JP2006330243A - 半透過型カラー液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡便に所望の色特性を設定することができる半透過型カラー液晶表示装置を提供する。
【解決手段】
本発明の一態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、透過領域114と反射領域113とを有する単位画素112と、単位画素112に対応して設けられる着色層115とを備え、着色層115が複数色設けられた半透過型カラー液晶表示装置であって、単位画素112に設けられ、当該単位画素112に設けられた着色層115と異なる色の補正着色層120であって、着色層120と離間して設けられる補正着色層120と、着色層115と補正着色層120との間に設けられる透明樹脂層116とを有するものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、半透過型カラー液晶表示装置に関し、特に所望の色特性を有する半透過型カラー液晶表示装置に関する。
現在、表示装置は人と機械とをつなぐインターフェースとして広く使用され、目ざましい進展を果たしている。液晶表示装置は、軽量・薄型・低消費電力などの利点を有することから、携帯情報端末やノートPCなどさまざまな用途で使用されている。
屋外・屋内の両方にわたって使用される携帯情報端末などの液晶表示装置としては、半透過型液晶表示装置が多く用いられている。半透過型液晶表示装置では、屋外のように外光が十分に強い環境においては、消費電力を減少させるために消費電力が大きなバックライトの利用を抑え、外光を照明光として積極的に利用する。一方、屋内のように外光が弱い環境においては、照明光としてバックライトを利用し、視認性を向上している。
通常、このような半透過型液晶表示装置において、カラー表示をするために、カラーフィルタが使用される。一般的に、1画素を3分割した3つの単位画素に、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)の着色層を設けたカラーフィルタを備えた半透過型液晶表示装置が知られている。図7に示すように、1つの画素10を3分割した3つの単位画素11には、それぞれR、G、Bに着色された着色層が形成される。また、それぞれの単位画素11の着色層は、透過領域12R、12G、12B及び反射領域13R、13G、13Bからなり、透過モードと反射モードとでカラーフィルタを兼用している。
一般的に、透過領域12の着色層は、表示性能を向上させるため、色純度を高く設定する。一方、反射領域13の着色層は、輝度を向上させるために、透過率を高く設定する。この場合、透過領域12の着色層と反射領域13の着色層とが異なるために、カラーフィルタの製造プロセスが増加し、コストが高くなる問題があった。このような問題を解決するために、図8に示すように、反射領域13と透過領域12とを同一の着色層で形成し、反射領域13の一部において着色層の代わりに透過率が高い透明樹脂層14を設けたカラーフィルタを備えた半透過型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、反射領域13の一部において着色層を設けない開口部を形成し、開口部に部分的に別の色の着色層を設けたカラーフィルタを備える半透過型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−057433号公報 特開2004−191646号公報
ところで、上述したように、透過モードの光源と反射モードの光源とは異なるため、それぞれのモードにおいて使用されるカラーフィルタの着色層の色特性の設定を独立に行う必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の半透過型液晶表示装置においては、反射領域13の色特性は、透過領域12と同一のR、G、Bの着色層と透明樹脂層14とによって決定されることとなる。したがって、反射モードにおける色純度は、これらの着色層と透明樹脂層14とによって制約され、所望の色を得ることができないという問題があった。また、R、G、B3色の混色により実現される白表示の色度も、3色の着色層及び透明樹脂層の影響を受け、所望の値に調整することができない。
図9は、R、G、Bの各着色層の反射領域13それぞれに、透明樹脂層14を設けない場合(0%)、反射領域13の面積に対して、10%、20%、30%の面積の透明樹脂層を設けた場合の色度座標を示している。この図からわかるように、各着色層の反射領域13に対する透明樹脂層14の面積を大きくすることにより、色純度を低下させることができる。しかし、図9中の□で示されるR、G、B3色の混色により実現される白表示の色度を得るためには、R、G、B3色の色度は決まってしまい、各着色層を任意の色度とすることができない。
本発明は上記のような事情を背景としてなされたものであって、本発明の目的は、簡便に所望の色特性を設定することができる半透過型カラー液晶表示装置を提供することである。
本発明の第1の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、透過領域と反射領域とを有する単位画素と、前記単位画素に対応して設けられた着色層とを備え、前記単位画素は、それぞれの色の着色層で設けられ、前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、前記着色層の色に応じて異なっているものである。このような構成を有することによって、簡便に色度を調整することが可能である。
本発明の第2の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、該透過領域又は/及び該反射領域の一部を遮光することにより面積を異ならせているものである。このような構成を有することによって、簡便に色度を調整することができる。
本発明の第3の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、透過領域と反射領域とを有する単位画素と、前記単位画素に対応して設けられた着色層とを備え、前記単位画素は、それぞれの色の着色層で設けられた半透過型カラー液晶表示装置であって、前記単位画素に設けられ、当該単位画素に設けられた着色層と異なる色の補正着色層を有し、前記補正着色層には、当該単位画素には設けられていない別の単位画素の着色層を用いているものである。このような構成を有することによって、製造コストを抑制することができる。
本発明の第4の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記単位画素は、透明樹脂層を備え、前記透明樹脂層は、前記着色層と前記補正着色層との間に設けられ、前記補正着色層は、前記着色層と離間して設けられているものである。このような構成を有することによって、輝度の低下を抑制し、簡便に色度を調整することが可能である。
本発明の第5の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記着色層の膜厚と、前記透明樹脂層の膜厚と、前記補正着色層の膜厚とは、略同一であるものである。このような構成を有することによって、表示性能を向上させることが可能である。
本発明の第6の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、前記着色層の色に応じて異なっているものである。このような構成を有することによって、簡便に色度を調整することができる。
本発明の第7の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記単位画素の面積は、前記着色層の色に応じて異なっているものである。このような構成を有することによって、輝度の低下を抑制し、簡便に色度を調整することができる。
本発明の第8の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、前記反射領域に対応する着色層と、前記透過領域に対応する着色層とは同一であるものである。このような構成を有することによって、製造コストを抑制することができる。
本発明の第9の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記の半透過型カラー液晶表示装置において、異なる色の着色層が設けられた前記単位画素のそれぞれで、前記透過領域の面積は略等しいものである。このような構成を有することによって、透過モードの色純度を維持しつつ、反射モードの色純度を簡便に調整することができる。
本発明の第10の態様にかかる半透過型カラー液晶表示装置は、上記のカラー液晶表示装置において、3つの単位画素によって1画素が構成され、前記着色層は、前記3つの単位画素に対応して3原色の各色にそれぞれ着色されるものである。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明によれば、簡便に所望の色特性を設定することができる半透過型カラー液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以下の実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる半透過型液晶表示装置に用いられる液晶パネル100の構成の一例を示す断面図である。本実施の形態においては、STN(Super Twisted Nematic)方式のパッシブマトリクス型液晶パネル100を用いた例について説明する。また、ここでは、電圧を印加しない時に黒表示となるノーマリーブラックの液晶パネル100を用いており、液晶パネル100には白色光が照射されているものとする。
図1に示すように、液晶パネル100は、基板101、対向基板102、シール材103、液晶104、反射膜105、カラーフィルタ106、走査電極107、信号電極108、配向膜109、スペーサ110、偏光板111を備えている。
液晶パネル100は、入力される表示信号に基づいて画像表示を行う。液晶パネル100は、基板101と、基板101に対向配置される対向基板102と、両基板を接着するシール材103との間の空間に液晶104を封入した構成を有している。基板101及び対向基板102は、例えば、光透過性のあるガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂などにより矩形状に形成されている。
基板101には、反射膜105、カラーフィルタ106及び走査電極107が積層されて設けられている。カラーフィルタ106は、マトリクス状にパターニングされている。カラーフィルタ106が設けられている領域全体が表示領域となる。カラーフィルタ106については、後に詳述する。走査電極107は、水平方向に一定間隔を隔てて平行に並設される。
一方、対向基板102には、信号電極108が設けられている。信号電極108は、走査電極107に直交する垂直方向に一定間隔を隔てて、互いに平行に配設される。走査電極107及び信号電極108は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電性薄膜から形成されている。
走査電極107と信号電極108との交差部が単位画素112に対応する。反射膜105は、単位画素112の一部に設けられる。この反射膜105は視認側から入射した光を反射する。反射膜105は、カラーフィルタ106よりも薄く設けられている。また、反射膜105の上にもカラーフィルタ106が形成される。単位画素112のうち、反射膜が設けられている部分が反射領域113となる。したがって、反射領域113では外部から入射した光が反射する。
一方、単位画素112のうち、反射膜105が設けられておらず、カラーフィルタ106のみが設けられている部分が透過領域114となる。透過領域114では、バックライトユニットからの光が透過する。すなわち、単位画素112は、反射領域113及び透過領域114を有している。
カラーフィルタ106の透過領域114に対応する位置には、R(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかに着色された樹脂からなる着色層115が配置される。一方、カラーフィルタ106の反射領域113に対応する位置には、透過領域114に配置した着色層115と同一のR(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかに着色された樹脂からなる着色層115と、無色透明の樹脂からなる透明樹脂層116とが配置される。したがって、カラーフィルタ106の1つの単位画素112中には、R(赤)、G(緑)、B(青)いずれかに着色された着色層115と、無色透明の透明樹脂層116の両方が設けられる。反射領域113における着色層を反射着色層115rとし、透過領域114における着色層を透過着色層115tとする。
着色層115の各色の間には、BM(Black Matrix:ブラックマトリクス)118が設けられる。BM118は、単位画素112の間からの光の漏れを防止し、コントラストを向上させる役割を果たす。BM118は樹脂やクロムからなる遮光膜である。
また、着色層115、透明樹脂層116及びBM118の上には、略全面にわたってオーバーコート層119が形成される。STN型液晶表示装置は、TN型と比較して、ねじれ角が大きく、セル内の平坦性が要求される。このため、オーバーコート層119は着色層115、透明樹脂層116及びBM118の凹凸をなくすために設けられる。オーバーコート層119の材料としては、アクリルなどの有機物が用いられる。カラーフィルタは、着色層115、透明樹脂層116、BM118、オーバーコート層119から構成されていてもよい。
透明樹脂層116は、着色層115の着色樹脂と同じ厚さで配置する。無色透明の樹脂を配置することによって、表面を平坦化することができる。また、透明樹脂層116に、透明樹脂を設けない構造としてもよい。また、透明樹脂層116とオーバーコート層119とを兼用してもよい。
基板101及び対向基板102の対向する面にはそれぞれ所定の方向に配向された配向膜109が設けられている。両基板101、102の間は、スペーサ110によって、所定の間隔になるように維持されている。これら両基板101、102は、枠状のシール材103により周辺を接着され、両基板101、102とシール材103とで形成される空間に液晶104が封入される。これら両基板に挟持された液晶104は、配向膜109によって所定の方向に配向する。それぞれの基板の外側表面には、偏光板111が貼着される。偏光板111と基板との間に、位相差板や広視角フィルムを配置してもよい。特に、STN方式の液晶パネルの場合は、表示性能を向上させるために位相差板を配置することが好ましい。
液晶パネル100は、外部から入力される画像データに基づいて、画像の表示に必要な各種の制御信号、走査信号及び表示信号などを出力する駆動回路(不図示)によって駆動される。駆動回路は、COG(Chip On Glass)技術を用いて、基板上に直接、実装される。
液晶パネル100の背面には、バックライトユニット(不図示)が備えられている。バックライトユニットは、液晶パネル100の反視認側から当該液晶パネル100に対して白色光を照射する。バックライトユニットとしては、例えば、光源となる冷陰極管やLEDの他、導光板、プリズムシートなどの構成を備えた一般的な構成のものを用いる。
ここで、上述の液晶パネル100の駆動について説明する。駆動回路は、各走査電極107に走査信号を、各信号電極108に表示信号を供給する。各走査信号によって選択された1つの単位画素112を構成する1つの走査電極107と信号電極108との電位差に応じて、その間の液晶104の配列が変化する。透過領域114においては、バックライトユニットから入射される光は、反視認側の偏光板111を透過した直線偏光となり、液晶104によって偏光方向が制御され、視認側偏光板111を透過する光の透過率が制御される。
一方、反射領域113においては、視認側から入射した外光が視認側の偏光板111を透過した直線偏光となり、液晶104によって偏光方向が制御され、反射膜105により反射される。そして、液晶104によって再び偏光方向が制御され、再度視認側偏光板111を透過する光の透過率が制御される。したがって、反射領域113における照明光と透過領域114における照明光とは異なるものとなる。
ここで、図2を参照して、カラーフィルタ106の1つの画素117の構成について説明する。図2は、本実施の形態にかかる半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ106の1つの画素117の構成を示す平面図である。なお、各構成要素において、赤(R)、緑(G)、青(B)を区別するため、符号の後にR、G、Bを付している。
図2に示すように、1つの画素117は、隣接する3つの単位画素112から構成される。Rの単位画素112Rは、Rの着色層115Rと透明樹脂層116Rから構成される。Gの単位画素112Gは、Gの着色層115Gと透明樹脂層116Gから構成される。Bの単位画素112Bは、Bの着色層115Bと透明樹脂層116Bから構成される。すなわち、単位画素112はR、G、Bいずれか1つの着色層115と1つの透明樹脂層116とから構成される。1つの画素117は、R、G、Bの着色層115を有する3つの単位画素112R、112G、112Bから構成される。
1つの単位画素112において、反射領域113及び透過領域114には同一の着色層115が設けられる。ここで、反射領域113に対応する着色層115を反射着色層115rとし、透過領域114に対応する着色層115を透過着色層115tとする。反射着色層115rと透過着色層115tとは同一の着色樹脂を用いて形成されている。さらに、R、G、Bの色を区別するため、Rの反射着色層115rを反射着色層115Rrとし、Rの透過着色層115tを透過着色層115Rtとする。すなわち、Rの着色層115は、反射着色層115Rrと透過着色層115Rtとから構成される。同様に、Gの着色層115は、反射着色層115Grと透過着色層115Gtとから構成される。また、Bの着色層115は、反射着色層115Brと透過着色層115Btとから構成される。
本実施の形態においては、Rの透過領域114に対応する透過着色層115Rtの面積と、Gの透過領域114に対応する透過着色層115Gtの面積と、Bの透過領域114に対応する透過着色層115Btの面積とは略同等とした。
一方、反射領域113は、反射着色層115tと透明樹脂層116とから構成される。Gの反射領域113Gに含まれる反射着色層115Grの面積と、Bの反射領域113Bに含まれる反射着色層115Brの面積とを略等しくし、Rの反射領域113Rに含まれる反射着色層115Rrの面積をそれよりも小さくする。すなわち、反射着色層115Rrの一部において、着色層115の代わりにBM118となる遮光層を設ける。これにより、Rの単位画素112Rでは、他の単位画素112G、112Bと比べて、BM118の面積が大きくなり、反射着色層115Rrの面積は、反射着色層115Gr、115Brよりも小さくなる。また、Gの反射領域113Gに含まれる透明樹脂層116Gの面積と、Bの反射領域113Bに含まれる透明樹脂層116Bの面積とを略等しくし、Rの反射領域113Rに含まれる透明樹脂層層116Rの面積をそれよりも小さくする。
上述したように、反射領域113の反射着色層115rは、透過着色層115tと同じ着色樹脂を用いる。このため、反射領域113の色特性は、透過領域114と同一のR、G、Bの着色層115及び透明樹脂層116によって決定されることとなる。また、輝度を上げるために、反射着色層115rの代わりに透明樹脂層116が設けられている。上述したように、透過モードの光源と反射モードの光源とは異なるため、それぞれのモードにおいて使用されるカラーフィルタの着色層の色特性の設定を独立に行う必要がある。
従来、各色の反射領域113の着色層115及び透明樹脂層116の面積は等しいため、反射モードにおける色純度は、これらの着色層115と透明樹脂層116とによって制約され、所望の色を得ることができないという問題があった。
しかしながら、反射着色層115r及び透明樹脂層116の面積を色に応じて変えることにより、反射領域113の面積を所望の値に設定することができる。これにより、各色の反射着色層115rの寄与率を変更することができるため、簡便に色度の調整を行うことができる。本実施の形態においては、Rの影響が小さくなる。
また、従来、R、G、B3色の混色により実現される白表示の色度も、3色の着色層115及び透明樹脂層116の影響を受け、所望の値に調整することができなかった。しかし、各色の反射着色層115rの面積及び透明樹脂層116の面積をそれぞれ所望の値に変更することによって、所望の色度に調整することが可能である。すなわち、白色表示において、影響を小さくしたい色の反射領域113を小さくする。その色の着色層の面積を小さくすることによって、反射モードにおいて色純度を保ちつつ、白の色度を調整することができる。
また、反射領域113ではなく、透過領域114の面積を小さくして、透過モードにおいて色純度を保ちつつ、白の色度を調整することも可能である。
反射モードでカラー表示を行ったときの色度について、図3を参照して説明する。図3は、R、G、Bの各着色層115の反射領域113それぞれに、透明樹脂層116を設けない場合(0%)、反射領域13の面積に対して、10%、20%、30%の面積の透明樹脂層116を設けた場合の色度座標を示している。図3において、◆は0%、■は10%、△は20%、×は30%を示している。また、□は、R、G、Bの混色により実現される白の色度を示している。白の色度は、透明樹脂層116の割合を0−30%へと変化させても、同じ色度となる。
また、Rの反射領域113の面積の10%の領域に透明樹脂層116を、Gの反射領域113の面積の30%の領域に透明樹脂層116を、Bの反射領域113の面積の30%の領域に透明樹脂層116を配置した。この場合、R、G、Bそれぞれの色度は図3中○で示す値となる。このように、Rの透明樹脂層116Rの面積が、他のGの透明樹脂層116G及びBの透明樹脂層116Bの面積と比較して小さいため、Rの影響が強くなる。このため、RGBの単位画素112で作る白の色が赤みを帯びてしまう。すなわち、各色の色純度を独立して調整すると、白色の色度が変化してしまう。
これを回避するために、図2に示す構成のように、Rの反射領域113Rの一部にブラックマトリクス(BM)設け、Rの反射領域113Rの面積をG及びBの反射領域113G、113Bの面積より20%小さくした。これにより、白表示をする際の、Rの影響を小さくすることができた。すなわち、白の赤みを消すことができ、良好な白表示が可能となった。従来、白の色度を維持しつつ、R、G、Bそれぞれを独立して色純度をあげることができなかったが、本発明により、初めて可能となった。すなわち、図2に示す構成により、所望の色純度を保ったまま、白表示の調整が可能となった。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について、図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態にかかる半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ106の1つの画素117の構成を示す平面図である。図4において、図2と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、カラーフィルタ106の各色の反射領域113の面積の調整方法である。
図4に示すように、1つの画素117は、隣接する3つの単位画素112から構成される。Rの単位画素112Rは、Rの着色層115Rと透明樹脂層116Rから構成される。Gの単位画素112Gは、Gの着色層115Gと透明樹脂層116Gから構成される。Bの単位画素112Bは、Bの着色層115Bと透明樹脂層116Bから構成される。すなわち、単位画素112はR、G、Bいずれか1つの着色層115と1つの透明樹脂層116とから構成される。1つの画素117は、R、G、Bの着色層115を有する3つの単位画素112R、112G、112Bから構成される。
本実施の形態においては、3つの単位画素112のうち、Rの単位画素112Rの幅を狭くし、その面積を小さくしている。これに対応して、Rの透過着色層115Rtの幅は、G及びBの透過着色層115Gt、115Btより狭いが、Rの透過着色層115Rtの面積は、G及びBの透過着色層115Gt、115Btの面積と等しい。また、Rの反射領域113における透明樹脂層116の幅も、G及びBの透明樹脂層116よりも狭くなっている。したがって、Rの反射領域113における透明樹脂層116の面積も、G及びBの透明樹脂層116の面積よりも小さい。また、Rの反射着色層115Rrの面積もまた、G及びBの反射着色層115Gr、115Brよりも小さい。
一方、Gの透過領域114に対応する透過着色層115Gtの面積と、Bの透過領域114に対応する透過着色層115Btの面積とは略同等である。また、Gの反射領域113に設けられる透明樹脂層116Gの面積と、Bの反射領域113に対応する透明樹脂層116Bの面積とは略同等である。
上述したように、反射領域113の反射着色層115rは、透過着色層115tと同じ着色樹脂を用いる。このため、反射領域113の色特性は、透過領域114と同一のR、G、Bの着色層115及び透明樹脂層116によって決定されることとなる。本実施の形態のように、Rの反射着色層115Rr及び透明樹脂層116Rの面積を他の色よりも小さくすることによって、当該画素117へのRの単位画素112Rの寄与率を小さくすることができる。また、実施の形態1と比較すると、BM118による光の利用効率の低下を抑制することができる。
また、従来、R、G、B3色の混色により実現される白表示の色度も、各色の反射着色層115rの面積及び透明樹脂層116の面積をそれぞれ所望の値に変更することによって、所望の色度に調整することが可能である。上記の構成は、例えば、一方の電極の幅を着色層115の色に応じて変えることによって、実現することができる。
G及びBの単位画素112G、112Bの面積は略同等とし、Rの単位画素112の面積をG及びBの単位画素112G、112Bの面積の80%とした。また、Rの反射領域113Rの面積の10%の領域に透明樹脂層116を、Gの反射領域113Gの面積の30%の領域に透明樹脂層116を、Bの反射領域113Bの面積の30%の領域に透明樹脂層116をそれぞれ配置した。このようにすることによって、実施例1と比較すると、輝度を向上させることができ、良好な表示が可能となった。また、白の色度を維持しつつ、R、G、Bそれぞれを独立して色純度をあげることができた。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態にかかる半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ106の1つの画素117の構成を示す平面図である。図5において、図2と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、カラーフィルタ106の各色の反射領域113の一部に補正着色層120を設けた点である。
図5に示すように、1つの画素117は、隣接する3つの単位画素112から構成される。Rの単位画素112Rは、Rの着色層115Rと透明樹脂層116Rから構成される。Gの単位画素112Gは、Gの着色層115Gと透明樹脂層116Gから構成される。Bの単位画素112Bは、Bの着色層115Bと透明樹脂層116Bから構成される。すなわち、単位画素112はR、G、Bいずれか1つの着色層115と1つの透明樹脂層116とから構成される。1つの画素117は、R、G、Bの着色層115を有する3つの単位画素112R、112G、112Bから構成される。
本実施の形態においては、Rの単位画素112Rの反射領域113Rの内部に補正着色層120Gが設けられている。補正着色層120Gは、隣接するGの単位画素112Gの着色層115Gと同一の着色樹脂からなる。Rの反射着色層115Rrと補正着色層120Gとの間には透明樹脂層116Rがあり、接していない。すなわち、補正着色層120Gと着色層115Rとは、離間して設けられている。すなわち、透明樹脂層116Rは、補正樹脂層120Gを囲むようにロの字型に形成される。
また、Gの単位画素112Gの反射領域113Gの内部に、隣接するBの単位画素112Bの着色層115Bと同一のBの補正着色層120Bが設けられている。Gの反射着色層115Grと補正着色層120Bとの間には透明樹脂層116Gがあり、接していない。一方、Bの単位画素112Bの反射領域113Bの内部には、補正着色層120Rは設けられていない。
また、Rの透過領域114Rに対応する透過着色層115Rtの面積と、Gの透過領域114Gに対応する透過着色層115Gtの面積と、Bの透過領域114Bに対応する透過着色層115Btの面積とは略同等とした。一方、Rの反射領域113Rに対応する透明樹脂層116の面積と、Gの反射領域113Gに対応する透明樹脂層116の面積と、Bの反射領域113Bに対応する透明樹脂層116の面積とは略同等とした。したがって、Bの反射領域113Bの着色層115は、補正着色層120がない分、他のRやGの反射領域113R、113Gの着色層115R、115Gの面積よりも大きい。
上述のような構成とすることによって、反射領域113へのRの着色層115Rの寄与率及びGの着色層115Gの寄与率をあげることができる。すなわち、本実施の形態においては、Rの色度をGよりに、Gの色度をBよりにすることができる。補正着色層120の面積を変えることによって、簡便に色度を調整することができる。
また、補正着色層120として、隣接する単位画素112の着色層と同一の材料を用いているため、コストを抑制することができる。また、従来、R、G、B3色の混色により実現される白表示の色度も、各色の補正着色層120の面積をそれぞれ所望の値に変更することによって、所望の色度に調整することが可能である。
また、補正着色層120は、透明樹脂層116の内部に形成することが好ましい。すなわち、上述したように、反射着色層115rと補正着色層120との間には透明樹脂層116を設け、反射着色層115rと補正着色層120とが接しないようにする。これよって、各色の着色層115と補正着色層120とが重なることがなく、重なり部分に生じる光の吸収を抑制することができ、輝度を向上させることができる。なお、図5においては、透明樹脂層116は、反射領域113の中央付近に配置する構成としたがこれに限定されず、補正着色層120とBM118と接するように配置してもよい。この場合、単位画素112の角部に形成することが好ましい。また、補正着色層120は、反射領域113内のどこに配置しても構わない。補正着色層120と、着色層115とが接しないよう、透明樹脂層116を配置することが好ましい。
また、各色の着色層115、透明樹脂層116及び補正着色層120の膜厚は略同一であることが好ましい。これによって、カラーフィルタ106を平坦にすることができ、さらに良好な表示を行うことができる。
実施の形態3にかかる半透過型カラー液晶表示装置を用いて、反射モードでカラー表示を行ったときの色度について、図6を参照して説明する。図6は、R、G、Bの各着色層115の反射領域113それぞれに、透明樹脂層116を設けない場合(0%)、反射領域113の面積に対して、10%、20%、30%の面積の透明樹脂層116を設けた場合の色度座標を示している。図6において、◆は0%、■は10%、△は20%、×は30%を示している。また、□は、R、G、Bの混色により実現される白の色度を示している。
R、G及びBの単位画素112R、112G、112Bの面積は略同等とし、それぞれの単位画素112に面積の等しい透過着色層115tを設けた。また、Rの反射領域113Rの面積の10%の領域に透明樹脂層116を、Gの反射領域113Gの面積の10%の領域に透明樹脂層116を、Bの反射領域113Bの面積の20%の領域に透明樹脂層116をそれぞれ配置した。Rの透明樹脂層116中にはRの反射領域113Rの10%の面積のGの補正着色層120Gを、Gの透明樹脂層116中にはGの反射領域113Gの10%の面積のBの補正着色層120Bをそれぞれ形成した。
図6に、上述のカラーフィルタを用いた場合の色度を示す。上述のカラーフィルタ106を用いることによって、図6中○で示す色度となった。図6に示すように、Rの色度をGよりの所望の値に調整することができた。また、これにより、Gの色度をBよりの所望の値に調整することができた。青味がかった緑を実現することができた。反射モードにおいて、従来方法では、実現できなかった色を実現することができた。
なお、上記の実施の形態1〜3については、透過領域114の色度は、最初から所望の値としておき、反射領域113の色度を変更する場合について説明したが、これに限定されない。透過領域114に対応する透過着色層115tの面積を変えることも可能である。また、透過領域114に対応する透過着色層115tの一部に異なる色の補正着色層120を設けるようにしてもよい。
また、図2に示した実施の形態1と図5に示した実施の形態3とを組み合わせることも可能である。すなわち、反射領域113における反射着色層115rの面積を変えつつ、反射着色層115rの一部に異なる色の補正着色層120を設けることも可能である。また、図3に示した実施の形態2と図5に示した実施の形態3とを組み合わせることも可能である。
なお、上述の説明では、STN型のパッシブマトリクス方式の液晶パネルを用いた例について説明したが、これに限定されない。アクティブマトリクス型やセグメント型の液晶パネルに対しても適用可能である。
実施の形態1に係る半透過型の液晶パネルの構成の一例を示す断面図である。 実施の形態1に係るカラーフィルタの1画素の構成を示す平面図である。 カラーフィルタの反射領域の面積を変えた場合の色度を示すグラフである。 実施の形態2に係るカラーフィルタの1画素の構成を示す平面図である。 実施の形態3に係るカラーフィルタの1画素の構成を示す平面図である。 カラーフィルタの反射領域の面積を変えた場合の色度を示すグラフである。 従来のカラーフィルタの1画素の構成を示す平面図である。 従来のカラーフィルタの1画素の他の構成を示す平面図である。 従来のカラーフィルタを用いた場合の色度を示すグラフである。
符号の説明
100 液晶パネル
101 基板
102 対向基板
103 液晶
104 シール材
105 反射膜
106 カラーフィルタ
107 走査電極
108 信号電極
109 配向膜
110 スペーサ
111 偏光板
112 単位画素
113 反射領域
114 透過領域
115 着色層
116 透明樹脂層
117 画素
118 BM
119 オーバーコート層
120 補正着色層

Claims (10)

  1. 透過領域と反射領域とを有する単位画素と、
    前記単位画素に対応して設けられた着色層とを備え、
    前記単位画素は、それぞれの色の着色層で設けられ、
    前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、前記着色層の色に応じて異なっている半透過型カラー液晶表示装置。
  2. 前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、該透過領域又は/及び該反射領域の一部を遮光することにより面積を異ならせている請求項1に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  3. 透過領域と反射領域とを有する単位画素と、
    前記単位画素に対応して設けられた着色層とを備え、
    前記単位画素は、それぞれの色の着色層で設けられた半透過型カラー液晶表示装置であって、
    前記単位画素に設けられ、当該単位画素に設けられた着色層と異なる色の補正着色層を有し、
    前記補正着色層には、当該単位画素には設けられていない別の単位画素の着色層を用いている半透過型カラー液晶表示装置。
  4. 前記単位画素は、透明樹脂層を備え、
    前記透明樹脂層は、前記着色層と前記補正着色層との間に設けられ、
    前記補正着色層は、前記着色層と離間して設けられている請求項3に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  5. 前記着色層の膜厚と、前記透明樹脂層の膜厚と、前記補正着色層の膜厚とは、略同一である請求項3又は4に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  6. 前記透過領域又は/及び前記反射領域の面積は、前記着色層の色に応じて異なっている請求項3、4又は5に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  7. 前記単位画素の面積は、前記着色層の色に応じて異なっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  8. 前記反射領域に対応する着色層と、前記透過領域に対応する着色層とは同一である請求項1〜7のいずれか1項に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  9. 異なる色の着色層が設けられた前記単位画素のそれぞれで、前記透過領域の面積は略等しい請求項1〜8のいずれか1項に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
  10. 3つの単位画素によって1画素が構成され、
    前記着色層は、前記3つの単位画素に対応して3原色の各色にそれぞれ着色される請求項1〜9のいずれか1項に記載の半透過型カラー液晶表示装置。
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