JP2006322658A - 冷却装置 - Google Patents

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昭夫 大日方
Yoshiro Kuroiwa
芳郎 黒岩
Haruto Takamizawa
玄人 高見澤
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Abstract

【課題】 冷却液の入換に伴う管理或いは作業の工数削減、更には冷却液に水道水以外の溶液を使用する際におけるランニングコストの低減を図るとともに、熱交換効率の低下による冷却性能の低下及び無用な電力消費を招く不具合を回避する。
【解決手段】 被冷却物Xから戻された冷却液Lを貯留する冷却液タンク2と、この冷却液タンク2の供給口2oから流出する冷却液Lを送出する送液ポンプ3と、この送液ポンプ3から吐出する冷却液Lを熱交換により冷却して被冷却物Xに供給する冷却器4を備え、被冷却物Xに冷却液Lを循環させることにより当該被冷却物Xを冷却する冷却装置1において、冷却液タンク2に、当該冷却液タンク2の内部を照射する一又は二以上の紫外線ランプ5a,5bを配設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生産現場で用いるレーザ加工機や医療現場で用いるMRI等の被冷却物に冷却液を循環させて当該被冷却物を冷却する冷却装置に関する。
一般に、レーザ加工機では、加工精度に大きく影響するミラー等の光学部品に対する熱的安定性を確保し、加工品質の低下を回避する必要があるため、使用する冷却装置には、温度変動の少ない高度の冷却精度と、ワークの材質,板厚,加工速度及び加工面粗度等による比較的大きな負荷変動に対しても十分に追従可能な冷却性能が要求され、既に、本出願人も、このような用途に好適な冷却装置を、特開2003−329355号公報により提案した。
この冷却装置は、被冷却物から戻された冷却液を貯留する冷却液タンクと、この冷却液タンクの供給口から流出する冷却液を送出する送液ポンプと、この送液ポンプから吐出する冷却液を熱交換により冷却して被冷却物に供給する冷却器を備えるとともに、冷却器から流出した冷却液の温度を温度センサにより検出し、検出した温度に基づいて冷却器による冷却温度を制御する制御系を備えており、凍結温度付近の冷却能力が制限されることなく、冷却性能がより高められる特長を有している。
特開2003−329355号
しかし、上述した従来の冷却装置は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、被冷却物から戻された冷却液を貯留する冷却液タンクを備えるとともに、この冷却液タンクには、被冷却物での熱交換により温められた冷却液が貯留されるため、冷却液タンク内において、バクテリア等の細菌,藻,カビ,ヌメリ等が発生しやすい。したがって、通常、冷却液の定期的な入換、例えば、一カ月程度を目処とした冷却液の入換が必要になるなど、冷却液の入換に伴う管理や作業を強いられるとともに、冷却液に水道水以外の溶液を使用する場合には、冷却液の入換に伴うランニングコストも無視できない。
第二に、冷却液の定期的な入換は、通常、ユーザーに任されるため、管理の不徹底或いは24時間運転等の稼働状況により、実際には、定期的な入換が実行されない場合も少なくない。この場合、細菌,藻,カビ等が冷却器を構成する熱交換器の内壁に付着し、熱交換効率の低下による冷却性能の低下及び無用な電力消費を招く。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した冷却装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、被冷却物Xから戻された冷却液Lを貯留する冷却液タンク2と、この冷却液タンク2の供給口2oから流出する冷却液Lを送出する送液ポンプ3と、この送液ポンプ3から吐出する冷却液Lを熱交換により冷却して被冷却物Xに供給する冷却器4を備え、被冷却物Xに冷却液Lを循環させることにより当該被冷却物Xを冷却する冷却装置1において、冷却液タンク2に、当該冷却液タンク2の内部を照射する一又は二以上の紫外線ランプ5a,5bを配設したことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、冷却液タンク2の上端面に位置する上板部2uにランプホルダ11a,11bを取付けるとともに、このランプホルダ11a,11bに紫外線ランプ5a,5bの一端を装着し、かつ紫外線ランプ5a,5bを上板部2uから下方に突出させることができる。また、冷却液タンク2の内面2wの全部又は一部を鏡面Mにすることができる。さらに、紫外線ランプ5a,5bの点灯状態を他の動作状態に対応して制御する制御系13を備えることができる。
このような構成を有する本発明に係る冷却装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 冷却液タンク2内におけるバクテリア等の細菌,藻,カビ,ヌメリ等の発生が抑制されるため、冷却液Lの定期的な入換間隔を長くすることができ、冷却液Lの入換に伴う管理或いは作業の工数削減を図れるとともに、冷却液Lに水道水以外の溶液を使用する際におけるランニングコストの低減を図ることができる。
(2) 冷却液Lの定期的な入換が実行されない場合の不具合、即ち、細菌,藻,カビ等が冷却器4を構成する熱交換器の内壁に付着し、熱交換効率の低下による冷却性能の低下及び無用な電力消費を招く不具合を回避することができる。
(3) 好適な態様により、冷却液タンク2の上端面に位置する上板部2uにランプホルダ11a,11bを取付けるとともに、このランプホルダ11a,11bに紫外線ランプ5a,5bの一端を装着し、かつ紫外線ランプ5a,5bを上板部2uから下方に突出させれば、給電系に対する防水性を確保できるとともに、稼働中であっても紫外線ランプ5a…の交換が可能となるなど、メンテナンスの容易化を図ることができる。
(4) 好適な態様により、冷却液タンク2の内面2wの全部又は一部を鏡面Mにすれば、紫外線ランプ5a…からの紫外線を冷却液タンク2の隅々まで照射できるとともに、内部全体を満遍なく照射でき、紫外線ランプ5a…を設けたことに伴う効果をより高めることができる。
(5) 好適な態様により、紫外線ランプ5a…の点灯状態を他の動作状態に対応して制御する制御系13を備えて構成すれば、消費電力の低減やランプの長寿命化に寄与することができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る冷却装置1の構成について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
1は本実施形態に係る冷却装置であり、この冷却装置1は、大別して、冷凍サイクル(冷媒回路)31,冷却液供給部51及び制御系13を備える。冷却装置1は、これらを一体化したユニットとして構成し、冷却液Lを供給(循環)して冷却を行うレーザ加工機やMRI等の被冷却物Xに接続することができる。
冷凍サイクル31は、図1に示すように、冷却器4と、この冷却器4に接続した冷凍サイクル本体33を備え、この冷凍サイクル本体33は、コンプレッサ32及びこのコンプレッサ32を除く冷凍サイクル構成部34を備える。図2に、冷凍サイクル31の一例を示す。この冷凍サイクル31は、上述したコンプレッサ32及び冷却器4をはじめ、冷凍サイクル構成部34として、凝縮器35,冷媒ドライヤ36,電子膨張弁37及びアキュムレータ38を備え、これらにより冷媒が循環する冷媒回路を構成する。また、電子膨張弁37の冷媒流出側とコンプレッサ32の冷媒吐出側は、ホットガスバイパス回路(容量制御用電磁弁)39により接続する。
このような冷凍サイクル31は、公知の冷凍サイクルを用いることができる。その他、図2において、42はコンプレッサ32に吸入される冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ、43はコンプレッサ32に吸入される冷媒の温度を検出する温度センサ、44はコンプレッサ32から吐出する冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ、45はコンプレッサ32から吐出する冷媒の温度を検出する温度センサをそれぞれ示し、これらのセンサは、主に異常検出に用いられる。また、46は凝縮器35を空冷する空冷ファン、47はこの空冷ファン46に接続したインバータ回路、48は凝縮器35の下流側に接続した高圧スイッチをそれぞれ示す。
冷却液供給部51は冷却液Lを貯留する冷却液タンク2を備え、この冷却液タンク2から被冷却物Xに対して冷却液Lが供給されるとともに、この冷却液タンク2に被冷却物Xからの冷却液Lが戻される。したがって、冷却液タンク2は、被冷却物Xに対して冷却液Lを供給するための供給口2oと、被冷却物Xから冷却液Lが戻される戻り口2iを有するとともに、上部に設けた給液部52と底部に設けたドレン部53を有する。また、54は液面計、55はフロートスイッチをそれぞれ示す。
さらに、この冷却液タンク2には、当該冷却液タンク2の内部を照射する二本の紫外線ランプ(UVランプ)5a,5bを配設する。この場合、冷却液タンク2の上端面に位置する上板部2uにランプホルダ11a,11bを取付けるとともに、このランプホルダ11a,11bに紫外線ランプ5a,5bの一端を装着し、かつ紫外線ランプ5a,5bを上板部2uから下方に突出させる。例示の冷却液タンク2は、上端開口を開閉する蓋部21を備えるため、上板部2uは、この蓋部21を利用する。
図3に、一方の紫外線ランプ5a(5bも同じ)の取付構造を示す。同図に示すように、まず、蓋部21の所定位置に取付孔21sを形成し、この取付孔21sに、円筒形をなすランプホルダ11aのソケット部22を上から挿入し、ソケット部22の上端に一体形成した広幅のフランジ部23を、複数組のボルト・ナット24…等を用いて蓋部21に固定する。このソケット部22の内周面にはネジ孔部25を設けてある。一方、紫外線ランプ5aは、細長い丸棒状をなし、一端(上端)には、ネジ部26及びこのネジ部26の上端に広幅に形成した係止端部27を一体に有する。
これにより、紫外線ランプ5aは、ランプホルダ11aに対して蓋部21を着脱(開閉)することなく取付け又は取外しすることができる。この場合、紫外線ランプ5aをランプホルダ11aに装着するには、紫外線ランプ5aをソケット部22に対して上から挿入し、ネジ部26をネジ孔部25に螺着するとともに、係止端部27がソケット部22の上端に当接するまで締め込めばよい。よって、紫外線ランプ5aは、蓋部21(上板部2u)の内面から下方に突出するため、給電系に対する防水性を確保できるとともに、稼働中であっても紫外線ランプ5a…の交換が可能になるなど、メンテナンスの容易化を図ることができる。
ところで、紫外線は、殺菌効果のあることが知られており、食品分野等では殺菌を目的とした紫外線ランプが用いられている。しかし、冷却装置1における冷却液タンク2の冷却液Lに発生する不具合、即ち、冷却液Lの定期的な入換が実行されず、細菌,藻,カビ等が冷却器4を構成する熱交換器の内壁に付着し、熱交換効率の低下による冷却性能の低下及び無用な電力消費を招く不具合を回避できるか否かは未知である。そこで、その有効性を確認するための試験を行った。
図4及び図5は、冷却液タンク2に冷却液Lを収容し、時間経過における冷却液Lの導電率〔μs〕を測定するとともに、1ミリリットル当たりの細菌数〔個/ml〕を観察した。冷却液Lは、不純物のできるだけ少ない純水を使用した。この純水の試験開始時における導電率は4〔μs〕である。試験期間はほぼ1年間である。また、冷却液Lの温度は、25±2.5〔℃〕を設定し、無負荷の状態でコンプレッサ32のON−OFF制御を行った。
この結果、図5に示すように、試験開始後、ほぼ5ケ月目となる3552時間経過時点(中間時点)における導電率は、14.7〔μs〕であったが細菌は確認されなかった。また、試験開始後、ほぼ1年目となる8760時間経過時点における導電率は、15.2〔μs〕であったが細菌は確認されなかった。さらに、導電率の増加(冷却液Lの劣化)は、最大でも17.2〔μs〕程度であり、図4に示す導電率の経時変化特性Pから明らかなように、試験期間中、導電率は大きく増加することなく、10〜20〔μs〕の範囲でほぼ安定に推移し、細菌の発生も確認されなかった。
図6は、冷却液タンク2の内部における冷却液Lの劣化現象を観察した結果を示している。この試験では、紫外線ランプ(UVランプ)5a…を配設した本発明の形態を用いた場合と、紫外線ランプ(UVランプ)を用いない従来の形態の場合を示している。この結果から明らかなように、11ケ月経過時点で冷却液タンク2の冷却液Lを観察した結果、紫外線ランプ5a…を設けた場合には、ヌメリ,カビ,細菌のいずれも認められなかった。しかし、紫外線ランプの無い場合には、ヌメリ,カビ,細菌のいずれも発生が認められた。特に、紫外線ランプの無い場合、ヌメリは、2ケ月目ごろから発生が見られ、また、11ケ月経過時点における細菌数は数百個に達していた。
よって、このような試験により、冷却液タンク2に紫外線ランプ5a…を配設することは、この種の冷却装置1における冷却液タンク2内に貯留される冷却液Lの劣化及び細菌の発生を有効に抑制可能であることを確認できた。
一方、冷却液タンク2の内面2wは鏡面Mに仕上げる。鏡面Mにするには、別途形成した鏡面板を内面2wに貼付けてもよいし、ステンレス板等により形成した冷却液タンク2の内面2wを鏡面仕上げしてもよい。これにより、紫外線ランプ5a…からの紫外線を冷却液タンク2の隅々まで照射することができるとともに、内部全体を満遍なく照射でき、紫外線ランプ5a…を設けたことに伴う効果をより高めることができる。なお、冷却液タンク2の内面2wとは、蓋部21の内面も含まれる。また、鏡面Mは、冷却液タンク2の内面2wの全部に設けることが理想的であるが一部であってもよい。一部であってもできるだけ多面積を確保することが望ましい。
他方、冷却液タンク2の供給口2oには、この供給口2oから流出する冷却液Lを送出する送液ポンプ3を接続するとともに、この送液ポンプ3の吐出側には、上述した冷却器4を接続する。冷却器4には、例えば、プレート形熱交換器を用いることができる。この冷却器4により、送液ポンプ3から送出される冷却液Lと冷凍サイクル31における冷却された冷媒間の熱交換が行われ、冷却液Lは冷媒によって冷却される。さらに、冷却器4における冷却液Lの流出側は、送液管Psを介して被冷却物Xの冷却液入口Xiに接続する。一方、冷却液タンク2の戻り口2iは、送液管Prを介して被冷却物Xの冷却液出口Xoに接続する。また、送液管Prと送液管Ps間には、バイパスバルブ56を接続するとともに、送液ポンプ3の下流側には、この送液ポンプ3から吐出される冷却液Lの液圧を検出する液圧計57を接続する。
制御系13は、コンピュータ処理機能を有する制御部61を備え、この制御部61に、送液管Psに付設して冷却器4から流出した冷却液Lの温度を検出する温度センサ62及び前述したコンプレッサ32に備えるインバータ回路63を接続するとともに、各紫外線ランプ5a,5bから導出する給電ケーブル28a,28bを接続する。
これにより、制御部61は、温度センサ62により検出した温度(液温)の検出結果に基づく制御信号を生成し、この制御信号をインバータ回路63に付与することにより、コンプレッサ32をフィードバック制御する。この場合、コンプレッサ32の回転周波数は、インバータ回路63により連続可変制御(インバータ制御)される。また、各紫外線ランプ5a,5bは、その点灯状態が他の動作状態に対応して制御可能である。他の動作状態とは、送液ポンプ3やコンプレッサ32等の運転状態を指す。各紫外線ランプ5a,5bは、他の動作状態に係わりなく、常時点灯させておくこともできるが、例えば、送液ポンプ3の停止中にのみ紫外線ランプ5a,5bを点灯し、送液ポンプ3の運転中は、紫外線ランプ5a,5bの一方又は両方を消灯したり間欠点灯するなどの制御を行うことができる。一般に、水の場合、流れているときは劣化が抑えられ、滞留しているときに劣化が進行することが知られている。したがって、送液ポンプ3の運転により冷却液Lが流れているときは、紫外線ランプ5a…の全部又は一部を消灯したり間欠点灯すれば、消費電力の低減やランプの長寿命化に寄与することができる。
次に、本実施形態に係る冷却装置1の動作及び作用について、図1〜図6を参照して説明する。
まず、図1に示すように、冷却液タンク2には、冷却液(冷却水等)Lが収容される。そして、送液ポンプ3を作動させれば、冷却液タンク2の冷却液Lは、供給口2oから送液ポンプ3により送り出され、冷却器4に供給される。冷却器4では、供給された冷却液Lと冷凍サイクル31における冷却された冷媒間の熱交換が行われ、冷却液Lは冷媒により冷却される。また、冷却器4により冷却された冷却液Lは、送液管Ps及び冷却液入口Xiを介して被冷却物Xに供給され、被冷却物Xに対する冷却が行われる。さらに、被冷却物Xの冷却(熱交換)によって温められた冷却液Lは、冷却液出口Xo及び送液管Prを通って冷却液タンク2の戻り口2iに戻され、冷却液タンク2にそのまま貯留される。なお、図1中、矢印Fは冷却液Lの液流方向を示す。
一方、冷却器4から流出した冷却液Lの温度は、温度センサ62により検出され、この検出結果は制御部61に付与される。制御部61では、検出された冷却液Lの温度に基づいて制御信号が生成され、この制御信号がインバータ回路63に付与されることにより、コンプレッサ32に対するインバータ制御が行われる。即ち、今、比較的安定に行われている温度制御状態において、冷却液Lの温度(負荷)が高くなった場合、制御部61はインバータ回路63に付与する制御信号により、コンプレッサ32の回転周波数を高くする制御を行うとともに、冷却液Lの温度(負荷)が低くなった場合、制御部61はインバータ回路63に付与する制御信号により、コンプレッサ32の回転周波数を低くする制御を行う。これにより、冷却液Lの温度が設定値(目標値)になるように、冷却液Lの温度に対するフィードバック制御が行われる。なお、この場合、コンプレッサ32を制御できる回転周波数の範囲は予め設定されており、この範囲を超えた場合には、コンプレッサ32による制御が限界となるため、ホットガスバイパス回路39を開閉制御し、或いはコンプレッサ32のオン/オフ(作動/停止)制御するなどの追加的制御を行う。
なお、空冷ファン46に接続したインバータ回路47は、凝縮器35の下流側における冷媒圧力が高くなれば、空冷ファン46の回転周波数を上昇させ、冷媒圧力が低くなれば、空冷ファン46の回転周波数を低下させるインバータ制御を行う。また、電子膨張弁37は、冷却器4の流出側における冷媒温度が高くなれば、開く方向に制御され、冷媒温度が低くなれば、閉じる方向に制御される。
一方、上述したように、冷却液タンク2には、被冷却物Xでの熱交換により温められた冷却液Lが一旦貯留される。したがって、冷却液Lが冷却液タンク2内で長時間(長期間)滞留した場合、冷却液タンク2内において、バクテリア等の細菌,藻,カビ,ヌメリ等が発生しやすくなる。本実施形態では、冷却液タンク2に配設した紫外線ランプ5a,5bが点灯し、冷却液タンク2内における冷却液Lに対して鏡面Mを介して紫外線が照射される。
この場合、紫外線ランプ5a…は、冷却装置1本体の運転状態に係わらず、常時点灯させておくことが最も望ましいが、前述したように、一般に、水の場合、流れているときは劣化が抑えられ、滞留しているときに劣化が進行するため、制御系13における制御部61により紫外線ランプ5a…の点灯状態を制御することもできる。例えば、前述したように、送液ポンプ3の停止中にのみ紫外線ランプ5a,5bを点灯し、送液ポンプ3の運転中は、紫外線ランプ5a,5bの一方又は両方を消灯したり間欠点灯するなどの制御を行うことができる。
よって、このような本実施形態に係る冷却装置1によれば、冷却液タンク2内におけるバクテリア等の細菌,藻,カビ,ヌメリ等の発生が抑制されるため、冷却液Lの定期的な入換間隔を長くすることができ、冷却液Lの入換に伴う管理や作業の工数削減を図れるとともに、冷却液Lに水道水以外の溶液を使用する際におけるランニングコストの低減を図ることができる。また、冷却液Lの定期的な入換が実行されない場合の不具合、即ち、細菌,藻,カビ等が冷却器4を構成する熱交換器の内壁に付着し、熱交換効率の低下による冷却性能の低下及び無用な電力消費を招く不具合を有効に回避することが可能となる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、冷却液Lは、冷却水をはじめ混合溶液等の各種液体を用いることができる。また、紫外線ランプ5a…の取付本数として二本を例示したが、一本でもよいし三本以上であってもよい。さらに、紫外線ランプ5a…の取付位置や取付構造も例示に限定されるものではない。一方、冷却装置1における冷却液タンク2以外の構成も任意である。例えば、冷却手段として冷凍サイクル31を例示したが、ペルチェ素子等のサーモモジュールを利用した冷却手段であってもよい。なお、被冷却装置Mは、前述したレーザ加工機等の産業機器,MRI等の医療機器,電子顕微鏡等の光学機器をはじめ、冷却装置1を接続可能な各種の被冷却装置Mを適用できる。
本発明の最良の実施形態に係る冷却装置の回路構成図、 同冷却装置における冷凍サイクルの回路構成図、 同冷却装置における紫外線ランプの取付構造を明示する断面側面図、 同冷却装置における紫外線ランプの有効性を確認するための試験結果を示す経過時間に対する導電率の経時変化特性図、 同冷却装置における紫外線ランプの有効性を確認するための試験結果を示すデータ表、 同冷却装置における紫外線ランプの有効性を確認するための試験結果を示すデータ表、
符号の説明
1 冷却装置
2 冷却液タンク
2o 冷却液タンクの供給口
2u 冷却液タンクの上板部
2w 冷却液タンクの内面
3 送液ポンプ
4 冷却器
5a 紫外線ランプ
5b 紫外線ランプ
11a ランプホルダ
11b ランプホルダ
13 制御系
M 鏡面
X 被冷却物
L 冷却液

Claims (4)

  1. 被冷却物から戻された冷却液を貯留する冷却液タンクと、この冷却液タンクの供給口から流出する冷却液を送出する送液ポンプと、この送液ポンプから吐出する冷却液を熱交換により冷却して前記被冷却物に供給する冷却器を備え、前記被冷却物に冷却液を循環させることにより当該被冷却物を冷却する冷却装置において、前記冷却液タンクに、当該冷却液タンクの内部を照射する一又は二以上の紫外線ランプを配設したことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷却液タンクの上端面に位置する上板部にランプホルダを取付けるとともに、このランプホルダに前記紫外線ランプの一端を装着し、かつ前記紫外線ランプを前記上板部から下方に突出させることを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記冷却液タンクの内面の全部又は一部を鏡面にすることを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  4. 前記紫外線ランプの点灯状態を他の動作状態に対応して制御する制御系を備えることを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
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