JP2006337222A - 還元物質の分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被験試料中に含まれる既知または未知の還元物質の全体像を簡便に把握することができる、還元物質の一斉分析法を提供することを目的とする。
【解決手段】液体クロマトグラフィーを用いて、(a)ゲルろ過材を固定相として用い、且つ酸性の含水有機溶媒を移動相として用いて、還元物質を含むかまたは含み得る被験試料を展開溶出する工程、 (b)カラム溶出液を分画する工程、及び(c)上記工程(b)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、を実施する。さらに(d)工程(b)で得られた各溶出画分について、逆相液体クロマトグラフィーを行う工程、(e)逆相液体クロマトグラフィーのカラム溶出液を分画する工程、及び(f)上記工程(e)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、を行うこともできる。
【選択図】 なし

Description

本発明は還元物質、特に抗酸化物質の分析法に関する。より詳細には、液体クロマトグラフィーを利用した還元物質、中でも抗酸化物質の分析方法に関する。
過剰に発生した「活性酸素」は生体を酸化させ、老化や様々な病気(例えば、生活習慣病、腫瘍、及び変性疾患など)の根源となることが指摘されている。治療よりも日常生活の中で発病を阻止し予防することの重要性が認識されてきた昨今、人体に害をもたらす上記「活性酸素」を抑える作用を有する抗酸化物質が注目されており、抗酸化作用を謳った製品、例えばサプリメントや健康食品(お茶を含む清涼飲料水など)などの各種食品、漢方薬、並びに化粧品などが多く販売されるようになっている。
代表的な抗酸化物質としては、ビタミン類(ビタミンC,B,Eなど)、ユビキノン、カロチノイド、ポリフェノール類、カテキン類、イソフラボン、及び抗酸化酵素(SOD、カタラーゼなど)を挙げることができるが、これらはいずれも活性酸素種に電子を与えて還元することにより、活性酸素(またはフリーラジカル)を消去する作用を発揮する。この意味で抗酸化物質は同時に還元物質である。
従来、抗酸化物質はNMR装置を用いたラジカル除去能、活性酸素種の除去能、あるいは試験管内での脂質の過酸化の抑制、蛋白の酸化抑制、呈色物質の酸化抑制や動物実験による臓器の酸化マーカーを指標として分析されてきた(非特許文献1)。一方、還元物質は主として医学・薬学ならびに栄養学のいずれにおいても主たる研究対象とはされず、酸化還元電極を用いた酸化還元電位の測定や化学分析あるいは食品分析において特定の物質の定量にその還元能を利用した呈色反応が利用されていたにすぎない(非特許文献2)。例を挙げれば、食品中のアスコルビン酸やカテキン、ポリフェノール等の抗酸化物質の総量の定量法としてである(非特許文献3)。
川岸舜朗 編著「生物化学実験法38 食品中の生体機能調節物質研究法」学会出版センター、1996年 「食品分析法」、日本食品工業学会 食品分析法編集委員会 編 光琳、1982年 竹内若子 他「ナスポリフェノール量がラジカル補足活性および抗酸化活性に及ぼす影響」 名古屋女子大学紀要 第50号(家政・自然編)p53〜58、2004
本発明は、還元物質全般に共通して適用できる分析法を提供することを目的とする。より好ましくは、被験試料中に含まれる既知または未知の還元物質の全体像を簡便に把握することができる、還元物質の一斉分析法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決すべく本発明者が鋭意検討していたところ、固定相にゲルろ過用の充填剤を用い、且つ移動相に酸性の含水有機溶媒を用いて、液体クロマトグラフィーを行うことにより、種々の還元物質を分離することができることを見いだした。さらに本発明者はこの液体クロマトグラフィーからの溶出画分を、さらに逆相液体クロマトグラフィーにかけて二次元分析を行うことによって、不特定多数の還元物質を一斉に分離することができることを確認した。すなわち、本発明の方法によれば、被験試料中に含まれる還元物質の全体像を把握することができ、各種の還元物質を同時に分析することができる。前述するように、抗酸化物質は同時に還元物質である。従って、本発明の方法は、未知の有用な抗酸化物質の網羅的探索に応用することができると考えられる。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであり、下記の構成を有するものである。
項1.液体クロマトグラフィーを用いた還元物質の分析方法であって、
(a)ゲルろ過材を固定相として用い、且つ酸性の含水有機溶媒を移動相として用いて、還元物質を含むかまたは含み得る被験試料を展開溶出する工程を有する、
還元物質の分析方法。
項2.移動相として、低級アルコールを5〜30容量%の割合で含むpH1〜4の水溶液を用いる、項1記載の分析方法。
項3.固定相として、50〜150μm(乾燥時)及び86〜258μm(湿潤時)の粒径を有する架橋デキストリンからなる分画分子量1×10〜1×10のゲルろ過用充填剤を用いる、項1または2に記載する分析方法。
項4.さらに、
(b)カラム溶出液を分画する工程、及び
(c)上記工程(b)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、
を有する、項1乃至3のいずれかに記載する分析方法。
項5.項1乃至3のいずれに記載する工程(a)、並びに項4に記載する工程(b)に加えて、さらに
(d)工程(b)で得られた各溶出画分について、逆相液体クロマトグラフィーを行う工程、
(e)逆相液体クロマトグラフィーのカラム溶出液を分画する工程、及び
(f)上記工程(e)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、
を有する、還元物質の二次元分析方法。
項6.項1乃至5のいずれかの分析方法を行うことによって得られる還元物質のクロマトグラフィーからの溶出時間と還元活性の相関プロファイル。なお、当該プロファイルは、「還元物質の溶出分画番号とその個々の分画における還元活性の相関プロファイル」と言うこともできる。
項7.被験試料について項1乃至5のいずれかの分析方法を行う、被験試料に含まれる抗酸化物質の検出及び活性測定方法。
項8.被験試料について項1乃至5のいずれかの分析方法を行う、抗酸化物質のスクリーニング方法。
なお、本発明者は上記項1〜5に記載する分析方法に基づく還元物質の視覚的な解析法を「レドグラム法」、この解析法によって特定の試料に含まれる還元物質を分子性状の違いにより分離・分画し、得られた個々の還元活性を測定してグラフ化(還元物質の視覚化)したものを「レドグラム」と呼ぶことを提唱している。この内、上記項1〜4までの工程を「1次元レドグラム法」、これにより得られる還元活性を視覚化したものを「1次元レドグラム」、上記項1〜5の全ての工程を「2次元レドグラム法」、これにより得られる還元活性を視覚したものを「2次元レドグラム」、中でも2次元レドグラムを応用することにより視覚的に把握可能な、特定の試料が含有する既知または未知の還元物質の全体を「レダクトーム」、この「2次元レドグラム法」による、動植物等の天然資源の含有する還元物質の網羅的な分析手法を「レダクトーム解析」または「レダクトミクス」、このレダクトーム解析(レダクトミクス)を利用して天然資源から還元作用(抗酸化作用を含む)を有することが発見された物質の構造を網羅的に決定することを「構造レダクトミクス」、レダクトーム解析(レダクトミクス)を利用した創薬手法を「レダクトミクス創薬」と呼ぶことを提唱している。本発明者が提案する「レドグラム法」によると、特定の試料が含有する還元物質の活性の多寡を定量的に測定することが可能であり、また還元物質を簡便かつ安価におおまかに分離・分画することが可能である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(1)還元物質の一次元分析方法
本発明の還元物質の分析方法は、液体クロマトグラフィーを利用するものであり、その一工程として、固定相としてゲルろ過材を用い、かつ移動相として酸性の含水有機溶媒を用いて、被験試料を展開溶出する工程を有することを特徴とするものである。なお、液体クロマトグラフィーには、低圧液体クロマトグラフィー(例えば、オープンカラムで移動相を自然滴下させて展開・溶出させるタイプのクロマトグラフィー)、中圧液体クロマトグラフィー(例えば、ペリスタポンプあるいはシリンジポンプを使用して移動相を展開・溶出させるタイプのクロマトグラフィー)、及び高圧液体クロマトグラフィー(例えば、10−100 kg/cm2の圧力で移動相を展開・溶出させるタイプのクロマトグラフィー)があるが、本発明では好ましくは低圧〜中圧液体クロマトグラフィーが用いられる。
本発明で用いられる固定相として、一般にゲルろ過クロマトグラム用に使用される充填剤(ゲルろ過材)を挙げることができる。一般にゲルろ過材としては、架橋デキストランからなるビーズ(商品名:Sephadex)、ポリアクリルアミドからなるビーズ(商品名:Biogel P型)、アガロースからなるビーズ(商品名:Biogel A型、Sepharose、またはLKB agarose)、架橋したアガロースからなるビーズ(商品名:CL-Sepharose)、デキストランをアクリルアミドと超架橋してなるビーズ(商品名:Sephacryl)、及びアクリルアミドを架橋したアガロースゲルからなるビーズ(商品名:Ultrogel)などが知られている。
本発明においては、固定相(カラム充填剤)として架橋デキストランからなるビーズ(商品名:Sephadex、Amersham Bioscience AB社製)が好適に用いられる。かかる架橋デキストランからなるビーズ(Sephadex)には、有効分画分子量の範囲に応じて種々の種類のものが存在する。例えば、有効分画分子量の小さいほうから、Sephadex G-10、Sephadex G-15、Sephadex G-25、Sephadex G-50、Sephadex G-75、Sephadex G-100、Sephadex G-150、Sephadex G-200を挙げることができる。好ましくは、有効分画分子量が球状蛋白質やデキストリンを例とした場合に1×10〜1×10の範囲にあるSephadex G-25である。かかるSephadex G-25は、乾燥時の粒径が50〜150μm、湿潤時の粒径が86〜258μmという性質を有している。
かかる固定相(ゲルろ過材)は、液体クロマトグラフィーにおいてはカラムに充填された状態で用いられる。使用されるカラムの大きさ(内径、長さ)は特に制限されないが、分離能の点から、内径が5〜100mm、好ましくは5〜10mmの範囲、長さが30〜200cm、好ましくは60〜120cmの範囲のものを例示することができる。
なお、カラムへの充填は当該分野の慣用方法に従って行うことができ、例えばゲルろ過材として架橋デキストランであるSephadex G-25を用いる場合、Amersham Bioscience AB社製が発行する「Sephadex G-25 Medium」に関する説明書に従って調製することができる(例えば、実施例参照)。
なお、固定相として用いるゲルろ過材を充填したカラムは、単一のカラムであってもよいし、複数、好ましくは2つのカラムがタンデムに結合してなるものであってもよい。後者の例として、具体的には内径が5〜100mm、好ましくは5〜10mm、長さが30〜200cm、好ましくは60〜120cmのカラムの前に、内径が5〜100mm、好ましくは5〜10mm、長さが 1〜 20cm、好ましくは 2〜5cmのプレカラムがタンデムに結合してなるものを例示することができる。
本発明の移動相に用いられる含水有機溶媒としては、低級アルコール、及びアセトニトロリルを挙げることができる。ここで低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールなどの炭素数1〜3の低級アルコールが例示できる。安価である点から好ましくはメタノールである。含水有機溶媒中に占める有機溶媒の割合は、ゲルの物理的耐性に制限されるため、通常5〜30容量%、好ましくは15〜25容量%、より好ましくは18〜22容量%を挙げることができる。
移動相は酸性であることが好ましく、具体的なpH条件としてはpH1〜5、好ましくはpH2〜4を挙げることができる。かかる酸性への調整は、塩酸やリン酸等の無機酸、または酢酸や蟻酸等の有機酸を用いて行うことができる。好ましくは塩酸やリン酸といった無機酸である。
液体クロマトグラフィーに供する試料は、還元物質の存在またはその種類の特定が求められるものであれば、特に制限されない。例えば、公知または未知の別を問わず、還元物質を含むかまたは含んでいる可能性があるものであればよい。
なお、液体クロマトグラフィーに供する試料は、上記条件での液体クロマトグラフィーを阻害しないように、予め前調製しておいてもよい。例えば、試料が固形状態にあるものであれば、粉砕後、水、より好ましくは10〜20容量%の割合で有機溶媒を含む酸性の水溶液(含水有機溶媒)に溶解しておくことが好ましい。また、100%の有機溶媒で抽出した後、固液分離して得られた抽出液を有機溶媒の割合が20%容量前後となるように水で希釈して調製することもできる。また、試料が液体状態にある場合はそのまま使用することも可能であるが、10〜20容量%の割合で有機溶媒を含む酸性の水溶液(含水有機溶媒)となるように調整し、必要に応じて濾過あるいは遠心により析出物や沈殿物を除去しておくことが望ましい。
本発明の分析では、固定相の温度(カラム温度)は特に制限されないが、好ましくは5〜30℃、より好ましくは20〜25℃の範囲を用いることができる。また流速も特に制限されないが、好ましくは0.1〜2ml/min、より好ましくは0.4〜0.5ml/minの範囲を用いることができる。
本発明の具体的な分析方法として、一例には下記の方法が含まれる:
架橋したデキストランからなるゲルろ過用ビーズ、好ましくはSephadex G-25を充填した分析カラム(10mm×90mm−10mm×100mm)を中低圧クロマト装置に装着し、塩酸でpHを2に調整した20容量%のメタノールを含有した水溶液(含水メタノール)からなる移動相で平衡化した後、調製した被験試料を約200〜2000μl注入し、上記移動相を流速0.4〜0.5ml/minで、アイソクラティック条件で展開して溶出する(カラム温度:15〜25℃)。斯くして、試料中に含まれる複数の還元物質を分離することができる。
上記の固定相と移動相を用いた液体クロマトグラフィーによって分離され溶出される還元物質の検出は、カラムから溶出された液(カラム溶出液)を分画し、各溶出画分の還元活性を測定することによって行うことができる。従って、本発明の還元物質の分析方法は、前述する(a)分離溶出工程(被験試料を、ゲルろ過材を固定相として、酸性の含水有機溶媒を移動相として展開溶出する工程)に加えて、さらに(b)カラム溶出液を分画する工程、及び(c)工程(b)で得られた各溶出各分画の還元活性を測定する工程、を有することができる。
(a)分離溶出工程に引き続いて行われる(b)分画工程は、上記の液体クロマトグラフィーを、カラム溶出液を分画する手段、例えばフラクション装置を装備した液体クロマトグラフを用いて行うことによって実施することができる。カラム溶出液の分画方法は、特に制限されないが、カラム溶出液を等量ずつ採取する方法を挙げることができる。単位採取容量は特に制限されないが、通常0.1〜10mL、好ましくは1〜2mLを例示することができる。
次いで行われる採取画分(フラクション)の還元活性の測定には、当業界で公知の還元活性測定方法がいずれも使用でき、例えば、ペルオキシダーゼ法、Folin-Densis法、Folin-Ciocalteau法、または酒石酸鉄法を挙げることができる。好ましくはFolin-Dennsis法またはFolin-Ciocalteau法(例えば、Analyst,Vol.120, pp.1185-1188, 1995、及びJ.Technology and Education, Vol.11, No.2, 2004など参照)である。
なお、Folin-Ciocalteau法は、フェノール化合物、特に食品に含まれているフェノール化合物を高感度に精度良く定量できる方法であると報告されている(J.Technology and Education, Vol.11, No.2, 2004)。
かかるFolin-Ciocalteau法を例に挙げると、還元活性の測定は、具体的には、(b)分画工程で得られた溶出画分の試料に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)と、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)とを添加して、室温で1時間から24時間放置した後、反応液の波長700〜770nm、好ましくは波長760nmの吸光度を測定することによって行うことができる。
斯くして得られる各溶出画分の還元活性(または還元活性を反映する波長700〜770nmの吸光度)を縦軸に、各溶出画分を溶出順に横軸にしてグラフ化することによって、上記液体クロマトグラフィーの分析結果を、還元物質の分離検出(定性)及び還元物質の還元活性(定量)の両面から、視覚化することができる(例えば、図1参照)。本発明は、このようにして得られる還元物質の溶出時間と還元活性との相関プロファイル、あるいは還元物質の溶出分画番号とその個々の分画における還元活性の相関プロファイル(クロマトグラム)を提供するものでもある。
(2)還元物質の二次元分析方法
本発明は、さらに還元物質の二次元分析方法を提供する。
当該方法は、上記一次元分析方法の工程(a)及び(b)に加えて、下記の工程を行うことによって実施することができる;
(d)上記一次元分析方法の工程(b)で得られた各溶出画分について、逆相液体クロマトグラフィーを行う工程、
(e)逆相液体クロマトグラフィーのカラム溶出液を分画する工程、及び
(f)上記工程(e)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程。
工程(d)の逆相液体クロマトグラフィーは、定法に従って行うことができる。
逆相液体クロマトグラフィーに使用される固定相としては、逆相クロマトグラフ用の充填剤、具体的にはオクチル基、オクタデシル基、またはシアノプロピル基等を化学結合したシリカゲル;シリカゲル表面をシリコンポリマーの薄膜で被覆した上にオクチル基、オクタデシル基、またはシアノプロピル基などを化学結合したもの;およびビニルアルコール・コポリマーやスチレン・ジビニルベンゼン共重合体等の硬質ポリマーにオクチル基、オクタデシル基、またはシアノプロピル基などを化学結合したものなどを挙げることができる。好ましくはオクタドデシル基を化学結合したもの、より好ましくはオクタドデシル基を化学結合したシリカゲルである。
逆相液体クロマトグラフィーに使用される移動相としては、トリフルオロ酢酸(TFA)を含有する含水有機溶媒を挙げることができ、含水有機溶媒としては前述する炭素数1〜3の低級アルコールまたはアセトニトリルを含む水溶液を挙げることができる。
トリフルオロ酢酸の濃度は0.005〜0.02%、好ましくは0.01%程度を、また含水有機溶媒中に占める有機溶媒の割合として10〜90容量%、好ましくは20〜80容量%を挙げることができる。移動相は、アイソクラティック条件で使用しても、グラジェント勾配条件で使用しても、またステップ・バイ・ステップ条件で使用しても、いずれであってもよい。例えば、グラジェント勾配条件またステップ・バイ・ステップ条件は、移動相として、例えば10容量%等の低濃度の有機溶媒を含む水溶液(溶出液1)、例えば90容量%等の高濃度の有機溶媒を含む水溶液(溶出液2)の2種類を使用することによって自由に設定することができる。
なお、かかる逆相液体クロマトグラフィーに供する試料は、前述する工程(b)で得られた溶出画分のサンプルそのものであってもよいし、必要に応じて濃縮処理したものであってもよい。
逆相液体クロマトグラフィーにおいて、固定相の温度(カラム温度)は特に制限されないが、好ましくは5〜50℃、より好ましくは15〜25℃の範囲を用いることができる。また流速も特に制限されないが、好ましくは0.1〜2ml/min、より好ましくは0.4〜0.5ml/minの範囲を用いることができる。
逆相液体クロマトグラフィーの具体的な方法として一例には、下記の方法が含まれる:
逆相クロマトグラフ用の充填剤、好ましくはオクタデシル基を化学結合したシリカゲル(例えば、ODS-120T)を充填した分析カラム(内径4.5〜5mm、長さ100〜150mm)をHPLC装置に装着し、0.01容量%のTFAを含む20容量%の有機溶媒含有水溶液(含水有機溶媒)からなる移動相(溶出液1)で平衡化した後、工程(b)で得られた溶出画分の試料を約0.5〜1.5mL程度注入し、上記移動相を流速0.3〜0.8ml/min、好ましくは0.4ml/minで、アイソクラティック条件で展開して溶出する(カラム温度:室温)。また、溶出方法は、グラジェント勾配溶出でもよく、この場合、初期の平衡状態(0.01容量%のTFAを含む20容量%の有機溶媒含有水溶液)から、60分間かけて移動相の有機溶媒の濃度を80容量%に上昇させる方法を例示することができる。
斯くして、一次分析の工程(b)で得られた溶出画分の試料中に含まれ得る複数の還元物質を、さらに分離することができる。
上記の逆相液体クロマトグラフィーによって分離され溶出される還元物質の検出は、一次分析方法の場合と同様に、カラムから溶出された液(カラム溶出液)を分画し((e)分画工程)、次いで各溶出画分の還元活性を測定すること((f)測定工程)によって行うことができる。
(d)分離溶出工程に引き続いて行われる(e)分画工程は、一次分析方法の場合と同様に、上記の逆相液体クロマトグラフィーを、カラム溶出液を分画する手段、例えばフラクション装置を装備した液体クロマトグラフを用いて行うことによって実施することができる。カラム溶出液の分画方法は、特に制限されないが、カラム溶出液を等量ずつ採取する方法を挙げることができる。単位採取容量は特に制限されないが、例えば0.05〜0.3mL、好ましくは0.08〜0.15mLを例示することができる。また、分画数も特に制限されないが、例えば200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400程度を例示することができる。
次いで行われる採取画分(フラクション)の還元活性の測定には((f)測定工程)、一次分析方法の場合と同様に、当業界で公知の還元活性測定方法がいずれも使用でき、例えば、ペルオキシダーゼ法、Folin-Densis法、Folin-Ciocalteau法、または酒石酸鉄法を挙げることができる。好ましくはFolin-Dennsis法またはFolin-Ciocalteau法(例えば、Analyst,Vol.120, pp.1185-1188, 1995、及びJ.Technology and Education, Vol.11, No.2, 2004など参照)である。
なお、採取画分(フラクション)の還元活性の測定は、(e)工程で得られた溶出画分に対してだけでなく、一次分析の(b)工程で得られた溶出画分に対しても行うことができる。
工程(a)〜(c)を実施することによって得られる各溶出画分の還元活性(または還元活性を反映する波長700〜770nmの吸光度)をZ軸に、各溶出画分を溶出順にX軸とし、且つ工程(d)〜(f)を実施することによって得られる各溶出画分の還元活性(または還元活性を反映する波長700〜770nmの吸光度)をZ軸に、各溶出画分を溶出順にY軸にしてグラフ化することによって、上記二次元の分析結果を、還元物質の分離検出(定性)及び還元物質の還元活性(定量)の両面から、視覚化することができる(例えば、図2参照)。
本発明は、またこのようにして得られる還元物質の溶出時間と還元活性との二次元の相関プロファイル、あるいは還元物質の溶出分画番号とその個々の分画における還元活性の相関プロファイル(クロマトグラム)を提供するものでもある。
固定相としてゲルろ過材を用い且つ酸性の含水有機溶媒を移動相とする液体クロマトグラフィーに引き続いて、逆相液体クロマトグラフィーを行うことからなる本発明は、単なる還元活性のプロファイル分析に止まらず、所望の還元活性画分を採取する2次元分取クロマトグラフィーとして位置づけることもできる。かかる本発明によれば、着目するピークの存在する分画(還元物質が存在する分画)を的確に採取することができ、その結果、質量分析やNMR分析などのさらに高度な分析手技の応用を容易とすることができる。
(3)抗酸化物質の検出および活性測定方法
抗酸化物質は、電子を与えることにより活性酸素やフリーラジカルを消去する作用を有する物質であり、相手に電子を与えるという点で還元物質の一種といえる。前述するように本発明の一次元分析方法および二次元分析方法によれば、試料中の還元活性を有する物質(還元物質)を検出し、定性および定量することが可能である。還元活性は抗酸化活性を反映すると考えられるため、前述する本発明の一次元分析方法および二次元分析方法は、同時に抗酸化物質の検出、定性および定量に使用することができる。
抗酸化活性の測定には、前述する還元活性の測定法が同様に使用できるが、他の方法としてロダン鉄法、TBA法、ラット肝ミクロソームを用いる方法、酸化還元電極法、スーパーオキサイド消去法、DPPHラジカル消去法を使用することもできる。
(4)抗酸化物質のスクリーニング方法
前述するように、本発明の一次元分析方法および二次元分析方法によれば、抗酸化物質を検出、定性および定量することができる。従って、本発明の一次元分析方法および二次元分析方法を用いることによって、被験試料の中から未知の抗酸化物質をスクリーニングして探索しかつ分取することが可能である。この観点から、本発明は、前述する一次元分析方法および二次元分析方法を用いた抗酸化物質のスクリーニング方法を提供するものである。本発明のスクリーニング方法は、前述する一次元分析方法、または二次元分析方法を行うことによって実施することができる。
具体的には、本発明のスクリーニング方法は下記の工程を行うことにより実施することができる。
(a)ゲルろ過材を固定相、且つ酸性の含水有機溶媒を移動相とする液体クロマトグラフィーを用いて、被験試料を展開溶出する工程、
(b)カラム溶出液を分画する工程、及び
(c)上記工程(b)で得られた各溶出画分の抗酸化活性を測定する工程。
ここで、被験試料は抗酸化物質を含み得る試料であれば特に問わず、例えば、食品、医薬品、化粧品、またはこれら食品、医薬品もしくは化粧品の成分となり得る試料を挙げることができる。なおかかり被験試料は、上記液体クロマトグラフィーを阻害しないように、予め前調製しておいてもよい。例えば、試料が固形状態にあるものであれば、粉砕後、水、より好ましくは10〜20容量%の割合で有機溶媒を含む酸性の水溶液(含水有機溶媒)に溶解しておくことが好ましい。また、100%の有機溶媒で抽出した後、固液分離して得られた抽出液を有機溶媒の割合が20%容量前後となるように水で希釈して調製することもできる。また、試料が液体状態にある場合はそのまま使用することも可能であるが、10〜20容量%の割合で有機溶媒を含む酸性の水溶液(含水有機溶媒)となるように調整し、必要に応じて濾過あるいは遠心により析出物や沈殿物を除去しておくことが望ましい。
液体クロマトグラフィーに使用する固定相、移動相および展開溶出方法は、(1)に説明したものを同様に使用することができる。
抗酸化活性の測定も特に制限されないが、当業界で公知の抗酸化活性の測定方法がいずれも使用でき、例えば、ペルオキシダーゼ法、Folin-Densis法、Folin-Ciocalteau法、酒石酸鉄法、ロダン鉄法、TBA法、ラット肝ミクロソームを用いる方法、酸化還元電極法、スーパーオキサイド消去法、およびDPPHラジカル消去法を例示することができる。
本発明のスクリーニング方法は、上記の工程(a)および工程(b)に加えて、さらに
(d)工程(b)で得られた各溶出画分について、逆相液体クロマトグラフィーを行う工程、
(e)逆相液体クロマトグラフィーのカラム溶出液を分画する工程、及び
(f)上記工程(e)で得られた各溶出画分の抗酸化活性を測定する工程、
を有するものであってもよい。
ここで用いる逆相液体クロマトグラフィーの方法は(2)に説明したものを同様に使用することができる。
本発明のスクリーニング方法の工程(c)または(f)において抗酸化活性があるとされた溶出画分に含まれる物質は、必要に応じてさらに精製工程に付した後、質量分析やNMR分析などの同定方法(構造分析)に供することができる。このように選別された抗酸化物質は、さらにその構造分析結果に基づいて、化学的合成、生物学的合成(発酵を含む)、または遺伝子組換え操作によって工業的に製造することができる。
本発明の方法によれば、被験試料に含まれる複数の還元物質を同時に分析することができる。特に、二次元分析に関する本発明の方法によれば、被験試料に含まれる還元物質を一斉に分析することができ、被験試料中の還元物質の全体像を把握し評価することができる。このため、被験試料中に含まれる有用な還元物質である抗酸化物質を網羅的に検索及び解析することができる。
さらにまた、本発明の方法によれば、被験試料に含まれ得る未知の抗酸化物質を探索し、取得することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態として実施例を記載する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1 ビタミンC、没食子酸、エピカテキン、及びカテキンの分析
A.被験試料
(1) ビタミンC 500μg
(2) 没食子酸 100μg
(3) カテキン100μg
(4) エピカテキン 20μg
上記の各還元物質(1)〜(4)をそれぞれ水1mLに溶解して、被験試料(被験試料(1)〜(4))とした。
B.分析操作
上記で調製した被験試料(1)〜(4)を、それぞれ下記条件の中低圧液体クロマトグラフィーにかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<中低圧液体クロマトグラフィー条件>
固定相:ゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)充填カラム(1cmφ×90cm)
移動相:0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール含有水溶液(pH2)
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.45mL/min
ポンプ:ペリスタティックポンプ使用
溶出方法:アイソクラティック溶出
分取方法:1. 8mLずつ192分画(96穴プレート2枚)。
なお、固定相は、Amersham Bioscience AB 社のマニュアルを参照して、ゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)を、オープンカラム(1cmφ×90cm)に自然落下による充填法に従って充填した。具体的には、まずゲルろ過用充填剤を溶媒(0.01N HCl,20% MetOH含有水溶液)で均一なスラリーとし、これをゲルリザーバーを用いて、気泡が入らないようにオープンカラム(1cmφ×90cm)に流し込み、カラムの下から自然落下によって液を流出させながら、ゲルを充填した。
また、使用したゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)の性状は下記の通りである。
Figure 2006337222
C.還元活性測定
上記で192分画した96穴プレート上(2枚)の溶出液(1.8mL/well)より別の96穴プレート2枚にサンプル100μl/wellを分注したものに、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液BとしてFolin-Ciocalteau試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioRad社製BenchMark Plus)で測定した。
D.結果
各被験試料(1)〜(4)について各々、還元活性を縦軸に、溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。これらを一つのクロマトグラムにした結果を図1に示す。
これらの結果から、各還元物質〔ビタミンC(VitC)、没食子酸(GA)、カテキン(C)、エピカテキン(EC)〕はいずれも良好に分離することができ、本発明の方法により、還元物質の定性分析が可能であることがわかる。特に、カテキンとエピカテキンとは、同一の構造式を有するエピマーであるにも関わらず良好に分離できたことから、本発明の方法は異性体(特に、カテキンのようにOH基を複数有する物質の異性体)をも精度良く分離分析できる点で有用な分析方法であるといえる。
実施例2 果実類(柑橘類)の分析
A.被験試料
(1) オレンジの果皮
(2) オレンジの果実
(3) グレープフルーツ果皮
(4) ピンクグレープフルーツの果皮
(5) ピンクグレープフルーツの果実
(6) 100% オレンジージュース
(7) 100% グレープフルーツジュース。
なお、(1)〜(5)の果実や果皮は乳鉢ですり潰し、これに約10倍量の0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール水溶液を添加して抽出後、濾過した濾液を被験試料として使用した。また、(6)と(7)のジュースは、ジュースに、最終的に0.01Nの割合で塩酸、及び20容量%の割合でメタノールが含まれるように塩酸とメタノールを添加して抽出後、濾過した濾液を被験試料として使用した。
B.一次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記で調製した被験試料(1)〜(7)を、それぞれ下記条件の低圧液体クロマトグラフィーにかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<低圧液体クロマトグラフィー条件>
固定相:ゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)充填カラム(1cmφ×90cm)
移動相:0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール含有水溶液(pH2)
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.45mL/min
溶出方法:アイソクラティック溶出
分取方法:1.8mLずつ192分画(96穴プレート2枚)。
(2)還元活性測定
上記で192分画した96穴プレート上(2枚)の溶出液(1.8mL/well)より、別の96穴プレート2枚(合計192穴)に分注(100μl/well)した各溶液に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液BとしてFolin-Ciocalteau試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioRad社製)で測定した。
各被験試料(1)〜(7)について各々、還元活性を縦軸に、溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。これらを一つのクロマトグラムにした結果を図3に示す。
B.二次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記の結果から、一次分析で192分画した溶出液(1.8mL/well)のうち、分画26、分画31、及び分画41の溶出溶液1mLを、それぞれ下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<HPLC条件>
固定相:ODSカラム(TSK、ODS-120T、東ソー社製)(1cmφ×90cm)
移動相:溶出液A:0.01% TFAを含む20容量%メタノール含有水溶液
溶出液B:0.01% TFAを含む80容量%メタノール含有水溶液
溶出方法:グラジェント勾配(0−192分画:A液80%、B液20%のアイソクラティック溶出、192−240分画:B液20%から55%までグラジエントで溶出、241−340分画:B液55%のアイソクラティック溶出、341−384分画:B液55%から20%までグラジエント溶出で元の状態に復帰)
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.4mL/min
分取方法:0.13mLずつ384分画(96穴プレート4枚)。
(2)還元活性測定
上記で384分画した96穴プレート上(4枚)の溶出液(0.13mL/well)に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioLad社製)で測定した。
各被験試料(3)について、一次分析で分画した、分画26、分画31、及び分画41の溶出溶液について分析した還元活性を縦軸に、逆相液体クロマトグラフィーでの溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。このクロマトグラムを図4((a) 分画26、(b)分画31、及び(c)分画41)に示す。
これらの結果から、柑橘類にはビタミンC以外の還元活性が複数存在し、その含量は果肉より果皮に多いこと、2次元目の液体クロマトグラフィーによる分析では1次元目で大まかに分画された還元活性が、独立した、ほぼ単一の活性のピークとして描出されていることがわかる。従来、疎抽出液を直接液体クロマトグラフィーで解析することは、多数の雑多物質の吸収のため困難であり既知の物質のピークの同定も不可能であることがあったが、本法では、(1)物質の吸光度ではなく還元活性を測定していること、(2)1次元目のクロマトを加えることで、ある程度の活性の分離と共雑物の排除に成功していることにより、2次元目でほぼ単一のピークとして個々の還元物質を描出することが可能であり、特定の抽出液中の還元物質の全体像が把握可能であることがわかる。
実施例3 茶葉抽出液の分析
A.被験試料
(1) 煎茶
(2) 阿波番茶
(3) ウーロン茶
(4) 紅茶
(5) プーアール茶。
なお、被験試料として、上記各茶葉5gを乳鉢ですり潰し、これに約10倍量の0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール水溶液を添加して攪拌し、得られた懸濁液をろ紙で濾過して回収した濾液を使用した。
B.一次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記で調製した被験試料(1)〜(5)を、それぞれ下記条件の低圧クロマトグラフィーにかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<低圧クロマトグラフィー条件>
固定相:ゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)充填カラム(1cmφ×90cm)
移動相:0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール含有水溶液(pH2)
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.45mL/min
溶出方法:アイソクラティック溶出
ポンプ:ペリスタティックポンプ使用
分取方法:1.8mLずつ192分画(96穴プレート2枚)。
(2)還元活性測定
上記で192分画した96穴プレート上(2枚)の溶出液(1.8mL/well)より、別の96穴プレート2枚(合計192)に分注(100μl/well)した溶液に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioRad社製)で測定した。
各被験試料(1)〜(5)について各々、還元活性を縦軸に、溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。これらを一つのクロマトグラムにした結果を図5に示す。
B.二次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記の結果から、一次分析で192分画した溶出液(1.8mL/well)のうち1mLを、それぞれ下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<HPLC条件>
固定相:ODSカラム(TSK、ODS-120T、東ソー社製)(1cmφ×90cm)
移動相:溶出液A:0.01% TFAを含む20容量%メタノール含有水溶液
溶出液B:0.01% TFAを含む80容量%メタノール含有水溶液
溶出方法:グラジェント勾配(0−192分画:A液80%、B液20%のアイソクラティック溶出、192−240分画:B液20%から55%までグラジエント溶出、241−340分画:B液55%のアイソクラティック溶出、341−384分画:B液55%から20%までグラジエント溶出して元の状態に復帰)。
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.4mL/min
分取方法:0.13mLずつ384分画(96穴プレート4枚)。
(2)還元活性測定
上記で384分画した96穴プレート上(4枚)の溶出液(0.13mL/well)に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioLad社製)で測定した。
各被験試料(2)について、一次分析で分画した分画37、分画52、分画67、分画73及び分画110の溶液について分析した還元活性を縦軸に、逆相高速液体クロマトグラフィーでの溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。このクロマトグラムを図6((a) 分画37、(b)分画52、(c)分画67、(d)分画73、(e)分画110)に、これらを一つのクロマトグラムにした結果を図7に示す。
実施例4 生薬の分析
A.被験試料
(1)葛根湯
(2)防風通聖散
(3)小柴胡湯
(4)柴朴湯
(5)桃核承気湯
(6)釣藤散
(7)小青竜湯
(8)芍薬甘草湯
(9)八味地黄丸
(10)当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(11)人参湯 芍薬甘草湯
(12)補中益気湯
(13)桔梗湯
(14)大建中湯
(15)人参湯
(16)牛車腎気丸
(17)麻黄附子湯
上記いずれもツムラ社製の生薬製剤(顆粒状)を使用した。
被験試料として、上記生薬顆粒製剤5gを乳鉢ですり潰し、これに約10倍量の0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール水溶液を添加して攪拌し、得られた懸濁液をろ紙で濾過して回収した濾液を使用した。
B.一次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記で調製した被験試料(1)〜(5)を、それぞれ下記条件の低圧液体クロマトグラフィーにかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<低圧液体クロマトグラフィー条件>
固定相:ゲルろ過用充填剤(Sephadex G25: Amersham Bioscience AB 社製)充填カラム(1cmφ×90cm)
移動相:0.01Nの塩酸を含む20容量%メタノール含有水溶液(pH2)
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.45mL/min
ポンプ:ペリスタティックポンプ使用
溶出方法:アイソクラティック溶出
分取方法:1.8mLずつ192分画(96穴プレート2枚)。
(2)還元活性測定
上記で192分画した96穴プレート上(2枚)の溶出液(1.8mL/well)より、別の96穴プレート2枚(合計192)に分注(100μl/well)した溶液に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioRad社製)で測定した。
各被験試料を(A)「実証用の生薬製剤」(防風通聖散、柴朴湯、小柴胡湯、葛根湯、桃核承気湯)、(B)「中間証用の生薬製剤」(芍薬甘草湯、釣藤散、小青竜湯)、(C)「虚証用の生薬製剤(1)」(当帰四逆加呉茱萸生姜湯、芍薬甘草湯、人参湯、八味地黄丸、補中益気湯)及び(D)「虚証用の生薬製剤(2)」(大建中湯、牛車腎気丸、人参湯、桔梗湯、麻黄附子湯)の4つに分けて、各々、還元活性を縦軸に、溶出画分を分画順に横軸にしてグラフ化した。これらのクロマトグラムを図8((A)「実証用の生薬製剤」)、図9((B)「中間証用の生薬製剤」)、図10((C)「虚証用の生薬製剤(1)」)、及び図11((D)「虚証用の生薬製剤(2)」)に示す。
B.二次分析及び還元活性測定
(1)分析操作
上記の結果から、一次分析で192分画した溶出液(1.8mL/well)のうち1mLを、それぞれ下記条件の逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけ、各プロファイリング(クロマトグラム)を作成した。
<HPLC条件>
固定相:ODSカラム(TSK、ODS-120T、東ソー社製)(1cmφ×90cm)
移動相:溶出液A:0.01% TFAを含む20容量%メタノール含有水溶液
溶出液B:0.01% TFAを含む80容量%メタノール含有水溶液
溶出方法:グラジェント勾配(0−192分画:A液80%、B液20%のアイソクラティック溶出、192−240分画:B液20%から55%までグラジエントで溶出、241−340分画:B液55%のアイソクラティック溶出、341−384分画:B液55%から20%までグラジエントで溶出して元の状態に復帰)。
サンプル注入量:1mL
カラム温度: 室温
流速 :0.4mL/min
分取方法:0.13mLずつ384分画(96穴プレート4枚)。
(2)還元活性測定
上記で384分画した96穴プレート上(4枚)の溶出液(0.13mL/well)に、反応液Aとして炭酸ナトリウム水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液を3倍希釈したもの)40μLと、反応液Bとしてフォーリン-チオカルトー試薬(和光純薬工業(株)製)(8倍希釈したもの)40μLとを添加して、室温で1時間放置した後、反応液の波長760nmの吸光度をプレートリーダー(BioLad社製)で測定した。
葛根湯について、一次分析での全溶出画分(192分画)を分画順にX軸に、且つ分析した還元活性をZ軸に、さらにこの192分画について逆相高速液体クロマトグラフィーにかけた画分のうち22〜55分画を分画順にY軸に、且つ分析した還元活性をZ軸にしてグラフ化した。その結果を図12に示す。
実施例1において、被験試料(1):ビタミンC(VitC)、(2):没食子酸(GA)、(3):カテキン(C)、(4)エピカテキン(EC)について各々得られたプロファイルを、一つのクロマトグラムにした結果を示す。横軸は分画番号、縦軸は還元活性を反映するFolin反応液の760nmでの吸光度を示す(以下、図3〜図11において同じ)。 二次元分析方法によって得られた結果を二次元クロマトグラム化したものである。 柑橘類〔−■−100%グレープフルーツジュース、−◆−グレープフルーツ果皮、−×−ピンクグレープフルーツの果皮、−*−ピンクグレープフルーツの果実、−●−100%オレンジージュース、−|−オレンジの果皮、−▲−オレンジの果実〕の一次分析のクロマトグラムを示す。 グレープフルーツ果皮(図3において−◆−で示す)(右上図)について一次分析した分画26(#26)(左上図)、分画31(#31)(左下図)および分画41(#41) (右下図)に関する逆相クロマトグラムを示す。なお、右上図において、分画24-31付近のピークはビタミンC(VitC)、分画51-61付近のピ−クは没食子酸(GA)、分画65-80付近のピークはカテキン(C)、分画111-121付近のピ−クは エピガロカテキンガーレート(EGCG)を、分画26(#26)(左上図)、分画31(#31)(左下図)および分画41(#41) (右下図)において、分画30付近のピークは 没食子酸(GA)、分画130付近のピ−クはエピカテキン(EC)、分画190付近のピークは エピカテキンガ−レート(ECG) のピークである。 各種茶葉抽出液の一次分析のクロマトグラムを示す。 阿波茶抽出液(図5において−◆−で示す)(上中央図)について一次分析した分画37(#37)、分画52(#52)、分画67(#67)、分画73(#73)、分画110(#110)に関する逆相クロマトグラムを示す。 図6の分画37(#37)、分画52(#52)、分画67(#67)、分画73(#73)、及び分画110(#110)のクロマトグラムを一つのクロマトグラムにしたものである。 (A)「実証用の生薬製剤」(−◆−防風通聖散、−×−柴朴湯、−▲−小柴胡湯、−■−葛根湯、−*−桃核承気湯)の一次分析のクロマトグラムを示す。 (B)「中間証用の生薬製剤」(−▲−芍薬甘草湯、−■−釣藤散、−◆−小青竜湯)の一次分析のクロマトグラムを示す。 (C)「虚証用の生薬製剤(1)」(−◆−大建中湯、−×−牛車腎気丸、−▲−人参湯、−■−桔梗湯、−*−麻黄附子湯)の一次分析のクロマトグラムを示す。 (D)「虚証用の生薬製剤(2)」(−◆−当帰四逆加呉茱萸生姜湯、−×−芍薬甘草湯、−▲−人参湯、−■−八味地黄丸、−*−補中益気湯)の一次分析のクロマトグラムを示す。 葛根湯の二次元分析の二次元クロマトグラムを示す。

Claims (8)

  1. 液体クロマトグラフィーを用いた還元物質の分析方法であって、
    (a)ゲルろ過材を固定相として用い、且つ酸性の含水有機溶媒を移動相として用いて、還元物質を含むかまたは含み得る被験試料を展開溶出する工程を有する、
    還元物質の分析方法。
  2. 移動相として、低級アルコールを5〜30容量%の割合で含むpH1〜4の水溶液を用いる、請求項1記載の分析方法。
  3. 固定相として、50〜150μm(乾燥時)及び86〜258μm(湿潤時)の粒径を有する架橋デキストリンからなる分画分子量1×10〜1×10のゲルろ過用充填剤を用いる、請求項1または2に記載する分析方法。
  4. さらに、
    (b)カラム溶出液を分画する工程、及び
    (c)上記工程(b)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、
    を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載する分析方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれに記載する工程(a)、並びに請求項4に記載する工程(b)に加えて、さらに
    (d)工程(b)で得られた各溶出画分について、逆相液体クロマトグラフィーを行う工程、
    (e)逆相液体クロマトグラフィーのカラム溶出液を分画する工程、及び
    (f)上記工程(e)で得られた各溶出画分の還元活性を測定する工程、
    を有する、還元物質の二次元分析方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの分析方法を行うことによって得られる還元物質のクロマトグラフィーからの溶出時間と還元活性の相関プロファイル。
  7. 被験試料について請求項1乃至5のいずれかの分析方法を行う、被験試料に含まれる抗酸化物質の検出及び活性測定方法。
  8. 被験試料について請求項1乃至5のいずれかの分析方法を行う、抗酸化物質のスクリーニング方法。
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