JP2006329535A - フィンチューブ型熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱交換機自体を必要以上に大型化させずに、簡便な構造で熱交換能力を向上させた、冷凍能力が100冷凍トン以上の比較的大容量のヒートポンプまたはチラーに使用可能なフィンチューブ型熱交換器を提供することである。
【解決手段】 所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように、5本または6本の伝熱管を直列に順勾配に接続して少なくとも30段以上の多段に配列してコア4を形成し、このコア4を2基ずつV字状に配置した熱交換ユニット1aを複数設けてフィンチューブ型熱交換器1を形成したのである。1段あたりの伝熱管の本数を従来の4本よりも増加させても、伝熱管を30段以上の多段に設けることにより管内冷媒流速が大きくなり過ぎず、圧損の増加を適度に抑制でき、コア面積が増加するため熱交換能力が向上して冷媒凝縮温度が低下し、冷凍機のCOPが向上する。
【選択図】 図3
【解決手段】 所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように、5本または6本の伝熱管を直列に順勾配に接続して少なくとも30段以上の多段に配列してコア4を形成し、このコア4を2基ずつV字状に配置した熱交換ユニット1aを複数設けてフィンチューブ型熱交換器1を形成したのである。1段あたりの伝熱管の本数を従来の4本よりも増加させても、伝熱管を30段以上の多段に設けることにより管内冷媒流速が大きくなり過ぎず、圧損の増加を適度に抑制でき、コア面積が増加するため熱交換能力が向上して冷媒凝縮温度が低下し、冷凍機のCOPが向上する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、産業用や業務用空調システムのヒートポンプ(冷暖房用)またはチラー(冷房専用)に使用される空気式のフィンチューブ型熱交換器に関する。
空調システム等に使用される空気式熱交換器として、フィンチューブ型熱交換器が多く用いられている。フィンチューブ型熱交換器は、一例を図6に示すように、板状のフィン11を一定間隔で平行に複数設け、このフィン11と直交するように、また、隣り合う伝熱管がその投影面14と直径の1/2だけ重なるように複数列、および多段に配列された伝熱管12からなり、この伝熱管12の内部を流通する冷媒と、フィン11間を矢印13の方向に流れる空気との間で熱交換が行なわれる(例えば、特許文献1参照)。フィン11に直交するように設けた伝熱管12の間には、空気流の改善のため、スリット形またはルーバー形などの切り起こし部15が設けられている。また、冷凍能力が100冷凍トン以上の比較的大容量のヒートポンプまたはチラーに用いられるフィンチューブ型熱交換器として、図7(a)、(b)に示すように、例えば、外径が9.5mm程度の伝熱管12をU字管16で直列に4本接続し、この4本の伝熱管12をフィン11に多段に配列した4パス方式のフィンチューブ型熱交換器が知られている。この熱交換器を凝縮器として用いる場合、冷媒は、冷媒供給側(冷媒供給用)ヘッダー17から、各段ごとに伝熱管12に供給され、各段ごとに伝熱管12に接続された支管(排出管)18から、凝縮した液冷媒がディストリビュータ19側に排出され、循環使用される。
前記フィンチューブ型熱交換器のフィン11と伝熱管12間の熱交換能力、即ち総括熱伝達率を支配する因子は、伝熱管12内の冷媒側境膜熱伝達率、冷媒の凝縮熱または蒸発熱、伝熱管12外の空気側境膜熱伝達率、およびフィンの熱伝導率である。熱交換能力を高めるために、例えば、特許文献2では、図8に示すように、死流域Pの影響を避けるため、伝熱管12の縦方向の距離Yおよび横方向の距離Xを伝熱管の直径Dとそれぞれ関連させて、この伝熱管12を所定距離をおいて縦方向および横方向に、空気流の進行方向13に行き交うように配列し、熱交換能力を高めるようにした空気調和機の熱交換器が開示されている。また、特許文献3では、図9に示すように、疎密をなすようにフィン11を設け、粗領域Sでの空気の流動抵抗を小さくして空気流量を増大させ、密領域Mでの空気と冷媒との熱交換効率を高めることにより、空気抵抗を増大させずに熱交換効率を向上させることが可能な熱交換器が開示されている。
特開昭63−38892号公報
特開平10−332290号公報
特開2000−230796号公報
しかし、冷凍能力が100冷凍トン以上の比較的大容量のヒートポンプまたはチラーに使用されるフィンチューブ型熱交換器では、従来、冷媒圧縮機の動力を低減するために、伝熱管内の冷媒圧損が必要以上に大きくならないように、伝熱管内の冷媒流速を小さい目に設定しているため、冷媒側の境膜熱伝達率が小さいという問題があった。また、フィン間の通風抵抗が大きく、ファン動力を低減するために空気の通風量を少ない目に設定していることから、空気側の境膜熱伝達率が小さいという問題があった。特許文献2および3に開示された、縦方向および横方向に所定距離をおいて伝熱管を配列することにより、またはフィンの配列に疎密を設けることにより、熱交換能力を高める方法では、比較的大容量の冷凍機に使用される多段の熱交換器に適用しようとする場合には、装置設計が煩雑となり、熱交換器自体が必要以上に大型化するおそれがある。
そこで、この発明の課題は、熱交換器自体を必要以上に大型化させずに、簡便な構造で熱交換能力を向上させた、冷凍能力が100冷凍トン以上の比較的大容量のヒートポンプまたはチラーに使用可能なフィンチューブ型熱交換器を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係るフィンチューブ型熱交換器は、所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように直列に接続された複数本の伝熱管を多段に配列してコアが形成され、各段の伝熱管毎に冷媒の供給および排出を行なうようにしたフィンチューブ型熱交換器であって、前記直列に接続された伝熱管の本数が5本または6本であり、この直列に接続した5本または6本の伝熱管を1段として、前記コアに少なくとも30段以上の伝熱管を配列し、このコアを2基ずつV字状に配置した熱交換ユニットを複数設けたことを特徴とする。
このようにすれば、1段あたりの伝熱管の本数を、従来の4本から増加させても、伝熱管を上記のように30段以上の多段に設けることにより、1段あたりの伝熱管内の冷媒流速が大きくなり過ぎず、圧損の増加を適度に抑制でき、しかもコア面積が増加するため、熱交換能力が向上する。前記フィンチューブ型熱交換器を凝縮器として使用する場合には、冷媒の凝縮温度を下げることができ、それにより、冷媒圧力も低下させることができ、冷媒圧力に圧損を加えた全冷媒圧力が低下するため、圧縮機の動力が低減し、ヒートポンプまたはチラーのCOP(エネルギー消費効率)が向上する。蒸発器として使用する場合には、冷媒の蒸発温度を上げることができ、それにより冷媒圧力を上昇させることができるため、蒸発した冷媒を高圧に圧縮するための圧縮機の動力が低減し、同様にCOPが向上する。そして、このコアを上記のようにV字状に複数基設けることにより、熱交換器の必要以上の大型化を防止して、100冷凍トン以上の比較的大容量の冷凍機に使用可能な、所要の熱交換能力を有する熱交換器を実現することができる。なお、1コアあたりの伝熱管の段数の上限は、必要以上にコアが大型化するのを避けるため、65段程度とするのが望ましい。また、伝熱管を7本以上直列に接続すると、冷媒流速の上昇が大きくなり、1コアあたりの伝熱管の段数をさらに多く設けることが必要となり、コアが大型化するため、コンパクトな熱交換器を実現することが難しくなる。
請求項2に係るフィンチューブ型熱交換器は、所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように直列に接続された複数本の伝熱管を多段に配列してコアが形成され、各段の伝熱管毎に冷媒の供給および排出を行なうようにしたフィンチューブ型熱交換器であって、前記直列に接続された複数本の各伝熱管の外径が7.5mm〜9mmの範囲にあり、この直列に接続した伝熱管を1段として、前記コアに少なくとも30段以上の伝熱管を配列し、このコアを2基ずつV字状に配置した熱交換ユニットを複数設けたことを特徴とする。
このように伝熱管の外径を、従来の約9.5mmよりも小さくし上記外径範囲に収めることにより、フィン間を通過する空気の通風抵抗が低下して、空気ファン動力の上昇を伴わずに空気流量を増加させることが可能となる。また、伝熱管を上記のように多段に設けることにより、伝熱管内の冷媒流速の上昇に伴う圧損の増加を抑制でき、しかもコア面積が増加するため、上述のように、熱交換能力が向上し、圧縮機の動力が低減し、冷凍機のCOP(エネルギー消費効率)が向上する。なお、伝熱管の外径が9mmよりも大きくなると、従来に比べて上記細径化の効果が殆んど得られず、また、7.5mmよりも小さくなると、冷媒流速が必要以上に大きくなり過ぎて、圧損が増加するため、圧縮機の動力低減に効果的でなくなる。また、1コアあたりの伝熱管の段数の上限は、必要以上にコアが大型化するのを避けるため、65段程度とするのが望ましい。
請求項3に係るフィンチューブ型熱交換器は、前記各段の伝熱管がU字管で直列に接続され、冷媒の供給側から排出側にかけて、伝熱管の配列高さが単調に減少する順勾配または単調に増加する逆勾配に配置されていることを特徴とする。
前記伝熱管内の液冷媒の質量速度は、通常100〜400kg/m2sであり、上述のように、コア面積(伝熱面積)を増加させるほど、即ち伝熱管を多段に設けるほど、液冷媒の質量速度が小さくなる。伝熱管内の液冷媒の動圧は約5〜80Paであり、コア面積を増加させるほど、液冷媒の動圧も小さくなる。一方、直列に接続した各段の伝熱管の、鉛直方向の配列高さの違いによる液冷媒のヘッドは約200Paであり、伝熱管内の冷媒の動圧よりも液冷媒ヘッドの方が大きい。このため、前記伝熱管を凝縮器として使用する場合は、伝熱管が冷媒の供給側から排出側にかけて、その配列高さが増加する逆勾配に配置されていると、伝熱管を接続しているU字管を液冷媒が持ち上げられる方向に通過することになり、液冷媒が容易に持ち上がらず、伝熱管内に液冷媒が滞留し、その内面が液冷媒で濡れた状態になる。その結果、凝縮熱伝達率が低下する。上記のように伝熱管を順勾配に直列接続すれば、フィン間を流れる空気との熱交換により凝縮した液冷媒が、重力の作用によりそのまま下流側、即ち排出側に向かって流れて伝熱管内に滞留しないため、伝熱管内面が乾いた状態となり、凝縮熱伝達率の低下を防止することができる。
一方、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合には、ヒートポンプの冷媒循環回路に設けた切替え弁により、凝縮器として用いる場合とは逆方向に冷媒が流れる。このため、配列高さが単調に減少する前記順勾配の伝熱管の配置は、蒸発器として使用する場合には、冷媒の供給側から排出側にかけて単調に増加する逆勾配の配置となり、液冷媒が伝熱管内を落下せず適度に滞留して蒸発しやすくなり、また蒸発した冷媒蒸気が排出側から流出しやすくなる。
図1は、各段の伝熱管の外径が9.5mmで、順勾配配置の場合(本発明、図2(a))と、配列の一部に逆勾配が存在する配置の場合(従来技術、図2(b))に、前記熱交換器を凝縮器として使用したときの凝縮熱伝達率(hc)を比較して示したものである。図2(a)で、高温高圧の冷媒が、冷媒供給側ヘッダー(図示省略)を介して供給管6から、所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィン2に直交するように配列した各段の伝熱管3aの入側に、それぞれ均等に供給される。同様に図2(b)では、前記冷媒が各段ごとに伝熱管3fの入側に供給される。図1から、伝熱管を順勾配に配置した方が、配列の一部に逆勾配が存在する配置よりも高い凝縮熱伝達率(hc)が得られることがわかる。なお、図2(a)、(b)で、伝熱管3a〜3e、および3f〜3jに沿ってそれぞれ記した矢印は、本発明の熱交換器を凝縮器として使用する場合の冷媒の流れの方向を示す。
この発明では、直列に接続する1段あたりの伝熱管の本数を従来よりも増加させ、または/および伝熱管の外径を従来よりも細径にし、いずれの場合もこの伝熱管を、直列に順勾配(凝縮器として使用する場合)に接続し、30段以上の多段に設けてコアを形成し、伝熱管内の冷媒流速の上昇に伴う圧損の増加および凝縮熱伝達率の低下を抑制するようにしたので、コア面積の増加と相俟って、熱交換能力が上昇し、圧縮機の動力が低下し、ヒートポンプまたはチラーのCOP(エネルギー消費効率)が向上する。蒸発器として使用する場合には、前記伝熱管の順勾配配置は逆勾配配置となり、同様に前記COPが向上する。また、コアを2基ずつV字状に配置した熱交換ユニットを複数設けるようにしたので、熱交換器の必要以上の大型化を防止して、100冷凍トン以上の冷凍能力を有する、産業用や業務用の比較的大容量のヒートポンプまたはチラーに対して使用可能な熱交換能力を実現することができる。
以下に、この発明の実施形態を添付の図3から図5に基づいて説明する。
図3は、実施形態の空気式のフィンチューブ型熱交換器1の装置構成の要部を示したもので、コア4が2基ずつV字状に配置された熱交換ユニット1aが合計8台組み込まれており、前記V字状の各熱交換ユニット1aの上部中央には、空気吸引用のファン5がそれぞれ設けられている。このフィンチューブ型熱交換器1は、圧縮機、蒸発器、凝縮器、受液器および膨張弁を備えたヒートポンプまたはチラーの凝縮器(冷房運転時)または蒸発器(暖房運転時)として用いられる。図4に示すように、所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィン2と、このフィン2と直交するように、U字管(図7(b)参照)によって直列に6本接続した伝熱管3a〜3fを32段の多段に配列して前記コア4が形成されている。U字管で直列に接続された伝熱管3a〜3fは、冷媒の供給側から排出側にかけて、即ち、矢印で冷媒の流れを示したように、冷媒の入側の伝熱管3aから出側の伝熱管3fにかけて、伝熱管3a〜3fの配列高さが単調に減少する順勾配(図示右下がりの方向)に配置されている。直列に配列された#1〜#32の各段の伝熱管3a〜3fには、それぞれ冷媒の供給管6が伝熱管3aに、排出管7が伝熱管3fに接続され、冷房運転の場合、即ち前記熱交換器1を凝縮器として使用する場合、圧縮機から冷媒供給用側ヘッダー(図示省略)を介して、高圧高温の冷媒が供給管6から各段の伝熱管3a〜3fごとに均等に供給されるようになっている。この冷媒は、#1〜#32の各段の伝熱管3a〜3f内をそれぞれ流通していく過程で、図5に模式的に示すように、前記ファン5によって吸引されて前記コア4を通過する空気流(矢印で表示)によって冷却されて凝縮し、この凝縮した液冷媒は各段の排出管7から排出され、受液器に一時貯留される。そして、この液冷媒は膨張弁を介して蒸発器に送られて蒸発し、その蒸発潜熱により冷凍効果が得られる。暖房運転の場合の説明は省略する。
図3に示したように、コア4が2基ずつV字状に配置された熱交換ユニットが合計8台組み込まれた、150冷凍トンの冷凍能力に対応するフロン系の冷媒を用いた熱交換器で、直列に接続した外径9.5mmの伝熱管本数(パス数)を、4本、5本、6本と変化させた場合について、および直列に接続した外径8mmの伝熱管本数(パス数)を、4本、5本、6本と変化させた場合について、それぞれ、伝熱管内の冷媒側境膜熱伝達率hr、伝熱管外の空気側境膜熱伝達率ha、冷媒−空気間の総括熱伝達率Kおよびフィン間を通過する空気の圧損ΔPaの各パラメータを求めた結果を、表1および表2、表3および表4に相対比較して示す。全てのパラメータは、伝熱管外径が9.5mm、パス数が4、空気流量が3300m3/hの場合を1として基準化している。いずれの伝熱管外径および伝熱管本数(パス数)の場合でも、1コアあたりの伝熱管の段数は4パスの場合は50段、5パスの場合は40段、6パスの場合は32段である。表1および表3はフィン間を通過する空気流量が3300m3/hの場合で、表2および表4は同空気流量が4000m3/hの場合である。表中の各熱伝達率は、実験値によって検証した実用精度を有する伝熱モデルを用いて算出した計算値である。
表1および表2から、外径9.5mmの伝熱管について、いずれの空気流量の場合でもパス数を4パスから5パス、6パスと増加させるにつれて、伝熱管内の冷媒側境膜熱伝達率hrが上昇し、それに伴って冷媒−空気間の総括熱伝達率Kが上昇することがわかる。このように冷媒側境膜熱伝達率hrが上昇するのは、パス数の増加に伴って伝熱管内の冷媒流速が大きくなることによる。しかし、コア面積を増加させて伝熱管の段数を30段以上と多く設けているため、冷媒流量が各段に分配されて各段の伝熱管内の冷媒流速も大きくなり過ぎず、従って伝熱管内の冷媒圧損の増加も適度に抑制できるため、効果的に熱交換能力を向上させることができる。この熱交換能力の向上により、後述するように、冷媒凝縮温度を下げることができ、それに伴って冷媒圧力を低下させることが可能となる。この冷媒圧力と冷媒圧損を加えた全冷媒圧力も低下し、圧縮機の動力が低減する。
同様に、表3および表4から、外径8mmの伝熱管について、いずれの空気流量の場合でも、パス数を4パスから5パス、6パスと増加させるにつれて、伝熱管内の冷媒側境膜熱伝達率hrが上昇し、それに伴って冷媒−空気間の総括熱伝達率Kが上昇することがわかる。伝熱管外径を8mmと細径化した場合には、同一パス数では、伝熱管外径が9.5mmの場合よりも、総括熱伝達率Kは同等で、フィン間を通過する空気の圧損ΔPaが小さくなるため、空気吸引用のファン動力が同じでも、フィン間の通風流量が増加するため、熱交換能力が向上する結果、上述のように、圧縮機の動力が低減する。
表5は、熱交換器のパス数および伝熱管外径が、冷凍機のCOPの向上に及ぼす影響を示したものである。伝熱管外径が従来の9.5mmの場合、パス数を4パスから5パスに増加させると、冷媒側境膜熱伝達率haおよび総括熱伝達率Kが上昇することにより、伝熱管内での凝縮温度が0.3℃下がり、冷媒圧力が0.012MPa低下する。それに伴って、圧縮機の所要動力が低下するため、所定の冷凍能力に対するエネルギー消費効率COPが、4パスを基準として1%向上する。伝熱管外径を8mmに細径化した場合、前述のように、フィン間の通風流量が増加することによる効果が加わるため、伝熱管外径が9.5mmの5パスの場合に比べて凝縮温度がさらに下がり、冷媒圧力も低下するため、COPが基準のCOPに対して2.7%向上する。そして、細径化した外径8mmの伝熱管で6パスにすれば、凝縮温度および冷媒圧力はさらに低下し、COPが基準のCOPに対して3.1%上昇し、さらに向上する。
上述のように1段あたりの伝熱管のパス数を増加させ、または/および従来よりも伝熱管外径を細径化させ、いずれの場合でも1コアあたりに伝熱管を所要段数設けることにより、熱交換能力を向上させて冷媒の凝縮温度および冷媒圧力を低下させ、冷凍機のCOPを向上させることが可能となる。なお、本発明の熱交換器は、冷凍能力が100冷凍トンから750冷凍トン程度の産業用または業務用空調システムに用いられるヒートポンプ(冷暖房用)またはチラー(冷房専用)に好適に使用することができる。
1・・・熱交換器
1a・・・熱交換ユニット
2・・・フィン
3、3a〜3j・・・伝熱管
4・・・コア
5・・・ファン
6・・・供給管
7・・・排出管
1a・・・熱交換ユニット
2・・・フィン
3、3a〜3j・・・伝熱管
4・・・コア
5・・・ファン
6・・・供給管
7・・・排出管
Claims (3)
- 所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように直列に接続された複数本の伝熱管を多段に配列してコアが形成され、各段の伝熱管毎に冷媒の供給および排出を行なうようにしたフィンチューブ型熱交換器であって、前記直列に接続された伝熱管の本数が5本または6本であり、この直列に接続した5本または6本の伝熱管を1段として、前記コアに少なくとも30段以上の伝熱管を配列し、このコアを2基ずつV字状に配置した熱交換ユニットを複数設けたことを特徴とするフィンチューブ型熱交換器。
- 所定の間隔で平行に複数設けた板状のフィンと、このフィンと直交するように直列に接続された複数本の伝熱管を多段に配列してコアが形成され、各段の伝熱管毎に冷媒の供給および排出を行なうようにしたフィンチューブ型熱交換器であって、前記直列に接続された複数本の各伝熱管の外径が7.5mm〜9mmの範囲にあり、この直列に接続した伝熱管を1段として、前記コアに少なくとも30段以上の伝熱管を配列し、このコアを2基ずつV字状に配置した熱交換ユニットを複数設けたことを特徴とするフィンチューブ型熱交換器。
- 前記各段の伝熱管がU字管で直列に接続され、冷媒の供給側から排出側にかけて、伝熱管の配列高さが単調に減少する順勾配または単調に増加する逆勾配に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィンチューブ型熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005154314A JP2006329535A (ja) | 2005-05-26 | 2005-05-26 | フィンチューブ型熱交換器 |
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JP2005154314A JP2006329535A (ja) | 2005-05-26 | 2005-05-26 | フィンチューブ型熱交換器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105674785A (zh) * | 2014-11-19 | 2016-06-15 | 丹佛斯微通道换热器(嘉兴)有限公司 | 换热器 |
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2005
- 2005-05-26 JP JP2005154314A patent/JP2006329535A/ja active Pending
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