JP2006329423A - プラスチックばね - Google Patents

Abstract

【課題】医学又は薬学的用途用の装置の補償ばね、支持ばね又は駆動ばねとして使用され、且つ、射出成形法によりプラスチックから成形されたばねに関する。
【解決手段】第一の構成要素１、２と、射出成形法によりプラスチックから成形されたばね１０と、ばね１０により第一の構成要素１、２に対して弾性的に支持された第二の構成要素５とを備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、医学又は薬学的用途にて使用される装置用のばねに関する。本発明は、ばねが設けられた装置に更に関する。該装置は、製剤、好ましくは、液体製剤を人間に、又は必要であるならば、動物にも投与することのできる装置、又は体液の試料を吸引することのできる装置であることが好ましい。

ばねは、好ましい投与装置を代表する注射装置及び注入装置にて多岐に亙る機能のため使用されており、例えば、プランジャ又はその他の何らかの駆動要素用の駆動ばねとして、又は、関連するばねの復帰力に抗して動くことのできる装置のプランジャ又は別の構成要素の戻りばねとして使用される。その他の機能にて、ばねは、単に、装置の１つの構成要素を支持し且つ、固定し又は位置決めし又は別の構成要素内に位置決めするために使用され、これにより、ばねは、構成要素の１つを他方に対して緊張状態にて特定の位置にて保持し、例えば、構成要素の１つを他のものに対して当接接触状態となるように偏倚させる。

このことは、製造及び組み立て許容公差を補償することを可能にする。これらの装置の構成要素は、通常、プラスチックで出来た成形部品である。その殆どは、注射成形部品である。基本的な注射装置において、その構成要素は、通常、医薬の容器にしか過ぎず、また、装置にてプラスチックで出来たものではないことがしばしばであるばねが使用される。医薬容器は、通常、ガラスアンプルである一方、ばねは、殆どの場合、スチールにて出来たコイルばねである。殆どの装置の製造メーカは、ばねを他の購入先から調達する。これらのばねが大量生産されるならば、これらは、一般に投与装置には適していない。このことは、装置の構造は、ばねに適応しなければならず、このことは、大量生産した製品としてのみ実現することが可能であることを意味する。他方、ばねの製造メーカがばねを特定の装置に特に適したものにするならば、このことは、ばねの価格を増大させることになる。

本発明の１つの目的は、装置の特定の性質により容易に適応させることができるが、低廉である、医学又は薬学的用途用の装置にて使用されるばねを提案することである。

本発明により提案されたように、射出成形型内にてプラスチックから成形されたばねは、医学又は薬学的用途用の装置にて補償ばね、支持ばね又は駆動ばねとして使用される。

プラスチックから成形する方法は、ばねを製造することを可能にし、該ばねの特徴及び設計は、ばねの機能及びそれぞれの装置の空間的必要条件に最適に適応させる。ばねが支持され又はばねを介して一方が他方に対し支持される装置の構成要素は、ばねスチールから製造された標準的なばねを使用する場合よりも形態変更する必要性が少ない。ばねを製造するとき、予め画成された構成要素としてのばねに対する許容公差は最早、必要ない。該ばねは、従来よりも遥かに大きい程度、必要条件に適応させることができる。主として又はより大きい程度、プラスチック構成要素にて出来た医学及び薬学的用途用の装置は、極めて一般的である。かかる装置の典型例は、注射装置、例えば、通常、液体の形態にある医薬を投与する注射ペンである。かかる装置の１つの典型例は、糖尿病の治療、成長ホルモンの投与及び例えば、骨粗鬆症の治療にて使用され、また、例えば、インシュリン、成長ホルモン又は骨粗鬆症処方剤のような医薬をそれぞれのユーザが自分自身で投与するためのような注射ペンである。かかる装置の製造メーカは、通常、個々の構成要素を自分自身で製造し、例えば、押出し成形した部品又は特に、射出成形した部品の形態にて製造し、装置を組み立てる。必須のばねは、従来、購入しなければならなかった高価な部品である一方、本発明により提案されるばねは、今や、同一の製造メーカ自身が製造することができる。コストを削減する別のファクタは、低廉なプラスチック材料を使用することが可能なことである。

ばねは、プラスチック複合材料にて製造することができる。例えば、強化繊維を重合系材料のマトリクス内に組み込むことができる。一方、繊維材料は、金属とし又は選択的に、セラミック材料とし、又はプラスチックマトリクスと異なる別のプラスチックにて製造することができる。基本的な好ましい実施の形態において、ばねは、均質なプラスチック材料にて製造されるが、単純なポリマー、コポリマーとし、又はこれと代替的に混合材料とすることができる。

１つの好ましいプラスチック材料は、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）である。しかし、例えば、ポリアミド（Ｐａ）も適している。プラスチック材料のＥ弾性率は、通常の使用温度、すなわち通常の雰囲気温度にて測定したとき、少なくとも１５００で且つ４０００Ｎ／ｍｍ^２以下でなければならない。

構造的観点からして、一体的に形成された位置決め装置を実際のばね領域に提供することが有益であり、この位置決め装置は、以下、ばね要素として説明し、このばね要素は組み立て箇所にてそれぞれの状態に簡単に且つ正確に適応させることができる。位置決め装置の目的は、ばねを支持すること、すなわち例えば、ばねが補償ばね又は支持ばねとしてのみ使用されるならば、ばねによって発生された弾性力が位置決め装置によりばね内に導入されるようにすることである。これと逆に、ばねは、そのばね力を位置決め装置を介して装置の関連する構成要素に伝達することができ、この場合、この方策は、駆動ばね又は戻しばねとして使用するため特に重要である。射出型内にて成形することにより、位置決め装置は、その形態、組み立て箇所における特定の設計に対し、必要条件に依存して適応させることができ、また、このため、力を伝達するためしばしば必要であるアダプタピースに置換することができる。従来のスチールばねを使用するとき、ばねの力伝達面をより大きくし又はそのばねの力伝達面を１つ以上の特定の箇所に集中させるための手段として、アダプタピースは、しばしば必要とされる。かかる機能は、ばね領域に対し単一片として形成された位置決め装置により具体化することができる。好ましい基本的な実施の形態において、位置決め装置は、力分配リング又は力分配部分のリングの形態にて成形される。この型式の位置決め装置は、力をスリーブ構成要素から又はスリーブ構成要素に伝達し、力を端面、フランジ面又はスリーブ構成要素のその他の肩面から可能な限り均一に吸収し又はこれらに加えるのに特に適している。

位置決め装置は、純粋な支持機能以外の機能、すなわちばね力を支持する機能を果たす設計とすることができ、また、止め機構を形成し得るよう改良することができ、該止め機構により、ばねは、該ばねがその間にて作用する構成要素の１つに又は装置の別の構成要素に保持される。ばねが第三の構成要素に保持されるならば、その結果、ばねの機能は有害な影響を受けてはならない、すなわちこの要領にて保持されるならば、ばねは、他の２つの構成要素の一方と共に動く第三の構成要素に保持されるようにする又は、ばねは第三の構成要素に保持されるが、該ばねは第三の構成要素に対し変位可能であるようにする。ばねを保持する手段は、特に拘束接続部とし、この場合、位置決め装置は、製造すべき拘束接続部の拘束要素の１つを形成するか又は既存の拘束接続部に形成される。

別の実施の形態のばねは、その実際のばね機能に加えて、追加的な機能も果たす。かかる１つの実施の形態において、ばねは、例えば、変位可能であるように取り付けられた装置の構成要素、特に、装置の駆動要素又は投薬分計量供給装置に対する、例えば、プランジャロッド又は変位可能な投薬分計量供給ストッパに対するガイドとして作用することになろう。該ガイドは、特に、回転防止ロックと組み合わせたことが好ましい、線形ガイドとすることができる。別の追加的な機能にて、ばねは、歯車要素、例えば、ねじ付き要素、装置の駆動装置又は投薬分計量供給機構を、又はより一般的に表現すれば、例えば、回転スクリュー又はスラスト継手のような連結要素を構成することができる。製剤がプランジャ及びプランジャロッドにより駆動されるならば、プランジャロッドは、ばねと螺着係合状態に配備することができる、すなわち、ばねの一部は追加的な機能を果たし、また、この螺着係合状態にて前方駆動方向に駆動して、製剤を運ぶことができる。駆動要素又は投薬分計量供給要素に代えて、ばねを、移送又は計量供給目的のため、駆動し、例えば、前方に回転駆動することができる。

ばねは、張力ばね、撓みばね又は捩ればねとすることもできるが、圧縮ばねであることが好ましい。その形状はコイルばね、板ばね、プレートばね又は例えば、アームを有するばねの形状とすることができる。しかし、所定の数の適用例において、該ばねは、コイルばねの形態にて提供される。例えば、折畳みベローズ又は蛇行形状を有するベローズのようなベローズとすることも有益である。好ましい実施の形態において、ばねは、弾性的力を発生させるばね要素を内蔵し、また、必要であれば、幾つかのばね要素と、少なくともばね要素の一端における上述した型式の位置決め装置とを内蔵する。位置決め装置は、ばね要素の各端部に設けられることが好ましく、この場合、幾つかの位置決め装置の各々は、同一の又は異なる取り付け位置を有し、又は実行すべきそれぞれの機能を考慮して最適に適応した形状とすることができる。

ばねは、例えば、インシュリンのような投与することのできる製剤を移送する機構の駆動ばねとして作用可能である。該ばねは、また、例えば、注射ペンの針防護部の戻しばねとして又は、例えば、トリガーボタンの戻しばねのような装置の別の構成要素における戻しばねとしても機能する。しかし、該ばねが支持ばね又は補償ばねとして使用されるとき、この型式の適用例において、例えば、１ないし３ｍｍの短いばね経路のみが必要とされるから、特に有利な効果が得られる。従って、かかる実施の形態において、ばねは、例えば、最大僅か５ｍｍ又は好ましくは、最大３ｍｍのばね経路を有することになろう。コイルばね又はばねベローズの場合、このことは、完全に弛緩した状態から１つ又は複数のばねコイル又はベローズ要素がブロック上に位置する状態まで、ばねが例えば、最大５ｍｍ、好ましくは最大３ｍｍの最大のばね経路を有することを意味する。例えば、補償ばねとしての１つの適用例において、ばねは、医薬容器を注射装置、好ましくは、注射ペン内に支持する長手方向許容公差を補償する手段として作用可能である。

本発明の好ましい実施の形態及びそれぞれの組み合わせは、従属請求項にも記載されている。
本発明の１つの好ましい実施の形態の一例について、添付図面を参照して以下に説明する。一例として説明した実施の形態から明らかになる特徴は、上述した特徴のように、請求項の主題事項を個々に且つ組み合わせの各々にて有益に補足するものである。

図１には、注射装置の末端部分が示されており、該注射装置は、図示した実施の形態において、注射装置の中央長手方向軸線Ｌを含む注射ペンである。該注射装置は、１つ又はより多くの部品を備え、長手方向に伸びるスリーブ型ハウジング１を有している。例えば、インシュリンのような液体医薬にて充填された、例えば、ガラス容器のような容器５がハウジング１の末端部分内に受容されている。容器５は、末端に出口を有する。プランジャの形態をした駆動要素７が容器５内に受容されている。駆動要素７は、容器５を液密シール状態に閉じる。駆動要素７が出口に向けて前方駆動方向Ｖに動くと、製剤、又は装置が設定手段を有するならば、製剤の設定された投薬分が容器５から押し出され且つ投与される。駆動要素７に加えて、駆動機構は、一例として図示した実施の形態においてプランジャロッドである別の駆動部材８を有している。一例として図示した実施の形態には、駆動部材８の末端部分のみが示されている。１つの好ましい実施の形態において、注射装置には、ハウジング１の基端部分内に受容された、図示しない投薬分計量供給機構が設けられている。軸方向に動くことができないように固定された挿入体２がハウジング１内に配備されている。プランジャロッド８は挿入体２を貫通して伸びている。挿入体２は、プランジャロッド８を直線状の動きにて軸方向に案内する。挿入体２は、ハウジング１にも接続されており、挿入体が回転するのが阻止されるようにし、また、駆動部材８に対する回転防止ロックを形成する。挿入体２は、容器５の基端に対向して軸方向に位置している。

駆動要素７の長手方向軸線Ｌに対して平行な前方駆動方向Ｖに向け、容器５は、ハウジング１に当接接触することにより支持されている。一例として図示した実施の形態において、ハウジング１は、それ自体、容器５のストッパ４を直接形成する。しかし、原理上、ストッパ４は、ハウジング１に接続された部品の形態にて提供し、該ストッパが軸方向に動くことができないようにすることができる。前方駆動方向Ｖと反対方向に向けて、容器５は、ばね１０及び挿入体２によりハウジング１に支持されている。ばね１０は、コイルばねの形態にて提供され且つ、圧縮ばねとして作用する。装置の長手方向軸線Ｌは、ばね軸線も構成する。ばね１０は、容器５と挿入体２との間に自由に残った空間を架橋し且つ、容器５を前方駆動方向Ｖに向けてストッパ４に対して偏倚させる。一例として図示した実施の形態において、ばね１０は、容器５に直接支持されており、このため、一例として図示した実施の形態において、その端末面の基端に対して直接支持されている。ばね１０を支持するため、挿入体２は、前方駆動方向Ｖと反対方向を向いた肩面を形成し、該肩面から、ばね１０によって取り囲まれた平坦な基部が前方駆動方向Ｖに向けて突き出している。ばね１０は、基部によって挿入体２に、特に摩擦接触状態に接続され且つ、これにより挿入体２上に保持することができる。

そのばね軸線の長手方向軸線Ｌの方向に向けて、ばね１０は、ばね部分１１と、該ばね部分１１の２つの端末面端部における位置決め装置１３、１４とをそれぞれ有している。ばね部分１１は、単一のばね巻き線部を有するコイルばねを形成し、該単一のばね巻き線部は、１つの軸方向端部にて位置決め装置１３に合体し、また、反対側の軸方向端部にて位置決め装置１４に合体する。位置決め装置１３、１４は、各々平坦なリングの形態にて提供され、平坦な端面１３ａ、１４ａは、それらの軸方向端面にて長手方向軸線Ｌに対し直角に配備される。端面１３ａ、１４ａは、支持面を形成し、該支持面により、ばね１０は、接触圧力によってのみ容器５及び挿入体２に支持される。

ばね１０、すなわちばね部分１１及び位置決め装置１３、１４は、射出成形方法によりポリマー材料から単一片にて均一に成形される。ポリマー材料は、ＰＯＭであるが、１つの代替例として、例えば、ＰＡとしてもよい。

ばね１０は、中空の円筒状の形状をしており、また、その全長に亙って一定の直径を有する。その軸方向長さを亙って、ばね部分１１は、同様に完全に一定の内径を有する。ばね部分１１の肉厚は０．５ないし２ｍｍの範囲にある。位置決め装置１３、１４は同一である。それらの円筒状の内側断面は、ばね部分１１の円筒状の内側断面よりも小さい。従って、得られる支持面１３ａ、１４ａは、ばね部分１１よりも広い。

ばね部分１１は、実質的に３６０°だけ長手方向軸線Ｌの回りにて巻かれる。全体として、該ばね部分は、長手方向軸線Ｌの方向に測定したとき、幅Ｂを有する。該幅Ｂは、半径方向に測定したとき、厚さＤよりも実質的に広く、また、一例として図示した実施の形態において、幅Ｂは、ばね部分１１の厚さＤの約５倍である。

図２及び図３には、その最初の使用前におけるその最初の形状状態にあるばね１０が示されている。周方向に見たとき、ばね部分１１は、厚さＤにほぼ相応する幅だけ互いに軸方向に重なり合う両端を有している。周方向に測定したとき、両端間に自由に残る距離は、接続ウェブ１２によって架橋される。ばねの幅Ｂ及びピッチは、この軸方向への僅かな重なり合いが得られるように選ばれる。接続ウェブ１２は、ばねの巻き部分と同一のピッチを有し且つ、１つの軸方向端部にて位置決め装置１３に面するばねの巻き部分の端面を伸ばし且つ、それらのそれぞれの正接端部に対して反対の軸方向端部にて位置決め装置１４に面するばねの巻き部分の端面を伸ばす。ばねの巻き部分の両正接端は、軸方向に平行に伸びる。

圧力がばね１０に加わったとき、接続ウェブ１２は破断し、ばね部分の両正接端部は、互いに軸方向に押す程度が増す。しかし、両端の間に、常に、狭小な軸方向スリットが自由に残る。注射装置が、容器５が空となったならば処分される装置である場合、製造メーカは、容器５を挿入したときに生ずるカチッという雑音を容器が正確に挿入されたことを表わすインジケータとして使用する。その理由は、カチッという雑音の発生は、ばねがそのばね力によって容器５をストッパ４に対して押したことを保証するからである。装置が繰り返して再使用できるものであるならば、容器を交換する間、ばね１０も交換されたとき、同一のことが当て嵌まる。

特に図３から理解し得るように、ばね１０を容器５に対して押すための位置決め装置１４は、半径方向に拡大した支持面１４ａを構成する。このため、位置決め装置１４は、ばね力を容器５の基端側端縁にて均一に分配する基部の円板の機能を果たす。このことは、ばね１０が容器５の周縁に作用し且つ、挿入体２にて周方向に支持されることも保証する。このことは、僅かな傾動力をも阻止することになる。ばね部分１１の外面及び位置決め装置１３、１４の外面は、ばね１０がハウジング１の内面との狭小な滑り接触部を有し、また、ばねが内方に且つ外方に反発動作するとき、ハウジング１がばね１０を軸方向に案内するように選ばれる。

図４には、一例として図示した実施の形態において、同様に、ばね２０の第二の実施の形態を有する、注射ペンである注射装置の末端部分が示されている。同一の機能を果たす構成要素は、第一の実施例として示した実施の形態に対して使用したものと同一の参照番号で示されており、このため、これに関して掲げた説明を参照することができる。第二の実施の形態として図示した実施の形態のハウジングは、容器５を受容する末端のハウジング部分１と、好ましくは、軸方向に動くことができず且つ、回転も阻止されるようハウジング部分１と接続された基端部分３とを有している。ハウジング部分３は、投薬分計量供給機構の部材と、注射装置の駆動機構の部材とを支持している。

ばね２０は、同様に、容器５に対する補償ばねとして作用する。前方駆動方向Ｖに向けて、ばねは、容器５の基端に支持されている。前方駆動方向Ｖと反対方向に向けて、ばねは、支持面２３ａによりハウジングの基端部分３上に支持されている。ばね２０は、基端側位置決め装置２３と、末端側位置決め装置２４と、位置決め装置２３、２４の間に配備されたばね要素２１とを備えている。長手方向断面図にて、ばね要素２１は、前方駆動方向Ｖに向け且つ該方向の横方向に向けて交番的に伸びる幾つかの部分を有する蛇行形状をしている。その結果、そのばね作用を直列に接続された可撓性のアームのものと連結することのできるばねベローズとなる。その結果、補償ばね２０が得られ、該補償ばねにより、容器５は、前方駆動方向Ｖに向けて且つその反対方向に向けてハウジング１、３にて弾性的に支持される。ばね要素２１は、必ずしもそうしなければならない訳ではないが、長手方向軸線Ｌの回りに閉じたケーシングを形成することができる。

末端側位置決め装置２４は、容器５とルーズに接触している、すなわち、容器５との圧力接触状態のみが存在する。機能に関しては、位置決め装置２４は、第一の実施例として掲げた実施の形態に関して説明した位置決め装置１４に相応する。位置決め装置２３は、軸方向支持体として作用することにのみ限定されない、すなわち、末端方向を向いたその支持面２３ａによって、該位置決め装置は、止め機構２３ｂの機能も果たし、該止め機構２３ｂによりばね２０は、基端ハウジング部分３に対して掛け止めし又はスナップ嵌め接続状態に保持される。一例として図示した実施の形態において、位置決め装置２３の外面に形成された外方に突き出すカムは、止め機構２３ｂを構成する。従って、ハウジング部分３の相補的な拘束要素は、凹所であり、また、一例として図示した実施の形態において、ハウジング部分３の内面の凹所である。注射装置が組み立てた状態にあるとき、止め機構２３ｂを構成するカムは、ハウジング部分３の凹所内に掛け止めする。その結果、ばね２０は、一方にてハウジング部分３に保持され且つ、他方にて、ハウジング部分３に対して回転し得ないように配備される、すなわち、ばねは、回転が阻止されるよう保持される。

位置決め装置２３の領域内にて、ばね２１は、リンクの連結要素２３ｃを更に構成し、その相補的な連結要素は、前方駆動方向Ｖに向けてプランジャ７に作用するプランジャロッド８を構成する。ばね２１及びプランジャロッド８は、互いにスクリューリンクを形成する。連結要素２３ｃとして、ばね２１は、ねじ付きナットとして作用する。プランジャロッド８は、ねじ付きロッドを形成する相補的な要素のリンクである。プランジャロッド８が回転駆動されると、形成されるリンクは、前方駆動方向Ｖに向けて動く。

医薬容器用の支持体を提供する補償ばねとして機能するばねの第一の実施の形態を有する注射装置の末端部分を示す図である。 ばねの第一の図である。 ばねの第二の図である。 ばねの第二の実施の形態を有する注射装置の末端部分を示す図である。

符号の説明

１ ハウジング
２ 挿入体
３ 基端部分／ハウジング部分
４ ストッパ
５ 容器
７ 駆動要素／プランジャ
８ 駆動部材／プランジャロッド
１０ ばね
１１ ばね部分／ばね要素
１２ 接続ウェブ
１３、１４ 位置決め装置
１３ａ、１４ａ 端面／支持面
２０ ばね
２１ ばね要素／ばね
２３、２４ 位置決め装置
２３ａ、２４ａ 支持面
２３ｂ 止め機構
２３ｃ 連結要素／リンク

Claims (21)

1. 医学又は薬学的用途用の装置の補償ばね、支持ばね又は駆動ばねとして使用し得るよう提供され且つ、射出成形法によりプラスチックにて成形されたばね（１０；２０）。
2. 請求項１に記載のばねにおいて、ばね（１０；２０）は、プラスチックのみで出来ていることを特徴とする、ばね。
3. 請求項１又は２の何れかの項に記載のばねにおいて、ばね（２０）は、弾性的ベローズの形態にて提供されたばね要素（２１）を備えることを特徴とする、ばね。
4. 請求項１ないし３の何れか１つの項に記載のばねにおいて、ばね（１０）は、少なくとも１つのばね巻き部を有するコイルばねの形態にて提供されたばね要素（１１）を備えることを特徴とする、ばね。
5. 請求項４に記載のばねにおいて、緊張状態にあるとき、少なくとも１つのばね巻き部は、その間にスリットを形成する両端を有し、射出成形型内にて成形した後、ウェブ（１２）によりスリットを亙って互いに接続され、該ウェブ（１２）は、成形後、破断することを特徴とする、ばね。
6. 請求項４に記載のばねにおいて、ばね巻き部は、相互に対面する両端を有し、該端部を互いに接続し且つ、張力がばね（１０）に加えられたとき破断することのできる接続ウェブ（１２）を備えることを特徴とする、ばね。
7. 請求項１ないし６の何れか１つの項に記載のばねにおいて、ばね（１０；２０）は、ばね要素（１１；２１）と、射出成形型内にて共に成形され又は、射出成形型内にて互いに接続された位置決め装置（１３、１４；２３、２４）とを備え、該位置決め装置（１３、１４；２３、２４）は、張力によりばね要素（１１；２１）に圧力を加える手段として作用することを特徴とする、ばね。
8. 請求項７に記載のばねにおいて、ばね（１０；２０）の位置決め装置（１３、１４；２３、２４）は、ばねに対し張力を加えることのできる少なくとも１つの支持面（１３ａ、１４ａ；２３ａ、２４ａ）を形成することを特徴とする、ばね。
9. 請求項８に記載のばねにおいて、好ましくは、圧力を加えることにより張力をばねの軸線（Ｌ）に沿ってばね（１０；２０）に加えることができ、また、少なくとも１つの支持面（１３ａ、１４ａ；２３ａ、２４ａ）は、好ましくは、１８０°以上に亙って、全周の少なくとも主要部分を亙ってばねの軸線（Ｌ）の回りを伸びることを特徴とする、ばね。
10. 請求項１ないし９の何れか１つの項に記載のばねにおいて、ばね（２０）には、駆動装置の別の構成要素（８）とのリンクを形成すべく連結要素（２３ｃ）、好ましくは、ねじが設けられることを特徴とする、ばね。
11. 医学又は薬学用途用の装置において、
    ａ）第一の構成要素（１、２；１、３）と、
    ｂ）請求項１ないし１０の何れかの項に記載のばね（１０；２０）と、
    ｃ）ばね（１０；２０）により第一の構成要素（１、２；１、３）上に弾性的に支持された第二の構成要素（５）とを備える、医学又は薬学用途用の装置。
12. 請求項１１に記載の装置において、前記装置は、液体製剤を投与する装置又は体液の試料を吸引する装置であることを特徴とする、装置。
13. 請求項１２に記載の装置において、第二の構成要素（５）は、製剤又は体液の容器であり、ばね（１０、２０）は、容器（５）を第一の構成要素（１、２；１、３）により形成されたストッパ（４）に対して押すことを特徴とする、装置。
14. 請求項１ないし１３の何れか１つの項に記載の装置において、ばね（１０；２０）は、ばね要素（１１；２１）と、射出成形型にて共に成形され又は射出成形型内に互いに射出される位置決め装置（１３、１４；２３、２４）とを備え、位置決め装置（１３、１４；２３、２４）は、装置の構成要素（１、２、５；１、３、５）の少なくとも１つ又は別の構成要素にてばね要素（１１；２１）を平行移動可能に及び（又は）回転可能に固定することを特徴とする、装置。
15. 請求項１ないし１４の何れか１つの項に記載の装置において、第一の構成要素（１、２；１、３）は、第二の構成要素（５）を受容するハウジング（１；１、３）の一部分（１）であり又は該一部分（１）を備えることを特徴とする、装置。
16. 請求項１５に記載の装置において、第一の構成要素（１、２；１、３）、好ましくはハウジング（１；１、３）は、第二の構成要素（５）に対するストッパ（４）を形成し、また、挿入体（２）又は別のハウジング部分（３）を備え、該挿入体又は別のハウジング部分（３）にて、ばね（１０；２０）が支持され、また、該挿入体（２）又は別のハウジング部分（３）は、ばね（１０；２０）が作用する方向に向けて変位し得ないようにハウジング（１；１、３）の部分（１）に接続されることを特徴とする、装置。
17. 請求項１６に記載の装置において、第二の構成要素（５）及び挿入体（２）を受容するハウジング（１；１、３）の部分（１）又はその他のハウジング部分（３）は、第二の構成要素（５）を交換し得るよう互いに解放可能に接続されることを特徴とする、装置。
18. 請求項１４に記載の装置において、第二の構成要素（５）及び挿入体（２）を受容するハウジング（１；１、３）の部分（１）又はその他のハウジング部分（３）は、互いに解放不能に接続されるか又は最初に、単一片にて成形されることを特徴とする、装置。
19. 請求項１ないし１８の何れか１つの項に記載の装置において、ばね（２０）は、止め機構（２３ｂ）を有し、ばねは、該止め機構により、好ましくは、拘束接続部により、構成要素（１、３）の１つに保持されることを特徴とする、装置。
20. 請求項１ないし１９の何れか１つの項に記載の装置において、ばね（２０）及び駆動部材（８）又は装置の投薬分計量供給部材は、互いに協働してリンク（２３ｃ）、好ましくは、スクリューリンク又はスラストリンクを形成することを特徴とする、装置。
21. 請求項１ないし２０の何れか１つの項に記載の装置において、ばね（２０）は、該ばねの回転が阻止されるよう装置の構成要素（１、３）、好ましくは第一又は第二の構成要素に接続されることを特徴とする、装置。

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