JP2006322669A - 冷却塔 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱交換部への散布水供給を必要最小限に抑えて冷却塔全体の散布水保有量を著しく小さくし、メンテナンスの手間を低減させられると同時にさらなる冷却能力の向上が図れる密閉式の冷却塔を提供する。
【解決手段】 散水手段14、15から散水する散布水の量を、熱交換部10表面で蒸発可能な分の水量にとどめ、熱交換部10に達する散布水を必要最小限に抑えると共に、散布水を直接外部から新規供給して用い、散布水の冷却塔内での循環と散布水自体の冷却を行わないことから、温度の低い散布水のみを散布でき、散布水の熱交換能力を常に確保できる上、熱交換部10の空隙部分を一部塞ぐ形となっていた充填材を無くすことができ、通風抵抗を減らして外気の熱交換部10通過をスムーズにし、外気を熱交換部10及び散布水と確実に接触させられ、熱交換性能を向上させられることに加え、ファン16の負荷も軽減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、循環使用する水の冷却を熱交換部で直接外気と接触させずに行う密閉式の冷却塔に関し、特に熱交換部に対する散布水の散布状態を改良して構造の簡略化と冷却能力向上を実現させられる冷却塔に関する。
一般に、工場や空気調和設備などで循環使用する水の冷却を目的として屋外に設置される冷却塔のうち、冷却塔内部の熱交換部として、空気と循環水とを直接接触させずに間接熱交換させる熱交換器を用いる密閉式冷却塔では、熱交換器に散布される散布水が、ファンの作動に伴って外部から取込まれる外気と熱交換器表面で接触して蒸発し、潜熱による冷却効果を付加する仕組みとなっている。
こうした密閉式冷却塔は、通常、下部水槽に散布水を保有し、散布水管と散布水ポンプで上部水槽へ送水した後、上部水槽の散水孔から下方へ散水することにより、熱交換部のコイル表面を濡らす一方、熱交換部の下に流れ落ちた散布水は下部水槽で回収し、再び散布水として用いる過程を繰返すタイプが多く利用されているが、散布水は冷却塔内で繰返し使用されるため、その水温は外部から補給・導入した当初時点よりも上昇することとなり、冷却効率を重視する場合、散布水の冷却も考慮する必要があった。一般には、熱交換部上下方向における各コイル間の空間部分に多数の充填材が分割挿入され、これら各充填材表面に沿って散布水を広く膜状に流下させることで外気との接触を生じやすくし、充填材表面での蒸発に伴う潜熱分だけ散布水自体の冷却を図る仕組みが用いられていた。
このような密閉式冷却塔は、従来から各種提案されており、その一例として、特開平7−305996号公報に記載されるものがある。
一方、こうした上部水槽を用いるものとは別に、熱交換部側方に設けた散水装置から熱交換部に向けて霧状に散水し、熱交換部をなすコイル表面で蒸発を行わせる密閉式冷却塔も提案されており、その一例が特開平7−218158号公報に記載されている。
この従来の密閉式冷却塔は、上部側に向って広がる方向に配置される熱交換コイルに対して散水装置を外気の導入側に設けた構成であり、散水装置から水を噴出させ、ファンによる空気の流れと共に熱交換コイルに当ててコイルに対する水滴の伝熱面積を増やし、またコイルに付着した水滴の蒸発を促進させることで冷却効率を向上させる仕組みである。
特開平7−305996号公報 特開平7−218158号公報
従来の密閉式冷却塔は前記各特許文献に示される構成とされ、前記特許文献1に記載される従来前者の場合、上部水槽底部の各散水孔から散布水を滴下させる方法で散水を行っており、適切に熱交換部各部の表面に散布水を行渡らせる必要から、循環する散布水量は熱交換部で所望の冷却効果を得るのに必要な蒸発量を大きく上回ることとなり、下部水槽内には水が貯溜されることになるが、この水を長期にわたり保有し且つ適切に循環させるためには水質維持が必要となり、水処理やメンテナンス等の管理コストが生じるという課題を有していた。
また、熱交換部での熱交換を経て温度上昇する散布水に対し、繰返しの使用を可能にするために、散布水を熱交換部の各充填材表面に流して散布水自体の蒸発に伴う温度低下を生じさせるようにしていたが、ファンにより誘引されて熱交換部を通過する空気流は各充填材の抵抗を受けることとなり、この充填材による通風抵抗(圧力損失)は比較的大きく、ファンにおいて大きな負荷となってファンのエネルギ消費が大きくなる点や大出力型のファン使用の必要が生じる点に伴うコストアップを招くという課題を有していた。
さらに、大量の散布水が空気流と交差し、また散布水が貯留された上部水槽や下部水槽に次々と新たな散布水が水滴として流入してくることから、冷却塔外部への水の飛散が極めて起りやすく、この冷却塔からの水の飛散は周囲環境へ水中の雑菌を拡散させるおそれのある点が近年指摘されるなど、あまり好ましくないことであり、飛散対策が強く求められていた。
一方、前記特許文献2に記載される従来後者の場合も、熱交換コイルに散布した散布水は一部受水槽(下部水槽)へ流下して回収されることとなり、これを循環させて繰返し散布水として散水する場合、適切な水質維持が必要となり、水処理やメンテナンス等の管理コストが生じるという課題を有していた。また、この受水槽へ流下する散布水は熱交換コイルでの熱交換を経て温度上昇しており、この散布水を繰返し使用するにあたって確実に熱交換能力を得ようとすると、コイルに接触する時点での散布水温度を十分に低下させておく必要があるものの、散水孔は熱交換コイル近傍に配設されており、別途散布水温度を低下させる手段も設けられていないため、散布水の温度を低下させられず、熱交換能力を十分に確保できないという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、熱交換部への散布水供給を必要最小限に抑えて冷却塔全体の散布水保有量を著しく小さくし、メンテナンスの手間を低減させられると同時にさらなる冷却能力の向上が図れる密閉式の冷却塔を提供することを目的とする。
本発明に係る冷却塔は、冷却対象の循環水を内部に流通させる熱交換部の外表面に対し散布水を散布しつつ、ファンによる誘引通風で熱交換部外表面に沿って外気を流通させ、熱交換部で散布水の蒸発を伴った外気と循環水との熱交換を行わせる密閉式の冷却塔において、前記散布水を冷却塔外部から新規に供給され、前記熱交換部外表面各部で水が外気と接触して蒸発する蒸発量に相当する量の散布水を、連続的又は間欠的に熱交換部に散布する一又は複数の散水手段を備えるものである。
このように本発明によれば、散水手段から散水される散布水の量を、熱交換部表面を濡らした後に蒸発可能な分の水量にとどめ、熱交換部に達する散布水を必要最小限に抑えると共に、散布水を直接外部から継続的に新規供給して用い、散布水の冷却塔内での循環とこの循環に伴う散布水自体の冷却を行わないことにより、熱交換を経ず温度が低いままの散布水のみを散布でき、散布水の熱交換能力を常に確保できる上、熱交換部の外気が通過する空隙部分にて散布水を誘導しその冷却を促す一方でこの空隙部分を一部塞いでいた充填材を除去できることとなり、通風抵抗を減らして外気の熱交換部通過をスムーズにし、外気を熱交換部及び散布水と確実に接触させられ、熱交換性能を向上させられることに加え、ファンの負荷も軽減でき、ファン自体の小型化・低コスト化、保守コスト低減が図れる。また、大量の散布水を熱交換部下方に流下させた後再循環させる手順を省略でき、冷却塔内での水保有量や給水・排水量を低減できる他、水質維持のための処理機構や水循環用管路設備も不要となり、水に係る各種工程やメンテナンスも簡略化して冷却塔全体の設備や運用のコストを低減できる。さらに、熱交換部における充填材の設置スペースが不要となるため、熱交換部において伝熱面増設による能力増大が熱交換部の大型化を招かずに実現可能となる上、同じ能力を維持する場合は充填材設置スペースを省略して大きさを切詰められる分、熱交換部を小型化でき、冷却塔全体の小型化が可能となる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記散水手段が、散布水の散布量及び/又は散布時期を、前記熱交換部表面の湿潤状態、又は熱交換部から外側への散布水流下量に応じて調整しつつ散布を実行するものである。
このように本発明によれば、熱交換部の表面における湿潤状態又は熱交換部から下方への散布水流下量といった熱交換部での散布水の過不足状況を示す諸情報を取得し、熱交換部の環境条件から理論的に導かれる蒸発量に基づく散布水量と熱交換部表面を濡らしている水から実際に蒸発する水量との差異を把握して熱交換部表面に補充すべき散布水量を導き、これに基づいて最適量の散布水を連続又は間欠的に散布することにより、熱交換部表面で散布水を全て蒸発させて余分な水の流下を確実に抑えられることとなり、熱交換部から下方へ流下した散布水回収用の下部水槽を配設せずに済み、冷却塔の構成を大幅に簡略化してコストダウンが図れる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記散水手段として、前記熱交換部の外気取入れ口部分への外気流入方向上流側に配設され、散布水を熱交換部側へ霧状に噴射して散布する側方散水手段を備えるものである。
このように本発明によれば、側方散水手段を熱交換部の外気取入れ口部分外方に配設し、側方散水手段から散布水を霧状にして熱交換部での熱交換に寄与する分だけ供給することにより、外気の流入に伴わせて散布水を熱交換部各部へまんべんなく到達させてこれを濡らすことができ、熱交換部における熱交換性能を十分確保しつつ、散水用として従来一般的に用いられてきた上部水槽を熱交換部上方に配設せずに済み、散布水を上部水槽へ供給する管路等も不要となるなど、冷却塔全体の構造を簡略化でき、コスト低減が図れる。さらに、余分な水を上部水槽に保有した状態がなくなることで、散布する水への雑菌繁殖等の悪影響も生じない。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記散水手段として、前記熱交換部より上方に配設され、前記散布水を供給されて熱交換部の少なくとも外気取入れ口部分に対し散布水を散布する上方散水手段を備えるものである。
このように本発明によれば、熱交換部上方から必要最小限の散布水を熱交換部へ向けて分配滴下させる上方散水手段を用い、確実に散布水を熱交換部の少なくとも外気取入れ口部分に散水することにより、外気取入れ口部分から外気の流入に伴わせて散布水を熱交換部各部へまんべんなく到達させてこれを濡らすことができ、熱交換部における熱交換性能を十分確保しつつ、従来の上部水槽同様に熱交換部への散水手段を熱交換部上側に配置した構成を踏襲でき、従来の冷却塔からの構造変化が小さく、より低コストで優れた熱交換能力を得られることとなる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記散水手段による前記熱交換部への散布水の散布に際し、熱交換部の上部で最も外気取入れ口寄りの部位に散布した散布水の一部が、外気の流れに伴って熱交換部の下部では最も外気出口側寄りの部位に達しているように水散布状態及び/又は外気の流速を制御するものである。
このように本発明によれば、散布後に外気の流れに伴って熱交換部の外気取入れ口部分側から外気出口部分側へ向かう所定の速度成分を与えられる散布水について、散水手段からの当初散布位置を熱交換部の上部で且つ外気取入れ口部分寄りとすると共に、散布水の外気取入れ口部分側から外気出口部分側へ向かう進行方向成分と、落下に伴う下方向への進行方向成分の合成として得られる散布水の実際の移動方向を熱交換部の下部で且つ外気出口部分の隅へ向う向きとし、散布水の熱交換部における通過領域が最も広くなるよう設定することにより、流下する散布水が無駄なく熱交換部各部に接触して熱交換部表面を濡らすこととなり、散布水との接触を熱交換部の全域で最大限確保して、散布水の蒸発に伴う冷却効果を熱交換部各部で同様に得て熱交換性能をより一層向上させられる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記熱交換部の外気出口側近傍に配設され、飛散してくる水滴を受止めてファン側への到達を阻止するエリミネータを備え、当該エリミネータにおける熱交換部上部に面する部位が、熱交換部下部に面する部位より、外気通過部分の通風抵抗を大きくする形状として形成されるものである。
このように本発明によれば、飛散防止手段として熱交換部の外気出口部分に沿ってエリミネータを設け、充填材が設けられない分、熱交換部の通風抵抗が大幅に減少するのに伴って外気の熱交換部通過風速が上昇し、散布水の外気に流される割合が増大するのに対応して、熱交換部の外気出口部分へ飛散してくる水滴をエリミネータに付着させて回収することにより、熱交換部の外気出口部分における通風抵抗の増大を必要最小限にして、充填材の廃止による熱交換部における外気のスムーズな通過を妨げることなく、より下流側のファンや冷却塔外へ散布水が到達するのを確実に防げることとなり、水滴の周囲環境への放出やファンへの悪影響の防止と、熱交換部に対する外気のスムーズな流入出の確保を両立できる。また、ファンに近い上部で外気の通過流量が大きくなる一方、ファンから離れた下部で通過流量が小さくなる傾向にある熱交換部に対し、エリミネータの外気通過部分の通風抵抗を上下で異ならせ、ファンに近い上部で通風抵抗を大きくして外気の通過流量を抑える一方、ファンから離れた下部では上部より通風抵抗を小さくして十分な通過流量を確保できることから、熱交換部の上下方向で外気の通過流量を均一化できることとなり、散水手段から散布された散布水を上下方向でほぼ均一化された外気の流れに乗せて熱交換部各部に均等に到達させることができ、熱交換部における熱交換性能を大幅に向上させられる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記側方散水手段が、前記熱交換部側へ散布水を噴射する噴射部分を、上下方向に所定角度範囲傾動可能とされ、前記噴射部分を連続又は断続的に繰返し上下傾動させつつ、散布水噴射を実行するものである。
このように本発明によれば、側方散水手段の散布水噴射部分を上下に動かし、散布範囲を上下に拡張することにより、熱交換部に対しより均等に散布水を到達させられると共に、一つの噴射部分あたりの散布範囲を広げられることで、噴射部分の数を減らすことができ、側方散水手段における水の分配供給構造を簡略化して低コスト化が図れる。
また、本発明に係る冷却塔は必要に応じて、前記熱交換部が、少なくとも熱交換が生じる可能性のある範囲の表面を親水性表面とされてなるものである。
このように本発明によれば、熱交換部の熱交換が行われる部分を親水性表面とし、熱交換部に散布された散布水が表面の親水性に伴って容易に表面に水膜を形成して表面を確実に濡らせることにより、散布した散布水を確実に熱交換部表面に付着させてそこから蒸発させられることとなり、散布水の蒸発潜熱により得られる冷却効果を最大限発揮させられ、熱交換効率を大幅に高められる。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る冷却塔の概略構成図である。
前記図1に示すように、本実施の形態に係る冷却塔1は、外部の循環経路からの循環水を内部に流通させると共に外側に外気を通過させる多数のコイル11が並列配置されて形成される熱交換部10と、この熱交換部10の上側に配設され、所定の散布水供給源から散布水を供給されて熱交換部10各部へ底部の多数の孔から散布水を分配滴下させる前記上方散水手段としての上部水槽14と、前記熱交換部10の外気取入れ口部分12に対する外気流入方向上流側に配設される前記側方散水手段としての散水装置15と、熱交換部10の外気出口部分13の側方上側に配設されて熱交換部10の各コイル11間に誘引通風で外気を通すファン16と、熱交換部10の外気出口側に隣接配置されるエリミネータ17と、熱交換部10下側に配設されて流下した散布水を回収する下部水槽18とを備える構成である。
前記熱交換部10は、多数並列配置されたコイル11に外部の循環経路から流入した循環水を流通させる一方でコイル間の隙間に横方向から外気を導入されて、循環水と外気との間で熱交換を行わせる公知の構成であり、詳細な説明を省略する。なお、熱交換部10は、コイル11の管配置を外気導入方向に対し千鳥状配置とされており、散水装置15から散布された散布水と外気が熱交換部10への進入当初からコイル11表面のより多くの部位に当る仕組みとなっている。
この熱交換部10に散布される散布水は、常に新規導入されたものであり、熱交換を経ることもなく導入時の温度のままであるために、散布の際に熱交換部10における冷却の必要は無く、熱交換部10に対し従来散布水の冷却に用いたような充填材の設置は不要となる。よって熱交換部10には充填材は配設されず、充填材が存在しない分、熱交換部10の通風抵抗を小さくできる。また、熱交換部10は従来型に比べ、充填材の設置スペース分を切詰める形での小型化又はスペースを埋める形でのコイル増大による能力増大が図れることとなる。
また、熱交換部10の塔内側の外気出口部分13に沿って、エリミネータ17が配設され、熱交換部10を通過した外気を複数の湾曲した通路経由でファン16側へ通す一方、熱交換部10内から飛散した水滴を各通路壁に衝突させる形で受止め、熱交換部10から外気流出方向下流側へ水滴を飛散しにくくする仕組みとなっている。
前記上部水槽14は、底部に多数の小孔を有する浅い箱状体で形成され、熱交換部10の上側に配設されて、内側に導入された散布水を熱交換部10各部に分配滴下させる公知の冷却塔用として一般的な上部水槽とされる構成であり、詳細な説明を省略する。ただし、この上部水槽14は、散布水供給源から供給される新しい散布水を下部水槽18等を経由することなく直接上部水槽14内に導入される仕組みである。なお、この上部水槽14と熱交換部10との間にある水槽下側の空間には、上部水槽14から出た散布水を熱交換部10各部へ確実に均等分配して流下させるために、所定の散水分配用の充填材を配設することもできる。また、上部水槽14は、滴下した散布水が水滴としてファン16側へ飛散しにくくするために、熱交換部10の外気出口部分13から外気進行方向上流側に所定寸法入り込んだ位置から外気取入れ口部分12寄り側に水の滴下範囲を設定されている。
前記散水装置15は、熱交換部10の外気取入れ口部分12外方に配設され、上部水槽14への散布水供給路と同じ管路に制御用のバルブを介して接続された独立管路の先端に散水用ノズルが接続されてなる構成であり、散水時にはバルブが開かれて上部水槽14とは別に散布水を供給され、熱交換部10の外気取入れ口部分12に対し側方から散布水を霧状に噴射し、上部水槽14からの散水を補う形で熱交換部10をなす各コイル11をまんべんなく濡らせる仕組みである。
上部水槽14及び散水装置15では、熱交換部10における各コイル11の表面温度や散布水温等といった熱交換部10に関する既知の諸条件と、熱交換部10周囲環境の測定で得られる諸条件、例えば、外気の温度や湿度、外気の熱交換部10通過速度等から、熱交換部10表面を濡らした散布水がどの位の時間で蒸発するかを理論的に把握できることを利用して、熱交換部10表面における単位時間あたりの散布水蒸発量、すなわち熱交換部10表面に補充すべき散布水量を制御部(図示を省略)で導き、これに基づいて各散水手段からそれぞれ適量の散布水を散布し、熱交換部10各表面で散布水をほぼ全て蒸発させて循環水の冷却を確実に補助する一方、余分な水の流下をなくせるようにしている。こうして散布する水量を必要最小限としていることで、新規の散布水を直接外部から継続的に供給しても十分に散布水量を賄え、水使用量も従来とほとんど変らずコストアップを招かない。
前記ファン16は、その下方で熱交換部10に隣接する空間を介して誘引通風で熱交換部10に横方向から外気を通し、上方に排気する公知のものであり、詳細な説明を省略する。また、前記下部水槽18は、散布水を所定量貯溜可能とされる公知の構成であるが、エリミネータ17や熱交換部10から散布水の一部が流下した場合に、そのまま冷却塔外部に達しないよう回収して適切に排出路に導くのみとされ、従来と異なり散布水の貯溜には用いられないものである。
次に、前記構成に基づく冷却塔の動作状態について説明する。通常の冷却塔運転状態では、熱交換媒体として冷凍機や空気調和機器等で熱を吸収し温まった冷却対象の循環水が所定の循環経路から取出されて熱交換部10のコイル11内側に流通し、熱交換後再び循環経路に戻る過程が繰返される一方で、熱交換部10への散布用の散布水が所定の供給源から上部水槽14に継続的に導入され、散布水は所定時間で上部水槽14底部の小孔を通過して、下側の熱交換部10各部へ分配滴下される。また、これとは別に熱交換部10の側方に配設された散水装置15に前記上部水槽14同様に散布水が継続的に供給され、散水装置15では熱交換部10の外気取入れ口部分12に向け霧状に散布水を噴射する。
この上部水槽14及び散水装置15による熱交換部10への散布水散布においては、熱交換部10の上部で最も外気取入れ口部分12寄りに散布した散布水が、外気の流れに伴って熱交換部10の下部で外気出口部分13に達するように外気の流速に合わせて散布状態を調整する。
滴下及び噴射された散布水は熱交換部10に達し、各部のコイル11表面を濡らしつつ、ファン16による誘引通風で熱交換部10に対して横方向に導入、通風される外気と接触する。この熱交換部10のコイル11表面を濡らした散布水は、蒸発しながらコイル11内の循環水の熱を奪ってこれを冷却した後、熱交換部10の各隙間を通過する外気中に取込まれ、気相のまま外気と共に熱交換部10を出てファン16を通じ冷却塔外に達する。熱交換部10に対する散布水の散布量調整については、環境条件から理論的に導いた蒸発量に対応したものとは別に、熱交換部10から外側への液相の散布水流下量も所定の検知手段(図示を省略)で取得し、流下が生じている場合にはその流下量に応じて各散水手段における散布水量を低減して熱交換部10から流下しないように調整しつつ散布を行うようにする。なお、この散布水の流下量を検知する他に、熱交換部10のコイル11表面の湿潤状態を直接検知把握した結果に基づき、各散水手段における散布水の散布量等を適切に調整するようにしてもかまわない。
外気が通過する熱交換部10には充填材が存在しないため、熱交換部10における通風抵抗は小さく、外気はスムーズに熱交換部10を通過することとなる。通風抵抗が小さくなる分、外気の通過風速は従来の充填材が存在する場合と比べて大きくなっており、散布水の水滴が外気の影響で外気出口部分13に向けて流され、一部は熱交換部10の外へ流出しやすくなっているが、熱交換部10の出口側に隣接配置したエリミネータ17で水滴は確実に捕捉され、水滴のファン16側への到達を抑えられる。エリミネータ17で捕捉された散布水は下部水槽18に達し、下部水槽18に入った散布水は水槽出口から所定の排出経路を通じて外部に排水として排出される。
原則として熱交換部10のコイル11表面に達した散布水はそこで全て蒸発し、また熱交換部10に接触せず水滴のまま残った散布水は外気に流されてエリミネータ17に達することとなるが、仮に熱交換部10から散布水の蒸発しきれなかった分が流下したとしても、下側に下部水槽18が存在しているため、冷却塔周囲に散布水が流出することはない。
なお、散水装置15からの散布水噴射は連続噴射で行い、コイル11表面での蒸発量(理論値)や熱交換部10外への流下量(測定値)に基づく散布水量調整として、連続噴射における散布水の噴射量を変化させるようにしているが、これに限られるものではなく、散布すべき水量に応じて噴射タイミングを適宜制御して行う間欠噴射とすることもでき、間欠噴射のタイミング変更による散布水量調整で、連続噴射の場合と同様、要求される水量の散布水を散布できることとなり、熱交換部10から液相のまま流下させることなく散布水の蒸発による冷却効果を最大限利用して熱交換が行えることとなる。
このように、本実施の形態に係る冷却塔では、上部水槽14及び散水装置15から散水される散布水の量を、熱交換部10表面を濡らした後実際に蒸発可能な分の水量にとどめ、熱交換部10に達する散布水を必要最小限に抑えると共に、散布水を直接外部から継続的に新規供給して用い、散布水の冷却塔内での循環とこの循環に伴う散布水自体の冷却を行わないことから、熱交換を経ず温度が低いままの散布水のみを散布でき、散布水の熱交換能力を常に確保できる上、熱交換部10のコイル11間にて散布水を誘導しその冷却を促す一方でこのコイル間の隙間を一部塞いでいた充填材を除去できることとなり、通風抵抗を減らして外気の熱交換部10通過をスムーズにし、外気を熱交換部10及び散布水と確実に接触させられ、熱交換性能を向上させられることに加え、ファン16の負荷も軽減でき、ファン16自体の小型・低コスト化、保守コスト低減が図れる。
また、大量の散布水を熱交換部下方に流下させて回収、再循環させる手順を省略でき、冷却塔内での水の保有量を大きく減らせ、冷却塔の給水量や排水量を低減できる他、水質維持のための処理機構や水循環用管路設備を省略でき、且つ水に係る各種工程やメンテナンスも簡略化して冷却塔全体で大幅にコストダウンが図れる。さらに、熱交換部10における充填材の設置スペースが不要となるため、熱交換部10においてコイル増設による能力増大が熱交換部10の大型化を招かずに実現可能となる上、同じ能力を維持する場合は充填材設置スペースを省略して大きさを切詰められる分、熱交換部10を小型化でき、冷却塔全体の小型化が可能となる。
なお、前記実施の形態に係る冷却塔においては、熱交換部10への散水手段として、上方散水手段である上部水槽14と、側方散水手段である散水装置15の二つを設けているが、これに限らず、熱交換部10各部へ適切に散布水を到達させられることが可能であれば、散水手段はいずれか一方でもかまわない。また、上部水槽14の代りに、熱交換部10上方から下向きに散布水を噴射するタイプの散水手段を配設することもできる。さらに、熱交換部10から散布水の蒸発しきれなかった分が流下したとしても、短時間での蒸発、乾燥が見込めるような極少量にとどまり、冷却塔周囲にそのまま流出させても問題が生じない場合には、熱交換部10下側に下部水槽を設けない構成とすることもでき、冷却塔構造の簡略化でより一層のコストダウンが図れる。
また、前記実施の形態に係る冷却塔において、熱交換部10各部における外気の流れ状態については、熱交換部10に対するファン16の位置及び向きに基づいて流速分布が生じた状況をそのまま利用する構成としているが、これに限らず、熱交換部10の外気出口部分13に、ファン16作動に伴う外気の流れ状態を熱交換部10上下でほぼ均一となるよう調整する所定の調整部材をエリミネータ17と合わせて配設する構成とすることもでき、熱交換部10への外気の流れ状態を上下で一様として散布水と外気との接触を熱交換部10各部で均一に行わせることができ、散布水の蒸発進行速度の極端な差異を無くして熱交換部全域で有効な熱交換状態を確保できる。
また、前記実施の形態に係る冷却塔において、上方散水手段としての上部水槽14からの散布水の散布は、熱交換部10各部に対しほぼ均等に行う構成としているが、これに限らず、熱交換部10で循環水入口側の循環水温が高く、循環水出口側の水温が低くなっているのに対応して、散水手段による散水を循環水入口側で散布水量大、出口側で散布水量小となるように実行する構成とすることもでき、例えば、循環水と外気との流れ関係が並流の場合、熱交換部10の外気取入れ口部分12で散布水量大、外気出口部分13で散布水量小とする他、流れ関係が向流の場合、前記と逆に熱交換部10の外気取入れ口部分12で散布水量小、外気出口部分13で散布水量大とするなど、循環水温の高低に合わせて適切に散布水を散布することで熱交換部10でより効率的な熱交換が可能となる。さらに、上方散水手段及び/又は側方散水手段からの散水を適切に制御して、熱交換部10の上下で各コイル11の濡らし状態を異ならせる、すなわち、上側では、水滴が滴り落ちる程度に濡らす一方、下側ではすぐ蒸発して残らない程度に濡らす構成とすることもでき、熱交換部10より下方へ水分が流下するのを確実に防止できる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図2に基づいて説明する。図2は本実施の形態に係る冷却塔の概略構成図である。
前記図2に示すように、本実施の形態に係る冷却塔2は、前記第1の実施形態同様、熱交換部20と、散水装置24と、ファン25と、エリミネータ26と、下部水槽27とを備える一方、異なる点として、上部水槽が配設されず、散水手段を熱交換部20側方の散水装置24のみとされる構成を有するものである。
前記熱交換部20は、前記第1の実施形態同様、多数並列配置されたコイル21に外部の循環経路から流入した循環水を流通させる一方でコイル間の隙間に横方向から外気を導入されて、循環水と外気との間で熱交換を行わせる公知の構成であり、詳細な説明を省略する。この熱交換部20にも充填材は配設されず、充填材が存在しない分、熱交換部20の通風抵抗は小さくなっている。また、熱交換部20の塔内側の外気出口部分23に沿って、エリミネータ26が配設される。
このエリミネータ26は、前記第1の実施形態同様、熱交換部20から出た外気に含まれる水滴を受止め、下流側へ水滴を飛散させないものであるが、異なる点として、エリミネータ26における外気を通す通路の開口断面積を、エリミネータ26上半分で下半分のそれより小さくして通風抵抗がより大きくなるよう形成した構成を有するものである。この外気通過部分の開口断面積大小の設定は、例えば、エリミネータ上部と下部に二段でそれぞれ横方向に並列させて配置されて外気通路を生じさせるフィンの配置ピッチを、上下段で異ならせる(上段:ピッチ小、下段:ピッチ大)ことによりなされる。
熱交換部20内の外気の流れは、通常、ファン25に近い上部でより流速が速く流量大となり、また、ファン25から離れた下部で流速が遅く、流量も小さい状態となっている。これに対し、エリミネータ26の熱交換部20上部に面する上半分で通路の開口断面積を小さくして通風抵抗を大きくする一方、熱交換部20下部に面する下半分で上半分より開口断面積を大きくして通風抵抗を小さくすることで、エリミネータ26上部の開口断面積を小さくした部分に連通する熱交換部20上部の外気通過流量を抑える一方、エリミネータ26下部の開口断面積をより大きくした部分に連通する熱交換部20下部で外気の十分な通過流量を確保できることとなり、熱交換部20の上下方向で外気の通過流量を均一化できることとなり、散水装置24から散布された散布水を上下方向でほぼ均一化された外気の流れにのせて熱交換部20各部に均等に到達させられる。
前記散水装置24は、前記第1の実施形態同様、熱交換部20の外気取入れ口部分22外方に配設され、散布水供給源から下部水槽27等を経由することなく新しい散布水を直接供給される供給主管路に制御用のバルブを介して接続された散水用支管路に散水用ノズルが配設されてなる構成であり、散水時にはバルブが開かれて散布水を供給され、熱交換部20の外気取入れ口部分22に対し側方から散布水を霧状に噴射し、熱交換部20をなす各コイル21をまんべんなく濡らせる仕組みである。
この散水装置24では、前記第1の実施形態同様、熱交換部20表面に補充すべき散布水量を制御部(図示を省略)で導き、これに基づいて適量の散布水を散布し、熱交換部20各表面で散布水をほぼ全て蒸発させて循環水の冷却を確実に補助する一方、余分な水の流下をなくせるようにしている。散水装置24の散水用ノズルから噴射される霧状の水の粒径は、100μm程度とするのが望ましい。
前記ファン25及び下部水槽27は、前記第1の実施形態と同様の構成であり、説明を省略するが、下部水槽27内の熱交換部20及び/又はエリミネータ26の下部にあたる箇所には、熱交換部20やエリミネータ26から散布水の一部が流下した場合に、その水量を水位等の値として検知して散水装置24での散布水量制御のための情報を得るセンサ28が配設される。
次に、前記構成に基づく冷却塔の動作状態について説明する。前記第1の実施形態同様、通常の冷却塔運転状態下にある熱交換部20に対し散布される散布水が、所定の供給源から熱交換部20側方の散水装置24に継続的に供給され、散水装置24では熱交換部20の外気取入れ口部分22に向け霧状に散布水を噴射する。
噴射された散布水は熱交換部20に達し、ファン25による誘引通風で熱交換部20に対して横方向に導入、通風される外気の流れに乗って熱交換器20各部へ拡散しながら、各部のコイル21表面に接触してこれを濡らしていく。エリミネータ26の外気通過部分の開口断面積を上下で異ならせ、熱交換部20の上下で外気の通過流量を均一化していることから、散布された散布水を上下方向でほぼ均一化された外気の流れにのせて熱交換部20各部のコイル21に均等に到達させられ、これらの表面を確実に濡らすことができる。
各コイル21の表面を濡らした散布水は、蒸発しながら熱交換部20内の循環水の熱を奪ってこれを冷却した後、熱交換部20の隙間を通過する外気中に取込まれ、気相のまま外気と共に熱交換部20を出てファン25を通じ冷却塔外に達する。熱交換部20での外気の通過状態を上下方向で均一としていることで、散布水と外気との接触も熱交換部20各部で均一となり、散布水の蒸発進行速度の熱交換部20での部位による極端な差異を無くせ、熱交換部20全域で有効な熱交換状態を確保できる。また、前記第1の実施形態同様、外気が通過する熱交換部20には充填材が存在しないため、熱交換部20における通風抵抗は小さく、外気はスムーズに熱交換部20を通過することとなる。
散布水の水滴が熱交換部20の外気出口部分23に向けて流され、熱交換部20外へ一部流出した場合も、熱交換部20に隣接配置したエリミネータ26で水滴は確実に捕捉される。エリミネータ26で捕捉された散布水は下部水槽27に達し、下部水槽27に入った散布水は水槽出口から所定の排出経路を通じて外部に排水として排出される。
熱交換部20に対する散布水の散布量調整については、環境条件から理論的に導いた蒸発量に対応したものとは別に、熱交換部20から下方への液相の散布水流下量やエリミネータ26からの流下量もセンサ28で取得し、その流下量に応じて散水装置24における散布水量を変化させて、熱交換部20から液相の散布水がほとんど流出しない状態となるように調整しつつ散布を行うようにしている。
このように、本実施の形態に係る冷却塔では、散水装置24を熱交換部20の外気取入れ口部分22外方に配設し、散水装置24から散布水を霧状にして熱交換部20での熱交換に寄与する分だけ供給することから、外気の流入に伴わせて散布水を熱交換部20各部へまんべんなく到達させてこれを濡らすことができ、熱交換部20における熱交換性能を十分確保しつつ、上部水槽を熱交換部20上方に配設せずに済み、散布水を上部水槽へ供給する管路等も省略して冷却塔全体の構造を簡略化でき、コスト低減が図れる。また、エリミネータ26の外気通過部分の開口断面積を上半分と下半分とで異ならせ、ファン25に近い上部で外気の通過流量が大きくなる一方、ファン25から離れた下部で通過流量が小さくなる傾向にある熱交換部20に対し、ファン25に近い上側で開口断面積を小さくして外気の通過流量を抑える一方、ファン25から離れた下側では上側より開口断面積を大きくして十分な通過流量を確保できることから、熱交換部20の上下方向で外気の通過流量を均一化できることとなり、散水装置24から散布された散布水を上下方向でほぼ均一化された外気の流れにのせて熱交換部20各部に均等に到達させることができ、熱交換部20における熱交換性能を大幅に向上させられる。
なお、前記実施の形態に係る冷却塔において、エリミネータ26を用いて熱交換部20への外気の通過流量を上下方向で均一化し、散布水の熱交換部20各部への均等な到達と、熱交換部20各部での散布水と外気との接触の均等化、適切化を実現させる構成としているが、これに限らず、エリミネータ等で外気の流速や流量の調整を行わず、熱交換部20各部に外気の流速分布が生じたままとする代りに、散水装置24からの水散布状態を上下方向で変えて対応する構成とすることもでき、外気の流速、流量に合わせて散布水を噴射することで、前記同様に散布水を熱交換部20各部に均等に到達させられる。
また、前記実施の形態に係る冷却塔において、散水装置24は、固定状態の散水用ノズルから熱交換部20へ向けて散布水を霧状に噴射して散布を実行する構成としているが、これに限らず、散水装置24の散布水を噴射する散水用ノズルを、上下方向に所定角度範囲傾動可能とし、散布水の散布にあたって、散水用ノズルを連続又は断続的に繰返し傾動させつつ、散布水噴射を行わせる構成とすることもでき、いわゆる首振り状態の散水用ノズルから散布水が上下の広い範囲に噴射されて、散布範囲を上下に拡張できることとなり、熱交換部20各部に対しより均等に散布水を到達させられると共に、一つの散水用ノズルあたりの散布範囲を広げられることで、散水用ノズルの数を減らすことができ、散水装置24における水の分配供給構造を簡略化して低コスト化が図れる。
また、前記第1及び第2の各実施の形態に係る冷却塔において、ファン16、25については特に散水に対応した制御は行わない構成としているが、これに限らず、ファン16、25を一時的に停止させて外気流入の影響を排除し、散水時のコイル濡らし性の向上を図るなど、散水状況に対応させてファン16、25を間欠運転させる構成とすることもでき、散布水の一部をエリミネータ17、26に到達させることなく、コイル11、21を確実に必要最小限の散布水で濡らした後、ファン16、25を作動させることで、散布水の浪費を抑えつつ蒸発による冷却性能を最大限発揮させられる。
また、前記第1及び第2の各実施の形態に係る冷却塔において、熱交換部10、20自体は多数のコイル11、21を有する公知の構成としているが、この他、熱交換部10、20で熱交換が生じるコイル11、21表面に親水性を付与する加工を施すなどして、このコイル11、21表面が親水性を備える構成とすることもでき、熱交換部10、20に散布された散布水がコイル11、21表面の親水性に伴って容易に水膜を形成して表面を確実に濡らせることから、散布した散布水を確実に熱交換部10、20表面に付着させてそこから蒸発させられることとなり、散布水の蒸発潜熱により得られる冷却効果を最大限発揮させられ、熱交換効率を大幅に高められる。
本発明の第1の実施形態に係る冷却塔の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る冷却塔の概略構成図である。
符号の説明
1、2 冷却塔
10、20 熱交換部
11、21 コイル
12、22 外気取入れ口部分
13、23 外気出口部分
14 上部水槽
15、24 散水装置
16、25 ファン
17、26 エリミネータ
18、27 下部水槽

Claims (8)

  1. 冷却対象の循環水を内部に流通させる熱交換部の外表面に対し散布水を散布しつつ、ファンによる誘引通風で熱交換部外表面に沿って外気を流通させ、熱交換部で散布水の蒸発を伴った外気と循環水との熱交換を行わせる密閉式の冷却塔において、
    前記散布水を冷却塔外部から新規に供給され、前記熱交換部外表面各部で水が外気と接触して蒸発する蒸発量に相当する量の散布水を、連続的又は間欠的に熱交換部に散布する一又は複数の散水手段を備えることを
    特徴とする冷却塔。
  2. 前記請求項1に記載の冷却塔において、
    前記散水手段が、散布水の散布量及び/又は散布時期を、前記熱交換部表面の湿潤状態、又は熱交換部から外側への散布水流下量に応じて調整しつつ散布を実行することを
    特徴とする冷却塔。
  3. 前記請求項2に記載の冷却塔において、
    前記散水手段として、前記熱交換部の外気取入れ口部分への外気流入方向上流側に配設され、散布水を熱交換部側へ霧状に噴射して散布する側方散水手段を備えることを
    特徴とする冷却塔。
  4. 前記請求項3に記載の冷却塔において、
    前記散水手段として、前記熱交換部より上方に配設され、前記散布水を供給されて熱交換部の少なくとも外気取入れ口部分に対し散布水を散布する上方散水手段を備えることを
    特徴とする冷却塔。
  5. 前記請求項3又は4に記載の冷却塔において、
    前記散水手段による前記熱交換部への散布水の散布に際し、熱交換部の上部で最も外気取入れ口寄りの部位に散布した散布水の一部が、外気の流れに伴って熱交換部の下部では最も外気出口側寄りの部位に達しているように水散布状態及び/又は外気の流速を制御することを
    特徴とする冷却塔。
  6. 前記請求項3ないし5のいずれかに記載の冷却塔において、
    前記熱交換部の外気出口側近傍に配設され、飛散してくる水滴を受止めてファン側への到達を阻止するエリミネータを備え、
    当該エリミネータにおける熱交換部上部に面する部位が、熱交換部下部に面する部位より、外気通過部分の通風抵抗を大きくする形状として形成されることを
    特徴とする冷却塔。
  7. 前記請求項6に記載の冷却塔において、
    前記側方散水手段が、前記熱交換部側へ散布水を噴射する噴射部分を、上下方向に所定角度範囲傾動可能とされ、前記噴射部分を連続又は断続的に繰返し上下傾動させつつ、散布水噴射を実行することを
    特徴とする冷却塔。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれかに記載の冷却塔において、
    前記熱交換部が、少なくとも熱交換が生じる可能性のある範囲の表面を親水性表面とされてなることを
    特徴とする冷却塔。
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