JP2006333288A - 画像処理装置、発光装置およびその制御方法、ならびに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動画ボケおよびフリッカの双方を抑制する。
【解決手段】 中間画像生成部12は、75Hz未満のフレームレートF1での表示が指示された複数の原画像を表わす動画像データD1に基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する。フレームレート変換部14は、中間画像生成部12が生成した中間画像を含む複数の画像であって75Hz以上かつ100Hz以下であるフレームレートF2での表示に対応した複数の画像を表わす動画像データD2を生成して出力する。データ線駆動回路36は、フレームレート変換部14から出力された動画像データD2に基づいて各発光素子にデータ信号を供給する。発光制御回路38は、フレームレートF2のもとでフリッカが発生しないように選定された発光デューティ比(例えば50%)で各発光素子を発光させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機発光ダイオード(以下「OLED(Organic Light Emitting Diode)」という)素子などの発光素子の挙動を制御する技術に関する。
面状に配列された各発光素子の輝度を制御することによって画像を表示する発光装置が従来から提案されている。この種の発光装置のうちひとつのフレーム期間の略全長にわたって各発光素子の発光が維持されるタイプの発光装置はホールド型と呼ばれる。
非特許文献1に開示されるように、ホールド型の表示装置においては、画像に含まれる被写体の移動とこれに追従しようとする観察者の視点の移動とのズレに起因して、観察者によって知覚される被写体の輪郭が不明瞭となる現象(以下「動画ボケ」という)が発生する。この動画ボケを解決するための方策としては、各発光素子の階調をフレーム期間の全長にわたって維持するのではなく、CRT(Cathode Ray Tube)に代表されるインパルス型の表示装置のように各発光素子を間欠的に発光させるという方法がある。
信学技法,EID2001-84(2002-01)p13-p18「ディスプレイの時間応答と動画の高画質化」,栗田泰市郎/電子情報通信学会(特に図3)
しかしながら、各発光素子を発光させる各期間に間隔があると、画像全体の明度が周期的に変動するフリッカと呼ばれる現象が顕著となる。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、動画ボケおよびフリッカの双方を抑制するという課題の解決を目的としている。
この課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、データ信号によって各々の輝度が指定される複数の発光素子と、75Hz未満(より具体的には50Hz以上かつ60Hz以下)の第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データ(例えば図1や図9の動画像データD1)に基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、中間画像生成手段が生成した中間画像を含む複数の画像であって75Hz以上かつ100Hz以下である第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データ(例えば図1や図9の動画像データD2)を生成して出力するフレームレート変換手段と、フレームレート変換手段から出力された第2動画像データに基づいて各発光素子にデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比(より具体的には、第2フレームレートのもとでフリッカが観察者に知覚されないように選定された発光デューティ比)で各発光素子を発光させる発光制御回路とを具備する。この構成の具体例は第1実施形態として後述される。
この構成においては、第2動画像データに基づいて表示される動画像のフレームレート(第2フレームレート)が75Hzから100Hzの範囲とされ、かつ、この第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で発光素子が発光する。したがって、ホールド型の表示(すなわち発光デューティ比を100%とした場合)のもとでフリッカが顕在化しないようにフレームレートを選定した構成よりも動画像の表示に係るフレームレートを低減することができ、これによって消費電力が低減される。加えて、フレームレートを変換しない場合と比較して低い発光デューティ比のもとでもフリッカが顕在しないから、発光デューティ比を充分に低減して動画ボケを有効に抑制することができる。
なお、本明細書における発光デューティ比とは、フレーム期間の時間長Tfとそのフレーム期間のうち発光素子を発光させる期間(発光期間Pon)の時間長Tonとの比率(Ton/Tf)である。発光デューティ比が高いほどホールド型の表示に近づいて動画ボケが顕著となり、発光デューティ比が低いほどインパルス型の表示に近づいてフリッカが顕著となる。一方、フレームレートとは、複数の発光素子によって表示される画像が更新される単位時間あたりの回数(フレーム周波数)である。
また、相前後する原画像の中間的な態様の中間画像とは、その生成に使用された各原画像の間隙を補間するように生成された画像である。例えば、第1原画像のうち第1の位置に表示されていた被写体がこれに続く第2原画像において第2の位置に移動した場合を想定すると、第1原画像と第2原画像とから生成される中間画像は、第1の位置と第2の位置との間に被写体が配置された画像(つまり第1原画像と第2原画像との中間的な態様の画像)となる。
本発明は、発光装置を制御する方法としても実施される。すなわち、この方法は、75Hz未満の第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成し、この中間画像を含む複数の画像であって75Hz以上かつ100Hz以下である第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成する一方、第2動画像データに基づいて各発光素子にデータ信号を供給し、第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で各発光素子を発光させることを特徴とする。
ところで、相前後する各原画像から生成された中間画像を第2フレームレートでの表示に採用することによってフレームレートを変換する構成においては、その生成に使用された各原画像の間隙を円滑に補間するような中間画像を高い精度で生成することができない場合もある。そして、このような場合にもその中間画像を採用して第2動画像データが生成されると、複数の発光素子によって実際に表示される動画像が不自然なものとなりかねない。そこで、本発明の望ましい態様においては、中間画像生成手段によって生成された中間画像の適否(より詳細には、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として第1中間画像および第2中間画像が適切であるか否か)を判定する判定手段が設けられ、フレームレート変換手段は、この判定手段によって適切であると判定された中間画像のみを選択的に使用して第2動画像データを生成する。この態様によれば、適正に生成された中間画のみを使用して自然な動画像の表示が実現される。
例えば、本発明の第1の態様においては、第1原画像(例えば図10の原画像V1)および当該第1原画像に続く第2原画像(例えば図10の原画像V2)から中間画像生成手段が生成した第1中間画像(例えば図10の中間画像E1)と、第2原画像および当該第2原画像に続く第3原画像(例えば図10の原画像V3)から中間画像生成手段が生成した第2中間画像(例えば図10の中間画像E2)とから、両者の中間的な態様のチェック画像(例えば図10のチェック画像C1)を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として第1中間画像および第2中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段とが設けられ、フレームレート変換手段は、第1中間画像および第2中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、第1中間画像および第2中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力する。この態様の具体例は第2実施形態として後述される。本態様において、中間画像が不適であると判定されたときに実行される具体的な処理の内容は任意である。例えば、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として第1中間画像および第2中間画像が不適であると判定手段によって判定された場合に、フレームレート変換手段が、第2フレームレートのもとで第1中間画像および第2中間画像が配置されるべき各時点に第2原画像を配置した第2動画像データを生成してもよいし、第2動画像データの代わりに第1動画像データを出力してもよい。
また、本発明の第2の態様においては、時系列的に連続する第1原画像(例えば図11に図示された原画像V1およびV3の一方)と第2原画像(例えば図11の原画像V2)と第3原画像(例えば原画像V1およびV3の他方)とのうち第1原画像および第2原画像から画像生成手段が生成した中間画像である対象中間画像(例えば図11の中間画像E1)と第3原画像とから両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として対象中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段とが設けられ、フレームレート変換手段は、対象中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、対象中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力する。この態様の具体例は第3実施形態として後述される。なお、本態様においても、中間画像が不適であると判定されたときの処理の内容は任意である。例えば、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として対象中間画像が不適であると判定手段によって判定された場合に、フレームレート変換手段が、第2フレームレートのもとで対象中間画像が配置されるべき時点に第2原画像を配置した第2動画像データを生成してもよいし、第2動画像データの代わりに第1動画像データを出力してもよい。
以上のように中間画像の生成に起因した動画像の不自然性を防止するという観点から、本発明は、中間画像の適否を判定する機能を備えた画像処理装置としても特定される。さらに詳述すると、本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、第1原画像および当該第1原画像に続く第2原画像から中間画像生成手段が生成した第1中間画像と、第2原画像および当該第2原画像に続く第3原画像から中間画像生成手段が生成した第2中間画像とから、両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として第1中間画像および第2中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段と、第1中間画像および第2中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、第1中間画像および第2中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段とを具備する。
また、第2の態様に係る画像処理装置は、第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、時系列的に連続する第1原画像と第2原画像と第3原画像とのうち第1原画像および第2原画像から中間画像生成手段が生成した中間画像である対象中間画像と第3原画像とから両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、第1原画像と第3原画像とを補間する画像として対象中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段と、対象中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、対象中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段とを具備する。なお、本発明の発光装置について上述したように、第1および第2の態様に係る画像処理装置において、中間画像が不適であると判定されたときに実行される処理の具合的な内容は任意である。
以上に説明した各態様の画像処理装置を構成する各手段は、DSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアによって実現されるほか、以下に例示されるように、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータがプログラムを実行することによっても実現される。
第1の態様に係るプログラムは、第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、第1原画像および当該第1原画像に続く第2原画像から中間画像生成手段が生成した第1中間画像と、第2原画像および当該第2原画像に続く第3原画像から中間画像生成手段が生成した第2中間画像とから、両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて第1中間画像および第2中間画像の適否を判定する判定手段と、第1中間画像および第2中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、第1中間画像および第2中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段としてコンピュータを機能させる内容となる。
第2の態様に係るプログラムは、第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、時系列的に連続する第1原画像と第2原画像と第3原画像とのうち第1原画像および第2原画像から中間画像生成手段が生成した中間画像である対象中間画像と第3原画像とから両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、第2原画像とチェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて対象中間画像の適否を判定する判定手段と、対象中間画像が適切であると判定手段によって判定されると、対象中間画像を含む複数の画像であって第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段としてコンピュータを機能させる内容となる。
本発明は、以上の各態様に係る画像処理装置を具備する発光装置としても特定される。この発光装置においては、フレームレートの上昇による消費電力の増大や発光デューティ比の低減によるフリッカの発生を有効に抑制しながら動画ボケを防止するために、第2動画像データに基づいて表示される動画像のフレームレート(第2フレームレート)が75Hzから100Hzの範囲とされ、かつ、この第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で発光素子が発光する。
本発明に係る電子機器は、以上に説明した各態様の発光装置を具備する。この電子機器の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。この種の電子機器としては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、この発光装置100は、画像処理装置10とフレームメモリ20と表示パネル30とを有する。画像処理装置10は、動画像データD1から動画像データD2を生成する手段である。動画像データD1は、発光装置100が搭載される電子機器のCPUといった上位装置から供給される。この動画像データD1は、フレームレートF1での表示が予定された動画像を表わすデジタルデータであり、この動画像を構成する各フレーム画像の態様(各画素の階調)を指定するフレーム画像データを含んでいる。これらのフレーム画像データの各々はフレームメモリ20に順次に記憶される。一方、動画像データD2は、フレームレートF1よりも高いフレームレートF2で表示されるべき動画像を表わすデジタルデータであり、この動画像の各フレーム画像に対応した複数のフレーム画像データを含む。画像処理装置10によって生成された動画像データD2は表示パネル30に供給される。
この表示パネル30は、動画像データD2に基づいて動画像を表示する手段であり、複数の画素回路60を面状に配列してなる画素アレイ部32と、各画素回路60を動画像データD2に応じた輝度に発光させる駆動回路(選択回路34、データ線駆動回路36および発光制御回路38)とを含む。なお、駆動回路や画像処理装置10は、各画素回路60が配列される基板の表面やこの基板に接合された配線基板にICチップの形態で実装されてもよいし、この基板の表面に作り込まれたスイッチング素子(典型的にはTFT(Thin Film Transistor))によって構成されてもよい。
画素アレイ部32には、X方向に延在するm本の走査線51と、各走査線51に対を成してX方向に延在するm本の発光制御線53と、X方向に直交するY方向に延在するn本のデータ線55とが形成される(mおよびnはともに自然数)。各画素回路60は、走査線51および発光制御線53の対とデータ線55との各交差に対応した位置に配置される。したがって、これらの画素回路60は縦m行×横n列のマトリクス状に配列する。
駆動回路は、選択回路34とデータ線駆動回路36と発光制御回路38とを含む。選択回路34は、m本の走査線51の各々を順番に選択するための走査信号Y(Y1、Y2、……、Ym)を各走査線51に供給する回路である。さらに詳述すると、選択回路34は、フレームレートF2に対応したフレーム期間(時間長が「1/F2」である期間)をm個に区分した水平走査期間ごとに何れかの走査線51を選択し、この選択した走査線51に供給される走査信号Yをハイレベルに遷移させるとともに非選択の各走査線51に供給される走査信号Yをローレベルに維持する。一方、発光制御回路38は、各フレーム期間のうち各行の画素回路60が実際に発光する期間(以下「発光期間」という)を規定する発光制御信号C(C1、C2、……、Cm)を生成して各発光制御線53に出力する。選択回路34と発光制御回路38とによっていわゆる走査線駆動回路(Yドライバ)が構成される。
データ線駆動回路36は、選択回路34による選択行に属するn個の画素回路60にデータ線55を介してデータ信号X(X1、X2、……、Xn)を供給する。各画素回路60に供給されるデータ信号Xは、動画像データD2のフレーム画像データによって当該画素回路60に指定された階調を示す電流信号である。
次に、図2は、ひとつの画素回路60の構成を示す回路図である。なお、同図においては、第i行(iは1≦i≦mを満たす整数)に属する第j列(jは1≦j≦nを満たす整数)の画素回路60のみが図示されているが、他の画素回路60も同様の構成である。
図2に示されるように、画素回路60は、pチャネル型の駆動トランジスタTdrと、nチャネル型の3個のトランジスタ(発光制御トランジスタTel・選択トランジスタTsel・スイッチングトランジスタTsw)と、電圧を保持する容量素子Cと、電源の高位側の電位Vddが供給される電源線と低位側の電位Gndが供給される接地線との間に介挿された発光素子63とを含む。発光素子63は、有機EL材料からなる発光層を陽極と陰極との間隙に介在させたOLED素子であり、駆動電流Ielの電流量に応じた階調(輝度)で発光する。
駆動トランジスタTdrは、駆動電流Ielの電流量を制御するための素子であり、電源の高位側の電位Vddが供給される電源線にソースが接続されるとともにドレインが発光制御トランジスタTelのドレインに接続される。この発光制御トランジスタTelは、駆動電流Ielが実際に発光素子63に供給される発光期間を規定するためのスイッチング素子であり、ソースが発光素子63の陽極に接続されるとともにゲートが発光制御線53に接続される。
一方、スイッチングトランジスタTswは、駆動トランジスタTdrのゲートとドレインとの間に介挿されたスイッチング素子であり、そのゲートは選択トランジスタTselのゲートとともに走査線51に接続される。選択トランジスタTselは、駆動トランジスタTdrのドレインとデータ線55との導通および非導通を切り替えるスイッチング素子である。
以上の構成において、走査信号Yiがハイレベルに遷移すると、スイッチングトランジスタTswがオン状態に遷移することによって駆動トランジスタTdrがダイオード接続される。このときに選択トランジスタTselはオン状態となっているから、電源線から駆動トランジスタTdrおよび選択トランジスタTselを経由してデータ信号Xjの電流がデータ線55に流れ込む。したがって、容量素子Cには、駆動トランジスタTdrのゲートの電位に応じた電荷(すなわちデータ信号Xjに応じた電荷)が蓄積される。
次いで、走査信号Yiがローレベルになると、スイッチングトランジスタTswおよび選択トランジスタTselはともにオフ状態となる。したがって、駆動トランジスタTdrのゲート−ソース間の電圧はその直前の水平走査期間で容量素子Cに蓄積された電荷に応じた電圧に維持される。この状態において発光制御信号Ciがハイレベルに遷移すると発光制御トランジスタTelがオン状態に遷移し、この結果として駆動トランジスタTdrのゲートの電位に応じた駆動電流(すなわちデータ信号Xjの電流量に応じた電流)Ielが電源線から駆動トランジスタTdrを経由して発光素子63に供給される。そして、発光素子63は駆動電流Ielに比例した輝度で発光する。
ところで、各発光素子63の輝度を充分に確保するという観点からすると、各発光素子63が実際に発光する期間は長いことが望ましい。しかしながら、例えばひとつのフレーム期間の全長にわたって発光素子63の発光が維持されるホールド型の表示(すなわち発光デューティ比を100%とした表示)を採用した場合には、画素アレイ部32によって表示される画像のうち経時的に移動していく被写体(オブジェクト)の輪郭が不明瞭となる動画ボケが顕著になる。この動画ボケの原理について説明すると以下の通りである。
図3(a)は、発光デューティ比を100%に選定したときに画素アレイ部32のうちひとつの行に表示される画像の経時的な変化の様子を示す説明図である。同図(a)における縦軸は時間を示し、横軸はX方向の位置を示している。図3においては、発光素子63の発光によって表示される被写体B(ハッチングが施された領域)がフレーム期間(1F)ごとに画素の3個分ずつ右方に移動していく場合が想定されている。同図に示されるように、ホールド型の表示においては、各発光素子63は各フレーム期間の始点から終点までにわたって略一定の階調に維持される。
この画像を視認する観察者は被写体Bの移動に追従するように視点を移動させる。いま、被写体Bの移動に対して精度よく滑らかに視点が追従すると仮定すると、観察者の視点は、図3(a)の矢印Vによって表現されるように、被写体Bに追従するように略一定の速度で連続に右方に移動していく。このように、実際に表示される被写体Bはフレーム期間ごとに離散的に右方に移動していくのに対し、観察者の視点は被写体Bの移動に滑らかに追従するという相違がある。
ここで、図3(b)は、以上の画像(被写体B)を視認する観察者の網膜上の特定の部位に形成される被写体B0の位置を、この部位を基準とした相対的な位置として図示した説明図である。以上に説明したように観察者の視点は略定速で右方に移動するのに対して被写体Bはフレーム期間ごとに離散的に右方に移動するから、視点に対する被写体Bの相対的な位置は、ひとつのフレーム期間の終点に近づくほど網膜に対して左方にズレていく。すなわち、図3(b)に示されるように、観察者に実際に知覚される被写体B0の輪郭はひとつのフレーム期間ごとに範囲Δにわたって変動する。この結果として被写体Bの輪郭が利用者にとって不明瞭に知覚されるのである。換言すると、被写体Bの階調とその背景の階調とがひとつのフレーム期間にわたって平均化(積分)されるためにその端部が不明瞭に知覚されると説明することもできる。
このような動画ボケを防止するために、本実施形態においては、発光デューティ比の低減(すなわち1フレーム期間あたりの発光期間の短縮)によって各発光素子63が間欠的に発光する構成となっている。例えば、図4(a)は、図3(a)に対応する説明図であり、発光デューティ比を50%としたときに画素アレイ部32のひとつの行に表示される画像の経時的な変化の様子を示している。図4(a)においても、発光素子63の発光によって表示される被写体Bがフレーム期間ごとに3画素分ずつ右方に移動していく場合が想定されている。また、図5は、発光デューティ比を50%に規定するための発光制御信号Ciの波形を示すタイミングチャートである。
図4(a)および図5に示されるように、発光デューティ比が50%に設定される場合、発光制御信号Ciは、フレーム期間(1F)の略半分の時間長の発光期間Ponにてハイレベル(発光制御トランジスタTelをオン状態とするレベル)を維持するとともにその残余の期間にてローレベルを維持する。したがって、発光素子63は、ひとつのフレーム期間の半分の時間長の発光期間Ponにてデータ信号Xに応じた輝度に発光する一方、その残余の期間においては消灯する。このように発光デューティ比を50%に選定すると、図4(b)に示されるように、各フレーム期間にて観察者が知覚する被写体B0のX方向にわたるズレ量は、発光デューティ比が100%である場合のズレ量Δの略半分(Δ/2)となる。
しかしながら、このように発光デューティ比を低減した場合には、発光素子63を消灯する期間の時間長(すなわち相前後する発光期間Ponの間隔)が比較的に長期化するため、画像の明度が周期的に変動するフリッカが顕在化する可能性がある。一方、図3および図4に図示された動画ボケの原理から理解されるように、動画ボケはフレームレートを上昇させることによっても低減される。しかも、フレームレートを上昇させた場合には各画素の発光および消灯の周期が短縮化されるからフリッカを抑制することも可能である。しかしながら、フレームレートが余りに高いと(例えば120Hz程度であると)、今度は表示パネル30における消費電力の増大が問題となる。
以上のような観点から、本願発明者は、観察者によってフリッカが知覚され始めるときのフレームレートと発光デューティ比との関係について試験を実施した。より具体的には、光量が250cd/m2程度となるように白色の画像を所定のフレームレートで全画面にわたって表示したうえで発光デューティ比を100%から徐々に低下させていき、この画像を視認した観察者が何れの発光デューティ比の時点でフリッカを知覚し始めたかを調査した。図6は、この調査を複数のフレームレートの各々について実施した結果を示すグラフである。同図に示される折線は、各フレームレートのもとで観察者がフリッカを知覚し始めた発光デューティ比の各点を連結したものである。したがって、折線の上方(右上)は観察者によってフリッカが知覚されない領域であり、折線の下方(左下)は観察者によってフリッカが知覚される領域である。
同図に示されるように、フリッカの発生の有無は、発光デューティ比およびフレームレートの双方に依存する。すなわち、観察者にフリッカを知覚させる発光デューティ比はフレームレートを上昇させるほど低下する。例えば、フレームレートF2が50Hzである場合、フリッカを有効に抑制するためには発光デューティ比を90%以上に設定する必要がある。しかしながら、このように発光デューティ比が大きい場合には動画ボケが顕著となる。これに対し、フレームレートF2を75Hz程度とした場合、動画ボケを抑制することができる50%程度まで発光デューティ比を低下させてもフリッカは顕在化しない。
以上の調査の結果を踏まえて、本実施形態においては、消費電力が許容の範囲内に収まる程度の数値に動画像データD2のフレームレートF2が設定され、かつ、このフレームレートF2のもとでフリッカを発生させない範囲内での最小値程度まで発光デューティ比が低減されるように発光制御信号C(C1ないしCm)の波形が選定される。より詳細には、フレームレートF2を75Hz以上かつ100Hz以下とし、かつ、発光デューティ比は図5に図示されるように50%以下に設定される。なお、フリッカを発生させる発光デューティ比はフレームレートF2が90Hzを上回る領域では略一定(5%程度)を維持するから、より好ましい態様においてはフレームレートF2が90Hz以下とされる。本実施形態においては、フレームレートF2が75Hzとされるとともに発光デューティ比が50%に選定された場合を想定する。
このような条件で画像を表示することにより、本実施形態によれば、発光デューティ比が100%であるホールド型の表示に際してフリッカが顕在化しないようにフレームレートF2をフレームレートF1の略2倍程度に選定した場合よりも表示パネル30の動作周波数(すなわちフレームレートF2)を低下させることができ、これによって表示パネル30での消費電力や電磁波の輻射が低減される。また、表示パネル30やデータ線駆動回路36や画像処理装置10といった各部を、動作周波数がより低い素子で構成することができる。別の観点からすると、動画像データD2のフレームレートF2をフレームレートF1から変換しない場合と比較して、より低い発光デューティ比のもとでもフリッカの発生が防止される。したがって、フリッカの発生を防止しながら、動画ボケを抑制するために充分な程度まで発光デューティ比を低減することができる。
図1に示される画像処理装置10の中間画像生成部12およびフレームレート変換部14は、以上のようにフレームレートF1(50Hz)の動画像データD1からフレームレートF2(75Hz)の動画像データD2を生成するための手段である。より具体的には、動画像データD1が表わす複数のフレーム画像(以下「原画像」という場合がある)のうち時間的に相前後する各原画像を補間することによって両者の中間的な態様のフレーム画像(以下「中間画像」という場合がある)を生成する。一方、フレームレート変換部14は、中間画像生成部12が生成した中間画像に基づいてフレームレートF2の動画像データD2を生成する。
図7は、中間画像生成部12およびフレームレート変換部14による処理の具体例を説明するための図である。同図に示されるように、動画像データD1においては、フレームレートF1に対応したフレーム期間T1(1/50秒)を周期として原画像(V1、V2、V3)の表示が指定される。各原画像は円形の被写体Obを含む画像である。
動画像データD1からフレームレートF2の動画像データD2を生成するために、中間画像生成部12は、原画像V1が表示される時刻t1から「2/3*T1」が経過した時刻t1aで表示される中間画像E1と、時刻t1から「4/3*T1」が経過した時刻(時刻t1aから「2/3*T1」が経過した時刻)t2aで表示される中間画像E2とを生成する。例えば、中間画像生成部12は、原画像V1と原画像V2とから被写体Obに関する動きベクトルを抽出し、この動きベクトルと時刻t1aとに基づいて中間画像E1を生成する。この中間画像E1は、原画像V1における被写体Obの位置と原画像V2における被写体Obの位置との中間に被写体Obが配置された画像となる。中間画像E2も同様の手順で生成される。ただし、動画像データD1から中間画像(E1やE2)を生成する方法は以上の例示に限定されず、公知である総ての方法を採用することができる。中間画像生成部12が生成した中間画像のフレーム画像データはフレームメモリに順次に格納される。
一方、フレームレート変換部14は、動画像データD1によって指定された総ての原画像のうちフレームレートF2に対応したタイミングにある原画像を選択する。例えば、フレームレートF1のもとでフレーム画像を表示すべき時刻(t1、t2、t3)のうちフレームレートF2のもとでもフレーム画像を表示すべきタイミングとなるのは時刻t1および時刻t3である。したがって、フレームレート変換部14は、時刻t1に対応する原画像V1と時刻t3に対応する原画像V3とを選択する。そして、フレームレート変換部14は、ここで選択した各原画像と中間画像生成部12が生成した各中間画像とをフレームレートF2で配列した動画像の動画像データD2を生成する。すなわち、図7に破線の矢印で示されるように、フレームレートF2に対応するフレーム期間T2を周期として、原画像V1(時刻t1)→中間画像E1(時刻t1a)→中間画像E2(時刻t2a)→原画像V3(時刻t3)という順番で各フレーム画像を配列した動画像の動画像データD2が生成される。以上の処理によってフレームレートF2の動画像データD2が生成されて表示パネル30のデータ線駆動回路36に出力される。
フレームレートを変換するための手順は以上の通りである。なお、ここではフレームレートF1を50HzとしフレームレートF2を75Hzとした場合を例示したが、変換の前後の各フレームレートがこれに限定されないことはもちろんである。例えば、図8には、フレームレートF1が50Hzに設定された動画像データD1を83.3HzのフレームレートF2に変換する場合が例示されている。この場合には、3個のフレーム期間に相当する時間長「3*T1」を5等分する各時点(t1a、t2a、t2b、t3a)に対応した4個の中間画像E1ないしE4が中間画像生成部12によって生成され、これらの中間画像E1ないしE4を原画像V1と原画像V3との間隙にフレームレートF2にて配置してなる動画像の動画像データD2がフレームレート変換部14から出力される。
図6から理解されるように、フレームレートF2を83.3Hzに選定した場合には、10%程度の発光デューティ比であってもフリッカは発生しない。したがって、発光デューティ比を充分に低減することによって動画ボケを有効に抑制することができる。また、以上の例示のほかに、例えばフレームレートF1が60Hzである場合には、6個のフレーム期間に相当する時間長(6*T1)を6等分した各時点に中間画像を配置することによってフレームレートF2を72Hzとしてもよいし、3個のフレーム期間に相当する時間長(3*T1)を4等分した各時点に中間画像を配置することによってフレームレートF2を80Hzとしてもよい。
<B:第2実施形態>
以上に説明した第1実施形態においては、相前後する各原画像の間隙に中間画像を配置することでフレームレートを上昇させる構成を例示した。この構成において、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像が適切に生成されれば、表示パネル30に自然な動画像を表示することが可能である。しかしながら、中間画像の生成に使用された各原画像の態様によっては適切な中間画像を生成することができない場合がある。例えば、ある原画像とその直後の原画像とで動画像のシーンが切り替わったような場合、これらの原画像から生成される中間画像を両者の間隙に配置した画像は利用者にとって不自然な動画像となり得る。このような問題を解消するために、本実施形態においては、中間画像生成部12によって生成された中間画像の適否が判定され、この判定の結果に基づいて動画像データD2が生成される。なお、本実施形態のうち第1実施形態と同様の要素については共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
図9は、本実施形態に係る発光装置100の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、本実施形態における画像処理装置10は、第1実施形態にて説明した中間画像生成部12およびフレームレート変換部14に加えて、チェック画像生成部16と判定部18とを有する。このうちチェック画像生成部16は、中間画像生成部12が生成した中間画像の適否を判定するためのフレーム画像(以下「チェック画像」という)を生成する手段である。
図10は、画像処理装置10の動作を示す図である。同図においては、図7のケースと同様に、フレームレートF1(50Hz)がその1.5倍のフレームレートF2(75Hz)に変換される場合が想定されている。したがって、本実施形態における中間画像生成部12は、第1実施形態と同様に、フレームレートF2に対応した中間画像E1およびE2を生成して各々のフレーム画像データをフレームメモリ20に格納する。一方、チェック画像生成部16は、相前後する中間画像E1と中間画像E2とを補間することによって両者の中間的な態様のチェック画像C1を生成し、このチェック画像C1を表すフレーム画像データをフレームメモリ20に格納する。チェック画像C1は、原画像V2と同じ時刻t2aに表示されるべきフレーム画像として生成される。なお、チェック画像C1を生成する方法は任意である。例えば、第1実施形態における中間画像の生成と同様に、中間画像E1と中間画像E2とから抽出された動きベクトルに基づいてチェック画像C1を生成することができる。
判定部18は、原画像V1と原画像V3とを補間する画像として中間画像E1およびE2が適切であるか否かを、チェック画像生成部16が生成したチェック画像C1に基づいて判定する手段である。中間画像E1およびE2の内容が適切であれば、これらの中間画像から生成されたチェック画像C1は、各中間画像の生成に利用された原画像V2と略一致するはずである。そこで、本実施形態における判定部18は、チェック画像生成部16が生成したチェック画像C1とフレームメモリ20に格納された原画像V2とを比較し、その比較の結果に基づいて中間画像E1およびE2の適否を判定する。さらに詳述すると、判定部18は、原画像V2とチェック画像C1とで画素ごとの階調値の差分値を算定し、これらの差分値の最大値と予め定められた閾値とを比較する。そして、判定部18は、差分値の最大値が閾値よりも小である場合には中間画像E1およびE2が適切であると判定する一方、差分値の最大値が閾値よりも大である場合には中間画像E1およびE2が不適であると判定する。この判定の結果はフレームレート変換部14に出力される。
フレームレート変換部14は、判定部18による判定の結果に基づいて動画像データD2を生成する。すなわち、中間画像E1およびE2が適切であると判定部18によって判定された場合、フレームレート変換部14は、第1実施形態と同様に、中間画像E1およびE2が原画像V1およびV3の間隙に介挿された動画像の動画像データD2を生成して出力する。これに対し、中間画像E1およびE2が不適であると判定部18によって判定されると、フレームレート変換部14は、フレームレートF2に対応した各時点(時刻t1aおよびt2a)に、中間画像E1およびE2の代わりに原画像V2が配置された動画像の動画像データD2を生成して出力する。すなわち、この場合に表示パネル30に表示される動画像は、原画像V1(時刻t1)→原画像V2(時刻t1a)→原画像V2(時刻t2a)→原画像V3という順番で各原画像がフレームレートF2で配列された内容となる。
以上に説明したように、本実施形態においては、中間画像生成部12によって生成される中間画像の利用の可否がチェック画像に基づいて判定されるから、原画像の間隙に不適切な中間画像が挿入された不自然な動画像が表示される事態を回避することができる。
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態においては、2個の中間画像から生成されたチェック画像に基づいて中間画像の適否が判定される構成を例示した。しかしながら、この構成においては、チェック画像の生成に使用された2個の中間画像の何れが不適であるのかを個別に判定することができない。そこで、本実施形態においては、原画像と中間画像とからチェック画像が生成され、このチェック画像に基づいてひとつの中間画像の適否が判定されるようになっている。なお、本実施形態のうち第1実施形態や第2実施形態と同様の要素については共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
図11は、本実施形態における画像処理装置10の動作を示す図である。同図に白抜の矢印で示されるように、本実施形態におけるチェック画像生成部16は、原画像V3と中間画像E1との間隙の時刻t2aに表示されるべき態様のチェック画像C1(原画像V3と中間画像E1との中間的な態様のフレーム画像)を両画像から生成する。さらに、チェック画像生成部16は、原画像V1と中間画像E2との間隙に時刻t2aに表示されるべき態様のチェック画像C2(原画像V1と中間画像E2との中間的な態様のフレーム画像)を両画像から生成する。チェック画像C1は中間画像E1の適否を判定するための画像であり、チェック画像C2は中間画像E2の適否を判定するための画像である。
判定部18は、原画像V1と原画像V2とを補間する画像として中間画像E1およびE2が適切であるか否かを判定する手段である。すなわち、判定部18は、第1に、チェック画像C1と原画像V2との比較の結果に基づいて中間画像E1の適否を判定し、第2に、チェック画像C2と原画像V2との比較の結果に基づいて中間画像E2の適否を判定する。この判定の具体的な手順は第2実施形態と同様である。そして、フレームレート変換部14は、中間画像E1が適切であると判定された場合には時刻t1aに当該中間画像E1が配置された動画像の動画像データD2を生成する一方、不適であると判定された場合には時刻t1aに原画像V2が配置された動画像の動画像データD2を生成する。同様に、フレームレート変換部14は、中間画像E2が適切であると判定された場合には時刻t2aに当該中間画像E2が配置された動画像の動画像データD2を生成する一方、不適であると判定された場合には時刻t2aに原画像V2が配置された動画像の動画像データD2を生成する。
以上に説明したように、本実施形態においては、中間画像ごとにその適否を判定することができるから、より自然な動画像を表示パネル30に表示することができる。例えば、第2実施形態のもとでは、中間画像E1およびE2の一方のみが不適である場合にも双方の中間画像が原画像V2に置換される。これに対し、本実施形態においては、判定部18が不適と判定した中間画像のみが原画像に置換されるから、双方の中間画像が同じ原画像に置換される場合よりも自然な動画像を表示パネル30に表示することができる。もっとも、第2実施形態によれば、第3実施形態と比較して処理が簡素化されるという利点がある。
<D:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
各実施形態においては、中間画像生成部12が生成した中間画像を各原画像の間隙に挿入することによってフレームレートF2の動画像が生成される場合を例示したが、動画像データD2の動画像に原画像が含められる必要は必ずしもない。すなわち、変換後のフレームレートF2によっては、中間画像生成部12が生成した中間画像のみを当該フレームレートF2に応じた周期で配列した動画像データD2が生成されてもよい。
(2)変形例2
第2実施形態および第3実施形態においては、判定部18によって不適と判定された中間画像に代えて原画像が配置された動画像の動画像データD2が生成される場合を例示したが、中間画像が不適と判定されたときに実行される処理の内容はこれに限定されない。例えば、第2実施形態において中間画像E1およびE2が不適であると判定された場合や、第3実施形態において中間画像E1およびE2の少なくとも一方が不適であると判定された場合に、原画像(V1、V2およびV3)を元のフレームレートF1に対応した時点(t1、t2およびt3)に配置した動画像データD2を出力(すなわちフレームレートF1の動画像データD1をそのまま出力)してもよい。また、不適と判定された中間画像を生成し直してもよい。
(3)変形例3
第2および第3実施形態においてはチェック画像(C1やC2)が1枚のフレーム画像として生成される構成を例示したが、チェック画像は実際に表示される画像ではないから、そのサイズは任意である。例えば、フレーム画像の一部に相当するサイズのチェック画像C1(あるいは第3実施形態におけるC2)がチェック画像生成部16によって生成されたうえで、フレーム画像たる原画像V2のうちチェック画像C1に相当する領域と当該チェック画像C1とが判定部18によって比較される構成としてもよい。また、移動が検出される被写体Obを含む領域についてのみチェック画像C1を生成してもよい。
(4)変形例4
第2および第3実施形態においては、チェック画像C1と原画像V2とで各画素の階調値の差分値が算定され、この差分値と所定の閾値とが判定部18によって判定される構成を例示したが、判定部18による判定の具体的な方法は任意である。例えば、チェック画像C1と原画像V2とにおいて階調値が相違する画素の総数を算定し、この総数が所定の閾値を上回る場合に中間画像を不適と判定する構成としてもよい。
(5)変形例5
画素回路60の構成は図2の例示に限定されない。例えば、図2に例示した電流プログラミング方式(データ線55の電流に応じて発光素子63の階調が調整される方式)の画素回路60に代えて、データ線55の電圧に応じて発光素子63の階調が調整される電圧プログラミング方式の画素回路を採用してもよい。また、各実施形態においてはOLED素子を発光素子63として例示したが、本発明における発光素子はこれに限定されない。例えば、OLED素子に代えて、無機EL素子、フィールド・エミッション(FE)素子、表面導電型エミッション(SE:Surface-conduction Electron-emitter)素子、弾道電子放出(BS:Ballistic electron Surface emitting)素子、LED(Light Emitting Diode)素子など様々な発光素子を利用することができる。
<E:応用例>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図12は、以上に説明した何れかの形態に係る発光装置100を表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての発光装置100と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置100の表示パネル30は発光素子63にOLED素子を利用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図13に、各形態に係る発光装置100を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての発光装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置100の表示パネル30に表示される画面がスクロールされる。
図14に、実施形態に係る発光装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての発光装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置100の表示パネル30に表示される。
なお、本発明に係る発光装置100が適用される電子機器としては、図12から図14に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。 ひとつの画素回路の構成を示す回路図である。 動画ボケが発生する原理を説明するための図である。 発光デューティ比の低減による動画ボケの抑制を説明するための図である。 発光デューティ比が50%のときの発光制御信号の波形を示すタイミングチャートである。 フリッカの有無とフレームレートおよび発光デューティ比との関係を示すグラフである。 画像処理装置による処理を説明するための図である。 画像処理装置による処理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。 画像処理装置による処理を説明するための図である。 本発明の第3実施形態の画像処理装置による処理を説明するための図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
符号の説明
100……発光装置、10……画像処理装置、12……中間画像生成部、14……フレームレート変換部、16……チェック画像生成部、18……判定部、20……フレームメモリ、30……表示パネル、32……画素アレイ部、34……選択回路、36……データ線駆動回路、38……発光制御回路、51……走査線、53……発光制御線、55……データ線、60……画素回路、63……発光素子。

Claims (9)

  1. 第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、
    第1原画像および当該第1原画像に続く第2原画像から前記中間画像生成手段が生成した第1中間画像と、前記第2原画像および当該第2原画像に続く第3原画像から前記中間画像生成手段が生成した第2中間画像とから、両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、
    前記第2原画像と前記チェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、前記第1原画像と前記第3原画像とを補間する画像として前記第1中間画像および前記第2中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段と、
    前記第1中間画像および前記第2中間画像が適切であると前記判定手段によって判定されると、前記第1中間画像および前記第2中間画像を含む複数の画像であって前記第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段と
    を具備する画像処理装置。
  2. 前記フレームレート変換手段は、前記第1原画像と前記第3原画像とを補間する画像として前記第1中間画像および前記第2中間画像が不適であると前記判定手段によって判定されると、前記第2フレームレートのもとで前記第1中間画像および前記第2中間画像が配置されるべき各時点に前記第2原画像を配置した前記第2動画像データを生成する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、
    時系列的に連続する第1原画像と第2原画像と第3原画像とのうち前記第1原画像および前記第2原画像から前記中間画像生成手段が生成した中間画像である対象中間画像と前記第3原画像とから両者の中間的な態様のチェック画像を生成するチェック画像生成手段と、
    前記第2原画像と前記チェック画像とを比較し、この比較の結果に基づいて、前記第1原画像と前記第3原画像とを補間する画像として前記対象中間画像が適切であるか否かを判定する判定手段と、
    前記対象中間画像が適切であると前記判定手段によって判定されると、前記対象中間画像を含む複数の画像であって前記第1フレームレートよりもフレームレートが高い第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段と
    を具備する画像処理装置。
  4. 前記フレームレート変換手段は、前記第1原画像と前記第3原画像とを補間する画像として前記対象中間画像が不適であると前記判定手段によって判定されると、前記第2フレームレートのもとで前記対象中間画像が配置されるべき時点に前記第2原画像を配置した前記第2動画像データを生成する
    請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記フレームレート変換手段は、前記中間画像生成手段によって生成された中間画像が前記第1原画像と前記第3原画像とを補間する画像として不適であると前記判定手段が判定すると、前記第1動画像データを出力する
    請求項1または請求項3に記載の画像処理装置。
  6. データ信号によって各々の輝度が指定される複数の発光素子と、
    請求項1から請求項5の何れかに記載の画像処理装置であって前記第2フレームレートが75Hz以上かつ100Hz以下である画像処理装置と、
    前記画像処理装置から出力された第2動画像データに基づいて前記各発光素子にデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、
    前記第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で前記各発光素子を発光させる発光制御回路と
    を具備する発光装置。
  7. データ信号によって各々の輝度が指定される複数の発光素子と、
    75Hz未満の第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成する中間画像生成手段と、
    前記中間画像生成手段が生成した中間画像を含む複数の画像であって75Hz以上かつ100Hz以下である第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成して出力するフレームレート変換手段と、
    前記フレームレート変換手段から出力された第2動画像データに基づいて各発光素子にデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、
    前記第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で前記各発光素子を発光させる発光制御回路と
    を具備する発光装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の発光装置を具備する電子機器。
  9. データ信号によって各々の輝度が指定される複数の発光素子を備えた発光装置を制御する方法であって、
    75Hz未満の第1フレームレートでの表示が指示された複数の原画像を表わす第1動画像データに基づいて、相前後する各原画像の中間的な態様の中間画像を生成し、この中間画像を含む複数の画像であって75Hz以上かつ100Hz以下である第2フレームレートでの表示に対応した複数の画像を表わす第2動画像データを生成する一方、
    前記第2動画像データに基づいて前記各発光素子にデータ信号を供給し、
    前記第2フレームレートに応じて選定された発光デューティ比で前記各発光素子を発光させる
    発光装置の制御方法。

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