JP2006327133A - 熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置 - Google Patents
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Abstract
【技術課題】 キャビティ内に樹脂を充填した後に、二酸化炭素を樹脂のスキン層と金型キャビティの間に注入し転写性を向上させる射出成形方法では、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填されると直ぐスキン層が形成され固化状態が進むため、二酸化炭素を瞬時に、そして均一の圧力で注入する必要があるが、従来の二酸化炭素注入装置では、それら両方を満たすものが無かった。
【解決手段】希望する圧力よりも高い圧力の高圧ガス回路6a、及び希望する圧力の定常圧ガス回路13aとの2回路を備え、第1段階として高圧力の二酸化炭素を注入し希望する圧力に到達した瞬時に第2段階として希望する圧力に切り替えることにより、樹脂のスキン層と金型キャビティ11間に二酸化炭素を瞬時に、そして均一の圧力で注入する。この結果、転写性と光沢性に優れた成形品を短い成形サイクルで得ることができる。
【選択図】 図 1
【解決手段】希望する圧力よりも高い圧力の高圧ガス回路6a、及び希望する圧力の定常圧ガス回路13aとの2回路を備え、第1段階として高圧力の二酸化炭素を注入し希望する圧力に到達した瞬時に第2段階として希望する圧力に切り替えることにより、樹脂のスキン層と金型キャビティ11間に二酸化炭素を瞬時に、そして均一の圧力で注入する。この結果、転写性と光沢性に優れた成形品を短い成形サイクルで得ることができる。
【選択図】 図 1
Description
本発明は、転写性と光沢性を高めるために、キャビティ内において成形樹脂表面に二酸化炭素を溶解させて射出成形を行う射出成形方法に用いる二酸化炭素注入装置に関するものである。
一般的に、射出成形は、溶融した樹脂を金型キャビティ内に充填したのち、金型内で冷却し、溶融樹脂を固化させて成形品を得るものであるが、この射出成形において、金型は樹脂を充填する前に、樹脂の固化温度よりも低い温度に保たれるため、溶融樹脂がキャビティに充填された瞬間から、樹脂の固化は進行し、いわゆるスキン層と称される固化途上の層が表面に形成される。特に溶融樹脂の流動先端は、ファンテンフローにより成形品の表面に転写されるが、この部分においても、固化は進行し、低い圧力でキャビティ面に押し付けられるため、転写不良や、樹脂の固化が進行したことによる流れムラ、ジェッティング等の成形不良が発生する。このため、従来技術では、樹脂の溶融温度、金型温度等を高く設定し、樹脂の固化を抑制することにより、キャビティへの転写を向上させる方法がとられている。
しかし、この方法では、キャビティへの転写性は向上するものの、樹脂の固化による収縮不均一によって、成形品にヒケやそりが発生しやすく、樹脂の充填圧や保圧の制御が困難になるという問題が発生する。また、成形サイクルが長くなることから、生産性が低下して成形品コストが高くなるという問題も発生する。
しかし、この方法では、キャビティへの転写性は向上するものの、樹脂の固化による収縮不均一によって、成形品にヒケやそりが発生しやすく、樹脂の充填圧や保圧の制御が困難になるという問題が発生する。また、成形サイクルが長くなることから、生産性が低下して成形品コストが高くなるという問題も発生する。
以上のごとき問題点を解決する方法として、本出願人は、特開2002−52583号公報に掲載されている転写性と光沢性に優れた製品を成形するための射出成形方法を提供した。
この内容は、キャビティ内に一旦樹脂を充填した直後、スキン層と金型キャビティの間に二酸化炭素を注入してスキン層を後退させることにより、キャビティとスキン層間に空隙を形成してスキン層の成長を止め、併せてスキン層内に注入した二酸化炭素をスキン層に溶解させて、スキン層を軟化させ、次に樹脂圧を高めてスキン層を再度キャビティ面に密着させ、保圧をかけながら冷却して固化させることにより、転写性と光沢性に優れた成形品を得る二酸化炭素を用いた射出成形方法である。
特開2002−52583号公報
この内容は、キャビティ内に一旦樹脂を充填した直後、スキン層と金型キャビティの間に二酸化炭素を注入してスキン層を後退させることにより、キャビティとスキン層間に空隙を形成してスキン層の成長を止め、併せてスキン層内に注入した二酸化炭素をスキン層に溶解させて、スキン層を軟化させ、次に樹脂圧を高めてスキン層を再度キャビティ面に密着させ、保圧をかけながら冷却して固化させることにより、転写性と光沢性に優れた成形品を得る二酸化炭素を用いた射出成形方法である。
その後、本出願人は、成形品のスキン層とキャビティ間に超臨界状態の二酸化炭素(以下「二酸化炭素」と称する)を注入する射出成形方法について研究を重ねた結果、実用性に富んだ二酸化炭素注入装置を完成するに至ったので、ここに提案するものである。
射出成形において、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填されると、直ぐにスキン層が形成され、さらにスキン層が成長し、固化状態へと進行して行くことから、スキン層と金型キャビティ面に二酸化炭素を注入した時、スキン層と金型キャビティ面との間の空隙形成時間が場所により異なってしまうと、空隙形成時間が遅い場所の樹脂温度は金型に熱を奪われて他の部分より低くなり、その結果スキン層の成長が進み、この部分においては他の部分よりもスキン層が厚くなるため、この部分は再度金型キャビティ面に押し付けても転写率が悪くなると共に、さらには、溶融樹脂がキャビティ面に密着して部分的に空隙が消失してしまい、二酸化炭素の注入が不可能になる場合がある。
また、二酸化炭素を注入する際に、金型キャビティ内の溶融樹脂には射出成形機からの保圧がかかっているため、注入する二酸化炭素の圧力は瞬間的に高圧力を必要とする。
また、二酸化炭素を注入する際に、金型キャビティ内の溶融樹脂には射出成形機からの保圧がかかっているため、注入する二酸化炭素の圧力は瞬間的に高圧力を必要とする。
本願発明は、かかる点に鑑みて提案されるものであって、その目的は、二酸化炭素を金型キャビティとスキン層間に瞬時に、そして目的とする樹脂面全域に均一に注入して転写性と光沢性に優れた成形品を得ることができる熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明においては、キャビティ内に樹脂を充填後から型開きまでの工程中に、超臨界状態の二酸化炭素を樹脂のスキン層と金型キャビティの間に注入することにより、転写性及び光沢性を向上させる射出成形方法に用いる二酸化炭素注入装置において、希望する圧力よりも高い圧力の高圧ガス回路、及び希望する圧力の定常圧ガス回路との2回路を備え、第1段階として、前記高圧ガス回路から高圧力の二酸化炭素をキャビティ内に注入して希望する圧力に到達させたのち、瞬時に第2段階として希望する圧力を供給する定常圧ガス回路に切り替えることにより、樹脂のスキン層と金型キャビティ間に希望する圧力の二酸化炭素を迅速に注入することができるように構成したことを特徴とするものである。
二酸化炭素注入装置には、高圧ガス回路及び希望する圧力である定常圧ガス回路を個別に備えているため、この回路を選ぶことにより瞬時に注入ガス圧力を変えることができる。したがって、第1段階として高圧ガス回路から二酸化炭素を供給し圧力測定場所の圧力が設定値に達した瞬時に第2段階として高圧ガス回路を閉鎖し、定常圧ガス回路から二酸化炭素を供給することにより、特に複雑なキャビティ内において、隅々まで均一に二酸化炭素の注入が可能になる。
さらに、請求項2記載の発明においては、請求項1に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、前記高圧ガス回路は、二酸化炭素昇圧器とキャビティ内に二酸化炭素を注入するガス注入回路間において、高圧側圧力調整弁とそれに続く高圧側蓄圧容器及び高圧側開閉弁からなり、一方の定常圧ガス回路は、前記高圧側蓄圧容器と高圧側開閉弁間から分岐され、定常圧側圧力調整弁とそれに続く定常圧側蓄圧容器及び定常圧側開閉弁を経由して前記ガス注入回路に接続されていて、高圧ガス回路から前記ガス注入回路を経由して高圧の二酸化炭素が注入されるときは、前記定常圧側開閉弁を閉じて定常圧ガス回路側に高圧ガスが逆流するのを阻止し、希望する圧力の二酸化炭素を供給する際は、制御コントローラにより定常圧側開閉弁を開放し、高圧側開閉弁を閉鎖すること特徴とするものである。
各ガス回路には圧力調整弁をそれぞれ設け、高圧ガス回路は、設定圧より高い圧力に調整し、定常圧ガス回路は、希望する圧力に調整する。そして、各々のガス回路には開閉弁を接続して制御コントローラにより開閉弁の開閉を制御し、回路の断続を行う。定常圧ガス回路において、ガス注入回路との接続部の直近には逆止弁を接続した後、2つのガス回路は接続される。
また、二酸化炭素注入装置において、高圧ガス回路と定常圧ガス回路には、圧力調整弁と開閉弁の間にそれぞれ蓄圧容器を設け、圧力が調整された二酸化炭素を各々の蓄圧容器へ蓄積した結果、安定した圧力である二酸化炭素の注入を可能にする。
また、圧力調整弁で圧力調整された二酸化炭素は、蓄圧容器にそれぞれ一旦蓄積し、開閉弁を開いて二酸化炭素をキャビティ内に供給するため、他のガス回路への影響を防ぐことができる。
また、圧力調整弁で圧力調整された二酸化炭素は、蓄圧容器にそれぞれ一旦蓄積し、開閉弁を開いて二酸化炭素をキャビティ内に供給するため、他のガス回路への影響を防ぐことができる。
さらに請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、定常圧側開閉弁の下流側に逆止弁を取り付けておき、高圧力の二酸化炭素注入時には、この逆止弁の作用で定常圧ガス回路内に高圧の二酸化炭素が逆流するのを阻止するように構成したことを特徴とするものである。
この様に、逆止弁を取り付けることにより、両ガス回路の開閉弁を開いたとき、逆止弁は圧力の差により閉鎖されて定常圧ガス回路側に高圧ガスが逆流するのが阻止される。したがって、高圧の二酸化炭素が優先されて金型へ供給される。高圧ガス回路の開閉弁を閉じると逆止弁への逆圧力が無くなるので、希望圧力の二酸化炭素が定常圧ガス回路を経由して金型へ供給される。この様に圧力の差で切り替えができるので、切り替えは瞬時となる。
この様に、逆止弁を取り付けることにより、両ガス回路の開閉弁を開いたとき、逆止弁は圧力の差により閉鎖されて定常圧ガス回路側に高圧ガスが逆流するのが阻止される。したがって、高圧の二酸化炭素が優先されて金型へ供給される。高圧ガス回路の開閉弁を閉じると逆止弁への逆圧力が無くなるので、希望圧力の二酸化炭素が定常圧ガス回路を経由して金型へ供給される。この様に圧力の差で切り替えができるので、切り替えは瞬時となる。
さらに、請求項4記載の発明においては、請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、前記二酸化炭素注入装置の要所には、超臨界状態を保つ様に温度調節手段が設けられていることを特徴とするものである。
二酸化炭素の超臨界状態を保つため、圧力と共に温度を適切な温度に管理する必要がある。超臨界状態の二酸化炭素は温度が低くなると液体に変化する特性があるので、二酸化炭素注入装置の要所には、例えばヒータのような温度調節手段を組み込むことが有効である。この温度としては、35℃から100℃内の一定温度に制御することが望ましい。また、配管には断熱材を被覆したりすることも有効である。
二酸化炭素の超臨界状態を保つため、圧力と共に温度を適切な温度に管理する必要がある。超臨界状態の二酸化炭素は温度が低くなると液体に変化する特性があるので、二酸化炭素注入装置の要所には、例えばヒータのような温度調節手段を組み込むことが有効である。この温度としては、35℃から100℃内の一定温度に制御することが望ましい。また、配管には断熱材を被覆したりすることも有効である。
さらに、請求項5記載の発明においては、請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、前記ガス注入回路又は、金型内に設置されたガス圧力センサーで検出される圧力値を基準にして行うことを特徴とするものである。
この発明によると、第1段目として高圧の二酸化炭素を供給し、測定場所の圧力が希望する圧力に達した時、第2段階に移行して高圧ガス回路を閉じ、定常圧側ガス回路を開放するタイミングがあるが、そのタイミングを検知する方法として、二酸化炭素の流路及び金型内にガス圧力センサーを組み込み、その信号を制御コントローラへ送り込んで開閉弁の動作を制御することができる。この方法によると、実際に二酸化炭素の圧力を測定しているため精度の高い制御ができる。
この発明によると、第1段目として高圧の二酸化炭素を供給し、測定場所の圧力が希望する圧力に達した時、第2段階に移行して高圧ガス回路を閉じ、定常圧側ガス回路を開放するタイミングがあるが、そのタイミングを検知する方法として、二酸化炭素の流路及び金型内にガス圧力センサーを組み込み、その信号を制御コントローラへ送り込んで開閉弁の動作を制御することができる。この方法によると、実際に二酸化炭素の圧力を測定しているため精度の高い制御ができる。
さらに、請求項6記載の発明においては、請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、二酸化炭素の注入開始動作からの時間で行うことを特徴とするものである。
センサーによる制御は、それに伴う配線等が必要になり手間がかかる場合がある。したがって、制御コントローラへタイマーを設け、予め二酸化炭素の注入開始動作からの時間を設定しておくことにより、開閉弁の動作を制御することができる。この方法によると、
センサーを組み込むことがないので、制御が簡単となり、容易に二酸化炭素注入装置を用いることができる。
センサーによる制御は、それに伴う配線等が必要になり手間がかかる場合がある。したがって、制御コントローラへタイマーを設け、予め二酸化炭素の注入開始動作からの時間を設定しておくことにより、開閉弁の動作を制御することができる。この方法によると、
センサーを組み込むことがないので、制御が簡単となり、容易に二酸化炭素注入装置を用いることができる。
さらに、請求項7記載の発明においては、請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置において、前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、金型キャビティ内の樹脂圧力センサーで検出される圧力値を基準にして行うことを特徴とするものである。
この方法によると、樹脂表面の二酸化炭素圧力を正確に検知し、目標圧力による二酸化炭素注入に切り替える事ができる。
この方法によると、樹脂表面の二酸化炭素圧力を正確に検知し、目標圧力による二酸化炭素注入に切り替える事ができる。
[作用]
本発明の二酸化炭素注入装置は、高圧ガス回路と定常圧ガス回路の2系統を備え、まず、第1段階として高圧ガス回路から高圧の二酸化炭素を金型キャビティへ供給する。次に希望する圧力に達したら高圧ガス回路を閉鎖し、定常圧ガス回路より希望圧力に調整された二酸化炭素を供給することができる。したがって、まず高圧の二酸化炭素で金型キャビティとスキン層間を一気に剥離させた後、その空隙に希望する圧力の二酸化炭素を注入することにより、均一にスキン層へ二酸化炭素を浸透させ、再度金型キャビティへ押し付けることにより高転写され、光沢性に優れた成形品を得ることができる。特に、この高圧の二酸化炭素の注入により、複雑な構造のキャビティであっても、隅々まで、一瞬に空隙が出来るため、二酸化炭素を複雑なスキン面に対しても均一に溶解させることができる。
本発明の二酸化炭素注入装置は、高圧ガス回路と定常圧ガス回路の2系統を備え、まず、第1段階として高圧ガス回路から高圧の二酸化炭素を金型キャビティへ供給する。次に希望する圧力に達したら高圧ガス回路を閉鎖し、定常圧ガス回路より希望圧力に調整された二酸化炭素を供給することができる。したがって、まず高圧の二酸化炭素で金型キャビティとスキン層間を一気に剥離させた後、その空隙に希望する圧力の二酸化炭素を注入することにより、均一にスキン層へ二酸化炭素を浸透させ、再度金型キャビティへ押し付けることにより高転写され、光沢性に優れた成形品を得ることができる。特に、この高圧の二酸化炭素の注入により、複雑な構造のキャビティであっても、隅々まで、一瞬に空隙が出来るため、二酸化炭素を複雑なスキン面に対しても均一に溶解させることができる。
本発明の二酸化炭素注入装置は、高圧の二酸化炭素をまず供給し、瞬時に希望する圧力の二酸化炭素を供給することができる機能を有しているため、次の様な効果を奏する。
1.目標とする圧力よりも高い圧力で1段目の二酸化炭素注入を行い、配管内、又は、金 型内の二酸化炭素圧力がガス圧力スイッチの設定圧力に達した瞬間に目標とする圧力に よる二酸化炭素注入に切り替える動作を行うことで、目標とする圧力のみで二酸化炭素 の注入を行う従来装置と比較し、短い時間で配管内、又は、金型内の二酸化炭素圧力を 目標値に到達させる事ができる。この場合、目標圧力までの昇圧速度は、1段目の設定 圧力が高いほど速くなる。これにより、従来装置と同じ注入時間で設定した場合、従来 装置よりも目標圧力まで到達する時間が短いため、一定の目標圧力で二酸化炭素が樹脂 表面に溶解する時間が長くなり、従来装置で成形した場合よりも、製品の転写性が向上 し、かつ、製品の転写不良が発生しにくくなる(請求項1〜7)。
2.定常圧ガス回路に逆止弁を取り付けた場合、定常圧側開閉弁は開いたままで高圧側ガ ス回路から高圧ガスの注入ができるため、制御が簡単になる(請求項3)。
3.二酸化炭素注入装置には、温度調節手段を設けたことにより、二酸化炭素を超臨界状 態に保ち、安定した状態の二酸化炭素の注入が可能になる(請求項4)。
4.1段目の高い圧力による二酸化炭素注入から、目標圧力による二酸化炭素注入の切り 替えを、ガス圧力センサーの作用により自動で行い、それ以外の時間設定は従来装置と 同じ方法で行う事が出来るため、条件設定がしやすいメリットがある(請求項5)。
5.制御コントローラのタイマーで時間制御するため装置が簡単であり、圧力センサーの バラツキの影響を受けないために、さらに、製品の不良が発生しにくくなる(請求項6 )。
6.金型の樹脂圧力スイッチを用いることで、樹脂表面の二酸化炭素圧力を正確に検知し 、目標圧力による二酸化炭素注入に切り替える事ができる(請求項7)。
7.先ず、高圧の二酸化炭素の注入により、複雑なスキン層(製品)の場合でも、全体に 、均一に空隙を形成することができるため、二酸化炭素の溶解を隅々まで均一化して複 雑な成形品の場合でも転写性と光沢性に優れた射出成形が可能である(請求項1〜7) 。
1.目標とする圧力よりも高い圧力で1段目の二酸化炭素注入を行い、配管内、又は、金 型内の二酸化炭素圧力がガス圧力スイッチの設定圧力に達した瞬間に目標とする圧力に よる二酸化炭素注入に切り替える動作を行うことで、目標とする圧力のみで二酸化炭素 の注入を行う従来装置と比較し、短い時間で配管内、又は、金型内の二酸化炭素圧力を 目標値に到達させる事ができる。この場合、目標圧力までの昇圧速度は、1段目の設定 圧力が高いほど速くなる。これにより、従来装置と同じ注入時間で設定した場合、従来 装置よりも目標圧力まで到達する時間が短いため、一定の目標圧力で二酸化炭素が樹脂 表面に溶解する時間が長くなり、従来装置で成形した場合よりも、製品の転写性が向上 し、かつ、製品の転写不良が発生しにくくなる(請求項1〜7)。
2.定常圧ガス回路に逆止弁を取り付けた場合、定常圧側開閉弁は開いたままで高圧側ガ ス回路から高圧ガスの注入ができるため、制御が簡単になる(請求項3)。
3.二酸化炭素注入装置には、温度調節手段を設けたことにより、二酸化炭素を超臨界状 態に保ち、安定した状態の二酸化炭素の注入が可能になる(請求項4)。
4.1段目の高い圧力による二酸化炭素注入から、目標圧力による二酸化炭素注入の切り 替えを、ガス圧力センサーの作用により自動で行い、それ以外の時間設定は従来装置と 同じ方法で行う事が出来るため、条件設定がしやすいメリットがある(請求項5)。
5.制御コントローラのタイマーで時間制御するため装置が簡単であり、圧力センサーの バラツキの影響を受けないために、さらに、製品の不良が発生しにくくなる(請求項6 )。
6.金型の樹脂圧力スイッチを用いることで、樹脂表面の二酸化炭素圧力を正確に検知し 、目標圧力による二酸化炭素注入に切り替える事ができる(請求項7)。
7.先ず、高圧の二酸化炭素の注入により、複雑なスキン層(製品)の場合でも、全体に 、均一に空隙を形成することができるため、二酸化炭素の溶解を隅々まで均一化して複 雑な成形品の場合でも転写性と光沢性に優れた射出成形が可能である(請求項1〜7) 。
本発明の二酸化炭素注入装置は、二酸化炭素の高圧及び希望圧力を瞬時に切り替えられるため、二酸化炭素効果による向上した転写性と光沢性が得られる。
次に、本発明の実施形態を各図に基づいて詳細に説明する。
次に、本発明の実施形態を各図に基づいて詳細に説明する。
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5に対応した実施例を説明する。
図1は本実施例における概略図である。Aは二酸化炭素注入装置、Bは内部にキャビティ11を形成した射出成形用金型、1は二酸化炭素ボンベ、2は二酸化炭素ボンベ1と二酸化炭素注入装置A間の仕切り弁、10は各センサーからの信号を受けたり、内部タイマーなどにより二酸化炭素注入ユニット内の各開閉弁を制御するための制御コントローラである。
二酸化炭素注入装置Aは、本実施例ではケーシング5a内に収納された二酸化炭素昇圧ユニット5とケーシング9a内に収納された二酸化炭素注入ユニット9とを別ユニットとしているが、各ユニットを共通のケーシング内に収納してもよい。
各ユニットについて説明すると、二酸化炭素昇圧ユニット5の構成は、超臨界状態の二酸化炭素を得るため二酸化炭素ボンベ1から供給された二酸化炭素の圧力を昇圧する二酸化炭素圧縮機3と、更にこの圧縮機3から二酸化炭素注入ユニット9に至る配管5bに取り付けられた高圧側圧力調整弁4から成る。
図1は本実施例における概略図である。Aは二酸化炭素注入装置、Bは内部にキャビティ11を形成した射出成形用金型、1は二酸化炭素ボンベ、2は二酸化炭素ボンベ1と二酸化炭素注入装置A間の仕切り弁、10は各センサーからの信号を受けたり、内部タイマーなどにより二酸化炭素注入ユニット内の各開閉弁を制御するための制御コントローラである。
二酸化炭素注入装置Aは、本実施例ではケーシング5a内に収納された二酸化炭素昇圧ユニット5とケーシング9a内に収納された二酸化炭素注入ユニット9とを別ユニットとしているが、各ユニットを共通のケーシング内に収納してもよい。
各ユニットについて説明すると、二酸化炭素昇圧ユニット5の構成は、超臨界状態の二酸化炭素を得るため二酸化炭素ボンベ1から供給された二酸化炭素の圧力を昇圧する二酸化炭素圧縮機3と、更にこの圧縮機3から二酸化炭素注入ユニット9に至る配管5bに取り付けられた高圧側圧力調整弁4から成る。
また、二酸化炭素注入ユニット9の構成は、前記配管5bが結ばれた高圧の二酸化炭素を蓄積するための高圧側蓄圧容器6と、この高圧側蓄圧容器6から金型Bのキャビティ11内に二酸化炭素を注入する注入ガス回路11aを結ぶ高圧ガス回路6aと、この回路6aに取り付けられた高圧側開閉弁7から成る。更に、高圧ガス回路6aから分岐された定常圧ガス回路13aと、この回路13aに取り付けられた定常圧側調整弁12と定常圧側蓄圧容器13と、定常圧側開閉弁14と、逆止弁15とを有し、この定常圧ガス回路13aは、逆止弁15の先で注入ガス回路11aに結ばれている。また、注入ガス回路11aには、成形工程が完了して金型Bが開く前に二酸化炭素を排出するためのガス排出ライン8aとこのライン8aに取り付けられた排出弁8が設けられている。19は、二酸化炭素昇圧ユニット5のケーシング5a及び二酸化炭素注入ユニット9のケーシング9a内の温度を制御するためのヒータであって、ユニット5及び9内の温度を約60℃に保つようにこのヒータ19は制御される。
なお、ユニット5及び9の温調については、前記のようにケーシング5a、9a内にヒータ19を設ける方式以外に、各部品へヒータを組み込んで温調を行うことも可能である。また、本実施例では、二酸化炭素昇圧ユニット5内部と二酸化炭素注入ユニット9内部の両方をヒータ19で温度制御したが、二酸化炭素注入ユニット9側のみの温度制御でもよい。温度としては、35℃から100℃内の一定温度に制御することが望ましい。
次に、図2に制御コントローラ10のシーケンス、及び各開閉弁7、8、14の動作を示す。各開閉弁7、8、14は成形機(図示せず)からの開始信号を受ける前は全て閉じた状態にある。成形機からの開始信号を受けてから、遅延時間T1経過後に開閉弁7と14が同時に開き、背圧力センサー16が希望圧力値到達を検知すると制御コントローラ10から高圧ガス回路5bの開閉弁7へ閉鎖信号が出力されて開閉弁7は閉鎖する。また、定常圧ガス回路13aの開閉弁14は二酸化炭素注入時間T2経過後閉じる。二酸化炭素注入時間T2経過後、二酸化炭素保持時間T3が経過するまで、各開閉弁7、8、14が閉じた状態で保持され、その後、二酸化炭素排出時間T4が経過するまで排出弁8が開く。
なお、本発明の実施例では、成形機からの開始信号として、射出開始信号を用いたが、スクリュー位置到達信号、射出保圧切り替え信号、射出圧力到達信号等の、成形機の型締め完了から、型開き開始までの間に出力されるあらゆる信号を用いる事が出来る。
なお、本発明の実施例では、成形機からの開始信号として、射出開始信号を用いたが、スクリュー位置到達信号、射出保圧切り替え信号、射出圧力到達信号等の、成形機の型締め完了から、型開き開始までの間に出力されるあらゆる信号を用いる事が出来る。
二酸化炭素注入装置の使用方法について説明する。
二酸化炭素ボンベ1の二酸化炭素は仕切り弁2を通り二酸化炭素昇圧ユニット5へ供給される。二酸化炭素昇圧ユニット5内では二酸化炭素圧縮機3で昇圧され、高圧側圧力調整弁4により高圧側二酸化炭素設定圧力まで減圧される。次に、二酸化炭素注入ユニット9へ供給された二酸化炭素は、温度一定に制御された高圧側蓄圧容器6に蓄圧され、分岐した定常圧ガス回路13aを通り、高圧ガスは閉じた状態の開閉弁7で一旦止まる。一方、定常圧ガス回路13a側は、定常圧側調整弁12により定常側二酸化炭素設定圧力までさらに減圧され、温度一定に制御された定常圧側蓄圧容器13に蓄圧され、閉じた状態の開閉弁14で一旦止まる。なお、開閉弁7、14が開く前は、開閉弁7から射出成形用金型Bまでの配管、及び、射出成形用金型Bの空間内は大気圧である。
二酸化炭素ボンベ1の二酸化炭素は仕切り弁2を通り二酸化炭素昇圧ユニット5へ供給される。二酸化炭素昇圧ユニット5内では二酸化炭素圧縮機3で昇圧され、高圧側圧力調整弁4により高圧側二酸化炭素設定圧力まで減圧される。次に、二酸化炭素注入ユニット9へ供給された二酸化炭素は、温度一定に制御された高圧側蓄圧容器6に蓄圧され、分岐した定常圧ガス回路13aを通り、高圧ガスは閉じた状態の開閉弁7で一旦止まる。一方、定常圧ガス回路13a側は、定常圧側調整弁12により定常側二酸化炭素設定圧力までさらに減圧され、温度一定に制御された定常圧側蓄圧容器13に蓄圧され、閉じた状態の開閉弁14で一旦止まる。なお、開閉弁7、14が開く前は、開閉弁7から射出成形用金型Bまでの配管、及び、射出成形用金型Bの空間内は大気圧である。
次に、成形機からの開始信号を受け、二酸化炭素注入遅延時間T1経過後に、高圧側開閉弁7と定常圧側開閉弁14が同時に開く。これにより、高圧側蓄圧容器6に蓄圧された高圧設定の二酸化炭素がガス注入配管11aを通りキャビティ11内に注入される。この時、逆止弁15は圧力差により閉鎖されるため、低圧設定の二酸化炭素は逆止弁15の手前で止まり金型には到達しない。
開閉弁7、14が開いた瞬間から、高圧設定の二酸化炭素が入るため、圧力センサー16の圧力値が急激に増加する。圧力センサー16からの信号が希望圧力に到達すると、制御コントローラ10からの信号で開閉弁7が閉じ、高圧設定の二酸化炭素がキャビティ11に供給されなくなり、希望圧力設定の二酸化炭素が定常圧側蓄圧容器13から逆止弁15を通過してキャビティ11内に供給される。
開閉弁7、14が開いた瞬間から、高圧設定の二酸化炭素が入るため、圧力センサー16の圧力値が急激に増加する。圧力センサー16からの信号が希望圧力に到達すると、制御コントローラ10からの信号で開閉弁7が閉じ、高圧設定の二酸化炭素がキャビティ11に供給されなくなり、希望圧力設定の二酸化炭素が定常圧側蓄圧容器13から逆止弁15を通過してキャビティ11内に供給される。
二酸化炭素供給時間T2経過後、開閉弁14が閉じ、二酸化炭素保持時間T3の間、開閉弁7、14、射出成形用金型Bまでの配管内、及び、射出成形用金型Bのキャビティ11内の圧力が低圧設定の二酸化炭素圧力で保持される。
二酸化炭素保持時間T3経過後、二酸化炭素排気時間T4の間、排出弁8が開き開閉弁7、14、キャビティ11までの配管内、及び、射出成形用金型Bのキャビティ11内に注入された二酸化炭素が外部へ開放される。
二酸化炭素排気時間T4経過後、排気弁8が閉じ1サイクルを完了する。なお、図1中の高圧側蓄圧容器6及び、定常圧側蓄圧容器13は、大きな製品を成形する金型Bの場合、容量は大きいほうが望ましいが、反対に小さな製品の金型Bの場合は、高圧側及び定常圧側ともにその蓄圧容器6、13を小さくする事ができる。開閉弁7、14から射出成形用金型Bまでの配管内の容積と、樹脂充填後に樹脂のスキン層と金型キャビティの間に入る二酸化炭素の容積の和が、定常側圧力調整弁12から開閉弁14までの配管内の容積と比較し、同程度、又は、少ない場合、定常側蓄圧容器13を省略し、その部分を配管に置き換える事ができる。さらに、開閉弁7、14から射出成形用金型Bまでの配管内の容積と、樹脂充填後に樹脂のスキン層と金型キャビティの間に入る二酸化炭素の容積の和が、高圧側圧力調整弁4から開閉弁7、14までの配管内の容量と比較し、著しく少ない場合、高圧側蓄圧容器6を省略し、その部分を配管に置き換える事が出来る。
二酸化炭素保持時間T3経過後、二酸化炭素排気時間T4の間、排出弁8が開き開閉弁7、14、キャビティ11までの配管内、及び、射出成形用金型Bのキャビティ11内に注入された二酸化炭素が外部へ開放される。
二酸化炭素排気時間T4経過後、排気弁8が閉じ1サイクルを完了する。なお、図1中の高圧側蓄圧容器6及び、定常圧側蓄圧容器13は、大きな製品を成形する金型Bの場合、容量は大きいほうが望ましいが、反対に小さな製品の金型Bの場合は、高圧側及び定常圧側ともにその蓄圧容器6、13を小さくする事ができる。開閉弁7、14から射出成形用金型Bまでの配管内の容積と、樹脂充填後に樹脂のスキン層と金型キャビティの間に入る二酸化炭素の容積の和が、定常側圧力調整弁12から開閉弁14までの配管内の容積と比較し、同程度、又は、少ない場合、定常側蓄圧容器13を省略し、その部分を配管に置き換える事ができる。さらに、開閉弁7、14から射出成形用金型Bまでの配管内の容積と、樹脂充填後に樹脂のスキン層と金型キャビティの間に入る二酸化炭素の容積の和が、高圧側圧力調整弁4から開閉弁7、14までの配管内の容量と比較し、著しく少ない場合、高圧側蓄圧容器6を省略し、その部分を配管に置き換える事が出来る。
上記二酸化炭素注入装置Aを用いて行った射出で成形品の例を図10に示す。樹脂材料はPPE/PS(GEポリマーランドジャパン株式会社:PX1007)を用いた。成形品の形状は、長さ148mm、幅210mm、高さ15mm、肉厚2mmの箱形状である。
また、二酸化炭素の注入圧力を1段目は19MPa、希望するガス圧力である2段目は10MPa、制御コントローラ10へは二酸化炭素供給時間T2は1sec、高圧側開閉弁7が閉じるガス圧力スイッチ16の設定圧力は10MPa、の各条件を予め設定しておいた。
さらに、二酸化炭素注入装置Aから射出成形用金型Bの間を配管し、射出成形用金型Bのキャビティ11へ二酸化炭素を供給する様にした。17は配管内ガス圧力計である。
また、二酸化炭素の注入圧力を1段目は19MPa、希望するガス圧力である2段目は10MPa、制御コントローラ10へは二酸化炭素供給時間T2は1sec、高圧側開閉弁7が閉じるガス圧力スイッチ16の設定圧力は10MPa、の各条件を予め設定しておいた。
さらに、二酸化炭素注入装置Aから射出成形用金型Bの間を配管し、射出成形用金型Bのキャビティ11へ二酸化炭素を供給する様にした。17は配管内ガス圧力計である。
実施例の結果について説明する。配管内ガス圧力計17の圧力経過を図9に示す。0.13secで希望するガス圧力へ達することができた。
実施例1の結果として条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
なお、製品の光沢度は図10中の転写性の評価部分をJIS Z 8741 鏡面光沢度測定方法に基づき測定した。また、製品の転写不良率は100ショット連続成形を実施した際の転写向上ムラの発生率で評価した。
実施例1の結果として条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
なお、製品の光沢度は図10中の転写性の評価部分をJIS Z 8741 鏡面光沢度測定方法に基づき測定した。また、製品の転写不良率は100ショット連続成形を実施した際の転写向上ムラの発生率で評価した。
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項6に対応した実施例を説明する。
実施例1では、二酸化炭素注入装置Aのガス圧力の切り替えタイミングはガス圧力を検知することで行っていたが、実施例2では、二酸化炭素注入開始動作からの時間で行った事例を説明する。
図3は、本実施例における概略図であるが、実施例1の図1と異なるのは二酸化炭素注入ユニット9内の圧力センサー16が無いことである。
その代わり、制御コントローラ10へは1段目の二酸化炭素注入開始動作からの時間(T5)をタイマーで予め設定しておく。本実施例では1段目注入時間を0.08secとした。他の構成は実施例1と同じなので説明を省略する。
実施例1では、二酸化炭素注入装置Aのガス圧力の切り替えタイミングはガス圧力を検知することで行っていたが、実施例2では、二酸化炭素注入開始動作からの時間で行った事例を説明する。
図3は、本実施例における概略図であるが、実施例1の図1と異なるのは二酸化炭素注入ユニット9内の圧力センサー16が無いことである。
その代わり、制御コントローラ10へは1段目の二酸化炭素注入開始動作からの時間(T5)をタイマーで予め設定しておく。本実施例では1段目注入時間を0.08secとした。他の構成は実施例1と同じなので説明を省略する。
次に、成形機からの開始信号を受けて開始する、制御コントローラ10のシーケンス、及び各開閉弁7、8、14の動作を図4に示す。
実施例2の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
実施例2の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項7に対応した実施例を説明する。
実施例1では、二酸化炭素注入装置Aのガス圧力の切り替えタイミングについてガス圧力を検知することで行っていたが、実施例3では、射出成形用金型Bのキャビティ11内樹脂圧力を検知する方法で行った事例を説明する。
図5は、本実施例における概略図であるが、実施例1の図1と異なるのは、二酸化炭素注入ユニット9内のガス圧力スイッチ16が無く、その代わり射出成形用金型Bへキャビティ11内の樹脂圧力を検知する樹脂圧力スイッチ17を設けたことである。
樹脂圧力スイッチ17は、予め圧力値を設定しておき樹脂圧力スイッチ17の圧力センサーで検知した圧力が設定値に達したら制御コントローラ10へ信号を送る働きをする。したがって、1段目注入後この信号を受けて2段目の注入に切りかえる動作をする。本実施例では制御コントローラ10における樹脂圧力の設定値として樹脂圧力を希望する10MPaに設定した。他の構成は実施例1と同じなので説明を省略する。
実施例1では、二酸化炭素注入装置Aのガス圧力の切り替えタイミングについてガス圧力を検知することで行っていたが、実施例3では、射出成形用金型Bのキャビティ11内樹脂圧力を検知する方法で行った事例を説明する。
図5は、本実施例における概略図であるが、実施例1の図1と異なるのは、二酸化炭素注入ユニット9内のガス圧力スイッチ16が無く、その代わり射出成形用金型Bへキャビティ11内の樹脂圧力を検知する樹脂圧力スイッチ17を設けたことである。
樹脂圧力スイッチ17は、予め圧力値を設定しておき樹脂圧力スイッチ17の圧力センサーで検知した圧力が設定値に達したら制御コントローラ10へ信号を送る働きをする。したがって、1段目注入後この信号を受けて2段目の注入に切りかえる動作をする。本実施例では制御コントローラ10における樹脂圧力の設定値として樹脂圧力を希望する10MPaに設定した。他の構成は実施例1と同じなので説明を省略する。
次に、成形機からの開始信号を受けて開始する、制御コントローラ10のシーケンス、及び各開閉弁7、8、14の動作を図6に示す。
実施例3の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
なお、上記実施例1、2、3の場合、定常圧ガス回路13aには逆止弁15を取り付けているが、この逆止弁15を廃止して、その代り、高圧側開閉弁7を開放したときに、定常圧側開閉弁14を瞬時に閉鎖してガスの逆流を阻止する制御を行うように構成してもよく、この構成例は、請求項2に記載の発明に対応するものである。
実施例3の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
なお、上記実施例1、2、3の場合、定常圧ガス回路13aには逆止弁15を取り付けているが、この逆止弁15を廃止して、その代り、高圧側開閉弁7を開放したときに、定常圧側開閉弁14を瞬時に閉鎖してガスの逆流を阻止する制御を行うように構成してもよく、この構成例は、請求項2に記載の発明に対応するものである。
[比較例1]
比較例として従来の二酸化炭素注入装置を用いた射出成形用金型のキャビティへ二酸化炭素を注入する方法について説明する。
図7は、比較例における概略図である。実施例1の図1と異なるのは、二酸化炭素注入ユニット9内において、高圧側蓄圧容器6を経過した後、高圧ガス回路6a、定常圧ガス回路13aと分岐していたが、比較例の二酸化炭素注入装置は1回路しかない。したがって、二酸化炭素の圧力は減圧弁4で希望する圧力に調整している。
比較例として従来の二酸化炭素注入装置を用いた射出成形用金型のキャビティへ二酸化炭素を注入する方法について説明する。
図7は、比較例における概略図である。実施例1の図1と異なるのは、二酸化炭素注入ユニット9内において、高圧側蓄圧容器6を経過した後、高圧ガス回路6a、定常圧ガス回路13aと分岐していたが、比較例の二酸化炭素注入装置は1回路しかない。したがって、二酸化炭素の圧力は減圧弁4で希望する圧力に調整している。
次に、成形機からの開始信号を受けて開始する、制御コントローラ10のシーケンス、及び各開閉弁7、8の動作を図8に示す。
この二酸化炭素注入装置を使って、二酸化炭素設定圧力10MPa、二酸化炭素注入時間(T2)1secの条件で射出成形用金型のキャビティに二酸化炭素を注入し射出成形を行った。
射出成形を行った場合における、キャビティ11内ガス圧力計17の圧力変化を図9に示す。比較例1の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
以上の比較例によると、本願発明の場合、成形サイクル時間の短縮、転写不良率、光沢度が比較例に比較して格段に向上していることが判る。
この二酸化炭素注入装置を使って、二酸化炭素設定圧力10MPa、二酸化炭素注入時間(T2)1secの条件で射出成形用金型のキャビティに二酸化炭素を注入し射出成形を行った。
射出成形を行った場合における、キャビティ11内ガス圧力計17の圧力変化を図9に示す。比較例1の結果として実施例1同様に、条件設定を表1へ、また、配管内ガス圧力計17の圧力が希望(定常)値に達するまでの時間、そのときの圧力、これにより得られた製品の光沢度、製品の転写不良率を表2に示す。
1 二酸化炭素ボンベ
2 仕切り弁
3 二酸化炭素昇圧機
4、12 高圧側圧力調整弁
5 二酸化炭素昇圧ユニット
6 高圧側蓄圧容器
6a 高圧ガス回路
7 高圧側開閉弁
8 排気開閉弁
9 二酸化炭素注入ユニット
10 制御コントローラ
11 金型
12 定常圧側調整弁
13 定常圧側蓄圧容器
13a 定常圧ガス回路
14 定常圧側開閉弁
15 逆止弁
16 ガス圧力センサー
17 ガス圧力計
18 樹脂圧力スイッチ
19 ヒータ
2 仕切り弁
3 二酸化炭素昇圧機
4、12 高圧側圧力調整弁
5 二酸化炭素昇圧ユニット
6 高圧側蓄圧容器
6a 高圧ガス回路
7 高圧側開閉弁
8 排気開閉弁
9 二酸化炭素注入ユニット
10 制御コントローラ
11 金型
12 定常圧側調整弁
13 定常圧側蓄圧容器
13a 定常圧ガス回路
14 定常圧側開閉弁
15 逆止弁
16 ガス圧力センサー
17 ガス圧力計
18 樹脂圧力スイッチ
19 ヒータ
Claims (7)
- キャビティ内に樹脂を充填後から型開きまでの工程中に、超臨界状態の二酸化炭素を樹脂のスキン層と金型キャビティの間に注入することにより、転写性及び光沢性を向上させる射出成形方法に用いる二酸化炭素注入装置において、希望する圧力よりも高い圧力の高圧ガス回路、及び希望する圧力の定常圧ガス回路との2回路を備え、第1段階として、前記高圧ガス回路から高圧力の二酸化炭素をキャビティ内に注入して希望する圧力に到達させたのち、瞬時に第2段階として希望する圧力を供給する定常圧ガス回路に切り替えることにより、樹脂のスキン層と金型キャビティ間に希望する圧力の二酸化炭素を迅速に注入することができるように構成したことを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記高圧ガス回路は、二酸化炭素昇圧器とキャビティ内に二酸化炭素を注入するガス注入回路間において、高圧側圧力調整弁とそれに続く高圧側蓄圧容器及び高圧側開閉弁からなり、一方の定常圧ガス回路は、前記高圧側蓄圧容器と高圧側開閉弁間から分岐され、定常圧側圧力調整弁とそれに続く定常圧側蓄圧容器及び定常圧側開閉弁を経由して前記ガス注入回路に接続されていて、高圧ガス回路から前記ガス注入回路を経由して高圧の二酸化炭素が注入されるときは、前記定常圧側開閉弁を閉じて定常圧ガス回路側に高圧ガスが逆流するのを阻止し、希望する圧力の二酸化炭素を供給する際は、制御コントローラにより定常圧側開閉弁を開放し、高圧側開閉弁を閉鎖すること特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記定常圧側開閉弁の下流側に逆止弁を取り付けておき、高圧力の二酸化炭素注入時には、この逆止弁の作用で定常圧ガス回路内に高圧の二酸化炭素が逆流するのを阻止するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記二酸化炭素注入装置の要所には、超臨界状態を保つ様に温度調節手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、前記ガス注入回路又は、金型内に設置されたガス圧力センサーで検出される圧力値を基準にして行うことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、二酸化炭素の注入開始動作からの時間で行うことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
- 前記制御コントローラにより行う高圧及び定常圧側開閉弁を開閉するタイミングの制御を、金型キャビティ内の樹脂圧力センサーで検出される圧力値を基準にして行うことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置。
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JP2005156933A JP2006327133A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | 熱可塑性樹脂の射出成形に用いる二酸化炭素注入装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009107276A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Canon Inc | 熱可塑性樹脂の射出成形方法 |
JP2013226841A (ja) * | 2013-07-04 | 2013-11-07 | Canon Inc | 熱可塑性樹脂の射出成形方法 |
-
2005
- 2005-05-30 JP JP2005156933A patent/JP2006327133A/ja active Pending
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