JP2006319726A - 耐圧防爆型赤外線カメラ及び耐圧防爆型容器 - Google Patents

耐圧防爆型赤外線カメラ及び耐圧防爆型容器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐圧防爆構造を有し、危険区域内における監視を可能にすることができる耐圧防爆型赤外線カメラを提供する。
【解決手段】耐圧防爆型容器10において、内部に収納した赤外線カメラ11の受光レンズ11Aが対向する窓部10Aに、ZnSガラスからなる透光性部材2を配置した。窓部10Aの縁部10Bと保持板4の鍔部4Bとの間に接着剤3を充填し、透光性部材2の周縁部を全周にわたって固着した。保持板4には、窓部10Aに対向する開口4Aが形成されている。外部光は、窓部10A、透光性部材2及び開口4Aを経由して赤外線カメラ11の受光レンズ11Aに入射する。透光性部材2を12mm程度の厚さとすることで、耐圧防爆構造に十分な耐衝撃性が得られる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラントの監視等に用いられる耐圧防爆構造を有する赤外線カメラに関する。
石油精製プラント等の火災・爆発の危険性がある危険区域においては、異常の発生を早期に発見するために、区域内を撮像して画像による常時監視を行う必要がある。このような画像による常時監視を行う手段としては、ITV(工業用テレビカメラ)等の耐圧防爆構造を有するカメラ装置が用いられている。
例えば特許文献1には、耐圧防爆構造ケースが採用されたチルトケース部と、このチルトケース部に内蔵されカメラケースが除かれたカメラブロックと、を具備したパンチルトカメラ装置が開示されている。
特許文献1に開示されたパンチルトカメラ装置は、パンチルトカメラコントローラと、このパンチルトカメラコントローラに一端が接続されビデオ信号にカメラの制御信号が多重化された信号が伝送される同軸ケーブルと、前記カメラの制御信号によりベース部に対してパン動作を行うパンケース部とこのパンケース部とチルト動作を行うチルトケース部とこのチルトケース部に内蔵されたカメラとを備えるパンチルトカメラ本体とを具備する。カメラ装置によって撮像された危険区域内の画像は、ケーブルを介して危険区域外に設置されたモニタに表示される。
ITVは可視光域の光を撮像するものであるが、プラントの異常を検知するためには、以下に述べる点で、赤外線カメラの方が有効である。
赤外線カメラではプラントの外面温度を監視することが可能であり、これまで、可搬型の赤外線カメラが保全用として使用されている。赤外線領域で特に波長6μmから8μmにかけての赤外線領域では、炭化水素分子の振動による発光ピークが存在する。したがって、従来のITVや従来の波長3μmから5μmに感度を有する赤外線カメラと比較して、波長6μm以上に感度を有する赤外線カメラは、炭化水素の蒸気漏れを検知できる能力が高い。
また、赤外線カメラにより昼夜に撮像された画像は、ITVと比較して輝度変化が小さく、画像処理による常時監視に有効である。
このように、波長6μm以上に感度を有する赤外線カメラは、プラント監視用途に有効である。しかしながら、石油精製が行われる場所等の消防法に定められた危険区域で使用するためには、耐圧防爆構造とする必要がある。
赤外線カメラ用の防爆用保護ガラスとしては、例えば特許文献2に、Siガラスの表面にA1(サファイア)ガラスを貼着したものが開示されている。
特開2000−047292号公報 特開平8−29261号公報
波長6μm以上に感度を有する赤外線カメラを耐圧防爆構造とするためには、赤外線カメラの前面に防爆筐体用ガラスを設ける必要がある。
この点、ITV等の可視光域の光を撮像する耐圧防爆型のカメラ装置では、カメラの前面に設けられる防爆筐体用ガラスとして石英系のガラスが使用されている。しかしながら、石英系のガラスは、波長2.3μm以上の赤外線は透過しない。したがって、赤外線カメラに対して、防爆筐体用ガラスとして石英系のガラスを使用したのでは、赤外線カメラによって外部の赤外光を受光することはできなくなってしまう。
この結果、従来の耐圧防爆型のカメラ装置では、CCDカメラ等の昼間光等の十分な明るさの外部光を撮像するカメラしか内蔵することができず、24時間にわたる終日監視を行うことができない問題があった。
また、特許文献2では、赤外線カメラ用の防爆用保護ガラスにサファイアガラスを使用しているが、サファイアガラスは波長4.5μm以上の赤外線は透過しない。このため、炭化水素の蒸気漏れ等のプラントの異常を検知することが困難であるという不都合があった。
波長6μm以上の赤外線を透過するガラスとしては、CaF等のフッ化物の単結晶ガラスが知られている。しかし、フッ化物の単結晶ガラスは、強度が弱いために防爆筐体用ガラスとしては使用できなかった。物質の硬度の指標の一つとしてヌープ硬度があるが、どの程度以上の硬度であれば防爆筐体用ガラスとして使用することができるかの基準は存在していなかった。
本発明の目的は、耐圧防爆構造を有し、危険区域内における監視を可能にすることができる耐圧防爆型赤外線カメラを提供することにある。
上記目的は、赤外光を撮像する赤外線カメラと、前記赤外線カメラを収納し、前記赤外線カメラの受光レンズに対向する部分に窓部が形成された耐圧防爆型容器と、前記耐圧防爆型容器の前記窓部に設けられ、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上の光を透過する透光性部材とを有することを特徴とする耐圧防爆型赤外線カメラによって達成される。
また、上記の耐圧防爆型赤外線カメラにおいて、前記透光性部材は、ZnSガラスからなることが望ましい。
また、上記の耐圧防爆型赤外線カメラにおいて、前記受光レンズの焦点距離をf、前記受光レンズの直径をd、前記受光レンズから前記透光性部材までの距離をLとして、前記透光性部材の直径はd×(f+L)/f以上となっていることが望ましい。
また、上記目的は、内部に赤外線カメラを収納する耐圧防爆型容器であって、前記赤外線カメラの受光レンズに対向する部分に形成された窓部に設けられ、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上の光を透過する透光性部材を有する
ことを特徴とする耐圧防爆型容器によって達成される。
また、上記の耐圧防爆型容器において、前記透光性部材は、ZnSガラスからなることが望ましい。
本発明によれば、耐圧防爆型容器において内部に収納した赤外線カメラの受光レンズが対向する窓部に、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上の光を透過する透光性部材を設けることにより、耐圧防爆型容器の外部の赤外光を、赤外光を十分に透過する透光性部材を透過した後に受光レンズを介して赤外線カメラに受光させることができる。また、耐圧防爆型容器において開口した窓部を耐衝撃性に優れた透光性部材によって被覆し、赤外線カメラを収納する内部の耐圧防爆性を維持することができる。これによって、防爆構造を維持しつつ耐圧防爆型容器に収納した赤外線カメラによって外部を撮像することができ、危険区域内における監視を可能にすることができる。
また、本発明によれば、赤外線カメラの受光レンズの焦点距離をf、受光レンズの直径をd、受光レンズから透光性部材までの距離をLとして、透光性部材の直径をd×(f+L)/f以上とすることにより、耐圧防爆型容器の内部に収納した赤外線カメラに対して、十分に広い視野を確保することができる。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラについて図1乃至図6を用いて説明する。
まず、本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラを備えた監視カメラ装置について図1を用いて説明する。図1は本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラを備えた監視カメラ装置の外観図である。
監視カメラ装置100は、耐圧防爆構造にされており、引火性ガス雰囲気等の危険区域内に設置され異常発生の監視のために外部を撮像する。
監視カメラ装置100は、ベース部101、パンケース部102及びチルトケース部1103から構成されている。ベース部101は円筒形状を呈し、上方に位置するパンケース部102を軸方向において回転自在に支持している。ベース部101の周面から、単一の半径方向にコネクタ部104が延出している。
パンケース部102は、ベース部101と同一径の円筒形状を呈し、内部にパン用モータ及びチルト用モータを収納している。また、パンケース部102は、チルトケース部103を単一の半径方向において回転自在に支持している。チルトケース部103は、この発明の耐圧防爆型容器によって構成されており、受光レンズが窓部10Aに対向する赤外線カメラを収納している。チルトケース部103の詳細については後述する。
パン用モータは、本体がパンケース部102に固定され、パンケース部102から垂直下方に延出した回転軸が減速機構を介してベース部101に固定されている。ベース部101は、危険区域内の床面に移動不能にして設置されている。したがって、パン用モータの駆動時には、パンケース部102及びチルトケース部103がパン用モータの本体とともに矢印P方向に回転する。
チルト用モータは、本体がパンケース部102に固定され、パンケース部102から半径方向に延出した回転軸が減速機構を介してチルトケース部103に固定されている。チルトケース部103は、パンケース部102に垂直面内において矢印T方向にのみ回転自在に支持されている。したがって、チルト用モータの駆動時には、チルトケース部103がチルト用モータの回転にともなって矢印T方向に回転する。
パン用モータ及びチルト用モータを駆動することにより、チルトケース部103の外部においての窓部10Aの対向する範囲が、左右方向及び上下方向に変化する。これによって、チルトケース部103に収納された赤外線カメラの撮像範囲を、パン用モータ及びチルト用モータの駆動によって左右方向及び上下方向に変化させることができる。
パン用モータ及びチルト用モータは、コネクタ部104から延出するケーブルを介して、危険区域外に配置されたコントローラに接続されている。また、チルトケース部103に収納されている赤外線カメラは、コネクタ部104から延出する別のケーブルを介して、危険区域外に配置されたモニタに接続されている。コントローラを操作してパン用モータ及びチルト用モータを駆動することで、モニタに表示される赤外線カメラの撮像した画像の範囲を変えることができる。
次に、本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラについて図2を用いて説明する。図2は本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラの構造を示す断面図である。
耐圧防爆型赤外線カメラ1は、上記の監視カメラ装置100におけるチルトケース部103として用いられる。耐圧防爆型赤外線カメラ1は、円筒形状の耐圧防爆型容器10の内部に赤外線カメラ11を収納している。赤外線カメラ11は、例えば波長6μm以上に感度を有するものである。耐圧防爆型容器10の一方の端面には、窓部10Aが開口している。窓部10Aには、赤外線カメラ11の受光レンズ11Aが対向している。窓部10Aの開口径は、受光レンズ11Aのレンズ径に比較して十分に大きい。
耐圧防爆型容器10の内部において、窓部10Aの内側には、保持板4が固定されている。保持板4は、中央に形成された開口4Aと、開口4Aの周囲に形成された鍔部4Bと、からなる円形の板状体である。開口4Aの開口径は、窓部10Aの開口径に略等しい。窓部10Aと保持板4との間に、透光性部材2が配置されている。透光性部材2は、種々の光学結晶のなかから後述する検討結果に基づいて選定した硫化亜鉛(ZnS)ガラスからなる。
透光性部材2は、一例として直径83mm、厚さ12mmの円板状を呈しており、その外径は、窓部10A及び開口4Aの開口径よりも大きい。透光性部材2は、窓部10Aの縁部10Bと保持板4の鍔部4Bとの間に充填された接着剤3により、周縁部を全周にわたって固着されている。ここで、受光レンズ11Aの焦点距離をf、受光レンズ11Aの直径をd、受光レンズ11Aから透光性部材2までの距離をLとして、透光性部材2のうち接着剤3により固着された周縁部分を除く赤外線を透過する部分の直径Dは、d×(f+L)/f以上となっている。
この構成により、耐圧防爆型容器10に収納された赤外線カメラ11は、窓部10A、透光性部材2及び開口4Aを経由して、耐圧防爆型容器10外部の赤外光を受光レンズ11Aを介して撮像する。
透光性部材2を12mm程度の厚さとするとともに、接着剤3によって透光性部材4の周縁部を全周にわたって固着することで、耐圧防爆型容器10は窓部10Aにおいても十分な耐衝撃性が得られ、耐圧防爆型容器10の耐圧防爆構造が確実に維持される。
本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラ1は、耐圧防爆型容器10において内部に収納した赤外線カメラ11の受光レンズ11Aが対向する窓部10Aに、ZnSガラスからなる透光性部材2を備えていることに主たる特徴の一つがある。
本願発明者等は、耐圧防爆構造を実現することができる透光性部材2を構成するガラスを選定するために、まず、種々の特殊ガラスについて、鉄球落下テストを行った。鉄球落下テストを行った特殊ガラスは、石英系強化ガラス、サファイアガラス、セレン化亜鉛(ZnSe)ガラス、ZnSガラスである。
鉄球落下テストの結果、石英系強化ガラス、サファイアガラス、及びZnSガラスについてはいずれも表面には傷が入ることなく無傷であったのに対し、ZnSeガラスの表面には傷が入った。
耐圧防爆構造を実現するためには、単にガラスを厚くしてガラスの強度を高くすればよいのではなく、ガラス表面における傷が問題となる。そこで、本願発明者等は、上記の各特殊ガラスについて、ヌープ硬度の測定等を行い、種々の物性の調査を行った。ここで、ヌープ硬度とは、両対角線長の異なるひし形ダイヤモンド圧子を試料に押しこんだとき、荷重とくぼみの表面積の比から定義される硬さのことをいう。
各特殊ガラスのヌープ硬度を測定した結果、鉄球落下テストで表面が無傷であった3つの特殊ガラスのヌープ硬度は次の通りとなった。すなわち、石英系強化ガラスのヌープ硬度は1200、サファイアガラスのヌープ硬度は1370、ZnSガラスのヌープ硬度は160〜354であった。他方、鉄球落下テストで表面に傷が入ったZnSeガラスのヌープ硬度は110〜150であった。
この結果、少なくともヌープ硬度が150よりも大きいガラスであれば、鉄球落下テストにおいて表面に傷が入ることはなく、耐圧防爆構造を実現することができることが判明した。
また、光学的特性の観点からは、透光性部材2を構成するガラスは、以下に述べる透過特性を有することが必要である。
波長6〜8μmの赤外線領域においては、炭化水素分子の振動による発光ピークが存在する。図3は炭化水素の発光スペクトルの一例を示すグラフである。グラフに示すように、波長6〜8μmの赤外線領域には、分子振動による発光ピークが存在している。
したがって、波長6〜8μmを含む波長域に感度を有する赤外線カメラを用いれば、炭化水素の蒸気漏れ等のプラントにおける異常を有効に検知することができる。このためには、透光性部材2を構成するガラスは、波長6μm以上の赤外線を透過するものである必要がある。
また、プラント自体もその温度に応じて赤外線を発しているが、ウィーンの変位則によれば黒体放射における最大強度の波長は、例えば300℃の場合は約5.1μm、400℃の場合は約4.3μmである。したがって、透光性部材2を構成するガラスとして、波長4.5μm以上の赤外線を透過するものを用いれば、プラントの局部的な加熱、あるいは高温のガスの漏洩等のプラントの異常を有効に検知することができる。
以上のことから、透光性部材2を構成するガラスとしては、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上、更には6μm以上の赤外線を透過するガラスであることが必要である。
図4は、上記の透光性部材2を構成するガラスに必要なヌープ硬度及び透過波長の指標を示すグラフである。グラフの横軸はガラスの透過波長を示し、グラフの縦軸はガラスのヌープ硬度を示している。グラフでは、ヌープ硬度が150よりも大きく、かつ透過波長が6μm以上の指標となる範囲を斜線で示している。
ここで、石英系強化ガラスの透過波長は0.2〜2.3μm、サファイアガラスの透過波長は0.18〜4.5μm、ZnSeガラスの透過波長は0.63〜18μm、ZnSガラスの透過波長は0.38〜14μmである。図4に示すグラフでは、各特殊ガラスが有するヌープ硬度及び透過波長をそれぞれ矢印で示している。
図4に示すグラフから明らかなように、ZnSガラスは、ヌープ硬度が150よりも大きく、かつ透過波長が6μm以上の指標となる範囲に、ヌープ硬度及び透過波長を有している。これに対して、石英系強化ガラス、サファイアガラス、及びZnSeガラスは、いずれも指標となる範囲にはヌープ硬度及び透過波長を有していない。したがって、ZnSガラスが、監視カメラ装置100に適用される耐圧防爆型赤外線カメラ1の透光性部材2として最も適している。
さらに、本願発明者等は、図5に示す主にカメラに使用される15種類の光学結晶材料について、透過特性、潮解性、耐衝撃性及び野外適応性の観点から、透光性部材2の材料の選定のための検討を行った。
図5は、上記耐圧防爆型赤外線カメラ1の耐圧防爆型容器10に用いられる透光性部材2の材料の選定のための検討結果を示す図である。
透過特性については、赤外線カメラ11が受光すべき波長λ=7.5μm〜13.5μmの波長域の光を透過するか否か、及び、12mm程度に厚くした場合に透過率の劣化を生じるか否かを検討した。透過するものを「○」、透過しないものを「×」、厚くした場合に透過率の劣化を生じるものを「△」とした。
潮解性については、殆ど溶けないものを「○」、溶けて品質維持に問題があるものを「×」、溶けるが使用上問題のないものを「△」とした。
耐衝撃性については、衝撃試験において耐衝撃性が認められたものを「○」、経験的にへき開性や強度の面等から不十分と考えられるものを「×」、使用できる可能性が考えられるものを「△」とした。
野外適応性については、温度変化による表面変化、大気ガスとの反応や太陽光等の紫外線による表面劣化について検討した。変化や劣化の少ないものを「○」、多いものを「×」とした。
図5に示すように、透過特性、潮解性、耐衝撃性、野外適応性及びサイズ適応性を総合的に考慮した結果、ZnSガラスが監視カメラ装置100に適用される耐圧防爆型赤外線カメラ1の透光性部材2として最も適している。
本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラ1では、上記知見に基づき、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が6μm以上の赤外線を透過するZnSガラスが透光性部材2として用いられている。これにより、耐圧防爆型容器10の外部の赤外光を、赤外光を十分に透過するZnSガラスからなる透光性部材2を透過した後に受光レンズ11Aを介して赤外線カメラ11に受光させることができる。また、耐圧防爆型容器10において開口した窓部10Aを耐衝撃性に優れたZnSガラスからなる透光性部材2によって被覆し、赤外線カメラ11を収納する内部の耐圧防爆性を維持することができる。これによって、防爆構造を維持しつつ耐圧防爆型容器10の内部に収納した赤外線カメラ11によって外部を撮像することができ、危険区域内における監視を可能にすることができる。しかも、波長6μm以上に感度を有する赤外線カメラ11により監視を行うことができるので、プラントにおける炭化水素の蒸気漏れ等の異常を有効に検知することができる。
また、本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラ1は、受光レンズ11Aの焦点距離をf、受光レンズ11Aの直径をd、受光レンズ11Aから透光性部材2までの距離をLとして、透光性部材2のうち接着剤3により固着された周縁部分を除く赤外線を透過する部分の直径Dが、d×(f+L)/f以上となっていることにも主たる特徴の一つがある。
図6は、透光性部材2の大きさの設定を説明する図である。図示するように、赤外線カメラ11の受光素子11Bに集光する受光レンズ11Aに対向して、透光性部材2が配置されている。受光レンズ11Aの焦点距離はf、受光レンズ11Aの直径はd、受光レンズ11Aから透光性部材2までの距離はL、透光性部材2のうち接着剤3により固着された周縁部分を除く赤外線を透過する部分の直径はDで表されている。この場合、焦点距離fの受光レンズ11Aを備えた赤外線カメラ11に対して十分に広い視野を確保するためには、図示された幾何学的関係から、直径Dをd×(f+L)/f以上に設定すればよいことが分かる。
本実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラ1は、透光性部材2のうち接着剤3により固着された周縁部分を除く赤外線を透過する部分の直径Dが、d×(f+L)/f以上となっているとなっているため、耐圧防爆型容器10の内部に収納された赤外線カメラ11に対して、十分に広い視野を確保することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、透光性部材2を構成するガラスとして、ZnSガラスを用いる場合について説明したが、透光性部材2を構成するガラスはZnSガラスに限定されるものではない。透光性部材2を構成するガラスは、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ、波長4.5μm以上の赤外線を透過しないサファイアガラスのようなものではなく、波長が4.5μm以上の光を透過するものであればよい。
本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラを備えた監視カメラ装置の外観図である。 本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラの構造を示す断面図である。 炭化水素分子の発光スペクトルの一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラの耐圧防爆型容器に用いられる透光性部材を構成するガラスに必要なヌープ硬度及び透過波長の指標を示すグラフである。 本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラの耐圧防爆型容器に用いられる透光性部材の材料の選定のための検討結果を示す図である。 本発明の一実施形態による耐圧防爆型赤外線カメラの耐圧防爆型容器に用いられる透光性部材の大きさの設定を説明する図である。
符号の説明
1…耐圧防爆型赤外線カメラ
2…透光性部材
3…接着剤
4…保持板
10…耐圧防爆型容器
10A…窓部
11…赤外線カメラ
100…監視カメラ装置

Claims (5)

  1. 赤外光を撮像する赤外線カメラと、
    前記赤外線カメラを収納し、前記赤外線カメラの受光レンズに対向する部分に窓部が形成された耐圧防爆型容器と、
    前記耐圧防爆型容器の前記窓部に設けられ、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上の光を透過する透光性部材と
    を有することを特徴とする耐圧防爆型赤外線カメラ。
  2. 請求項1記載の赤外線カメラにおいて、
    前記透光性部材は、ZnSガラスからなる
    ことを特徴とする耐圧防爆型赤外線カメラ。
  3. 請求項1又は2記載の赤外線カメラにおいて、
    前記受光レンズの焦点距離をf、前記受光レンズの直径をd、前記受光レンズから前記透光性部材までの距離をLとして、前記透光性部材の直径はd×(f+L)/f以上となっている
    ことを特徴とする耐圧防爆型赤外線カメラ。
  4. 内部に赤外線カメラを収納する耐圧防爆型容器であって、
    前記赤外線カメラの受光レンズに対向する部分に形成された窓部に設けられ、少なくともヌープ硬度が150よりも大きく、かつ波長が4.5μm以上の光を透過する透光性部材を有する
    ことを特徴とする耐圧防爆型容器。
  5. 請求項4記載の耐圧防爆型容器において、
    前記透光性部材は、ZnSガラスからなる
    ことを特徴とする耐圧防爆型容器。
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