JP2006325540A - オリゴデオキシヌクレオチドおよびこれを利用する免疫修飾剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 免疫修飾剤として強い活性を有しながら、安全性の高いオリゴデオキシヌクレオチドを開発すること。
【解決手段】 式(I)
5'−ACTTTCGTTTTCTGCGTCAA−3' (I)
で示される塩基配列を含むオリゴデオキシヌクレオチド、これを有効成分とする免疫修飾剤およびラクトバチルスラムノーサスに属する微生物のゲノムDNAから、マウスおよびヒト由来Bリンパ球に対するマイトジェン活性を有するDNA断片を選択することを特徴とする上記式(I)で示される塩基配列を含むオリゴデオキシヌクレオチドの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乳酸菌から得られた新規なオリゴデオキシヌクレオチドおよびこれを利用する免疫修飾剤に関する。
免疫刺激をする病原菌由来DNA中に、CpGモチーフと呼ばれる特異的配列が発見されて以来、CpGモチーフを含むオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)に関する研究が盛んになった。2000年に、Akiraらは、樹状細胞などの抗原提示細胞上に発現するToll−like receptor(TLR)9がCpG ODNの受容体であり、種々の免疫応答に関与することを明らかにした。その後、CpG ODNの免疫修飾剤としての応用を目指し、強い活性のあるODNの発見および開発が期待され、研究が進められている。
例えば、クリーグ(Krieg)らの免疫刺激オリゴヌクレオチドについての研究が報告されており(非特許文献1)、この研究については特許も出願されている(特許文献1)。
しかしながら、従来から知られている免疫修飾DNAは、いずれも病原菌由来DNA配列かもしくは化学合成ODNであり、その安全性については疑問の残るものであった。
Nature1995,546−549 特開2004−215670
従って、免疫修飾剤として強い活性を有しながら、安全性の高いODNの開発が求められており、本発明の課題は、このようなODNの提供である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、人類の長い歴史の中で、長期間にわたり食品に利用され、ヒトに対する安全性が担保されている乳酸菌に着目し、研究を行った。そしてその結果、乳業用乳酸菌として世界で広く利用されている、ラクトバチルス・ラムノーサスGG(LGG)のゲノムDNAから、マウスおよびヒトに対して強い免疫修飾作用を有する新規なODN配列を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下式(I)
5'−ACTTTCGTTTTCTGCGTCAA−3' (I)
で示される塩基配列を含むオリゴデオキシヌクレオチドである。
また本発明は、上記オリゴデオキシヌクレオチドを有効成分とする免疫修飾剤である。
更に本発明は、ラクトバチルス・ラムノーサスに属する微生物のゲノムDNAから、マウスおよびヒト由来Bリンパ球に対するマイトジェン活性を有するDNA断片を選択する前記オリゴデオキシヌクレオチドの製造方法である。
本発明のオリゴデオキシヌクレオチド(以下、「ODN」という)は、リンパ球活性化、樹状細胞活性化、サイトカイン誘起等の免疫修飾作用を有するものである。そして、このODNは、長期間にわたり食品として利用された乳酸菌から導かれたものであるため、その安全性が高く、医薬品や健康食品などの食品等として有利に利用できるものである。
本明細書中において免疫修飾剤とは、免疫応答の修飾作用を応用し、疾病の予防・治療に貢献する薬剤を意味する。より具体的には、ワクチン、抗アレルギー剤、抗感染症剤、抗リウマチ剤、抗癌剤などを意味する。
本発明のODNは、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus GG)に属する微生物のゲノムDNAを抽出し、これを適当な手段により断片化した後、マウスやヒト由来Bリンパ球に対するマイトジェン活性を有するDNA断片を選択し、これから、あるいはその配列に基づいてODNを合成することにより取得することができる。
本発明のODNを得るためのラクトバチルス・ラムノーサスに属する微生物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラクトバチルス・ラムノーサスGG TMC0514株が有利に利用できる。この微生物の性質については、既に、バリー・R・ゴールディンら等により報告されており("Digestive Diseases and Sciences" Vol.37, No.1,p121-128 および USP4,839,281)、微生物自体も、アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ATCC)に、ATCC 53103として寄託されている。上記菌株に限らず、他のラクトバチルス・ラムノーサスに属する微生物を使用しても、本発明ODNを得られることはいうまでもない。
前記ラクトバチルス・ラムノーサスに属する微生物からのゲノムDNAの抽出は、例えば、この微生物を培養後、適当な酵素、例えば、リゾチーム、N−アセチルムラミダーゼ、リボヌクレアーゼ等を作用させ、次いで、適当な沈澱剤、例えば、エタノール等によりDNAのみを沈澱させればよい。
上記のようにして抽出されたDNAは、次に、適当な制限酵素を用いて切断し、適当な長さ、例えば、100〜500b程度のDNA断片を取得する。切断に用いる制限酵素としては、Sau3AI等を利用することができ、切断されたDNA断片から目的とするものを得るためには、アガロースゲル電気泳動等の手段を用いることができる。
次いで、上記のようにして得られたDNA断片は、適当なベクターに組み込み、このベクターに対応した宿主細胞中で増殖させ、プラスミドDNAとして分離、取得する。ベクターとしては、例えば、pUC119ベクターが使用され、宿主細胞としては、E.coli DH5α等を利用することができる。
得られたプラスミドDNAについて、例えば、リンパ球幼若化試験などの試験方法等により、マイトジェン活性を有するものを見いだし、これに組み込まれているODN配列から、上記式(I)で表される断片が含まれているクローンを取得すればよい。
本発明のODNは、上記クローンから、適当な手段により切り出したものを使用することもできるし、また、上記クローンに含まれる配列を元に、例えば、ホスホアミダイド法等の方法により合成したものを使用することもできる。
かくして得られた本発明ODNを、免疫修飾剤として使用するには、例えば、前記式(I)のODN、これを含むDNAまたはこのDNAを含む微生物を、経口または非経口で投与すればよい。このODN(I)の投与量は、投与を受ける人や動物の状態によって異なるが、一般には、体重1kg当たり、1〜100mg程度が好ましく、特に、3〜30mgが好ましい。また、本発明の免疫修飾剤は、通常の薬剤の製造方法に準じて製造することができ、更には、食品添加用剤とすることもできる。
上記した本発明の免疫修飾剤は、リンパ球および樹状細胞活性化や、サイトカイン誘起の他、ワクチンアジュバント等の作用を有するため、アレルギー、感染症、炎症性腸疾患、リウマチ、癌等の疾患の治療、予防薬として使用することができる。
以下実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、本実施例において、実験動物としては、日本エスエルシー(浜松、静岡)から購入した6ないし8週齢の雄BALB/c、C3H/HeJおよびC3H/HeNマウスを使用し、微生物であるラクトバチルス・ラムノーサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG )TMC0514、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)TMC0356およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)TMC3117は、高梨乳業(横浜)より提供を受けた。また、本試験で用いたリン酸ジエステルオリゴデオキシジヌクレオチド(ODN)は、株式会社キアゲン(東京)により化学合成されたものであり、リムルスキット(生化学工業、東京)を用い、その使用説明書に従って、これらがエンドトキシンを含まないことを確認している。
実 施 例 1
ラクトバチルス・ラムノーサスGG(LGG)からDNAの抽出:
LGG TMC0514を、MRS培養液(Difco, Detroit, USA)中で、37℃、16時間培養し、更にルチャンスキー(Luchansky)ら(1991年)の方法により、染色体DNAを単離した。すなわち、培養したLGG細胞を、5000gで10分間遠心後、細胞を50mM EDTA、0.5% Tween 20、0.5% Triton X−100、20mg/mL リゾチーム、10mg/mL N−アセチルムラミダーゼSG(生化学工業、東京)および100μg/mL RNAase Aを含む50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に再懸濁した。
この懸濁液を、37℃で1時間培養後、200μL/mLのプロテイナーゼK溶液(20mg/mL、宝酒造、京都)を添加し、この混合液をさらに16時間、37℃で培養した。フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1、v/v)の溶媒による抽出を繰り返してDNAを精製し、酢酸ナトリウムおよびエタノールを用いて沈殿させた後、Mili Q水に溶かし、DNAを得た。
上で得たDNA中の、エンドトキシン混入の有無の検査を、リムルスキットを用いて行ない、エンドトキシン混入のないことを確認した。更に、DNAの純度を、スマートスペック3000スペクトロホトメーター(SmartSpec 3000 Spectrophotometer;Bio-Rad, Zarareth, Belgium)を用いて検査したところ、A260/A280は1.8であった。このDNAは、−20℃で保存した。
実 施 例 2
リンパ球の精製および増殖の測定:
本発明者らが以前発表した方法(リンパ球幼若化活性試験:Kitazawaら、1992年)により、ネズミ脾臓からリンパ球を調製した。すなわち、MACSシステム(MACS、Miltenyi Biotec., Germany)を用いて脾細胞懸濁液からB細胞を精製した。ビオチン標識抗CD45R mAB(Caltag Laboratory, Burlingame, CA, USA)で脾細胞懸濁液を染色し、ストレプトアビジン(streptavidin)ミクロビーズで対比染色を行った。CD45R+細胞の陽性細胞をカラム(VarioMACS、Miltenyi Biotec., Germany)上で選別した。
フローサイトメトリー(FACSCalibur, Becton-Dickinson, Mountain View, CA, USA)により、B細胞の純度が96%を超えることを確認した。この細胞懸濁液をPBS(pH7)で3回洗浄した後、細胞(2×105個/mL)を96穴のミクロプレートの各ウェルに入れ、2%ウシ胎児血清(FCS、Sigma)を添加したRPMI 1640完全培地(Sigma)中で、37℃、48時間、100μLの培養を3回実施した。
種々の濃度のLPS(E. coli 0111:B4、Sigma由来)、2μg/mLのコカナバリン(concanavalin)A (Con A、Sigma)、または種々の濃度のゲノムDNA、クローンDNAまたはODNでこの細胞を刺激した。16時間の最終培養で、9.25kBq/wellの[メチル−H]チミジン(Amersham Biosciences、UK)によりこの細胞を放射性同位体標識した。細胞を回収し、液体シンチレーションカウンタ(Beckman Instruments, Palo Alto, Ca, USA)により放射能を計測した。下記の式によりリンパ球の増殖インデックスを算出し、結果をSIとして表示した。
SI= At−Ab/Ac−Ab
At:1分あたりの処理培養液中放射能
Ab:1分あたりのバックグラウンド中放射能
Ac:1分あたりの対照培養液中放射能
LGG細胞からのDNAのSI並びにラクトバチルス・ガッセリTMC0356およびビフィドバクテリウム・ロンガムTMC3117から実施例1に準じた方法で得たDNAのSIを比較した結果を図1に示す。図中、塗りつぶした棒グラフは、50μg/ml、斜線が付された棒グラフは5μg/mlでの結果である。
実 施 例 3
マイトジェン活性DNAクローンのクローニングと単離:
LGGの染色体DNAをSau3AI(宝酒造、京都)で消化し、2%アガロースゲル電気泳動法により0.5kb、0.5‐1.0kbおよび1.0kb以上の3画分に分別した。クアンタム・プレップ・キット(Quantum Prep kit;Bio-Rad、Nazareth、Belgium)を用いてDNAを採取し、0.5kb未満のDNAをpUC119ベクター(宝酒造、京都)のBam HI部位に結紮した。組換体プラスミドを用いてコンピテント(Competent)E.コリDH5α細胞を形質転換させた。コロニーの色調およびPCRプライマー、M13プライマーM4:5'−GTTTTCCCAGTCACGAC−3'およびM13プライマーRV:5'−CAGGAAACAGCTATGAC−3'を用いた直接的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づいて、形質転換細胞のスクリーニングを実施した。E.コリの組換体として67個の白いコロニーを得た。
プラスミド・ミニプレップ・キット(Plasmid miniprep kit;Bio-Rad, Nazareth, Belgium)を用い、製造業者の使用説明書に従って、形質転換コロニーからプラスミドDNAを分離した。すなわち、ベクターのマルチクローニング部位のM13プライマーM4およびM13プライマーRVを用いてPCR法によりDNAテンプレートを増幅した。PCR反応の条件は、最初の変性ステップ、95℃で5分間、94℃で30秒間、55℃で30秒間および72℃で30秒間の35サイクルとした。増殖したDNAクローンを、QIAクイック・PCR精製キット(QIAquick PCR Purification kit;株式会社キアゲン、東京)によりPCR混液から精製し、コッテン(Cotten)ら(1994年)の方法に従ってTriton X114で処理し、夾雑するLPSを除いた。
各クローンから精製したDNAについて、最終濃度10μg/mlでのマイトジェン活性を、マウスリンパ球を用いて検査した結果、SIが1.2〜7.06のものとして39クローンからのDNAを得た。この結果を図2に示す。
実 施 例 4
クローンの配列決定:
精製した組換体プラスミドから、セクイサーム・エクセル II・ロング−リード・シークエンシング・キット(SequiTherm EXCEL II Long-Read Sequencing kit;Epicenter Technology, Madison, WI, USA)を用いてマイトジェン性DNA挿入断片の配列を決定した。一次配列を、GENETYX−SV・バージョン6・ソフトウエア・パッケージ(GENETYX-SV Version 6 software package;ソフトウェア・デベロップメント、東京)を用いて解析した。
上記39クローンについて配列を調べ、このうちから活性クローンにしばしば見いだされる11個の配列を有するものについて、ホスホジエステルODNを合成し、その脾臓B細胞に対するマイトジェン活性を調べた。この結果を図3に示す。この結果、ODN ID35、ODN ID2420およびODN ID20に活性が見いだされた。なお、ODN ID35の活性は、ODN 1826のそれと同程度であった。
実 施 例 5
活性ODN配列の確認:
実施例4で活性が認められたDN ID35、ODN ID2420およびODN ID20について、配列を3'方向あるいは5'方向へ一部シフトしたODNを合成し、そのマイトジェン活性を調べた。この結果を図4に示す。この結果から、コア配列が失われることにより、活性も大幅に減少することが明らかになった。
実 施 例 6
フローサイトメトリー:
脾細胞(4×10個/ウェル)をゲノムDNA(50μg/mL)またはODN(10μM)で6時間、12時間および24時間にわたり刺激した。刺激後、2%FCS+0.01%アジ化ナトリウムを含むリン酸塩緩衝生理食塩液(PBS)で細胞をよく洗浄し、CD45R、33D1、CD69およびCD86(PharMingen, San Diego, Ca, USA)に対する抗体とインキュベートした後、ストレプトアビジン−フィコエリスリン(streptavidin-phycoerythrin;PharMingen)とともにインキュベートした。続いて細胞を、4℃の1%パラホルムアルデヒド中で20分間固定し、FACSキャリバーTM(FACSCaliburTM;Becton-Dickinson, Mountain View, CA, USA)を用いて分析した(細胞40000個/試料)。この結果、ODN ID35の活性は、ODN 1826のそれとほぼ同じであった。
実 施 例 7
培養上清中サイトカインの測定および脾細胞における遺伝子発現:
ネズミ脾細胞懸濁液を、10%FCS添加RPMI 1640完全培地(Sigma)中で最終濃度1×10個/mL(計200μL/ウェル)で3通り培養した。50μg/mLのゲノムDNAあるいは10μMのリン酸ジエステルODNを培養液に添加した。培地のみで培養した細胞を非刺激対照とした。24時間刺激後に培養上清を採取し、サイトカインの分析まで−80℃で保存した。IL−12p70およびIFN−γの濃度(1:2あるいは1:4に希釈)を、eバイオサイエンス(eBioscience;San Diego, CA, USA)より購入した試薬を含むサンドウィッチELISAを用いて、製造業者の使用説明書に従って測定した。この結果を図5に示す。
サイトカインの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法による分析のため、トライゾール・リージェント(Trizol reagent;Invitrogen, CA, USA)を用いて、6時間刺激後の脾細胞からRNAを分離した。2.5μgのRNAを用いて、特異的プライマーを有する総量20μLの所定の各遺伝子について、別々にRT−PCR・キット(RT-PCR kit;Invitrogen, CA, USA)を用いて逆転写反応を実施した。1μgのcDNAと5単位のTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造、京都)を用いてPCR反応を実施した。IL−6、IL−12p35、IL−18、TNF−αおよびINF−γのプライマーは株式会社キアゲン(東京)から入手した。アガロースゲル中の製品バンド強度を、FAS III システム(東洋紡、大阪)を用い、スキオン・イメージ・ソフトウエア(Scion Image Software;Frederick, Maryland, USA)により定量した。
上記方法により、細胞DNAおよび種々の合成DNAの、抗炎症ないし免疫調節サイトカインについての作用を試験した結果を図6に示す。
実 施 例 8
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)に対する作用:
末梢血単核細胞を、フィコール−ハイパック(Ficoll-Hypaque;Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を用いる密度勾配遠心法により分離した。2% FCS、100U/mL ペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび2mMグルタミンを含むRPMI1640(Sigma)中にPBMCを懸濁した。この細胞を2×10個/ウェルの濃度で、96穴培養プレート中、48時間培養した。また、各ODNの濃度は、10μとした。ネズミB細胞の増殖測定の項に記載した方法により、PBMCの培養、刺激および増殖測定を実施した結果を表1に示す。
本発明のODNは、免疫調節作用を有し、しかも、乳酸菌由来のものであるので、食品、医薬品等として安全に使用しうるものである。従って、医薬や、食品等の成分として使用しうるものである。
LGG細胞からのDNAのSI並びにラクトバチルス・ガッセリTMC0356およびビフィドバクテリウム・ロンガムTMC3117からのDNAのSIを比較した図である。図中、塗りつぶした棒グラフは、50μg/ml、斜線が付された棒グラフは5μg/mlでの結果である。 各クローンから精製したDNAについて、最終濃度10μg/mlでのマイトジェン活性を、マウスリンパ球を用いて検査した結果を示す図である。 活性クローンにしばしば見いだされる配列を有するクローンのODNについて、ホスホジエステルODNを合成し、脾臓B細胞に対するマイトジェン活性を調べた結果を示す図である。 ODNID35、ODN ID2420およびODN ID20について、配列を3'方向あるいは5'方向へ一部シフトするように合成したODNのマイトジェン活性を調べた結果を示す図である。 培養上清中のIL−12p70およびIFN−γの濃度を、ELISAにより測定した結果を示す図である。 細胞DNAおよび種々の合成DNAの、杭炎症ないし免疫調整サイトカインについて試験した結果を示す図である。

Claims (3)

  1. 下式(I)
    5'−ACTTTCGTTTTCTGCGTCAA−3' (I)
    で示される塩基配列を含むオリゴデオキシヌクレオチド。
  2. 下式(I)
    5'−ACTTTCGTTTTCTGCGTCAA−3' (I)
    で示されるオリゴデオキシヌクレオチドを有効成分とする免疫修飾剤。
  3. ラクトバチルスラムノーサスに属する微生物のゲノムDNAから、マウスおよびヒト由来Bリンパ球に対するマイトジェン活性を有するDNA断片を選択することを特徴とする下式(I)
    5'−ACTTTCGTTTTCTGCGTCAA−3' (I)
    で示される塩基配列を含むオリゴデオキシヌクレオチドの製造方法。

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