JP2006322672A - ドラム型ボイラスケールの一貫洗浄方法およびそのための洗浄システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 水冷壁管、過熱器管・主蒸気管等の被洗浄配管を、切断することなく、単一の化学洗浄液を使用して一貫洗浄可能にするための技術を提供すること。
【解決手段】 主蒸気止め弁取り合い座を洗浄液入り口、水冷壁管取り合い座およびボイラ降水管取り合い座を洗浄液出口として取り合い、仮設洗浄装置によりドラム型ボイラの被洗浄配管に、加熱したキレート系化学洗浄液を循環させるドラム型ボイラの一貫洗浄方法並びに被洗浄配管から除去されたスラッジ分を除去・回収するスラッジ捕集装置、循環ポンプ、洗浄剤溶解タンク、洗浄剤溶解注入ポンプおよび洗浄液の温度を調整する熱交換器を含む仮設洗浄装置から構成されることを特徴とする洗浄システム。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ドラム型ボイラスケールの一貫洗浄方法に関し、更に詳細には、ドラム型ボイラの水冷壁管や、過熱器管・主蒸気管内面に生じるスケールを、洗浄対象系統の配管を切断せずに、化学洗浄することのできる一貫洗浄方法およびそのための洗浄システムに関するものである。
ドラム型ボイラは、図1に示すように、蒸気ドラム8と水ドラム26の2つのドラムの間を、ボイラの壁面を形成する数多くの水冷壁管5と、数多くの降水管4とで連通された構造をしている。この水冷壁管5のうち、降水管4側のものの下半分で壁を構成し(この部分の水冷壁管5は両側にヒレを有し、これを溶接することで、隙間のない壁の形成が可能である)、降水管4をボイラから遮蔽している。また、降水管4側の水冷壁管5の上半分は、千鳥状の配管となっており、管と管との間に隙間を形成すると共に、過熱器管6がペンダント状に配置される空間を形成する。ボイラバーナー・トーチ20の燃焼により発生する燃焼ガスは、前記管と管との間の隙間から過熱器管6が配置された空間を通り、ボイラダンパ23、エアヒーター22へと排出される。そして水ドラム26は、バーナ・トーチ20の熱により水冷壁管5中を加熱されながら上昇し、蒸気ドラム8に入り、その後、降水管4中で冷えながら下降する。これらの管と2つのドラムは上記したように連通しているので、自然に水の循環が生じることになる。一方、蒸気ドラム8中に加熱されながら送り込まれた水の一部は水蒸気となり、この水蒸気は更に、前記のペンダント状に配置された過熱器管6で加熱され、主蒸気管7からタービンに送り込まれる構造となっている。
従来、このようなドラム型ボイラの水冷壁管や、過熱器管・主蒸気管の内面に生じるスケールの除去方法としては、水冷壁管や主蒸気管を切断後、個別に洗浄する方法がとられており、多大な労力及び費用を要するという問題があった。しかも、国内では、この方法によるボイラの過熱器管の洗浄は、ほとんどなされていないのが現状である。
また、上記のような従来法で主蒸気管を洗浄するためには、まず、規制当局の認可を得てから、主蒸気管を切断する必要があり、洗浄後も、当該配管復旧後に規制当局の検査を受ける必要があって、これらに関わる労力費用もまた多大となっていた。更に、過熱器管を単独で洗浄しようとする場合にも、規制当局の認可を得る必要があり、上記と同様の問題がある。
これらの労力を回避するため、主蒸気管7については、主蒸気管安全弁から風船型閉止治具を挿入し、これを安全弁上流側に装着し、安全弁フランジ部から洗浄液入り口座として取り合い、洗浄を行う方法も検討されてきた。しかし、この方法では過熱器管部の洗浄が十分に出来ず、目的を達成できないという問題があった。
すなわち、水冷壁管に生成する酸化スケールと、過熱器管・主蒸気管に生成する酸化スケールでは、その性状組成の違いから化学洗浄剤に対する溶解性に差がある。そして、過熱器管・主蒸気管に生成する酸化スケールは、水冷壁管に生成する酸化スケールに比較し難溶性を示すため、スケールの除去に要する洗浄時間も水冷壁管に比較し長時間が必要になる。
このような、溶解性に差がある水冷壁管の酸化スケールと、過熱器管・主蒸気管の酸化スケールとを一貫洗浄する場合に、過熱器管・主蒸気管の酸化スケールまで除去しようとすると、比較的早い時期に酸化スケールが除去される水冷壁管は、過洗浄となり、母材の腐食が増大してしまうという問題が出てくる。
このようなことから、ボイラスケールの洗浄にあたり、水冷壁管用と、過熱器管・主蒸気用とを異なる洗浄剤で別々に洗浄することが行われているが、複数の洗浄剤を使用することは作業を煩雑にし、効率が低下することは否めない。
従って本発明は、従来不可能とされていた、水冷壁管、過熱器管・主蒸気管等の被洗浄配管を、切断することなく、単一の化学洗浄液を使用して一貫洗浄可能にするための技術の開発をその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、キレートを含有する化学洗浄剤を加熱して用い、これを水冷壁管、過熱器管・主蒸気管等の被洗浄配管を循環させることにより、各配管を切断することなくドラム型ボイラでの一貫洗浄が可能であることを見出した。特に、最初の段階で、水冷壁管および過熱器管・主蒸気管を洗浄し、水冷壁管のスケールを除去した後、洗浄液温度を調整し、スケールの除去しにくい過熱器管・主蒸気管のみを洗浄することにより、過洗浄の問題を生じることなく、一貫洗浄を行うことが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、主蒸気止め弁取り合い座を洗浄液入り口、水冷壁管取り合い座およびボイラ降水管取り合い座を洗浄液出口として取り合い、仮設洗浄装置によりドラム型ボイラの被洗浄配管に、加熱したキレート系化学洗浄液を循環させるドラム型ボイラの一貫洗浄方法である。
また本発明は、水冷壁管のスケールが実質的に除去できるまで、水冷壁管および過熱器・主蒸気管を、120℃〜160℃に加熱したキレート系化学洗浄液で洗浄した後、過熱器管のスケールが実質的に除去できるまで、水冷壁管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を120℃以下に、過熱器管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を140℃〜160℃にそれぞれ調整し洗浄する上記のドラム型ボイラの一貫洗浄方法である。
更に本発明は、被洗浄配管から除去されたスラッジ分を除去・回収するスラッジ捕集装置、循環ポンプ、洗浄剤溶解タンク、洗浄剤溶解注入ポンプおよび洗浄液の温度を調整する熱交換器を含む仮設洗浄装置から構成されることを特徴とする洗浄システムである。
本発明によれば、過熱器管・主蒸気管を洗浄するための多大なる費用と労力要する切断作業を行わず、且つ、一貫洗浄することにより、これらに付着堆積した、酸化スケールを一括同時に除去し、ボイラー起動時停止時などに上記洗浄対象物に付着している酸化スケールの剥離脱落によるタービンへの飛散、流入を防ぎ、ノズル・エロージョンを防止し、タービンの健全性を保つことが可能である。
また、水冷壁管に付着している酸化スケールを除去することにより、水冷壁管の破裂を防止しボイラの健全性確保が可能となる。
更に、洗浄目的が異なる水冷壁管、過熱器管、主蒸気管を同一洗浄剤で一貫洗浄することにより、水冷壁管、過熱器管・主蒸気管を個別に洗浄した場合と比較し、大幅なコスト低減が可能となる。
更にまた、水冷壁管の洗浄温度を、過熱器管・主蒸気管と違った温度に調整すれば、水冷壁管の過洗浄を防止しつつ過熱器管、主蒸気管を化学洗浄することが可能である。
以下、本発明の好ましい実施態様を示す図面と共に、本発明の説明を続ける。
図2は、本発明の洗浄系統および機器類を模式的に示したものである。図中、1は主蒸気止め弁取合座、2はボイラ水冷壁管入口取合座、3はボイラ降水管取合座、4は降水管、5はボイラ水冷壁管、6は過熱器管、7は主蒸気管、8は蒸気ドラム、9は蒸気ドラムマンホールをそれぞれ示す。また、10は仮設循環ポンプ、11はバルブ切替パネル、12は熱交換器、13はテストチューブ取付座、14は調圧タンク、15は圧力調整弁、16はスラッジ捕集装置、17は洗浄剤溶解タンク、18は洗浄剤注入ポンプ、19は空気、酸素吹込座をそれぞれ示す。更に、20はボイラバーナ・トーチ、21はFDF(押込み通風機)、22はエアヒータ(空気予熱器)23、ボイラダンバ、24は蒸気式空気予熱器、25は煙突、26は水ドラムをそれぞれ示す。
本発明を実施するには、主蒸気止め弁取り合い座1と、水冷壁管取り合い座2およびボイラ降水管取り合い座3を洗浄液出入り口とすることが必要である。このうち、洗浄液入口となる主蒸気止め弁取り合い座1は、主蒸気止め弁ボンネットを開放し、弁体を抜き取り、洗浄液を閉止する側に閉止板をタンバックルの押し付け力で閉止し、更に、弁フランジに仮設フランジを取付て取合う。一方、洗浄液出口となる水冷壁管取り合い座2およびボイラ降水管取り合い座3は、水冷壁管及びボイラ降水管の管寄せをそれぞれ切断し、仮設フランジを取付て取り合う。
このように取り合うことにより、循環ポンプ10→バルブ切替パネル11→主蒸気止め弁取合座1→主蒸気管7→過熱器管6→蒸気ドラム8→水冷壁管5→ボイラ水冷壁管取合座2→調圧タンク14→スラッジ捕集装置16→循環ポンプ10の系統で洗浄液の循環が可能となる。(正循環)
また、バルブ切替パネル11を操作することにより循環ポンプ10→バルブパネル11→ボイラ水冷壁管取合座2→蒸気ドラム8→過熱器管6〜循環ポンプ10の系統で洗浄液の逆循環が可能となる。(逆循環)
この場合循環ポンプ10→バルブ切替パネル11→蒸気ドラムマンホール9→蒸気ドラム8→過熱器管6〜循環ポンプ10とすることもできる。(水冷壁管バイパス循環)
また、蒸気ドラム8内の降水管4に流量を抑制するためのオリフィス板(図示せず)を取り付けても良い。
本発明においては、キレート系化学洗浄剤を加熱して使用する。このキレート系洗浄剤は、120℃以下での母材の腐食性が非常に小さいため、この洗浄方法により水冷壁管の過洗浄を防止しながら過熱器管・主蒸気管の洗浄を行うことができる。
このキレート系化学洗浄剤(以下、単に「化学洗浄剤」という)は、いわゆるキレート系化合物を洗浄主剤として含むものであり、その例としては、洗浄主剤が、EDTA−アンモニウム塩もしくはナトリウム塩で、これに必要に応じ還元剤である、ヒドラジンを添加したものが挙げられる。また、この化学洗浄剤には、腐食抑制剤を0.1〜0.3%程度添加することにより、洗浄時の母材の腐食抑制をはかることが可能である。この化学洗浄剤は、pH8〜10の範囲で使用することが好ましい。
上記の化学洗浄剤は、洗浄剤溶解タンク17で溶解された後、洗浄剤注入ポンプ18で洗浄系統内に注入し、循環ポンプ10により、被洗浄配管内を循環させられる。
上記した方法によっても、水冷壁管5や、過熱器管6のスケールを除去することができるが、過洗浄を発生させずにスケールを除去するためには、以下に説明する2段階の洗浄方法によることが望ましい。
すなわち、水冷壁管5の過洗浄を防止するため、最初に水冷壁管5、過熱器管6、主蒸気管7を120℃〜160℃の洗浄温度で化学洗浄液により洗浄し、水冷壁管5のスケールが除去されたことを確認した後、既設備の調整運転、更に仮設装置の熱交換器で水冷壁管と過熱器管等の洗浄温度を、前者は120℃以下、後者は140〜160℃に調整するという洗浄工程を取るという2段階で洗浄することが好ましい。
上記化学洗浄液の加熱は、ボイラバーナ・トーチ20および熱交換器12で行う。まず最初の洗浄では、ボイラバーナ・トーチ20の点火状態をコントロールすることにより、化学洗浄剤の温度を120〜160℃の温度範囲を維持し、正循環で洗浄を行なう。この洗浄操作は、主に水冷壁管に付着している酸化物スケールを除去する目的で行われる。水冷壁管スケールの除去は、テストチューブ取付け座13に取り付けたテストチューブのスケール除去状態を確認することにより判定することができる。
水冷壁管からスケールが実質的に除去されたことが確認されれば、ボイラバーナ・トーチ20を消火し、被洗浄配管の液温を120℃以下まで降温する。そして液温が120℃以下であることが確認されたなら、後段階の洗浄を開始する。この後段階の洗浄の目的は、水冷壁管と過熱器管・主蒸気管の洗浄温度を異なったものとすることにより、前操作で除去されなかった過熱器管6、主蒸気管7の内面に存在する比較的除去されにくいスケールを、水冷壁管の過洗浄を防ぎつつ除去することにある。
具体的には、再度ボイラバーナ・トーチ20の点火・消火を行って、過熱器管6中の化学洗浄液を120〜160℃に加熱するとともに、押込通風機(FDF)21の運転、ボイラダンバ23の開度調整によるFDF21の風量の調整、エアヒータ22の運転操作、熱交換器12の操作のうち、1操作ないしは2操作以上を行うことにより、ボイラ水冷壁管5側の温度を、好ましくは120℃以下に維持しつつ洗浄を行う。
このような、2段の洗浄操作を取ることにより、水冷壁管5側の過洗浄による母材の腐食を抑制しながら過熱器管6のスケールを除去する事が可能となる。この過熱器管6のスケールの除去は、テストチューブ取付け座13に取り付けたテストチューブのスケール除去状態を確認することにより判定することができる。
更に、より好ましい方法としては、単に2段階の洗浄工程をとるのみならず、後段階の洗浄において、被洗浄配管を逆循環に切り替え、過熱器管6で加熱された化学洗浄液が、加熱されたまま主蒸気管7に流入するようにする方法が挙げられる。この方法によれば、特に溶解されにくいスケールが付着している過熱器管6および主蒸気管7は、溶解性の高い高温の化学洗浄液で洗浄される一方、水冷壁管5や降水管4を流れる化学洗浄液は低温となっているので、過洗浄の問題を起こさない。
上記の、主に水冷壁管5のスケールを除去する最初の洗浄時間および過熱器管3、主蒸気管14のスケールを除去する後段の洗浄時間は、スケール付着量や、その成分組成によって異なるが、洗浄液中のFe溶出濃度の測定と、あらかじめ抜管した水冷壁管、過熱器管を洗浄系統(テストチューブ取付座13)に懸垂し、洗浄終点を判定することにより決めることが好ましい。すなわち、実質的に水冷壁管もしくは過熱器管からスケールが除去できたことは、仮設洗浄系統に取り付けたテストチューブ中に、水冷壁管サンプルもしくは過熱器管サンプルを入れ、これらからスケールが除去されたことを目視で確認することにより判定できる。
以上のようにして、水冷壁管5、過熱器管6・主蒸気管7の鉄を主体とする酸化スケールが実質的に除去されたことが確認されたら、必要により、銅スケールの除去と母材の防錆を行う工程に移る。この工程は、ボイラバーナ・トーチ20を消火し、FDF21の運転およびボイラダンバ23の閉度調整によるFDF風量の調整を行い、更にエアヒータ22の運転操作により、化学洗浄液の液温を60〜80℃程度まで降温させた後、化学洗浄液を循環しながら空気または酸素を、空気・酸素吹き込み座19から化学洗浄液内に吹き込むことにより行われる。この間、化学洗浄液中の銅イオン濃度、電位を測定し、銅イオン濃度が飽和し、電位が防錆範囲に到達したなら洗浄を終了する。なお、例えば本発明の場合、前記防錆範囲は、−220mV以上である。
以上説明した本発明方法を有利に実施するためには、被洗浄配管から除去されたスラッジ分を除去・回収するスラッジ捕集装置16、仮設循環ポンプ10、洗浄剤溶解タンク17、洗浄剤溶解注入ポンプ18および洗浄液の温度を調整する熱交換器12を含む仮設洗浄装置から構成される洗浄システムが使用される。また、化学洗浄液を正循環と逆循環で切り替える場合には、更に、調圧タンク14およびバルブ切替パネル11を有する洗浄システムを利用することが有利である。
この洗浄システム中、スラッジ捕集装置16は、洗浄中に脱落し、除去されたスラッジを浄中及び洗浄後行われる水洗中に回収除去出来るものである。また、バルブ切替パネル11は、洗浄液ないし水洗液の流れを正循環および逆循環と切り替えることができるので、効率の良いスケール除去ができるだけでなく、より確実にスラッジを回収除去出来る。更に、調圧タンク14は、逆循環する際に上部の上記ドラム8が満水となるため、系統の圧力を調整し、逆循環可能とする働きを有するものである。
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
下記組成の本発明洗浄剤1を用い、過熱器管中に生成したスケールを化学洗浄し、その溶解性を調べた。化学洗浄は、スケールの発生した実機ボイラーの過熱器管(35mmφ)の一部を約1m切り取り、約1リットルの洗浄液を用いて行った。なお、比較には、一般的に用いられている有機混酸を主成分とする化学洗浄剤(比較洗浄剤)を用い、同じスケールの溶解性を調べた。この結果を表1に、また経時的なスケール溶解を図3に示す。
本発明洗浄剤1:
EDTA−4NH 7.5 %
インヒビター(耐高温対応用)*1 0.205%
*1 スギムラ化学株式会社製
比較洗浄剤:
ギ 酸 2 %
グリコール酸 4 %
L−アスコルビン酸 0.2 %
インヒビター*2 0.3 %
*2 スギムラ化学株式会社製
Figure 2006322672
この結果から明らかなように、本発明洗浄剤では、温度を145℃まで上げても母材の腐食がほとんどみられず、洗浄時間を短くしてもスケールが完全に除去できた。一方、比較洗浄剤を使用した場合は、95℃の温度で、母材の腐食量が多かった。また、それにもかかわらず、40時間の洗浄では薄片状のスラッジが認められた。
実 施 例 2
下記組成の本発明洗浄剤について、120℃と145℃での、腐食量および腐食速度を調べた。腐食試料としては、STB410材を用い、浸漬時間は6時間とした。この結果を、表2に示す。
本発明洗浄剤2:
EDTA−4NH 7.5 %
インヒビター*1 0.205%
*1 上記と同じ
Figure 2006322672
この結果から明らかなように、本発明洗浄剤は上記両温度において、腐食量および腐食速度とも小さいものであり、更に120℃では145℃の1/2程度であることが確認された。
本発明方法によれば、配管の切断等を行うことなく、ドラム型ボイラの配管を一貫洗浄することができる。また、異なるスケールが発生する水冷壁管5と、過熱器管6・主蒸気管7とから、母材の腐食を伴うことなくスケールを除去することができる。
従って本発明方法は、簡単でありながら完全に配管中のスケールを除去する方法として、ドラム型ボイラの化学洗浄に広く使用することができるものである。
ドラム型ボイラの構造を示す、一部切り欠き斜視図である。 本発明一貫洗浄システムの系統図である。 経時的なスケール溶解状態を示す図面である。
符号の説明
1 … … 主蒸気止め弁取合座
2 … … ボイラ水冷壁管入口取合座
3 … … ボイラ降水管入口取合座
4 … … 降水管
5 … … ボイラ水冷壁管
6 … … 過熱器管
7 … … 主蒸気管
8 … … 蒸気ドラム
9 … … 蒸気ドラムマンホール
10 … … 仮設循環ポンプ
11 … … バルブ切替パネル
12 … … 熱交換器
13 … … テストチューブ取付座
14 … … 調圧タンク
15 … … 圧力調整弁
16 … … スラッジ捕集装置
17 … … 洗浄剤溶解タンク
18 … … 洗浄剤注入ポンプ
19 … … 空気、酸素吹込座
20 … … ボイラバーナ・トーチ
21 … … 押込み通風機(FDF)
22 … … エアヒータ(空気予熱器)
23 … … ボイラダンバ
24 … … 蒸気式空気予熱器
25 … … 煙突
26 … … 水ドラム

Claims (11)

  1. 主蒸気止め弁取り合い座を洗浄液入り口、水冷壁管取り合い座およびボイラ降水管取り合い座を洗浄液出口として取り合い、仮設洗浄装置によりドラム型ボイラの被洗浄配管に、加熱したキレート系化学洗浄液を循環させるドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  2. 仮設洗浄装置にスラッジ捕集装置を設け、被洗浄配管から除去されたスラッジを、当該スラッジ捕集装置で捕集する請求項第1項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  3. 被洗浄配管が、水冷壁管、過熱器管および主蒸気管を含むものである請求項第1項または第2項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  4. 水冷壁管のスケールが実質的に除去できるまで、水冷壁管および過熱器・主蒸気管を、120℃〜160℃に加熱したキレート系化学洗浄液で洗浄した後、過熱器管のスケールが実質的に除去できるまで、水冷壁管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を120℃以下に、過熱器管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を140℃〜160℃にそれぞれ調整し洗浄する請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  5. 仮設装置によるキレート系化学洗浄液の連続循環、既設ボイラバーナ・トーチの点火および消火、既設押込通風機の風量調整、既設ボイラー出口ダンバー開度調整および既設エアヒータ運転調整から選ばれる操作の一または二以上を組み合わせ、洗浄中連続または継続的に行うことにより、水冷壁管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を120℃以下に、過熱器管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を140℃〜160℃にそれぞれ調整する請求項第4項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  6. 更に、仮設装置に設けた熱交換器の使用により、水冷壁管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を120℃以下に、過熱器管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を140℃〜160℃にそれぞれ調整する請求項第4項または第5項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  7. 更に、キレート系化学洗浄液の循環方向の反転操作により、水冷壁管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を120℃以下に、過熱器管を通過するキレート系化学洗浄液の温度を140℃〜160℃にそれぞれ調整する請求項第4項ないし第6項の何れかの項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  8. キレート系化学洗浄液が、EDTA−アンモニウム塩もしくはナトリウム塩および腐食抑制剤を含むものである請求項第1項ないし第7項の何れかの項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  9. キレート系化学洗浄剤が更にヒドラジンを含むものである請求項第8項記載のドラム型ボイラの一貫洗浄方法。
  10. 被洗浄配管から除去されたスラッジ分を除去・回収するスラッジ捕集装置、循環ポンプ、洗浄剤溶解タンク、洗浄剤溶解注入ポンプおよび洗浄液の温度を調整する熱交換器を含む仮設洗浄装置から構成されることを特徴とする洗浄システム。
  11. 更に、調圧タンクおよびバルブ切替パネルを有する請求項第10項記載の洗浄システム。
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