JP2006325093A - 携帯型無線機 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯型無線機で、無線機グランドの物理的寸法の電気的な調整により接地系アンテナの接地条件を調整し、広周波数帯域で定在波比を低くして効率よく送/受信する。
【解決手段】携帯型無線機(1)は、無線回路(30)とアンテナ本体(52)とアンテナ給電端部(54)を有し、アンテナ給電端部(54)の一端子をアンテナ給電接地端(54A)とする接地系アンテナ(50)と、無線回路(30)に接続され、第1の中心導体(42)により高周波信号を伝送し、第1の外部導体(44)が無線機グランドに接続された給電線路(40)と、アンテナ給電端部(54)と給電線路(40)間のアイソレーション回路(60)と、アンテナ給電接地端(54A)と無線機グランド間の無線機グランドへの接地条件を調整するグランド整合回路(70)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、送受信機、受信機、送信機など携帯型無線機において、無線機グランドの物理的寸法を電気的に調整することにより接地系アンテナの接地条件を調整した改良に関する。
携帯型無線機には、モノポール、ヘリカル、逆L、逆Fなどの接地系アンテナが多く使用されている。
これら携帯型無線機に使用されている接地系アンテナの場合、アンテナ給電接地端が高周波的に最短で無線回路のグランドとしても動作する基板グランドや筐体グランドなどの無線機グランドに接続されている(後述の図6参照)。このため、携帯型無線機で使用されている接地系アンテナでは、基板グランドや筐体グランドなどの無線機グランドの物理的寸法により、そのアンテナの接地条件が一意的に決定されている。
特に無線機の小型化に伴い無線機グランドの寸法がその無線機の運用周波数の4分の1波長より短い場合は、アンテナの接地条件が悪化し、結果的に周波数帯域が減少し効率が低下する(後述の図7及び図8参照)。
ここで、本願出願人が先行技術調査をしたところ、特許文献1,2を得た。特許文献1,2は共に、本発明の携帯型無線機を対象とするものではなく、自動車の車体や大地をアースとするもので、無線機グランドの寸法がその無線機の運用周波数の4分の1波長より短いものには該当しない。特に、特許文献2は、整合器を介して無線機に接続されたアース電極が大地に埋設され、整合器を調整することでアース電極を反射板として用いるものであり、周波数帯域を広げるものではない。
特開2000−31851号公報 特開2002−76738号公報
本発明の目的は、無線機グランドの物理的寸法に合わせて接地条件を調整し、広周波数帯域で効率の良い接地系アンテナを備えた携帯型無線機を提供することである。
携帯電話機等の携帯型無線機(受信機、送信機、送受信機などを含む)において、モノポール、ヘリカル、逆L、逆Fなどの接地系アンテナを、基板グランドや筐体グランド等の無線機グランドから電気的に隔離して取り付ける。
無線回路(受信回路、送信回路、送受信回路などを含む)からの高周波信号を伝送する給電線路とアンテナ給電端部との間に、アンテナ給電接地端を無線機グランドから高周波的に隔離(アイソレート)するためのアイソレーション回路を設ける。
同様に、基板グランドや筐体グランド等の無線機グランドとアンテナ給電接地端との間に、グランド整合回路を設ける。このグランド整合回路を、アンテナの使用周波数帯域が広く効率が高くなるように調整する。
グランド整合回路は、無線機グランドとアンテナ給電接地端との間に、無線回路の運用周波数の4分の1波長より短い電気長を有する第1のグランド接続手段(導線またはコイルを含んだ導線等)を有することができる。この第1のグランド接続手段は、アンテナの使用周波数帯域が広くなるようにその電気長が決定される。グランド整合回路は、第1のグランド接続手段に加えて、無線回路の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有する第2のグランド接続手段(導線またはコイルを含んだ導線等)をさらに有することができる。なお、アイソレーション回路と第2のグランド接続手段の代わりに、外部導体が無線回路の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有する同軸線路を用いることができる。
なお、電気長とは、物理長とは異なり、例えば誘電体等の電気的作用によって物理的長さを短縮したものも含む。
(実施形態1)
図1は、基板グランドを有する本発明の実施形態1を示している。図1に示す携帯型無線機1は、非導電性筐体10内に基板20を有する。この基板20には基板グランド22がパターン形成されている。本実施形態では、非導電性筐体10であるので筐体グランドは採用せず、基板グランド22が無線機グランドとなる。
受信回路、送信回路または送受信回路にて形成される無線回路30が、基板20上に設けられている。この無線回路30は、図1に示すように、給電線路40の中心導体42及び外部導体44に接続されると共に、基板グランド22に直接接続されている。なお、給電線路40の外部導体44も、例えば数箇所にて基板グランド22に接続されている。ここで、この給電線路40は、電気等価的には図1に示すような同軸線路で示されるが、基板20の多層配線を利用してマイクロストリップラインとして形成することができる。
非導電性筐体10内には、例えば逆Lアンテナ50が設けられる。逆Lアンテナ50は、アンテナ本体52とアンテナ給電端部54とを有する。なお、本実施形態では、アンテナ本体52のアンテナ給電部52Aとアンテナ給電端部54との間に、必要に応じてアンテナ整合回路80を設けている。このアンテナ整合回路80は、アンテナ給電端部54でのアンテナ側のインピーダンスを、アンテナ給電端部54でのアイソレーション回路60側のインピーダンスに整合させるものである。この場合、逆Lアンテナ50は、アンテナ整合回路80との組み合わせによって電気等価的に逆Fアンテナとみなすこともできる。なお、給電線路40の特性インピーダンス及びアイソレーション回路60の入出力インピーダンスは、無線回路30の入出力インピーダンスに合わされている。
無線回路30に接続されて高周波信号を伝送する給電線路40と、アンテナ給電端部54との間に、基板グランド22からアンテナ給電端部54を高周波的に隔離するためのアイソレーション回路60が設けられている。本実施形態では、アイソレーション回路60は、図2(A)に示すように、同軸線路61を巻回したコイル62と、そのコイル62に並列接続されたコンデンサ63とで構成している。このアイソレーション回路60は、同軸線路61から成るコイル62と並列接続されたコンデンサ63による並列共振回路が、無線回路30の運用周波数で並列共振するよう調整されたトラップコイルとして機能する。
アンテナ給電端部54の一端子をアンテナ給電接地端54Aと称する。このアンテナ給電接地端54Aと基板グランド22との間に、グランド整合回路70を設けている。グランド整合回路70は、基板グランド22への接地条件を調整することで、定在波比(SWR)が低くなる周波数帯域を広げるものである。
図3は、本実施形態でのグランド整合回路70とアンテナ整合回路80の等価回路の一例を示している。アンテナ整合回路80は、アンテナ本体52の給電部52Aとアンテナ給電端部54との間に設けられたインダクタンス82と、アンテナ本体52の給電部52Aとアンテナ給電接地端54Aとの間に設けられたインダンクタス84を有する。なお、アンテナ整合回路80を構成する2つのインダクタンス82,84はコイルに限らず、小さなインダクタンスの場合では導線で代用でき、細かな調整を要する場合は2つのインダクタンスではなく、インダクタンスとコンデンサとの複合回路としても良い。
グランド整合回路70は、アンテナ給電接地端54Aと基板グランド22との間に設けられた、無線回路30の運用周波数の4分の1波長より短い電気長を有する第1のグランド接続手段(図3ではコイルと導線)72を有する。この第1のグランド接続手段72の電気長は、アンテナ50の使用周波数帯域が広くなるように調整されている。なお、第1のグランド接続手段72は、無線回路30の運用周波数の4分の1波長より短い電気長を有する導線や、あるいは同じ電気長で導線の途中にコイル等のインダクタンスを挿入して全体の物理長を短縮したものや、または同じ電気長であるが導線の周囲を誘電率の高い誘電体で覆うことにより物理長を短縮したものや、全体を誘電率の高い誘電体で形成し、その内部の導電パターンにより同じ電気長を実現したものでもよい。
本実施形態のグランド整合回路70には、さらに、無線回路30の運用周波数の2分の1波長相当の電気長の第2のグランド接続手段74(図3ではコイルと導線)を有している。なお、第2のグランド接続手段74は、無線回路30の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有する導線や、あるいはその導線の途中にコイル等のインダクタンスを接続して全体の電気長を無線回路30の運用周波数の2分の1波長相当にしたもの、または導線の周囲を誘電率の高い誘電体で覆うことにより物理長を短縮して電気長を運用周波数の2分の1波長相当にしたものや、全体を誘電率の高い誘電体で形成し、その内部の導体パターンにより同じ電気長を実現したものでもよい。
(実験治具の説明)
実験治具として、図4に示すように、80×40mmの基板グランド22上に、直方体の非導電性アンテナベース90を設け、アンテナベース90の上端部(斜線部)にアンテナ輻射器(アンテナ本体)92を設け、アンテナ給電部54Aを設定した。アンテナベース90は27mm(長さL)×12mm(幅W)×9mm(高さH)であり、アンテナ輻射器92は、3+27+12+25mm(L1〜L4の長さ)×2mm(幅)を有する。
なお、無線回路30の運用周波数帯域(送受信周波数帯域)を880〜960MHzとし、測定周波数範囲を500〜1500MHzとし、運用周波数帯域の下限880MHzと上限960MHzとをそれぞれマーカー周波数1、マーカー周波数2として実験した。運用周波数帯域の中心周波数920MHzを運用周波数とすると、運用周波数の波長は約326mm(30万km/920MHz)であり、4分の1波長は約81.5mm、2分の1波長は約163mmである。
実験治具の基板グランド22は、無線回路30の運用周波数の4分の1波長(約81.5mm)よりも短い寸法(80mm)となっている。
(実験例1)
図4に示す実験治具に、上述した実施形態1の無線機のうち、基板20、無線回路30、アンテナ50及びアンテナ整合回路80を外した形で接続し、無線回路30の代わりに測定器(ネットワークアナライザ)を接続した。この測定器により、測定周波数帯域に亘って定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)を測定した結果を図5(A)に、スミスチャートを図5(B)にそれぞれ示す。
ここで、定在波比(SWR)とは、進行波電圧振幅をFとし、反射波電圧振幅をRとすると、SWR=(F+R)/(F−R)で示される。定在波比(SWR)と効率(%)との関係は、効率=[(1−R)/F×100=[4SWR/(SWR+1)]×100となる。SWR=1のときに効率100%であり、SWR=11のときに効率30.6%となる。
この実験例1は、図1に示すアイソレーション回路60として図2(A)の並列共振回路を用い、図3に示すグランド整合回路70としての第1のグランド接続手段(単線導体)72は、図5(A)に示すアンテナの定在波比(SWR)が低く、かつその周波数帯域が広くなるようにした結果として、その長さは22mmに調整されている。また、図3に示すグランド整合回路70の第2のグランド接続手段74は、無線回路30の運用周波数(920MHz)の2分の1波長(約163mm)相当の電気長に調整されている。
図5(A)に示すように、2つのマーカー周波数1,2(880,960MHz)を含む広い周波数帯域で、定在波比(SWR)は充分に低くなっていることが分かる。このことは、図5(B)のスミスチャートにも表れており、2つのマーカー周波数1,2に対応する測定点は、スミスチャートの中心点Oに近くなっている。
この実験例1の特性が優れていることは、以下にて説明する比較例1,2と対比することでより明らかとなる。
(比較例1)
図6は、比較例の無線機を示している。なお、図6には、図1に示す部材と同一機能を有する部材については同一符号を付してある。図6が図1と相違する点は、アイソレーション回路60及びグランド整合回路70が設けられてなく、アンテナ給電接地端54Aが基板グランド22と最短で直接接続されていることである。
図4に示す実験治具に、図6に示す無線機のうち、基板20、アンテナ50及びアンテナ整合回路80を外した形で接続し、測定周波数帯域に亘って定在波比(SWR)を測定した結果を図7(A)に、スミスチャートを図7(B)にそれぞれ示す。
比較例1の測定結果である図7(A)では、実験例1の測定結果である図5(A)と比較すると、下限のマーカー周波数(880MHz)に対応する測定点は定在波比(SWR)が比較的低い周波数帯域(940−1150MHz付近)から外れている。また、上限のマーカー周波数(960MHz)の測定点が属する、定在波比(SWR)が比較的低い周波数帯域(940−1150MHz付近)でも、図5(A)の使用周波数帯域から比較すると定在波比(SWR)が低いとは言えない。このことは、図7(B)のスミスチャートにも表れており、2つのマーカー周波数に対応する測定点は、スミスチャートの中心点Oからかなり離れている。
(比較例2)
そこで、比較例2として、比較例1の実験治具に図6のアンテナ整合回路80を追加して、測定周波数帯域に亘って定在波比(SWR)を測定した結果を図8(A)に、スミスチャートを図8(B)にそれぞれ示す。
アンテナ整合回路80を付加することで、図7(B)と比較すると、図8(B)では2つのマーカー周波数に対応する測定点は、スミスチャートの中心点Oに近くなり、特に中心周波数に対応する測定点が中心Oに近くなった。このため、図8(A)に示すように、中心周波数(920MHz)付近の狭周波数帯域では定在波比(SWR)が格段に低くなった。しかし、定在波比(SWR)が低くなる周波数帯域は、実験例1の図5(A)と比較すると極めて狭い周波数帯域となっている。
以上の比較例1,2では、無線機の小型化に伴い無線機グランドの寸法がその無線回路30の運用周波数の4分の1波長より短い場合の典型例であり、アンテナの接地条件が悪化し、結果的に周波数帯域が狭く、効率が低下している。この点、本発明の実施形態に係る実験例1では、接地系アンテナの接地条件を調整することにより、広い周波数帯域で定在波比(SWR)を下げることができ、それにより効率を向上できた。
(実施形態2)
図1に示すアイソレーション回路60の他の一例としては、図2(A)に示す並列共振回路に限らず、図2(B)に示すように、トロイダルコア64に同軸線路61を1〜2回巻いたコイル65にて形成しても良い。
(実験例2)
図4に示す実験治具に、上述した実施形態2の無線機のうち、基板20、アンテナ50及びアンテナ整合回路80を外した形で接続し、測定周波数帯域に亘って定在波比(SWR)を測定した結果を図9(A)に、スミスチャートを図9(B)にそれぞれ示す。なお、グランド整合回路70としての第1のグランド接続手段72及び第2のグランド接続手段74については、実験例1と同じに調整されている。
この実験例2では図9(A)に示すように、マーカー周波数の帯域での定在波比(SWR)は実験例1の図5(A)よりも低く、しかも定在波比(SWR)が低い周波数帯域も図5(A)よりも広がった。
(実施形態3)
図10は、図1に示すアイソレーション回路60として、外部導体104が無線回路30の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有する同軸線路100を用いた本発明の実施形態3を示している。
図10の給電線路40の構成要素を第1の中心導体42及び第1の外部導体44とすると、この同軸線路100の第2の中心導体102が給電線路40の第1の中心導体42と接続され、同軸線路100の第2の外部導体104が給電線路40の第1の外部導体44と接続される。ただし、同軸線路100の第2の外部導体104は、基板グランド22に直接接続されない。なお、同軸線路100は、その第2の外部導体104の周囲を誘電率の高い誘電体で覆うことにより電気長を変えずに物理長を短くしたものでもよい。あるいは、同軸線路100は、全体を誘電率の高い誘電体で形成し、その内部の導体パターンにより伝送線路を構成し、その外部導体の電気長を無線回路30の運用周波数の2分の1波長にしたものでもよい。
また、この実施形態3で用いられるグランド整合回路110は、図1に示すグランド整合回路70とは異なり、図3に示す第1のグランド接続手段(単線導体)72のみで形成され、図3に示す第2のグランド接続手段74は有しない。
(実験例3)
図4に示す実験治具に、上述した実施形態3の無線機のうち、基板20、アンテナ50及びアンテナ整合回路80を外した形で接続し、測定周波数帯域に亘って定在波比(SWR)を測定した結果を図11(A)に、スミスチャートを図11(B)にそれぞれ示す。なお、グランド整合回路110としての図3に示す第1のグランド接続手段72については、実験例1と同じに調整されている。
この実験例3では図11(A)に示すように、マーカー周波数の帯域での定在波比(SWR)の値と、定在波比(SWR)が低い周波数帯域とについて、いずれも実験例1,2の図5(A)及び図9(A)の特性以上の改善は見られないが、比較例1,2である図7(A)及び図8(A)と比較すると格段に良くなっている。
実験例3では、グランド整合回路110が図3に示す第2のグランド接続手段74は有しなくても上述の特性を得られたが、これは同軸線路100が図1のアイソレーション回路60及び図3の第2のグランド接続手段74の各機能を併せ持っているからと推定される。
(実施形態4)
図1のアイソレーション回路60のさらに他の一例として、図2(C)に示す1対1のトランス66を挙げることができる。この他、無線機グランド22からアンテナ給電部接地端54Aを高周波的に隔離するためのアイソレーション回路60としては、図2(A)〜図2(C)及び図10に示すものに限らず、図13(A)及び図13(B)に示すフロート・バラン67、バズーカ・バラン68などを挙げることができる。図13(B)に示すバズーカ・バラン68は、同軸線路68Aの一部を覆う金属管68Bを有する。この金属管68Bは無線回路30の運用周波数の4分の1波長の電気長を有し、図面上で左端(ハッチング部)は閉鎖され、右端は開口している。なお、アイソレーション回路60の全体を、誘電率の高い誘電体で形成し、その内部の導体パターンにより等価的に、図2(A)〜図2(C)、図10、図13(A)及び図13(B)に示すものを構成することもできる。
また、図3に示すグランド整合回路70としては、第1,第2のグランド接続手段72,74の一方又は双方を、コイル+導線、コイルまたは単体導線で形成でき、あるいはそれらを等価的に実現するマイクロストリップ、またはそれらの複合回路を採用することができる。なお、第1,第2のグランド接続手段72,74の一方又は双方について、誘電率の高い誘電体の内部の導電パターンにより構成したものや、基板グランド22側で内部導体と外部導体とを基板グランド22に接続し、もう一方の側において内部導体のみをアンテナ給電接地端54Aに接続した同軸線路、またはそれと等価な回路を誘電率の高い誘電体の内部に実現させたものも採用することができる。
本発明の携帯無線機に使用される接地系アンテナとしては、上述した逆L、逆F、ヘリカルに限らず、モノポール、ローディングコイル入り短縮モノポールなどを採用することができる。
上述の各種アイソレーション回路、各種グランド整合回路、各種の接地系アンテナを適宜組み合わせて、携帯型無線機を構成することもできる。
(実施形態5)
図12は、無線機グランドを、基板グランドでなく筐体グランドとした本発明の実施形態5を示している。図12に示す筐体12は導電性筐体であり、この導電性筐体12が筐体グランドとなる。この導電性筐体12内に配置された基板20には、グランドパターン24が形成されている。よって、基板20上に搭載された無線回路30及び給電線路40は、基板20のグランドパターン24を介して筐体グランド12に接続される。また、図12では、図3の構成を有するグランド整合回路70は筐体グランド12に直接接続されても、基板20のグランドパターン24を介して筐体グランド12に接続されても良い。また、図12では、導電性筐体12より突出した位置に配置されるヘリカルアンテナ120を、図1の逆Lアンテナ50と同じ形式にて接続している。
この実施形態5では、無線機グランドとして筐体グランド12を用い、アンテナとしてヘリカルアンテナ120を用いているが、動作的には図1の実施形態1と同様であり、2つのマーカー周波数帯域を含む広い周波数帯域で反射波を低減して効率良く送信または受信することができる。
なお、アンテナとしてヘリカルアンテナ120を採用し、無線機グランドとして筐体グランド12を採用して、実施形態1〜4を実施することができる。また、アンテナとして実施形態1〜4のアンテナを採用し、無線機グランドとして導電性筐体のアンテナ周辺のみを非導電性にした筐体グランドを採用して、実施形態1〜4を実施することもできる。
上述した本発明の実施により、接地系アンテナを装備した携帯型無線機において、アンテナの接地条件を調整することにより、広周波数帯域で効率の良いアンテナを実現することができる。無線機グランドの寸法が送受信周波数の4分の1波長をより小さい携帯型無線機には特に有用である。
本発明の実施形態1に係る携帯型無線機のブロック図である。 図2(A)〜図2(C)は、図1の携帯型無線機のアイソレーション回路の例を示す図である。 図1に示すアンテナ整合回路とグランド整合回路の一例を示す図である。 実験例及び比較例に共用される実験治具を示す斜視図である。 図5(A)及び図5(B)は、図1の実施形態1(アンテナ整合回路なし)を図4の実験治具に搭載し、かつ、アイソレーション回路として図2(A)の並列共振トラップを採用した実験例1に係るアンテナ特性図である。 比較例である携帯型無線機のブロック図である。 図7(A)及び図7(B)は、図6の携帯型無線機(アンテナ整合回路なし)を図4の実験治具に搭載し実験して得られた比較例1のアンテナ特性図である。 図8(A)及び図8(B)は、図6の携帯型無線機(アンテナ整合回路あり)を図4の実験治具に搭載し実験して得られた比較例2のアンテナ特性図である。 図9(A)及び図9(B)は、図1の実施形態1(アンテナ整合回路なし)を図4の実験治具に搭載し、かつ、アイソレーション回路として図2(B)のトロイダルコア+コイルを採用した実験例2に係るアンテナ特性図である。 アイソレーション回路として、無線回路の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有する同軸線路を用いた本発明の実施形態3を示すブロック図である。 図11(A)及び図11(B)は、図10の実施形態3(アンテナ整合回路なし)を図4の実験治具に搭載した実験例3に係るアンテナ特性図である。 無線機グランドを筐体グランドとした本発明の実施形態5のブロック図である。 図13(A)及び図13(B)は、アイソレーション回路の他の例を示す図である。
符号の説明
1 携帯型無線機、10 非導電性筐体、20 基板、22 基板グランド、30 無線回路、40 給電線路、42 中心導体(第1の中心導体)、44 外部導体(第1の外部導体)、50 接地系アンテナ、52 アンテナ本体、52A アンテナ給電部、54 アンテナ給電端部、54A アンテナ給電接地端、60 アイソレーション回路、61 同軸線路、62 コイル、63 コンデンサ、64 トロイダルコア、65 コイル、66 1対1のトランス、67 フロートバラン、68 バズーカバラン、70 グランド整合回路、72 第1のグランド接続手段、74 第2のグランド接続手段、80 アンテナ整合回路 82,84 インダクタンス、90 アンテナベース、92 アンテナ輻射器、100 同軸線路、102 第2の中心導体、104 第2の外部導体、110 グランド整合回路、120 ヘリカルアンテナ

Claims (8)

  1. 無線機グランドに接続された無線回路と、
    アンテナ本体とアンテナ給電端部とを有し、前記アンテナ給電端部の一端子をアンテナ給電接地端とする接地系アンテナと、
    前記無線回路に接続され、第1の中心導体により高周波信号を伝送し、第1の外部導体が前記無線機グランドに接続された給電線路と、
    前記アンテナ給電端部と前記給電線路との間に設けられ、前記アンテナ給電接地端を前記無線機グランドから高周波的に隔離するアイソレーション回路と、
    前記アンテナ給電接地端と前記無線機グランドとの間に設けられ、前記無線機グランドの接地条件を調整するグランド整合回路と、
    を有することを特徴とする携帯型無線機。
  2. 請求項1において、
    前記グランド整合回路は、前記無線回路の運用周波数の4分の1波長より短い電気長の第1のグランド接続手段を有することを特徴とする携帯型無線機。
  3. 請求項2において、
    前記アイソレーション回路は、前記給電線路の第1の中心導体と接続された第2の中心導体と、前記給電線路の第1の外部導体と接続された第2の外部導体とを含む同軸線路を有し、前記第2の外部導体は前記無線回路の運用周波数の2分の1波長相当の電気長を有し、かつ、前記第2の外部導体が前記無線機グランドに直接接続されないことを特徴とする携帯型無線機。
  4. 請求項2において、
    前記グランド整合回路は、前記無線回路の運用周波数の4分の1波長より短い電気長の第1のグランド接続手段と、前記無線回路の運用周波数の2分の1波長相当の電気長の第2のグランド接続手段とを有することを特徴とする携帯型無線機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記接地系アンテナは、前記アンテナ本体と前記アンテナ給電端部との間に、前記アンテナ給電端部でのアンテナ側のインピーダンスを前記アンテナ給電端部での前記アイソレーション回路側のインピーダンスに調整するアンテナ整合回路をさらに有することを特徴とする携帯型無線機。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    非導電性筐体と前記無線回路とが搭載された基板とを有し、
    前記無線機グランドは、前記基板に形成された基板グランドであることを特徴とする携帯型無線機。
  7. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    導電性筐体と前記無線回路とが搭載された基板とを有し、
    前記無線機グランドは、前記基板に形成されたグランドパターンを介して前記導電性筐体に接続された筐体グランドであることを特徴とする携帯型無線機。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記無線機グランドの寸法が、前記無線回路の運用周波数の4分の1波長より短いことを特徴とする携帯型無線機。
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