JP2006320909A - 耐熱多層金属管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐コーキング性、耐浸炭性に優れ、原料ガスが流れる際の抵抗が少なく、低コストであり、かつ、熱効率の高い耐熱多層金属管を提供すること。
【解決手段】 耐熱金属からなる母管12、22と、母管12、22の内面の長手方向に全面肉盛りされた肉盛層14、24とを備えた耐熱多層金属管10、20。肉盛層14は、母管12の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビード14a…を備え、主溶接ビード14a…は、隣接する主溶接ビード14a…がその底部において連結するように、母管12の内面に形成されているものが好ましい。あるいは、所定の間隔を隔てて主溶接ビード24a…を形成し、隣接する主溶接ビード24a…を、その底部において、それより高さの低い副溶接ビード24b…で連結しても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】 耐熱金属からなる母管12、22と、母管12、22の内面の長手方向に全面肉盛りされた肉盛層14、24とを備えた耐熱多層金属管10、20。肉盛層14は、母管12の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビード14a…を備え、主溶接ビード14a…は、隣接する主溶接ビード14a…がその底部において連結するように、母管12の内面に形成されているものが好ましい。あるいは、所定の間隔を隔てて主溶接ビード24a…を形成し、隣接する主溶接ビード24a…を、その底部において、それより高さの低い副溶接ビード24b…で連結しても良い。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耐熱多層金属管に関し、さらに詳しくは、ナフサなどの炭化水素原料ガスと水蒸気とを高温に加熱された分解炉管内に供給し、炭化水素原料ガスを熱分解させてエチレン、プロピレン等を製造するためのエチレン分解炉に用いられる分解炉管等として好適な耐熱多層金属管に関する。
従来、エチレンやプロピレン等の炭化水素は、ナフサ等の炭化水素原料ガスを熱分解させることにより製造されている。このような炭化水素原料ガスの熱分解には、一般に、全長数100m〜1000m程度の長さを有する炉管と、この炉管を外部から加熱する加熱手段とを備えた熱分解炉が用いられている。
熱分解炉を用いた炭化水素原料ガスの熱分解は、一般に、以下のような手順により行われる。すなわち、まず、所定の温度に加熱された炉管内に炭化水素原料ガス及び水蒸気を高速で供給する。加熱された炉管内に炭化水素原料ガス及び水蒸気が供給されると、炭化水素原料ガスが水蒸気によって熱分解され、エチレンやプロピレン等の目的とする炭化水素を含む分解ガスが生成する。
一方、炭化水素原料ガスの熱分解に伴い、副生成物としてコークが生成し、炉管の内面に堆積する。炉管の内面にコークが堆積すると炉管の熱伝導率が低下するので、加熱手段からの入熱量が一定である場合には、コークの堆積に伴い、炉管の内部温度が徐々に低下する。分解ガスの組成は、主として分解温度(炉管の内部温度)に依存するので、目的とする炭化水素を一定の収率で製造するためには、分解温度を一定に保つ必要がある。通常は、炉管の表面温度(内部管表面温度(TMT))、管出口温度(COT)、単位時間当たりの原料投入量等を管理することによって、分解温度が一定に保たれている。
所定の条件下で一定期間、熱分解炉を連続稼働させると、炉管の内面に堆積したコーク層の厚さが徐々に厚くなり、これに伴い炉管の圧力損失も増大する。圧力損失が無視できない大きさになったところで、稼働を中断し、炉管の内面に堆積したコーク層の除去(デコーキング)を行う。デコーキングは、通常、炉管内に水蒸気のみを供給し、コークを燃焼除去することにより行われる。
炭化水素原料ガスの熱分解は、このような一定期間の連続稼働とデコーキングとを繰り返すことにより行われる。炉管は、その内面にコーク層が堆積した状態で高温に曝されるため、時間の経過に伴い炉管の内部に炭素が拡散し、徐々に劣化する。そのため、ある一定の操業時間が経過したところで、稼働を停止し、炉管の交換を行う。
ところで、エチレン分解炉において、高価なエチレン及びプロピレンの収率を上げることは長年の課題となっている。過去、エチレンの収率を上げるために、主に分解温度を高くする工夫がなされてきた。そのため、炉管については、従来用いられていたステンレス鋼管(例えば、SUS304、SUS310等)に代えて、現在では高温強度の高い耐熱遠心鋳造管が用いられるようになっている。その結果、分解温度は、760〜780℃から800〜920℃まで上昇している。
しかしながら、現在も収率を上げるための開発、努力が続いているが、炉管の材質についてはほぼ限界に近くなっている。そのため、従来の材料からなる炉管を用いて分解温度を上げようとすると、炉管への浸炭が短時間で進行し、脆化による折損等の炉管の短寿命化が懸念される。一方、分解温度をさらに上げるために、TD−Ni合金、TD−Ni−Cr合金等の粒子分散強化合金(ODS合金)やセラミックスなどの使用も検討されているが、これらの材料は非常に高価であり、商業的な使用は困難と考えられている。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、耐熱性金属の内面及び/又は外面にCr−Ni−Mo系合金の肉盛層を形成した耐熱多層金属管が本願出願人により提案されている。また、特許文献2には、耐熱性金属の内面及び/又は外面に、Crを35wt%以上含有し、Ni%≧0.5Cr%であるCr−Ni合金の肉盛り層を形成した耐熱多層金属管が開示されている。特許文献1、2には、炉管としてこのような耐熱多層金属管を用いることによって、耐コーキング性が向上する点が記載されている。
例えば、特許文献1には、耐熱性金属の内面及び/又は外面にCr−Ni−Mo系合金の肉盛層を形成した耐熱多層金属管が本願出願人により提案されている。また、特許文献2には、耐熱性金属の内面及び/又は外面に、Crを35wt%以上含有し、Ni%≧0.5Cr%であるCr−Ni合金の肉盛り層を形成した耐熱多層金属管が開示されている。特許文献1、2には、炉管としてこのような耐熱多層金属管を用いることによって、耐コーキング性が向上する点が記載されている。
また、特許文献3には、ワーク(金属管)を回転させながら、ワークの内面に螺旋状の肉盛部を肉盛溶接し、次いでワークを回転させながら肉盛部の凹部に再肉盛溶接する肉盛部の表面肌改善方法が開示されている。同文献には、再肉盛時にトーチに供給される粉末量及びワークとトーチの間の通電量を、1回目の肉盛溶接時より少なくすることによって肉盛部の表面を平滑化できる点、並びに、肉盛層の凹凸をなくすことによって、耐熱性や耐食性のばらつき及び機械加工の際の割れの発生を防止できる点が記載されている。
また、特許文献4には、素管の内周面に肉盛り溶接により肉盛ビードを形成し、素管の内周面に螺旋状の突起を形成する内面突起部付き金属管の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法を用いることによって、熱間押出成形を用いることなく内面突起部を形成することができる点、及び、素管の加工性や成形性を向上させるために高価な合金元素を含む素管を用いる必要がなくなる点が記載されている。
さらに、特許文献5、6には、管内壁面に所定の組成を有する耐熱合金からなる突起が形成された内面突起付き熱交換管が開示されている。同文献には、管内表面に適宜間隔をおいて突起を形成すると、管内流体に対する攪拌部材として機能する点、及び、突起として所定の組成を有する耐熱合金を用いると、コーキング及び炭化による劣化・損傷を抑制できる点が記載されている。
特許文献5、6に開示されているように、管内面に適宜間隔をおいて突起を形成すると、突起によって管内を流れる原料ガスが攪拌されるので、反応効率が向上するとされている。しかしながら、突起のない部分は、素管の内表面が露出しているので、コーキングによって素管が劣化しやすいという問題がある。
これに対し、特許文献1、2に開示されている耐熱多層金属管は、管内面全面が肉盛層で覆われているので、耐熱性及び耐コーキング性に優れている。このような耐熱多層金属管は、従来、管内面に肉盛層を螺旋状に全面肉盛し、内面を機械加工することにより作製されていた。しかしながら、このような方法により作製される耐熱多層金属管は、高コストであるという問題がある。
この問題を解決するために、内面の機械加工を省略することも考えられる。しかしながら、肉盛層を螺旋状に全面肉盛した場合において、内面の機械加工を省略すると、内面には、管軸に対してほぼ垂直な波状の凹凸が残る。この凹凸は、原料ガスの流れに対して抵抗として働き、圧力損失が大きくなるという問題がある。
一方、特許文献3に開示されているように、1回目の肉盛溶接により肉盛層を螺旋状に形成した後、2回目の肉盛溶接により凹凸を埋めると、圧力損失の低下を抑制することができる。しかしながら、内表面が平滑化するほど、原料ガスとの接触面積が減少する。その結果、熱効率が低下し、操業温度が上昇する。操業温度の上昇は、稼働時間(Run Length(R/L))を短縮化させデコーキング頻度を増大させる原因となる。
一方、特許文献3に開示されているように、1回目の肉盛溶接により肉盛層を螺旋状に形成した後、2回目の肉盛溶接により凹凸を埋めると、圧力損失の低下を抑制することができる。しかしながら、内表面が平滑化するほど、原料ガスとの接触面積が減少する。その結果、熱効率が低下し、操業温度が上昇する。操業温度の上昇は、稼働時間(Run Length(R/L))を短縮化させデコーキング頻度を増大させる原因となる。
本発明が解決しようとする課題は、耐コーキング性、耐浸炭性に優れ、原料ガスが流れる際の抵抗が少なく、低コストな耐熱多層金属管を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、熱効率が高く、操業温度の低下、あるいは、稼働時間の延長が可能な耐熱多層金属管を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、熱効率が高く、操業温度の低下、あるいは、稼働時間の延長が可能な耐熱多層金属管を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る耐熱多層金属管は、耐熱金属からなる母管と、該母管の内面の長手方向に全面肉盛りされた肉盛層とを備えていることを要旨とする。
この場合、前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、該主溶接ビードは、隣接する前記主溶接ビードがその底部において連結するように、前記母管の内面に形成されているのが好ましい。
また、前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、該主溶接ビードは、所定の間隔を隔てて前記母管の内面に形成され、隣接する前記主溶接ビードは、その底部において、前記主溶接ビードより高さの低い副溶接ビードにより連結されているものでも良い。
この場合、前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、該主溶接ビードは、隣接する前記主溶接ビードがその底部において連結するように、前記母管の内面に形成されているのが好ましい。
また、前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、該主溶接ビードは、所定の間隔を隔てて前記母管の内面に形成され、隣接する前記主溶接ビードは、その底部において、前記主溶接ビードより高さの低い副溶接ビードにより連結されているものでも良い。
母管の内面に肉盛層を全面肉盛すると、母管の内表面が完全に肉盛層で被覆されるので、耐コーキング性、耐浸炭性、耐熱性、耐酸化性等が向上する。また、肉盛層を母管の長手方向に形成すると、原料ガスが流れる際の抵抗が小さくなり、圧力損失を軽減することができる。しかも、圧力損失を軽減するために内面を機械加工する必要がないので、製造コストを大幅に削減することができる。さらに、長手方向に肉盛層を形成し、かつ、内面の機械加工を省略すると、管内面の表面積が増大する。そのため、耐熱多層金属管の寿命を短縮することなく、熱効率が高くなり、操業温度の低下、及び、稼働時間の延長が可能になる。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る耐熱多層金属管の管軸に対して平行方向の断面図(縦断面図、左図)及び管軸に対して垂直方向の断面図(横断面図、右図)を示す。図1(a)において、耐熱多層金属管10は、母管12と、肉盛層14とを備えている。
図1(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る耐熱多層金属管の管軸に対して平行方向の断面図(縦断面図、左図)及び管軸に対して垂直方向の断面図(横断面図、右図)を示す。図1(a)において、耐熱多層金属管10は、母管12と、肉盛層14とを備えている。
本発明において、母管12には、目的とする用途に応じた耐熱性を有する材料を用いる。例えば、耐熱多層金属管10を炭化水素原料ガスの分解炉管として用いる場合には、炭化水素原料ガスの熱分解温度に耐えうる耐熱性を有する耐熱金属を用いるのが好ましい。
母管12を構成する耐熱金属としては、具体的には、
(1)8%以上のCrを含有する鉄基合金(例えば、SUS304、SUS310等のステンレス鋼)、
(2)耐熱鋳鋼(例えば、HK材(25Cr−20Ni)、HP材(25Cr−35Ni)、HP−Nb材(25Cr−35Ni−Nb)等)、
(3)Ni基超合金(例えば、Inconel600H等)、
などがある。これらの中でも、耐熱鋳鋼からなる遠心鋳造管は、高い耐熱性を有し、かつ、相対的に低コストであるので、母管12として好適である。
母管12を構成する耐熱金属としては、具体的には、
(1)8%以上のCrを含有する鉄基合金(例えば、SUS304、SUS310等のステンレス鋼)、
(2)耐熱鋳鋼(例えば、HK材(25Cr−20Ni)、HP材(25Cr−35Ni)、HP−Nb材(25Cr−35Ni−Nb)等)、
(3)Ni基超合金(例えば、Inconel600H等)、
などがある。これらの中でも、耐熱鋳鋼からなる遠心鋳造管は、高い耐熱性を有し、かつ、相対的に低コストであるので、母管12として好適である。
母管12の外径及び肉厚は、特に限定されるものではなく、母管12の材質、熱分解炉の構造、熱分解条件、炭化水素原料ガスの種類等に応じて最適なものを選択する。例えば、ナフサを熱分解し、エチレン、プロピレン等を製造する場合、一般に、内径が2〜4インチ(50.8〜101.6mm)程度、肉厚が9〜11mm程度の炉管が用いられる。
肉盛層14は、母管12の内面の長手方向に全面肉盛された層からなる。本実施の形態において、肉盛層14は、母管12の長手方向に形成された複数個の主溶接ビード14a、14a…を備えている。また、各主溶接ビード14a…は、その断面が円弧状になっている。ここで、「長手方向」とは、母管12の軸に対してほぼ平行な方向をいう。「ほぼ平行」とは、各主溶接ビード14a…は、母管12の軸に対して完全に平行であることが望ましいが、製造工程上の誤差等に起因して、多少平行からずれていても良いことを意味する。また、「円弧状」とは、半円状、半楕円状等、その先端が膨出している形状をいう。
さらに、各主溶接ビード14a…は、隣接する主溶接ビード14a、14aがその底部において連結するように、母管12の内面に形成されている。
主溶接ビード14a…の断面形状は、溶接方法及び溶接条件を最適化することにより、調節することができる。例えば、後述するプラズマ・パウダー溶接法(PPW)を用いる場合において、粉末供給量、電力供給量等の溶接条件を最適化すると、底部の幅約10mm、高さ約8mmの円弧状の主溶接ビード14a…を形成することができる。
さらに、各主溶接ビード14a…は、隣接する主溶接ビード14a、14aがその底部において連結するように、母管12の内面に形成されている。
主溶接ビード14a…の断面形状は、溶接方法及び溶接条件を最適化することにより、調節することができる。例えば、後述するプラズマ・パウダー溶接法(PPW)を用いる場合において、粉末供給量、電力供給量等の溶接条件を最適化すると、底部の幅約10mm、高さ約8mmの円弧状の主溶接ビード14a…を形成することができる。
肉盛層14の材質は、母管12の内面に対し、耐熱性、耐コーキング性等の目的とする特性を付与することが可能なものであればよい。このような機能を有する材料には、種々のものがある。これらの中でも、Cr−Ni合金は、耐熱性及び耐コーキング性に優れているので、肉盛層14の材料として特に好適である。
Crは、肉盛層14の耐酸化性を高める上で必要であると同時に、耐コーキング性を高めるためにきわめて重要な元素である。このような効果を得るためには、Cr量は、36wt%以上が好ましい。耐酸化性及び耐コーキング性は、いずれもCr量が多くなるほど高くなるが、Cr量が多くなりすぎると、オーステナイト組織が不安定になり、加工性が低下する。従って、Cr量は、49wt%以下が好ましい。Cr量は、さらに好ましくは、40〜47wt%である。
Niは、エチレン分解炉のように炉管が高温の使用環境に曝される場合において、炉管の組織を安定に維持し、かつ耐コーキング性を向上させる効果がある。このような効果を得るためには、Ni量は、35wt%以上が好ましい。Ni量が多くなるほど、組織は安定化するが、Ni量が多くなりすぎると、高コスト化を招く。従って、Ni量は、63wt%以下が好ましい。Ni量は、好ましくは、Cr量の0.5倍以上、さらに好ましくは、Cr量の1.0〜1.4倍である。
なお、Niの一部は、Coで置換することができる。Niの一部をCoで置換すると、耐コーキング性をさらに向上させることができる。但し、Coは、Niよりさらに高価であるので、Co量が多くなりすぎると、耐熱多層金属管10が高コスト化する。従って、Coによる置換量は、Ni量の10wt%以下が好ましく、さらに好ましくは、Ni量の5wt%以下である。
また、肉盛層14を構成するCr−Ni合金は、Cr及びNiのみからなるものでも良いが、Cr及びNiに加えて、さらに、Mo(5.0wt%以下)、B(0.015wt%以下)、Zr(0.015wt%以下)、REM(0.002wt%以下)、Si(1.5wt%以下)、Al(3.0wt%以下)等が含まれていても良い。これらの元素を適量添加することにより、溶接性の向上、溶着金属の割れ感受性の低下等の効果を得ることができる(特許文献2参照)。
また、高い耐コーキング性を確保するためには、Cr−Ni合金に含まれる不純物は、ある一定の量以下に規制することが望ましい。含有量を規制すべき合金元素としては、具体的には、Fe(10wt%以下、好ましくは5wt%以下)、C(0.1wt%以下)、N(0.3wt%以下)、Mn(1.5wt%以下)、P+S(0.02wt%以下)、O(0.3wt%以下)等がある(特許文献2参照)。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る耐熱多層金属管について説明する。
図1(b)に、本実施の形態に係る耐熱多層金属管の縦断面図(左図)及び横断面図(右図)を示す。図1(b)において、耐熱多層金属管20は、母管22と、肉盛層24とを備えている。
図1(b)に、本実施の形態に係る耐熱多層金属管の縦断面図(左図)及び横断面図(右図)を示す。図1(b)において、耐熱多層金属管20は、母管22と、肉盛層24とを備えている。
肉盛層24は、母管22の内面の長手方向に全面肉盛された層からなる。本実施の形態において、肉盛層24は、母管22の長手方向に形成された複数個の主溶接ビード24a、4a…を備えている。また、各主溶接ビード14a…は、その断面が円弧状になっている。さらに、各主溶接ビード24a…は、所定の間隔を隔てて母管22の内面に形成されている。隣接する主溶接ビード24a、24aは、その底部において、主溶接ビード24a…より高さの低い副溶接ビード24b、24b…により連結されている。この点が第1の実施の形態とは異なる。
副溶接ビード24b…の高さは、主溶接ビード24a…の高さより低くなっていればよい。最適な高さは、耐熱多層金属管20の用途、要求特性等に応じて適宜選択する。一般に、副溶接ビード24b…の高さが高くなるほど、副溶接ビード24b…が形成された部分の肉盛層24の厚さが厚くなるので、肉盛層24の耐コーキング性、耐熱性、耐酸化性等が向上する。一方、副溶接ビード24b…の高さが低くなるほど、肉盛層24全体の表面積が大きくなるので、熱効率が向上する。適度な耐コーキング性等と、適度な熱効率とを兼ね備えた肉盛層24を得るためには、副溶接ビード24b…の高さは、主溶接ビード24a…の高さの0.125倍以上0.75倍以下が好ましい。
主溶接ビード24a…の間隔は、目的に応じて任意に選択することができる。一般に、主溶接ビード24a…の間隔が狭くなるほど、母管22の内面に形成される主溶接ビード24a…の数が多くなるので、肉盛層24全体の表面積を大きくすることができる。
副溶接ビード24b…の高さは、溶接方法及び溶接条件を最適化することにより、調節することができる。例えば、後述するプラズマ・パウダー溶接法(PPW)を用いる場合において、粉末供給量、電力供給量等の溶接条件を最適化すると、高さ1〜6mmの副溶接ビード24b…の形成することができる。
なお、母管22及び肉盛層24のその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
副溶接ビード24b…の高さは、溶接方法及び溶接条件を最適化することにより、調節することができる。例えば、後述するプラズマ・パウダー溶接法(PPW)を用いる場合において、粉末供給量、電力供給量等の溶接条件を最適化すると、高さ1〜6mmの副溶接ビード24b…の形成することができる。
なお、母管22及び肉盛層24のその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、本発明に係る耐熱多層金属管の製造方法について説明する。
本発明に係る耐熱多層金属管は、種々の方法により製造することができる。これらの中でも、プラズマ・トランスファー・アーク溶接法、特に、溶加材として粉末を用いるプラズマ・パウダー溶接法(PPW)が好適である。PPW法は、熱源として高温の熱プラズマを利用するため、基材表面を深く溶融させることがなく、基材金属による肉盛層の汚染を抑制することができる。また、溶加材として粉末を用いることができ、溶加材をワイヤやロッドの形状にする必要がないので、難加工材であっても容易に肉盛りすることができる。
本発明に係る耐熱多層金属管は、種々の方法により製造することができる。これらの中でも、プラズマ・トランスファー・アーク溶接法、特に、溶加材として粉末を用いるプラズマ・パウダー溶接法(PPW)が好適である。PPW法は、熱源として高温の熱プラズマを利用するため、基材表面を深く溶融させることがなく、基材金属による肉盛層の汚染を抑制することができる。また、溶加材として粉末を用いることができ、溶加材をワイヤやロッドの形状にする必要がないので、難加工材であっても容易に肉盛りすることができる。
一般に、溶接は、母材を局部的に加熱するので、熱変形が大きい。特に、母管の長手方向に肉盛溶接すると、螺旋状に溶接する場合に比べて、母管の変形が大きくなる。母管が変形すると、主溶接ビードをほぼ等間隔に形成するのが困難になるだけでなく、溶接トーチの搬送に支障を来たし、溶接そのものが困難になる場合がある。
そこでこのような場合には、主溶接ビードを対角状に形成するのが好ましい。
例えば、図1(a)に示す耐熱多層金属管10を作製する場合、以下のような手順により溶接するのが好ましい。すなわち、図2に示すように、まず、母管12に1本目の主溶接ビード(図2中、θ=90°の位置にあるもの)14a(1)を形成する。次いで、これと180°反対側にある主溶接ビード(図2中、θ=270°の位置にあるもの)14a(2)を形成する。次に、左側の主溶接ビード(図2中、θ=180°の位置にあるもの)14a(3)及び右側の主溶接ビード(図2中、θ=0°の位置にあるもの)14a(4)をこの順で形成する。以下、同様にして、主溶接ビード14a(5)(θ=135°)及び主溶接ビード14a(6)(θ=315°)、主溶接ビード14a(7)(θ=45°)及び主溶接ビード14a(8)(θ=225°)…のように、主溶接ビードを対角状に形成すれば良い。
例えば、図1(a)に示す耐熱多層金属管10を作製する場合、以下のような手順により溶接するのが好ましい。すなわち、図2に示すように、まず、母管12に1本目の主溶接ビード(図2中、θ=90°の位置にあるもの)14a(1)を形成する。次いで、これと180°反対側にある主溶接ビード(図2中、θ=270°の位置にあるもの)14a(2)を形成する。次に、左側の主溶接ビード(図2中、θ=180°の位置にあるもの)14a(3)及び右側の主溶接ビード(図2中、θ=0°の位置にあるもの)14a(4)をこの順で形成する。以下、同様にして、主溶接ビード14a(5)(θ=135°)及び主溶接ビード14a(6)(θ=315°)、主溶接ビード14a(7)(θ=45°)及び主溶接ビード14a(8)(θ=225°)…のように、主溶接ビードを対角状に形成すれば良い。
図1(b)に示す耐熱多層金属管20の場合も同様であり、まず主溶接ビード24a…を対角状に形成し、次いで、主溶接ビード24a…の間に副溶接ビード24b…を対角状に形成するのが好ましい。
このように、溶接ビード(及び副溶接ビード)を対角状に形成すると、母管の180°反対側の領域に、交互に熱負荷がかかる。そのため、母管の熱変形を最小限に抑制することができる。
このように、溶接ビード(及び副溶接ビード)を対角状に形成すると、母管の180°反対側の領域に、交互に熱負荷がかかる。そのため、母管の熱変形を最小限に抑制することができる。
また、溶接は、溶接トーチを母管の軸方向に対してほぼ平行に相対移動させながら行う。この時、溶接トーチを管軸方向に相対移動させると同時に、母管をゆっくり回転させると、ゆるい螺旋状の主溶接ビードを形成することもできる。しかしながら、母管の長手方向に主溶接ビードを全面肉盛する場合、母管の熱変形が相対的に大きいので、母管をゆっくり回転させると狙った位置に主溶接ビードを形成するのが困難となり、主溶接ビードの境界線に欠陥が発生する場合がある。従って、溶接は、母管を回転させることなく行うのが好ましい。
溶接が終了した後、必要に応じて、母管の変形を矯正したり、あるいは、曲げ加工を施すと、本発明に係る耐熱多層金属管が得られる。
溶接が終了した後、必要に応じて、母管の変形を矯正したり、あるいは、曲げ加工を施すと、本発明に係る耐熱多層金属管が得られる。
次に、本発明に係る耐熱多層金属管の作用について説明する。
本発明に係る耐熱多層金属管は、母管の内面に肉盛層が全面肉盛されているので、母管の内面が露出している場合に比べて、耐コーキング性、耐浸炭性、耐熱性、耐酸化性等が向上する。また、肉盛層を構成する主溶接ビードは、母管の長手方向に形成されているので、管内に原料ガスを流しても抵抗が小さく、圧力損失が小さい。しかも、圧力損失を低減するために内面を機械加工する必要がなく、肉盛肌のまま使用することができるので、製造コストを大幅に削減することができる。
本発明に係る耐熱多層金属管は、母管の内面に肉盛層が全面肉盛されているので、母管の内面が露出している場合に比べて、耐コーキング性、耐浸炭性、耐熱性、耐酸化性等が向上する。また、肉盛層を構成する主溶接ビードは、母管の長手方向に形成されているので、管内に原料ガスを流しても抵抗が小さく、圧力損失が小さい。しかも、圧力損失を低減するために内面を機械加工する必要がなく、肉盛肌のまま使用することができるので、製造コストを大幅に削減することができる。
さらに、主溶接ビードを管の長手方向に形成し、かつ、肉盛肌のまま使用することによって、管内表面の表面積が増大するので、熱効率が向上する。特に、肉盛層が所定の高さを有する主溶接ビードと、それより高さの低い副溶接ビードを交互に形成したものからなる場合、表面積の増大による熱効率の向上効果が大きい。また、熱効率が向上することによって、耐熱多層金属管の寿命を短縮することなく、操業温度を低下させたり、あるいは、稼働時間を延長することができる。
図3に、エチレン分解炉の操業パターンの一例を示す。一般に、炭化水素原料ガスを熱分解させることにより得られる分解ガスの組成は、分解温度に依存する。例えば、ナフサを熱分解してエチレンを製造する場合、分解温度を約1000℃とすると、エチレンの収率は最大となる。一方、炉管の耐熱性は、母管の材質に制約される。従って、分解温度は、これらを考慮して最適な温度が選択される。例えば、エチレンを製造する場合において、炉管としてHP材等の耐熱鋳鋼を母管とする耐熱多層金属管を用いるときには、分解温度は、800℃〜920℃が好ましい。
実炉においては、分解温度が所定の温度に保たれるように、内部管表面温度(TMT)、管出口温度(COT)等を用いて、炉管の温度管理が行われる。
例えば、ナフサを熱分解してエチレンを製造する場合、予め定められた内部管表面温度(TMT)の初期値(以下、これを初期TMT(TMT0)という。)で熱分解を開始する。熱分解初期には、炉管の内面にコーク層が堆積していないので、TMTが相対的に低い場合であっても、高い分解温度が得られる。
一方、連続稼働を続けると、炉管の内面にコーク層が堆積し、熱伝導率が低下するので、一定の分解温度を保つには、TMTを上昇させる必要がある。そして、一定期間の連続稼働により、TMTが上限値(以下、これを「TMTmax」という。)に達したところで、操業を一時的に停止させ、デコーキングを行う。以下、このような連続稼働とデコーキングとが複数回繰り返される。また、総操業時間(稼働時間の総和)がある一定の時間(炉管の寿命)に達したところで、炉管の交換が行われる。
例えば、ナフサを熱分解してエチレンを製造する場合、予め定められた内部管表面温度(TMT)の初期値(以下、これを初期TMT(TMT0)という。)で熱分解を開始する。熱分解初期には、炉管の内面にコーク層が堆積していないので、TMTが相対的に低い場合であっても、高い分解温度が得られる。
一方、連続稼働を続けると、炉管の内面にコーク層が堆積し、熱伝導率が低下するので、一定の分解温度を保つには、TMTを上昇させる必要がある。そして、一定期間の連続稼働により、TMTが上限値(以下、これを「TMTmax」という。)に達したところで、操業を一時的に停止させ、デコーキングを行う。以下、このような連続稼働とデコーキングとが複数回繰り返される。また、総操業時間(稼働時間の総和)がある一定の時間(炉管の寿命)に達したところで、炉管の交換が行われる。
本発明に係る耐熱多層金属管は、その内面の表面積が従来の炉管に比べて大きく、熱効率が高いので、一定の分解温度を得るのに必要な熱量が少ない。これは、初期TMT(TMT0)を従来の操業条件より下げることができることを意味する。また、初期TMT(TMT0)を従来の操業条件と同一とする場合には、原料投入量を従来より多くすることができることを意味する。
一方、上限TMT(TMTmax)は、母管及び肉盛層の組成でほぼ決まる。そのため、原料投入量が同一である場合において、炉管の熱効率が向上すると、一定の上限TMT(TMTmax)に到達するまでの稼働時間(R/L)が従来のd1(日)からd2(日)に伸びる。例えば、上限TMT(TMTmax)が1060℃である場合において、炉管として内面が平滑な耐熱多層金属管を用いた時には、稼働時間(d1)は約55日であるのに対し、炉管として本発明に係る耐熱多層金属管を用いた時には、稼働時間(d2)は約80日となる。その結果、デコーキング頻度を従来より少なくすることができ、操業コストを大幅に削減することができる。しかも、上限TMT(TMTmax)は、従来と同一であるので、炉管の寿命を著しく短縮させることもない。
一方、上限TMT(TMTmax)は、母管及び肉盛層の組成でほぼ決まる。そのため、原料投入量が同一である場合において、炉管の熱効率が向上すると、一定の上限TMT(TMTmax)に到達するまでの稼働時間(R/L)が従来のd1(日)からd2(日)に伸びる。例えば、上限TMT(TMTmax)が1060℃である場合において、炉管として内面が平滑な耐熱多層金属管を用いた時には、稼働時間(d1)は約55日であるのに対し、炉管として本発明に係る耐熱多層金属管を用いた時には、稼働時間(d2)は約80日となる。その結果、デコーキング頻度を従来より少なくすることができ、操業コストを大幅に削減することができる。しかも、上限TMT(TMTmax)は、従来と同一であるので、炉管の寿命を著しく短縮させることもない。
(実施例1)
プラズマ・パウダー溶接(PPW)法を用いて、HP−Nb材からなる遠心鋳造管(母管)の内面に、44.5wt%Cr−Ni合金からなる肉盛層を肉盛溶接し、耐熱多層金属管を作製した。なお、母管は、外径80.1mm、内径63.5mmのものを用いた。また、肉盛溶接は、母管の長手方向に、かつ、主溶接ビードと副溶接ビードとが交互に形成されるように行った。また、主溶接ビードは、幅約10mm、高さ約8mmであり、主溶接ビードの間隔(副溶接ビードの幅)は、約5mmとした。
プラズマ・パウダー溶接(PPW)法を用いて、HP−Nb材からなる遠心鋳造管(母管)の内面に、44.5wt%Cr−Ni合金からなる肉盛層を肉盛溶接し、耐熱多層金属管を作製した。なお、母管は、外径80.1mm、内径63.5mmのものを用いた。また、肉盛溶接は、母管の長手方向に、かつ、主溶接ビードと副溶接ビードとが交互に形成されるように行った。また、主溶接ビードは、幅約10mm、高さ約8mmであり、主溶接ビードの間隔(副溶接ビードの幅)は、約5mmとした。
(比較例1)
PPW法を用いて、HP−Nb材からなる遠心鋳造管を炉管の内面に、44.5wt%Cr−Ni合金からなる肉盛層を螺旋状に全面肉盛した。次いで、炉管の内面加工を行い、内表面が平滑化された耐熱多層金属管を得た。
PPW法を用いて、HP−Nb材からなる遠心鋳造管を炉管の内面に、44.5wt%Cr−Ni合金からなる肉盛層を螺旋状に全面肉盛した。次いで、炉管の内面加工を行い、内表面が平滑化された耐熱多層金属管を得た。
図4に、実施例1で得られた耐熱多層金属管の断面写真を示す。図4より、主溶接ビードと、それより高さの低い副溶接ビードが交互に、かつ、規則正しく並んでいることがわかる。
次に、実施例1及び比較例1で得られた炉管を用いてナフサの熱分解を行った。その結果、実施例1で得られた耐熱多層金属管を用いると、比較例1で得られた耐熱多層金属管を用いた場合に比べて、TMTを約20℃低下できることがわかった。
次に、実施例1及び比較例1で得られた炉管を用いてナフサの熱分解を行った。その結果、実施例1で得られた耐熱多層金属管を用いると、比較例1で得られた耐熱多層金属管を用いた場合に比べて、TMTを約20℃低下できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施例においては、母管として耐熱鋳鋼からなる遠心鋳造管を用いた例について主に説明したが、母管としてステンレス鋼やNi基超合金等の他の耐熱金属を用いた場合も同様であり、その内面にCr−Ni合金等からなる肉盛層を形成する場合において、長手方向に全面肉盛りすると、耐コーキング性、耐浸炭性等に優れ、圧力損失が少なく、かつ、熱効率が高い耐熱多層金属管を低コストで製造することができる。
例えば、上記実施例においては、母管として耐熱鋳鋼からなる遠心鋳造管を用いた例について主に説明したが、母管としてステンレス鋼やNi基超合金等の他の耐熱金属を用いた場合も同様であり、その内面にCr−Ni合金等からなる肉盛層を形成する場合において、長手方向に全面肉盛りすると、耐コーキング性、耐浸炭性等に優れ、圧力損失が少なく、かつ、熱効率が高い耐熱多層金属管を低コストで製造することができる。
本発明に係る耐熱多層金属管は、エチレン分解炉用の分解炉管、その他、耐浸炭性、耐酸化性、耐熱性等が要求される種々のガス製造装置に用いられる炉管として使用することができる。
10、20 耐熱多層金属管
12、22 母管
14、24 肉盛層
14a、24a 主溶接ビード
24b 副溶接ビード
12、22 母管
14、24 肉盛層
14a、24a 主溶接ビード
24b 副溶接ビード
Claims (4)
- 耐熱金属からなる母管と、
該母管の内面の長手方向に全面肉盛りされた肉盛層と
を備えた耐熱多層金属管。 - 前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、
該主溶接ビードは、隣接する前記主溶接ビードがその底部において連結するように、前記母管の内面に形成されている請求項1に記載の耐熱多層金属管。 - 前記肉盛層は、前記母管の長手方向に形成された、その断面が円弧状の主溶接ビードを備え、
該主溶接ビードは、所定の間隔を隔てて前記母管の内面に形成され、
隣接する前記主溶接ビードは、その底部において、前記主溶接ビードより高さの低い副溶接ビードにより連結されている請求項1に記載の耐熱多層金属管。 - 前記肉盛層は、Cr−Ni合金からなる請求項1から3までのいずれかに記載の耐熱多層金属管。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010240700A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Fujico Co Ltd | 複合金属管の摩擦肉盛方法及び摩擦肉盛により形成した複合金属管 |
CN104148788A (zh) * | 2014-09-05 | 2014-11-19 | 四川石油天然气建设工程有限责任公司 | 小口径管件内壁熔化极镍基合金耐蚀堆焊方法 |
Citations (4)
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-
2005
- 2005-05-17 JP JP2005143573A patent/JP2006320909A/ja active Pending
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