JP2006328128A - コークス炉等のガス止めシール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】
製鉄所のコークス炉の炭化室等の扉部における作業性、充填性、ガスシール性が良好なガス止めシール材を開発することにある。
【解決手段】
コークス炉の炭化室等の扉2の金属炉枠3と外壁れんが4との間に隙間や亀裂が生じないようにするガス止めシール材1であって、れんが4の接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉と、金属炉枠3の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有するものである。フリット粉を3〜30重量%、リン酸塩を1〜10重量%、シリカ微粉を5〜20重量%、粘土を1〜10重量%、残りを耐火物の粒、粉とするのが好ましい。
【選択図】 図1
製鉄所のコークス炉の炭化室等の扉部における作業性、充填性、ガスシール性が良好なガス止めシール材を開発することにある。
【解決手段】
コークス炉の炭化室等の扉2の金属炉枠3と外壁れんが4との間に隙間や亀裂が生じないようにするガス止めシール材1であって、れんが4の接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉と、金属炉枠3の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有するものである。フリット粉を3〜30重量%、リン酸塩を1〜10重量%、シリカ微粉を5〜20重量%、粘土を1〜10重量%、残りを耐火物の粒、粉とするのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、製鉄所のコークス炉の炭化室等の扉部におけるガス止めシール材に関するものである。
製鉄所のコークス炉では、炭化室で石炭を蒸し焼きにしてコークスを製造している。炭化室の扉には鋳造金属の枠が取り付けられている。この炉枠は、4〜7mに達しており、操業中の炉熱サイクルにより炉枠が熱変形し、外壁れんがとの間に亀裂が入り、隙間ができる。この亀裂や隙間から蒸し焼き時の煙が洩れると、環境上問題となる。また、これらの亀裂や隙間から外気を吸い込んだりすると、炭化室や燃焼室の温度が下がり、操業に支障をきたす。
コークス炉の亀裂や隙間のガス止めシール材に求められる特性としては、次の1)〜3)があげられる。
1) 亀裂や隙間に充填されたものが、外壁れんがや炭化室枠金物に良好に接着し、数ヶ月以上剥がれないこと。
2) 垂直な壁の亀裂や隙間にシール材を詰め込んで、良好に塞ぐためには、鏝にのせて垂直にしても、だれ落ちない方がよく、水混練で容易に粘性のある状態(餅状)になること。
3) 内部が200〜700℃の亀裂や隙聞に良好に充填できるためには、200〜700℃での硬化時間が長い方がよいこと。
1) 亀裂や隙間に充填されたものが、外壁れんがや炭化室枠金物に良好に接着し、数ヶ月以上剥がれないこと。
2) 垂直な壁の亀裂や隙間にシール材を詰め込んで、良好に塞ぐためには、鏝にのせて垂直にしても、だれ落ちない方がよく、水混練で容易に粘性のある状態(餅状)になること。
3) 内部が200〜700℃の亀裂や隙聞に良好に充填できるためには、200〜700℃での硬化時間が長い方がよいこと。
従来技術として、アルミナセメントを使用したガス止めシール材が用いられていたが、これは上記の1)〜3)の条件を満たさなく、問題があった。
また、従来技術としての特公昭52−46910では、珪酸アルカリ水溶液に珪弗化物粉末とアルミナ等の耐火性粉を混合して、コークス炉等の側面れんが壁亀裂部からのガス漏れを防止するシール材として用いる技術が紹介されている。しかし、このような弗化物は、高温にさらされると弗素ガスが発生し、人体に有毒で有り、近年は製鉄所でも弗化物であるホタル石(CaF2 )を使用しない製鋼法が採用される傾向であり、珪弗化物粉末を用いるものは敬遠されている。
特公昭52−46910
また、従来技術としての特公昭52−46910では、珪酸アルカリ水溶液に珪弗化物粉末とアルミナ等の耐火性粉を混合して、コークス炉等の側面れんが壁亀裂部からのガス漏れを防止するシール材として用いる技術が紹介されている。しかし、このような弗化物は、高温にさらされると弗素ガスが発生し、人体に有毒で有り、近年は製鉄所でも弗化物であるホタル石(CaF2 )を使用しない製鋼法が採用される傾向であり、珪弗化物粉末を用いるものは敬遠されている。
本発明の解決しようとする課題は、製鉄所のコークス炉の炭化室等の扉部における亀裂や隙間に良好に充填できて、長時間維持できるガス止めシール材にある。
本発明は、上記したように点に鑑みたもので、上記した課題を解決するために、コークス炉の炭化室等の扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにするガス止めシール材であって、れんがの接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉と、金属炉枠の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有することを特徴とするコークス炉等のガス止めシール材を提供するにある。
また、フリット粉を3〜30重量%、リン酸塩を1〜10重量%、シリカ微粉を5〜20重量%、粘土を1〜10重量%、残りを耐火物の粒、粉とするのコークス炉等のガス止めシール材を提供するにある。
本発明は、れんがの接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉を含有するので、コークス炉の炭化室等の扉の外壁れんがに良好に接着するようにでき、また金属炉枠の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有するので、コークス炉の炭化室等の扉の金属炉枠にも容易に良好に接着するようにできるとともに鏝等にのせて亀裂や隙間に容易に充填できて、扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにシールできる。
また、フリット粉を3〜30重量%、リン酸塩を1〜10重量%、シリカ微粉を5〜20重量%、粘土を1〜10重量%、残りを耐火物の粒、粉とすることによって、上記のように有効に扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにシールできる。
本発明のコークス炉等のガス止めシール材は、コークス炉の炭化室等の扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにするガス止めシール材であって、れんがの接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉と、金属炉枠の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有することを特徴としている。
発明者らは、種々研究の結果、扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにシールするには、次のことが有効であることを発見し、本発明に至った。
1) 炭化室扉の金属枠と外壁れんがの両方に良好に接着することが要求され、金属枠にはリン酸成分が、れんがにはフリット、粘土、シリカ微粉が接着に有効であること。
2) 水混練で容易に粘性のある状態(餅状)になるには、リン酸塩と粘土を使用することが有効であること。
3) 内部の温度が200〜700℃の亀裂や隙間に鏝等で良好に充填できるようにするためには、200〜700℃における硬化時間が長い方がよいが、長すぎると接着強度が発現しなく、接着不良となる。これを満足するためには300℃における硬化時間が5〜30分であればよく、リン酸塩を硬化剤として使用するのがよいこと。
1) 炭化室扉の金属枠と外壁れんがの両方に良好に接着することが要求され、金属枠にはリン酸成分が、れんがにはフリット、粘土、シリカ微粉が接着に有効であること。
2) 水混練で容易に粘性のある状態(餅状)になるには、リン酸塩と粘土を使用することが有効であること。
3) 内部の温度が200〜700℃の亀裂や隙間に鏝等で良好に充填できるようにするためには、200〜700℃における硬化時間が長い方がよいが、長すぎると接着強度が発現しなく、接着不良となる。これを満足するためには300℃における硬化時間が5〜30分であればよく、リン酸塩を硬化剤として使用するのがよいこと。
炭化室扉の金属枠に良好に接着させるには、リン酸成分1〜10重量%が有効で、リン酸塩を1重量%以上使用することが必要である。リン酸塩を10重量%以上使用してもそれほど接着の効果は増大しない。リン酸塩としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等があげられる。
れんがへの接着には、リン酸塩も効果があるが、400℃以下の接着には粘土1〜10重量%が有効であり、1重量%以上使用することが必要である。粘土を10重量%以上使用しても、それほど接着の効果は増大しない。粘土としては、木節粘土、カオリン等があげられるが、ベントナイトでもよい。リン酸塩と粘土を併用すると、水混練で容易に粘性のある状態(餅状)になって有効である。
れんがへの接着で400〜600℃の接着には、低融点フリット3〜30重量%が有効であり、3重量%以上使用することが必要である。低融点フリットを30重量%以上使用してもそれほど接着の効果は増大しない。低融点フリットとしては、ホウケイ酸ガラス等が良く、融点は約600℃以下のものが好ましいが、この限りではない。
れんがへの接着で600℃以上の接着には、シリカ微粉5〜20重量%が有効であり、5重量%以上使用することが必要である。シリカ微粉を20重量%以上使用してもそれほど接着の効果は増大しない。
耐火物の粒や粉は、アルミナ、高アルミナ、シャモット、ジルコン、炭化珪素等が上げられるが、この限りではない。粒径としては、亀裂等に詰め込むため、1mm以下であることが好ましいが、1mm以上の亀裂または隙間に主として詰め込む場合が多いときには、この限りではない。
このようなガス止めシール材1をつくるには、これらを予定量配合して、水を加えてミキサー等で混練し、餅状の粘性にする。そして、扉2のガス止めのシールをするには、たとえばこれを目地用鏝にのせ、図1のコークス炉の扉2の金属炉枠3と外壁れんが4との間や亀裂等に詰め込む。300℃の雰囲気で硬化時間が5〜30分であると、亀裂の内部が200〜700℃でも、良好に充填できる。
表1に本発明の実施例と比較例を示す。図2にれんが4や鉄間の接着強度の測定方法を、図3にシール材に針を進入して硬度を測定するクラスト硬度計による硬化時間の測定方法を示す。
実施例では、いずれも水混練で容易に餅状の粘性となり、鏝の上に載せ、垂直にしてもだれ落ちることもなく、炉枠の大小の目地(幅Max.15mm)や、垂直な壁の亀裂にも容易にシール材を詰め込むことができた。
実施例では、いずれも水混練で容易に餅状の粘性となり、鏝の上に載せ、垂直にしてもだれ落ちることもなく、炉枠の大小の目地(幅Max.15mm)や、垂直な壁の亀裂にも容易にシール材を詰め込むことができた。
さらに、セメント等の硬化剤が入っていないので、可使時間は常温で約24時間あり、混練後の残った材料をシートで覆い水を蒸発しにくくするだけで、翌日使用することもできる。アルミナセメントを使用した比較例2)では餅状にならなく、砂状となり、鏝に載せ垂直にするとだれ落ちてしまい、垂直な壁の亀裂に充填しにくい。
また、実施例では300℃での硬化時間が5〜30分であり、実炉でも亀裂(内部温度200〜700℃)に良好に充填できた。比較例2では300℃での硬化時間が3分であり、実炉でも温度が比較的低い壁表面にしか充填できなく、亀裂や隙間の内部まで良好に充填できなかった。このため比較例2)では耐用が1ケ月以下であった。
また、実施例では接着強度が0.4MPa以上であり、接着力が強く、長期間シールできるが、比較例では接着力が弱く、長期間シールできない。これまで比較例2)が使用されていたA製鉄所コークス炉で実施例2)3)5)10)11)を使用した結果、表2に示すような結果となり、良好な耐用を示し、3ヶ月以上の使用ができた。このように本実施例のものでは、作業性、充填性、ガスシール性が良好なものである。
1…シール材 2…扉 3…金属炉枠 4…外壁れんが
Claims (2)
- コークス炉の炭化室等の扉の金属炉枠と外壁れんがとの間に隙間や亀裂が生じないようにするガス止めシール材であって、
れんがの接着に有効なフリット、粘土、シリカ微粉と、金属炉枠の接着に有効でかつ上記粘土との併用の水混練で所要の粘性状態が得られるリン酸塩を含有することを特徴とするコークス炉等のガス止めシール材。 - フリット粉を3〜30重量%、リン酸塩を1〜10重量%、シリカ微粉を5〜20重量%、粘土を1〜10重量%、残りを耐火物の粒、粉とする請求項1に記載のコークス炉等のガス止めシール材。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101760176B (zh) * | 2010-01-22 | 2011-02-16 | 侯永忠 | 利用粉煤灰制备的焦炉密封膏及其制备方法及其应用 |
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CN110759740A (zh) * | 2018-07-27 | 2020-02-07 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种焦炉保护板与炉门框之间腔体密封填充料 |
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2005
- 2005-05-24 JP JP2005150512A patent/JP2006328128A/ja active Pending
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