JP2006330274A - 光スイッチおよびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気光学(electro−optic effect)を有する材料でなる欠陥層14と、欠陥層14の両側に配置された透明電極13と、透明電極13を挟持するように配置された誘電体多層膜12と、を基板11上に形成したキャビティーを有し、透明電極13に対してP波の入射光を所定の斜入射角で入射する。
【選択図】 図2
Description
[P波およびS波、および入射光の定義]
まず、P波およびS波の定義について図3および図4を参照し説明する。誘電体多層膜12および透明電極13は図に示されるZ方向に積層され、電界方向はZ方向となる。入射光はY方向に対し垂直であり、光軸はXZ平面上にあるとする(図4参照)。入射光は基板内の伝播する方向であり、入射角はZ軸となす角として定義する。S波は図3に示す紙面にほぼ垂直方向としている。P波はそれに垂直な方向とする。ここではP波として、誘電体多層膜12の電界方向に対し斜入射にし、かつ入射光をP波とすることで、電界方向にかかる屈折率変化R3を感じることができる。反対にS波を入射しても、屈折率変化を感じることはない。これにより、屈折率変化を感じた光はキャビティー長の変調を起こし、スイッチングを行なうことになる。
屈折率の異なる数種類の誘電体薄膜12を周期的に積層することで誘電体多層膜を得ることができる。この誘電体薄膜12の厚さを入射光の波長λの1/4の光学長とすることで高い反射率の膜として機能する。このとき光学長としては、伝播する角度と屈折率を考慮する。この誘電体多層膜12でつくられた反射層を2ペアもちい、1つの欠陥層(電気光学材料)14を挟むように構成されているものがエタロンと呼ばれる。このエタロン構成では特定の波長のみを透過するバンドパスフィルターとして機能する。エタロンの透過スペクトルは一般的には以下のように書くことができる。また、共鳴波長付近の透過スペクトルは図5のようになる。また、透過スペクトルの計算式は以下に示すようになる。
I0:入射光量
I:透過光量
R:キャビティーを挟むミラーの反射率
n:キャビティーの屈折率
d:キャビティーの厚さ
θ:伝播角
消光比としては以下のように表すことができる。
透過スペクトルの式から分かるように、透過スペクトルはある周期をもって、最大値、最小値を繰り返す。透過率が最大値になる特定の波長は共鳴波長と呼ばれ、共鳴波長とキャビティー長とは以下の関係がある。キャビティー長が変化することで共鳴波長が移動し、それに影響される形で透過スペクトルは形状をほとんど変えることなく移動する。つまり、以下の式でキャビティー長が変化する量がわかれば、先の消光比の式でのλMが定義でき、消光比を算出することができる。
λ0:共鳴波長
m:次数
LL=キャビティー長
L(E,θ):電気光学材料の電界垂直な方向の厚さ
n(E,θ):光伝播方向に垂直な方向の屈折率
θ:キャビティー内での伝播角度
nz(E)=n0−1/2×R33×E2
ny=n0
nx=n0
E:電界
n0:電気光学材料の屈折率(E=0の場合、等方的)
ny:y方向の電気光学材料の屈折率(=n0)
nz:z方向の電気光学材料の屈折率
R33:2次の電気光学定数(電界方向の屈折率変化)
L(E)=(d33 × E+1)× L0
d33:電圧をかけた方向の圧電定数
L0:電圧が0Vのときの電気光学材料の厚さ
等方性の材料であっても、先の電気光学効果によって、屈折率がnx=ny≠nzとなり、複屈折をもつ材料となる。この材料の中を伝播角θで伝播する光が感じる屈折率は屈折率楕円体の式から以下の式で示すことができる。
伝播角は入射角によって大きく依存するが、欠陥層の屈折率にも影響を受ける。これは屈折率の異なる材料の界面で起きる屈折であり、これはスネルの法則(Snel`s law)で記述できる。
電気光学材料の屈折率:n0=2.5
電気光学材料の電気光学定数
電界の垂直方向:R1=0(m2/V2)
電界の垂直方向:R2=0(m2/V2)
電界に水平方向:R3=9E−16(m2/V2)
電歪効果:d33=300pm/V
基板の屈折率:nsub=1.46
入射光の波長:λi=633nm
電気光学材料の厚さL0=10um
図1、図2に実施の形態にかかる光スイッチ10の全体構成を示す。下方に固体レーザーによる連続光(CW光)が入射しており、この光スイッチ10よって変調された光が出射光として上方に出る。入射角は38°とした。変調は電圧による行われ、その透明電極13が左右に出されている。電気信号が透明電極13に入ることによって、光スイッチ10が電気信号を光信号へ変換する。光スイッチ10は基板11に欠陥層14を含む誘電体多層膜12および透明電極13によって構成されている。
PLZTはその組成を9/35/65として、直径4インチ、厚さ500nmとして燒結で作製される。このPLZT基板の両面に光学研磨を施す。この上にITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)をスパッタリングによって成膜し、フォトリソグラフィーとドライエッチングによってパターニングする。つぎに誘電体多層膜12を蒸着する。誘電体多層膜12はそれぞれ膜厚をモニターしながら成膜する。成膜する順番は石英の基板11のつぎにTi02を成膜する。つぎにSiO2、そのつぎにTi02の順である。今回はTi02/SiO2のペアを6層積層した。この状態でPLZT基板を屈折率がほぼ石英と同等のUV(紫外線)硬化樹脂によって、石英の基板11に接着する。このとき誘電体多層膜12を成膜した側と石英の基板11とを接着する。
SiO2/Ti02の6層、PLZTのキャビティー、入射角38°のP波に対して、透過スペクトルはほぼ一意に決まる。透過スペクトルは一般的なエタロン構造と同様に有る周期をもった振動したスペクトル形状となる(図5参照)。周期は約8nmとなり、入射光波長63nm近辺にピーク位置がきた。電圧を印加していな状態での、透過率は約94%程度となった。このデバイスに印加電圧を20Vとして、周波数は100KHz程度とした。この信号を受けて、透過スペクトルが約0.5nm程度低波長側に移動する。0.5nm移動することで、透過率は約13%となる。この透過率変化は出射光の強度変化となり、消光比kにして約0.13となった。
[構成]
このプロジェクターに用いる光スイッチ10の構成は前述の図1に示すとおりである。すなわち、下方に固体レーザーによる連続光(CW光)が入射しており、この光スイッチ10よって変調された光が出射光として上方に出射される。入射角は38°とした。変調は電圧による行われ、その透明電極13が左右に出されている。電気信号が透明電極13に入ることによって、光スイッチ10が電気信号を光信号への変換する。光スイッチ10は基板11に欠陥層14を含む誘電体多層膜12および透明電極13によって構成されている。
基板11を石英として、その上に誘電体多層膜12を蒸着する。誘電体多層膜12はそれぞれ膜厚をモニターしながら成膜する。成膜する順番は石英の基板11のつぎにTi02を成膜する。つぎにSiO2、そのつぎにTi02の順である。今回はTi02/SiO2のペアを6層積層した。つぎに欠陥層14を成膜する。欠陥層14にはPLZTを利用した。PLZTはゲル状の溶液をスピンコートし、その膜を燒結することで結晶化する。スピンコートで成膜した膜は膜厚が不均一であるため、研磨することで表面性を高める。研磨にはCMP(Chemical and Mechanical Polishing)を利用し、膜厚が633nmになるまで研磨する。膜厚はレーザー顕微鏡でモニターしながら行う。つぎに透明電極14をITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)によって形成する。ITOはスパッタリングによって行ない、フォトリソグラフィによりパターニングする。入射光を入射角が適当な角度になるように微調整する。
SiO2/Ti02の6層、PLZTのキャビティー、入射角40°のP波に対して、透過スペクトルはほぼ一意に決まる。透過スペクトルは一般的なエタロン構造と同様に有る周期をもった振動したスペクトル形状となる。入射光波長633nm近辺に透過光のスペクトルピーク位置がくる。電圧を印加していな状態での、透過率は約40%程度となった。このデバイスに印加電圧を1.5Vとして、周波数は100KHz程度とした。この信号を受けて、透過スペクトルが約0.5nm程度低波長側に移動する。0.5nm移動することで、透過率は約45%となる。この透過率変化は出射光の強度変化となり、消光比kにして約0.88となることを確認することができた。
前述した構成および機能を有する光スイッチ10を利用して、小型のプロジェクター100を作製する。図8にプロジェクターの概要構成を示し、図9にプロジェクターのブロック図を示す。図示するように、この小型のプロジェクター100は電池20を有しており、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)との接続もインターフェイス105をその無線LANの仕様で搭載することで可能である。そのため、完全なコードレスとなっている。電源が電池20であるため、光の利用効率を最大限上げるように設計されており、光源にはランプ光ではなくレーザー光源(LD)102によるレーザー光を利用している。レーザー光は3色それぞれ、個別に作られており、赤外のレーザー光源102から、レーザー結晶の2倍波、3倍波を利用して、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)、の3原色を作り出している。3色のそれぞれのレーザー光はCWで発振しており、その光に光スイッチ10によって信号を与える。信号は無線LANなどから入手した情報であり、この信号をもとに画像処理機能を有している制御部1001によって画像形成がなされる。光スイッチ10はそれぞれの波長に合わせ作製されている。光スイッチ10は前述したように構成された光スイッチ10を用いる。その信号光を走査するスキャニングデバイス103を介し、光は面上に照射される。この光はレンズ106を介して焦点をスクリーン表示画面110に合わせられる。なお、符号104はこのプロジェクター100を操作するためのスイッチなどの入力部や表示機能を有している。
11 基板
12 誘電体多層膜
13 透明電極
14 欠陥層
20 電池
100 プロジェクター
101 制御部
102 レーザー光源
103 スキャンデバイス
104 操作部
105 インターフェイス
106 レンズ
110 スクリーン表示画面
Claims (6)
- 電気光学材料でなる欠陥層と、
前記欠陥層の両側に配置された透明電極と、
前記透明電極を挟持するように配置された誘電体多層膜と、
を基板上に形成したキャビティーを有し、
前記透明電極に対してP波の入射光を所定の斜入射角で入射することを特徴とする光スイッチ。 - 前記斜入射角は、下記式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
- 前記欠陥層に用いる電気光学材料は、セラミックスであることを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチ。
- 前記電気光学材料は、PLZTであることを特徴とする請求項3に記載の光スイッチ。
- 前記入射光の波長が青、赤、緑であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光スイッチ。
- 少なくとも、
レーザー光を出射するレーザー光源と、
画像信号に応じて前記レーザー光をON/OFFさせる請求項1〜5のいずれか一つに記載の光スイッチと、
前記光スイッチからのレーザ光を所定の面に結像するレンズと、
当装置全体に電源を供給するバッテリーと、
を備えたことを特徴とするプロジェクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005152491A JP2006330274A (ja) | 2005-05-25 | 2005-05-25 | 光スイッチおよびプロジェクター |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006330274A true JP2006330274A (ja) | 2006-12-07 |
JP2006330274A5 JP2006330274A5 (ja) | 2008-06-26 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63177110A (ja) * | 1987-01-19 | 1988-07-21 | Fuji Electric Co Ltd | 光量制御装置 |
JP2005043770A (ja) * | 2003-07-24 | 2005-02-17 | Sun Tec Kk | 空間光変調器、光記録方法および光記録装置 |
-
2005
- 2005-05-25 JP JP2005152491A patent/JP2006330274A/ja active Pending
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