JP2006337296A - 有機物質量の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来流路のみとして用いられていた管状体の構造を利用して、管状体の新たな利用方法を提供する。
【解決手段】少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体において、その内部が、アルカリ性溶液と反応して対応する水酸化物に構造変化し、これに電圧を印加することにより対応する酸化物を生成させ、この酸化物とアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質と接触することにより生ずる酸化電流を測定する有機物質量の測定方法。
【解決手段】少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体において、その内部が、アルカリ性溶液と反応して対応する水酸化物に構造変化し、これに電圧を印加することにより対応する酸化物を生成させ、この酸化物とアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質と接触することにより生ずる酸化電流を測定する有機物質量の測定方法。
Description
本発明は、有機物質量の測定方法に関する。さらに詳しくは、バイオメモリ−、バイオセンサ−またはバイオリアクタ−に用いられる管状体などが使用される有機物質量の測定方法に関する。
従来、管状体は物質の流路としての役割を担っているものの、それ以外の有効利用が図られていないのが現状である。
本発明の目的は、従来流路のみとして用いられていた管状体の構造を利用して、管状体の新たな利用方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体において、その内部が、アルカリ性溶液と反応して対応する水酸化物に構造変化し、これに電圧を印加することにより対応する酸化物を生成させ、この酸化物とアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質と接触することにより生ずる酸化電流を測定する有機物質量の測定方法によって達成される。
本発明に係る有機物質量の測定方法に使用される管状体を用いることにより、管内を流れる物質による管内壁の化学的、物理的構造変化による物質の記憶、管内を流れる物質の検知、管内を流れる物質の他物質への変換を行うことが可能となる。このような管状体は、バイオメモリ−、バイオセンサ−またはバイオリアクタ−などとして、有効に用いられる。
少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体としては、管状体自体がこれらの金属であるものの他、管内壁の全面または一部がこれらの金属で被覆されているものなどが挙げられる。管内壁の全面または一部がこれらの金属で被覆されているものとしては、ニッケル、銅、銀またはコバルト以外の金属か、シリコン、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック、生分解性材料など金属以外の材料上に、ニッケル、銅、銀またはコバルトが例えば電解メッキ(電気メッキ)、無電解メッキ(化学メッキ)、蒸着、スパッタなどにより形成されているものが挙げられる。このとき、メッキをしない箇所、例えば外壁はあらかじめ絶縁性のペ−スト、接着材などでマスキングされる。
管状体の断面は円形、楕円、角状のいずれであっても良く、その中空径は、特に限定されないが、ニッケル製の管状体では10nm〜10cm程度である。ニッケル製の管状体としては、全体がニッケルの場合は、ニッケル金属そのものを管状に成形すればよく、また無電解メッキ(化学メッキ)などの方法でも製作できる。この場合、棒状の被メッキ物質の表面に無電解メッキした後に、被メッキ物質を溶解または溶融、燃焼し、外枠の管状ニッケルメッキ物を回収すれば、全体がニッケル製となる。
電解ニッケルメッキは、具体的には次のようにして行われる。例えば、外壁が接着剤で絶縁処理された銅管の内壁にニッケルメッキする場合、銅管とニッケル板をニッケルイオンを含む水溶液中にひたし、内部にニッケルイオンを含んだ銅管を陰極として、ニッケル板を陽極として直流電流を流す。すると陽極側では酸化反応が起こり、ニッケルは電子を放出してニッケルイオンとなる。一方陰極側では還元反応が起こり、溶液中のニッケルイオンが電子を受け取り金属ニッケルとなる。以上の反応を式で表わすと以下のようになる。
Ni → Ni2+ + 2e- (陽極:酸化反応)
Ni2+ + 2e- → Ni (陰極:還元反応)
還元反応は陰極である銅管内壁の周りで起こるから、生じた金属ニッケルが銅管内壁を覆い、メッキとなる。メッキ液中にはあらかじめニッケルイオンの存在と、酸化反応を起こし易くするための塩類が必要であり、またメッキの仕上がりは溶液中のpHに依存するので、pHを調整する成分も必要である。例えばメッキ液は、ニッケルイオン源として硫酸ニッケルが、塩類として塩化ニッケルが、pH調整成分としてホウ酸が使用される。
Ni → Ni2+ + 2e- (陽極:酸化反応)
Ni2+ + 2e- → Ni (陰極:還元反応)
還元反応は陰極である銅管内壁の周りで起こるから、生じた金属ニッケルが銅管内壁を覆い、メッキとなる。メッキ液中にはあらかじめニッケルイオンの存在と、酸化反応を起こし易くするための塩類が必要であり、またメッキの仕上がりは溶液中のpHに依存するので、pHを調整する成分も必要である。例えばメッキ液は、ニッケルイオン源として硫酸ニッケルが、塩類として塩化ニッケルが、pH調整成分としてホウ酸が使用される。
無電解メッキは、外部電源を用いない金属析出法であり、金属の標準酸化還元電位(イオン化傾向)の差によって生じる置換(浸漬)メッキと還元剤を利用する化学還元メッキの2つが知られている。
化学還元メッキは、金属イオンが還元剤によって還元析出するものであり、析出金属が還元剤の反応に対して自己触媒作用を有することに特徴がある。この自己触媒作用により、金属析出反応は連続的に進行し、メッキ皮膜が成長する(自己触媒型化学還元メッキ)。自己触媒作用を有する金属としては、Ni・Co・Fe・Cu・Ag・Au・Rh・Pd・Ptなどがある。
無電解ニッケルメッキの中で工業的に成功している唯一の方法はカニゼンメッキである。例えば外壁が接着剤で絶縁処理された鉄管の内壁にニッケルをカニゼンメッキする場合、被メッキ物が触媒となって還元反応を起こし、メッキ液中のニッケル陽イオンを還元してその表面にカニゼン合金なるニッケル合金をメッキする。カニゼンメッキ反応は、メッキ液中の次亜燐酸陰イオンが周期律表の第8族金属(この場合は鉄管)にある特定条件で接触するとその金属が触媒となって、次式のように脱水素分解を起こさせる。
[H2PO2]- + H2O → H[HPO3]- + 2H
生成した水素原子は触媒金属である鉄管の内壁表面に吸着されて活性化し、これがメッキ液中のニッケル陽イオンに接触すると、下記式の如くニッケルを金属に還元して触媒金属である鉄管の内壁表面に析出する。
Ni++ + 2H → Ni0 + 2H+
また触媒金属である鉄管の内壁表面の活性化した水素原子は液中の次亜燐酸陰イオンと反応してその含有するリンを還元してニッケルと合金をつくる。
[H2PO2]- + H → P0 + OH- + H2O
この析出したニッケルが触媒となって前と同様なニッケルの還元メッキ反応が継続して進行する。すなわちニッケルの自己触媒作用によりメッキが継続進行する。化学組成はNi90〜92%、P8〜10%となる。
全体の反応は以下のようになる。
Ni2+ + 2H2PO2 - + 2H2O → 2H2PO3 - + Ni0 + 2H+ + H2
ニッケル製の管状物質を作成する場合、リンの合金も可能である。リンの範囲は上記範囲である。
[H2PO2]- + H2O → H[HPO3]- + 2H
生成した水素原子は触媒金属である鉄管の内壁表面に吸着されて活性化し、これがメッキ液中のニッケル陽イオンに接触すると、下記式の如くニッケルを金属に還元して触媒金属である鉄管の内壁表面に析出する。
Ni++ + 2H → Ni0 + 2H+
また触媒金属である鉄管の内壁表面の活性化した水素原子は液中の次亜燐酸陰イオンと反応してその含有するリンを還元してニッケルと合金をつくる。
[H2PO2]- + H → P0 + OH- + H2O
この析出したニッケルが触媒となって前と同様なニッケルの還元メッキ反応が継続して進行する。すなわちニッケルの自己触媒作用によりメッキが継続進行する。化学組成はNi90〜92%、P8〜10%となる。
全体の反応は以下のようになる。
Ni2+ + 2H2PO2 - + 2H2O → 2H2PO3 - + Ni0 + 2H+ + H2
ニッケル製の管状物質を作成する場合、リンの合金も可能である。リンの範囲は上記範囲である。
アルカリ性溶液としては、0.01〜10mM、好ましくは0.05〜2mMの管状体の内壁を構成する金属の塩および10〜500mM、好ましくは30〜100mMの無機塩化物、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウムなどを含むpH7〜14のアルカリ性を示す量のNaOHまたはKOHを溶解させた水溶液が好ましい。このアルカリ性溶液は、室温〜60℃、好ましくは20〜40℃で用いられる。
少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトなどの金属 Mのいずれかで構成されている管状体は、アルカリ性溶液と反応して金属 Mが対応する水酸化物 M(OH)mに構造変化する。
M + mOH- → M(OH)m + me-
例えば、ニッケル(Ni)の場合には、
Ni + 2OH- → Ni(OH)2 + 2 e-
となる。
M + mOH- → M(OH)m + me-
例えば、ニッケル(Ni)の場合には、
Ni + 2OH- → Ni(OH)2 + 2 e-
となる。
水酸化物 M(OH)mは、電圧を印加することにより、対応する酸化物を生成させる。
OH- + lower oxide → higher oxide + H2O + e-
例えば、先に例示したニッケルの場合にあっては、
Ni(OH)2 + OH- → NiO(OH) + H2O + e-
となる。
OH- + lower oxide → higher oxide + H2O + e-
例えば、先に例示したニッケルの場合にあっては、
Ni(OH)2 + OH- → NiO(OH) + H2O + e-
となる。
生じた酸化物が、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質と接触すると、
higher oxide +有機物質 → lower oxide + 有機物質中間体(ラジカル)
となり、この反応が律速となる。次いで、
有機物質中間体(ラジカル) → 生成物 + (n−1)e-
例えば、先に例示したニッケルの場合にあっては、
有機物質還元性残基 + NiO(OH) →
Ni(OH)2 +有機物質酸化残基+ (n−1)e-
となる。
higher oxide +有機物質 → lower oxide + 有機物質中間体(ラジカル)
となり、この反応が律速となる。次いで、
有機物質中間体(ラジカル) → 生成物 + (n−1)e-
例えば、先に例示したニッケルの場合にあっては、
有機物質還元性残基 + NiO(OH) →
Ni(OH)2 +有機物質酸化残基+ (n−1)e-
となる。
これらの酸化反応に基づく限界電流の式は、下記の通りである
i = nFAβkcCorg
ここでnは反応関与電子数、Fはファラデ−定数、Aは電極面積、βはラフネスファクタ−、kcは律速段階の速度定数、Corgは反応物濃度である。
i = nFAβkcCorg
ここでnは反応関与電子数、Fはファラデ−定数、Aは電極面積、βはラフネスファクタ−、kcは律速段階の速度定数、Corgは反応物濃度である。
具体的には、例えばアミノ基、ヒドロキシル基の酸化は以下の例のようになる。
RCH2NH2 → RCN + 4e-
RCH2OH → RCO2H + 4e-
ここで有機物質は酸化物となり、有機物質は別の物質に変換されることとなる。
RCH2NH2 → RCN + 4e-
RCH2OH → RCO2H + 4e-
ここで有機物質は酸化物となり、有機物質は別の物質に変換されることとなる。
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Analytica Chimica Acta;, 134巻、211−218頁(1982)
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Analytica Chimica Acta., 155巻、219−224頁(1983)
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Analytica Chimica Acta., 171巻、151−163頁(1985)
Analytica Chimica Acta., 197巻、361−365頁(1987)
US5653864号公報
アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質としては、例えばタンパク質、核酸、アミノ酸、アルコ−ル、脂質、糖類あるいは神経伝達物質などが挙げられる。神経伝達物質とは、神経細胞のニュ−ロン間で信号(刺激)をやりとりするために必要な物質のことをいい、現在50種類以上の神経伝達物質が確認されているが、その働きが比較的解っているのは20種類と言われている。精神活動の面で重視されるのは繃−アミノ酪酸(4−アミノ酪酸、GABA)、ド−パミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどであり、特にド−パミン、ノルアドレナリン、セロトニンを総称してモノアミン神経伝達物質といわれている。カテコ−ルアミン(catecholamine)とはアドレナリン・ノルアドレナリンおよびド−パミンの総称である。これら神経伝達物質の代表的構造は、以下の通りである。
アセチルコリン;CH3COOCH2CH2N+(CH3)3
グルタミン酸;(COOH)CH2CH2CH(COOH)NH2、(COOH基2個、アミノ基1個)
グリシン;NH2CH2COOH、(COOH基1個、アミノ基1個)
γ−アミノ酪酸;NH2−CH2−CH2−CH2−COOH、(COOH基1個、アミノ基1個)
ド−パミン;C6H3(OH)2−CH2−CH2−NH2、(OH基2個、アミノ基1個)
アドレナリン(エピネフリン);C6H3(OH)2−CH(OH)−CH2−NHCH3、(OH基が3個)
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン);C6H3(OH)2−CH2(OH)−CH2−NH2、
(OH基3個、アミノ基1個)
セロトニン;C10H12N2O、(OH基1個、アミノ基1個)
竈−エンドルフィン(オピオイドペプチドの1種);
Try−Gly−Gly−Phe−Met−Thr−Ser−Glu−Lys−Ser−Gln−Thr−Pro−Leu−Val−Thr−
Leu−Phe−Lys−Asn−Ala−IIe−Val−Lys−Asn−Ala−His−Lys−Lys−Gly−Gln
(アミノ酸31個からなる直鎖ペプチド)
一酸化窒素;NO
アセチルコリン;CH3COOCH2CH2N+(CH3)3
グルタミン酸;(COOH)CH2CH2CH(COOH)NH2、(COOH基2個、アミノ基1個)
グリシン;NH2CH2COOH、(COOH基1個、アミノ基1個)
γ−アミノ酪酸;NH2−CH2−CH2−CH2−COOH、(COOH基1個、アミノ基1個)
ド−パミン;C6H3(OH)2−CH2−CH2−NH2、(OH基2個、アミノ基1個)
アドレナリン(エピネフリン);C6H3(OH)2−CH(OH)−CH2−NHCH3、(OH基が3個)
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン);C6H3(OH)2−CH2(OH)−CH2−NH2、
(OH基3個、アミノ基1個)
セロトニン;C10H12N2O、(OH基1個、アミノ基1個)
竈−エンドルフィン(オピオイドペプチドの1種);
Try−Gly−Gly−Phe−Met−Thr−Ser−Glu−Lys−Ser−Gln−Thr−Pro−Leu−Val−Thr−
Leu−Phe−Lys−Asn−Ala−IIe−Val−Lys−Asn−Ala−His−Lys−Lys−Gly−Gln
(アミノ酸31個からなる直鎖ペプチド)
一酸化窒素;NO
もとの金属が構造変化したhigher oxideの存在割合または酸化された残基の存在は、有機物質がそこを通過・接触した記憶となるため、かかる有機物質量の測定方法に使用される管状体を、バイオメモリ−として応用することができる。また、有機物質の酸化に際して、電流が発生するので、発生した電流の出力を測定することにより、有機物質の濃度を検知することができ、有機物質量の測定方法に使用される管状体はバイオセンサとして応用することもできる。さらには、有機物質の酸化物が得られるという観点からは、有機物質量の測定方法に使用される管状体のバイオリアクタ−への応用も可能であるといえる。
このような管状体は、それ単独あるいはこれらのうち2種以上、あるいは管状のニッケル、銅、銀またはコバルト以外の金属か、管状のシリコン、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック、生分解性材料など、あるいはカテ−テル、血管などとつなぎ合わされて用いられる。
有機物質量の測定に際しては、測定対象試料が流れる流路に、作用極としての管状体およびこれとは接触しない位置に内壁が白金、銀・塩化銀、銀、金などの別の管状の対極が設けられる。このとき、試料が流れる流路に、作用極および対極とは接触しない位置に、銀・塩化銀電極などの別の管状の参照極を設けることもできる。この場合、約10〜500mMの無機塩化物、例えば塩化カリウムまたは塩化ナトリウムを流体に添加しておくことが好ましい。これらの塩化物は、銀・塩化銀電極が参照極として用いられる場合、用いられているAgClの解離平衡が保たれ、参照極の電位を安定させ、それの耐久性を高めるというように作用する。
また、管状体を含む流路が溶液中に浸漬されている場合は、管状体とは別(外部)に対極(および参照極)が設けられる。
印加される電位は、作用極、対極の2極、あるいはこれに参照極を加えた3極のいずれの組合せにあっても、約0.01〜1.0V、好ましくは約0.1〜0.5Vであり、その測定法としては、クロノアンペロメトリ−法、ク−ロメトリ−法、サイクリックボルタンメトリ−法などが適用される。以上により、有機物質量が測定される。
本発明の有機物質量の測定方法に使用される管状体は、構造的には、管状物質である作用極、対極または作用極、対極、参照極が互いに接触しないように直列的につながれたものが代表的であるが、このほか管状体前の1本の流路から複数の管状体に流れが分かれる構造でも良いし、また管状体前の1本の流路から複数の管状体に流れが分かれ、次いで分かれた複数の管状体の流路が1本にまとめられる構造でも良い。この場合、各管状体に印加する電圧などを変更して、バイオセンサとしての条件設定を多様にできる利点がある。
また、管状体の一部および前後の流路の一部が基板へのエッチングなどの手段により、基板と一体となって形成され、その後カバ−を上に設置して管状体および前後の流路を形成することもできる。例えば、シリコン基板などにエッチングなどにより流路の一部を形成し、その一部に蒸着、スパッタ、メッキなどの手法により、ニッケルまたは銅または銀またはコバルトの部分を形成し、カバ−をする。この場合、装置全体を半導体プロセスで加工でき、小型の装置、例えばマイクロTAS(Total Analytical System)などを形成できる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例
実施例にはFIA(Flow Injection Analysis)のシステムを用いた。FIAのシステムは、流体(送液溶液およびキャリヤ)溜のビン、シリコ−ンゴム製送液チュ−ブ、送液ポンプ、サンプル打ち込み用インジェクタ−、管状全ニッケル製チュ−ブ(作用極)、管状全白金製チュ−ブ(対極)、電気化学検出器、廃液溜のビンから構成されている。
実施例にはFIA(Flow Injection Analysis)のシステムを用いた。FIAのシステムは、流体(送液溶液およびキャリヤ)溜のビン、シリコ−ンゴム製送液チュ−ブ、送液ポンプ、サンプル打ち込み用インジェクタ−、管状全ニッケル製チュ−ブ(作用極)、管状全白金製チュ−ブ(対極)、電気化学検出器、廃液溜のビンから構成されている。
インジェクタ−と管状ニッケル製チュ−ブ(フルウチ化学製品)(作用極、長さ30mm、内径:1.6mm、外径:2.0mm)間距離は約40cm、管状ニッケル製チュ−ブ(作用極)と管状白金製チュ−ブ(対極、長さ30mm、内径:1.8mm、外径:2.0mm)の間にはシリコ−ンゴム製送液チュ−ブが挿入されその距離は約1cm、インジェクタ−と管状白金製チュ−ブ間距離は約44cm、シリコ−ンゴムチュ−ブ径は内径:0.75mm、外径:1.60mmとして、0.1mM NiSO4、50mM KClを含み、NaOHを用いてpHを13に調節したキャリア溶液を調製し、キャリア流速は1.4ml/分、室温条件下で測定を行った。
測定には、ボルタンメトリ−アナライザ−(ビ−・エ−・エス社製品CV−50W)が用いられた。管状ニッケル製チュ−ブにワニ口クリップを装着し作用極とし、管状白金製チュ−ブにワニ口クリップを装着し対極とした。ポンプで管内にキヤリアを30分送液した後、ニッケルチュ−ブに0.4V vs. 対極の電圧を印加した。次いで30分後、キャリア溶液と同組成のサンプル溶解液を用いて100mg/dlのヒト血清アルブミンを調製してサンプルとし、インジェクタ−よりサンプル100μlを流路に打ち込んだ。その結果、約10nAの電流が確認された。
Claims (9)
- 少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体において、その内部が、アルカリ性溶液と反応して対応する水酸化物に構造変化し、これに電圧を印加することにより対応する酸化物を生成させ、この酸化物とアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはチオ−ル基を持つ有機物質と接触することにより生ずる酸化電流を測定することを特徴とする有機物質量の測定方法。
- アルカリ性溶液として0.01〜10mMの管状体の内壁を構成する金属の塩および10〜500mMの無機塩化物を含むpH7〜14の水溶液が用いられる請求項1記載の有機物質量の測定方法。
- 無機塩化物が塩化カリウムまたは塩化ナトリウムである請求項2記載の有機物質量の測定方法。
- アルカリ性溶液が室温〜60℃の温度で用いられる請求項1記載の有機物質量の測定方法。
- 印加される電位が0.01〜1.0Vである請求項1記載の有機物質量の測定方法。
- 請求項1記載の測定方法に使用される、少なくとも内壁の一部がニッケル、銅、銀またはコバルトのいずれかで構成されている管状体。
- 請求項6記載の管状体を用いて、管状体を構成しているニッケル、銅、銀またはコバルトの構造変化を記憶するバイオメモリ−。
- 請求項6記載の管状体を用いて、酸化電流を測定することにより、管状体中の有機物質濃度を測定するバイオセンサ。
- 請求項6記載の管状体を用いて、有機物質の酸化物を生産するバイオリアクタ−。
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2005
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