JP2006323342A - 超分子複合フィルム材料および製造方法 - Google Patents

超分子複合フィルム材料および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境因子に対する加水分解安定性および機械的強度を含む動作特性が向上した光学異方性複合フィルムを提供する。
【解決手段】(1)共役π系および置換極性基を有する環状有機化合物の超分子からなるリオトロピック液晶の層を形成する工程、(2)前記層に外部からの配向力を加え、そして、溶媒を除去することにより結晶薄膜を形成する工程、(3)前記結晶薄膜を無機塩の溶液で処理し、その結果、前記有機分子からなる超分子の不溶性結晶フィルムを形成する工程、(4)前記極性基と相互作用することができる結合剤を前記不溶性フィルムに含浸させて充填フィルムを形成する工程、および(5)前記充填フィルムを乾燥して超分子複合フィルム材料を形成する工程からなる複合フイルム。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、特許出願番号第60/578,338号(2004年6月8日出願)(その開示内容はこの引用により本明細書に記載されたものとする)の利益を主張するものである。
本発明は、総じて、結晶性の複合フィルム材料の分野に関する。特に、本発明は、総じて、マイクロエレクトロニクス、光学、通信、コンピュータ技術、および他の関連分野に関する。
現代技術の発達には、新規な材料、特に、望ましい特性を有する光学部品、電子部品、および他の部品を製造するための基礎材料を構成する複合物を作りだすことが必要である。
複合物または複合材料は、二以上の異なる成分または相からなる系に相当する。複数の成分のうち一つは、連続しており、マトリックスまたは基材と呼ばれ、一方、他の成分は、前記マトリックス中に、含有物の形態で、特に粒子、繊維、層の形態で分布し、充填剤または分散相と呼ばれる。複合材料または複合物は、異成分からなる分散系であり、その特性は、複数の成分の性質の単なる寄せ集めではない。複合材料の特性は、マトリックスと充填剤との相互作用を変えることにより、適当な充填剤を選ぶことにより、また、成分比を変えることにより、調節することができる。望ましい特性を有する複合材料を得るにあたって、充填剤粒子の物理化学的パラメーターは重要な役割を果たす。
光学的に透明な材料を得るための複合物が、米国特許第4,143,017号に開示され、それは、不飽和グリコール類を含む共重合体、水および有機充填剤を含有し、各成分の高い光学特性を維持しつつ、最終的な複合物の機械的性質を向上させる。充填剤は、少なくとも一つのカルボキシ基を含む多官能モノマーであり、それは、架橋剤として作用する。
重合性基を含む種々の充填剤分子が、欧州特許EP0,389,420に記載されている。
充填剤は、有機物および/または無機物の種々の物質の組み合わせとすることができる。例えば、液晶性のポリマー系および有機充填剤と無機充填剤の両方を含む水性ポリマー分散物がPCT特許公報WO0040655およびWO0040629に記載されている。使用された無機成分はアルカリ土類金属塩であった。
液晶ディスプレイのバックライトシステムに使用されるポリマー組成物のもう一つの例は、欧州特許EP0,847,424に開示され、それは、有機充填剤と無機充填剤の両方を含むポリマー結合剤で覆われたポリマーフィルムを含む。前記結合剤は、透明であり、その光学特性を長時間維持する。
ヨウ素によって修飾されたポリビニルアルコール(PVA)をベースとする異方性フィルムについて、二成分液晶系の光学特性が研究されている(Bahadur, B., Liquid Crystals: Applications and Uses, ed., Vol. 1, World Scientific, Singapore, New York, July 1990, p. 101参照)。
しかし、ポリマーをベースとする多くの光学材料、特に染料添加物を含むPVAをベースとするフィルムは、相対的に低い熱安定性を有し、その用途は限られてくる。
特別な種類のポリマーとして超分子ポリマーがある(例えば、Brandveld, L., Supramolecular Polymers, Chem. Rev., 101, 4071-97 (2001)参照)。その構造単位同士は、非共有結合、例えば水素結合、配位結合、およびアレーン−アレーン結合によって連結されている。そのモノマーは、種々の置換イオン基を含む、ディスコチック分子の自己集合体であり、典型的には有機染料である。水溶液において、そのようなディスコチック分子は、集合してリオトロピック液晶を形成する。
超分子ポリマー組成物の形成における水素結合型の分子間結合の重要な役割は、例えば、欧州特許EP1,300,447に記載されている。そのような結合は、隣り合うポリマー鎖の官能基同士の相互作用の結果より明らかである。
米国特許第5,730,900号は、ポリマーマトリックスを含むフィルムを得る方法を開示する。開示された方法によれば、開始溶液は、置換基に重合性基を含む置換されたディスコチック多環式化合物と、液晶性物質とを含む。基材は、配向されたポリマー基材である。開示された処理およびさらなる冷却の後、結合充填剤に相当する液晶性含有物を含むポリマーマトリックスフィルムが形成される。二成分混合物のこの変換によって、保護層を有するマトリックス−ポリマー系の形成がもたらされ、最終的なフィルムにおける液晶の性質は維持される。しかし、有機溶媒を使用すること、系の成分に対して個々に溶媒を選ぶ必要があること、高温および/またはUV照射が必要なことは、上述した重合プロセスの技術を複雑なものにし、また、環境に対して適当でない。
新しい特性を有する修飾された光学フィルム材料を得るためのもう一つの種類の化合物は、平面の分子構造を有する修飾された水溶性の二色性有機染料によってもたらされる。複素環式分子およびそのような化合物の分子集合体は、可視スペクトル領域における強い二色性を特徴とする。そのような材料をベースとする結晶薄膜を製造するプロセスは、従来技術の欠点を有さないものである。その製造プロセスは、以下の段階を含む。第一の段階において、水溶性染料は、リオトロピック液晶相を形成する。この相は、二色性染料のディスコチック分子で構成される柱状集合体からなる(例えば、Yeh, P., et al., Molecular Crystalline Thin Film E-Polarizer, Mol. Mater., 14 (2000)参照)。これらの分子は、希薄溶液中であっても集合することができる(Lydon, J., Chromonics, In: Handbook of Liquid Crystals, 1998, pp. 981-1007参照)。第二の段階において、リオトロピック液晶相(インクまたはペーストの形態)を剪断力とともに塗布することにより、分子の柱状構造が剪断力の方向に並ぶ。塗布された液晶の高いチキソトロピーのため、剪断力により生じた状態において高い分子秩序がもたらされ、そして、剪断作用が終了した後、それが保存される。プロセスの第三段階において、溶媒(水)を蒸発させることにより、一方向の結晶化が起こり、米国特許第6,563,640号に概説されるように予め配向された液晶相から有機固体結晶フィルムが形成される。そのような結晶薄膜(TCF)は、屈折率および吸収率の高い光学的異方性を特徴とし、Bobrov, Yu. A., J. Opt. Tehnol., 66, 547 (1999)により詳細に記載されるように異常偏光子の特性を示し、また、Ignatov, L. et al., Society for Information Display, Int. Symp. Digest of Technical Papers, Long Beach, California, May 16-18, Vol. XXXI, 834-838 (2000)に概説されたように、液晶ディスプレイにおける商業的利用のために使用することができる。
この技術によって製造される光学異方性フィルムは、高湿度の環境において不十分なものである。米国特許第6,563,640号に開示されるように、前記フィルムは、二価または三価の金属のイオンを含む溶液でさらに処理することができる。この処理の最終産物として、不溶性のフィルムが形成される。しかし、温度上昇および高湿度によってその水分含有量が変動し得、それは、光学特性の安定性の低下をもたらす。
本発明は、環境要因に対する加水分解安定性および機械的強度を含む、動作特性向上させた、光学的に異方性の複合フィルム材料を提供する。本発明のこれらおよび他の効果は、超分子複合フィルム材料を創出することにより達成することができる。この超分子複合フィルム材料は、極性基を含む有機超分子からなる結晶薄膜のマトリックスと、少なくとも二つの官能基を含む水溶性の脂肪族化合物に代表される結合剤を含有する。
本発明は、さらに、これらの有利な特性を有する超分子複合フィルム材料を製造するための方法を提供する。一態様において、その方法は、以下の工程を備える。(i)共役π系および置換極性基を有する環状有機化合物の超分子からなるリオトロピック液晶の層を形成する工程、(ii)前記層に外部からの配向力を加え、そして、溶媒を除去することにより結晶薄膜を形成する工程、(iii)前記結晶薄膜を無機塩の溶液で処理し、その結果、前記有機分子からなる超分子の不溶性結晶フィルムを形成する工程、(iv)前記極性基と相互作用することができる結合剤を前記不溶性フィルムに含浸させることにより充填フィルムを形成する工程、および(v)前記充填フィルムを乾燥して超分子複合フィルム材料の形成をもたらす工程。
本発明の他の目的および効果は、以下に説明する図面を参照して、発明の詳細な説明および添付の請求の範囲を読むことにより、明らかとなる。
本発明の提供するところは、広い波長範囲において選択的な光学特性を有する複合材料からなる光学異方性フィルム、およびそのようなフィルムを得る方法である。前記材料は、溶液中でリオトロピック液晶相を形成することができる種々の有機物質をベースとすることができる。この材料を基材上に塗布し、その後前記リオトロピック液晶相に外部からの配向力をかけ、そして溶媒を除去することにより、有機分子の秩序づけられた系からなる異方性の結晶薄膜が形成される。
前記光学フィルムの適当な機能、特に高い温度および湿度の条件下でのその安定性は、前記フィルムを無機塩と液晶分子と相互作用することができる水溶性の有機化合物によって処理することにより、機械的強度の増加、物理的性質の向上により確かなものにする。
、それは、を。
本開示の複合材料からなる光学異方性フィルムは、処理しないフィルムに比べ、環境要因に対するより高い安定性、向上した機械的性質、およびより良い光学特性を有する。本発明の他の態様は、前記フィルムを得るための方法を提供する。
本発明は、平面構造を有し、置換極性基を含み、非共有π−π結合によって連結された有機分子からなる超分子を用いる。それらの化学的構造に関し、それらの分子は、π結合の共役系を有する環状化合物(芳香族化合物および複素環式化合物を含む)に属する。それらの分子は、置換修飾基を含み、前記置換修飾基は、極性または非極性のいずれかとすることができる。極性基は、親水性であり、水および他の極性溶媒に対する溶解性を前記有機化合物の分子に付与する。非極性基は、疎水性であり、非極性溶媒に対する溶解性および必要なスペクトル特性が決定まる。そのような化合物の一つの種類には、有機染料が該当する。
前記超分子は、π−π(アレーン−アレーン)結合によって連結された共役π系を有する環状有機分子の鎖からなり、一般式{M}n(F)d(式中、Mは有機分子であり、nは前記鎖中の分子の数(10000まで)であり、Fは超分子間の空間に露出している極性基であり、かつdは一分子あたりの極性基の数(1〜4の範囲で変わる)である)を有する。
前記極性基は、イオノゲンおよび非イオノゲンとすることができる。イオノゲンの極性基は、典型的に、スルホン酸基、硫酸基、および燐酸基を含む、強い鉱酸の陰イオン基が該当し、また、極性の小さいカルボキシ基も該当する。さらに、これらの基は、pH依存性の特性を有するアミノ基およびいくつかの両性基のような陽イオンフラグメントとしてもよい。溶液において、前記極性基は、一つまたは複数の(同じまたは異なる)対イオンを常に伴う。多価の対イオンは、同時に異なる複数の分子に属してもよい。非イオノゲンの極性基には、水酸基、塩素、臭素などがある。
非極性基は、メチル基、エチル基、エトキシ基などの多くの種類の有機フラグメントに主に属する。
前記有機化合物の分子は、通常楕円形状である平面構造を有する。それらの分子は、対称または非対称のいずれかとすることができ、その周囲に配置された置換基を有する。前記分子は、両親媒性であり、化学的性質が同じまたは異なる複数の置換基を同時に含むことができる。
知られているとおり、平面状分子(例えば染料の)同士間のπ−π相互作用により、分子の集合体または超分子は形成される。溶媒和、すなわち修飾極性基と溶媒との優先的な相互作用によって、リオトロピック液晶(LLC)系または中間相(メソ相)と呼ばれる同じ種類の超分子の秩序づけられた構造が形成される。LLC系は、広い範囲の濃度、温度、およびpH値にわたって安定性の領域を有する状態図を特徴とする。
極性溶媒中で前記有機物質によりそのようなLLC中間相を形成することは、本発明の目的を達成するのに必要な条件である。前記極性溶媒は、水または水と任意の割合で混和できる有機溶媒と水の混合物とすることができる。
本発明は、中間相を形成できる水溶性の有機物質を利用する。前記有機物質は、米国公開特許出願第US2001/0029638号に詳細に記載されており、その開示はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする。前記有機物質には、例えば以下の種類の化合物があるが、それらに限定されるものではない。ポリメチン染料(例えば擬イソシアニン(peudoisocyanine)、ピナシアノール(pinacyanol))、トリアリールメタン染料(例えばBasic Turquose、Acid Light Blue 3)、ジアミノキサンテン染料(例えばスルホローダミン)、アクリジン染料(例えばBasic Yellow K)、スルホン化アクリジン染料(例えばトランス−キナクリドン)、アントラキノン染料の水溶性誘導体(例えばActive Light Blue KX)、スルホン化バット染料(例えばフラバントロン、インダンスレン・イエロー(Indanthrene Yellow)、Vat Yellow 4K、Vat Dark Green G、Vat Violet C、インダントロン、Perylene Violet、Vat Scarlet 2G)、アゾ染料(例えばベンゾプルプリン4B(Benzopurpurin 4B)、Direct Lightfast Yellow O)、水溶性ジアジン染料(例えばAcid Dark Blue 3)、スルホン化ジオキサジン染料(pigment Violet Dioxazine)、可溶性チアジン染料(例えばメチレンブルー)、水溶性フタロシアニン誘導体(例えば、銅オクタカルボキシフタロシアニン塩)、蛍光増白剤、クロログリカネート二ナトリウム(disodium chrologlycanate)、およびその他、例えば、ペリレンテトラカルボン酸ジイミドレッド(Perylenetetracaboxylic Acid Diimide Red (PADR))、PADRのベンゾイミダゾール(紫)およびナフタレンテトラカルボン酸のベンゾイミダゾール(黄、濃い赤紫)、フェナントロ-9,10:2,3-キノキサリンおよびベンゾイミダゾール類のスルホ誘導体などを含む。
リオトロピック液晶中間相は、水溶性スルホ誘導体の形態であるイオノゲンの有機分子を、単独でまたはそのような化合物の混合物で用いることにより、形成される。
本開示の系における陽イオンの対イオンは、H+、NH4 +、K+、Li+、Na+、Cs+、Ca2+、Sr2+、Mg2+、Ba2+、Co2+、Mn2+、Zn2+、Cu2+、Pb2+、Fe2+、Ni2+、Al3+、Ce3+、La3+、または、それらおよび他のカチオンの組合せとすることができるが、これらに限定されるものではない。
水に溶解されるとき、これらのスルホ誘導体またはその混合物の分子は、非等尺的な(棒状の)集合体を形成し、それは、複数のコインを積み重ねたようにまとめられている。そのような溶液中の各集合体は、電気二重層を有するミセルである一方、前記溶液全体は、高度に分散された(コロイド状の)親液系となる。溶液の濃度(すなわちミセルの濃度)を増加させると、前記非等尺的集合体は自発的な秩序化(自己秩序化とも呼ぶ)を示す。これは、ネマチックリオトロピック中間相の形成をもたらし、それにより、前記系は液晶性となる。柱状構造(カラム)において染料分子は高度に秩序づけられているため、その中間相は、配向二色性材料を得るため用いることができる。これらの材料から形成されるフィルムは、高度の光学的異方性を有する。その液晶状態は、通常の方法により、例えば偏光顕微鏡を用いて容易に確認される。
前記LLC中間相中の前記スルホ誘導体またはその混合物の含有量は、3〜50質量%、最も典型的には7〜30質量%の範囲にある。前記LLC系は、5質量%までの界面活性剤および/または可塑剤をさらに含んでもよい。
染料分子中のスルホン酸基の数(典型的に一つ〜四つ)ならびに他の置換基(例えばエチル基、メチル基、塩素、臭素)の数および性質を変えることにより、液晶溶液中に形成される集合体の親水性−疎水性バランスを調節することができ、また、前記溶液の粘度を変えることができる。これは、結果として、超分子の寸法および形状に影響を及ぼし、また、超分子の分子的秩序の程度に影響する。それは、関連するLLC系の必要な溶解性および高い安定性をもたらす。超分子同士の間隔は、典型的に40〜100Åの範囲内である。
上述したすべての化合物は、単独でも、互いの混合物においても、他の二色性染料との混合物においても、また、可視スペクトル領域において無色または弱い吸収性である何らかの有機化合物との混合物においても、溶液中で安定なLLC中間相を形成することができる。溶媒除去の後、これらの中間相は、すぐれた光学特性を有する異方性で少なくとも部分的に結晶性のフィルムを形成することができる。
LLC溶液は、例えば比較的低い温度に加熱して溶媒を蒸発させることにより、真空中での蒸留により、または、透析ろ過により濃縮される。この処理によって、十分に長期間、液晶状態を維持することができるペースト状の材料またはいわゆる「インク」を形成することができる。
前記LLC系の層は、前記溶液または濃縮物をクリーンな基材表面に塗布することにより、形成される。前記基材は、通常、ガラスまたはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリアリーレートなどのポリマーからなるが、それらに限定されず、また、任意の必要な形状を有することができる。
次に、LLC層に配向が施される。機械的因子、電気的因子、磁気的因子などの種々の因子を用いることに基づく、外部からの配向力をかける既知の方法がある。この力の強度はLLC中間相の動力学的単位(超分子)に必要な配向を付与するのに十分でなければならなないものであり、前記液晶溶液の性質、例えば、その種類、濃度、温度などによって変わってくる。得られる配向構造は、本開示の材料および本材料からなる関連物の基本的な特性である。さらに、米国特許第5,739,296号、第6,174,394号、および第6,563,640号に記述があり、それらは、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする。
本発明の開示に従って、有機分子のリオトロピック液晶系の層への外部配向力は、機械的剪断によってもたらされる。これは、種々のタイプのうちの一つまたはいくつかの配向用具による方向をもった機械的作用を介して達成される。そのような用具には、ナイフ、円筒ワイパー、またはフラットプレート(塗布層表面に平行にまたは前記表面にある角度で向けられる)、スロットダイ、または他の配向具がある。必要な厚みのフィルムが得られるよう、前記表面から配向用具の端部までの距離が設定される。
その後の溶媒除去の工程は、温和な条件下、室温で約1時間までの時間において行われるか、または、時間節約のため約20〜60℃の範囲の温度で40〜70%の相対湿度において加熱することにより行われる。この処理により、結晶薄膜(TCF)と呼ばれる、有機分子の配向した薄層によって覆われた基材が残される。
溶媒除去の方法は、すでに形成したLLC構造の配向を損なわないよう選択される一方、外部配向力の過程で生じる応力の緩和がもたらされるよう選択される。基材上のTCF形成の前にLLC層を乾燥しすぎないよう注意すべきである。高い湿度の条件下で溶媒除去工程を行うことが好ましい。前記材料層の結晶度を確実に高くするのに重要な因子は、系から溶媒を除去する工程の速度と方向性である。得られる層は、秩序づけられた分子構造を有する十分に薄い連続したフィルムとなり、そこにおいて、有機分子は、配向秩序を有する集合体にまとめられている。この構造の形成は、前記分子が、すでに局部的な秩序を有し、一次元的および/または二次元的な互いに配向した準結晶集合体を構成している、溶液中の分子の特定の液晶状態によって決定される。外部配向力の付与と同時に基材表面に塗布されるとき、そのような系は、巨視的な配向を獲得する。この配向は、乾燥工程において保持されるだけでなく、結晶化によって高めることもできる。
本開示のプロセスに従うその後の必要な段階は、前記フィルムを不溶性の形態に変換するため、超分子の得られたTCFを鉱物塩の水溶液で処理することである。この目的のため、例えば、5〜30%の範囲、最適範囲は10〜20%の濃度を有する塩化バリウム(BaCl2)の溶液を用いることができる。この処理の間、Ba2+イオンはNH4 +イオン(超分子の極性基に対する対イオン)と置き換わり、不溶性の有機バリウム硫酸塩が形成される。一部、フィルムの孔および構造欠陥中に浸透し得る、未反応の塩化バリウムは、水中での洗浄により十分除去される。次いで、フィルムを、空気中室温にて、または、20〜70℃の範囲の高められた温度で、前記温度に応じて約20分までの時間、乾燥する。
本開示の技術的な過程における次の段階は、水溶性の有機結合剤の溶液を不溶性TCFに含浸させることにある。前記水溶性の有機結合剤は、第一に、超分子間の空間に露出した有機分子のスルホン酸基および他の極性基と速やかに相互作用できるものであり、また第二に、架橋結合を形成できるものである。
結合剤は、例えば、カルバミド(NH2CONH2)とホルムアルデヒド(HCHO)との相互作用により得られるモノメチロールカルバミド(H2N(CO)NHCH2OH)およびジメチロールカルバミド(HOH2CHN(CO)NHCH2OH))のメチロールカルバミド類(MC類)を含む脂肪族化合物の群から選ばれる。MC分子は、その官能アミノ基およびヒドロキシ基の相互作用を介して互いに重合することができる。その結果、二量体および三量体からオリゴマーおよび高分子量化合物にいたる種々の長さの高分子が形成される。前記高分子量化合物は、約100またはそれ以上の重合度を有し、高分子中のスタック(積層物)間の距離を超える鎖長を有する。
モノマー溶液をTCFの表面に塗布するとき、MC分子は前記フィルム中に拡散し、そしてスタック間に広がる。前記フィルム中の特定の部位および濃度に応じて、結合剤の分子は種々の変化を示す。これらの分子は、互いに、または、有機染料分子の極性基と、イオン結合または水素結合のいずれかのタイプの化学結合を形成する。
MCの重縮合は、pH<5で進み、種々の酸によって触媒される。その過程は、加熱によって加速することができる。その反応は以下のスキームによって表される。
-NHCH2OH+HOCH2NH→-NHCH2OCH2NH-+H2O
-NHCH2OH+HOCH2NH→-NHCH2NH-+H2O+CH2O
その長さおよび構造に応じて、重合したMC分子は、同じ超分子または異なる超分子のいずれかに属するTCF(結晶化有機超分子によって形成される)の離れた構造フラグメント同士を結合する。MC分子は、TCFの内部および表面の両方において架橋とともに重合することができ、固い複合薄膜を生成させることができる。最終的なフィルムの厚みは、最初のTCF層の厚みおよびMC溶液の濃度に依存する。含浸の結果得られるTCFは、十分に高い強度および弾性を有する。架橋の網状構造は、染料分子のスタック同士を結合し、従ってTCFの構造を強化する。
含浸溶液がMC分子のみを含む場合、TCF表面上に形成されるポリマーフィルムは、硬く、もろく、そして、時間とともに透明性を失い得る。安定で弾性のあるフィルムを得るために、含浸溶液中に二つ以上のOH基を有するアルコールを入れることが好ましい。最も適当な添加物は、グリセロール(Gl)、または他の二価または多価アルコール類であってMCと共重合することができかつアミノ基間に架橋結合を形成することができ、そしてさらに可塑化作用を発揮するものである。また、グリセロールを含浸MC溶液に入れることにより、TCFの光学特性は顕著に(15〜20%)向上する。MC+Gl溶液を含浸させ、そして薄い表面ポリマーフィルムを形成することにより、TCFの環境安定性は顕著に増加する。含浸溶液中のMCとGlの最適な比は、2:(0.1〜1.0)(w/w)である。このプロセスは、例えば、MCとアルコール(二価または三価)の混合物またはMCの低濃度水溶液中に試料を1秒〜数十秒間浸漬することにより、行われる。最後に、この修飾したフィルムを、室温または20〜70℃の範囲の上昇させた温度で1〜20分の時間(またはこれらの条件を交互に用いて)乾燥する。この乾燥に伴って、TCF表面および超分子有機構造から過剰の結合剤が排除される。
MC+Gl溶液で処理されたTCFの光学特性および熱安定性に増加が見られるのは、主に、MCおよびGlの分子によって染料フラグメントが一体化された系にまとめられるということによって説明される。このことは、(i)MCおよびGlのヒドロキシ基と染料のカルボニル基およびスルホ基との間に水素結合が形成されること、および(ii)MCのアミノ基と染料のスルホ基との間の相互作用、の両者と関係し得る。さらに、MC分子は、pH<5〜6で重合を行うことができ、それ自身の特別な網状構造を形成することができる。Glの分子は、MCとの重縮合反応に入り込むことができる。その結果、MCおよびGlが結合剤の役割を果たすTCFをベースとする複合材料が生じる。この複合物は、高い強度を示すが、このことは、湿度を高くした条件下においてMC+Gl処理したTCFの厚みが一定不変であることにより裏付けられる。図1に示すデータから見ることができるように、対照(未処理)TCF試料の厚みのは、空気の相対湿度(RH)に左右され、RH≧60〜70%の範囲において特に顕著な変動を示す。全般的に見て、前記RH範囲における検討された未処理のTCFの厚みは、〜32%増加する。2%MC-1%Gl溶液を用いた含浸の後、試料の厚みは約13%増加するが、相対湿度に対する依存度はより少ないものとなっている。一試験において、RH=37%で520nmであった、含浸TCFの厚みは、RH=72%で30nm(5.7%)しか増加しなかった。
上述した一連の段階により、高い強度および熱安定性を特徴とする固い複合フィルムが得られる。この複合材料において、有機化合物の化学変換による生成物は充填剤の役割を果たす一方、無機塩を含浸した超分子の有機化合物からなるTCFフィルムはマトリックスとして機能する。極性基を含むTCFフィルムは、前記材料の全重量の95質量%までを占める。前記材料は、高温などの環境要因に対して高度に安定であり、230℃までの加熱に短時間(30分間以内)耐える。前記フィルムの光学特性は、高い湿度(RH=95%)および高温(80℃まで)の条件下での長期間の動作において維持される。
上記のすべての場合において、得られるフィルムは、結晶性であり、3.4Åのオーダーの格子面間隔を有する。前記フィルムは、複屈折性であり、その光軸に対して互いに直交な方向における屈折率の違いに関連して、二色性、偏光性および位相性(遅延性)の性質を示す。また、前記フィルムは、光学フィルターの性質も有することができる。さらに、前記フィルムは、向上した機械的特性とともに上記性質を合わせ持つことができ、また、対応する動作機能を発揮することができる。
本発明の方法および系に従って実験を行った。これらの実施例は、単に例示を目的とするものであり、本発明の技術的範囲を限定しようとするものでは決してない。
実施例1
超分子複合フィルム材料を以下のとおり調製した。インダントロン、ナフタレンテトラカルボン酸およびペリレンテトラカルボン酸(INP)のスルホン化誘導体を5%の合計濃度で含む有機化合物の混合物の水溶液を、ロータリーエバポレータを用いてある染料濃度(10〜16%)まで蒸発させ、リオトロピック液晶相の形成を確実にした。次に、基板表面の濡れを向上させるため、界面活性剤Triton X-100を溶液に添加した。得られた「ブラック」インクの有効濃度は13%であった。
マイヤーロッドを配向用具として用い、前記インクを、ガラス基板の表面に塗布すると同時に配向させた。このフィルムの塗布は20℃およびRH=65〜70%において行った。同じ条件下で乾燥した後、TCFを塩化バリウム(BaCl2)の10%水溶液に1〜2秒間浸漬することにより水不溶性の形態(Ba-形)に変換した。次いで試料を垂直に立てて引き上げ、脱イオン(DI)水で洗浄し、エアナイフで乾燥した。
複合フィルム材料は異方性の光学特性を示した。TCF(対照試料)の偏光パラメーターおよび色座標を図1および表1に示す。測定は大気中、室温および相対湿度RH=45%において行った。
Figure 2006323342
ここで及び以下において、Tは非偏光における単一の試料の透過率であり、H0およびH90はそれぞれ非偏光における二枚の平行偏光子の透過率および二枚の直交偏光子の透過率であり、EPは偏光効率であり、CRはコントラスト比であり、そしてKdは二色比である。a値、b値は、1948年に提案されたハンターの色空間における色座標a、bを表す。
TCFの熱安定性を高めその光学特性を向上させるため、試料を、10%MC溶液中に20℃で30秒間浸漬することにより含浸を行い、その後DI水中ですすぎ、エアナイフで乾燥した。含浸および乾燥の後のTCFの光学特性を表2に示す。
Figure 2006323342
次に、対照およびMCを含浸させたTCF試料を、230℃で20分間加熱した(焼成試験)。焼成後のTCFの光学特性を表3に示す。
Figure 2006323342
焼成の前および後の未処理(対照)のTCFおよびMCを含浸させた試料について、コントラスト対透過率のグラフを図2に示す。
実施例2
マイヤーロッドを配向用具として用い、11.5%インクから、ガラス基板上にTCF試料を調製した。インクは20℃およびRH=65〜70%において塗布した。同じ条件下で乾燥した後、TCFを塩化バリウム(BaCl2)の10%水溶液に1〜2秒間浸漬することにより水不溶性の形態(Ba-形)に変換した。次いで試料を垂直に立てて引き上げ、DI水で洗浄し、エアナイフで乾燥した。
大気中、室温および相対湿度RH=45%で測定したこれらのTCF(対照試料)の光学特性を表4に示す。
Figure 2006323342
TCFの熱安定性を高めその光学特性を向上させるため、試料を、種々のMC+Gl(2:1)溶液中に20℃で30秒間浸漬することにより処理し、その後DI水中ですすぎ、エアナイフで乾燥した。この処理においてTCFの硬度は顕著に向上した。含浸および乾燥の後のTCFの光学特性を表5に示す。
Figure 2006323342
次に、対照のTCF試料およびMC+Glを含浸させたTCF試料を、230℃で20分間加熱した(焼成試験)。焼成後のTCFの光学特性を表6に示す。
Figure 2006323342
焼成試験の前および後の対照試料および4%MC+2%Gl溶液を含浸させた試料についてのデータを図3に示す。
実施例3
マイヤーロッドを配向用具として用い、1.2%インクから、ガラス基板上にTCFの試料を調製した。インクは20℃およびRH=65〜70%において塗布した。同じ条件下で乾燥した後、TCFを塩化バリウム(BaCl2)の10%水溶液に1〜2秒間浸漬することにより水不溶性の形態(Ba-形)に変換した。次いで試料を垂直に立てて引き上げ、DI水で洗浄し、エアナイフで乾燥した。
大気中、室温および相対湿度RH=45%で測定したこれらのTCF(対照試料)の光学特性を表7に示す。
Figure 2006323342
TCFの環境安定性を高めるため、試料を、2.5%MC+1.25%Gl溶液中に20℃で30秒間浸漬することによって処理し、その後DI水中ですすぎ、エアナイフで乾燥した。この含浸によってTCFの硬度は顕著に向上した。含浸および乾燥の後のTCFの光学特性を表8に示す。
Figure 2006323342
次に、対照のTCF試料およびMC+Glを含浸させたTCF試料を、80℃および相対湿度RH=90%において24時間加熱した(環境試験)。この試験後のTCFの光学特性を表9に示す。
Figure 2006323342
環境試験の前および後の未処理(対照)のTCFおよびMC+Glを含浸させた試料について、コントラスト対透過率のグラフを図4に示す。
実施例4
超分子複合フィルム材料を以下のとおり調製した。インダントロンおよびペリレンテトラカルボン酸のスルホン化誘導体を5%の合計濃度で含む有機化合物の混合物の水溶液を、ロータリーエバポレータを用いて10%の染料濃度まで蒸発させた。界面活性剤Triton X-100を添加した後、得られた「青−紫」インクの有効濃度は7〜8%であった。
マイヤーロッドを配向用具として用い、このインクを、ガラス基板の表面に塗布すると同時に配向させた。このフィルムの塗布は20℃およびRH=65〜70%において行った。同じ条件下で乾燥した後、TCFを塩化バリウム(BaCl2)の10%水溶液に1〜2秒間浸漬することにより水不溶性の形態(Ba-形)に変換した。次いで試料を垂直に立てて引き上げ、DI水で洗浄し、エアナイフで乾燥した。
室温および相対湿度RH=45%において測定したこれらのTCF(対照試料)の理論的特性を表10に示す。
Figure 2006323342
青−紫インクをベースとするTCFの熱安定性を高めその光学特性を向上させるため、試料を、2.5%MC+1.25%Gl溶液中に20℃で30秒間浸漬することにより処理し、その後DI水中ですすぎ、エアナイフで乾燥した。この処理によってTCFの硬度は顕著に向上した。含浸および乾燥の後のTCFの光学特性を表11に示す。
Figure 2006323342
次に、対照のTCF試料およびMC+Glを含浸させたTCF試料を、230℃で20分間加熱した(焼成試験)。焼成後のTCFの光学特性を表12に示す。
Figure 2006323342
環境試験の前および後の未処理(対照)のTCFおよびMC+Glを含浸させた試料について、コントラスト対透過率のグラフを図5に示す。
本発明の特定の態様および具体例について以上に示してきたものは、例示と説明を目的とするものである。本発明は、以上のいくつかの具体例によって明らかにされてきたが、それによって本発明を限定的に解釈すべきものではない。それらは、本発明を完全に網羅するものでもなく、また、本発明を開示したそのものずばりの形態に限定しようとするものでもない。上述した開示に照らして多くの変更・修飾、具体例および変形例が可能であることは明らかである。本発明の技術的範囲は、ここに開示した包括的な領域を包含し、添付した請求の範囲およびその均等の範囲によって包含すべきである。
結晶薄膜(TCF)の無機塩による処理およびメチロールカルバミドとグリセリン(MCGl)の含浸溶液による処理について、超分子複合フィルム厚みの相対湿度に対する依存性を示す図である。MC(2%)+Gl(1%)で処理したTCF(曲線2)と処理していないTCF(曲線1)。 メチロールカルバミド(MC)の含浸溶液で処理し、または処理していない、インダントロン、ナフタレンテトラカルボン酸およびペリレンテトラカルボン酸(INP)のスルホン化誘導体の不溶性TCFについて、230℃での焼成試験の前および後のコントラスト比対透過率(CR‐T曲線)を示す図である。焼成試験前の処理していないTCFは(1)、焼成試験後の処理していないTCFは(2)、焼成試験前の10%MC溶液で処理したTCFは(3)、焼成試験後の10%MC溶液で処理したTCFは(4)である。 MCGlの含浸溶液で処理し、または処理していない、INPの不溶性TCFについて、230℃での焼成試験の前および後のCR‐T曲線を示す図である。焼成試験前の処理していないTCFは(1)、焼成試験後の処理していないTCFは(2)、焼成試験前のMC(4%)+Gl(2%)溶液で処理したTCFは(3)、焼成試験後のMC(4%)+Gl(2%)溶液で処理したTCFは(4)である。 含浸溶液MCGlで処理し、または処理していない、INPの不溶性TCFについて、環境試験の前および後のCR‐T曲線を示す図である。環境試験前の処理していないTCFは(1)、環境試験後の処理していないTCFは(2)、環境試験前のMC(2.5%)+Gl(1.2%)溶液で処理したTCFは(3)、環境試験後のMC(2.5%)+Gl(1.2%)溶液で処理したTCFは(4)である。 含浸溶液で処理したまたは処理していない、インダントロンスルホン化物の混合物の水溶液をベースとする不溶性TCFについて、230℃での焼成試験の前および後のCR‐T曲線を示す図である。焼成試験前の処理していないTCFは(1)、焼成試験後の処理していないTCFは(2)、焼成試験前のMC(2.5%)+Gl(1.2%)溶液で処理したTCFは(3)、焼成試験後のMC(2.5%)+Gl(1.2%)溶液で処理したTCFは(4)である。

Claims (34)

  1. 極性基を含みかつ結晶薄膜に結晶化されている超分子のマトリックス、および
    少なくとも二つの官能基を含む脂肪族の結合剤、
    を含有してなる超分子複合フィルム材料。
  2. 前記超分子のそれぞれが、共役π系を有しかつπ-π結合で連結されている環状有機分子の鎖であり、一般式{M}n(F)d(式中、Mは有機分子であり、nは前記鎖中の分子の数であって10000までの大きさを有し、Fは超分子間の空間に露出した極性基であり、かつdは一分子あたりの極性基の数であって1〜4の範囲にある)を有するものである、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  3. 前記極性基がイオノゲンである、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  4. 前記極性イオノゲン基が一つ以上の対イオンと結合している、請求項3に記載の超分子複合フィルム材料。
  5. 前記対イオンはアルカリ土類金属イオンである、請求項4に記載の超分子複合フィルム材料。
  6. 超分子の前記マトリックスは、最高で前記複合フィルム材料の約95質量%までを占めている、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  7. 前記結合剤は水溶性である、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  8. 前記結合剤分子の前記官能基は、相互作用して水素結合および/または化学結合を形成する、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  9. 前記結合剤分子の前記官能基は、超分子の前記環状有機分子と相互作用して水素結合および/またはイオン結合を形成する、請求項2に記載の超分子複合フィルム材料。
  10. 前記結合剤の前記環状有機分子との相互作用は、超分子の前記マトリックスを乱すものではない、請求項9に記載の超分子複合フィルム材料。
  11. 前記結合剤分子の前記官能基は、異なる超分子または超分子の異なるフラグメントに属する環状有機分子の極性基と相互作用する、請求項9に記載の超分子複合フィルム材料。
  12. 前記結合剤は、アミノ基および/またはヒドロキシ基を含む、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  13. 前記結合剤はメチロールカルバミド類およびその誘導体からなる群より選ばれるものである、請求項12に記載の超分子複合フィルム材料。
  14. 前記結合剤は、さらに二価または多価のアルコールの添加物を含む、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  15. 前記アルコール添加物の前記結合剤に対する量は、0.1〜1.0対2の比の範囲内にある、請求項14に記載の超分子複合フィルム材料。
  16. 前記材料は、異方性であり、かつ光軸の一つに沿った格子面間隔が3.4±0.3Åである結晶構造を有する、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  17. 前記材料は、偏光性である、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  18. 前記材料は、位相差板または光フィルターである、請求項1に記載の超分子複合フィルム材料。
  19. 共役π系および置換極性基を有する環状有機分子からなる超分子のリオトロピック液晶の層を形成する工程、
    前記層に外部からの配向力を加え、その後、溶媒を除去することにより結晶薄膜を形成する工程、
    前記結晶薄膜を無機塩の溶液で処理し、その結果、前記有機分子の超分子からなる不溶性結晶フィルムを形成する工程、
    前記不溶性フィルムに前記極性基と相互作用する結合剤を含浸させて充填フィルムを形成する工程、および
    前記充填フィルムを乾燥して超分子複合フィルム材料を形成する工程
    を備える、超分子複合フィルム材料を製造方法。
  20. 前記リオトロピック液晶中の前記有機分子の含有量は、約3〜50質量%の範囲にある、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  21. 前記リオトロピック液晶中の前記有機分子の含有量は、約7〜30質量%の範囲にある、請求項20に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  22. 前記リオトロピック液晶は、水、または水と混和できる有機溶媒と水の混合物をベースとするものである、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  23. さらに、前記リオトロピック液晶が5質量%までの界面活性剤を含む、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  24. 前記リオトロピック液晶が5質量%までの可塑剤をさらに含む、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  25. 前記外部からの配向力が前記層への機械的剪断である、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  26. 前記外部からの配向力が、電場および磁場を加えることからなる群より選ばれる一つまたは複数の外部力を含有する、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  27. 前記リオトロピック液晶からの溶媒の除去は、約20〜60℃の間の温度および40〜70%の相対湿度において行われる、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  28. 前記溶媒は、約20℃の温度において約1時間未満の時間で除去される、請求項27に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  29. 前記無機塩の溶液は、アルカリ土類金属塩の溶液である、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  30. 前記溶液の濃度は約5〜30質量%の範囲にある、請求項29に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  31. 前記溶液の濃度は約10〜20質量%の好ましい範囲にある、請求項30に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  32. 前記不溶性結晶フィルムは、前記結合剤を含浸させる前に、水で洗浄し、次いで20〜70℃の間の温度において約20分間未満乾燥する、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  33. 前記含浸において、前記結合剤は水溶液として用いられる、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
  34. 前記結合剤を約0.5〜20質量%の濃度の範囲内で用いる、請求項19に記載の超分子複合フィルム材料を製造方法。
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