JP2006334694A - ドリルおよびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

ドリルおよびプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 使用頻度を高めても損傷を引き起こし難く、形成したスルーホールが位置ズレ等の不具合を引き起こさず、電気接続性や信頼性を低下させない小径のドリルを提案する
【解決手段】 刃部30およびボディ40に溝20が形成されたドリルにおいて、ボディの刃先30の基端の断面における金属の占有率が40〜80%であり、基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルを用いる。ドリルの強度があり、切り屑の排出性を阻害しなくなる。そのドリルで形成された基板に貫通孔を設けたら、孔の形状の異常や位置ズレを引き起こし難くなり、電気接続性と信頼性が低下にしにくくなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント配線板用のドリルに関し、特に、プリント配線板を構成する樹脂板の両面の銅箔を積層した銅張り積層板用のドリル、及び、該ドリルを用いるプリント配線板の製造方法に関するものである。
プリント配線板の表裏の導通を取るために、スルーホールを形成させている。その一例として、両面銅張積層板に、ドリルにより貫通する開口を形成し、その開口にめっきなどにより導体層を形成し、必要に応じて、エッチングを施すことによって回路を形成させている。これにより、導体回路を有し、表裏の導通を可能にするプリント配線板を形成させる。これらの配線板を複数枚用意してプリプレグを介して、更に多層化したプリント配線板を得る。あるいは、スルーホールを有する配線板をコアとして、層間絶縁層と導体層を形成し、多層化したプリント配線板を得る。
近年、プリント配線板の高密度化の要望に伴い、スルーホールの開口径をより小径化することが検討されている。
これらを要望に沿うプリント配線板を製造するためには、小径のスルーホールを開口するための小径ドリルが必要となる。その小径ドリルとしては、例えば、実開平7−33514号や特開2004−82318号などに開示されている。
特開2004−82318号によれば、切屑排出溝を1条のみとし、刃先部の最大外径に対して5/100以下であるドリルを用いることにより、剛性を高め、良好な穴精度を得ている。
実開平7−033514号公報 特開2004−82318号公報 特開2004−34213号公報
プリント配線板の導体回路は、ファイン化、高密度化の要望に伴い、貫通孔やバイアホールを小径にすることが不可欠である。それに伴い、従来よりもドリル径を小さくしたドリルを用いる(例えば、300μm以下のドリル径のドリル、150μm以下のドリル径の使用することも含まれる。)ことにより、基板に開口する貫通孔の径を小さくすることが検討されている。
通常ドリルでは、使用頻度(ドリルで基板を1回開口することを1ショットといい、ショット数を使用頻度と意味する。)が高まるに伴い、ドリルが磨耗するために、ドリルの損傷(ドリルが折れ、ドリルの欠け、もしくはドリルの変形することを指す。)や孔の形成の阻害(例えば、孔の内壁に凹凸ができたり、変形したりする。)するために、予め所定のショット数に到達したらドリルを交換している。
また、規定のショット数に達したドリルでも、損傷の程度が軽度であれば、先端部分などの再研磨を施すことにより、再度、ドリルとして使用し、基板の開口を行うこともできる。
しかしながら、ドリルを小径にすると、ドリル自体の強度が低下してしまう。そのために、ドリルの損傷を引き起こしやすくなり、基板に形成させる貫通孔の形状の異常を引き起こしたり、貫通孔の位置ズレを引き起こし易くなる。その結果として、電気性や信頼性を低下させやすくなる。
さらに、これらのドリルの使用頻度が高くなると、不具合(孔の形状の異常や位置ズレ)の傾向が高くなり、電気性や信頼性を低下させやすくなる。
本発明の目的は、使用頻度を高めても損傷を引き起こし難く、形成したスルーホールが位置ズレ等の不具合を引き起こさず、電気接続性や信頼性を低下させない小径のドリルを提案することにある。
本願発明者が鋭意研究した結果、
請求項1では、被加工物に回転して開口を形成させるため、先端に刃部およびボディに溝が1条形成されたドリルにおいて、
前記ボディの刃先の基端における金属の占有率が40〜80%であり、前記基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであることを技術的特徴とする。
ドリルの先端径は、300μm以下であってもよい。
請求項3では、導体層を有する基板に貫通する孔を形成し、孔内に導体層を形成して電気接続を行うプリント配線板の製造方法において、
A)〜C)工程を経るプリント配線板の製造方法:
A)先端に刃部とボディに溝が1条形成され、該ボディの刃先の基端における金属の占有率が40〜80%であるドリルにより基板を貫通する孔を形成する工程;
B)孔内に導体層を形成する工程;
C)基板の表層に導体回路を形成する工程。
前記A)工程の後に、デスミア工程を入れることが望ましい。
また、前記A)工程でのドリルの先端径は、300μm以下であることが望ましい。
発明者らが鋭意研究した結果、ドリル径を小径にする際に、2つの課題が生じることが分かった。一方は、ドリル自体の強度であり、他方は、切り屑の排出性である。これら2つを備えることにより、ドリル径を小径にしたとしても、基板の開口を確保し、その結果、得られたプリント配線板の電気接続性や信頼性を低下させにくくする。
元々ドリルは先端部に刃部とボディに溝部が形成されている。先端部の刃部が回転することにより、基板を構成する銅箔などの金属層とガラエポなどの心材が含浸された樹脂である絶縁層を切り裂いて、切り屑を形成しながら、基板に開口を設けているのであり、ボディには、螺旋状となる溝部が形成され、先端の刃部により、被削材である基板の切り屑を排出させている。
ドリルが小径になると、ボディが細くなるために強度が低下してしまうことが懸念される。ドリルの損傷により孔の形成を阻害してしまうために、導体層を形成した貫通孔において、電気接続性や信頼性を低下させてしまうこともあった。ドリルの強度を確保するために、溝部の割合を低くし、芯部の割合を増加させると、切り屑の排出性が低下してしまうこともある。そのために、基板で所望の開口形状とならなくなり、孔の形成を阻害するために、導体層を形成した貫通孔において、切り屑が詰まるなどの要因により電気接続性や信頼性を低下させてしまうこともあった。
また、これらの不具合の傾向は、ドリルの使用頻度が高くなると、ドリルの磨耗などの要因も加わり、更に顕著に電気接続性や信頼性を低下させてしまう現象が現れ易くなった。その結果、孔の形成を阻害したり、孔内に導体層を形成したとしても電気接続の安定性に欠けたり、孔の位置ズレ量が大きくなることにより、後工程の導体回路のパターン形成での位置ズレを引き起こしたりする。
その結果として、電気接続や信頼性を低下させてしまうことがあった。特に、ヒートサイクル条件下で信頼性試験を行った際、ドリルの使用頻度によっては、オープン、ショートなどを早期サイクル数で引き起こすこともあった。
ドリルでの孔明けは、穴明け効率を高めるために、2枚以上の複数枚の基板を重ね合せて、同時に同一個所の基板を開口させている。開口する際、シートの枚数により開口する形状や位置精度に依存することなく、同一位置で同一形状となることを望まされるのであるが、小径ドリルになると、同一位置で同一形状とならないこともあった。特に、基板の最下部に位置する基板での位置ズレが大きくなる。さらに、使用頻度が高くなると、同一位置で同一形状とならないことが増加する傾向があった。そのために、基板によっては、電気接続性や信頼性が低下し易くなることがあった。
被加工物に回転して開口を形成させるため、先端に刃部およびボディに溝が形成されたドリルにおいて、ボディの刃先の基端の断面における金属の占有率が40〜80%であり、前記基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルを用いることにより、ドリルの強度があり、切り屑の排出性を阻害しなくなる。そのドリルで形成された基板に貫通孔を設けたら、孔の形状の異常や位置ズレを引き起こし難くなり、電気接続性と信頼性が低下にしにくくなる。
また、本願のドリルでは、従来のドリルと比べて、スミアの形成が少なくなっている。そのため、デスミア処理も短時間で行うことを可能としている。その理由としては、開口時に所望の開口形状と切り屑の排出性の向上にあるために、スミアの形成度合が少なくなっているからである。そのために、デスミアによる貫通孔の変形(過剰なスミア除去による凹凸やうねりの形成)も防止することができるし、導体層のめっき膜の形成を阻害し難くさせる。
ドリルのボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40〜80%であるドリルであることにより、切り屑の排出性がよく、孔形成を阻害しにくくし、孔の形状が同一形状になりやすくなる。そのため、ドリルにより基板に形成された貫通孔に導体層を形成したとしても、導体層の断線などを引き起こし難くなるので、電気接続性や信頼性を低下させ難くなる。
また、ボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40〜80%であるドリルは、自体の強度を確保することができ、貫通孔の形成時に、ドリルの損傷(突発的なドリルの損傷も含む)を引き起こし難くなり、孔の形成を阻害しにくい。そのために、所望のショット数(予め決められたショット数により、ドリルのより貫通孔を形成し、それ以降ではドリルを交換して貫通孔の形成を行うのである、その予め決められたショット数を所望のショット数と意味する。)の間でドリルを使用する間では、通常のドリル装置により基板に貫通孔を形成した際には、ドリルの損傷を引き起こし難くする。その結果として、基板に形成された貫通孔の形成も阻害されず、ショット数に関わりになく、電気接続性と信頼性を低下させにくくする。
基板を2枚以上の複数枚重ね合わせて、本願のドリルにより、貫通孔を形成したとしても、孔形状の異常と孔の位置ズレが引き起こし難くなる。これは基板の重ね合わせた場所に関わらず、孔の形成異常と位置ズレを引き起こしにくい。その結果、基板上に導体回路を形成したとしても、導体回路(含むランド)と貫通孔との接続不良などを引き起こし難くする。その結果、電気接続性と信頼性を低下させにくくする。
また、ドリルの使用頻度(例えば、ドリルのショット数が2000ショット以上、繰り返し同じドリルで基板に貫通孔を形成させることを意味する。)が高くなり、ドリルの磨耗などを引き起こしたとしてもドリルの損傷を引き起こしにくい。言い換えると、基板の開口形状と位置ズレを引き起こし難くするのであり、その結果、電気接続性と信頼性を低下させ難くなる。
さらに、ドリル径を小径(特に300μm以下にしたドリル径)にしたとしても、同様に、孔の形成を阻害しにくくし、位置ズレを引き起こし難くする。特に、ヒートサイクル条件下での信頼性試験を行った際、ドリルの使用頻度、ドリルで開口する条件、ドリル径に関わらず、断線などによる機能の低下を進行し難くする。
特に、150μm以下のドリル径では、ドリルの損傷での度合いが顕著に現れる場合も見られることから、小径ドリルにおいては、ボディの刃先の基端の金属の占有率での優位さと、切り屑の排出性、また、ドリルの損傷も改善されることも分かった。
ドリルのボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40%未満では、切り屑の排出性が低下してしまう。そのために、切り屑が溝に詰まりやすくなり、それにより基板に開口した際、貫通孔の内壁で凹凸や変形し易くなることもある。その結果、貫通孔内に導体層を施すと、導体層の厚みが均一になりにくくなる。そのために、導体層が薄くなる部分では断線などを引き起こしやすくなり、電気接続性や信頼性を低下させてしまう。また、スミヤの形成度合いも高くなることもある。
ドリルのボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が80%を越えると、ドリル自体の強度を低下させてしまい、基板に貫通孔を形成する時に、ドリルの損傷を引き起こし易くなる。所望のショット数までにドリル損傷を引き起こしやすく、その状態で基板に開口させると貫通孔の変形を引き起こし易くなる。その結果、貫通孔内に導体層を施すと、導体層の厚みが均一になりにくくなる。そのために、導体層が薄くなる部分では断線などを引き起こしやすくなり、電気接続性や信頼性を低下させてしまうことがある。
特に、ボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40〜80%であることが望ましい。発明者らがさらに鋭意研究した結果、元々ドリルの損傷は先端部で引き起こしやすい。そのために、該金属の占有率にあることにより、先端部で形成された切り屑の排出とドリル強度が確保されるので、ドリルの損傷を引き起こしにくい。さらに、溝が1条(ドリルに対して、排出用の溝が一本)であると先端部が金属の占有率が40〜80%とすることにより、小径化(ドリル径が300μm以下、特に、150μm以下のドリル径を意味する。)にしても、開口する貫通孔の形状が維持され、ドリル自体も損傷しにくくなる。
ドリルの金属の占有率について説明をする。
ドリルの刃先の基端の断面をカットした面で、図6(A)に示すように溝がない丸棒状態の金属が占有率100%となる。それから溝部が形成された領域での金属が切断された面積比率を引いたものにより、ドリルの金属占有率が定義される。通常は、溝の深さや幅は、ほぼ均一であるので、刃先の基端とボディ中心部分で、断面における金属の占有率は一定であると認識される。
1条溝タイプのドリル(図6(B)参照)
中心部を形成する金属比率:100%
溝部が形成された比率 :X%
1条タイプの金属占有率=100%−X%=A’%
また、刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルであることにより、切り屑の排出性がよく、孔形成を阻害しにくくし、孔の形状が同一形状になりやすくなる。つまり、先端の刃先により、切欠いた樹脂が、溝内を滑らかに排出することができ、ドリルの回転を阻害しないのであり、そのために、基板に形成される開口が所望の形状と成りやすい。そのため、ドリルにより基板に形成された貫通孔に導体層を形成したとしても導体層の断線などを引き起こし難くなるので、電気接続性や信頼性を低下させにくくする。最深部とは、図7(A)、図7(B)、図7(C)に示すように、溝20の最も軸心CCに近い点Pを意味する。
刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50未満であるドリルでは、先端刃で形成された切り屑が溝内をなめらかに排出されにくくなる。そのために、溝内に切り屑が詰まりやすくなり、ドリルの損傷を引き起こし易くなる。その結果として、開口した貫通孔の形状の異常や位置ズレを引き起こし易くなる。電気接続性や信頼性を低下させやすくなる。また、ドリルの使用頻度が高まる、あるいはドリル径の小径化させると、さらに、溝内に切り屑が詰まりやすくなり、その不具合が現れやすくなる。
刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が3.50mmを越えるドリルでは、切り屑の排出時に、回転数によっては排出口において切り屑が蛇行しやすくなり、そのために、ドリルの中心軸がずれてしまうことがあり、それが孔の位置ズレを誘発させることがある。そのために、電気接続性や信頼性を低下してしまうことがあった。
また、曲率半径が3.50μmを越えるドリルでは、溝の先端部分が、より溝の中心部分近くまで到達しやすくなり、その結果として、ドリル自体の強度を低下させやすくなり、ドリルの損傷を引き起こしやすくなり、開口する貫通孔形状の異常や位置ズレを引き起こし易くなる。電気接続性や信頼性を低下させやすくなる。特に、ドリルの使用頻度が高まる、あるいはドリルを小径化させると、その不具合が起こりやすくなる。
溝部の曲率半径について図7(A)を参照して説明をする。
ドリルをカットした断面を見たときに、溝20の最深部Pにおける曲率において、その面の数値で表すのに、曲率の逆数を取り、それを曲率半径として表した。
△S=R△θ・・・・・・(1)
△S;PからP’までの長さを指す。
△θ:CPとCP’との間の角度
(1)より、R=△S/△θ
また、ドリルの刃先の基端の断面の金属の占有率が40〜80%で刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルでは、回転数を300Krpm以上に設定したとしても、ドリルの損傷が起こりにくくなるのであり、切り屑の排出を適切にも行える。つまり加工中での開口の信頼性も高めることができる。また、言い換えると高速回転でもドリルで開口を穿設でき、単一加工時間における開口数を増やすことができ、生産性を高めることも可能とする。
ボディの溝は、刃先の基端である先端部分がもっとも深くなっていて、先端部から離れるにつれて、溝が浅くなっていてもよいし、すべての溝の深さを同一にしてもよい。切り屑の排出性及び強度を考慮すると、溝を浅くした方がよい。
ドリルを形成する金属には、タングステンカーバイト、Co:3〜10wt%と残タングステンカーバイトと不可避的含有金属、金属Cのいずれかで構成されていることが望ましい。これらの金属は、硬度が高いので、該溝を所望の比率に形成したとしても加工時の欠けなどを引き起こしにくく、本件の所望の金属占有率や溝の曲率半径をなすことができる。
基板を重ね合わせて、貫通孔の形成を行っても、回転における軸が一定となるために、ドリルの損傷も少なく、位置ズレも小さい。そのために、形成時の問題を引き起こしにくいので、電気接続性や信頼性を低下させにくくする。
また、ドリルの使用頻度が高くなったとしても、ドリルの磨耗も小さいことから所望のドリルの使用回数までは、本件の所望の金属占有率や溝の曲率半径のドリルでは、開口が設定値から大きく外れることが少ない。そのために基板に形成される貫通孔は、形状の異常や位置ズレを引き起こしにくい。そのために、電気接続性や信頼性を低下させにくくする。
また、再研磨したドリルにおいてもドリルの金属の占有率が40〜80%で刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径を1.50〜3.50mmの範囲にすることにより、新品ドリルと同様に基板の開口性を保ち、位置ズレを防止させることも分かった。
従来のドリルでは、ドリルの先端径が300μm以下であると、ドリルの強度が保てないか、切り屑の排出に問題を引き起こしやすかった。
本願での、ドリルの金属の占有率が40〜80%でボディの溝の先端部分の曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルであれば、それらの問題を引き起こしにくい。そのために、小径の貫通孔を形成させることができ、電気接続性や信頼性を得やすい。また、従来よりも隣り合う貫通孔の間隔(ピッチ)を小さくしたとしても、ドリルによる要因での形成不具合(例えば、位置ズレやピッチ距離の不安定などの形成された貫通孔が設計値よりもズレルことを意味する。)を引き起こし難くするので、より高密度化、ファインピッチとなる基板を得ることを可能としている。
本願発明では、導体層を有する基板に貫通する孔を形成し、孔内に導体層を形成して電気接続を行うプリント配線板の製造方法において、
A)先端に刃部とボディに溝が1条形成され、該ボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40〜80%であり、前記基端での溝の最深部の軸垂直方向曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルにより基板を貫通する孔を形成する工程:
B)孔内に導体層を形成する工程:
C)基板の表層に導体回路を形成する工程とを備える。
上記A)工程の後に、デスミア工程を入れることが望ましい。
デスミアとしては、湿式デスミア(酸や酸化剤などの薬液により浸漬することにより行うデスミア処理)や乾式デスミア(酸素や窒素プラズマ処理、コロナ処理)などいずれで行うことができる。これらの処理も従来のドリルと比べて、短時間で確実にスミア除去がされる。そのために、開口された貫通孔がドリル開口工程等以外の工程、即ち、デスミヤ工程が原因で変形することも防止することができる。
上記A)工程のドリルの先端径は300μm以下であることが望ましい。
本願での、刃先の基端の断面でのドリルの金属の占有率が40〜80%で刃先基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルであれば、それらの問題を引き起こしにくい。そのために、小径の貫通孔を形成させることができ、電気接続性や信頼性を得やすいのであるし、従来よりも隣り合う貫通孔の間隔(ピッチ)を小さくしたとしても、ドリルによる要因での形成不具合(例えば、位置ズレやピッチ距離の不安定などの形成された貫通孔が設計値よりもズレルことを意味する。)を引き起こし難くするので、より高密度化、ファインピッチとなる基板を得ることを可能としている。
ドリルの溝のネジレ角度が、30〜50°の範囲であるドリルを用いると、開口するスルーホールの位置ズレが小さい。言い換えると穴形成精度が向上する。また、ドリルの切屑が適切に排出されるので、開口の際、切屑が阻害することがないから、電機接続性や信頼性に優れるプリント配線板を得ることができる。また、使用頻度に伴う、ドリルの磨耗を抑えることができるので、従来よりも使用頻度を長くすることができるし、開口する穴も精度や形状を低下させにくい。
ドリル開口時に切屑で阻害されると、穴の位置ズレが生じ、穴の内壁にでこぼこが形成される。そのために、電気接続性や信頼性の低下を引き起こすことがある。ドリルに対して、切屑が過剰な応力を掛けやすくなるので、ドリルの磨耗を進行させてしまう。
ネジレ角度が30°未満の場合あるいは、ネジレ角度が50°を越える場合には、切屑の排出しにくくなる。そのために、切屑がドリルの開口を阻害するために、穴の位置ズレを引き起こしたり、穴の内壁に、でこぼこ(凹凸)を形成したりするので、電気接続性や信頼性を低下させてしまう。排出されにくい切屑により、ドリルの磨耗が進行し易くなる。そのために、早い使用頻度で、ドリルが劣化してしまう。
ネジレ角度が35〜45°の範囲であることがさらに望ましい。この範囲であれば、回転数やドリル進入速度等のドリル開口条件に関わりなく、切屑が効率よく排出される。そのために、穴の位置ズレや穴の内壁へのでこぼこなどの不具合を引き起こし難くなる。また、ドリルの磨耗も少ないので、より長い期間の使用することが可能であり、その開口した穴も精度などを引き落とすことがない。
ネジレ角度とは、ドリルを形成するボディと溝との交わる角度を指す。即ち、リーディングエッジとこの上の一点を通るドリル軸に平行な直線とがなす角度を意味する。
ドリルの先端の刃部の先端角が110〜150°であることが望ましい。
先端角が上記範囲にあれば、位置ズレを引き起こし難くなるし、形成される穴の形状も所望のものとなり。それは、複数枚重ね合せて、開口を行ったとしても、上下で同様に同じ形状となる。また、ドリルの使用頻度により、電気接続性や信頼性を低下させ難くなる。
先端の刃部の先端角が110°未満であれば、開口した穴の内壁がでこぼこ(凹凸)が形成されやすくなる。でこぼこ(凹凸)は、デスミア処理を行うと、その凹凸がさらに助長されるので、凹凸が大きくなる。開口した穴に導体層を施し、スルーホールを形成したときには、凹凸が起因となって、導体層の厚みバラツキがついてしまうことがある。そのために、電気特性(インプーダンス、スルーホール内抵抗値など)が低下してしまう。
また、先端の刃部の先端角が150°を越えると、開口した穴が所望の位置からズレ易くなる。特に、複数枚重ね合わせたとき、その位置ズレの傾向が更に顕著に現れる。そのために、穴をスルーホールとして形成した際、他の導体層との電気接続が低下してしまう。また、信頼性試験を行うと、早期に劣化が始まってしまう。
先端の刃部の先端角が120〜140°間であることがより望ましい。この間であれば、角度のバラツキが生じたとしても、穴の変形や位置ズレを引き起こしにくいからである。
刃部の先端角とは、先端からドリルを見た際、一枚刃で形成される金属部分がない隙間の角度を指す。これは、ドリルの軸に平行な面に、切れ刃を平行に投影したときの角を意味する。
先端部の刃部の2番逃げ角の角度が30〜50°であることが望ましい。
図2(A)中に示すように本発明のドリルの先端逃げ面は、複数の平坦な逃げ面から構成された多段面状をなしており、切刃からドリル回転方向に向かって平坦面である第1〜第4逃げ面が周方向に沿って順次配置されている。この内の第2逃げ面の逃げ角度(外周コーナにおいて、軸直角断面と逃げ面とがなす角)を30〜50°に設定することが望ましい。
前記ボディの径が300μm以下であることが望ましい。
その径により、穴位置精度が向上し易くなるというメリットを有することとなり、穴の形状も所望のものとなるために、電気接続性や信頼性の低下を引き起こし難くなる。
特に、剛性が低い150μm以下のドリルを用いるときには、本願の金属占有率、溝の曲率に設定することで、使用頻度を高めることができる。電気接続性や信頼性の低下を引き起こし難くなる。
所謂アンダーカットドリルにおいては、ボディにおいて円筒状にくびれた首が形成されていてもよい。この刃部の先端から首までの部分をマージン部と称する。このマージン部の端部に対して、ボディに形成された切屑排出溝が内側になることが望ましい。即ち、切屑排出溝が首にかからないことが好適である。特に、その距離は、端部から100μm以上内側にあることがより望ましい。それにより、切屑の排出を適切の行うことができ、応力が掛からないために、穴位置精度や形成される穴の形状の低下を引き起こさない。
マージン部の長さとは、先端から首までの距離、即ち、ボデーの長さから首の長さを除いた長さを示す。マージン部の長さは、0.1〜0.3mmであることが望ましい。特に、ドリルの先端外径が200μm以下である場合には、マージン部の長さは、0.1〜0.3mmであることがより望ましい。
マージン部の長さが0.1mm未満であると、切屑を排出するための溝が形成する領域が小さくなるために、ドリルに応力が掛かりやすくなる。そのために、応力を緩衝できないために、ドリルの曲がりや折れ等の発生頻度が高くなる。また、穴位置精度も低下してしまうことがある。
マージン部の長さが0.3mmを越えると、穴位置精度が低下してしまう。
首を備えるアンダーカットタイプは、小径の穴を形成するために適している。つまり、400μm以下の穴の開口を行うことに向き、さらに特に、200μm以下の穴の開口に好適である。
上記のドリルの説明では、溝について1溝タイプのドリルで説明を行っているが、2溝タイプのドリルでも同様の効果を得ることができる。
本発明のドリルは、強度があり、切り屑の排出性がよく、切り屑の排出性を阻害しなくなる。穿設した貫通孔は、形状が同一形状になりやすく、形状の異常や位置ズレを引き起こし難くなる。このため、貫通孔に形成したスルーホールの電気接続性と信頼性が向上する。切り屑の排出性の改善により、スミアの残る量が少なくなっているため、デスミアによる貫通孔の変形も防止することができる。
(ドリル)
先ず、図3を参照して実施例1のドリルの製造工程について説明する。
1.ドリルの材料の準備
本願発明のドリルに用いられる金属としては、タングステンカーバイドを主とし、それ以外に鉄、コバルト、ニッケルなどを含んだ合金である。これらの金属をドリルのシャンクの径と同等もしくはそれよりも径を大きくした円柱50にしたものを準備する(図3(A))。特に、超硬合金となるタングステンカーバイトを用いることがより望ましい。
2.ドリルの加工
この準備した円柱50の金属において、ドリルのボディ40を形成するために研削を行う(図3(B))。つまり、所望のボディの径となるまで、研削を行う。通常は、ストレートタイプのドリルとしている。このとき必要に応じてボディにおいて、ボディ分の一部に凹部を形成させたアンダーカット形状のドリルをしてもよい。
これにより、ドリルのシャンク12とボディ40が構成される。
次に、ドリルのボディ40において、切屑排出用の溝20を形成する(図3(C))。その溝は一本で形成されて、このとき、溝20とボディ40との交点のネジレ角度を所望のものとする。このときの角度としては、30〜50°することがより望ましい。
このときの溝20と溝20との間隔は均一であってもよいし、次第に溝間隔を変更したものであってもよい。また、溝の深さもドリルのボディ方向に向かって順次浅くなるタイプでもよいし、同一深さのドリルであってもよい。本件では前者である溝の深さを順次浅くしたものを加工、作成した。これは、開口する径、開口させるために材質などによって適時決められるも。
次に、ドリルの先端部である刃部30を加工する(図3(D))。加工順序については、特に限定されないが、刃部を成す1番角、2番逃げ角を加工して、その後、溝各部分を研削加工して、それぞれの逃げ角と呼ばれる部分を平面もしくは円錐等の形状に加工をする。これにより、刃部30とボディ40とシャンク12からなり、ボディに切屑排出用の1本の溝が形成されて、1枚刃のドリルを得ることができる。
図1(A)にドリル10の側面図を示す。図2(A)にドリルの先端側を見た正面図を、図2(B)にドリルの先端部の拡大図、図2(C)に図2(B)のC−C断面、即ち、刃先基部の断面を示し、図2(B)にドリルの先端部の拡大図を示す。図20はドリルの断面を示す写真である。なお、図1(C)は、アンダーカットタイプのドリルの側面図である。
図1中に示すように、ドリル10の刃部30の先端径D1は0.115mmに、シャンク12の径D2は2mmに設定されている。切刃長さL1は1.8mmに、ボディ長さL2は2.0mmに全長L3は31.75mmに設定されている。一方、切屑排出溝20のネジレ角θ1は40°に設定されている。図2(D)中に示す溝幅L6は0.145mmに設定されている。図2(B)中に示す先端角θ2は150°に設定されている。
図2(A)に示すようにドリルの先端逃げ面は、複数の平坦な逃げ面から構成された多段面状をなしており、切刃31からドリル回転方向(図中反時計回り方向)に向かって平坦面である第1逃げ面32A、第2逃げ面32B、第3逃げ面32C、第4逃げ面32Dが周方向に沿って順次配置されている。また、軸線付近に、平坦面である逆側第1逃げ面32E、逆側第2逃げ面32Fが配置されている。第4逃げ面32D及び逆側第2逃げ面32Fに隣接して、断面略円弧状の二番取り面33が設けられている。第1逃げ面32Aの逃げ角は10°に、第2逃げ面32Bの逃げ角は40°に設定されている。
図2(C)に示すように刃先基部の断面は、金属の占有率は、69.77%であった。また、形成された溝20の基端の最深部(軸心に最も近い部位)Pでの軸心垂直方向の曲率半径は2.95mmであった。
(プリント配線板のドリル加工方法)
1.銅張積層板
本願発明のドリルで開口させる絶縁性基材としては、有機系の絶縁性基材であれば使用でき、具体的には、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、ガラス布エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、FR−4、FR−5から選ばれるリジッド(硬質)の積層基材、あるいは、ポリフェニレンエーテル(PPE)フィルム、ポリイミド(PI)などのフィルムからなるフレキシブル基材から選ばれる1種であることが望ましい。
上記絶縁性樹脂基材の厚さは、10〜800μm、好ましくは20〜400μmであり、50〜300μmが最適である。これらの範囲より薄くなると強度が低下して取扱が難しくなり、逆に厚すぎると小径のスルーホールの形成および導体層の形成が難しくなるからである。
絶縁基材の銅箔の厚さは、5〜50μm、好ましくは8〜30μmであり、12〜25μmがより好適である。その理由は、小径のスルーホール形成をドリル加工によって設ける際に、薄すぎるとパターン形成を阻害してしまうからであり、逆に厚すぎるとエッチングにより、ファインパターンを形成し難いからである。これらの片面もしくは両面銅張積層板として準備したものを用いる。
2.加工条件
ドリル10での加工を行うために、図5に示すようにX−Yテーブル90上に、加工するための基板よりも大きい当て板(ベーク板)92をおいて、その上に、片面もしくは両面銅張積層板60を1枚もしくは複数枚重ねる。その上に、必要に応じて、銅張積層板上には、アクリルに膨潤剤が含有されて表層にアルミニュームなどの金属層が設けられたエントリーシート94を載せて、加工を行ってもよい。エントリーシート94内の膨潤剤がドリル開口の際、潤滑剤の役目を果たす。
このときにドリル加工条件としては、
回転数 :100〜500 krpm
送り速度:30〜200 inch/min.
ショット数 3,000Shot以上まで用いることが望まれる。
ここで、回転数が100krpm未満であると、効率的に加工を行うことができない。一方、500krpmを越えると、ドリルの発熱により、開口の変形やドリル寿命が短くなるということが増加し易くなる。
送り速度が30inch/min.未満であると効率的に加工を行うことができない。一方、送り速度が200inch/min.を越えると、ドリルへの負担が大きくなり、ドリルの損傷度合いが高まりやすくなる。
特に回転数200〜400krpm、送り速度40〜120inch/min.であることが望ましい。この条件が、貫通孔の加工効率とドリル寿命の観点からより望ましい。また、貫通孔の形成異常も最も発生しにくい加工条件でもある。
ドリルを開口した銅張積層板に、サブトラ工法やテンティング方により、スルーホール、スルーホールのランド及び導体回路を形成した基板を形成する。
さらに、多層にするために、プレス法などにより、基板を積層してもよいし、該スルーホールが形成された基板をコア基板として、アディテイブ法により多層化してもよい。
[実施例1]
1.ドリルの材料の準備
タングステンカーバイトを主として、コバルトなどの金属が含有された合金で形成された金属を用意する。これを円形に形成するドリル径よりも太くし、かつ、ドリルを回転する加工装置の径にあわせたものを準備した。
2.ドリルの加工
まず、ドリルのボディを成す部分を加工する。それにより、ドリルのシャンクとボディ分が形成される。このとき、ボディの直径は、予め設定された径にあわせる。この場合は100±10μmとなるようにドリル径を設定した。
その後、切屑を排出するために溝を1本形成する。このとき、ドリルのネジレ角度は予め設定された角度になるように設定されている。本実施例ではネジレ角40°に設定した。それから、1枚刃の形成させるために、1番角、2番逃げ角を形成して、その後、それぞれの逃げ角を形成させる工程などを経た。このときに、ボディの刃先の基端における金属占有率、その形成された溝の曲率半径は、表1に示されたような条件でドリルの加工を行った。
実施例と参考例の項目一覧表
3.ドリルの穴明け加工
ドリル加工
図4(A)に示す両面銅張り積層板(材質:ガラスエポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂)絶縁層62の厚み200μm、片面の銅箔64の厚み12μm)60を図5に示すようにドリル加工装置(日立ビア社製 品番:ND−Nシリーズ)のドリル加工用のX−Yテーブル90上に4枚重ねた。両面銅張り積層板の下側に捨て板(バックアップボード)92をおいた。ドリル加工用のエントリーシート94を置いた。
その状態で下記に示したドリル条件で、開口径100μmの開口を行った。このとき、4枚処理した毎に、ドリルのショット数を1Shotとして換算した。
<ドリル加工条件>
回転数 :300krpm
送り速度:40inch/min.
使用ドリルの形状:表1に示したドリル
評価ショット数 1500Shot 3000Shot 4500Shot 6000Shot
これにより、基板60内に、開口径100μmの開口66を設けた(図4(B))。
ドリル加工後に、両面銅張積層板は、過マンガン酸よりデスミア処理を5分間施した。
4.スルーホール内の導体形成
無電解めっき66、電解めっき68の順番で、スルーホール66の内壁及び積層板の表層に導体層を設けた(図4(C))。このときのめっき条件はそれぞれ以下のような条件で行った。
無電解めっき
〔電解銅めっき水溶液〕
NiSO4 :0.003mol/l
酒石酸 :0.200mol/l
硫酸銅 :0.030mol/l
NaOH :0.050mol/l
α、α‘−ビビリジル :100mg/l
ポリエチレングリコール :0.10g/l
〔無電解めっき条件〕
液温50℃で40分間浸漬させた。
電解めっき
〔電解銅めっき水溶液〕
硫酸 :160 g/l
硫酸銅 : 77 g/l
添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL)
:1 ml/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 :2 A/dm2
時間 :30 分
温度 :25 ℃
5.回路形成
導体層を形成した上にエッチングレジストを形成し、配線が描画されたマスクを載置して、露光・現像を行う。それにより、レジストによりスルーホール(含むランド)と導体回路を形成される。その後、硫酸系などのエッチング液でレジスト非形成部にエッチングを施して、エッチングレジストを剥離した。それにより、スルーホール72、スルーホール72のランド及び導体回路74が形成された(図4(D))。
6.スルーホールの穴埋め
穴埋め樹脂76として熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂を用いて、印刷により、スルーホール72の穴埋めを行った(図4(E))。このとき、スルーホール部分が開口したマスクを用いて行ってもよい。スルーホールに対して過剰に穴埋め樹脂を形成させて、半硬化あるいは硬化させた後、研削を行い、基板表面を平滑化した。これにより、スルーホールが穴埋めされて、平滑化された基板を得られた。
7.ソルダーレジスト層の形成
基板60の両面に、導通試験を行う部分の端子に該当する開口させて、ソルダーレジスト76を形成した(図4(F))。
[実施例2]
実施例2の項目の一覧を表2中に示す。実施例2では、金属占有率を下限の40%に設定した。
[実施例3]
実施例3の項目の一覧を表3中に示す。実施例3では、金属占有率を上限の80%に設定した。
[改変例1]
改変例1の項目の一覧を表4中に示す。改変例1は実施例1とドリル径が異なり、また、金属占有率を上限の80%に設定した。
[改変例2]
改変例2の項目の一覧を表5中に示す。改変例2は実施例1とドリル径が異なり、また、金属占有率を下限の40%に設定した。
[改変例3]
改変例3の項目の一覧を表6中に示す。改変例2は実施例1とドリル径が異なり、また、金属占有率を上限の80%に設定した。
[改変例4]
改変例4の項目の一覧を表7中に示す。改変例4は、項目は改変例2と同様であるが、ドリルとしてアンダーカットタイプのドリルを用いた
[改変例5]
改変例5の項目の一覧を表8中に示す。改変例5は、項目は改変例3と同様であるが、ドリルとしてアンダーカットタイプのドリルを用いた
[比較例1]
比較例1の項目の一覧を表9中に示す。比較例1は、金属占有率38.9%、先端径100μmのドリルを用いた。
[比較例2]
比較例2の項目の一覧を表10中に示す。比較例2は、金属占有率を81.2%、先端径100μmのドリルを用いた。
<評価項目>
(1) ドリルの損傷確認試験
実施例、参考例、改変例、比較例で作成したドリルにおいて、ドリルの損傷が確認されたショット数を調査した。その結果を図17〜図19中に示した。
(2) 孔位置精度
ショット数 3000Shot 6000Shotにおけるスルーホールの形成される位置について評価をした。つまり、ランドとの中心部分における形成されるスルーホールの中心点の位置ズレ距離を比較した。
測定に用いた基板は、重ねた基板の最下部に位置した基板により、任意に30箇所の孔位置の測長を行った。それぞれ位置ズレ範囲50μmを超えた比率により評価を行った。
〇:3%以下
△:5%以下
×:5%超
(3) スルーホールの断面
ショット数 3000Shot 6000Shotにおけるデスミア後、基板のスルーホールの断面のクロスカットを行い、その断面を観察した。測定に用いた基板は、重ねた基板の最下部に位置した基板により行い、5箇所観察して、スミア残りの有無を観察した。
〇:スミアなし
×:スミアの残存あり。
(4) スルーホールの導通測定
ショット数 3000Shot 6000Shotにおけるスルーホールの両面での導通の有無を確認した。
〇:導通有り
×:導通異常
(5) 信頼性試験
ヒートサイクル試験(125℃/3min.⇔―65℃/3min.)を1サイクルとして、導通異常が確認されたサイクル数まで繰り返し行い、断線などの導通試験で信頼性の評価を行った。最大サイクル数は4000であった。なお、1000サイクル、2000サイクル、3000サイクル、4000サイクルと1000サイクルごとに導通試験を行った。
3000サイクルをクリアしたものについては、実質上の使用に際して問題を引き起こさなかった。
ここで、実施例、参考例、比較例の評価結果を図8〜図16中に示す。以上の評価結果から、ドリルの金属の占有率が40〜80%でボディの溝の先端部分の曲率半径が1.50〜3.50mmであれば、穴位置精度が低下せず、スミア残りの問題が生じず、導通信頼性を高め得ることが分かった。また、ドリルの使用可能回数を延ばすことができることが明らかになった。
一方、ドリルのボディの刃先の基端における断面の金属の占有率が40%未満、80%超の場合は、ドリルが損傷し易くなり、形成されたスルーホールの電気接続性や信頼性が低下することが分かった。他方、溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50未満であるドリルは、開口した貫通孔の形状の異常や位置ズレを引き起こし易くなり、電気接続性や信頼性を低下させやすくなる。同様に、曲率半径が3.50mmを越えるドリルでは、孔の位置ズレを誘発させ易く、電気接続性や信頼性を低下させることが分かった。
上述した実施例では、ドリルをプリント配線板用の銅張り積層板の穴明けに用いた例を挙げたが、本願のドリルは、種々の樹脂と金属との積層体の穴明けに好適に用い得るものである。
(A)は本発明の実施形態に係るドリルの側面図であり、(B)はアンダーカットタイプのドリルの側面図である。 図2(A)にドリルの先端側を見た正面図であり、図2(B)にドリルの先端部の拡大図であり、図2(C)に図2(B)のC−C断面図であり、図2(C)はドリルの先端部の拡大図である。図2(D)はドリルの側面図である。 ドリルの製造工程の説明図である。 プリント配線板の製造工程の説明図である。 銅張り積層板への貫通孔のドリル穿設の説明図である。 本発明のドリルの占有率の説明図である。 本発明のドリル溝の最深部の説明図である。 実施例1と参考例1の評価結果を示す図表である。 実施例2と参考例2の評価結果を示す図表である。 実施例3と参考例3の評価結果を示す図表である。 改変例1の評価結果を示す図表である。 改変例2の評価結果を示す図表である。 改変例3の評価結果を示す図表である。 改変例4の評価結果を示す図表である。 改変例5の評価結果を示す図表である。 比較例1と比較例2の評価結果を示す図表である。 実施例1〜実施例第3及び改変例1の損傷確認ショット数の評価結果を示す図表である。 改変例1〜改変例4の損傷確認ショット数の評価結果を示す図表である。 改変例5、比較例1、比較例2の損傷確認ショット数の評価結果を示す図表である。 実施例1のドリルの断面を示す写真である。
符号の説明
10 ドリル
12 シャンク
30 刃部
31 切刃
32A 第1逃げ面
32B 第2逃げ面
32C 第3逃げ面
32D 第4逃げ面
32E 逆側第1逃げ面
32F 逆側第2逃げ面
33 二番取り面
θ1 ネジレ角
θ2 先端角
P 最深部
CC 軸心

Claims (5)

  1. 被加工物に回転して開口を形成させるため、先端に刃部およびボディに溝が1条形成されたドリルにおいて、
    前記ボディの刃先の基端における金属の占有率が40〜80%であり、前記基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであることを技術的特徴とするドリル。
  2. 前記ドリルの先端径は、300μm以下であることを技術的特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 導体層を有する基板に貫通する孔を形成し、孔内に導体層を形成して電気接続を行うプリント配線板の製造方法において、
    A)〜C)工程を経ることを技術的特徴とするプリント配線板の製造方法:
    A)先端に刃部とボディに溝が1条形成され、該ボディの刃先の基端における金属の占有率が40〜80%であり、前記基端での溝の最深部の軸垂直方向への曲率半径が1.50〜3.50mmであるドリルにより基板を貫通する孔を形成する工程;
    B)孔内に導体層を形成する工程;
    C)基板の表層に導体回路を形成する工程。
  4. 前記A)工程に続いてデスミア処理を行う工程を経ることを技術的特徴とする請求項3のプリント配線板の製造方法。
  5. 前記A)工程のドリルの先端径は、300μm以下であることを技術的特徴とする請求項3又は請求項4に記載のプリント配線板の製造方法。
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