JP2006340525A - 同期モータのセンサレス制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同期モータ2やインバータ3において、容量の大きいトランジスタや磁束の強い磁石などのように、出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる制御装置1を提供することにある。
【解決手段】制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、回転数補正部7により回転数の指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正する。これにより、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値ω*を低減することで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、回転数補正部7により回転数の指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正する。これにより、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値ω*を低減することで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、同期モータのセンサレス制御装置に関する。
〔従来の技術〕
同期モータのセンサレス制御装置とは、ロータの回転位置を検出する位置センサによらず、電機子コイルへの給電状態に応じて回転位置を推定することで同期モータを制御する制御装置である。そして、この同期モータのセンサレス制御装置では、ロータの回転駆動を開始する際に、ロータの回転数の指令値を増加することで給電状態を変化させ回転数を上昇させる過渡運転モードを実行し、その後に、給電状態に応じた回転位置の推定および回転位置の推定値に応じた電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替える。
同期モータのセンサレス制御装置とは、ロータの回転位置を検出する位置センサによらず、電機子コイルへの給電状態に応じて回転位置を推定することで同期モータを制御する制御装置である。そして、この同期モータのセンサレス制御装置では、ロータの回転駆動を開始する際に、ロータの回転数の指令値を増加することで給電状態を変化させ回転数を上昇させる過渡運転モードを実行し、その後に、給電状態に応じた回転位置の推定および回転位置の推定値に応じた電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替える。
〔従来技術の不具合〕
ところで、同期モータが適用されるコンプレッサ等の機器には、固有の共振周波数があり、この共振周波数では、負荷が増大し出力トルクが不足する。そこで、過渡運転モードにおいて、回転数の指令値を速やかに増加して電機子コイルへの通電量を増加させることで、出力トルクを増大させ共振周波数における回転停止を防止している。しかし、このような回転停止を確実に防止するには、共振周波数における負荷増大を確実に補うことができる程度にまで出力トルクを増大させる必要がある。
ところで、同期モータが適用されるコンプレッサ等の機器には、固有の共振周波数があり、この共振周波数では、負荷が増大し出力トルクが不足する。そこで、過渡運転モードにおいて、回転数の指令値を速やかに増加して電機子コイルへの通電量を増加させることで、出力トルクを増大させ共振周波数における回転停止を防止している。しかし、このような回転停止を確実に防止するには、共振周波数における負荷増大を確実に補うことができる程度にまで出力トルクを増大させる必要がある。
このため、過渡運転モードにおける通電量の最終到達値を大きくしたり、ロータに装着される磁石の磁束を強くしたりする必要がある。しかし、通電量を大きくするには、インバータに使用されるトランジスタの容量を大きくする必要がある。また、磁束を強くするには、磁石の厚みを大きくする必要がある。
したがって、スタート時の共振周波数における回転停止を防止するためだけに、容量の大きなトランジスタを用いたり、厚みの大きな磁石を用いたりする必要があり、同期モータのコストアップの一因となっている。
なお、このような回転停止等の同期モータの脱調を検出する装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、回転停止の防止に関する記載は見られない。
特開平9−294390号公報
なお、このような回転停止等の同期モータの脱調を検出する装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、回転停止の防止に関する記載は見られない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、同期モータやインバータにおいて、容量の大きいトランジスタや磁束の強い磁石などのように、出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができるセンサレス制御装置を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の同期モータのセンサレス制御装置(以下、単に制御装置と呼ぶ)は、ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、電機子コイルへの給電状態に応じてロータの回転位置を推定し、回転位置の推定値に応じて電機子コイルへの給電を制御する。制御装置は、ロータの回転駆動を開始する際に、ロータの回転数の指令値を増加することで給電状態を変化させ、回転数を上昇させる過渡運転モードから、給電状態に応じた回転位置の推定、および回転位置の推定値に応じた電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替える。そして、制御装置は、過渡運転モードの実行時に、電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正する。
請求項1に記載の同期モータのセンサレス制御装置(以下、単に制御装置と呼ぶ)は、ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、電機子コイルへの給電状態に応じてロータの回転位置を推定し、回転位置の推定値に応じて電機子コイルへの給電を制御する。制御装置は、ロータの回転駆動を開始する際に、ロータの回転数の指令値を増加することで給電状態を変化させ、回転数を上昇させる過渡運転モードから、給電状態に応じた回転位置の推定、および回転位置の推定値に応じた電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替える。そして、制御装置は、過渡運転モードの実行時に、電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正する。
ここで、上記の回転停止の問題は、出力トルクと相電流の位相および相電流の振幅との相関図(図7参照)を用いて考えることができる。この相間図において、出力トルクと相電流の位相との個々の相間線はピークを有する。そして、出力トルクがピークを示す相電流の位相を限界位相とする。また、個々の相間線は、相電流の振幅が大きいものほど、上側に描かれる。つまり、相電流の振幅が大きいほど出力トルクが大きくなる。
そして、相電流の位相が限界位相よりも進むと、電機子コイルへの給電制御が不能になり、ロータの回転が停止する。また、ピークが低いほど相電流の位相が限界位相よりも進みやすくなるので、相電流の振幅が小さいほど(つまり、電機子コイルへの通電量が小さいほど)、相電流の位相が限界位相よりも進みやすくなり回転停止が起こりやすくなる。
そこで、請求項1の手段では、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正する。これにより、相電流の位相が限界位相より進んでも、回転数の指令値を低減することで相電流の位相を限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータやインバータにおいて出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正する。
これにより、相電流の位相が限界位相より進んでも、相電圧の振幅を増加し回転数を上昇させることで相電流の位相を限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。
請求項2に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正する。
これにより、相電流の位相が限界位相より進んでも、相電圧の振幅を増加し回転数を上昇させることで相電流の位相を限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。
過渡運転モードでは、制御装置は、相電流の振幅を一定に維持するように給電制御を行う。ところで、図8に示すように、相電流の位相が限界位相よりも遅れている場合、相電圧の振幅と相電流の振幅とは正の相関を示す。そして、過渡運転モードでの給電制御では、この正の相関が利用されて相電流の振幅が一定に維持されている。つまり、制御装置は、相電流の振幅が増加すれば相電圧の振幅を減少させ、相電流の振幅が減少すれば相電圧の振幅を増加させている。
しかし、負荷の増大に伴い、相電流の位相が限界位相よりも進んだ場合、相電圧の振幅と相電流の振幅とは負の相関を示すようになる。これにより、相電流の振幅が、一旦、増加を開始すると、制御装置は、相電流の振幅増加を抑えることができなくなる。このため、制御装置による給電制御が不能となり、相電流は過電流となってインバータが停止してしまう。
そこで、制御装置において相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正できるようにする。これにより、相電流の位相が限界位相よりも進んだ場合には負の相関を利用して、相電流の振幅が増加したら相電圧の振幅を増加させるように給電制御することができる。このため、相電流の位相が限界位相よりも進んだ場合でも、相電流の振幅増加を抑えることができる。この結果、同期モータやインバータにおいて出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の位相に応じて補正する。
これにより、相電流の位相が限界位相より進んでも、相電圧の位相を遅らせることで相電流の位相を限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータやインバータにおいて出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
請求項3に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の位相に応じて補正する。
これにより、相電流の位相が限界位相より進んでも、相電圧の位相を遅らせることで相電流の位相を限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータやインバータにおいて出力トルクの大きい仕様を採用することなく、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、回転数の指令値を求めることができる。
請求項4に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、回転数の指令値を求めることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、相電圧の振幅を求めることができる。
請求項5に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、相電圧の振幅を求めることができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、相電圧の位相を求めることができる。
請求項6に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の位相に応じて補正するものであり、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
これにより、相電流の位相をフィードバックして、相電圧の位相を求めることができる。
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定するものであり、この閾値を限界位相に略一致する値として設定する。
請求項7に記載の制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定するものであり、この閾値を限界位相に略一致する値として設定する。
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。
請求項8に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。
相電流の振幅を監視することで、相電圧の振幅に対する相電流の振幅の挙動を確認することができる。そして、この挙動を確認することで、相電圧の振幅と相電流の振幅とが、正負いずれの相関を有するかを判断することができるので、相電流の位相が限界位相よりも進んでいるか否かを判断することができる(図8参照)。このため、より簡単な監視方法で、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
〔請求項9の手段〕
請求項9に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。これにより、請求項8と同様の効果を得ることができる。
請求項9に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。これにより、請求項8と同様の効果を得ることができる。
〔請求項10の手段〕
請求項10に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。これにより、請求項8と同様の効果を得ることができる。
請求項10に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに相電流の振幅を監視するものである。これにより、請求項8と同様の効果を得ることができる。
〔請求項11の手段〕
請求項11に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、回転数の指令値を求めることができる。
請求項11に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、回転数の指令値を求めることができる。
〔請求項12の手段〕
請求項12に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、相電圧の振幅を求めることができる。
請求項12に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、相電圧の振幅を求めることができる。
〔請求項13の手段〕
請求項13に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、相電圧の位相を求めることができる。
請求項13に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の振幅に応じて補正するものであり、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
これにより、相電流の振幅をフィードバックして、相電圧の位相を求めることができる。
〔請求項14の手段〕
請求項14に記載の制御装置は、相電流の振幅に対する閾値を設定するものであり、この閾値を限界位相における相電流の振幅に略一致する値として設定する。
請求項14に記載の制御装置は、相電流の振幅に対する閾値を設定するものであり、この閾値を限界位相における相電流の振幅に略一致する値として設定する。
〔請求項15の手段〕
請求項15に記載の制御装置は、閾値を、規格電流が最大であるときの相電流の振幅に略一致する値として設定する。
これにより、出力トルクを最大に保つことができる。
請求項15に記載の制御装置は、閾値を、規格電流が最大であるときの相電流の振幅に略一致する値として設定する。
これにより、出力トルクを最大に保つことができる。
〔請求項16の手段〕
請求項16に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相と相電圧の位相との位相差(力率角)を監視するとともに、回転数の指令値を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。すなわち、力率角と相電流の位相とは、図9(a)に示すような相関を有するので、力率角も、相電流の振幅と同様に、相電流の位相の代替として用いることができる。
請求項16に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相と相電圧の位相との位相差(力率角)を監視するとともに、回転数の指令値を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。すなわち、力率角と相電流の位相とは、図9(a)に示すような相関を有するので、力率角も、相電流の振幅と同様に、相電流の位相の代替として用いることができる。
〔請求項17の手段〕
請求項17に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、力率角を監視するとともに、相電圧の振幅を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。
請求項17に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、力率角を監視するとともに、相電圧の振幅を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。
〔請求項18の手段〕
請求項18に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、力率角を監視するとともに、相電圧の位相を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。
請求項18に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、力率角を監視するとともに、相電圧の位相を力率角に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに力率角を監視するものである。
〔請求項19の手段〕
請求項19に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電圧の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。相電圧の振幅も、相電流の振幅や力率角と同様に、相電流の位相の代替として用いることができる。
請求項19に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視するとともに、回転数の指令値を相電圧の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項1の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。相電圧の振幅も、相電流の振幅や力率角と同様に、相電流の位相の代替として用いることができる。
〔請求項20の手段〕
請求項20に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視し相電圧の振幅を補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。
請求項20に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視し相電圧の振幅を補正する。
この手段は、請求項2の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。
〔請求項21の手段〕
請求項21に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電圧の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。
請求項21に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電圧の振幅に応じて補正する。
この手段は、請求項3の手段において、相電流の位相の替わりに相電圧の振幅を監視するものである。
〔請求項22の手段〕
請求項22に記載の制御装置は、請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21に記載の制御装置の特徴の内で、少なくとも2つの特徴を有する。つまり、請求項22に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相、相電流の振幅、力率角および相電圧の振幅のような監視される給電情報、および、回転数の指令値、相電圧の振幅、相電圧の位相のような補正されるパラメータのうち少なくとも一方を2つ以上、設定する。
このように、監視される給電情報と補正されるパラメータとの組み合わせを2つ以上、設定することで、スタート時の回転停止を防止する効果を高めることができる。
請求項22に記載の制御装置は、請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21に記載の制御装置の特徴の内で、少なくとも2つの特徴を有する。つまり、請求項22に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相、相電流の振幅、力率角および相電圧の振幅のような監視される給電情報、および、回転数の指令値、相電圧の振幅、相電圧の位相のような補正されるパラメータのうち少なくとも一方を2つ以上、設定する。
このように、監視される給電情報と補正されるパラメータとの組み合わせを2つ以上、設定することで、スタート時の回転停止を防止する効果を高めることができる。
〔請求項23の手段〕
請求項23に記載の制御装置は、給電状態を示す給電情報の内で、相電流の振幅、相電流の位相、d軸電流、q軸電流、相電圧の振幅、相電圧の位相、d軸電圧、q軸電圧、および力率角の中から少なくとも1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える。
請求項23に記載の制御装置は、給電状態を示す給電情報の内で、相電流の振幅、相電流の位相、d軸電流、q軸電流、相電圧の振幅、相電圧の位相、d軸電圧、q軸電圧、および力率角の中から少なくとも1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える。
共振周波数における負荷の増大は、脈動を伴って発生する。よって、出力トルクは負荷の脈動に応じて増減する。したがって、出力トルクと相関がある相電流の振幅、相電流の位相、d軸電流、q軸電流、相電圧の振幅、相電圧の位相、d軸電圧、q軸電圧、および力率角等の給電情報に応じて運転モードを切り替えることで、脈動により負荷が低下している時期に運転モードを切り替えることができる。このため、通常運転モードに切り替えた直後に必要とされる出力トルクを、低減することができる。
〔請求項24の手段〕
請求項24に記載の制御装置は、選択した給電情報を監視することで、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える時期を決める。
これにより、運転モードを切り替える時期を決めるのに、予め時間的な余裕を得ることができる。
請求項24に記載の制御装置は、選択した給電情報を監視することで、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える時期を決める。
これにより、運転モードを切り替える時期を決めるのに、予め時間的な余裕を得ることができる。
〔請求項25の手段〕
請求項25に記載の制御装置は、選択した給電情報を監視する監視期間を、選択した給電情報の変動周期以上の長さに設定している。
これにより、給電情報の変化の傾向を確実に把握してから、運転モードを切り替える時期を決めることができる。このため、決定された切り替え時期に対する信頼性を高めることができる。
請求項25に記載の制御装置は、選択した給電情報を監視する監視期間を、選択した給電情報の変動周期以上の長さに設定している。
これにより、給電情報の変化の傾向を確実に把握してから、運転モードを切り替える時期を決めることができる。このため、決定された切り替え時期に対する信頼性を高めることができる。
〔請求項26の手段〕
請求項26に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が最小値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
請求項26に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が最小値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電流の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が小さいときには相電流の振幅も小さくなるので、相電流の振幅が最小値に略一致した時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。切り替え指令を行う時期は、制御装置が切り替え指令を行ってから、運転モードが実際に切り替わるまでの時間遅れに応じて決められる。この手段は、この運転モード切り替わり遅れ時間がほぼゼロであるとして切り替え指令を行うものである。
〔請求項27の手段〕
請求項27に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が減少している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電流の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が減少しているときには相電流の振幅も減少しているので、相電流の振幅が減少している時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。
請求項27に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が減少している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電流の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が減少しているときには相電流の振幅も減少しているので、相電流の振幅が減少している時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。
〔請求項28の手段〕
請求項28に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が所定の比較値以下である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電流の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が所定の大きさ以下であれば相電流の振幅も所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、相電流の振幅がこの比較値以下である時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
請求項28に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が所定の比較値以下である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電流の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が所定の大きさ以下であれば相電流の振幅も所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、相電流の振幅がこの比較値以下である時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
〔請求項29の手段〕
請求項29に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が最小値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
請求項29に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が最小値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電圧の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。そして、この手段では、運転モード切り替わり遅れ時間がほぼゼロであるとして切り替え指令を行う。なお、相電流の位相が限界位相よりも遅れている範囲でロータを回転駆動していれば、相電流の振幅と相電圧の振幅とは正の相関を有する(図8参照)。よって、相電圧の振幅が最小値に略一致した時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。
〔請求項30の手段〕
請求項30に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が減少している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電圧の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が減少しているときには相電圧の振幅も減少しているので、相電圧の振幅が減少している時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。
請求項30に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が減少している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電圧の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が減少しているときには相電圧の振幅も減少しているので、相電圧の振幅が減少している時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。
〔請求項31の手段〕
請求項31に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が所定の比較値以下である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電圧の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が所定の大きさ以下であれば相電圧の振幅も所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、相電圧の振幅がこの比較値以下である時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
請求項31に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択し、相電圧の振幅が所定の比較値以下である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、相電圧の振幅を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。負荷が所定の大きさ以下であれば相電圧の振幅も所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、相電圧の振幅がこの比較値以下である時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
〔請求項32の手段〕
請求項32に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が最大値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、力率角を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。
請求項32に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が最大値に略一致した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
この手段は、力率角を監視することで運転モードの切り替えを指令する制御装置において、切り替え指令を行う時期の一形態を示すものである。
力率角は、図9(b)に示すように、過渡運転モードでは、一変動周期内で、最小値→中間値→最大値の3つの値をほぼ同一時間間隔でステップ状に変化し、次の変動周期に移り、再度、最小値に戻り同様の変動を繰り返す。また、負荷が小さいときには力率角は大きいので、力率角が最大値に略一致した時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。
〔請求項33の手段〕
請求項33に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が増加している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
請求項33に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が増加している時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
〔請求項34の手段〕
請求項34に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が所定の比較値以上である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
請求項34に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が所定の比較値以上である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
〔請求項35の手段〕
請求項35に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
請求項35に記載の制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
運転モードの切り替え時には、回転数が共振周波数よりも十分に大きくなり負荷の増大が収まっているので、相電流の振幅を低下させる操作を行う。つまり、運転モードの切り替え時には、相電圧の振幅を低下させる。この際、出力トルクは同レベルを維持するかまたは低下する方向に操作されるので、相電流の位相は、限界位相に接近し、やがて限界位相よりも進む(図7参照)。このため、相電流の位相が限界位相よりも進むと、相電圧の振幅と相電流の振幅との相関が逆転するので(図8参照)、相電流の振幅が増加し始める。
そこで、相電流の振幅が最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、運転モードの切り替え指令を行えば、相電流の位相が限界位相よりも進む時期に、運転モードを切り替えることができる。このため、切り替え直後に必要とされる出力トルクを小さく抑えることができる。
〔請求項36の手段〕
請求項36に記載の制御装置は、回転数の指令値を所定の下限回転数以下に維持する極低速運転モードを実行した後、過渡運転モードに切り替える。
ロータを静止状態から回転状態に移行させる際には、静止摩擦の影響により負荷が増大する。そこで、ロータの回転駆動の開始時、つまり過渡運転モードよりも前の時間帯に、上記のような極低速運転モードを実行することで、負荷に応じた極低速でロータを回転駆動し、静止摩擦の影響がなくなってから回転数の指令値を増大させる。これにより、スタート時の相電流の振幅を低減できる。
請求項36に記載の制御装置は、回転数の指令値を所定の下限回転数以下に維持する極低速運転モードを実行した後、過渡運転モードに切り替える。
ロータを静止状態から回転状態に移行させる際には、静止摩擦の影響により負荷が増大する。そこで、ロータの回転駆動の開始時、つまり過渡運転モードよりも前の時間帯に、上記のような極低速運転モードを実行することで、負荷に応じた極低速でロータを回転駆動し、静止摩擦の影響がなくなってから回転数の指令値を増大させる。これにより、スタート時の相電流の振幅を低減できる。
〔請求項37の手段〕
請求項37に記載の制御装置は、極低速運転モードを実行した後に過渡運転モードに切り替えるものであり、下限回転数を、過渡運転モードにおける回転数の指令値の最大値の1/10以下に設定している。
請求項37に記載の制御装置は、極低速運転モードを実行した後に過渡運転モードに切り替えるものであり、下限回転数を、過渡運転モードにおける回転数の指令値の最大値の1/10以下に設定している。
〔請求項38の手段〕
請求項38に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時には、複数の相電流の絶対値の内で最大となる値を最大相電流として監視するとともに、最大相電流が所定の目標値に略一致するように相電圧を調節する。
これにより、相電流が通常の振幅波形である場合と同等の実効値の相電流を得ることができるとともに、相電流が通常の振幅波形である場合よりも振幅を低減することができる。
請求項38に記載の制御装置は、過渡運転モードの実行時には、複数の相電流の絶対値の内で最大となる値を最大相電流として監視するとともに、最大相電流が所定の目標値に略一致するように相電圧を調節する。
これにより、相電流が通常の振幅波形である場合と同等の実効値の相電流を得ることができるとともに、相電流が通常の振幅波形である場合よりも振幅を低減することができる。
〔請求項39の手段〕
請求項39に記載の制御装置が制御する同期モータでは、ロータにネオジ磁石が装着されている。
ネオジ磁石がロータに装着されていると磁石トルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、ロータにネオジ磁石が装着されている場合、本発明の効果が大きい。
請求項39に記載の制御装置が制御する同期モータでは、ロータにネオジ磁石が装着されている。
ネオジ磁石がロータに装着されていると磁石トルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、ロータにネオジ磁石が装着されている場合、本発明の効果が大きい。
〔請求項40の手段〕
請求項40に記載の制御装置が制御する同期モータでは、電機子コイルが集中巻きである。
電機子コイルが集中巻きであるとコギングトルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、電機子コイルが集中巻きである場合、本発明の効果が大きい。
請求項40に記載の制御装置が制御する同期モータでは、電機子コイルが集中巻きである。
電機子コイルが集中巻きであるとコギングトルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、電機子コイルが集中巻きである場合、本発明の効果が大きい。
〔請求項41の手段〕
請求項41に記載の制御装置が制御する同期モータは、コンプレッサに適用される。
同期モータをコンプレッサに適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がコンプレッサである場合、本発明の効果が大きい。
請求項41に記載の制御装置が制御する同期モータは、コンプレッサに適用される。
同期モータをコンプレッサに適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がコンプレッサである場合、本発明の効果が大きい。
〔請求項42の手段〕
請求項42に記載の制御装置が制御する同期モータは、ポンプに適用される。
同期モータをポンプに適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がポンプである場合、本発明の効果が大きい。
請求項42に記載の制御装置が制御する同期モータは、ポンプに適用される。
同期モータをポンプに適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がポンプである場合、本発明の効果が大きい。
〔請求項43の手段〕
請求項43に記載の制御装置が制御する同期モータは、膨張機に適用される。
同期モータを膨張機に適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途が膨張機である場合、本発明の効果が大きい。
請求項43に記載の制御装置が制御する同期モータは、膨張機に適用される。
同期モータを膨張機に適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きい。そのため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途が膨張機である場合、本発明の効果が大きい。
〔請求項44の手段〕
請求項44に記載の制御装置が制御する同期モータは、車両に搭載される。
請求項44に記載の制御装置が制御する同期モータは、車両に搭載される。
最良の形態1の制御装置は、ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、電機子コイルへの給電状態に応じてロータの回転位置を推定し、回転位置の推定値に応じて電機子コイルへの給電を制御する。また、制御装置は、ロータの回転駆動を開始する際に、ロータの回転数の指令値を増加することで給電状態を変化させ、回転数を上昇させる過渡運転モードから、給電状態に応じた回転位置の推定、および回転位置の推定値に応じた電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替える。
そして、制御装置は、過渡運転モードの実行時に、電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、回転数の指令値を相電流の位相に応じて補正する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
また、制御装置は、この閾値を限界位相に略一致する値として設定する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、回転数の指令値を補正する。
また、制御装置は、この閾値を限界位相に略一致する値として設定する。
また、制御装置は、給電状態を示す給電情報の内で、相電流の振幅、相電流の位相、d軸電流、q軸電流、相電圧の振幅、相電圧の位相、d軸電圧、q軸電圧、および力率角の中から少なくとも1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える。
また、制御装置は、選択した給電情報を監視することで、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える時期を決める。
また、制御装置は、給電情報を監視する監視期間を、給電情報の変動周期以上の長さに設定している。
また、制御装置は、給電情報を監視する監視期間を、給電情報の変動周期以上の長さに設定している。
また、制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電流の振幅を選択し、相電流の振幅が最小値に略一致した時、相電流の振幅が減少している時、相電流の振幅が所定の比較値以下である時、または、相電流の振幅が最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
また、制御装置は、監視する給電情報の1つとして、相電圧の振幅を選択してもよい。この場合、制御装置は、相電圧の振幅が最小値に略一致した時、相電圧の振幅が減少している時、または、相電圧の振幅が所定の比較値以下である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
また、制御装置は、回転数の指令値を所定の下限回転数以下に維持する極低速運転モードを実行した後、過渡運転モードに切り替える。
また、制御装置は、下限回転数を、過渡運転モードにおける回転数の指令値の最大値の1/10以下に設定している。
また、制御装置は、下限回転数を、過渡運転モードにおける回転数の指令値の最大値の1/10以下に設定している。
また、制御装置は、過渡運転モードの実行時には、複数の相電流の絶対値の内で最大となる値を最大相電流として監視するとともに、最大相電流が所定の目標値に略一致するように相電圧を調節する。
また、同期モータでは、ロータにネオジ磁石が装着され、電機子コイルが集中巻きである。
また、同期モータは、コンプレッサ、ポンプ、または膨張機に適用され、車両に搭載される。
また、同期モータは、コンプレッサ、ポンプ、または膨張機に適用され、車両に搭載される。
最良の形態2の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の振幅を相電流の位相に応じて補正する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の振幅を補正する。
最良の形態3の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の位相を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の位相に応じて補正する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
また、制御装置は、相電流の位相に対する閾値を設定し、相電流の位相と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
最良の形態4の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電流の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電流の振幅に応じて補正する。
また、制御装置は、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
また、制御装置は、閾値を、限界位相における相電流の振幅に略一致する値、または、規格電流が最大であるときの相電流の振幅に略一致する値として設定する。
また、制御装置は、相電流の振幅に対する閾値を設定し、相電流の振幅と閾値との差に応じて、相電圧の位相を補正する。
また、制御装置は、閾値を、限界位相における相電流の振幅に略一致する値、または、規格電流が最大であるときの相電流の振幅に略一致する値として設定する。
最良の形態5の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、力率角を監視するとともに、相電圧の位相を力率角に応じて補正する。
また、制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が最大値に略一致した時、力率角が増加している時に、または、力率角が所定の比較値以上である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
また、制御装置は、監視する給電情報の1つとして、力率角を選択し、力率角が最大値に略一致した時、力率角が増加している時に、または、力率角が所定の比較値以上である時に、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行う。
最良の形態6の制御装置は、過渡運転モードの実行時に、相電圧の振幅を監視するとともに、相電圧の位相を相電圧の振幅に応じて補正する。
〔実施例1の構成〕
実施例1のセンサレス制御装置1(以下、制御装置1と呼ぶ)を、図1に基づいて説明する。
実施例1のセンサレス制御装置1(以下、制御装置1と呼ぶ)を、図1に基づいて説明する。
まず、制御装置1により制御される同期モータ2について説明する。同期モータ2は、例えば、u相、v相、w相の3相の電機子コイル(図示せず)を有するステータ(図示せず)と、永久磁石(図示せず)が装着されるロータ(図示せず)とを備え、インバータ3により各相電機子コイルに位相の異なる交流電圧を印加させることでロータを回転駆動し、出力トルクを得るものである。なお、本実施例の同期モータ2は、体格の低減や出力トルクの向上等のため、電機子コイルを集中巻きとし、永久磁石にネオジ磁石が適用されている。そして、同期モータ2は、車両に搭載されるコンプレッサ、ポンプおよび膨張機等に適用されている。
インバータ3は、各相電機子コイルに対応した上下2段のトランジスタ(図示せず)、すなわち6個のトランジスタを含んで構成され、これらのトランジスタは、制御装置1からPWM信号の入力を受けて作動する。これにより、インバータ3は、所定の電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換するとともに、電機子コイルごとに位相の異なる交流電圧を印加する。
また、インバータ3と各相電機子コイルとを接続する3つの配線の内の少なくとも2つの配線には、交流電圧の印加により生じる交流電流を検出する電流検出センサ(図示せず)が装着されて電流検出部4を構成している。この電流検出部4を構成する電流検出センサは、例えば、CT型電流センサのように配線に対し非接触で電流を検出するものである。そして、検出された交流電流の検出値は、検出信号として制御装置1に出力される。
なお、以下の説明では、各相電機子コイルへ給電するために印加される交流電圧を、相電圧と呼び、各相電機子コイルへの給電により生じる交流電流を相電流と呼ぶ。そして、相電流は、3相の内でu相、v相の相電流が検出されるものとし、各々の相電流の検出値をIu、Ivとして表す。
制御装置1は、周知構造のコンピュータであり、相電流の検出値Iu、Iv等の入力を受けるとともに、これらの検出値や各種の指令値等に基づき各相電機子コイルに相電圧を印加するためのPWM信号を合成してインバータ3に出力する。
これにより、制御装置1は、電機子コイルへの給電を制御してロータを回転駆動するとともに、電機子コイルへの給電状態に応じてロータの回転位置(以下、単に回転位置と呼ぶ)を推定し、この回転位置の推定値θesに応じて電機子コイルへの給電を制御する。つまり、制御装置1は、回転位置を検出する位置センサによらず、電機子コイルへの給電状態に応じて回転位置を推定することで同期モータ2を制御するセンサレス制御方式を採用するものである(以下、「電機子コイルへの給電」を単に給電と呼ぶ)。
また、制御装置1は、ロータの回転駆動を開始する際に、過渡運転モードから通常運転モードに運転モードを切り替える。ここで、通常運転モードとは、上記のセンサレス制御方式が採用される運転モードであり、給電状態に応じた回転位置の推定、および回転位置の推定値θesに応じた給電制御を行う運転モードである。
過渡運転モードは、後記する回転数指令部5に示すように、ロータの回転数の指令値ω*を経時的に増加することで給電状態を変化させ回転数を上昇させる運転モードであり、通常運転モードに移行するまでの間に実行される過渡的な運転モードである。
過渡運転モードの前には、さらに極低速運転モードが実行される。極低速運転モードは、ロータの回転駆動開始と同時に適用される運転モードであり、指令値ω*を所定の下限回転数以下に維持する運転モードである。下限回転数は、例えば、過渡運転モードにおける指令値ω*の最大値の1/10以下に設定されている。
なお、図1は、主に、過渡運転モードにおける制御ブロックフローを示すものである。 以下、制御装置1を、図1に示す制御ブロックフローを用いて説明する。
なお、図1は、主に、過渡運転モードにおける制御ブロックフローを示すものである。 以下、制御装置1を、図1に示す制御ブロックフローを用いて説明する。
制御装置1は、指令値ω*を出力する回転数指令部5、相電流の位相(電流位相)Iθを監視する電流位相監視部6、指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正する回転数補正部7、相電流の振幅(電流振幅)Iaの指令値Ia*を出力する電流振幅指令部8、電流振幅Iaを監視する電流振幅監視部9、補正後の指令値ω*を積分することで推定値θesを算出する位置推定部11、電流振幅Iaと指令値Ia*との差に基づき相電圧の振幅(電圧振幅)の指令値Va*を算出する電圧振幅指令部12、指令値Va*、推定値θesに基づきインバータ3に出力するPWM信号を合成するPWM合成部13等の機能を有する。
ここで、u相、v相、w相の相電圧の位相(電圧位相)の指令値Vuθ*、Vvθ*、Vwθ*は、各々、下記の数式1、2、3により算出される。なお、数式中、φは固定値である。
したがって、制御装置1は、推定値θesを算出することで、電圧位相の指令値Vuθ*、Vvθ*、Vwθ*を監視することができる(以下、電圧位相の指令値を、Vθ*で表す)。
回転数指令部5は、極低速運転モードおよび過渡運転モードにおける指令値ω*を時間に応じて変更して出力する。例えば、回転数指令部5は、ロータの回転駆動開始と同時に
指令値ω*を下限回転数以下の初期値に設定し、所定の期間、指令値ω*を初期値に維持する。これにより、極低速運転モードが実行される。続いて、回転数指令部5は、指令値ω*を初期値から最終値まで徐々に増加させ、指令値ω*を最終値に維持する。これにより、過渡運転モードが実行される。
指令値ω*を下限回転数以下の初期値に設定し、所定の期間、指令値ω*を初期値に維持する。これにより、極低速運転モードが実行される。続いて、回転数指令部5は、指令値ω*を初期値から最終値まで徐々に増加させ、指令値ω*を最終値に維持する。これにより、過渡運転モードが実行される。
電流位相監視部6は、検出値Iu、Ivを用いて電流位相Iθを算出する。つまり、電流位相監視部6は、検出値Iu、Ivを用いて電流位相Iθを計測することで、電流位相Iθを監視する。そして、算出された電流位相Iθは、回転数補正部7に出力される。
回転数補正部7は、電流位相Iθに対する閾値を設定し、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値ω*を補正する。回転数補正部7は、電流位相Iθに対する閾値を設定する閾値設定部14、電流位相Iθと閾値との差が負になるときに出力値をゼロにするガード部15、ガード部15からの出力値を指令値ω*と同次元化するための係数を乗じる係数乗算部16等の機能を含んでいる。
閾値設定部14は、閾値を、出力トルクと電流位相Iθとの相関線(図7参照)で、出力トルクがピークを示すときの電流位相Iθである限界位相に略一致する値として設定する。
ガード部15は、電流位相Iθと閾値との差を入力値として受け取り、この差の正負に応じて出力値を決定する。つまり、入力値が正のとき、ガード部15は、入力値に対しリニアな正の相関を有する出力値を出力する。一方、入力値が負のとき、ガード部15は、出力値をゼロとする。
そして、回転数補正部7は、回転数指令部5からの出力値である指令値ω*から、係数乗算部16からの出力値を減算することで、指令値ω*を補正する。
以上より、回転数補正部7は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値ω*を低減する補正を行う。
以上より、回転数補正部7は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値ω*を低減する補正を行う。
電流振幅指令部8は、u相、v相、w相の各相電流の絶対値の内で、最大となる値を最大相電流として定義するとともに、この最大相電流を電流振幅Iaとみなし、この電流振幅Iaの目標値として指令値Ia*を出力する。
電流振幅監視部9は、検出値Iu、Ivを用いて最大相電流を算出する。つまり、電流振幅監視部9は、最大相電流を計測することで電流振幅Iaを監視する。そして、算出された電流振幅Iaと指令値Ia*との差が算出され、電圧振幅指令部12に出力される。
また、制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、指令値Va*、指令値Vθ*のように給電状態を示す給電情報の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行う。つまり、制御装置1は、選択した給電情報を監視することで、過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え時期を決めている。
ここで、過渡運転モードから通常運転モードへの切り替えのために給電情報を監視する期間、つまり、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替えるためのプログラム(モード切り替えプログラム)を実行する期間は、選択した給電情報の変動周期以上の長さに設定されている。
例えば、制御装置1は、監視する給電情報として電流振幅Iaを選択した場合、電流振幅Iaの変動周期以上の長さの期間、モード切り替えプログラムを実行する。そして、制御装置1は、例えば、電流振幅Iaが最小値に略一致した時に切り替え指令を行う。なお、監視する給電情報として電流振幅Iaを選択した場合、電流振幅Iaが減少している時に切り替え指令を行うようにしてもよく、電流振幅Iaが所定の比較値以下である時に切り替え指令を行うようにしてもよく、電流振幅Iaが最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に切り替え指令を行うようにしてもよい。
また、制御装置1は、監視する給電情報として指令値Va*を選択してもよい。この場合、制御装置1は、指令値Va*の変動周期以上の長さの期間、モード切り替えプログラムを実行する。そして、制御装置1は、例えば、指令値Va*が最小値に略一致した時に切り替え指令を行う。なお、監視する給電情報として指令値Va*を選択した場合、指令値Va*が減少している時に切り替え指令を行うようにしてもよく、指令値Va*が所定の比較値以下である時に切り替え指令を行うようにしてもよい。
〔実施例1の効果〕
実施例1の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、回転数補正部7により回転数の指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
実施例1の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、回転数補正部7により回転数の指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
同期モータ2が適用されるコンプレッサ等の機器には固有の共振周波数があり、この共振周波数では負荷が増大し出力トルクが不足する。よって、スタート時の共振周波数における回転停止を防止するためだけに、同期モータ2やインバータ3の仕様を、出力トルクの大きいものにする必要がある。
共振周波数における同期モータ2の回転停止の問題は、出力トルクと電流位相Iθおよび電流振幅Iaとの相関図(図7参照)を用いて考えることができる。つまり、電流位相Iθが限界位相よりも進むと、電機子コイルへの給電制御が不能になり、ロータの回転が停止する。
そこで、過渡運転モードの実行時に、電流位相Iθを監視するとともに、指令値ω*を電流位相Iθに応じて補正する。これにより、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値ω*を低減することで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
また、回転数補正部7は、閾値設定部14により電流位相Iθに対する閾値を設定するとともに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値ω*を補正する。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、指令値ω*を補正することができる。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、指令値ω*を補正することができる。
また、制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、電圧振幅の指令値Va*、電圧位相の指令値Vθ*のように給電状態を示す給電情報の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行う。
共振周波数における負荷の増大は、脈動を伴って発生する。よって、出力トルクは負荷の脈動に応じて増減する。したがって、出力トルクと相関がある電流振幅Ia、電流位相Iθ、指令値Va*、指令値Vθ*等の給電情報に応じて運転モードを切り替えることで、脈動により負荷が低下している時期に運転モードを切り替えることができる。このため、通常運転モードに切り替えた直後に必要とされる出力トルクを、低減することができる。
また、制御装置1は、選択した給電情報を監視することで、過渡運転モードから通常運転モードへ切り替える時期を決める。
これにより、運転モードを切り替える時期を決めるのに、予め時間的な余裕を得ることができる。
これにより、運転モードを切り替える時期を決めるのに、予め時間的な余裕を得ることができる。
また、制御装置1は、給電情報を監視する監視期間を、給電情報の変動周期以上の長さに設定している。
これにより、給電情報の変化の傾向を確実に把握してから、運転モードを切り替える時期を決めることができる。このため、決定された切り替え時期に対する信頼性を高めることができる。
これにより、給電情報の変化の傾向を確実に把握してから、運転モードを切り替える時期を決めることができる。このため、決定された切り替え時期に対する信頼性を高めることができる。
そして、制御装置1は、監視する給電情報として電流振幅Iaを選択した場合、電流振幅Iaが最小値に略一致した時、電流振幅Iaが減少している時、電流振幅Iaが所定の比較値以下である時、または、電流振幅Iaが最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に切り替え指令を行う。
上記のように、共振周波数における負荷の増大は負荷の脈動を伴う。よって、負荷が小さいときには電流振幅Iaも小さくなるので、電流振幅Iaが最小値に略一致した時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。また、負荷が減少しているときには電流振幅Iaも減少しているので、電流振幅Iaが減少している時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。また、負荷が所定の大きさ以下であれば電流振幅Iaも所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、電流振幅Iaがこの比較値以下である時に運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
また、運転モードの切り替え時には、回転数が共振周波数よりも十分に大きくなり負荷の増大が収まっているので、電流振幅Iaを低下させる操作を行う。つまり、運転モードの切り替え時には、指令値Va*を低下させる。この際、出力トルクは同レベルを維持するかまたは低下する方向に操作されるので、電流位相Iθは限界位相に接近し、やがて限界位相よりも進む(図7参照)。このため、電流位相Iθが限界位相よりも進むと、電圧振幅と電流振幅Iaとの相関が逆転するので(図8参照)、電流振幅Iaが増加し始める。そこで、電流振幅Iaが最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、運転モードの切り替え指令を行えば、電流位相Iθが限界位相よりも進む時期に、運転モードを切り替えることができる。このため、切り替え直後に必要とされる出力トルクを小さく抑えることができる。
また、制御装置1は、監視する給電情報として指令値Va*を選択した場合、指令値Va*が最小値に略一致した時、指令値Va*が減少している時、または、指令値Va*が所定の比較値以下である時に切り替え指令を行う。
電流位相Iθが限界位相よりも遅れている範囲でロータを回転駆動していれば、電流振幅Iaと電圧振幅とは正の相関を有する(図8参照)。よって、指令値Va*が最小値に略一致したときに運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。また、負荷が減少しているときには指令値Va*も減少しているので、指令値Va*が減少しているときに運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを低減することができる。また、負荷が所定の大きさ以下であれば指令値Va*も所定の大きさ(所定の比較値)以下になる。そこで、指令値Va*がこの比較値以下であるときに運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを所定の大きさ以下に抑えることができる。
また、制御装置1は、指令値ω*を所定の下限回転数以下に維持する極低速運転モードを実行した後、過渡運転モードに切り替える。
ロータを静止状態から回転状態に移行させる際には、静止摩擦の影響により負荷が増大する。そこで、ロータの回転駆動の開始時、つまり過渡運転モードよりも前の時間帯に、上記のような極低速運転モードを実行することで、負荷に応じた極低速でロータを回転駆動し、静止摩擦の影響がなくなってから指令値ω*を増加させる。これにより、スタート時の電流振幅Iaを低減できる。
ロータを静止状態から回転状態に移行させる際には、静止摩擦の影響により負荷が増大する。そこで、ロータの回転駆動の開始時、つまり過渡運転モードよりも前の時間帯に、上記のような極低速運転モードを実行することで、負荷に応じた極低速でロータを回転駆動し、静止摩擦の影響がなくなってから指令値ω*を増加させる。これにより、スタート時の電流振幅Iaを低減できる。
また、制御装置1の電流振幅監視部9は、検出値Iu、Ivを用いて最大相電流を算出することで電流振幅Iaを監視するとともに、制御装置1は、算出された電流振幅Iaと指令値Ia*との差を算出し電圧振幅指令部12に出力する。
これにより、相電流が通常の振幅波形である場合と同等の実効値の相電流を得ることができるとともに、相電流が通常の振幅波形である場合よりも電流振幅Iaを低減することができる。
これにより、相電流が通常の振幅波形である場合と同等の実効値の相電流を得ることができるとともに、相電流が通常の振幅波形である場合よりも電流振幅Iaを低減することができる。
また、実施例1の制御装置1が制御する同期モータ2では、ロータにネオジ磁石が装着されている。
ネオジ磁石がロータに装着されていると磁石トルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、ロータにネオジ磁石が装着されている場合、本発明の効果が大きい。
ネオジ磁石がロータに装着されていると磁石トルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、ロータにネオジ磁石が装着されている場合、本発明の効果が大きい。
また、実施例1の制御装置1が制御する同期モータ2では、電機子コイルが集中巻きである。
電機子コイルが集中巻きであるとコギングトルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、電機子コイルが集中巻きである場合、本発明の効果が大きい。
電機子コイルが集中巻きであるとコギングトルクが大きくなるため、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、電機子コイルが集中巻きである場合、本発明の効果が大きい。
また、制御装置1が制御する同期モータ2は、コンプレッサ、ポンプまたは膨張機に適用される。
同期モータをこれらの機器に適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きいので、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がこれらの機器である場合、本発明の効果が大きい。
同期モータをこれらの機器に適用する場合、慣性モーメントが小さく負荷脈動が大きいので、共振周波数における負荷の増大が顕著になる。よって、同期モータの適用用途がこれらの機器である場合、本発明の効果が大きい。
〔実施例2の構成〕
実施例2の制御装置1を、図2を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例2の制御装置1は、回転数補正部7に替わり、電圧振幅の指令値Va*を電流位相Iθに応じて補正する電圧振幅補正部18の機能を有する。
実施例2の制御装置1を、図2を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例2の制御装置1は、回転数補正部7に替わり、電圧振幅の指令値Va*を電流位相Iθに応じて補正する電圧振幅補正部18の機能を有する。
この電圧振幅補正部18は、電流位相Iθに対する閾値を設定し、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値Va*を補正する。つまり、電圧振幅補正部18は、実施例1の回転数補正部7と同様の閾値設定部14、ガード部15、係数乗算部16等の機能を含んでいる。なお、係数乗算部16で、ガード部15からの出力値に乗じられる係数は、ガード部15からの出力値と指令値Va*とを同次元化するためのものである。
そして、電圧振幅補正部18は、電圧振幅指令部12からの出力値である指令値Va*に、係数乗算部16からの出力値を加算することで、指令値Va*を補正する。
以上より、電圧振幅補正部18は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値Va*を増加する補正を行う。
以上より、電圧振幅補正部18は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値Va*を増加する補正を行う。
〔実施例2の効果〕
実施例2の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、電圧振幅補正部18により電圧振幅の指令値Va*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
すなわち、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値Va*を増加し回転数を上昇させることで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持する。
実施例2の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、電圧振幅補正部18により電圧振幅の指令値Va*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
すなわち、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値Va*を増加し回転数を上昇させることで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持する。
過渡運転モードでは、制御装置1は、電流振幅Iaを一定に維持するように給電制御を行う。ところで、電流位相Iθが限界位相よりも遅れている場合、指令値Va*と電流振幅Iaとは正の相関を示す(図8参照)。そして、過渡運転モードでの給電制御では、この正の相関が利用されて電流振幅Iaが一定に維持されている。つまり、制御装置1は、電流振幅Iaが増加すれば指令値Va*を減少させ、電流振幅Iaが減少すれば指令値Va*を増加させている。
しかし、負荷の増大に伴い、電流位相Iθが限界位相よりも進んだ場合、指令値Va*と電流振幅Iaとは負の相関を示すようになる。これにより、電流振幅Iaが、一旦、増加を開始すると、制御装置1は、電流振幅Iaの増加を抑えることができなくなる。このため、制御装置1による給電制御が不能となり、相電流は過電流となってインバータ3が停止してしまう。
そこで、過渡運転モードの実行時に、電流位相Iθを監視するとともに、指令値Va*を電流位相Iθに応じて補正する。これにより、電流位相Iθが限界位相よりも進んだ場合には、負の相関を利用して、電流振幅Iaが増加したら指令値Va*を増加させるように給電制御することができる。このため、電流位相Iθが限界位相よりも進んだ場合に、電流振幅Iaの増加を抑えることができる。この結果、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
また、電圧振幅補正部18は、閾値設定部14により電流位相Iθに対する閾値を設定するとともに、電流位相Iθと閾値との差に応じて指令値Va*を補正する。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、電圧振幅の指令値Va*を補正することができる。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、電圧振幅の指令値Va*を補正することができる。
〔実施例3の構成〕
実施例3の制御装置1を、図3を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例3の制御装置1は、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを電流位相Iθに応じて補正することで電圧位相の指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。なお、数式1ないし数式3に示す相関式によれば、推定値θesが補正されれば、指令値Vθ*も補正される。
実施例3の制御装置1を、図3を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例3の制御装置1は、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを電流位相Iθに応じて補正することで電圧位相の指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。なお、数式1ないし数式3に示す相関式によれば、推定値θesが補正されれば、指令値Vθ*も補正される。
この電圧位相補正部19は、電流位相Iθに対する閾値を設定し、電流位相Iθと閾値との差に応じて推定値θesを補正する。つまり、電圧位相補正部19は、実施例1の回転数補正部7と同様の閾値設定部14、ガード部15、係数乗算部16等の機能を含んでいる。なお、係数乗算部16で、ガード部15からの出力値に乗じられる係数は、ガード部15からの出力値と推定値θesとを同次元化するためのものである。
そして、電圧位相補正部19は、位置推定部11からの出力値である推定値θesから、係数乗算部16からの出力値を減算することで、推定値θesを補正する。
以上より、電圧位相補正部19は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
以上より、電圧位相補正部19は、電流位相Iθが閾値(つまり、限界位相の近傍値)よりも大きいときに、電流位相Iθと閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
〔実施例3の効果〕
実施例3の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
すなわち、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値Vθ*を遅らせることで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
実施例3の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流位相監視部6により電流位相Iθを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電流位相Iθに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
すなわち、電流位相Iθが限界位相より進んでも、指令値Vθ*を遅らせることで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
また、電圧位相補正部19は、閾値設定部14により電流位相Iθに対する閾値を設定するとともに、電流位相Iθと閾値との差に応じて推定値θesを補正することで、指令値Vθ*を補正する。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、指令値Vθ*を補正することができる。
これにより、電流位相Iθをフィードバックして、指令値Vθ*を補正することができる。
〔実施例4の構成〕
実施例4の制御装置1を、図4を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例4の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを電流振幅Iaに応じて補正することで電圧位相の指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例4の制御装置1を、図4を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例4の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを電流振幅Iaに応じて補正することで電圧位相の指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例4の電圧位相補正部19は、電流振幅Iaに対する閾値を設定し、電流振幅Iaと閾値との差に応じて推定値θesを補正する。この電圧位相補正部19は、電流振幅Iaに対する閾値を設定する閾値設定部14、電流振幅Iaと閾値との差が負になるときに出力値をゼロにするガード部15、ガード部15からの出力値を推定値θesと同次元化するための係数を乗じる係数乗算部16等の機能を含んでいる。
閾値設定部14は、閾値を、限界位相における電流振幅Iaに略一致する値、または、規格電流が最大であるときの電流振幅Iaに略一致する値として設定する。
ガード部15は、電流振幅Iaと閾値との差を入力値として受け取り、この差の正負に応じて出力値を決定する。つまり、入力値が正のとき、ガード部15は、入力値に対しリニアな正の相関を有する出力値を出力する。一方、入力値が負のとき、ガード部15は、出力値をゼロとする。
そして、電圧位相補正部19は、位置推定部11からの出力値である推定値θesから、係数乗算部16からの出力値を減算することで、推定値θesを補正する。
以上より、電圧位相補正部19は、電流振幅Iaが閾値よりも大きいときに、電流振幅Iaと閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
以上より、電圧位相補正部19は、電流振幅Iaが閾値よりも大きいときに、電流振幅Iaと閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
〔実施例4の効果〕
実施例4の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流振幅監視部9により電流振幅Iaを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電流振幅Iaに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
実施例4の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、電流振幅監視部9により電流振幅Iaを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電流振幅Iaに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
電流振幅Iaを監視すれば、指令値Va*に対する電流振幅Iaの挙動を確認することができる。これにより、電流振幅Iaと指令値Va*とが正負いずれの相関を有するかを判断することができるので、電流位相Iθが限界位相よりも進んでいるか否かを判断することができる(図8参照)。このため、より簡単な監視方法でスタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
また、電圧位相補正部19は、閾値設定部14により電流振幅Iaに対する閾値を設定するとともに、電流振幅Iaと閾値との差に応じて推定値θesを補正することで、指令値Vθ*を補正する。
これにより、電流振幅Iaをフィードバックして、電圧位相の指令値Vθ*を補正することができる。
これにより、電流振幅Iaをフィードバックして、電圧位相の指令値Vθ*を補正することができる。
また、閾値設定部14は、閾値を、限界位相における電流振幅Iaに略一致する値として設定する。
これにより、電流位相Iθが限界位相より進んでも、推定値θes、つまり指令値Vθ*を低減することで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。
これにより、電流位相Iθが限界位相より進んでも、推定値θes、つまり指令値Vθ*を低減することで電流位相Iθを限界位相よりも遅らせ、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。
また、閾値設定部14は、閾値を、規格電流が最大であるときの電流振幅Iaに略一致する値として設定する。
これにより、出力トルクを最大に保つことができる。
これにより、出力トルクを最大に保つことができる。
〔実施例5の構成〕
実施例5の制御装置1を、図5を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例5の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを、電流位相Iθと電圧位相の指令値Vθ*との位相差(以下、力率角ξと呼ぶ)に応じて補正することで、指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例5の制御装置1を、図5を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例5の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θesを、電流位相Iθと電圧位相の指令値Vθ*との位相差(以下、力率角ξと呼ぶ)に応じて補正することで、指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例5の制御装置1は、電流検出部4から出力される相電流の検出値Iu、Iv、および推定値θesとを用いて、力率角ξを算出する力率角監視部20の機能を有する。
力率角監視部20は、検出値Iu、Ivを用いて3相の相電流の内でいずれか1相の相電流がゼロであるか否かを判断するとともに、いずれか1相の相電流がゼロである時に所定の固定値から推定値θesを減算することで力率角ξを算出する。つまり、力率角監視部20は、3相の内のいずれかの相電流がゼロになる電流ゼロクロス時に、力率角ξを計測することで力率角ξを監視する。このため、制御装置1は、力率角ξに応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができる。
実施例5の電圧位相補正部19は、力率角ξの全成分の内で、所定の遮断値よりも小さい成分を通過成分として通過させる低減フィルタ21の機能を有する。そして、この電圧位相補正部19は、低減フィルタ21から出力される通過成分と力率角ξとの差を補正量として算出するとともに、この補正量を、位置推定部11で算出された推定値θesから減算することで、推定値θesを補正する。
〔実施例5の効果〕
実施例5の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、力率角監視部20により力率角ξを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を力率角ξに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
実施例5の制御装置1は、過渡運転モードの実行時に、力率角監視部20により力率角ξを監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を力率角ξに応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
力率角ξは、電流位相Iθとの間に1対1に対応する相関を有する(図9(a)参照)。よって、電流位相Iθの替わりに力率角ξを監視することで、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
また、制御装置1は、力率角ξに応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができる。
力率角ξは、過渡運転モードでは、一変動周期内で、最小値→中間値→最大値の3つの値をほぼ同一時間間隔でステップ状に変化し、次の変動周期に移り、再度、最小値に戻り同様の変動を繰り返す(図9(b)参照)。また、負荷が小さいときには力率角ξは大きいので、力率角ξが最大値に略一致したときに運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。
力率角ξは、過渡運転モードでは、一変動周期内で、最小値→中間値→最大値の3つの値をほぼ同一時間間隔でステップ状に変化し、次の変動周期に移り、再度、最小値に戻り同様の変動を繰り返す(図9(b)参照)。また、負荷が小さいときには力率角ξは大きいので、力率角ξが最大値に略一致したときに運転モードを切り替えれば、切り替え直後に必要とされる出力トルクを最小値近傍に抑えることができる。
なお、力率角ξの計測遅れを考慮して、力率角監視部20による力率角ξの算出値が再小値から中間値に移行する時に、つまり力率角ξの計測値が再小値から中間値に移行する時に、運転モードの切り替えを指令してもよい。
〔実施例6の構成〕
実施例6の制御装置1を、図6を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例6の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電圧振幅の指令値Va*に応じて補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例6の制御装置1を、図6を用いて説明する。なお、実施例1と同様の機能を有する部分は同一の符号を用いる。
実施例6の制御装置1は、電流位相監視部6の機能を有さず、回転数補正部7に替わり、回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を電圧振幅の指令値Va*に応じて補正する電圧位相補正部19の機能を有する。
実施例6の電圧位相補正部19は、指令値Va*に対する閾値を設定し、指令値Va*と閾値との差に応じて推定値θesを補正する。この電圧位相補正部19は、指令値Va*に対する閾値を設定する閾値設定部14、指令値Va*と閾値との差が負になるときに出力値をゼロにするガード部15、ガード部15からの出力値を推定値θesと同次元化するための係数を乗じる係数乗算部16等の機能を含んでいる。
ガード部15は、指令値Va*と閾値との差を入力値として受け取り、この差の正負に応じて出力値を決定する。つまり、入力値が正のとき、ガード部15は、入力値に対しリニアな正の相関を有する出力値を出力する。一方、入力値が負のとき、ガード部15は、出力値をゼロとする。
そして、電圧位相補正部19は、位置推定部11からの出力値である推定値θesから、係数乗算部16からの出力値を減算することで、推定値θesを補正する。
以上より、電圧位相補正部19は、指令値Va*が閾値よりも大きいときに、指令値Va*と閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
以上より、電圧位相補正部19は、指令値Va*が閾値よりも大きいときに、指令値Va*と閾値との差に応じて推定値θesを低減する補正を行う。
〔実施例6の効果〕
実施例6の制御装置1は、電圧振幅指令部12により電圧振幅の指令値Va*を算出することで指令値Va*を監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を指令値Va*に応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
実施例6の制御装置1は、電圧振幅指令部12により電圧振幅の指令値Va*を算出することで指令値Va*を監視するとともに、電圧位相補正部19により回転位置の推定値θes、つまり電圧位相の指令値Vθ*を指令値Va*に応じて補正することで、共振周波数における回転停止を防止する。
電流振幅Iaや力率角ξと同様に、電流位相Iθの替わりに指令値Va*を監視することで、給電制御を可能としてロータの回転を維持することができる。このため、同期モータ2やインバータ3において出力トルクの大きい仕様を採用せずに、スタート時の共振周波数における回転停止を防止することができる。
〔変形例〕
実施例1ないし実施例3の制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、電圧振幅の指令値Va*、電圧位相の指令値Vθ*の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報を用いて、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧、力率角ξ等の別の給電情報を算出し、これらの別の給電情報の中から1つの給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
実施例1ないし実施例3の制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、電圧振幅の指令値Va*、電圧位相の指令値Vθ*の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報を用いて、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧、力率角ξ等の別の給電情報を算出し、これらの別の給電情報の中から1つの給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
実施例4の制御装置1は、回転位置の推定値θesを電流振幅Iaに応じて補正することで指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有するものであったが、このような電圧位相補正部19に替わり、回転数の指令値ω*を電流振幅Iaに応じて補正する回転数補正部7、または、指令値Va*を電流振幅Iaに応じて補正する電圧振幅補正部18の機能を制御装置1に具備させてもよい。
実施例4の制御装置1は、電流振幅Ia、指令値Va*、指令値Vθ*の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報や相電流の検出値Iu、Ivを用いて、電流位相Iθ、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧、力率角ξ等の別の給電情報を算出し、これらの別の給電情報の中から1つの給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
実施例5の制御装置1は、推定値θesを力率角ξに応じて補正することで指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有するものであったが、このような電圧位相補正部19に替わり、指令値ω*を力率角ξに応じて補正する回転数補正部7、または、指令値Va*を力率角ξに応じて補正する電圧振幅補正部18の機能を制御装置1に具備させてもよい。
実施例5の制御装置1は、電流振幅Ia、指令値Va*、指令値Vθ*、力率角ξの中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報や相電流の検出値Iu、Ivを用いて、電流位相Iθ、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧等の別の給電情報を算出し、これらの別の給電情報の中から1つの給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
実施例6の制御装置1は、推定値θesを指令値Va*に応じて補正することで指令値Vθ*を補正する電圧位相補正部19の機能を有するものであったが、このような電圧位相補正部19に替わり、指令値ω*を指令値Va*に応じて補正する回転数補正部7、または、指令値Va*自体を指令値Va*に応じて補正する電圧振幅補正部18の機能を制御装置1に具備させてもよい。
実施例6の制御装置1は、電流振幅Ia、指令値Va*、指令値Vθ*の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報や相電流の検出値Iu、Ivを用いて、電流位相Iθ、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧、力率角ξ等の別の給電情報を算出し、これらの別の給電情報の中から1つの給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
実施例1ないし実施例6の制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、指令値Va*、指令値Vθ*および力率角ξの内から選択された1つの給電情報を監視し、監視される1つの給電情報に応じて、指令値ω*、指令値Va*、指令値Vθ*の内から選択された1つの指令値を補正したが、監視される給電情報、および補正される指令値の少なくとも一方を2つ以上としてもよい。このように、制御装置1において、監視される給電情報と補正される指令値との組み合わせを2つ以上、設定することで、スタート時の回転停止を防止する効果を高めることができる。
実施例1ないし実施例6の制御装置1は、電流振幅Ia、電流位相Iθ、指令値Va*、指令値Vθ*、力率角ξ、d軸電流、q軸電流、d軸電圧、q軸電圧等の中から1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて過渡運転モードから通常運転モードへの切り替え指令を行うことができるが、これらの給電情報の中から2つ以上の給電情報を選択し監視するようにしてもよい。
2つ以上の給電情報を監視することで、決定された切り替え時期に対する信頼性をさらに高めることができる。
2つ以上の給電情報を監視することで、決定された切り替え時期に対する信頼性をさらに高めることができる。
1 制御装置(センサレス制御装置)
2 同期モータ
θes 推定値(回転位置の推定値)
ω* 指令値(回転数の指令値)
Iθ 電流位相(相電流の位相)
Va* 指令値(相電圧の振幅)
Vθ* 指令値(相電圧の位相)
Ia 電流振幅(相電流の振幅)
ξ 力率角(位相差)
2 同期モータ
θes 推定値(回転位置の推定値)
ω* 指令値(回転数の指令値)
Iθ 電流位相(相電流の位相)
Va* 指令値(相電圧の振幅)
Vθ* 指令値(相電圧の位相)
Ia 電流振幅(相電流の振幅)
ξ 力率角(位相差)
Claims (44)
- ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、前記回転数の指令値を前記相電流の位相に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅を、前記相電流の位相に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相を監視するとともに、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の位相を、前記相電流の位相に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の位相に対する閾値を設定し、
前記相電流の位相と前記閾値との差に応じて、前記回転数の指令値を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項2に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の位相に対する閾値を設定し、
前記相電流の位相と前記閾値との差に応じて、前記相電圧の振幅を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項3に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の位相に対する閾値を設定し、
前記相電流の位相と前記閾値との差に応じて、前記相電圧の位相を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項4ないし請求項6に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記閾値を、前記ロータに与えられる出力トルクと前記相電流の位相との相関線で、前記出力トルクがピークを示すときの前記相電流の位相である限界位相に略一致する値として設定することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の振幅を監視するとともに、前記回転数の指令値を前記相電流の振幅に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の振幅を監視するとともに、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅を、前記相電流の振幅に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の振幅を監視するとともに、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の位相を、前記相電流の振幅に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項8に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の振幅に対する閾値を設定し、
前記相電流の振幅と前記閾値との差に応じて、前記回転数の指令値を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項9に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の振幅に対する閾値を設定し、
前記相電流の振幅と前記閾値との差に応じて、前記相電圧の振幅を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項10に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記相電流の振幅に対する閾値を設定し、
前記相電流の振幅と前記閾値との差に応じて、前記相電圧の位相を補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項11ないし請求項13に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記閾値を、前記ロータに与えられる出力トルクと前記相電流の位相との相関線で、前記出力トルクがピークを示すときの前記相電流の位相である限界位相における前記相電流の振幅に略一致する値として設定することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項11ないし請求項13に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記閾値は、規格電流が最大であるときの前記相電流の振幅に略一致する値であることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相と、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の位相との位相差を監視するとともに、前記回転数の指令値を前記位相差に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相と、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の位相との位相差を監視するとともに、前記相電圧の振幅を前記位相差に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の位相と、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の位相との位相差を監視するとともに、前記相電圧の位相を前記位相差に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅を監視するとともに、前記回転数の指令値を前記相電圧の振幅に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅を監視するとともに、補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅を監視するとともに、前記相電圧の位相を前記相電圧の振幅に応じて補正することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21に記載の同期モータのセンサレス制御装置の特徴の内で、少なくとも2つの特徴を有する同期モータのセンサレス制御装置。
- ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記給電状態を示す給電情報の内で、前記電機子コイルへの給電により生じる相電流の振幅、前記相電流の位相、d軸電流、q軸電流、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧の振幅、前記相電圧の位相、d軸電圧、q軸電圧、および前記相電流の位相と前記相電圧の位相との位相差の中から少なくとも1つの給電情報を選択し、選択した給電情報に応じて、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項23に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記選択した給電情報を監視することで、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替える時期を決めることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記選択した給電情報を監視する監視期間を、前記選択した給電情報の変動周期以上の長さに設定していることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、
前記相電流の振幅が最小値に略一致した時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、
前記相電流の振幅が減少している時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、
前記相電流の振幅が所定の比較値以下である時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電圧の振幅を選択し、
前記相電圧の振幅が最小値に略一致した時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電圧の振幅を選択し、
前記相電圧の振幅が減少している時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電圧の振幅を選択し、
前記相電圧の振幅が所定の比較値以下である時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記位相差を選択し、
前記位相差が最大値に略一致した時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記位相差を選択し、
前記位相差が増加している時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記位相差を選択し、
前記位相差が所定の比較値以上である時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項24に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
監視する給電情報の1つとして、前記相電流の振幅を選択し、
前記相電流の振幅が最小になった後、所定の増加幅だけ増加した時に、前記過渡運転モードから前記通常運転モードへ切り替えるための切り替え指令を行うことを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記回転数の指令値を所定の下限回転数以下に維持する極低速運転モードを実行した後、前記過渡運転モードに切り替えることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項36に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記下限回転数を、前記過渡運転モードにおける前記回転数の指令値の最大値の1/10以下に設定していることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - ステータに設けられた複数相の電機子コイルへの給電を制御することで、ロータを回転駆動するとともに、前記電機子コイルへの給電状態に応じて前記ロータの回転位置を推定し、この回転位置の推定値に応じて前記電機子コイルへの給電を制御する同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータの回転駆動を開始する際には、前記ロータの回転数の指令値を増加することで前記給電状態を変化させ、前記回転数を上昇させる過渡運転モードから、前記給電状態に応じた前記回転位置の推定、および前記回転位置の推定値に応じた前記電機子コイルへの給電制御を行う通常運転モードへ切り替え、
前記過渡運転モードの実行時には、前記電機子コイルへの給電により生じる複数の相電流の絶対値の内で最大となる値を最大相電流として監視するとともに、前記最大相電流が所定の目標値に略一致するように、前記電機子コイルへ給電するために印加される相電圧を調節することを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記ロータにはネオジ磁石が装着されていることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記電機子コイルは集中巻きであることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記同期モータはコンプレッサに適用されることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記同期モータはポンプに適用されることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記同期モータは膨張機に適用されることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。 - 請求項1ないし請求項3、請求項8ないし請求項10、請求項16ないし請求項21、請求項23、請求項36、請求項38に記載の同期モータのセンサレス制御装置において、
前記同期モータは、車両に搭載されることを特徴とする同期モータのセンサレス制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005163477A JP2006340525A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 同期モータのセンサレス制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005163477A JP2006340525A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 同期モータのセンサレス制御装置 |
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JP2006340525A true JP2006340525A (ja) | 2006-12-14 |
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Family Applications (1)
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JP2005163477A Pending JP2006340525A (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | 同期モータのセンサレス制御装置 |
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JP (1) | JP2006340525A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010148199A (ja) * | 2008-12-17 | 2010-07-01 | Fujitsu General Ltd | モータ駆動装置 |
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2005
- 2005-06-03 JP JP2005163477A patent/JP2006340525A/ja active Pending
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JP2010148199A (ja) * | 2008-12-17 | 2010-07-01 | Fujitsu General Ltd | モータ駆動装置 |
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