JP2006321708A - 板ガラスの成形装置及び板ガラスの成形方法 - Google Patents

板ガラスの成形装置及び板ガラスの成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】板厚寸法品位を長期間維持できる板ガラス成形装置、特に液晶ディスプレイ表示装置に搭載する板ガラスの成形装置及びその成形方法を提供する。
【解決手段】本発明の板ガラス成形装置は、上部が開口した樋形状溶融ガラス供給溝を頂部に有し、ガラス供給溝の両側壁頂部をオーバーフローの堰とし、両側壁の外面部を断面が略楔形となるような成形体を備え、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を有し、溶融ガラスをガラス供給溝の一端から供給して溢れさせ、下端で板ガラスを成形する装置で、成形体長尺方向の単位断面部について、断面に空洞部を有する成形体の断面係数Zh、単位断面部の成形体質量Whと断面に空洞部形成前の成形体の断面係数Z0、単位断面部の成形体質量W0とが、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部を有する。本発明の板ガラスの成形方法は、上述の板ガラスの成形装置で液晶表示装置搭載用板ガラスを成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、板ガラスの成形装置に関し、特に液晶ディスプレイ表示装置に搭載される板ガラスを成形するのに適したオーバーフローダウンドロー方式の板ガラス成形装置に関するものである。
各種の画像表示装置等に搭載される板ガラスの成形方法は、ダウンドロー法、リードロー法あるいはフロート法等の種々の方法が知られている。その中でも高い生産効率を実現する方法としてオーバーフローダウンドロー法がある。一般にオーバーフローダウンドロー法によって板ガラスを成形する装置は図4(A)、(B)のような構成となっている。この図に示すようにオーバーフローダウンドロー法の板ガラス成形装置は、上面が開口した樋形状をなすガラス供給溝1aをその頂部に有している。そして成形装置は、このガラス供給溝1aの端壁に相当する2つの上方の頂部を熔融ガラスGのオーバーフローの堰1bとし、かつ両側壁の2つの外面1cを互いに下方へと向けて相互に接近させて略楔形状をなす刃先と類似したような外観を呈し、下端1dで終結させた成形体1を備えている。熔融ガラスGは、熔融ガラス供給管2によってガラス供給溝1aの一端側から連続的にガラス供給溝1aに供給される。そして、ガラス供給溝1aに一時的に滞留した熔融ガラスGは、両側壁の上方の頂部の2つの稜線1eからオーバーフローし、さらに両側壁のガイド1fに挟まれた略楔形状をなす2つの外面1c上をそれぞれ流下し、下端1dで合流するので、これを下方へと引き伸ばすことによって板ガラスPを成形することができる。こうして得られる板ガラスPは、その表面が溶融時の自由溶融表面に相当する状態を呈するために高い平滑性を有し、また図4(C)に示すように、中央領域Pαと両端部Pβとの厚みが略均一な形状となる。
この成形体1では、ガラス供給溝1aの両側壁頂部稜線1eを全長に亘って略直線状とし、溶融ガラスGが均等にオーバーフローするように構成されている。ところが、この種の成形体1は、高温状態で溶融ガラスGに対して高い耐食性を有する耐火物を使用して構成される必要がある。このため、成形体1は、重量が大きくなり、しかもその成形体1の両端のみが支持耐火物3で支持されるように配設され、かつ、生産時には長期に亘り高温条件下に曝され続けることとなるため、成形装置を長時間に亘り稼動する間に重力Fによって時間と共に徐々に下方に撓んで変形する現象が発生する。この変形現象は、一般にクリープ変形(または単にクリープ)と呼ばれるものであるが、特に大面積を有する板幅の大きい板ガラス製品(例えば1000×1500mm)を得るため、有効幅の大きい板ガラスPを成形する場合には、成形体1の長手方向寸法を大きく(例えば1800mm以上に)する必要があり、クリープ変形量は一層大きくなりやすくなる。例えば、図5(A)、(B)は、成形装置を長時間稼働することによってクリープ変形した成形体1を示すものであるが、成形体1がクリープ変形すると、ガラス供給溝1aの両側壁頂部稜線1eも下方に撓んで、下方に凸形状を呈する大きな弓形の曲線形状となり、この稜線1eからオーバーフローする溶融ガラスGの溢れ出し量は、成形体1の長手方向の中央領域1gが多く、両端領域1hでは少なくなる。その結果、図5(C)に示すように、成形される板ガラスPは、中央部Pαの板厚寸法が厚く、周辺部Pβの板厚寸法が薄くなり、板厚が不均一な形態となる。
ところで現在、液晶ディスプレイ等に搭載される基板として使用される板ガラスは、主に0.7mmの板厚寸法を有しているが、板厚寸法精度に対する利用者の要求品位は非常に厳しく、その精度は0.7±0.01mmとなっている。このため、上記のように成形体1がクリープ変形を起こした場合には、板ガラスPの板厚寸法が不均一なものとなりやすく、その結果板ガラス成形時の生産留まりが著しく低下することとなる。
そこでこのような問題を解決する方法として、この種の高い精度を要求される板ガラスPを成形する場合には、成形体1の下端1d付近で熔融ガラスの両端領域1h付近を加熱、あるいは冷却する方法が採られ、これによって板ガラスPの板厚寸法が均一なものとなるように調整するということが行われてきた。しかし、板ガラスPの板厚の調整操作については、このような加熱や冷却の調整だけでは十分に制御できないというだけではなく、成形体1の両側壁の外面1cを溶融ガラスが流下する際に、その流れが不均一となり、その結果、板ガラスPの周辺部Pβの肉厚が変動しやすくなる。極端な場合には、この周辺部Pβで溶融ガラス同士が十分に融合されないままに成形され、その結果、板ガラスPに割れが頻発するという問題があった。
このような事情から、特許文献1では成形体1の長さ方向に貫通孔を形成し、その貫通孔に支持部材を貫挿することによって、成形体1のクリープ変形を抑える板ガラスの成形装置が提案された。また特許文献2では成形体1の全長と高さの比率を所定の範囲とすることで、クリープ変形しにくくなるとする発明の開示も行われた。さらに、特許文献3では、予めオーバーフローの堰の両側壁頂部稜線が熔融ガラスの流れ方向の始端領域及び/又は終端領域で下方に曲がるように形成することで、熔融ガラスのオーバーフロー量を容易に調整できるとした発明も開示された。
特開平11−246230号公報 特開2004−315286号公報 特開2004−315287号公報
しかしながらこれまでに行われた発明だけでは充分なものとはなっていない。例えばより大面積の薄板を均質度の高い状態で得る場合や、あるいは製造効率を向上するという観点から製造インデックスを上げ、より高速なガラスの成形速度を実現して大量生産を行うといった負荷に耐え、高い均質度を有する大きい面積の薄板ガラスを潤沢に製造するだけの技術的な蓄積が具わっておらず、種々の要求に相応しい対応することができないという問題があった。
本発明者は、係る状況に対して大面積の板ガラスの成形品位を損なわず、しかも長期に亘り大量生産を可能とする板ガラスの製造装置として、高い板ガラス成形寸法品位を実現すべく、板ガラス成形装置の板ガラスの成形能力を向上させ、安定した板厚成形寸法品位を長期間に亘り維持することのできる板ガラス成形装置、特に液晶ディスプレイ表示装置に搭載する板ガラスを成形するのに適したオーバーフローダウンドロー方式の板ガラス成形装置及びこの板ガラス成形装置を使用する板ガラスの成形方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の板ガラスの成形装置は、上部が開口した樋形状の溶融ガラス供給溝を頂部に有し、このガラス供給溝の両側壁頂部をオーバーフローの堰とし、かつ両側壁の外面部を断面が略楔形となるように両側壁の外面同士を下方に向けて相互に接近させて下端で終結させた成形体を備え、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を有し、溶融ガラスをガラス供給溝の一端から連続的に供給して両側壁頂部稜線からオーバーフローさせ、両側壁外面に沿って流下させて略楔形下端で合流させて板ガラスを成形する板ガラスの成形装置であって、成形体長尺方向の単位長を厚みとする単位断面部について、断面に空洞部を有する成形体の断面係数Zh、断面に空洞部を有する単位断面部の成形体質量Whと断面に空洞部形成前の成形体の断面係数Z0、断面に空洞部形成前の単位断面部の成形体質量W0とが、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部を有することを特徴とする。
ここで、上部が開口した樋形状の溶融ガラス供給溝を頂部に有し、このガラス供給溝の両側壁頂部をオーバーフローの堰とし、かつ両側壁の外面部を断面が略楔形となるように両側壁の外面同士を下方に向けて相互に接近させて下端で終結させた成形体を備え、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を有し、溶融ガラスをガラス供給溝の一端から連続的に供給して両側壁頂部稜線からオーバーフローさせ、両側壁外面に沿って流下させて略楔形下端で合流させて板ガラスを成形する板ガラスの成形装置であって、成形体長尺方向の単位長を厚みとする単位断面部について、断面に空洞部を有する成形体の断面係数Zh、断面に空洞部を有する単位断面部の成形体質量Whと断面に空洞部形成前の成形体の断面係数Z0、断面に空洞部形成前の単位断面部の成形体質量W0とが、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部を有するとは、次のようなものである。すなわち溶融ガラスが上方の両端壁頂部をオーバーフローして両側壁の外面部に沿って流下する様に構成された断面形状が略楔形状を有する長尺形状の成形体を使用することによって、この成形体下方で板ガラスを成形する構成となっている成形体に関して、熔融ガラスが流下する両側壁外面に垂直な成形体の長尺方向に対して単位長を厚みとする成形体長尺方向に垂直な単位断面部について、断面に空洞部を形成する前後の成形体の単位断面部に相当する質量をW0、Whとし、成形体断面に空洞部を形成する前後の成形体の単位断面についての断面係数をZ0、Zhとするならば、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を形成する前に対して、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を形成した後の単位断面部の質量の比率が、単位断面についての成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を形成する前の成形体の断面係数に対する形成後の断面係数の比率よりも小さい単位断面部のあることを表している。ここで、単位断面と呼んでいるのは、どのような厚み寸法でも成形体全長に対して充分に短い寸法であればよいが、例えば0.1mm、1mm、1cm、2cm、3cm、5cmあるいは10cmが好適である。
空洞部を形成する前の単位断面部の質量は、空洞部が形成された後の空洞部に成形体を構成する単位断面部の材質と同じ組成を有する構造材料が同じ密度で充填されているとすることで数値計算によって算出されたものである。ここで、空洞部の成形体表面の充填状態は、例え開放系の空洞部である場合であっても、空洞部の表面を平面で塞ぐ様に充填するものとすることで算出することが可能である。また断面係数についても、同様の解釈に従い算出されるものである。よって空洞部についての計算を行う場合には、空洞部が形成される前に他材料が充填されているということに基づく算出は行わない。ただし、空洞部が形成された後に何らかの被覆材料や充填材料が充填されるなどする場合には、空洞部形成後の質量や断面係数に影響するため、被覆材料や充填材料による被覆や充填後を考慮した算出を行う必要がある。
本発明に係る成形体の空洞部は、必ずしも1つである必要はなく、むしろ空洞部を均等に配する方が重量バランス等の点から好ましいなら、複数個であってもよい。また空洞部はその断面形状がどのようなものであってもよいが、局所的な応力の集中を引き起こすような鋭角部のある形状は避けるのが好ましい。また空洞部の成形体長尺方向に垂直な断面形状は、成形体表面から深さ方向にかけて連続的にその断面積が変化するもの、あるいは連続的に断面形状が変化するものであってもよい。また加工可能であれば、非連続な断面形状とすることも何ら妨げられない。さらに空洞部の内表面の表面積を意図的に変えるような表面加工、例えばブラスト加工や酸、アルカリ等の特定の薬剤による腐食加工、切削加工といった処理を行うこともでき、空洞部の内表面に、耐熱セラミックスコート、白金や他の白金族貴金属箔を被覆することも可能である。また空洞部に特定の媒体に対する耐反応性の被膜を施すことで、空洞部内表面が継時的に劣化することのないような処置を施すこともできる。
空洞部の形成方法としては、成形体を作製する際に焼成物に切削加工を施すことや、予め空洞部となる箇所を鋳込み成形時に空洞となるような鋳型を作製することで形成することもできる。また同様に鋳込み成形であっても、当初は空洞とならないように、より切削加工の施しやすいような脆弱な材料をもって空洞加工箇所を形成しておき、焼成後の切削加工を容易とするような処置を行うこともできる。また、空洞部を形成する箇所を化学的に特定の薬剤に対して弱い材料で構成しておき、薬剤処理によって除去することもできる。さらに空洞部を形成する箇所を焼成時に焼きとばすことのできる有機材料等によって予め形成しておくことも可能である。
また本発明に係る成形体の空洞部については、開放状態の空洞部であっても完全に閉塞された空洞部であってもよい。閉塞された空洞部を構成する方法としては、一旦開放状態の空洞部を形成した後に成形体と同材料あるいは他材料で空洞部の開口端部を埋め戻すことで閉鎖することによって実現することができる。あるいは予め複数の部分成形体を個別に形成しておき、この部分成形体に開放状態の空洞部を形成した後に、各々の部分成形体を接合し、加熱焼成して焼結させるといった手順によって閉塞された空洞部とすることもできる。ここで、開放状態の空洞部とは、孔や溝、局所的な窪みの形成箇所等が該当するものである。孔や溝、局所的な窪みの深さについては、公知となっている板ガラスの成形装置の外形から意図的に孔、溝そして窪みを形成したことが判明するものを意味している。
孔、溝や窪みの形成方法としては、各種の方法が利用できる。例えば孔を形成する方法は、焼成前に所定形状の孔を形成しておくこともでき、また焼成後に孔、溝や窪みを形成してもよい。また孔を焼成後に形成するならば、ドリリング加工以外に化学薬品による浸食などの手段を採用することもできる。さらに例えば窪みについては予め鋳込み成型、プレス成型等の各種成型方法を採用する際に窪みが形成されるような鋳型、プレス型を使用する、あるいは焼成、焼結、鋳込み等で形成された成形体の表面を研磨、切削加工することで形成するといったことができる。また、例えば溝については、引き抜き成形や押し出し成形を行う際のダイス形状として溝が形成されるような形状を採用する、さらに圧延成形時のローラー形状が溝を形成するようなものを採用すればよい。焼成後に孔、溝や窪みを形成する場合には、孔、溝や窪みを形成する箇所を特定し易くするための目印、あるいは窪みを予め焼成物表面にマーキングされるような成形方法を採用してもよい。
また断面係数とは、成形体の長尺方向に垂直な断面の形状によって一義的に決まるものであって、具体的には、成形体長尺方向に垂直な断面の図心を通る軸に関する断面2次モーメントを軸から成形体の長尺方向に垂直な断面の周囲までの最大距離で割ったものが断面係数である。図心は、1点を通る任意の軸に対する断面1次モーメントが0となる位置であり、断面2次モーメントは成形体長尺方向に垂直な断面を微小面積に細分し、その微小面積に軸までの距離の2乗を乗じた値を全断面積について加え合わせた値を表している。
成形体について高温で発生するクリープの発生を防止するためには、成形体の質量を軽量化すれば良いことは明らかであるが、単純に軽量化だけを目指した成形体では、成形体自体の強度が弱くなる。また断面係数を小さくすることは、強度を弱くすることになるが、例え断面係数が小さくなっても上記した(Wh/W0)<(Zh/Z0)という関係を有する条件を満足する単位断面部がある限り、軽量化に加えて高い耐クリープ性能を実現することが可能となることを本発明者らは見いだした。すなわち、成形体長尺方向の単位厚みの成形体について、空洞を形成することによる質量の低減の比率に対してその断面係数についての低減の比率の方が小さいように形成されてなる部位があれば、すなわち断面係数の低減より質量の低減の方が大きくなるように構成されていれば、高温状態に保持された際の成形体の経時的な耐久性の向上、すなわち成形体中央部の垂れによる変形を小さくすることが可能となる。
また本発明の板ガラスの成形装置は、上述に加え(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部が、成形体長尺方向の3割以上の長さ寸法を有するものであれば、成形体の強度をより安定させることができるため好ましい。
ここで、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部が、成形体長尺方向の3割以上の長さ寸法を有するとは、前記したように成形体長尺方向の単位厚みの成形体について、空洞を形成することによる質量の低減の比率に対してその断面係数についての低減の比率の方が小さいように形成されてなる部位が、成形体の長尺方向について長尺全長の3割以上の長さとなるものであることを意味している。
3割以上の長さとなることで、軽量化と耐クリープ化の両方について、一層大きな効果が実現できる。ここで、3割以上の長さとするのは必ずしも連続したものとする必要はなく、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部が不連続に存在する、すなわち複数の部分に分かれた状態で存在するものであってもよい。
また本発明については、上記の(Wh/W0)<(Zh/Z0)という関係を有する条件を満足する単位断面部については、熔融ガラスが流下する両側壁外面に垂直な成形体の長尺方向に対し、(Wh/W0)<(Zh/Z0)という関係を満足する部分の長さが、本発明の効果を明瞭に発揮させるためは、より好ましくは4割以上とすることである。
また上記の(Wh/W0)<(Zh/Z0)という関係を有する条件を満足する単位断面部の成形体の長尺方向に対しての位置については、成形体の重心位置が含まれるように成形されることが好ましく、さらに好ましくは重心位置を含み、さらに長尺方向について1割以上の寸法長さの部位を含むようにすることである。
また本発明の板ガラスの成形装置は、上述に加え空洞部が、成形体の孔によるものであることが好ましい。
ここで、空洞部が、成形体の孔によるものであるとは、上述の開放状態の空洞部が特に孔によって構成されている場合に相当するものである。ここで孔とは、成形体の表面から見た開口部の開口端の形状に相当する面積を有する円の直径より、成形体表面からの深さの大きい開口部のことであって、成形体の表面から見た開口部の開口端の形状に相当する面積を有する円の半径より、深さの小さい開口部は溝、または窪みである。
本発明に係る成形体の空洞部は、両端が開放状態の貫通孔であっても、一端が開放状態にない、すなわち貫通しない閉塞孔であってもよく、貫通孔や閉塞孔の深さ方向の形状は直線状であっても湾曲したもの、あるいは屈曲したものであっても支障はない。また閉塞孔については、その閉塞部の形状について特に限定されるものではないが、閉塞部については外力が加えられる際に応力が集中し易いため、応力の集中があっても充分に耐えることのできるような構成となっていることが好ましい。すなわち、閉塞部の内表面の表面粗さや全体の形状については、応力の集中に耐えるものとする方がよい。
また本発明の板ガラス成形装置は、上述に加えて空洞部が熔融ガラスを供給する成形体の一方側を始点として成形体長尺方向の全長に対して、その1割から9割までの範囲を含むように形成してなることが好ましい。
ここで、空洞部が熔融ガラスを供給する成形体の一方側を始点として成形体長尺方向の全長に対して1割から9割までの範囲を含むように形成してなるとは、少なくとも空洞部の位置は、成形体の一方側を始点として計測する場合に成形体の長尺方向の全長寸法を100とすれば、その内10の位置から90までの位置の範囲内に在ることを意味するものである。
本発明をより有効なものとするためには、成形体の長尺方向について、空洞部の位置が中央により近い方が成形体中央の重量を低減することが可能である。よって上記の範囲は、より好ましくは1割5分から8割5部までであって、さらに好ましくは、2割から8割までとすることであり、一層好ましくは2割5分から7割5分までとすることである。
また本発明の板ガラスの成形装置は、上述に加え空洞部に、成形体より密度の小さい耐熱材料を充填してなるならば好ましい。
ここで、空洞部に、成形体より密度の小さい耐熱材料を充填してなるとは、成形体の空洞部に成形体を構成する材料よりも単位体積当たりの質量の小さい耐熱材料を充填することを表している。ここでの密度は、成形体が加熱される高温度での密度を表すものではなく、常温すなわち25℃での密度を表すものである。高温での密度の計測は容易ではなく、しかも常温での密度が目安として有効であるため、本発明では常温での密度を使用している。
密度が小さい材料であるならば、その形態については特に限定されない。すなわち、塊状物以外に、粉末、薄片、顆粒、繊維、ペースト、布あるいは紐といった形態であってもよい。また一材質である必要はなく、複数の材料の混合体であっても差し支えない。複数材料の混合体については、混合方法は問わない。さらに充填については、完全に充填する必要性はなく、空隙の多い形態であってもよい。また充填方法についても特に限定はしない。またここでは充填という言葉を使用しているが、それは単に被充填物を詰めるという方法に依存するものを表しているのではなく、空洞部内に成形体とは異なる材質を意図的に残留させるような形態であっても、本発明に係る特定の被充填物に該当するものである。
密度の計測方法としては、一般的な公知の方法によって計測することが可能である。例えばアルキメデス法等の方法を採用することが可能である。
耐熱材料については、成形体程の耐熱性を要するものではなく、成形体程の耐高温反応性を有する必要性はない。ただ、成形体を構成する材料と高温時に容易に化学反応することで成形体の強度を脆弱化する等の問題を生じるものでなければ支障ない。
また本発明の板ガラスの成形装置は、上述に加え空洞部に、多孔質材料を充填してなるならば好ましい。
ここで、空洞部に、多孔質材料を充填してなるとは、空洞部に充填する材料の形態が、多数の微細な気孔を有する材料であることを表している。
多孔質材料については、例えば多孔質のセラミックスや耐熱性合金材質であるならば問題ない。多孔質材料の空隙率についても特に限定はされない。ただ多孔質材料であるならば、熔融ガラスを成形するに順じる高温状態であっても、構造的な強度を有するものとなるので、成形体の強度を安定化させることができるため好ましい。そしてここでの多孔材料は、他の形態を有する充填物の存在を妨げるものではない。
また、本発明の板ガラスの成形装置に係る成形体は、板ガラス成形装置を補強するために採用される他の補強方法と併用することが可能であって、成形装置の形状の変形や支持構造の変更など他の効果的な手段を妨げるものではない。
本発明の板ガラスの成形装置に搭載される成形体を構成する耐火物としては、耐熱性、高温強度に優れた焼成耐火物、不焼成耐火物、不定形耐火物等が適当である。さらに具体的には珪石耐火物、粘土質耐火物、高アルミナ耐火物、炭化珪素質耐火物、クロム質耐火物、マグネシア質耐火物、マグネシア質耐火物、ドロマイト系耐火物、シリマナイト系耐火物、シアン化合物アルミナ質耐火物、ムライト質耐火物、ジルコニア質耐火物、コーディエライト質耐火物、キャスタブル耐火物、プラスチック耐火物等が使用できる。おしてこれらの耐火物以外にも、熔融石英耐火物、合成石英耐火物、各種ファイバーボード、不定形耐火繊維材料を用いることが可能であり、さらに白金族元素を主成分とする合金、例えば白金合金などの耐熱貴金属類を使用することができる。これらの成形体構成材料は、単独使用であっても複数種の使用であっても本成形体の機能を充分に実現するものであるならば使用することができる。
本発明の板ガラスの成形方法は、上述の板ガラスの成形装置を使用して液晶表示装置搭載用板ガラスを成形することを特徴とする。
ここで、上述の板ガラスの成形装置を使用して液晶表示装置搭載用板ガラスを成形するとは、板ガラスを成形する段階で使用される成形方法として、本発明の板ガラスの成形装置を採用するものであって、そしてこれらの成形方法を採用することによって、表面精度の良好な液晶表示装置搭載用の板ガラスの製造を行うことを意味するものである。
液晶表示装置搭載用の板ガラスは、例えば板ガラスがアクティブマトリックス方式の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、略してTFT)を搭載する液晶用基板ガラスとして利用される板ガラスを表している。TFT方式であるならば、アモルファスシリコンやポリシリコン等の部材の違いには関係するものではない。
本発明で成形される板ガラスの材質としては、どのような材質であっても支障はないが、特に硼珪酸ガラス、無アルカリガラス、アルミノリケートガラスといったガラス材質や珪素を80質量%以上含有する高珪酸ガラス材質が本装置によって成形を行うのに好適である。硼珪酸ガラスとは、硼素と珪素を主成分とする酸化物ガラスであって、無アルカリガラスは実質的にアルカリ金属元素を含有しない、すなわちガラス組成中のアルカリ金属元素であるナトリウム、カリウム、リチウムといった元素が酸化物換算で0.1質量%以下となるガラス材質であり、アルミノシリケートガラスについては、アルミニウムと珪素を主成分とする酸化物ガラス材質のことである。
そして、上述のようなガラス材質を有する薄板ガラスは、液晶表示装置以外にも例えばCMOSやCCDに代表される固体撮像素子用カバーガラス、フィールドエミッション用板ガラス、プラズマディスプレイ用板ガラス、EL用カバーガラス、バンドパスフィルター等の光学フィルター用ガラス、チップ・オン・ガラス用途のガラス基板用ガラス等として利用されるのに好適である。
また本発明の板ガラス成形装置は、幅が1500mm以上の大きさで任意の長さ寸法を有する大きな外観を有し、しかも板厚寸法が3.0mm以下という薄い形状を有する板ガラスを成形するのに好適なものである。
本発明の板ガラス成形装置に搭載される成形体は、板ガラス成形装置に搭載される仮想的な成形体の外形および空洞内部の形状寸法を、成形体の立体形状の仮想分割数に基づいて分割するサブルーチンプログラムを有し、成形体寸法、成形体構成材質の質量をパラメーターとして数値計算プログラムを構成し、プログラムによる断面係数と分割後の質量の算出結果に基づいて成形体寸法を算出することによって形状を決定すればよい。
ここで、板ガラス成形装置に搭載される仮想的な成形体の外形および空洞内部の形状寸法を、成形体の立体形状の仮想分割数に基づいて分割するサブルーチンプログラムを有し、成形体寸法、成形体構成材質の質量をパラメーターとして数値計算プログラムを構成し、プログラムによる断面係数と分割後の質量の算出結果に基づいて最適な成形体寸法を算出するとは、上述したような手順で特定の想定した成形形状について、単位厚み寸法を有する断面部に分割し、それぞれの単位断面部についての断面係数と質量とを算出し、断面係数と質量との間に上記した所定の関係を有する状態となるようにすることで最適な成形体の外形を算出することを意味している。
(1)以上のように、本発明の板ガラスの成形装置は、上部が開口した樋形状の溶融ガラス供給溝を頂部に有し、このガラス供給溝の両側壁頂部をオーバーフローの堰とし、かつ両側壁の外面部を断面が略楔形となるように両側壁の外面同士を下方に向けて相互に接近させて下端で終結させた成形体を備え、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を有し、溶融ガラスをガラス供給溝の一端から連続的に供給して両側壁頂部稜線からオーバーフローさせ、両側壁外面に沿って流下させて略楔形下端で合流させて板ガラスを成形する板ガラスの成形装置であって、成形体長尺方向の単位長を厚みとする単位断面部について、断面に空洞部を有する成形体の断面係数Zh、断面に空洞部を有する単位断面部の成形体質量Whと断面に空洞部形成前の成形体の断面係数Z0、断面に空洞部形成前の単位断面部の成形体質量W0とが、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部を有するため、熔融ガラスを板ガラスに成形するに要するに足る高温状態に長時間に亘り曝される場合であっても充分に高い耐クリープ性を実現することができる成形体よりなるものであり、成形される板ガラスの表面品位を長時間に亘り安定化させることが可能となるものである。
(2)また本発明の板ガラスの成形装置は、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部が、成形体長尺方向の3割以上の長さ寸法を有するものであれば、成形体の重量を軽量とし高温時に成形体を保持し続ける負担を軽減することができ、さらに高温での成形体のクリープ性を向上させることが可能となる。
(3)また本発明の板ガラスの成形装置は、空洞部が、成形体の孔によるものであるならば、上述の耐クリープ性に関する性能ばかりでなく、成形体が軽量なものとなるため、板ガラス成形装置を構成する際に成形体の取り扱いが容易であり、また他の支持構造体への経時的な負担を軽減することができるものである。
(4)さらに本発明の板ガラスの成形装置は、空洞部に、成形体より密度の小さい耐熱材料を充填してなるものであるならば、成形体の重量を効果的に軽減でき、しかも成形体の構造的な強度の低下を効率的に抑制することが可能となる。
(5)また本発明の板ガラスの成形装置は、空洞部に、多孔質材料を充填してなるならば、空洞部表面に局所的な応力集中の生じるのを防ぐことができ、空洞部の内表面に起因する構造強度の脆弱化を抑止する効果を有する。
(6)本発明の板ガラスの成形方法は、上述の板ガラスの成形装置を使用して液晶表示装置搭載用板ガラスを成形するものであるために、液晶表示装置に搭載される板ガラスに求められる板ガラスの外観表面品位を長時間に亘り実現し続けることが可能であって、製造設備の管理を省力化し効率的な成形を行うことが可能となるものである。
以下に本発明の板ガラスの成形装置と板ガラス成形装置を使用する板ガラス成形方法について、実施例に基づいて説明する。
図1(A)の成形体10は、高密度ジルコニア系耐火物(密度4.0g/cm3、ヤング率142GPa)であって、図1(B)のようにその断面形状は、上面が開口した状態の略V字形状を呈する樋状の熔融ガラス供給溝10aをその頂部に有してガラス供給溝10aの両端壁頂部を2つのオーバーフローの堰10bとしている。このオーバーフローの堰10bの下方には、2つの両側壁の外面10cを互いに接近させていき、最終的に下端10dで終結させた構造となっている。成形体10の全体の外部寸法は、長尺方向の全長寸法が2500mm、高さ寸法が700mmで、幅寸法が250mmであり、この成形体はその長尺方向に垂直な断面の断面積が11.5×104mm2である。そして成形体10の内部には成形体10の長尺方向に垂直な断面についての空洞部10pが、成形体10の長尺方向に伸長した状態でその両端がそれぞれ200mmの長さだけ閉塞された状態で形成されている。そして成形体長尺方向に垂直な断面について、この空洞部の断面積は、15×103mm2である。すなわち空洞部の長尺方向についての長さは、2100mmあり、空洞部の長尺方向に垂直な断面の形状が一定の部位について、その長尺方向の長さ寸法は、1900mmで、成形体長尺寸法の全長に対して76%の長さに相当する。
ここで図2に示したように、この成形体10についての単位断面部11a1、11a2、・・・11aN(Nは任意の自然数)となるようにN分割して単位厚みとして1cmとなるように仮想的な単位断面部11について、その体積と断面係数を順次コンピューターを使用して算出していくと、最も断面積の変化率の大きい単位断面部11では、1cm当たりの成形体質量(Wh)は5.4kgであり、空洞を開ける前の成形体質量(W0)との比、すなわちWh/W0の値は、0.9である。そしてこの単位断面部11についての断面係数についての比、すなわちZh/Z0の値は、0.99であって、Wh/W0の値より大きい値となっていることを確認することができるような構成となるように設計したものである。
そして(Wh/W0)<(Zh/Z0)を満足する部位の成形体の長尺方向の寸法は、成形体の重心位置に相当する部位を含めて中央部の1100mmの長さ部分であり、その大きさは全長に対して44%である。
成形体10の空洞部10pの形成方法としては、種々の方法があるが、ここでは、焼成前の成形体を鋳込み成形法によって鋳込む際に乾燥体の所定個所に開口状態の空洞部が形成されるように成形し、その後に開口端を塞ぐように成形体と同じ材料を充填することで、空洞部を閉塞した状態として形成したものである。
次いで上述のような成形体で構成された板ガラス成形装置を使用することによって、液晶表示装置に搭載される薄板ガラスの成形を行う方法について例示する。
まず、1500℃以上の高温加熱設備を有するガラス熔融槽(図示省略)内にて、無アルカリガラス組成(日本電気硝子株式会社製ガラス OA−10組成)となるように予め調製されたガラス原料の熔融を行い、ガラスの清澄工程によって均質な熔融ガラスGとした後に、熔融ガラスGは熔融ガラス供給管20によって成形体10に形成された熔融ガラス供給溝10a内へと流入される。そして一時的に熔融ガラス供給溝10a内に滞留した熔融ガラスGは、その後成形体10の上部にある2つの両側壁頂部稜線10eをオーバーフロー、すなわち溢れて出して成形体の両側壁の外面10cに沿って下方へ流下し、成形体10の下端10dで融合されて、さらに下方に設けた耐熱性ローラー(図示省略)を使用することによって連続的に引き伸ばされて、1枚の板ガラスPが形成されることとなる。
従来のように、単位断面部についての断面係数と単位断面質量との間の関係を満足しない状態の成形体で構成された場合には、成形体を構成する耐火物の高温使用によるクリープ現象によって、徐々に成形体の外形寸法に変形が生じ、成形体の稜側壁頂部稜線の中央部が下方へと垂れ下がった形状となってしまい、成形される板ガラスの厚みに偏りが生じた。一方、本発明の板ガラス成形装置を使用することによって、従来の成形体では成形体の稜側壁頂部稜線の中央部の垂れ下がりが明瞭となる時期を越える時期に到るまで成形体10を使用しても、まったく問題となるような変形現象が発生せず、成形体10が正常な板ガラスPの成形に供される期間が伸び、安定した品位の板ガラスPを長期間に亘り成形できることになった。成形された板ガラスPは、板ガラスの中央部Pαと板ガラスの周辺部Pβとの板厚の差異も認められず、板厚0.7±0.01mm、有効幅2100mm程度であって、うねり、偏肉などの各種の寸法に関連する問題もなく、板ガラスの表面状態についても良好なものであり、TFT液晶表示装置に搭載される用途で使用される板ガラスとして好適なものであった。
次いで本発明の板ガラス成形装置を構成する成形体について、実施例1とは異なる態様となるような空洞部を有する他の例について図3(A)、(B)、(C)、(D)に示す。
図3(A)は、実施例1と同様の材質を有する成形体中に3つの空洞部10qを積層状態としたものである。図3(B)は、図3(A)の長尺方向断面を表している。このような成形体を構成するには、それなりの成形技術を要するが、大きな空洞部を有するものよりも空洞部位を成形体中で分散した位置とすることが可能となるので、成形体を設計する段階では、成形体に加わる応力を予め予測し、その予測値に従って細かい修正を施した位置へと空洞部を移動させることで最適な位置を決めることが可能であり、最適な条件を見いだすことによって、より好ましい構成状態とすることが可能である。
図3(C)は、実施例1と同様の材質を有する成形体中に2つの上方へと湾曲した形状を有する空洞部10rを形成したものであって、2つの空洞部の内、成形体の下方に位置する空洞部10rの湾曲空洞部内には多孔質の充填材料40として多孔質炭化珪素を充填したものである。
図3の2つの成形体については、いずれも上記した(Wh/W0)<(Zh/Z0)という関係を有する条件を満足する単位断面部を有しており、この成形体形状を使用してモデル実験を行ったところ、いずれの形態についても高い耐久性を有する良好な結果の得られることを確認することができた。図3のような複雑な形状を示す空洞部を有する成形体の場合には、予め2つの鋳型を使用して長尺方向に2つに分割された成形体を鋳込み成形で作製し、両方の成形体を焼成する際に焼結によって接合することで、成形体を得ることが可能である。
本発明の板ガラス成形装置の説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)図のX−X平面の断面図、(C)は(A)図のY−Y平面の断面図を表す。 板ガラスの単位断面部に関する説明図である。 本発明の他の板ガラス成形装置の説明図である。(A)は平面図で(B)は(A)図の長尺方向の中央断面図、(C)は他の平面図で(D)は(C)図の長尺方向の中央断面図を表す。 従来の板ガラス成形装置の製造当初の説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)図のX−X平面の断面図、(C)は(A)図のY−Y平面の断面図を表す。 従来の板ガラス成形装置の製造後期の説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)図のX−X平面の断面図、(C)は(A)図のY−Y平面の断面図を表す。
符号の説明
1、10、50、51成形体
11、11a1、11a2、11a3、11aN 単位断面部
1a、10a ガラス供給溝
1b、10b オーバーフロー堰
1c、10c 両側壁の外面
1d、10d 下端
1e、10e 両側壁頂部稜線
1f、10f 両側壁ガイド
1g、10g 熔融ガラス中央領域
1h、10h 熔融ガラス両端領域
10p、10q、10r 空洞部
2、20 熔融ガラス供給管
3、30 支持耐火物
40 充填耐熱材
G 熔融ガラス
F 重力
P 板ガラス
Pα 板ガラスの中央部
Pβ 板ガラスの周辺部

Claims (6)

  1. 上部が開口した樋形状の溶融ガラス供給溝を頂部に有し、このガラス供給溝の両側壁頂部をオーバーフローの堰とし、かつ両側壁の外面部を断面が略楔形となるように両側壁の外面同士を下方に向けて相互に接近させて下端で終結させた成形体を備え、成形体長尺方向に垂直な断面に空洞部を有し、溶融ガラスをガラス供給溝の一端から連続的に供給して両側壁頂部稜線からオーバーフローさせ、両側壁外面に沿って流下させて略楔形下端で合流させて板ガラスを成形する板ガラスの成形装置であって、
    成形体長尺方向の単位長を厚みとする単位断面部について、
    断面に空洞部を有する成形体の断面係数Zh、断面に空洞部を有する単位断面部の成形体質量Whと断面に空洞部形成前の成形体の断面係数Z0、断面に空洞部形成前の単位断面部の成形体質量W0とが、(Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部を有することを特徴とする板ガラスの成形装置。
  2. (Wh/W0)<(Zh/Z0)となる単位断面部が、成形体長尺方向の3割以上の長さ寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの成形装置。
  3. 空洞部が、成形体の孔によるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の板ガラスの成形装置。
  4. 空洞部に、成形体より密度の小さい耐熱材料を充填してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の板ガラスの成形装置。
  5. 空洞部に、多孔質材料を充填してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の板ガラスの成形装置。
  6. 請求項1から請求項5の板ガラスの成形装置を使用して液晶表示装置搭載用板ガラスを成形することを特徴とする板ガラスの成形方法。
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