JP2006334547A - 塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品 - Google Patents

塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品 Download PDF

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Abstract

【課題】
自動車車体外板等の各種工業製品に対して、光の散乱効果によるフロスト感に優れた塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品を提供することである。
【解決手段】本発明は、基材上に、基材上に、第1ベース塗料を塗装して得られるL値が5〜30である第1ベース塗膜上に、着色材として染料及び/又は顔料を含む第2ベース塗料を塗装し、さらに得られた塗膜上に艶調整材として樹脂ビーズ及び/又はシリカを含むクリヤー塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法に関するものであり、該複層塗膜形成方法で得られた塗膜構造及び塗装物品に関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜形成方法及び塗装物品に関する。
自動車外装の塗装には、車体を長期間保護するために、長期間の耐候性、耐水性等が要求される。さらに近年は、自動車の商品力を高めるために、外観品質の向上が要求される。その外観品質の一つに塗色の質感がある。これまで、高い塗色の質感として漆黒感、深み感が追求されてきた。特に高い質感の塗色を得るために、塗膜内の散乱を抑える手法が追求されてきた。
特許文献1には、自動車等の塗装に用いられる深みのある透明感の高い塗膜構造として、明度が0.2未満である黒色ベース層と、黒色染料を含むカラークリヤー層からなる塗膜構造について記載されている。この方法は、塗膜内の散乱を抑え、漆黒感、深み感のある黒色塗膜を得ることができるが、単調な黒い質感が得られるのみである。
特開平6−15223号公報
本発明の目的は、深み感に優れ、さらに散乱光を利用したフロスト効果による柔らかな質感を持つ塗色が得られる塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品を提供することである。
本発明は、
1.基材上に、第1ベース塗料を塗装して得られるL値が5〜30である第1ベース塗膜上に、着色材として染料及び/又は顔料を含む第2ベース塗料を塗装し、さらに得られた塗膜上に艶調整材として樹脂ビーズ及び/又はコロイド状シリカを含むクリヤー塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法、
2.1項記載の塗膜形成方法によって得られた塗膜構造、
3.1項記載の塗膜形成方法によって得られた塗装物品、
に関する。
本発明によれば、基材上に、第1ベース塗料を塗装して得られる特定のL値の第1ベース塗膜上に、着色材として染料及び/又は顔料を含む第2ベース塗料を塗装し、さらに得られた塗膜上に特定の艶調整材を含むクリヤー塗料を塗装することによって、深み感に優れ、さらに散乱光を利用したフロスト効果による柔らかな質感を持つ塗膜を得ることができる。特に黒系の塗色においてはさらに漆黒感に優れた塗膜を得ることができる。
本発明方法において、基材としては、鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属やこれら金属の合金、及びこれらの金属によるメッキまたは蒸着が施された成型物、ならびに、ガラス、プラスチックや発泡体などによる成型物等の素材を挙げることができる。これら素材に脱脂処理や表面処理を施した処理素材を基材とすることもできる。さらに、上記基材に下塗り塗膜や中塗り塗膜を形成させた塗膜形成材を基材とすることもでき、塗膜形成材が特に好ましい。
上記下塗り塗膜とは、素材表面を隠蔽したり、素材に防食性及び防錆性などを付与するために形成されるものであり、下塗り塗料を塗装し、硬化させることによって得ることができる。この下塗り塗料種としては特に限定されるものではなく、例えば、電着塗料、溶剤型プライマー等を挙げることができる。
また、上記中塗り塗膜とは、素材表面や下塗り塗膜を隠蔽したり、付着性や耐チッピング性などを付与するために形成されるものであり、素材表面や下塗り塗膜上に、中塗り塗料を塗装し、硬化させることによって得ることができる。この中塗り塗料種としては特に限定されるものではなく、既知のものを使用でき、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び着色顔料を含有する有機溶剤系又は水系の中塗り塗料を好ましく使用できる。
本発明方法において、基材として、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜を形成させたものを使用する場合においては、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に後述する次工程の塗料を塗装することができるが、また、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が未硬化の状態で、次工程の塗料を塗装することもでき、本発明方法は、この場合も包含する。
本発明方法では、上記の如き基材に第1ベース塗料を塗装する。第1ベース塗料は、下地を隠蔽し、複層塗膜において色相を決定する塗料であって、塗装して得られる塗膜の明度を表わすL値が5〜30好ましくは8〜25、より好ましくは10〜20であるものである。
L値とは具体的には、1976年に国際照明委員会で規定され、JIS Z 8729に採用されているL*a*b*表色系におけるL*を意味する。具体的には、第1ベース塗料を硬化塗膜として30μmの膜厚となるように平滑なアート紙上に塗装後、乾燥硬化させた塗膜をCOLOR−VIEW(測色計、商品名、BYK−ガードナー社製、45度入射、0度受光)にて測色して得られた数値を意味する。
第1ベース塗料は、黒色顔料を含有することが好ましい。該黒色顔料としては、インク用、塗料用及びプラスチック着色用として従来公知の黒色顔料を1種あるいは2種以上を組み合わせて含有することができる。具体的には、カーボンブラック顔料、複合酸化物系顔料、黒色酸化鉄顔料、アニリンブラック顔料等が挙げられるが、特に限定されるものではない。複層塗膜の色調の点から、カーボンブラック顔料がを好ましく使用することができるが、求める色調に応じて1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記黒色顔料の配合量は、得られる塗膜の色調や仕上がり外観の点から第1ベース塗料中のビヒクル固形分100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
第1ベース塗料には、黒色顔料のほかに、ビヒクルとして、樹脂成分を含有することができる。樹脂成分としては、熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水などの溶媒に溶解または分散して使用される。
また、第1ベース塗料には、必要に応じて他の着色顔料を配合することができる。着色顔料としては、インク用、塗料用、プラスチック着色用として従来公知の顔料を1種あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。着色顔料の具体例としては、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物顔料、チタンイエロー等の複合酸化金属顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料等を挙げることができるが、基材を隠蔽する点から酸化チタン顔料を配合せしめることが好ましい。
これら着色顔料の好ましい含有量は、塗装して得られる塗膜の仕上がり性から第1ベース塗料中のビヒクル固形分100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部である。
さらに、第1ベース塗料には、必要に応じて、水あるいは有機溶剤等の溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
第1ベース塗料は、前述の成分を混合分散せしめることによって調製することができる。通常、塗装に際して、固形分含有率を、塗料組成物に基づいて、15〜50重量%、好ましくは20〜40重量%に、また、20℃における粘度を15〜20秒/フォ−ドカップ#3に調整しておくことが好ましい。
第1ベース塗料は、静電塗装、エアースプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基づいて5〜25μmの範囲内とするのが、塗膜の平滑性の点から好ましい。第1ベース塗料の塗膜それ自体は約70〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
また、第1ベース塗料は、塗装後、加熱し、架橋硬化後に第2ベース塗料を塗装することができるが、または加熱硬化させることなく未架橋硬化の状態で、第2ベース塗料を塗装することができる。
本発明方法における第2ベース塗料は、複層塗膜において深み感を決定する塗料であって、着色材として染料及び/又は着色顔料を含有する。該染料としては、インク用、塗料用及びプラスチック着色用として従来公知の染料を1種あるいは2種以上を組み合わせて含有することができる。該染料の具体例としては、アゾ系染料、トリフェニルメタン系染料を挙げることができる。好ましくは、耐候性の点からアゾ系染料のうち特に金属錯塩系の染料を使用することができるが、限定されるものではなく、求める色調に応じて前記の黒色染料を1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色材として染料を配合する場合その配合量は、得られる複層塗膜の色調の点から第2ベース塗料中のビヒクル固形分100質量部に対して、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
上記着色顔料としては、インク用、塗料用、プラスチック着色用として従来公知の顔料を1種あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。該着色顔料としては、第1ベース塗料において使用できるものと同様のものを使用することができるが、複層塗膜に奥行き感を表現するために、ペリレン顔料、キナクリドン顔料等の中でも透明性が高く、一次粒子径が小さい有機系赤顔料を使用することが好ましい。該着色顔料の一次粒子径としては、3〜200nmのものが透明性、着色力の点から好ましく、特に好ましくは、一次粒子径が5〜100nmのものである。
着色材として染料を配合する場合その配合量は、塗膜の色相、仕上がり性の点から第2ベース塗料中のビヒクル固形分100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量部である。
本発明方法における第2ベース塗料には、上記着色材のほかに、ビヒクルとして、樹脂成分を含有することができる。樹脂成分としては、第1ベース塗料において使用できるものと同様のものを使用することができるが、この中でも特に熱硬化性樹脂組成物が好ましい。これらは有機溶剤及び/又は水などの溶媒に溶解または分散して使用される。
さらに、第2ベース塗料には、必要に応じて、水あるいは有機溶剤等の溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
第2ベース塗料は、前述の成分を混合分散せしめることによって調製することができる。通常、塗装に際して、固形分含有率を、塗料組成物に基づいて、15〜50重量%、好ましくは20〜40重量%に、また、20℃における粘度を11〜15秒/フォ−ドカップ#4に調整しておくことが好ましい。
第2ベース塗料は、静電塗装、エア−スプレ−、エアレススプレ−などの方法で塗装することができ、その膜厚は、塗膜の仕上がり性の点から、硬化塗膜に基づいて5〜40μmの範囲内とするのが好ましい。第2ベース塗料の塗膜それ自体は約70〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
本発明方法では、第2ベースを塗装して得られた塗膜上に、さらにクリヤー塗料を塗装する。クリヤー塗料は、複層塗膜に光の散乱効果によるフロスト感を付与する塗料であって、艶調整材として樹脂ビーズ及び/又はコロイド状シリカを必須成分として配合してなる無色もしくは有色の透明塗膜を形成する液状の塗料であって、第2ベース塗料の未硬化もしくは硬化させてなる塗面に塗装することができる。ここでいう樹脂ビーズとは、有機合成樹脂の球状体であって、材質としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。また、コロイド状シリカとは、ケイ酸をゲル化させた三次元構造の粒子である。本発明方法において、前記艶調整材としては、平均粒径が0.5〜15μmのものが、上述の如きフロスト感を表現するために好ましく、より好ましくは、1〜10μmのものである。
上記艶調整材の配合量は、得られる複層塗膜のフロスト感の点からクリヤー塗料中のビヒクル固形分100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは0.3〜10質量部である。
本発明方法におけるクリヤー塗料は、従来公知のクリヤー塗料に上記艶調整材を混合し、分散せしめたものである。従来公知のクリヤー塗料とは、例えば、基体樹脂及び架橋剤を含有する液状の塗料組成物が適用できる。基体樹脂の例としては、水酸基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などが挙げられる。架橋剤としては、前記基体樹脂の官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物、ブロックポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂等が挙げられる。また、必要に応じて、水や有機溶剤等の溶媒、硬化触媒、消泡剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配合することができる。
上記クリヤー塗料には、透明性を損なわない範囲内において、着色顔料または染料を適時配合することができる。着色顔料及び染料としては、インク用、塗料用として従来公知の顔料を1種あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。その添加量は、適宜決定されて良いが、クリヤー塗膜中のビヒクル固形分100質量部に対して、30質量部以下、好ましくは0.1〜15質量部である。
上記クリヤー塗料は、静電塗装、エア−スプレ−、エアレススプレ−などの方法で塗装することができ、その膜厚は、塗膜の仕上がり性の点から、硬化塗膜に基づいて5〜40μmの範囲内とするのが好ましい。クリヤー塗料の塗膜それ自体は約70〜約150℃の温度で架橋硬化させることができる。
本発明方法においては、基材に第1ベース塗料を塗装後、その未硬化の塗面に第2ベース塗料を塗装し、さらにその未硬化の塗面にクリヤー塗料を塗装後、これらの塗膜を同時に乾燥硬化せしめる所謂3C1B(3コート1ベーク)工程であってもよいが、または、基材に第1ベース塗料を塗装後、その未硬化の塗面に第2ベース塗料を塗装し、これらの塗膜を乾燥硬化後に得られた塗面にさらにクリヤー塗料を塗装する所謂3C2B(3コート2ベーク)工程であってもよい。
本発明方法で得られる塗膜は、60度鏡面光沢度が、60〜95であることが好ましく、より好ましくは、70〜90である。ここでいう60度鏡面光沢度とは、プラスチック、塗膜等の光沢を示す数値であって、その測定方法は、JIS Z8741鏡面光沢度−測定方法に記載されている。具体的には、試料面に対して60度の入射角で、規定された開き角の光束を入射し、鏡面反射方向に反射する一定の開き角の光束を受光器で測定できる。実際には、市販の光沢計を使用して測定することができる。
また、本発明方法で得られる塗膜は、反射ヘイズ値が100〜600であることが好ましく、特に好ましくは、150〜500である。ここでいう反射ヘイズ値とは、曇度ということもあり、その測定方法は、ASTM E430に記載されている。具体的には、試料面に対して20度の入射角で、規定された開き角の光束を入射し、鏡面反射方向から正方向と逆方向にそれぞれ0.9度ずれた方向に反射する一定の開き角の光束を受光器で測定し、測定値から特定の計算式を使用して算出することができる。実際には、ヘイズグロス(光沢計、商品名、ガードナー社製)等を用いて測定することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
基材の調整
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント株式会社製、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネ−ト化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗膜を得た。
得られた電着塗面に、中塗塗料「ル−ガベ−ク中塗りグレ−」(商品名:関西ペイント株式会社製、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系、有機溶剤型)をエアスプレーにて硬化塗膜に基づいて膜厚30μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して架橋硬化させて、中塗塗膜を形成した塗板を基材とした。
塗料の調整
水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価100、数平均分子量20000)及びメラミン樹脂からなる樹脂成分100質量部(固形分)あたり、染料、着色顔料を表1に示す比率で配合して攪拌混合し、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約28%の有機溶剤型塗料を調整し、各実施例及び比較例に使用する第1ベース塗料、第2ベース塗料を作成した。
次いで、市販のクリヤー塗料(ル−ガベ−ククリヤ−、関西ペイント製、商品名、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)に艶調整材を表1に示す比率で配合して攪拌混合して、塗装に適正な粘度となるように希釈して、固形分約35%の有機溶剤型塗料を調整し、クリヤー塗料を作成した。また、同じ市販のクリヤー塗料を適正な粘度となるように希釈して、艶調整材を含まないクリヤー塗料を作成した。
Figure 2006334547
試験板の作成
以下の手順にて、表1に示す構成となるように第1ベース塗料、第2コート塗料、クリヤー塗料を塗装して試験板とした。
(第1ベース塗料の塗装)
(1)作成した中塗り塗板に、(2)で作成した第1ベース塗料をミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として、7〜15μmとなるように塗装した。
上記とは別に、平滑なアート紙を、石油ベンジンを含ませたガーゼで拭いて脱脂後、第1ベース塗料をエアスプレーガンで硬化塗膜として、35μmとなるように塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、乾燥硬化せしめて得られたテストピースを、COLOR−VIEW(測色計、商品名、BYK−ガードナー社製、45度入射、0度受光)を用いて測色し、L値を得た。結果を表1に示した。
(第2ベース塗料の塗装)
第1ベース塗料を塗装した室内にて放置し、ついで、その未硬化の塗面に、(1)で作成した中塗り塗板にそれぞれ(2)で作成した第2ベース塗料をREAガンを用いて、ブ−ス温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として、7〜15μmとなるように塗装した。
(クリヤー塗料の塗装)
第2ベース塗料を塗装後に、室温にて15分間放置し、ついで、これらの未硬化塗面に(2)で作成したクリヤー塗料をミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度20℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、25〜35μmとなるように塗装した。このとき実施例1〜3については艶調整材を含むクリヤー塗料を、比較例1及び2については艶調整材を含まないクリヤー塗料をそれぞれ使用した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて試験板とした。
(評価試験)
実施例及び比較例で作成した試験板について、目視にて意匠性を評価し、併せて光沢及び反射ヘイズ値を測定した。また、促進耐候性試験を行なった。
促進耐候性試験には、JIS B 7754に規定されたスーパーキセノンウェザオメーター(商品名、スガ試験機社製)を使用し、1時間42分間のキセノンアークランプの照射と18分間の降雨条件における同ランプの照射による2時間を1サイクルとして、500サイクルの繰り返し試験の終了後に、実験室内に保管しておいた控え塗板と比較して評価を行なった。結果を表2に示した。
Figure 2006334547
本発明の塗膜形成方法は、各種工業製品、特に自動車車体の外板に適用できる。

Claims (3)

  1. 基材上に、第1ベース塗料を塗装して得られるL値が5〜30である第1ベース塗膜上に、着色材として染料及び/又は顔料を含む第2ベース塗料を塗装し、さらに得られた塗膜上に艶調整材として樹脂ビーズ及び/又はコロイド状シリカを含むクリヤー塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 請求項1記載の塗膜形成方法によって得られた塗膜構造。
  3. 請求項1記載の塗膜形成方法によって得られた塗装物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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