTTAATTTT GTACTATTCT CTGAGAACGC 2943
CACAAAAGTA GAACTGTTAA CGTACTCTCA GACTAGACAA GATGAGCCAA AGGAAATAAT 3003
AGAACTTAGA CAGAGAACCG GAGATCTCTG GCATGTTTTT GTACCTGGTT TAAGACCAGG 3063
TCAGTTGTAT GGGTACAGGG TGTATGGTCC ATATAAACCA GAGGAAGGGT TAAGGTTTAA 3123
TCCTAATAAA GTACTGATAG ATCCTTATGC AAAAGCTATA AACGGATTAT TACTATGGGA 3183
TGATTCGGTC TTTGGATATA AAATTGGAGA TCAGAACCAG GATCTCAGTT TCGATGAGAG 3243
AAAAGACGAT AAATTTATAC CTAAAGGGGT CATAATAAAT CCTTATTTTG ATTGGGAGGA 3303
CGAGCATTTC TTCTTTAGAA GAAAGATACC TTTTAAGGAT AGTATAATTT ATGAGACACA 3363
TATAAAAGGA ATAACTAAAT TAAGGCAAGA TTTACCGGAG AACGTTAGAG GCACTTTTTT 3423
GGGTTTAGCA TCAGATACTA TGATTGATTA CCTAAAAGAT TTAGGAATTA CAACCGTTGA 3483
GATAATGCCT ATTCAGCAAT TTGTAGATGA GAGATTCATT GTCGATAAAG GGTTAAAGAA 3543
CTACTGGGGT TACAATCCGA TAAATTATTT CTCTCCTGAA TGTAGATACT CAAGCTC 3600

配列番号:8
配列の長さ:556
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Met Phe Ser Phe Gly Gly Asn Ile Glu Lys Asn Lys Gly Ile Phe Lys
1 5 10 15
Leu Trp Ala Pro Tyr Val Asn Ser Val Lys Leu Lys Leu Ser Lys Lys
20 25 30
Leu Ile Pro Met Glu Lys Asn Asp Glu Gly Phe Phe Glu Val Glu Ile
35 40 45
Asp Asp Ile Glu Glu Asn Leu Thr Tyr Ser Tyr Ile Ile Glu Asp Lys
50 55 60
Arg Glu Ile Pro Asp Pro Ala Ser Arg Tyr Gln Pro Leu Gly Val His
65 70 75 80
Asp Lys Ser Gln Leu Ile Arg Thr Asp Tyr Gln Ile Leu Asp Leu Gly
85 90 95
Lys Val Lys Ile Glu Asp Leu Ile Ile Tyr Glu Leu His Val Gly Thr
100 105 110
Phe Ser Gln Glu Gly Asn Phe Lys Gly Val Ile Glu Lys Leu Asp Tyr
115 120 125
Leu Lys Asp Leu Gly Ile Thr Gly Ile Glu Leu Met Pro Val Ala Gln
130 135 140
Phe Pro Gly Asn Arg Asp Trp Gly Tyr Asp Gly Val Phe Leu Tyr Ala
145 150 155 160
Val Gln Asn Thr Tyr Gly Gly Pro Trp Glu Leu Ala Lys Leu Val Asn
165 170 175
Glu Ala His Lys Arg Gly Ile Ala Val Ile Leu Asp Val Val Tyr Asn
180 185 190
His Ile Gly Pro Glu Gly Asn Tyr Leu Leu Gly Leu Gly Pro Tyr Phe
195 200 205
Ser Asp Arg Tyr Lys Thr Pro Trp Gly Leu Thr Phe Asn Phe Asp Asp
210 215 220
Arg Gly Cys Asp Gln Val Arg Lys Phe Ile Leu Glu Asn Val Glu Tyr
225 230 235 240
Trp Phe Lys Thr Phe Lys Ile Asp Gly Leu Arg Leu Asp Ala Val His
245 250 255
Ala Ile Phe Asp Asn Ser Pro Lys His Ile Leu Gln Glu Ile Ala Glu
260 265 270
Lys Ala His Gln Leu Gly Lys Phe Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu Asn
275 280 285
Asp Pro Lys Ile Val Lys Asp Asp Cys Gly Tyr Lys Ile Asp Ala Gln
290 295 300
Trp Val Asp Asp Phe His His Ala Val His Ala Phe Ile Thr Lys Glu
305 310 315 320
Lys Asp Tyr Tyr Tyr Gln Asp Phe Gly Arg Ile Glu Asp Ile Glu Lys
325 330 335
Thr Phe Lys Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys Tyr Ser Arg Tyr Arg
340 345 350
Gly Arg Thr His Gly Ala Pro Val Gly Asp Leu Pro Pro Arg Lys Phe
355 360 365
Val Val Phe Ile Gln Asn His Asp Gln Val Gly Asn Arg Gly Asn Gly
370 375 380
Glu Arg Leu Ser Ile Leu Thr Asp Lys Thr Thr Tyr Leu Met Ala Ala
385 390 395 400
Thr Leu Tyr Ile Leu Ser Pro Tyr Ile Pro Leu Ile Phe Met Gly Glu
405 410 415
Glu Tyr Tyr Glu Thr Asn Pro Phe Phe Phe Phe Ser Asp Phe Ser Asp
420 425 430
Pro Val Leu Ile Lys Gly Val Arg Glu Gly Arg Leu Lys Glu Asn Asn
435 440 445
Gln Met Ile Asp Pro Gln Ser Glu Glu Ala Phe Leu Lys Ser Lys Leu
450 455 460
Ser Trp Lys Ile Asp Glu Glu Val Leu Asp Tyr Tyr Lys Gln Leu Ile
465 470 475 480
Asn Ile Arg Lys Arg Tyr Asn Asn Cys Lys Arg Val Lys Glu Val Arg
485 490 495
Arg Glu Gly Asn Cys Ile Thr Leu Ile Met Glu Lys Ile Gly Ile Ile
500 505 510
Ala Ser Phe Asp Asp Ile Val Ile Asn Ser Lys Ile Thr Gly Asn Leu
515 520 525
Leu Ile Gly Ile Gly Phe Pro Lys Lys Leu Lys Lys Asp Glu Leu Ile
530 535 540
Lys Val Asn Arg Gly Val Gly Val Tyr Gln Leu Glu
545 550 555

配列番号:9
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Val Ile Arg Glu Ala Lys
1 5

配列番号:10
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Ile Ser Ile Arg Gln Lys
1 5

配列番号:11
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Ile Ile Tyr Val Glu
1 5

配列番号:12
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Met Leu Tyr Val Lys
1 5

配列番号:13
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Ile Leu Ser Ile Asn Glu Lys
1 5

配列番号:14
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Val Val Ile Leu Thr Glu Lys
1 5

配列番号:15
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asn Leu Glu Leu Ser Asp Pro Arg Val Lys
1 5 10

配列番号:16
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Met Ile Ile Gly Thr Tyr Arg Leu Gln Leu Asn Lys
1 5 10

配列番号:17
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Val Ala Val Leu Phe Ser Pro Ile Val
1 5 9

配列番号:18
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Ile Asn Ile Asp Glu Leu Ile Ile Gln Ser Lys
1 5 10

配列番号:19
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Glu Leu Gly Val Ser His Leu Tyr Leu Ser Pro Ile
1 5 10

配列番号: 20
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Glu Val Phe Arg Glu Ser
1 5

配列番号:21
配列の長さ:4
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Tyr Phe Lys
1

配列番号:22
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Gly Leu Tyr Asn Pro Lys
1 5

配列番号:23
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Ile Asn Gly Ile Arg Glu Cys
1 5

配列番号:24
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Phe Glu Asn Phe Glu Lys
1 5

配列番号:25
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Leu Leu Arg Pro Asn Ile
1 5

配列番号:26
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Ile Ile Glu Asn
1 5

配列番号:27
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Asn Ile Glu Tyr Arg Gly
1 5

配列番号:28
配列の長さ:18
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
YTCWCKRAAW ACYTCATC 18

配列番号:29
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
GATAAYATWG ARTAYAGRGG 20

配列番号:30
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Arg Asn Pro Glu Ala Tyr Thr Lys
1 5

配列番号:31
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asp His Val Phe Gln Glu Ser His Ser
1 5

配列番号:32
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Ile Thr Leu Asn Ala Thr Ser Thr
1 5

配列番号:33
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Ile Ile Ile Val Glu Lys
1 5

配列番号:34
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Leu Gln Gln Tyr Met Pro Ala Val Tyr Ala Lys
1 5 10

配列番号:35
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asn Met Leu Glu Ser
1 5

配列番号:36
配列の長さ:13
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Ile Ser Pro Asp Gln Phe His Val Phe Asn Gln Lys
1 5 10

配列番号:37
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Gln Leu Ala Glu Asp Phe Leu Lys
1 5

配列番号:38
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Ile Leu Gly Phe Gln Glu Glu Leu Lys
1 5 10

配列番号:39
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Ile Ser Val Leu Ser Glu Phe Pro Glu Glu
1 5 10

配列番号:40
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Leu Lys Leu Glu Glu Gly Ala Ile Tyr
1 5

配列番号:41
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Glu Val Gln Ile Asn Glu Leu Pro
1 5

配列番号:42
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asp His Ser Arg Ile
1 5

配列番号:43
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asp Leu Arg Tyr Tyr Lys
1 5

配列番号:44
配列の長さ:14
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asp Val Tyr Arg Thr Tyr Ala Asn Gln Ile Val Lys Glu Cys
1 5 10

配列番号:45
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N端フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Thr Phe Ala Tyr Lys Ile Asp Gly Asn Glu
1 5 10

配列番号:46
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Leu Gly Pro Tyr Phe Ser Gln
1 5

配列番号:47
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly
1 5

配列番号:48
配列の長さ:19
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物:Sulfolobus solfataricus
株名:KM1
配列
Tyr Asn Arg Ile Val Ile Ala Glu Ser Asp Leu Asn Asp Pro Arg Val
1 5 10 15
Val Asn Pro

配列番号:49
配列の長さ:5
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Leu Asp Tyr Leu Lys
1 5

配列番号:50
配列の長さ:17
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Arg Glu Ile Pro Asp Pro Ala Ser Arg Tyr Gln Pro Leu Gly Val
1 5 10 15
His
17

配列番号:51
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Asp Val Phe Val Tyr Asp Gly Lys
1 5

配列番号:52
配列の長さ:9
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
His Ile Leu Gln Glu Ile Ala Glu Lys
1 5

配列番号:53
配列の長さ:10
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Leu Trp Ala Pro Tyr Val Asn Ser Val
1 5 10

配列番号:54
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Met Phe Ser Phe Gly Gly Asn
1 5

配列番号:55
配列の長さ:14
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Asp Tyr Try Tyr Gln Asp Phe Gly Arg Ile Glu Asp Ile Glu
1 5 10

配列番号:56
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源:Sulfolobus acidocaldarius
株名:ATCC33909
配列
Lys Ile Asp Ala Gln Trp Val
1 5

配列番号:57
配列の長さ:18
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
AGCWAGKAGM TAYCARCC 18

配列番号:58
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
YTTHCCATCR TAWACRAAWA CATC 24
実施例I−1で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の菌体抽出液による生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼの温度安定性を示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼのpH安定性を示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼの各温度における反応性を示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼの反応至適pHを示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1 株由来の本酵素トランスフェラーゼによる、マルトトリオースからの反応生成物のパターンを示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1 株由来の本酵素トランスフェラーゼによる、マルトテトラオースからの反応生成物のパターンを示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼによる、マルトペンタオースからの反応生成物のパターンを示すグラフである。 実施例I−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素トランスフェラーゼによる、マルトオリゴ糖混合物からの反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−1で得たSulfolobus solfataricus KM1株の粗酵素液を作用させたマルトトリオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−1で得たSulfolobus solfataricus KM1株の粗酵素液を作用させた可溶性デンプンからの反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼの温度安定性を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼのpH安定性を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼの各反応温度における反応性を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼの反応至適pHを示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼの各種基質に対する反応性を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを作用させたマルトペンタオース、アミロースDP−17、可溶性デンプンからの反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを作用させたマルトトリオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを作用させたマルトペンタオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを可溶性デンプンに作用させたときのヨウ素発色の消失及びデンプン加水分解率の経時変化を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを作用させた放射活性ラベル化したマルトペンタオースからの反応生成物の放射活性の経時変化を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1株由来の本酵素アミラーゼを作用させた放射活性ラベル化したマルトトリオシルトレハロースからの反応生成物の放射活性の経時変化を示すグラフである。 ブタ膵臓由来のα−アミラーゼの各種基質に対する反応性を示すグラフである。 ブタ膵臓由来のα−アミラーゼを作用させたマルトペンタオシルトレハロースからの反応生成物のTSK-gel Amide-80 HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例II−2で得たSulfolobus solfataricus KM1 株由来の本酵素アミラーゼ及びトランスフェラーゼを作用させた可溶性デンプンからの反応生成物のAMINEX HPX-42A HPLC による分析結果を示すグラフである。 実施例I−12で得られたSulfolobus solfataricus KM1株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子を含むpKT1、pKT11およびpKT21の挿入断片の制限酵素地図を示した図である。 pKT22プラスミドの構築方法を示した図である。 マルトトリオースに組換え新規トランフェラーゼを作用させたときの生成物のTSK-gel Amide-80 HPLCによる分析結果を示した図である。 実施例I−16で得られたSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子を含むp09T1の挿入断片の制限酵素地図を示した図である。 p09T1プラスミドの構築方法を示した図である。 Sulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼのアミノ酸配列の相同性を示した図である。 Sulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子の塩基配列の相同性を示した図である。 Sulfolobus solfataricus KM1株とSulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規トランスフェラーゼ遺伝子の塩基配列の相同性を示した図である。 マルトオリゴ糖混合物に組換え新規トランスフェラーゼを作用させたときの生成物のAMINEX HPX- 42A HPLC による分析結果を示した図である。 Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規アミラーゼ遺伝子を含むpKA1の挿入断片の制限酵素地図を示した図である。 pKA2の制限酵素地図を示した図である。 (A)は本発明による組換え新規アミラーゼをマルトトリオシルトレハロースに作用させたときの生成物の分析結果を示した図であり、また(B)は本発明による組換え新規アミラーゼを可溶性デンプンに作用させたときの生成物の分析結果を示した図である。 本発明による組換え新規アミラーゼを可溶性デンプンに作用させたときのヨウ素発色の消失と、デンプン加水分解率の経時的変化を示すグラフである。 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株由来の新規アミラーゼ遺伝子を含むp09A1の挿入断片の制限酵素地図である。 p09A2よりp09A1の作成方法を示した図である。 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株,Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規アミラーゼのアミノ酸配列について相同性を比較した図である。 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株,Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規アミラーゼ遺伝子の塩基配列について相同性を比較した図である。 Sulfolobus acidocaldarius ATCC33909株,Sulfolobus solfataricus KM1株由来の新規アミラーゼ遺伝子の塩基配列について相同性を比較した図である。 10%可溶性デンプンに実施例II−19の組換え新規アミラーゼおよび実施例I−20の組換え新規トランスフェラーゼを作用させたときの生成物の分析結果を示した図である。

Claims (37)

  1. 下記新規アミラーゼと、下記新規トランスフェラーゼとを組み合わせて用いることを特徴とするα,α−トレハロースの製造法:
    上記新規アミラーゼは、
    少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成される3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して主に単糖及び/又は2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼであって、
    SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が61,000〜64,000であり、且つ、
    下記の理化学的性質を有する:
    (1) 至適pH:4.5〜5.5
    (2) 至適温度:60〜85℃
    (3) 安定pH:4.0〜10.0
    (4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により100%残存;
    および
    上記新規トランスフェラーゼは、
    少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼであって、
    SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が74000〜76000であり、且つ、
    下記の理化学的性質を有する:
    (1) 至適pH:4.5〜6.0
    (2) 至適温度:60〜80℃
    (3) 安定pH:4.5〜10.0
    (4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により90%以上残存。
  2. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼを60〜80℃で作用させる、請求項1に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  3. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ1.5Units/ml及び0.1Unit/ml 以上である、請求項1或いは2に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  4. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ1.5Units/ml及び1Unit/ml 以上であり、かつアミラーゼ対トランスフェラーゼの濃度比が0.075〜100である、請求項1或いは2に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  5. 該アミラーゼ及び該トランスフェラーゼの反応液中の濃度がそれぞれ15Units/ml及び1Unit/ml 以上であり、かつアミラーゼ対トランスフェラーゼの濃度比が3〜40である、請求項4に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  6. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質として用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  7. デンプン又はデンプン分解物を基質として用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  8. デンプン分解物が酸分解或いは酵素分解によって製造されるデンプン分解物である、請求項7に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  9. デンプン分解物が枝切り酵素を用いて得られるものである、請求項8に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  10. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、請求項9に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  11. すべてのグルコース残基がα−1,4結合であるマルトオリゴ糖を各単独又はそれらの混合物として基質に用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  12. 更に枝切り酵素を組み合わせて用いる、請求項1或いは2に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  13. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、請求項12に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  14. α,α−トレハロースの製造のいずれかの段階でプルラナーゼ或いはイソアミラーゼを1回以上組み合わせて用いる、請求項13に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  15. α,α−トレハロースの製造の初期段階でプルラナーゼ或いはイソアミラーゼを1回以上組み合わせて用いる、請求項14に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  16. デンプン又はデンプン分解物を基質として用いる、請求項12〜15のいずれか一項に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  17. デンプン分解物が酸分解或いは酵素分解によって製造されるデンプン分解物である、請求項16に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  18. デンプン分解物が枝切り酵素を用いて得られるものである、請求項17に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  19. 枝切り酵素がプルラナーゼ或いはイソアミラーゼである、請求項18に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  20. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobales目に属する古細菌由来の酵素を用いる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  21. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus属に属する細菌から得られる酵素を用いる、請求項20に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  22. 該トランスフェラーゼとして、Acidianus属に属する細菌から得られる酵素を用いる、請求項20に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  23. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus solfataricusに属する細菌から得られる酵素を用いる、請求項21に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  24. Sulfolobus solfataricus KM1株(FERM BP−4626)或いはその変異株から得られる酵素を用いる、請求項23に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  25. Sulfolobus solfataricus DSM 5833株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、請求項23に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  26. 該トランスフェラーゼとして、Sulfolobus acidocaldariusに属する細菌から得られる酵素を用いる、請求項21に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  27. Sulfolobus acidocaldarius ATCC 33909株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、請求項26に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  28. 該トランスフェラーゼとして、Acidianus brierleyiに属する細菌から得られる酵素を用いる、請求項22に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  29. Acidianus brierleyi DSM 1651株或いはその変異株から得られる酵素を用いる、請求項28に記載のα,α−トレハロースの製造法。
  30. α,α‐トレハロースの製造法であって、下記新規トランスフェラーゼまたは下組換え新規トランスフェラーゼ、および
    下記組換え新規アミラーゼとを、
    少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させる工程を含んでなる、上記方法:
    上記トランスフェラーゼは、
    少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼであって、
    SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が74000〜76000であり、且つ、
    下記の理化学的性質を有する:
    (1) 至適pH:4.5〜6.0
    (2) 至適温度:60〜80℃
    (3) 安定pH:4.5〜10.0
    (4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により90%以上残存;
    上記組換え新規トランスフェラーゼは、
    配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片、または配列番号1に示される塩基配列の1880番から2257番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6×SSPEのイオン強度下でハイブリットを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼをコードするDNA断片、または該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片を含んでなる組換えDNA分子によって形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物中に組換え新規トランスフェラーゼを生成させ、これを採取して得られた組換え新規トランスフェラーゼである;
    および、
    上記組換え新規アミラーゼは、
    配列番号6または配列番号8に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片、または配列番号7に示される塩基配列の1393番から2121番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6×SSPEのイオン強度下でハイブリットを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成された3糖以上の糖を基質とし、還元末端から加水分解して、主に単糖および/または2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA断片、または該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片を含んでなる組換えDNA分子によって形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物中に組換え新規アミラーゼを生成させ、これを採取して得られた組換え新規アミラーゼである。
  31. α,α‐トレハロースの製造法であって、
    下記組換え新規トランスフェラーゼ、および
    下記新規アミラーゼまたは下記組換え新規アミラーゼとを、
    少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖と接触させる工程を含んでなる、上記方法:
    上記組換え新規トランスフェラーゼは、
    配列番号2または配列番号4に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片、または配列番号1に示される塩基配列の1880番から2257番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6×SSPEのイオン強度下でハイブリットを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα−1,4結合である3糖以上の糖を基質とし、その還元末端のα−1,4結合をα−1,α−1結合に転移させる作用を有する新規トランスフェラーゼをコードするDNA断片、または該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片を含んでなる組換えDNA分子によって形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物中に組換え新規トランスフェラーゼを生成させ、これを採取して得られた組換え新規トランスフェラーゼである;
    上記新規アミラーゼは、
    少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成される3糖以上の糖を基質とし、還元末端側から加水分解して主に単糖及び/又は2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼであって、
    SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量が61,000〜64,000であり、且つ、
    下記の理化学的性質を有する:
    (1) 至適pH:4.5〜5.5
    (2) 至適温度:60〜85℃
    (3) 安定pH:4.0〜10.0
    (4) 温度安定性:80℃で6時間の処理により100%残存;
    および、
    上記組換え新規アミラーゼは、
    配列番号6または配列番号8に示されるアミノ酸配列またはその等価配列をコードするDNA配列を含んでなるDNA断片、または配列番号7に示される塩基配列の1393番から2121番までの塩基配列、またはその相補体に、60℃、6×SSPEのイオン強度下でハイブリットを形成し、かつ少なくとも還元末端から3つ以上の糖がグルコース単位で構成された3糖以上の糖を基質とし、還元末端から加水分解して、主に単糖および/または2糖を遊離する活性を有する新規アミラーゼをコードするDNA断片、または該DNA断片によりコードされるアミノ酸配列をコードするDNA断片を含んでなる組換えDNA分子によって形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物中に組換え新規アミラーゼを生成させ、これを採取して得られた組換え新規アミラーゼである。
  32. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖がデンプンまたはデンプン分解物である、請求項30または31に記載の方法。
  33. デンプン分解物が、デンプンを酸分解、または酵素分解することによって製造されたものである、請求項32に記載の方法。
  34. デンプン分解物が、デンプンの枝切り酵素による分解産物である、請求項32に記載の方法。
  35. 枝切り酵素がプルラナーゼまたはイソアミラーゼである、請求項34に記載の方法。
  36. 少なくとも還元末端から3つ以上のグルコース残基がα‐1,4結合である3糖以上の糖が、全てのグルコース残基がα‐1,4結合であるマルトオリゴ糖の単独または混合物である、請求項30または31に記載の方法。
  37. 50〜85℃の温度で実施される、請求項30〜36のいずれか一項に記載の方法。
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