JP2006334904A - 印刷用樹脂凸版の製造方法および凸版印刷版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベースフィルムに感光性樹脂シート片を点在状に配設することにより、感光性樹脂および現像液の使用量を大幅に削減した印刷用樹脂凸版の製造方法において、作業の簡易化および高効率化を図る。
【解決手段】前記所望の印刷イメージを配置デジタル情報として取得し、この配置デジタル情報に基づき、前記印刷凸部を形成するに必要な複数の最適領域を前記印刷イメージの各ブロックとして算定し、前記感光性樹脂シートから各ブロックの最適領域に対応する感光性樹脂シート片を裁断し、前記各ブロックの最適領域の位置情報に基づき、前記各感光性樹脂シート片の前記ベースフィルム表面への設置位置を該ベースフィルム表面にマーキングし、各配置位置マーク上に該各配置位置マークに対応する前記各感光性樹脂シート片を配設する。
【選択図】 図1
【解決手段】前記所望の印刷イメージを配置デジタル情報として取得し、この配置デジタル情報に基づき、前記印刷凸部を形成するに必要な複数の最適領域を前記印刷イメージの各ブロックとして算定し、前記感光性樹脂シートから各ブロックの最適領域に対応する感光性樹脂シート片を裁断し、前記各ブロックの最適領域の位置情報に基づき、前記各感光性樹脂シート片の前記ベースフィルム表面への設置位置を該ベースフィルム表面にマーキングし、各配置位置マーク上に該各配置位置マークに対応する前記各感光性樹脂シート片を配設する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、印刷用樹脂凸版を、熟練を要せず簡易に精度良く、かつ低コストに、製造することのできる印刷用樹脂凸版の製造方法および凸版印刷版の製造方法に関するものである。
周知のように、印刷用樹脂凸版は、概略、次のようにして製造されている。すなわち、ベースフィルム上に感光性樹脂層をもった感光性印刷原版を形成し、この感光性印刷原版の上に所望の印刷イメージに対応するマスクを密着させ、このマスクを介して紫外線を前記感光性印刷原版に照射し、その後、前記感光性樹脂層がネガ型の感光性樹脂から構成されている場合は、紫外線照射部のみが選択的に硬化することを利用して非照射部を現像液にて洗い出して印刷用のレリーフ(印刷凸部)を形成している。
前記印刷用樹脂凸版を用いた印刷は、前記印刷用のレリーフの凸部に印刷インクを付着させ、この印刷インクの付着したレリーフを紙などの被印刷媒体に押し当てて前記印刷インクを転写することによって、実現されている。
前述の印刷用樹脂凸版は感光性樹脂層が厚膜であるために、現像処理において溶解除去され、廃棄される感光性樹脂量が多い。この感光性樹脂層の廃棄は、資源的にも無駄であり、また、回収、再生するには、コストが高く、採算が採れない。また、その廃棄物が環境汚染を引き起こさないように処理しなければならず、その処理コストも製品コストに含ませざるを得ない。また、レリーフを形成しない部分の感光性樹脂層を洗い流す現像液も多量に必要となり、洗い流す樹脂量が多いために現像液の疲労が早期に発現して、現像処理時間が長くなる問題があり、現像液の交換を頻繁に行わなければならない。そのため、現像液の使用に関してもコストの低減が困難であり、また、現像液の交換の工数増も無視できない。
前記印刷用凸版の製造における省資源問題を解決するために、従来、下記のような印刷用樹脂凸版材の製造方法及びフレキソ印刷用版材の製版方法が提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1に開示の技術は、ベースフィルム上の所要位置に、所要の印刷イメージを形成するに必要な感光性樹脂シート片を点在状に配設せしめてなる印刷用樹脂凸版材の感光性樹脂シート片に所要のマスクを介して紫外線を選択的に照射して後、現像処理を施すことを特徴としている。
この印刷用樹脂凸版の製造方法によれば、必要最小量の感光性樹脂を使用して印刷用樹脂凸版を得ることができるので、材料を節減することができ、しかも現像樹脂量の節減に伴う現像時間の短縮により短時間で印刷イメージを得ることができ、現像液の疲労を抑えることができるなど、様々な優れた効果を得ることができる。
特許文献2に開示の技術では、支持体(ベースフィルム)上に感光性樹脂層を設けて成るフレキソ印刷用版材に活性光線を選択的に露光したのち、露光層のパターンに沿って縁辺輪郭部を設けてパターン側の断面を裾広台形となるように斜めに切り込みを入れ、次いでその切り込み部分に従って、未露光部のみを支持体から剥離したのち、現像処理を行うことを特徴とするフレキソ印刷用版材の製版方法を開示している。
この印刷用版材の製版方法によれば、現像前に未露光の感光性樹脂層を剥離した印刷用樹脂凸版を得ることができるので、現像樹脂量の節減に伴う現像時間の短縮により短時間で印刷イメージを得ることができ、現像液の疲労を抑えることができるなど、様々な優れた効果を得ることができる。
前記特許文献2に開示の技術は、現像時の効果は高いものの、未露光部の感光性樹脂層は剥離後廃棄されるために、材料の節減といった観点からすると勧められる方法ではない。また前記特許文献1に開示の技術は、印刷用樹脂凸版の製造における省資源化の効果が大変高く、優れた技術であるが、実際にその効果を得るためには、下記のような、少数の熟練工に頼らなければならない反面があり、この印刷用樹脂凸版を大量生産すること考えた場合、非熟練工も容易に従事できる改良を加える必要がある。
前記特許文献1に開示の印刷用樹脂凸版の製造方法によって、印刷用樹脂凸版を製造するには、まず、所要の印刷イメージのデザイン画から、ネガマスクとベースフィルムを作成する。この作業及び以下の作業は、熟練工の手作業にて行っている。
前記ネガマスクとベースフィルムとには、トンボと呼称される位置決め用の目印が形成されている。前述の所要の印刷イメージと貼り込み用のトンボとが所定位置に配置されたネガマスクと、ベースフィルムとを重ね合わせ、必要なサイズにベースフィルムを成形する。
次に、前記ネガマスクに凸版印刷用感光性樹脂シートを重ね合わせ、印刷イメージが存在する領域を複数のブロック毎に区切り、各ブロックを印刷イメージを形成するに必要な最小限のサイズ(ブロックの最適領域)に設定して、これらブロック毎に感光性樹脂シートを裁断して、複数枚の感光性樹脂シート片を得る。
続いて、再度、ネガマスクとベースフィルムを重ね合わせ、印刷イメージが存在する複数の箇所に、対応する前記各感光性樹脂シート片を接着液により貼り込み配設する。これによってベースフィルム上に感光性樹脂シート片を点在状に配設した感光性印刷原版が得られる。
その後、前記感光性印刷原版に前記マスクを重ねて、メイン露光を行い、マスクを剥がした後、現像、乾燥、後露光、後処理を行い、印刷用樹脂凸版が得られる。
得られた印刷用樹脂凸版は、印刷機に取り付けるに当たり、キャリアフィルムに位置ずれを起こすことなく固定する必要がある。この位置決め及び固定は、前記感光性樹脂シート片のパターニング時に感光性樹脂シート片の隅に形成されたトンボと呼称されている位置決め目印と、キャリアフィルムに印された位置決めマークとを重ね合わせて両面テープ等で固定することにより、行われる。このようにして印刷用樹脂凸版とキャリアフィルムとの位置合わせ及び固定が完了したら、印刷用樹脂凸版の樹脂層に形成されていたトンボを熱カッターにより切り取る。このトンボを残しておくと、印刷工程で印刷インクが付着し、印刷汚れの原因となってしまう。
このように従来の印刷用樹脂凸版の製造方法では、感光性樹脂シートの無駄をなくすために、印刷イメージのレリーフ形成に必要な最適領域をブロック毎に設定し、各ブロックに対応して感光性樹脂シートを裁断して、多数の感光性樹脂シート片を作成し、これらシート片をベースフィルムの所要箇所に位置決めし、配設するという一連の作業が、熟練工の目見当により行われている。そのため、従来の印刷樹脂凸版の製造方法では、感光性樹脂シート片をベースフィルム上に点在状に配設することによるコストメリットは高いものの、作業効率の向上が難しく、大量生産に適さないという解決すべき点があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、ベースフィルムに印刷イメージに対応した感光性樹脂シート片を点在状に配設することにより感光性樹脂および現像液の使用量を大幅に削減した印刷用樹脂凸版の製造方法において、非熟練工も容易に従事することができ、印刷用樹脂凸版の大量生産も可能とする程度に作業の効率化を図ることにある。
前記課題を解決するために、本発明の印刷用樹脂凸版の製造方法は、ベースフィルム上に、感光性樹脂シートを所望の大きさに裁断した感光性樹脂シート片を点在状に貼付することにより感光性印刷原版を形成し、該感光性印刷原版に所望の印刷イメージを持つマスクを介して露光し、現像することにより、前記ベースフィルム上にレリーフ状の印刷凸部を形成する印刷用樹脂凸版の製造方法であって、前記所望の印刷イメージを配置デジタル情報として取得する第1の工程と、前記配置デジタル情報に基づき、前記印刷凸部を形成するに必要な最適領域を各ブロックとして算定する第2の工程と、前記第2の工程で得られた各ブロックに対応する感光性樹脂シート片を前記感光性樹脂シートから裁断する第3の工程と、前記配置デジタル情報と各ブロックの情報に基づき、前記各感光性樹脂シート片の配置位置を、該ベースフィルム表面に各配置位置マークとして付す第4の工程と、前記第4の工程でベースフィルム上に形成した各配置位置マーク上に、該各配置位置マークに対応する前記各感光性樹脂シート片を貼付する第5の工程と、前記ベースフィルム上に貼付した各感光性樹脂シート片に対して前記マスクを介して露光し、現像して、前記ベースフィルム上に前記印刷凸部を形成する第6の工程と、を有することを特徴とする。
前記第3の工程において各感光性樹脂シート片に個別シリアルマークを印するとともに、前記第4の工程の前記ベースフィルム上にした各配置位置マークにそれぞれ対応する前記個別シリアルマークを印することが好ましい。
前記製造方法において、前記第4の工程の前に、前記印刷イメージの配置デジタル情報に基づき前記ベースフィルムを必要サイズに裁断するベースフィルム裁断工程を設けることが好ましい。
前記製造方法の前記第4の工程において、前記ベースフィルムを印刷用キャリアフィルムに位置決めして貼り付けるために、前記ベースフィルムに位置決めする位置決めマークを印することが好ましい。
前記製造方法の前記第4の工程において、前記ベースフィルムに前記マスクとの位置合わせ用マークを印することが好ましい。
また、本発明にかかる凸版印刷版の製造方法は、前記印刷樹脂凸版の製造方法によって得られた印刷樹脂凸版を印刷用キャリアフィルムへ貼り付けることにより凸版印刷版を得ることを特徴とする。
本発明にかかる印刷用樹脂凸版の製造方法は、ベースフィルム上に感光性印刷原版を点在状に配設することにより感光性樹脂及び現像液の消費量を低減して製造コストの低減が図れるという利点を維持しつつ、オペレータの熟練が必要な複雑な工程を自動化することによって作業の効率化を向上させることができ、しかも、マスク、ベースフィルム、感光性印刷原版、およびキャリアフィルムに位置決めマークを設けたことにより、さらに工程の簡略化を可能としている。また、本発明の凸版印刷用刷版の製造方法によれば、刷版におけるキャリアフィルムとベースフィルムとの位置決めを正確かつ迅速に行うことができ、製造効率を向上させることができ、高度の熟練を要することなく製造することができる。
以下に、本発明にかかる印刷用樹脂凸版の製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本実施例では、チョコレートの小箱をダース単位で収納し、小売店等に搬送するために用いられる段ボール箱に画像や文字などの印刷イメージを印刷する場合を例に挙げて、本発明の印刷用樹脂凸版の製造方法を説明する。前述のように、本発明の印刷用樹脂凸版の製造方法は、ベースフィルム上に点在状に感光性樹脂シート片を貼付することにより現像除去量が低減された感光性印刷原版を形成し、該感光性印刷原版に所望の印刷イメージを持つマスクを介して露光し、現像することにより、前記ベースフィルム上にレリーフ状の印刷凸部を形成する印刷用樹脂凸版の製造方法である。係る方法によって得られた印刷用樹脂凸版を用いることにより、前記レリーフ状の印刷凸部にインクが付着され、前記画像や文字などの印刷イメージが段ボールの表面に印刷されることになる。
本発明の一例である前記搬送用の段ボール箱への印刷に用いる印刷用樹脂凸版の製造では、まず、図1に示すように、設計コンピュータ1によって箱の設計を行う。ここでは、搬送用の段ボール箱の形状、寸法を設計し、図2に示すような組み立て用の箱展開図2を作成する。
前記箱展開図2に対して、設計コンピュータ3で、印刷すべき文字、画像などの印刷イメージをデザインする。この場合に用いる設計コンピュータ3としては前記設計コンピュータ1をそのまま用いてもよい。このデザインした印刷イメージを前記箱展開図2に重ねると、図2に示すようなデザイン画が得られる。この場合、デザインは設計コンピュータ3にて行っているので、印刷イメージの配置デジタル情報は、設計時に既に入力されていることになる。したがって、この場合、印刷イメージの配置デジタル情報は、特にイメージスキャナなどの読み取り装置を用いなくとも、取得済みの状態にある。この場合の設計コンピュータ3が、本発明の印刷イメージから配置デジタル情報として取得する第1の工程となる。配置デジタル情報としては、印刷画像情報・印刷画像の位置情報・ベースフィルムサイズ情報などが挙げられる。
なお、例えば、コンピュータの存在しない過去に制作されたデザイン画を現在の製品に複製する場合などにおけるように、紙に印刷されたデザイン画から印刷イメージの配置デジタル情報を得る場合には、そのデザイン画からデジタルイメージ情報を読みとるイメージスキャナが、本発明における配置デジタル情報として取得する第1の工程となる。この場合、イメージスキャナは前記設計コンピュータ3と連動して機能することになる。したがって、正確には、イメージスキャナと設計コンピュータ3とが、本発明における第1の工程を構成することになる。
前記設計コンピュータ3では、さらに前記配置デジタル情報に基づき、前記印刷凸部を形成するに必要な最適領域を各ブロックとして算定する第2の工程を構成することができる。この第2の工程は、厳密に表現すれば、設計コンピュータ3内に内蔵されている設計アプリケーションが該当することになる。この辺の事情は、前記第1の工程についても言えることである。
前記最適領域とは、本実施例では、図3に示すように、「天地無用」、「新発売」、「天使のチョコレート 大阪チョコ」などの文字印刷ブロック4,5,6や、天使のイラスト画像ブロック7や、バーコードの印刷ブロック8であり、これら各ブロックは後述する各感光性樹脂シート片により構成され、前記感光性樹脂によって各印刷イメージを実現するレリーフ状の印刷凸部を形成する場合に必要な最小面積(最適な面積)に設定したものを意味し、算術的に最小となる面積とは必ずしも一致するものではない。なお、これら印刷凸部を形成するに必要な最適領域をブロック毎に算定すると同時に各ブロックには個別認識のために個別シリアルマークが設定されることが好ましい。この個別シリアルマークとしては例えばシリアル番号が用いられるが、このマークは、数字に限らず、アルファベット、カタカナ、平仮名、位置情報、その他、個別のブロックが他のブロックと区別がつき特定できるものであれば、どのようなものでも良い。なお、この段階のブロックと個別シリアルマークは、実際にマーキングされた具体物ではなく、その前のデジタルデータとしてコンピュータ3に記憶されている。
前記設計コンピュータ3では、さらに、図4に示すように、前記算定した多数のブロック(デジタルデータ)4,5,6,7,8を、感光性樹脂シートを想定したシート9内に密集配置させる計算を行う(前記最適領域と同様に、密集配置とは、無駄な感光性樹脂シート部が少なくなるように最適に配置させることであり、算術的な値と必ずしも一致するものではない)。この時、各ブロック4,5,6,7,8には、前記個別シリアルマーク4a,5a,6a,7a,8aが割り振られることが好ましい。このようにして算定された密集配置データに基づいて、図1に示すように、炭酸ガスレーザーカット機10に指令を出して、感光性樹脂シートから前記各ブロック4,5,6,7,8を裁断して、各ブロックのデジタルデータ4,5,6,7,8に対応する感光性樹脂シート片14,15,16,17,18を取得する。この裁断処理は、前記密集配置データに基づいて行われるので、無駄な感光性樹脂シートの量が少なくなるように行われることになる。この裁断処理に先立って、各ブロックとなる位置には、各ブロック4,5,6,7,8のそれぞれの個別シリアルマーク(デジタルデータ)4a,5a,6a,7a,8aに従ってレーザーにより実際に刻設された個別シリアルマーク14a,15a,16a,17a,18aが形成されることが好ましい。この個別シリアルマークは印刷凸部を形成する側とは、反対側に形成される方が凸部形成部分を考慮する必要がないので好ましい。
前述のように、前記多数のブロック4,5,6,7,8の形状、寸法データに基づいて、設計コンピュータ3と炭酸ガスレーザーカット機10とによって、一枚の感光性樹脂シートから多数の感光性樹脂シート片14,15,16,17,18が裁断により取得される(第3の工程)。したがって、本実施例のおける設計コンピュータ3と炭酸ガスレーザーカット機10は、本発明における感光性樹脂シート片を形成する第3の工程を構成する。
さらに、前記設計コンピュータ3と、炭酸ガスレーザーカット機10とは、図5に示すように、前記印刷イメージの配置デジタル情報に基づいて、ベースフィルム11を一枚物に成形し、その表面に、前記ブロック4,5,6,7,8の位置データに基づいて前記感光性樹脂シート片14,15,16,17,18を配置すべき配置位置をマーキングする(第4の工程)。マーキングされた配置位置マーク24,25,26,27,28には、前記個別シリアルマーク4a,5a,6a,7a,8a(デジタルデータ)に従って個別シリアルマーク24a,25a,26a,27a,28aを刻設することが好ましい。さらに、後工程で該ベースフィルム11をキャリアフィルムに固定する時に相互の位置決めに用いる(トンボと称される)位置決めマーク31(例えば、図5や図6では、ベースフィルム11の4辺の中央に刻設されている)と、該ベースフィルム11にマスクフィルムを重ねる時の位置合わせ用のピン穴32を形成することが好ましい。ベースフィルムへの個別シリアルマーク、印刷用キャリアフィルムへの取り付け位置のマーク及びマスクとの位置合わせ用マークを印するのは、ベースフィルムの裁断の前後どちらでも可能である。マーク31は刻設し、ピン穴32は穿設するが、両方とも炭酸ガスレーザの出力を変えることにより形成されることが好ましいが、手作業によって行っても良い。マーク31は刻設でも良いし、印刷でも良いし、筆記具等によるマーキングでも良い。なお、本実施例における設計コンピュータ3と炭酸ガスレーザーカット機10は、本発明における感光性樹脂シート片の配置位置をマークする第4の工程をも構成する。
次に、図6に示すように、前記第4の工程で得られたベースフィルム11の各配置位置マーク24,25,26,27,28のそれぞれに、第3の工程で得られた感光性樹脂シート片14,15,16,17,18を接着剤を用いて貼付、固定する。この時の配設作業は、配置位置マーク24,25,26,27,28にそれぞれ刻設されている個別シリアルマーク24a,25a,26a,27a,28aと、感光性樹脂シート片14,15,16,17,18にそれぞれ刻設されている個別シリアルマーク14a,15a,16a,17a,18aとを照合することにより、配置位置と、そこに配設すべき感光性樹脂シート片とを容易に同定することができる。この感光性樹脂シート片の貼り付け作業は、手作業にて行われるが、例えば、図4にあるように感光性樹脂シート片14と18とがほぼ同じ大きさとなっていても、前述のようにベースフィルム上にその貼り付け位置がマーキングされているので容易に確認しつつ行うことができ、作業に熟練を必要としない。さらに、感光性樹脂シート片とベースフィルム上に個別シリアルマークが刻設されていることにより、配置位置と、そこに配設すべき感光性樹脂シート片とを容易に同定することができるので、より容易に貼り付け作業を行うことができる。したがって、作業の効率を大幅に向上させることができ、また、非熟練工も作業に携わることが可能になるので、作業要員の確保も容易になる。接着剤としては、印刷条件に必要とされる機械的強度などの物理性能を満たすようにベースフィルムと感光性樹脂シート片とを接着できるものであれば好適に使用できる。例えば、感光性樹脂シートを溶解する公知の溶剤や感光性印刷原版の現像時に使用する公知の現像液などを感光性樹脂シート片の裏面に付着させれば、付着部の感光性樹脂が一部溶解するので、このとき一部溶解した樹脂が接着剤として機能することから好適に用いられる。
前記感光性樹脂シート片のベースフィルムへの貼り付け作業によって、感光性樹脂を点在状に配設して現像除去量を低減させた感光性印刷原版が形成でき、それにより、印刷用樹脂凸版材が得られる(第5の工程)。
前記ベースフィルム11に設けたピン穴32に対応するピン穴を形成したマスクフィルム(不図示)を用意する。このマスクフィルムは、印刷イメージをネガ画像として有するネガフィルムである。このマスクフィルムをピン穴32を用いて正確に位置決めしつつ前記ベースフィルム11に重ね、慣用の露光装置を用いて選択的に露光を行い、露光部を硬化せしめる。現像液により未硬化部分の感光性樹脂を除去して、ベースフィルム11上にレリーフ状の印刷凸部を形成する。これを洗浄し、乾燥した後、露光後加熱を行って印刷凸部の硬化を行ない、後処理を行う。これによって印刷用樹脂凸版が得られる(第6の工程)。なお、この第6の工程に用いる露光、現像手段は、慣用の露光装置および現像装置を用いることができ、特に限定されない。
得られた印刷用樹脂凸版を用いて印刷するには、印刷機に取り付けるキャリアフィルム(不図示)に印刷用樹脂凸版のベースフィルム11を両面テープ等で固定してもよい。前記キャリアフィルムへのベースフィルムの固定には、ベースフィルム11に刻設した位置決めマーク31に対応する位置決めマークをキャリアフィルムに設けられていることが好ましいが、その作業は、図1に示すように、前記設計コンピュータ3からプロッター40に指令を送り、キャリアフィルム41に位置決めマークを印刷する。この位置決めマークは前述のようにプロッター40により機械的に印刷しても良いし、手作業にて刻設しても良い。キャリアフィルム41には直接ベースフィルム11が載せられるため、キャリアフィルム41に印刷した位置決めマークとベースフィルム11に刻設された位置決めマーク31とは垂直方向の距離がベースフィルム11の厚みとなる。したがって、キャリアフィルム41に印刷した位置決めマークとベースフィルム11に刻設された位置決めマーク31とを一致させる作業は容易かつ正確に行うことができる。これに対して、従来の方法では、キャリアフィルム41に印刷した位置決めマークに対応する印刷用樹脂凸版側の位置決めマークは、印刷凸部の一部に形成されていたため、互いのマーク間の垂直距離が、ベースフィルム11の厚みに感光性樹脂シートの厚みを加えた寸法となる。したがって、位置決め誤差が生じやすく、その誤差を少なくするには熟練が必要となる。
以上説明したように、本発明の印刷用樹脂凸版の製造方法は、ベースフィルム上に点在状に感光性樹脂を配設して感光性印刷原版を形成する工程を自動化することによって、作業の簡易化および効率化を実現している。
以下、本発明の感光性印刷原版の構成要素について、フレキソ印刷原版の場合を例に、さらに詳しく説明する。
以下、本発明の感光性印刷原版の構成要素について、フレキソ印刷原版の場合を例に、さらに詳しく説明する。
(ベースフィルム)
本発明のベースフィルムとしては、用いる印刷条件に必要とされる機械的強度などの物理性能を満たす、通常のフレキソ印刷版に用いられる公知の金属、プラスチックフィルム、紙およびこれらの複合化された形態のすべての支持体が使用できる。これらには付加重合ポリマーおよび線状縮合ポリマーにより形成されるようなポリマー性フィルム、透明なフォームおよび織物、不織布、例えばガラス繊維織物、およびスチール、アルミニウムなどの金属が含まれる。支持体はバック露光が容易なように非赤外線に対して透明であることが好ましい。より好適なベースフィルムとしては、ポリエチレンまたはポリエステルフィルムが挙げられ、特にポリエチレンテレフタラートフィルムがよい。前記フィルムとしては、厚さ50〜300μmのフィルム、好ましくは厚さ75〜200μmのフィルムが用いられる。このベースフィルムは、また、必要に応じて、感光性樹脂層と接する側を薄い粘着促進層で被覆されていてもよい。この粘着促進層としては、例えば、ポリカーボネートと、フェノキシ樹脂と、多価イソシアネートの混合物からなるものが好適に使用できる。
本発明のベースフィルムとしては、用いる印刷条件に必要とされる機械的強度などの物理性能を満たす、通常のフレキソ印刷版に用いられる公知の金属、プラスチックフィルム、紙およびこれらの複合化された形態のすべての支持体が使用できる。これらには付加重合ポリマーおよび線状縮合ポリマーにより形成されるようなポリマー性フィルム、透明なフォームおよび織物、不織布、例えばガラス繊維織物、およびスチール、アルミニウムなどの金属が含まれる。支持体はバック露光が容易なように非赤外線に対して透明であることが好ましい。より好適なベースフィルムとしては、ポリエチレンまたはポリエステルフィルムが挙げられ、特にポリエチレンテレフタラートフィルムがよい。前記フィルムとしては、厚さ50〜300μmのフィルム、好ましくは厚さ75〜200μmのフィルムが用いられる。このベースフィルムは、また、必要に応じて、感光性樹脂層と接する側を薄い粘着促進層で被覆されていてもよい。この粘着促進層としては、例えば、ポリカーボネートと、フェノキシ樹脂と、多価イソシアネートの混合物からなるものが好適に使用できる。
(感光性樹脂シート)
本発明の感光性樹脂シートは、エラストマー性バインダーと、1種類以上のモノマーおよび非赤外放射線に感応する開始剤とを含有する感光性樹脂組成物で形成され、通常フレキソ印刷に適するすべての感光性樹脂組成物が使用できる。前記エラストマー性バインダーとしては、単一の重合体、共重合体またはそれらの混合物であってエラストマー性を有し、かつ水性または有機溶剤の現像液に可溶、膨潤または分散し、洗浄除去可能な重合体が挙げられる。これらのバインダーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジオレフィン、ビニル芳香族化合物/ジオレフィンの共重合体およびブロック共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、ジオレフィン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジオレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリレート/アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース類、エチレン/ビニルアセテート共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレン/アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体が挙げられる。前記重合体は単独でもまた組み合わせて用いてもよい。その他、水性現像液に可溶または分散可能なバインダーである、米国特許第3,458,311号、同第4,442,302号、同第4,361,640号、同第3,794,494号、同第4,177,074号、同第4,431,723号、同第4,517,279号等の明細書に開示されている樹脂や、有機溶剤現像液に可溶、膨潤または分散可能である米国特許第4,323,636号、同第4,430,417号、同第4,045,231号等の明細書に開示されている樹脂も挙げることができる。
本発明の感光性樹脂シートは、エラストマー性バインダーと、1種類以上のモノマーおよび非赤外放射線に感応する開始剤とを含有する感光性樹脂組成物で形成され、通常フレキソ印刷に適するすべての感光性樹脂組成物が使用できる。前記エラストマー性バインダーとしては、単一の重合体、共重合体またはそれらの混合物であってエラストマー性を有し、かつ水性または有機溶剤の現像液に可溶、膨潤または分散し、洗浄除去可能な重合体が挙げられる。これらのバインダーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジオレフィン、ビニル芳香族化合物/ジオレフィンの共重合体およびブロック共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、ジオレフィン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジオレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリル酸共重合体、ジオレフィン/アクリレート/アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレート共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールのグラフト共重合体、両性インターポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース類、エチレン/ビニルアセテート共重合体、セルロースアセテートブチレート、ポリブチラール、環状ゴム、スチレン/アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体が挙げられる。前記重合体は単独でもまた組み合わせて用いてもよい。その他、水性現像液に可溶または分散可能なバインダーである、米国特許第3,458,311号、同第4,442,302号、同第4,361,640号、同第3,794,494号、同第4,177,074号、同第4,431,723号、同第4,517,279号等の明細書に開示されている樹脂や、有機溶剤現像液に可溶、膨潤または分散可能である米国特許第4,323,636号、同第4,430,417号、同第4,045,231号等の明細書に開示されている樹脂も挙げることができる。
本発明に用いる感光性樹脂シートに含まれる1種類以上のモノマーとしては、透明なくもりのない感光性樹脂層が形成できるよう上記バインダーと相溶性である必要がある。前記モノマーとしては、上記バインダーを構成するモノマーの他、米国特許第4,323,636号、同第4,753,865号、同第4,726,877号、同第4,894,315号の各明細書中に記載のモノマーを挙げることができる。
また、開始剤としては、一例として、ベンゾフェノンのような芳香族ケトン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類;置換および非置換の多核キノン類;その他米国特許第4,460,675号および同第4,894,315号の明細書に開示されている開始剤などが挙げられる。前記開始剤は単独でもまた組合せて使用してもよい。
さらに、感光性樹脂シートを形成する感光性樹脂組成物には要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤等の添加剤を用いることができる。この感光性樹脂組成物の調製法としては様々な方法が使用できるが、例えば、配合される原料を適当な溶剤、例えば、クロロホルム、テトラクロロエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることも、また、溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押出機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することもできる。
このような本発明による効果を確認するために、前述の方法に従って、以下のように具体的に印刷用樹脂凸版を製作した。また、比較のために、従来の手作業による作製も実施した。
(実施例)
ベースフィルムにはポリエステルフィルム(三菱ポリエステル社製、商品名:T−100、厚み100μm)を使用し、感光性樹脂シートには東京応化工業株式会社製2.84mm厚のエラスロン(登録商標)を使用した。設計コンピュータの印刷用デザインデータ内に、必要な感光性樹脂シートのサイズ、ベースフィルムサイズ、ベースフィルムへの配置位置、位置決めマークのデジタルデータを作成した。これらデジタルデータに基づき、炭酸ガスレーザーカット機により、ベースフィルムを必要な最小限のサイズにカットし、ベースフィルムへ感光性樹脂シートの配置位置マーク、個別シリアルマーク、キャリアフィルムへの位置決めマークを刻設し、ネガマスクとの位置合わせ用のピン穴を開けた。同様に、感光性樹脂シートを、炭酸ガスレーザーカット機により、必要な複数の最適領域に裁断し、多数の感光性樹脂シート片を得た。これら感光性樹脂シート片には、同時に個別シリアルマークを刻設した。
ベースフィルムにはポリエステルフィルム(三菱ポリエステル社製、商品名:T−100、厚み100μm)を使用し、感光性樹脂シートには東京応化工業株式会社製2.84mm厚のエラスロン(登録商標)を使用した。設計コンピュータの印刷用デザインデータ内に、必要な感光性樹脂シートのサイズ、ベースフィルムサイズ、ベースフィルムへの配置位置、位置決めマークのデジタルデータを作成した。これらデジタルデータに基づき、炭酸ガスレーザーカット機により、ベースフィルムを必要な最小限のサイズにカットし、ベースフィルムへ感光性樹脂シートの配置位置マーク、個別シリアルマーク、キャリアフィルムへの位置決めマークを刻設し、ネガマスクとの位置合わせ用のピン穴を開けた。同様に、感光性樹脂シートを、炭酸ガスレーザーカット機により、必要な複数の最適領域に裁断し、多数の感光性樹脂シート片を得た。これら感光性樹脂シート片には、同時に個別シリアルマークを刻設した。
前記各感光性樹脂シート片をベースフィルムの刻設された所定の配置位置へ接着液(東京応化工業株式会社製、商品名:FDO−S2)を使用し、貼り込み配設し、感光性印刷用原版を得た。ネガマスク(感光性印刷原版との位置合わせようのピン穴が開いているもの)と、感光性印刷用原版のベースフィルムに設けられているピン穴を重ね合わせ、ピン止めし、位置合わせ後、感光性印刷原版上の感光性樹脂シート部とネガマスクとを密着させた。
前記ネガマスクを介して感光性樹脂シート片に対し、3500mJ/cm2のメイン露光を行った。芳香族炭化水素系現像液(東京応化工業株式会社製、商品名:FDO−S2)を現像液として、液温25℃で4分間現像を行った。現像処理後、55℃で50分間乾燥した後、250nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯ランプを用いて後処理を行い、さらに、370nmに中心波長を有する紫外線を3000mJ/cm2の後露光を行い、印刷用樹脂凸版を得た。
貼り込み位置(位置決めマーク)が印刷されたキャリアフィルム(デュポン社製、商品名:マイラーフィルム)に、該印刷用樹脂凸版のベースフィルムに刻設されたキャリアフィルムへの位置決めマークとキャリアフィルムに印刷された位置決めマークとを合わせ、両面テープで貼り込んだ。これによって、凸版印刷用の刷版が得られた。
(比較例)
手作業により、デザインとキャリアフィルムへの貼り込み用トンボが所定位置に配置されたネガマスクとベースフィルムを重ね合わせ、必要な最小サイズにベースフィルムをカットした。次に、ネガマスクに対応するように感光性樹脂シートを必要な最小限のサイズにカットして多数の感光性樹脂シート片を得た。再度、ネガマスクとベースフィルムを重ね合わせ、デザインが存在する箇所に、前記感光性樹脂シート片を接着液(東京応化工業株式会社製、商品名:FDO−S2)を使用し、貼り込んだ。その後、前記実施例1と同様の方法で、メイン露光、現像、乾燥、後露光、後処理を行い、印刷用樹脂凸版を得た。得られた印刷用樹脂凸版の印刷凸部に形成された凸状の位置決めマークと、前記キャリアフィルムに印された位置決めマークとを合わせ、前記印刷用樹脂凸版をキャリアフィルムに両面テープで固定し、その後、前記位置決め用の凸状部分を熱カッターを用いて切り取った。これによって、凸版印刷用の刷版が得られた。
手作業により、デザインとキャリアフィルムへの貼り込み用トンボが所定位置に配置されたネガマスクとベースフィルムを重ね合わせ、必要な最小サイズにベースフィルムをカットした。次に、ネガマスクに対応するように感光性樹脂シートを必要な最小限のサイズにカットして多数の感光性樹脂シート片を得た。再度、ネガマスクとベースフィルムを重ね合わせ、デザインが存在する箇所に、前記感光性樹脂シート片を接着液(東京応化工業株式会社製、商品名:FDO−S2)を使用し、貼り込んだ。その後、前記実施例1と同様の方法で、メイン露光、現像、乾燥、後露光、後処理を行い、印刷用樹脂凸版を得た。得られた印刷用樹脂凸版の印刷凸部に形成された凸状の位置決めマークと、前記キャリアフィルムに印された位置決めマークとを合わせ、前記印刷用樹脂凸版をキャリアフィルムに両面テープで固定し、その後、前記位置決め用の凸状部分を熱カッターを用いて切り取った。これによって、凸版印刷用の刷版が得られた。
(評価)
前記実施例では、感光性樹脂シート片をベースフィルムに貼り付ける作業を非熟練工が担当したが、支障なく行うことができた。これに対して、同じ非熟練工が比較例1の作業を行ったが、特に感光性樹脂シート片のベースフィルムへの配設が正確に行えなかったので、熟練工にバトンタッチして作業を完了させた。
前記実施例では、感光性樹脂シート片をベースフィルムに貼り付ける作業を非熟練工が担当したが、支障なく行うことができた。これに対して、同じ非熟練工が比較例1の作業を行ったが、特に感光性樹脂シート片のベースフィルムへの配設が正確に行えなかったので、熟練工にバトンタッチして作業を完了させた。
また、手作業部分が少ない実施例では、手作業部分が多い比較例1と比較して、最後の凸版印刷用の刷版を完成するまでに作業員の要した時間は大幅に少なかった。
以上のように、本発明にかかる印刷用樹脂凸版の製造方法は、ベースフィルム上に点在状に感光性樹脂シート片を配設することにより現像除去量が低減された感光性樹脂層をもった感光性印刷原版から印刷用樹脂凸版を得るにあたって、作業の熟練を必要としない程度に簡略化することができ、しかも作業効率を大幅に向上させることができる。しがたって、印刷用樹脂凸版を経済的にかつ大量に生産する場合や、少量多品種な印刷用樹脂凸版を安価に製造する場合に好適に用いることができる。また、カラー印刷の場合には、色ずれを起こすことがないので高品質の印刷物を提供することができる。さらにまた、本発明の凸版印刷用刷版の製造方法によれば、刷版におけるキャリアフィルムとベースフィルムとの位置決めが正確かつ迅速に行うことができ、製造効率を向上させることができる。
1,3 設計コンピュータ
2 箱展開図
4,5,6,7,8 印刷ブロック(デジタルデータ)
4a,5a,6a,7a,8a 個別シリアルマーク(デジタルデータ)
10 炭酸ガスレーザーカット機
11 ベースフィルム
14,15,16,17,18 感光性樹脂シート片
14a,15a,16a,17a,18a 個別シリアルマーク(刻設)
24,25,26,27,28 配置位置マーク
24a,25a,26a,27a,28a 個別シリアルマーク(刻設)
31 位置決めマーク
32 位置決めピン穴
40 プロッター
41 キャリアフィルム
2 箱展開図
4,5,6,7,8 印刷ブロック(デジタルデータ)
4a,5a,6a,7a,8a 個別シリアルマーク(デジタルデータ)
10 炭酸ガスレーザーカット機
11 ベースフィルム
14,15,16,17,18 感光性樹脂シート片
14a,15a,16a,17a,18a 個別シリアルマーク(刻設)
24,25,26,27,28 配置位置マーク
24a,25a,26a,27a,28a 個別シリアルマーク(刻設)
31 位置決めマーク
32 位置決めピン穴
40 プロッター
41 キャリアフィルム
Claims (6)
- ベースフィルム上に、感光性樹脂シートを所望の大きさに裁断した感光性樹脂シート片を点在状に貼付することにより感光性印刷原版を形成し、該感光性印刷原版に所望の印刷イメージを持つマスクを介して露光し、現像することにより、前記ベースフィルム上にレリーフ状の印刷凸部を形成する印刷用樹脂凸版の製造方法であって、
前記所望の印刷イメージを配置デジタル情報として取得する第1の工程と、
前記配置デジタル情報に基づき、前記印刷凸部を形成するに必要な最適領域を各ブロックとして算定する第2の工程と、
前記第2の工程で得られた各ブロックに対応する感光性樹脂シート片を前記感光性樹脂シートから裁断する第3の工程と、
前記配置デジタル情報と各ブロックの情報に基づき、前記各感光性樹脂シート片の配置位置を、該ベースフィルム表面に各配置位置マークとして付す第4の工程と、
前記第4の工程でベースフィルム上に形成した各配置位置マーク上に、該各配置位置マークに対応する前記各感光性樹脂シート片を貼付する第5の工程と、
前記ベースフィルム上に貼付した各感光性樹脂シート片に対して前記マスクを介して露光し、現像して、前記ベースフィルム上に前記印刷凸部を形成する第6の工程と、
を有することを特徴とする印刷用樹脂凸版の製造方法。 - 前記第3の工程において、各感光性樹脂シート片に個別シリアルマークを印するとともに、前記第4の工程の前記ベースフィルム上にマークした各配置位置マークにそれぞれ対応する前記個別シリアルマークを印することを特徴とする請求項1に記載の印刷用樹脂凸版の製造方法。
- 前記第4の工程の前に、前記印刷イメージの配置デジタル情報に基づき前記ベースフィルムを必要サイズに裁断するベースフィルム裁断工程を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷用樹脂凸版の製造方法。
- 前記第4の工程において、さらに前記ベースフィルムを印刷用キャリアフィルムに位置決めして貼り付けるために、前記ベースフィルムに位置決めする位置決めマークを印することを特徴とする請求項1に記載の印刷用樹脂凸版の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記ベースフィルムに前記マスクとの位置合わせ用マークを印することを特徴とする請求項1に記載の印刷用樹脂凸版の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用樹脂凸版の製造方法によって得られた印刷樹脂凸版を印刷用キャリアフィルムへ貼り付けることにより凸版印刷版を得ることを特徴とする凸版印刷版の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005161586A JP2006334904A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | 印刷用樹脂凸版の製造方法および凸版印刷版の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=37555854
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JP2005161586A Pending JP2006334904A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | 印刷用樹脂凸版の製造方法および凸版印刷版の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009301027A (ja) * | 2008-05-28 | 2009-12-24 | E I Du Pont De Nemours & Co | テンプレートを用いる複合印刷版の作製方法 |
JP2017534488A (ja) * | 2014-10-16 | 2017-11-24 | ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト | イメージ構造を製造する方法 |
WO2020241370A1 (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 株式会社 ムラカミ | スクリーン印刷版およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-06-01 JP JP2005161586A patent/JP2006334904A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10889100B2 (en) | 2014-10-16 | 2021-01-12 | Windmöller & Hölscher Kg | Method for producing an image structure |
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