JP2006331018A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 より安定した適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】 計測、検査などの対象となるワークを撮像手段11で撮像し、得られた画像データに基づいて処理手段12が、ワークと背景とを分離するために2値化処理を行う。濃度ヒストグラムの分散状態に基づいて「小画素数」を求め、各濃度値における画素数から「小画素数」を減算する。過飽和状態であれば、最大濃度値の画素数を濃度ヒストグラムの他の濃度値に分配させる。最大濃度値から各濃度値の画素数を順次累積した累積画素数ヒストグラムを作成する。累積画素数ヒストグラムを二分割するような濃度値を設定し、二分割した各濃度領域におけるモーメント法による誤差の和が最小となる濃度値を2値化閾値として決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、濃淡画像を2値化する画像処理装置および画像処理方法に関する。
食品容器、包装紙などの印刷物および電子部品などの工業製品を対象とする非接触の計測、検査を行う場合、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどを利用して対象ワークを撮像し、撮像した画像データに画像処理を施すことで実現している。
計測、検査などを行うためには、撮像した画像データを対象ワークの領域と背景領域とに分離する必要がある。撮像した画像データは多階調の濃淡画像データであるので、これを2値化処理することで対象ワークの領域と背景領域とに分離することができる。
対象ワークと背景との分離精度は、2値化処理を実行する際の閾値に大きく影響を受ける。閾値を決定する技術としては、オペレータが閾値となる値を入力し、その値を用いたときの2値化処理後の画像を確認しながら適切な閾値を試行錯誤で決定する技術があるが、決定するまでに膨大な時間を必要とし、決定するための基準がオペレータによって変動するなどの問題がある。
このような問題を解決するために、画像データに基づいて2値化処理の閾値を自動で決定する技術が開発されている。
閾値の自動決定には、たとえば以下に示す2つの方法(アルゴリズム)が用いられる。
・判別分析法(非特許文献1参照)
画像データの濃度値ヒストグラムを閾値kで2つのクラス(k以上とk未満)に分割したとき、2つのクラスが最もよく分離するように閾値kを決める方法が、判別分析方法である。
たとえば、濃度が256階調の場合、閾値kを濃度範囲0〜254まで変化させ、濃度0〜kまでの集合C0と濃度k+1〜255までの集合C1との間のクラス間分散値が最大となるkを求める。
クラス間分散値S2 = w0w1(u1-u0)2 …(1)
u0:C0のポイント数の平均、u1:C1のポイント数の平均
w0:C0の発生する確率、w1:C1の発生する確率
・多段平滑ヒストグラムモデルに基づく方法(特許文献1参照)
画像データの累積画素数のヒストグラムを作成し、累積画素数が変曲部で分かれる2つの領域の濃度境界を2値化の閾値として決定する方法である。この方法では、2つの領域において、それぞれ近似直線または近似曲線を求め、その交点を閾値とする。具体的な手順を、図8のフローチャートに示す。
(1)濃度ヒストグラム作成(ステップS11)
各濃度値の画素数を計数してヒストグラムを作成する。
(2)バックグランド削除処理(ステップS12)
最大濃度の1/3から2/3までの濃度領域における最低画素数を求め、その最低画素数を濃度ヒストグラム全領域のバックグラウンドとみなして、各濃度値の画素数からその画素数を引く。引いた画素数が負の場合は、“0”に置き換える。
(3)累積画素数ヒストグラム作成(ステップS13)
(2)においてバックグランドを削除した濃度ヒストグラムにおいて、最大濃度値255から各濃度値の画素数を順次累積した累積画素数ヒストグラムを作成する。
(4)2値化閾値の自動決定(ステップS14)
誤差関数を近似式(近似直線または近似曲線)として、誤差が最小となる近似式の交点を求め、この交点の濃度値を閾値とする。
田村秀行編著、「コンピュータ画像処理」、第1版、オーム社、平成14年12月20日、p.140 特開2004−180000号公報
「判別分析法」では、濃度ヒストグラムにおいて、「大きな山が2つあり、2つの山の間に谷がある濃度分布」、すなわち「クラスが2つある濃度分布」であることを前提としており、それ以外の分布であっても閾値を算出できるものの安定性が小さくなる。たとえば、画像内に真っ白な部分(低濃度)と灰色の部分(中濃度)と真っ黒な部分(高濃度)があった場合、分布として「3つの山と2つの谷」ができ、判別分析法では、灰色の中濃度の部分を白とするか黒とするかの問題が残る。
また、「多段平滑ヒストグラムモデルに基づく方法」では、次のような点で汎用性に欠けるという課題が残る。
1)バックグランド削除処理による影響
図4(a)に示すような濃度ヒストグラムが得られた場合、最大濃度の1/3から2/3までの濃度領域に低濃度側1/3の領域に存在する山の度数および高濃度側1/3の領域に存在する山の度数よりも遥かに大きな度数の山が存在することになる。このとき、低濃度側1/3の領域に存在する小さな山および高濃度側1/3の領域に存在する小さな山が、バックグランド削除処理で消えることになり、その後に求めた閾値では正しく2値化できない結果となる(図4(b)参照)。
2)過飽和状態の場合の課題
濃度値が、最大濃度値の“255”である画素数が他の濃度値の画素数に比べて遥かに大きい、いわゆる「過飽和状態」の場合、同じ濃度領域内を分割してしまうような濃度値を閾値と決定するため、一見容易に2値化できそうな画像データにもかかわらず、適切な2値画像が得られない場合がある(図5(b)参照)。これは、累積画素数ヒストグラムから閾値を求める方法では、「過飽和状態」となる最大濃度値の画素数の影響に対する対策が十分ではない。
3)誤差関数が直線近似の場合の課題
直線近似する誤差関数において、たとえば、縦軸方向の最小誤差を求める方法として最小二乗法を用いた場合は、勾配が大きいと過敏に作用する傾向があり、勾配が小さい場合は傾きに対する反応が鈍く、閾値となる濃度値が勾配に応じて大きく変動する傾向があるため、閾値の決定が不安定になる(図7(b)参照)。
4)近似式の交点による影響
累積画素数ヒストグラムの領域を二分割する濃度値を設定し、各領域における誤差の和が最小となる近似式を求めている。この場合、近似式の交点となる濃度値を閾値とするため、適切な2値化画像が得られない場合がある。
本発明の目的は、より安定した適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
本発明は、入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる前処理手段と、
前記前処理手段によって画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する累積画素数ヒストグラム作成手段と、
前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出し、この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値とする閾値決定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、少なくとも一つの谷を含む濃度値範囲を設定し、この濃度値範囲内の各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出し、前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させることを特徴とする。
また本発明は、前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、クラス間分散が最も大きくなる濃度値を境界濃度値とし、この境界濃度値より低濃度側で最大画素数となる濃度値と、この境界濃度値より高濃度側で最大画素数となる濃度値とを抽出し、前記低濃度側で最大画素数となる濃度値と前記境界濃度値との平均値を下限濃度値とし、前記境界濃度値と前記高濃度側で最大画素数となる濃度値との平均値を上限濃度とし、前記上限濃度値から前記下限濃度値までの各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出し、前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させることを特徴とする。
また本発明は、前記前処理手段は、最大濃度値に対する画素数が、最大濃度値近傍の濃度値に対する画素数よりも所定の割合以上に多いかどうかを判断し、多い場合は、前記最大濃度値に対する画素数の一部を他の濃度値に対する画素数に分配させることで画素数を変化させることを特徴とする。
また本発明は、入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成工程と、
前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる前処理工程と、
前記前処理工程で画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する累積画素数ヒストグラム作成工程と、
前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出し、この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値とする閾値決定工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法である。
本発明によれば、まず濃度ヒストグラム作成手段が、画像処理装置に入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成し、前処理手段が、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる。累積画素数ヒストグラム作成手段は、前記前処理手段によって画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する。
閾値決定手段は、前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出する。この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値として決定する。
これにより、直線近似式の勾配に影響されず、また直線の交点を求めることもないので、より安定した適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる。
また本発明によれば、前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、少なくとも一つの谷を含む濃度値範囲を設定し、この濃度値範囲内の各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出する。前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させる。
これにより、バックグランド削除処理を行うことなく、小画素数の影響を取り除くことができるので、より適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる。
また本発明によれば、前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、クラス間分散が最も大きくなる濃度値を境界濃度値とし、この境界濃度値より低濃度側で最大画素数となる濃度値と、この境界濃度値より高濃度側で最大画素数となる濃度値とを抽出する。前記低濃度側で最大画素数となる濃度値と前記境界濃度値との平均値を下限濃度値とし、前記境界濃度値と前記高濃度側で最大画素数となる濃度値との平均値を上限濃度とし、前記上限濃度値から前記下限濃度値までの各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出する。前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させる。
これにより、バックグランド削除処理を行うことなく、小画素数の影響を取り除くことができるので、より適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる。
また本発明によれば、前記前処理手段は、最大濃度値に対する画素数が、最大濃度値近傍の濃度値に対する画素数よりも所定の割合以上に多いかどうかを判断し、多い場合は、前記最大濃度値に対する画素数の一部を他の濃度値に対する画素数に分配させることで画素数を変化させる。
これにより、最大濃度値(たとえば、255)の画素数が他の濃度値の画素数より遥かに多い、いわゆる過飽和状態であっても、より適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる。
本発明によれば、まず濃度ヒストグラム作成工程において、画像処理装置に入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成し、前処理工程において、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる。累積画素数ヒストグラム作成工程では、前記前処理工程で画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する。
閾値決定工程では、前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出する。この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値として決定する。
これにより、直線近似式の勾配に影響されず、また直線の交点を求めることもないので、より安定した適切な2値化閾値を決定することができ、適切な2値化画像データを得ることができる。
本発明では、バックグランドの削除処理に基づく問題、過飽和状態に基づく問題および誤差関数の近似に基づく問題を解決している。
バックグランドの削除処理に基づく問題に対しては、バックグランドの削除処理を行わず、濃度ヒストグラムを作成した後、その分散状態に基づいて除去すべき画素数を決定し、各濃度値の画素数から決定した画素数を減算する手段を設けることで解決する。
過飽和状態に基づく問題に対しては、最大濃度値の画素数を、他の濃度値に分配させる手段を設けることで解決する。
誤差関数の近似に基づく問題に対しては、直線近似式の勾配に影響されないように、モーメント法を適用し、二分割した各領域の関数誤差の和が最小となる濃度を閾値として決定する手段を設けることで解決する。
図1は、本発明の実施の一形態である画像処理装置10のハード構成とデータの流れを簡略化して示すブロック図である。テレビカメラまたはスキャナなどの撮像手段11によって対象物の2次元濃淡画像データが得られる。マイクロコンピュータなどによって実現される処理手段12は、この撮像手段11の出力をメモリ13にストアする。メモリ13にストアされた濃淡画像データは、処理手段12によって読出されて本発明に従って画像処理され、2値化画像データが得られる。こうして得られた2値化画像データは、表示手段14によって目視表示される。表示手段14は、たとえば液晶パネルまたは陰極線管などであってもよい。プリンタ15は、処理手段12からの2値化画像データを、記録紙に印字することができる。カラー画像データの場合には、その中の一色を対象とすることもできるし、カラー画像データから公知の方法で輝度画像に変換して本法を適用することもできる。
以下では、計測、検査などの対象となるワークを撮像手段11で撮像し、得られた画像データに基づいて処理手段12が、ワークと背景とを分離するために2値化処理を行う場合について説明する。
濃度ヒストグラム作成手段、前処理手段、累積画素数ヒストグラム作成手段および閾値決定手段は、処理手段12およびメモリ13で構成され、メモリ13に記憶される画像処理プログラムを処理手段12が実行することで、濃度ヒストグラム作成手段、前処理手段、累積画素数ヒストグラム作成手段および閾値決定手段として機能する。
濃淡画像データおよび2値化画像データは複数の画素から構成され、各画素には画像データ内の位置を示す座標と、濃度値(多値または2値)とが与えられる。
(手順1)濃度ヒストグラム作成
濃度値ごとにその濃度値を有する画素の数をカウントし、濃度値と画素数(頻度)とのヒストグラムを作成する。
(手順2)小画素数除去処理
濃度ヒストグラムの分散状態に基づいて、除去すべき画素数である「小画素数」を求め、濃度ヒストグラムの各濃度値における画素数から「小画素数」を減算する。
(手順3)過飽和解消処理
最大濃度値(たとえば、255)の画素数が最大濃度値近傍の濃度値に対する画素数より遥かに多い「過飽和状態」であるかどうかを判断し、「過飽和状態」であると判断したときは、最大濃度値の画素数を濃度ヒストグラムの他の濃度値に分配させることで、最大濃度値の画素数を閾値の決定に影響するようにする。
(手順4)累積画素数ヒストグラム作成
手順2、手順3を経た濃度ヒストグラムに基づいて、たとえば最大濃度値255から各濃度値の画素数を順次累積した累積画素数ヒストグラムを作成する。
(手順5)2値化閾値決定
累積画素数ヒストグラムを二分割するような濃度値を設定し、二分割した各濃度領域におけるモーメント法による誤差の和が最小となる濃度値を2値化閾値として決定する。
以下では、フローチャートを用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の画像処理を示すフローチャートである。
まずステップS1では、撮像した画像データに基づいて濃度ヒストグラムを作成する。
ステップS2では、小画素数除去処理を行う。小画素数除去処理では、まず、濃度分布のクラス間分散が最も大きくなる濃度値(境界濃度値)を境に、境界濃度値より低濃度側において最大画素数となる濃度値と、境界濃度値より高濃度側において最大画素数となる濃度値とを抽出する。次に、低濃度側で最大画素数となる濃度値と境界濃度値との平均濃度値を下限濃度値とし、境界濃度値と高濃度側で最大画素数となる濃度値との平均濃度値を上限濃度とする。そして、上限濃度値から下限濃度値までの各濃度値の画素数の平均値を削除する画素数である「小画素数」として決定し、濃度ヒストグラムにおける各濃度値の画素数から減算して新たな濃度ヒストグラムを作成する。ただし、減算後の画素数が負となるときは、画素数を“0”とする。
小画素数除去処理としては、上記のような処理の他に、濃度ヒストグラムの少なくとも一つの谷を含む濃度値範囲を設定し、この濃度値範囲内の各濃度値に対する画素数の平均値を、削除する画素数である「小画素数」として決定し、濃度ヒストグラムにおける各濃度値の画素数から減算して新たな濃度ヒストグラムを作成する処理であってもよい。
ステップS3では、過飽和状態であるかどうかを判断し、過飽和状態であればステップS4に進み、過飽和状態でなければステップS5に進む。
過飽和状態であるかどうかの判断は、濃度ヒストグラムにおいて、最大濃度値の画素数が、最大濃度値近傍の濃度値の画素数よりも所定の割合以上に多いかどうかによって判断する。たとえば、最大濃度値近傍の濃度値を、最大濃度値−1とすると、以下の条件式を満足するかどうかによって判断する。
(最大濃度値の画素数)×R≧[(最大濃度値−1)の画素数] …(2)
ここで、Rは予め定める比率を示し、5%以下に設定することが好ましい。
ステップS4では、最大濃度値の影響を他の濃度値に分配させる最大濃度分配処理を行う。最大濃度分配処理では、最大濃度値255となる画素数をN等分し、それを濃度値(256−N)〜254までの画素数に加算し、最大濃度値となる画素数を元の画素数のN分の1として新たな濃度ヒストグラムを作成する。
具体的には、最大濃度分配処理前の濃度値Kの画素数をf(K)とすると、最大濃度分配処理後の画素数g(K)は以下のようになる。
ステップS5では、累積画素数ヒストグラムを作成する。
累積画素数ヒストグラムは、現時点での濃度ヒストグラムに基づいて、最大濃度値の画素数に順次各濃度値の画素数を累積して累積画素数ヒストグラムを作成する。
ステップS6では、モーメント法を適用して2値化閾値を決定する。
累積画素数ヒストグラムを二分割するような濃度値を設定し、この濃度値で二分割した各領域にいて、モーメント法を適用して誤差を算出し、算出した誤差の和が最小となるような濃度値を2値化閾値として決定する。
具体的には、モーメント法による以下の評価式の値(誤差の和)が最小になるような濃度値k1を2値化閾値として決定する。
評価式=(σ1+σ2)/2−√{(σ2−σ1)2/4+σ3 2}
+(σ’1+σ’2)/2−√{(σ’2−σ’1)2/4+σ’3 2} …(4)
ここで、σ1=Σ(k2)−(Σk)2/N
σ2=ΣH(k)2−{ΣH(k)}2/N
σ3=Σ{k×H(k)}−(Σk)×Σ(H(k))/N
σ’1=Σ’(k2)−(Σ’k)2/N’
σ’2=Σ’H(k)2−{ΣH(k)}2/N’
σ’3=Σ’(k×H(k))−(Σ’k)×Σ’(H(k))/N’
Σk :最小濃度値から濃度値k1までの濃度値の和
Σ’k:濃度値k1+1から最大濃度値までの濃度値の和
N :最小濃度値から濃度値kまでの画素数の和
N’ :濃度値k+1から最大濃度値までの画素数の和
なお、濃度ヒストグラムにおける最大濃度値から濃度値kまでの累積画素数を
H(k)とし、これは濃度値kにおける累積画素数に相当する。
以上より、濃度ヒストグラムにおいて、所定の画素数を除去することで、バックグランド削除処理を行う必要がなくなり、適切な2値化閾値を得ることができる。また、モーメント法を適用することで、累積画素数ヒストグラムの形状に影響されることなく安定した閾値を得ることができる。さらに、過飽和状態の画像データであっても適切な2値化閾値を得ることができる。
特に本発明は、食品容器、包装紙などの印刷物、電子部品などの工業製品の検査、計測において、照明の変動にも追随する閾値を得ることができるため、対象ワークと背景とを安定して分離することができる。
以下では、本発明の実施例について説明する。
図3〜図7は、表示手段14の表示画面であり、2値化の対象となる濃淡画像データに基づく画像、および2値化画像データに基づく画像を示している。なお、2値化画像データに基づく画像は、濃淡画像データに基づく画像に重ね合わせて表示している。さらに、各画像に重ねて濃度ヒストグラム(画面上側)および累積画素数ヒストグラム(画面下側)を表示している。
図3は、実施例1による表示画面を示す図である。図3(a)が濃淡画像を示し、図3(b)がその濃淡画像本発明の2値化処理を施した2値化画像を示している。図3(a)と図3(b)を比較すると、濃淡画像上のワークが2値化画像上でも明確に表示されていることが分かる。
図4は、実施例2による表示画面を示す図である。図4(a)は本発明の2値化処理を施した2値化画像を示し、図4(b)は、従来の多段平滑ヒストグラムモデルに基づく方法による2値化画像を示している。実施例2の濃淡画像データの濃度ヒストグラムは、図4(a)に示すように、中濃度領域に大きな山が存在するので、従来の2値化処理では図4(b)に示すように背景が適切に2値化されない。これに対し本発明では、図4(a)に示すように、適切に2値化されている。
図5は、実施例3による表示画面を示す図である。図5(a)は本発明の2値化処理を施した2値化画像を示し、図5(b)は、従来の多段平滑ヒストグラムモデルに基づく方法による2値化画像を示している。実施例3の濃淡画像データの濃度ヒストグラムは、図5(a)に示すように、最大濃度値の画素数が他の濃度値の画素数に比べて遥かに大きい過飽和状態であるので、従来の2値化処理では図5(b)に示すように適切に2値化されない。これに対し本発明では、図5(a)に示すように、適切に2値化されている。
図6および図7は、実施例4による表示画面を示す図である。図6(a)はモーメント法を適用した場合の、累積画素数ヒストグラムの近似直線を示し、図6(b)は最小二乗法を適用した場合の、累積画素数ヒストグラムの近似直線を示している。図7(a)は本発明の2値化処理を施した2値化画像を示し、図7(b)は、従来の多段平滑ヒストグラムモデルに基づく方法による2値化画像を示している。従来の2値化処理では図7(b)に示すように適切に2値化されないのに対し、本発明では、図7(a)に示すように、適切に2値化されている。
本発明の実施の一形態である画像処理装置10のハード構成とデータの流れを簡略化して示すブロック図である。 本発明の画像処理を示すフローチャートである。 実施例1による表示画面を示す図である。 実施例2による表示画面を示す図である。 実施例3による表示画面を示す図である。 実施例4による表示画面を示す図である。 実施例4による表示画面を示す図である。 従来の画像処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 画像処理装置
11 撮像手段
12 処理手段
13 メモリ
14 表示手段
15 プリンタ

Claims (5)

  1. 入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
    前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる前処理手段と、
    前記前処理手段によって画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する累積画素数ヒストグラム作成手段と、
    前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出し、この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値とする閾値決定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、少なくとも一つの谷を含む濃度値範囲を設定し、この濃度値範囲内の各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出し、前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記前処理手段は、前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、クラス間分散が最も大きくなる濃度値を境界濃度値とし、この境界濃度値より低濃度側で最大画素数となる濃度値と、この境界濃度値より高濃度側で最大画素数となる濃度値とを抽出し、前記低濃度側で最大画素数となる濃度値と前記境界濃度値との平均値を下限濃度値とし、前記境界濃度値と前記高濃度側で最大画素数となる濃度値との平均値を上限濃度とし、前記上限濃度値から前記下限濃度値までの各濃度値に対する画素数の平均値を小画素数として算出し、前記濃度ヒストグラムの各濃度値に対する画素数からこの小画素数を減算することで画素数を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記前処理手段は、最大濃度値に対する画素数が、最大濃度値近傍の濃度値に対する画素数よりも所定の割合以上に多いかどうかを判断し、多い場合は、前記最大濃度値に対する画素数の一部を他の濃度値に対する画素数に分配させることで画素数を変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 入力された濃淡画像データを基に、各濃度値に対する画素数のヒストグラムである濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成工程と、
    前記濃度ヒストグラムの分布に基づいて、所定の濃度値に対する画素数を変化させる前処理工程と、
    前記前処理工程で画素数が変化した濃度ヒストグラムに基づいて、各濃度値の画素数を最高濃度値または最低濃度値から順に累積したヒストグラムである累積画素数ヒストグラムを作成する累積画素数ヒストグラム作成工程と、
    前記累積画素数ヒストグラムを、濃度値によって2つの領域に分割し、モーメント法を適用して分割した領域ごとに累積画素数ヒストグラムに対する関数誤差を算出し、この算出した誤差の和が最小となるような濃度値を、前記濃淡画像データを2値化するための閾値とする閾値決定工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
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