JP2006318838A - 発光装置及びそれを用いた懐中電灯 - Google Patents

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Abstract


【課題】 コンパクトで発電効率が高く、人による操作性が良好な発光装置を提供する。
【解決手段】 可撓性を有し、凸に屈曲した圧電素子と、前記圧電素子を屈曲自在に支持する支持部材と、弾性体と、を有し、前記圧電素子は、前記圧電素子の凸状部分に外力を印加することにより前記弾性体が前記圧電素子から押圧されて縮み、凹に屈曲した圧電素子へと屈曲する際、および、前記圧電素子に印加されている外力が取り除かれて、前記弾性体が元の形状に戻るとともに該凹に屈曲した圧電素子が、凸に屈曲した圧電素子へと復元する際に、屈曲して発電することを特徴とする発光装置及びこれを用いた懐中電灯、が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は発光装置及びそれを用いた懐中電灯に関する。
従来、発光装置およびそれを用いた懐中電灯については、多くの発明がなされ、夜間の歩行用携行電灯、停電時の非常用電灯等、として使用されている。通常発光装置およびそれを用いた懐中電灯は、電池又は手動発電機と充電器を備えている。電池を備えるものは、電池の消耗による使用時の不点灯が問題となる。手動発電機と充電器を備えるものは、磁石とコイルを有する電磁誘導発電機等で構成され、部品点数も多く、軽量・小型で携行に便利とは言いがたい。また、圧電素子に付与された応力により発生させる起電力を利用し発光ダイオード等の発光体を発光させる圧電発光装置において、手に持って振る警告灯において、付与される振動、応力を利用して発光体を発光させることを特徴とした無電源圧電発光装置が開示されている。(特許文献1参照)しかし、無電源発光装置を用いた携行用照明装置に関する発明の記載はみあたらない。
特開2001−351416号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトで発電効率が高い発光装置及びそれを用いた懐中電灯であって、軽量で小型であり、災害非常時の手元の照明に特に便利で、保守の不要な懐中電灯を提供することを目的とする。
可撓性を有し、圧縮力により凸に屈曲した圧電素子と、前記圧電素子を屈曲自在に支持する支持部材と、を有し、前記圧電素子は、前記圧電素子の凸状部分に外力を印加することにより凹に屈曲した圧電素子へと屈曲する際、および、該凹に屈曲した圧電素子が、凸に屈曲した圧電素子へと復元する際に、屈曲して発電することを特徴とする発電部と、
前記圧電部で発生した電気エネルギーを伝達する電気回路と、
前記電気エネルギーで発光する発光ダイオードと、
を備えることを特徴とする発光装置、
及び、
可撓性を有し、圧縮力により凸に屈曲した圧電素子と、前記圧電素子を屈曲自在に支持する支持部材と、弾性体と、を有し、前記圧電素子は、前記圧電素子の凸状部分に外力を印加することにより前記弾性体が前記圧電素子から押圧されて縮み、凹に屈曲した圧電素子へと屈曲する際、および、前記圧電素子に印加されている外力が取り除かれて、前記弾性体が元の形状に戻るとともに該凹に屈曲した圧電素子が、凸に屈曲した圧電素子へと復元する際に、屈曲して発電することを特徴とする発電部と、
前記圧電部で発生した電気エネルギーを伝達する電気回路と、
前記電気エネルギーで発光する発光ダイオードと、
を備えることを特徴とする発光装置、
が提供される。
この発光装置の発電部においては、前記弾性体を有するときは、前記圧電素子に外力が作用していない状態で、前記圧電素子は前記弾性体に当接している構成とすることが好ましい。さらに、前記弾性体を有するか否かに拘わらず、前記圧電素子は矩形の形状を有し、その長手方向の両端が前記支持部材に支持されている構成とすることが好ましい。更にまた、前記圧電素子は矩形の形状を有し、その長手方向に該圧電素子の屈曲の程度に応じた可変の力が加えられて、その長手方向の両端が前記支持部材に支持されている構成とすることが好ましい。電気回路には、蓄電部を含むことが好ましい。
これら発光装置は、外力がヒトの握力又はヒトの手の振動運動の力である発光装置及びそれを用いた懐中電灯とすることが特に好ましい。
本発明は、圧縮力により凸に屈曲した圧電素子が、外力により屈曲がとれ、更にわずかな外力を加えると、凹に屈曲した圧電素子へと急速に変位する。このとき、圧電素子に大きな電気エネルギーを発生させることができ、さらに、圧電素子自体の板バネとしての弾性定数、弾性体の弾性定数を適切に選定して、大きな外力にたいしても小さな外力に対しも、効率がよく、外力に対応した高電圧が得られる。しかも、圧電素子と弾性体を押圧力の印加方向に重なるように配置しても、コンパクトな構成とすることができるという効果を奏する。また、本発明は、ヒトが圧電素子に押圧力を握力等で加えた場合には、圧電素子が、屈曲がとれ、平坦になった状態から凹に屈曲した状態へと急速に変位して、高電力を得ることができる。本発明によれば、部品点数が少なく、コンパクトな発光装置を実現し、発光装置を外部に対し照明可能に装着することにより、懐中電灯を提供することができる。本発明に係る発光装置は、電池を必要としないので、電池切れを気にしたり、定期的な電池交換等の保守は全く不要となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1に本発明の発電部10の概略構造と動作状態を表す断面図を示す。図1(a)に示されるように、発光装置の発電部10は、補強板13と圧電板12とを貼り合わせて構成される、可撓性を有する圧電素子11と、圧電素子11を屈曲自在に支持する支持部材15と、弾性体14とを有している。圧電素子10は、可撓性を有し、支持部材から長手方向に圧縮力を受けて凸に屈曲した圧電素子である。
圧電板12は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電材料からなり、その厚み方向に分極され、図1における左右方向を長手方向とする矩形形状を有している。ここでは、圧電素子11として、所謂、ユニモルフ型の構造のものを示しているが、これに限定されるものではなく、モノモルフ素子、バイモルフ素子、積層型バイモルフ素子等、種々の可撓性を有する圧電素子を用いることができる。補強板13は金属、樹脂又はこれらの複合体からなる。補強板13は、長さ方向の変形が小さく、厚み方向の復元力に優れるものが、好ましく、強靭なはがね、燐青銅等のバネ材が好適に用いられる。支持部材15の内壁面にはV字型の切り欠き部16が形成されており、圧電素子11は、その両端が各切り欠き部16に可動な状態で挿入されて、支持されている。
弾性体14は、金属製弾性体である「つるまきばね」等、イソプレン重合体等のいわゆるゴム、プラスチック性弾性体等種々のものが、用いられる。外圧に対してほぼ比例する量の歪を生じ、その歪に対応した応力を生ずるものが良い。一定の大きさよりも小さい外力が作用しているときには変形せず、この一定の大きさ以上の外力が作用すると、急激に屈する性質を有するいわゆる座屈バネも、含む概念である。また、シム板に形状記憶作用がある等の屈曲の復元機能を有する圧電素子であれば、外力を取り去れば、弾性体を用いずに外力の加えられない初期状態に戻すことができる。さらに、復元機能を有さない圧電素子であっても、凹状となった圧電素子の凹部を反対側から、即ち、凸部側から外力を加えて、初期状態にもどすこともできる。また、自己復元力のある圧電素子であっても、弾性体を用いることにより、外力からのストレスを緩和し、超寿命の発光装置を構成することができる。
なお、弾性体14が金属製であるとき、圧電素子11と弾性体14とを絶縁するために、圧電素子11を可撓性を有するプラスチック板に挟み、または、ラミネートコーティングする等することが好ましい。このように圧電素子11をプラスチック板に挟む等の構成とすることは、圧電素子11を保護する観点から、また圧電素子11の曲げ強度を調整する観点からも、好ましい。
圧電素子11に外力が作用していない状態で、圧電素子11は可撓性を有し、凸に屈曲している。また、その下側は弾性体14に接していることが好ましい。このような構成とする1つの理由は、例えば、弾性体に無駄なく変位を与えて、後述する弾性体の復元力を十分得るためである。また、自己復元力のある圧電素子であっても、このように、弾性体を用いることにより、外力からのストレスをさらに緩和し、超寿命の発光装置を構成することができる。
圧電素子11の補強板13を弾性体14に接触させた構造としているのは、圧電板12を弾性体14に接触させると、その接触部分に大きな応力が掛かって、圧電板12が破壊してしまうので、それを防止するためである。圧電素子11をこのような状態で支持することを容易とするためには、圧電素子11が凸に屈曲した状態で支持され、且つ、圧電素子が平坦になるとき水平力によって、過度のストレスが圧電素子に懸からぬように、切り欠き部16を形成するとよい。具体的には、図のように支持部をV字型に切欠き、凸に屈曲した圧電板は、V字の側面で受けとめ、平坦時には、V字の谷の最深部でこれを受けとめ、凹に屈曲した圧電板は、先と反対側のV字の側面で支持する構造とする事も好ましい。更には、後述する通り、その長手方向に圧電素子の屈曲に応じた可変の力が加えられて、その長手方向の両端が前記支持部材に支持されることが更に好ましい。
上述の通りに構成された発電部10では、図1(a)に示す状態から図1(b)に示すように、ほぼ屈曲がとれた状態に移行するように、圧電素子11に外力(押圧力)を徐々に作用すると、所定の外力Fで、図1(c)に変化する。このときの外力Fが圧電素子10を反転させることができる臨界的な大きさである。Fは、図1(b)における弾性体14の復元力と圧電素子11の板バネとしての復元力の合力より大きな力である。Fより大きな力を所定時間以上印加すると、図1(b)に示す状態を経由して、ほぼ一瞬に、圧電素子11は凹に屈曲変形し、弾性体14は収縮変形する。これにより圧電素子11に大きな電気エネルギーが発生し、電気回路で取り出すことができる。
図1(c)に示す状態は、これ以上、圧電素子が屈曲しない状態である。この状態では、支持部からの水平方向の力が圧電素子を屈曲させ、弾性体を下に押し付ける力と外力の垂直成分の合力が弾性体の復元力と一時的にバランスするからである。仮の安定状態といえる。ついで、圧電素子11に印加された外力が(b)に示す状態での一定の大きさよりも小さくなると、弾性体14の下からの復元力が弾性体を圧電素子が押す力を上回り、圧電素子11は、元の形状である凸状態に瞬時に戻り、その際に圧電素子11も図1(c)のから図1(a)に示す元の形状に戻る。このように、弾性体14が元の形状に戻る際にも圧電素子11は急激に撓み、これにより圧電素子11に大きな電気エネルギーを発生させ、電気回路で取り出すことができる。圧電素子の板バネとしての復元力と弾性体からの復元力が同時に働くこととなるからである。
図1(c)から図1(a)に示す状態に戻る場合の構成としては、圧電素子11の上側に圧電素子11に外力を作用させるためのボタン類が取り付けられており、そのボタン類が一定の範囲で動くように位置決めされているために、圧電素子11が上に凸の形状に反ることができる構造ではあるが、安定な位置まで反ることができない場合も含まれる。圧電素子11がフリーな場合には、図1(c)に示す安定状態に落ち着く。図1では、弾性体として、
圧電素子11が屈曲する際に発生する電圧は、圧電素子11の屈曲する向きに依存して極性が変わるために、圧電素子11からの電気エネルギーの取り出しは、ブリッジ整流回路を用いて行うことが好ましい。これにより負荷や蓄電池等に逆の極性の電圧が印加されることを防止することができる。
次に本発明の別の実施形態である発光装置の発電部について説明する。図2に発電部20の概略構造を表す断面図を示す。この発電部20では、複数の圧電素子11の長手方向に一定の圧縮力が加えられて圧電素子11が上に凸となるように屈曲した状態に支持され、かつ、隣接する圧電素子のほぼ中央部にスペーサ22が設けられ、最下の圧電素子11の下面が弾性体14に当接した構造となっている。更に、最上位の圧電素子11の凸部に接するように押圧部材21が設けられている。押圧部材21及びスペーサ22は、金属、プラスチック、セラミックス等が良いが、外力を伝達させるため、部材全体として剛性が高く、圧電素子11と、スペーサ22との接触部分は、平滑で、耐磨耗性がよく、圧電素子表面を傷めないものが良い。また、圧電素子11の圧電板12に押圧部材21及びスペーサ22が接触しないように、当該部分は、圧電板12を設けない構成とすることが好ましい。例えば、圧電板を分離する、或いは圧電板と押圧部材21又はスペーサ22との接触部分をくりぬく等で対応することも好ましい。
発電部20における各圧電素子11の屈曲形態および弾性体14の形態は発電部10と同様であるが、圧電素子11にこれを平坦にする押圧力Fよりおおきな力が加わったときに、バネの定数の適切な弾性体14を選定することにより弾性体14の変形による応力を超えて複数の圧電素子11自体のバネ性を利用して圧電素子11に急峻な撓み変形を生じさせることができる。また、圧電素子11に加えられた押圧力が取り除かれた際にも、弾性体14から受ける力に加えて圧電素子11自体のバネ性を利用して圧電素子を元の姿勢に急峻に復帰させることが容易である。即ち図2(b)に示されるように、例えば、押圧部材21に外力が加わり圧電素子11を平坦にし、更に押圧部材21に外力が加わると、支持部から圧電素子に与えられる水平方向の力で、圧電素子の補強板の板バネとしての作用により、全ての圧電素子11が凹状となるように一瞬に撓む。外力が所定の大きさで印加されていると、弾性体14の復元力と拮抗するまで変位が進む。一方、図2(c)に示される状態で、押圧部材21への外力が取り除かれるか、小さくなると、圧電素子11が図2(a)に示す状態まで一瞬に復元する運動または、その力に応じて図2(a)に復する運動を行う。こうして外力を一定周期で繰り返し印加することで、圧電板11が効率の良い発電をする。
こうして圧電素子11から得られる電気エネルギーは交流電力であるために、通常は、これを整流回路(例えば、ホイトストンブリッジ整流回路)を通して直流電力に変換し、コンデンサーや二次電池等の蓄電装置に充電するか、または直接に負荷に供給して負荷を駆動することができる。負荷が、発光ダイオードのときは、これを発光させることができる。なお、図2に示す発電部において、複数の圧電素子11は、上述の通り、一様に凸又は凹状となるように撓み運動をするために、個々の圧電素子11に整流回路を設ける必要はないが、これを排除するものでない。即ち、図3に示すように、各圧電素子に、それぞれ整流回路を取り付け、整流後に、並列に、コンデンサー、キャパシターや二次電池等の蓄電部に接続して発光ダイオードを発光するか、または直接に発光ダイオードに接続して発光させることができる。
このような図1および図2に示す発電部10・20を含む発光装置において、圧電素子11にブリッジ整流回路を介して、発光ダイオードを取り付けたところ、圧電素子11が平坦となる(b)状態から(c)状態になるまで、及び弾性体14が元の姿勢に戻り、(a)となるとき、発光ダイオードが最もよく光ることを確認した。
また、図4に示すように、バイモルフ型の各圧電素子と発光ダイオードを、整流回路を入れず、直接接続することもできる。図4においては、発光ダイオード100aはカソードが圧電板の電極12bに接続され、アノードが圧電板の電極12aに接続されている。一方、発光ダイオード100bはカソードが圧電板の電極12aに接続され、アノードが圧電板の電極12bに接続されている。例えば、図4で、バイモルフ圧電セラミックスの分極方向がパラレルで上向きの場合は、圧電板の電極12a面が正極である。起電力が正のとき、100aが点灯し、100bは、点灯しない。図4において、起電力が負のときは、100bは、点灯し、100aが点灯しないことになる。図1(a)から図1(b)に至るまで、及び図1(b)から図1(c)に至るまでは、それぞれ、別の発光ダイオードが発光することになる。逆に、図1(c)から図1(b)に至るまで、及び図1(b)から図1(a)に至るまでは、それぞれ、前記過程と逆の態様で発光ダイオードが発光することになる。更に、2種類の互いに逆の接続様式からなる発光ダイオード100aと100bは、それぞれ、外力に応じたひずみの速度を反映する起電力の大きさに比例した輝度の可視光を発することとなる。この結果、外力にともなってリズミカルに両発光ダイオードが点滅を繰り返し、振動周期が短いと、どちらかの発光ダイオードが点灯しているため、全体としてみるとその残存輝度によって常に点灯状態となり、照明効果が実現することもできる。図4は、バイモルフ型の圧電素子の例であるが、モノモルフ型圧電素子では、単に両電極に逆方向に接続された発光ダイオード100aと発光ダイオード100bで構成することができる。
また、発光装置20では、複数の圧電素子11を撓ませることにより、単独の圧電素子では対応できないような、握力等により大きな外力に対して、同等の発電効率が得られる。しかも、各圧電素子から、並列に電力を取り出せば、圧電素子数に比例した大きな電流が得られる。また、各圧電素子から、直列に電力を取り出せば、圧電素子数に比例した大きな電圧が得られる。
以上に説明した発電部の圧電素子に加えられる外力を手の握力とするとき、図5に示すような懐中電灯を提供することができる。懐中電灯の実施態様として、圧電素子自体を直接手の指部又は手の平部で掴んで、発電させることができる。また、支持部の外力印加側を、可撓性を有するプラスチック、ゴム等の被覆材でカバーし、被覆材部分を手の指部又は手の平部で掴んで、これを介して圧電素子に外力を加え、発電することが好ましい。また、図2における、押圧部材21を手の指部又は手の平部でつかんで発電することも好ましい。
図6に、整流回路と蓄電装置を電気回路とし、発光ダイオードを発光部とする本発明を例示する。図6の通り、整流回路は、各圧電素子を並列接続として、ひとつの整流回路に接続するタイプと、図3のように、各圧電素子にひとつずつ整流回路を付加するタイプとすることができる。
更に、図7のように、整流回路通過後の電力をコンデンサー等の蓄電部とダイオードと電気抵抗を組み合わせて処理することにより、蓄電装置が空量に近い状態であっても、発電中の電力の全量が蓄電装置に、吸収され点灯できない状態を避けることができる。懐中電灯を使いたい時はすぐに照らしたい時であり、すぐにLEDを光らせて、継続して外力がかかれば、余力で徐々に蓄電していくことが望ましい。そこで、それを実現する為に、図7のような電気回路の構成とすることが望ましい。
図8に本発明のさらに別の実施形態である発電部30の概略構造を表す断面図を示す。この発電部30において、圧電素子11の一端は可動支持部材31に支持され、他端は固定支持部材15に支持されている。また、圧電素子11の下面は弾性体14に当接している。圧電素子11の固定方法としては、図9に示すように、圧電素子11の片端に円柱状部材34を固定し、また支持部材32に円柱状の孔部33を設け、この円柱状部材34を孔部33に円柱状部材34が回動自在となるように、嵌め込んだ構造とすることも好ましい。しかし、図1および図2の発電部におけるきり欠き部16は、これをV字形状としたときは、屈曲時には、V字谷の内側面で支持し、屈曲のないときは、V字谷の奥で支持することにより、圧電板支持間隔を可変に支持することがある程度可能であるが、図9に示す支持方法においては、支持部が回転可動に支持される。このような固定的な支持部材においては、支持間隔は、一定にたもたれる。そこで、可動支持部材31を設けて、支持間隔を可変とする仕組みを設けたものである。特に図8(b)の状態では、可動支持部材31が左に移動して、支持間隔が広がるので、圧電素子全体へのストレスを軽減することができる。さらに、後述する図10(a)、(b)等に示す可動支持部材を用いた支持方法により、少ない外力で、電力を取り出せる利点もある。
そこで、圧電素子の一端を可動支持部に支持させ、これを圧電素子の屈曲に応じて水平力が可変に加えられ、圧電素子を支持することにより、圧電素子全体の水平方向からのストレスを軽減して、長寿命化を計り、適度の水平力で(b)状態から(c)状態へと変化することが可能となる。これにより、スムースな圧電素子の変化が可能となり、高い起電力がストレスなく発揮される。このような図9に示す圧電素子11の支持方法は、先に説明した支持部に切欠き部を有する発電部10、20に適用することができる。また、圧電素子の一端又は、両端を可動支持部に支持させる実施形態として、図10(b)とすることも好ましい。図10(a)においては、可動支持部が、水平方向にスライドして、支持間隔を可変とするのに対し、図10(b)では、支持部が回転軸を有しており、水平に設けられたガイドに沿って、回転しながら支持間隔を広げることによって、可動となる。圧電素子が屈曲した状態、図10(a)、図10(b)では、回転式可動支持部は、ガイドに装着された復元弾性体によって、元の位置に復元する。
発電部30でも圧電素子11に図3に準じて、ブリッジ整流回路を介して、発光ダイオードを取り付け本発明としたところ、圧電素子11が平坦となる図3(b)状態から図3(c)状態になるまで、及び、図3(c)状態から、図3(a)となり、弾性体14がもとに戻るとき、発光ダイオードが最もよく光ることを確認した。
図11に示す発電部40、50は、本発明の更に別の実施形態を示す断面図である。ともに、可撓性のある凸に屈曲した圧電素子11と弾性体14と圧電素子を屈曲自在に支持する支持部15と、分離した圧電部を有するバイモルフ発電素子11を上下に対向するように配し、圧電素子11の間に外力印加させる打撃物41、51を配した構造である。該打撃物41、51は、支持部材15を含む筐体全体をヒトの手により振動させたとき、圧電素子の凸部に効率よく外力を印加するように工夫されている。該打撃物41、51は、圧電板12と接触しないので、圧電板の打撃による損傷は生じない。即ち、図6(a)では、該打撃物41が、棒状物42の一端に上下可動にピン止めされ、棒状物の他の一端は、支持部の中間部に回転可能にピン止めされている。図6(b)では、打撃物51は、その幅よりわずかに広い幅のガイド52に左右の運動を制限されながら、上下運動を行う。
打撃物41,51は、鋼球等の金属球、プラスチック球、セラミックス球又はこれらと同材質の円柱状、立方体形状物等でよい。鋼球等の打撃物が、他方の圧電素子の凸部に当たり、外力を印加すると、弾性体が圧電素子により押されて縮み、凹に屈曲した圧電素子に急激に変化した際、及び打撃物が圧電素子から離れて、弾性体がもとの形状に戻り、凹状部を有する圧電素子が、凸状部を有する圧電素子へと急激に復する際に大きな電力を発現する。この起電力は、圧電素子の圧電板の変位速度にほぼ比例するからである。発電部が発生する最大の起電力は、単位時間あたりの圧電素子の変位速度の積分値が最大となる条件で得られる。これは、打撃物の大きさ,重量、打撃回数、弾性体の弾性定数、圧電素子自体の板バネとしての特性に依存する。
発電部60、70は、本発明の更に別の実施形態を示す断面図である。ともに、可撓性圧電素子11と弾性体14と支持部15とを有するバイモルフ発電素子11を上下に対向するように配し、圧電素子11の間に外力を印加させる作用物61、71を置いた構造である。該作用物は、圧電素子の凸部に効率よく外力をくわえられるように、てこの原理を応用している。即ち、図6(a)では、該作用物61が、棹の一端に上下可動にピン止めされ、棹の他の一端は、支持部15を含む筐体外に延長されており、その中間部に支持部の中間部15´で回転可能にピン63でピン止めされている。図6(b)では、棹72の一端が、支持部15の中間部15´にピン止めされ、棹72の他端は、ピン止め部73を有する支持部中間部15´と対向する支持部間を貫通して、筐体外におかれている。該棹72の圧電素子の凸部の近傍に作用物71が固着されている。該作用物61、71は、ともに、圧電素子11の凸状部分に、てこの原理で外力を印加する。この外力は、ヒトの手による握力、振動運動によっても印加することができる。
作用物61、71は、鋼球等の金属球、プラスチック球、セラミックス球又はこれらと同材質の円柱状、立方体形状物等でよい。鋼球等の作用物が、一方の圧電素子の凸状部に当たり、外力を印加すると、弾性体が圧電素子により押されて縮み、凹状に屈曲した圧電素子に急激に変化した際、及び、打撃物が圧電素子から離れて、弾性体がもとの形状に戻り、凹状に屈曲した圧電素子が、凸状部を有する圧電素子へと急激に復する際に大きな電力を発現する。この起電力は、圧電素子の圧電板の変位速度にほぼ比例するからである。発電部が発生する最大の起電力は、単位時間あたりの圧電素子の変位速度の積分値が最大となる条件で得られる。これは、鋼球の大きさ,重量、打撃回数、弾性体の弾性定数、圧電素子自体の板バネとしての特性に依存する。
こうして、外力の印加された発電部40、50、60、70のいずれかと、上述した図3、図4、図6、図7の電気回路、発光ダイオードを有することにより本発明の発光装置を構成することができる。この外力は、ヒトの手による握力、振動運動によっても印加することができ、懐中電灯とすることができる。
本発明は、携帯型電子発光機器に好適である。特に懐中電灯に好適であり、このような用途に限定されず自然の力または人的な設備等により振動が発生する場所のオンサイト発光装置として好適である。
発電部10の概略構造と動作状態を表す断面図。 別の発電部20の概略構造と動作状態を表す断面図。 電気回路90の構成を表す概念図 別の電気回路91と圧電素子11の接続を示す概念図 圧電素子11に手の握力で外力で加える概念図 圧電素子11と発光ダイオードと電気回路の構成例 圧電素子11と発光ダイオードと電気回路の別の構成例 さらに別の発電部30の概略構造と動作状態を表す断面図。 圧電素子の別の支持形態を示す断面図。 矩形状圧電素子を長手方向に可変支持力で支持する構造を表す断面図 別の発光装置の発電部40、50の概略構造を表す断面図 更に別の発光装置の発電部60、70の概略構造を表す断面図
符号の説明
10・20・30・30´・30´´・40・50・60・70;発電部
11;圧電素子
12;圧電板
12a、12b;圧電板の電極
13;補強板
14;弾性体
15・15´;固定支持部材
16;切り欠き部
21;押圧部材
22;スペーサ
31;可動支持部材
32;支持部材
33;円柱状孔部
34;円柱状部材
41・51;打撃物
42;棒状物
52;ガイド
61・71;作用物
62・72;棹
63・73;ピン
90;電気回路
91;整流回路
100a、100b;発光ダイオード

Claims (8)

  1. 可撓性を有し、圧縮力により凸に屈曲した圧電素子と、前記圧電素子を屈曲自在に支持する支持部材と、を有し、前記圧電素子は、前記圧電素子の凸状部分に外力を印加することにより、凹に屈曲した圧電素子へと屈曲する際、及び該凹に屈曲した圧電素子が、凸に屈曲した圧電素子へと復元する際に、屈曲して発電することを特徴とする発電部と、
    前記圧電部で発生した電気エネルギーを伝達する電気回路と、
    前記電気エネルギーで発光する発光ダイオードと、
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 可撓性を有し、圧縮力により凸に屈曲した圧電素子と、前記圧電素子を屈曲自在に支持する支持部材と、弾性体と、を有し、前記圧電素子は、前記圧電素子の凸状部分に外力を印加することにより前記弾性体が前記圧電素子から押圧されて縮み、凹に屈曲した圧電素子へと屈曲する際、および、前記圧電素子に印加されている外力が取り除かれて、前記弾性体が元の形状に戻るとともに該凹に屈曲した圧電素子が、凸に屈曲した圧電素子へと復元する際に、屈曲して発電することを特徴とする発電部と、
    前記圧電部で発生した電気エネルギーを伝達する電気回路と、
    前記電気エネルギーで発光する発光ダイオードと、
    を備えることを特徴とする発光装置。
  3. 前記圧電素子に外力が作用していない状態で、前記圧電素子は前記弾性体に当接していることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記圧電素子は矩形の形状を有し、その長手方向の両端が前記支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記圧電素子は矩形の形状を有し、その長手方向に該圧電素子の屈曲の程度に応じた可変の力が加えられて、その長手方向の両端が前記支持部材に支持されていることを特徴とする1乃至請求項3に記載の発光装置。
  6. 前記電気回路に蓄電部を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の発光装置。
  7. 前記外力が、ヒトの握力又はヒトの手の振動運動による力であることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の発光装置。
  8. 請求項7記載の発光装置を用いることを特徴とする懐中電灯
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