JP2006317779A - 記録媒体搬送装置及びその記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 用紙ジャム発生時、転写搬送ベルト上からの記録用紙の剥離除去を、転写搬送ベルト表面の傷付き等の不具合を招くことなしに容易に行うことができる記録媒体搬送装置及びその記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 転写搬送ベルト44cの表裏面に接触可能なワイヤーバー63,64を備えさせ、用紙ジャム発生時に、このワイヤーバー63,64によって転写搬送ベルト44cを湾曲させ、この転写搬送ベルト44c上で停滞している用紙Pの一部を転写搬送ベルト44c表面から浮き上がらせる。これにより、転写搬送ベルト44cに静電吸着された用紙Pであっても容易に剥離することが可能になる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される記録媒体搬送装置及びその記録媒体搬送装置を備えた上記画像形成装置に係る。特に、本発明は、搬送経路上で停滞(所謂ジャム)した記録媒体(記録用紙)を搬送経路から容易に除去可能とするための対策に関する。
従来より、デジタル複写機等に代表される電子写真方式の画像形成装置における画像形成動作(例えば複写動作)としては、先ず、原稿画像をスキャナ部で読み取り、その原稿画像データに基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム上で画像データを顕像化させる。その後、用紙搬送経路を搬送されてきた記録用紙の表面に対して感光体ドラム上のトナー像を転写する。そして、この記録用紙を定着ローラに通過させ、この定着ローラによる加熱及び加圧によってトナー像を記録用紙上に定着させるようにしている。このようにして画像形成が行われた記録用紙は、その後、排紙経路を経て排紙トレイ上に排紙される。一方、電子写真方式のプリンタの場合には、接続された端末機器(パーソナルコンピュータ等)から受信した画像データに基づいて上記感光体ドラム上に静電潜像が形成されることになる。この静電潜像が形成された後の画像形成動作は上述した複写機の場合と同様である。
また、特に電子写真方式のデジタルカラー複写機等の画像形成装置では、通常、4色の色材を用いるため、単一の像担持体(例えば上記感光体ドラム)のみによって各色の画像形成を行おうとすると、モノクロの画像形成の場合に比べて画像形成速度が遅くなってしまう。このため、一般的には、各色毎の画像形成手段(感光体・帯電部材・露光部材・現像部材・転写部材・感光体クリーニング部材等により構成される)を、記録用紙を静電吸着しながら搬送する用紙担持体(以下、転写搬送ベルトと呼ぶ場合もある)に対向し且つ用紙搬送方向に並べて配置したタンデム構造を採用し、これによって画像形成速度の高速化を図っている。つまり、このタンデム型のカラー画像形成装置では、それぞれの画像形成手段で形成されたトナー画像(各色のトナー画像)を、転写搬送ベルト上を搬送される記録用紙の表面に重ね合わせて転写することで、フルカラー画像の形成を行うようにしている。
ところが、記録用紙がジャム等の原因によって搬送経路上で停滞した場合には、この記録用紙が転写搬送ベルトに吸着されたまま残存することになる。この際、記録用紙が転写搬送ベルトに強固に吸着(静電吸着)している場合があり、このような状況では転写搬送ベルトから記録用紙を除去することが困難となる。
用紙ジャム発生時における記録用紙の除去作業を容易に行うための提案として下記の特許文献1がある。この特許文献1に開示されている用紙搬送装置は、記録用紙が装置内部で紙詰りを起こした際に、複写動作時の移動方向とは逆方向に転写搬送ベルトを走行させる手段を設け、転写搬送ベルトの下側で紙詰り状態になった記録用紙を取り出し易くしている。具体的には、記録用紙が定着部を通って排紙される前に装置内部で詰り、ジャムが発生した際、ベルトユニット解除レバーを倒すことによって、アイドルローラ側を下げて感光体ドラムと転写搬送ベルトとの接触状態を解除する。これにより、紙詰り箇所が搬送ベルトユニットの上側であれば、簡単に記録用紙を取り除くことができる。一方、記録用紙の除電が十分に行われておらず、記録用紙が転写搬送ベルトに吸着されたまま搬送ベルトユニットの下側に搬送されている場合は、ジャム処理パネルに設けたベルト逆転スイッチをオンして、ベルト駆動モータを逆転し、記録用紙を搬送ベルトユニットの上側に搬送して停止させる。これによって記録用紙を取り出し易くしている。
尚、転写搬送ベルトに静電吸着した記録用紙を剥離除去するための他の手段として、ジャム用紙を回収するためのピンセットを使用したり、転写搬送ベルトにクリーナを備えさせるものも知られている。
特開昭62−264144号公報
しかしながら、上記特許文献1のものでは、ジャム発生時に記録用紙を転写搬送ベルトから剥離除去し易い位置まで搬送することについては考慮されているものの、転写搬送ベルト上に静電吸着した記録用紙自体を転写搬送ベルトから剥離することに関しては何ら考慮されていない。つまり、転写搬送ベルトを正規移動方向に対して逆方向に走行させて記録用紙を除去し易い位置(搬送ベルトユニットの上側位置)まで搬送させることはできるものの、静電吸着した記録用紙を転写搬送ベルトから容易に剥離することについては未だ改良の余地があった。
また、付属品を利用した記録用紙の除去方法としては、ジャム処理の際に転写搬送ベルト自体が外部に露出するようにして、上記ピンセット等により記録用紙を剥離除去することが挙げられるが、この場合、ピンセットによって転写搬送ベルトの表面を傷付けてしまう可能性がある。このような転写搬送ベルト表面の傷付きが生じた場合、転写搬送ベルト表面のクリーニング不良が生じ、形成画像の品質が劣化してしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転写搬送ベルト(記録媒体坦持体)上からの記録用紙(記録媒体)の剥離除去を、転写搬送ベルト表面の傷付き等の不具合を招くことなしに容易に行うことができる記録媒体搬送装置及びその記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、複数の支持部材に架け渡され、記録媒体を静電吸着しながら走行することによって、この記録媒体を搬送する無端状の記録媒体担持体を備えた記録媒体搬送装置を前提とする。この記録媒体搬送装置に対し、上記記録媒体担持体の表面及び裏面のうち少なくとも一方に接触する「接触位置」と、記録媒体担持体から退避する「退避位置」との間で移動可能であって、上記「接触位置」にある状態では、その接触箇所において記録媒体担持体を湾曲させることにより、記録媒体担持体上の記録媒体の少なくとも一部を記録媒体担持体から剥離させる記録媒体剥離手段を備えさせている。
この特定事項により、記録媒体担持体に静電吸着された状態で搬送される記録媒体が停滞した場合(所謂、用紙ジャム発生時)には、「退避位置(記録媒体の搬送に支障を与えない位置)」にあった記録媒体剥離手段を「接触位置」まで移動させる。この「接触位置」への移動により、記録媒体剥離手段は記録媒体担持体に対する接触箇所においてこの記録媒体担持体を湾曲させることになる。例えば、この湾曲箇所に記録媒体の端縁が位置している場合には、この端縁が記録媒体担持体の湾曲形状に追従できずに記録媒体担持体から剥離する(浮き上がる)ことになる。このため、記録媒体の除去作業(ジャム処理作業)では、この記録媒体の一部分である記録媒体担持体から剥離している部分を作業者が摘んで記録媒体担持体から容易に引き離すことが可能になる。このように、本解決手段によれば、記録媒体が記録媒体担持体に静電吸着された状態で停滞した場合であっても、この記録媒体の剥離除去作業を容易に行うことができる。また、記録媒体担持体の表面に触れることなしに記録媒体の剥離除去作業が行えるため、特別な器具(ピンセット等)を使用した場合に発生する可能性のあった記録媒体担持体表面の傷付きを防止することができ、また、記録媒体担持体表面を像形成物質(トナー等)によって汚したりすることもないので、形成画像の品質劣化を回避できる。
上記記録媒体剥離手段の具体構成としては以下のものが挙げられる。先ず、記録媒体剥離手段として、一対のワイヤーバーを備えさせ、「接触位置」にあるときには、一方のワイヤーバーを記録媒体担持体の表面に、他方のワイヤーバーを記録媒体担持体の裏面にそれぞれ接触させるようにする。そして、上記「接触位置」にある各ワイヤーバーのそれぞれの軸心位置を、これら軸心位置同士を繋ぐ直線が記録媒体担持体の厚さ方向に対して所定角度をもって傾斜するよう設定する一方、各ワイヤーバーを、記録媒体担持体の走行方向に沿って移動可能に支持して、上記「接触位置」と「退避位置」との間で移動可能な構成とする。
また、この場合、各ワイヤーバー同士の長手方向の端部を連結部材によって互いに連結して、各ワイヤーバーが「接触位置」と「退避位置」との間を一体的に移動可能な構成とする。
これら特定事項により、一対のワイヤーバーが「接触位置」にあるときには、記録媒体担持体は、その表面側に向けて凸となる湾曲部分と裏面側に向けて凸となる湾曲部分とが存在する。つまり、この部分では記録媒体担持体が波打った形状となり、記録媒体を確実に記録媒体担持体から剥離させる(浮き上がらせる)ことが可能になる。また、各ワイヤーバー同士は連結部材によって互いに連結されて「接触位置」と「退避位置」との間を一体的に移動可能となっているため、これらワイヤーバーを「退避位置」から「接触位置」へ移動させる作業、また、「接触位置」から「退避位置」へ移動させる作業が容易に行え、作業性が良好になる。
上記記録媒体剥離手段の他の具体構成としては以下のものが挙げられる。つまり、記録媒体剥離手段として、単独のワイヤーバーを備えさせ、このワイヤーバーが「接触位置」にある状態では、その接触箇所において記録媒体担持体を湾曲させる構成としている。
特に、この解決手段は、記録媒体が厚手のものであったり剛性の高いものである場合に有効である。つまり、このような記録媒体が記録媒体担持体上に吸着されている状態で、ワイヤーバーによって記録媒体担持体が湾曲されると、この記録媒体の剥離はストレスなく行われることになり、且つ十分な剥離作用を得ることができて剥離除去作業を容易に行うことができる。また、この場合、記録媒体担持体に必要な湾曲量も少なくて済む(曲率半径が大きくて済む)ため、記録媒体担持体に対するワイヤーバーの過度な衝突などによる破損や故障を未然に防止することもできる。尚、この単独のワイヤーバーによって記録媒体剥離手段を成す構成は、上記一対のワイヤーバーによって記録媒体剥離手段を成す構成と組み合わせることも可能である。つまり、記録媒体の種類等に応じて2つの記録媒体剥離手段を使い分けるといった構成である。
また、記録媒体剥離手段を導電性材料により構成した場合には、記録媒体担持体に静電吸着された記録媒体に対して記録媒体剥離手段による除電を行うことができて、記録媒体の吸着状態を解除できる。このため、記録媒体担持体からの記録媒体の剥離除去作業をよりいっそう容易に行うことができる。
尚、上述した各解決手段のうち何れか一つに記載の記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、記録媒体の停滞時に、記録媒体剥離手段を「退避位置」から「接触位置」に移動させることにより、上記停滞した記録媒体の少なくとも一部を記録媒体担持体上から剥離させる構成となっている画像形成装置である。
本発明では、記録媒体担持体の表面及び裏面のうち少なくとも一方に接触して記録媒体担持体を湾曲させる「接触位置」と、記録媒体担持体から退避する「退避位置」との間で移動可能な記録媒体剥離手段を備えさせ、上記「接触位置」に移動させることにより記録媒体担持体上の記録媒体の少なくとも一部を記録媒体担持体から剥離可能にしている。このため、記録媒体が記録媒体担持体に静電吸着された状態で停滞した場合であっても、この記録媒体の剥離除去作業を容易に行うことが可能になる。また、記録媒体担持体の表面に触れることなしに記録媒体の剥離除去作業が行えるため、特別な器具を使用した場合に記録媒体担持体表面が傷付いたり、記録媒体担持体表面を像形成物質によって汚すといったこともないので、形成画像の品質劣化を回避できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を電子写真方式のデジタルカラー複写機(画像形成装置)に適用した場合について説明する。
−デジタルカラー複写機の全体構成の説明−
図1は本形態に係るデジタルカラー複写機1の内部構成の概略を前方から示す断面図である。この図1のように、本デジタルカラー複写機1は、両面自動原稿送り部2、画像読取部3及び画像形成部4を備えている。以下、各部について説明する。
<両面自動原稿送り部2の説明>
両面自動原稿送り部2は、透明なガラス等で成る原稿台21上にこの原稿台21に対して開閉可能に支持され、原稿台21に対して所定の位置関係をもって装着されている。この両面自動原稿送り部2は、原稿をその一方の面(例えば表面)が原稿台21の所定位置において画像読取部3に対向するように搬送し、この一方の面の画像の読み取りが終了した後に原稿を一旦退避させて反転し、原稿をその他方の面(例えば裏面)が原稿台21の所定位置において画像読取部3に対向するように原稿台21に向かって搬送するようになされている。そして、両面自動原稿送り部2は、1枚の原稿について両面の画像の読み取りが終了すると、この原稿を排出してから、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送動作及び反転動作は、デジタルカラー複写機1全体の動作に連動して制御される。
<画像読取部3の説明>
画像読取部3は、原稿台21上に載置された原稿の画像や両面自動原稿送り部2により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分であって、デジタルカラー複写機1の上部、つまり原稿台21の下方に設けられている。この画像読取部3は、露光光源31、第1〜第3反射鏡32,33,34、結像レンズ35、光電変換素子36を備えている。この場合、露光光源31及び第1反射鏡32によって第1の走査ユニット37が構成されている一方、第2及び第3反射鏡33,34によって第2の走査ユニット38が構成されている。
上記露光光源31は、両面自動原稿送り部2の原稿台21上に載置された原稿や両面自動原稿送り部2を搬送される原稿の画像面に対して光を照射するものである。各反射鏡32,33,34は、図1に一点鎖線で光路を示すように、原稿からの反射光像を一旦所定方向(図1では左方向)に偏向(反射)させた後、下方に偏向させ、その後、結像レンズ35に向かうように図中右方向に偏向させるようになっている。
第1の走査ユニット37(露光光源31及び第1反射鏡32)は、原稿台21の下面に対し一定の速度を保ちながら所定の走査速度で平行に往復動(図1では左右動)するものである。第2の走査ユニット38(第2及び第3反射鏡33,34)は、原稿台21の下面に対し第1の走査ユニット37と一定の速度関係を保って平行に往復動(図1では左右動)するものである。
結像レンズ35は、第2の走査ユニット38の第3反射鏡34により偏向された原稿からの反射光像を縮小し、この縮小された光像を光電変換素子(CCDラインセンサ)36上の所定位置に結像させるものである。
光電変換素子36は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。光電変換素子36は、白黒画像またはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することができる3ラインのカラーCCDである。この光電変換素子36(CCD)により電気信号に変換された原稿画像情報は、制御部7に備えられた図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
<画像形成部4の説明>
画像形成部4は、画像形成系41と転写紙搬送系42とを備えている。
画像形成系41は、デジタルカラー複写機1の本体10の上部に設けられ、その下側に給紙機構43を備えている。給紙機構43は、本体10の下端部に装着した給紙カセット12内に積載収容されている用紙P(記録媒体)を一枚ずつ分離して画像形成系41に供給するようになされている。この画像形成系41に供給される用紙Pは、カットシート状の紙であり、画像形成系41の手前(図1では右側)に設けられた上下一対のレジストローラ40,40によって、画像形成系41への供給タイミングが制御されるようになっている。また、片面に画像が形成された用紙Pも、レジストローラ40,40によって、画像形成系41での画像形成にタイミングを合わせて再度画像形成系41に供給(搬送)されるようになっている(両面印刷時)。
画像形成系41の下方には、転写搬送ベルトユニット44が設けられている。この転写搬送ベルトユニット44は、デジタルカラー複写機1の本体10の略中央部に設けられている。更に、この転写搬送ベルトユニット44は、その一方側(図1では左側)に設けられた駆動ローラ44a(支持部材)と、他方側(図1では右側)に設けられた従動ローラ44b(支持部材)と、この両ローラ44a,44b間に張架され、図1中に示す矢印Z方向に走行する無端の転写搬送ベルト(記録媒体担持体)44cとを備え、この転写搬送ベルト44cの表面上に用紙Pを静電吸着させることによって、レジストローラ40,40から供給される用紙Pを上記他方側(上流側)から一方側(下流側)に搬送するようになされている。また、上記転写搬送ベルト44cは、厚さ100μm程度のポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン重合体、エチレンテトラルフルオロエチレン重合体等で無端状に形成され、感光体ドラム5に接触するように設けられている。この転写搬送ベルト44c上に静電吸着されて搬送される記録用紙P上に、感光体ドラム5にて形成された各色のトナー像を順次転写することによって、多色トナー像が形成されることになる。また、転写搬送ベルト44cの下側には、この転写搬送ベルト44cの外周面に接触するベルトクリーニングユニット44dが設けられている。このベルトクリーニングユニット44dは、転写搬送ベルト44cに直接転写させた色合わせ調整用のトナー(プロセス制御用のトナー)、感光体ドラム5との接触によって付着したトナーを除去・回収するものである。
上記転写搬送ベルトユニット44の用紙搬送方向下流側(図1では左側)には定着装置45が設けられ、この定着装置45によって、用紙Pに転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるようになっている。この定着装置45は、ヒートローラ45a及び加圧ローラ45bを備え、転写搬送ベルト44c上を搬送された用紙Pを各ローラ45a,45b間のニップに通過させるようにしている。また、ヒートローラ45aは、図示しない温度センサからの信号に基づき制御部7によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ45bと共に記録用紙Pを挟持搬送することにより、記録用紙Pに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録用紙Pに対して熱定着させる機能を有している。
上記定着装置45の下流側には切換ゲート46が設けられている。この切換ゲート46は、各ローラ45a,45b間のニップを通過した定着後の用紙Pを、本体10の外壁に取り付けた排紙トレイ11に対し上下一対の排出ローラ11a,11aによって排出する排出経路と、転写搬送ベルトユニット44の下方を通して画像形成系41に再供給する再供給経路とに選択的に切り換えるように構成されている。この再供給経路は、スイッチバック搬送機構47を備え、切換ゲート46により再供給経路側に搬送された用紙Pの表裏面をスイッチバック搬送機構47によって上下逆転させてから画像形成系41に向かって再供給するようになされている。
転写搬送ベルトユニット44の上方には、第1の画像形成ステーションS1、第2の画像形成ステーションS2、第3の画像形成ステーションS3及び第4の画像形成ステーションS4がそれぞれ転写搬送ベルト44cに近接して用紙搬送経路上流側(図1では右側)から順に所定間隔置きに並設されている。この場合、転写搬送ベルト44c上の用紙Pは、第1の画像形成ステーションS1、第2の画像形成ステーションS2、第3の画像形成ステーションS3及び第4の画像形成ステーションS4に順次搬送されることになる。
各画像形成ステーションS1〜S4は、実質的に同一構成であり、図1に示す矢印F方向にそれぞれ回転する感光体としての感光体ドラム5を具備している。この各感光体ドラム5の周囲には、各感光体ドラム5の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電器51と、感光体ドラム5の外周面上に形成された静電潜像をトナーにより可視像に現像する現像装置52と、感光体ドラム5の外周面上に現像されたトナー像(可視像)を用紙Pに転写する転写用ローラ53と、感光体ドラム5の外周面上に残留するトナーを除去するクリーニング装置54とが感光体ドラム5の回転方向(矢印F方向)に沿って順次設けられている。尚、上記帯電器51としては、感光体ドラム5の外周面に接触しないチャージャ型が適用されている。その他に、感光体ドラム5の外周面に接触するローラ型やブラシ型を適用することも可能である。また、上記転写用ローラ53は、例えば直径が8〜10mmの金属軸をベースとし、この金属軸の表面にEPDMや発泡ウレタン等の導電性を有する弾性材料より成る層が形成された構成となっている。そして、この転写用ローラ53は、この導電性を有する弾性材料により、用紙Pに対してトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を均一に印加することができ、感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルト44c上の用紙Pに転写するようになっている。
また、各感光体ドラム5の上方には、レーザビームスキャナユニット55(以下、LSUと称する。)が設けられている。この各LSU55は、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)と、この半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー55a(偏向装置)と、このポリゴンミラー55aにより偏向されたレーザビームを感光体ドラム5の外周面上に結像させるためのfθレンズ55b及びミラー55cとを備えている。
第1の画像形成ステーションS1のLSU55にはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が入力され、第2の画像形成ステーションS2のLSU55にはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が入力され、第3の画像形成ステーションS3のLSU55にはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が入力され、さらに、第4の画像形成ステーションS4のLSU55にはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号が入力されるようになされている。これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム5の外周面上に形成される。
第1の画像形成ステーションS1の現像装置52には黒色のトナーが収容され、第2の画像形成ステーションS2の現像装置52にはシアン色のトナーが収容され、第3の画像形成ステーションS3の現像装置52にはマゼンタ色のトナーが収容され、さらに、第4の画像形成ステーションS4の現像装置52にはイエロー色のトナーが収容されている。各感光体ドラム5の外周面上の静電潜像は、これら各色のトナーにより可視像に現像され、これにより、画像形成系41において色変換された原稿画像情報が各色のトナーによってトナー像として再現されるようになっている。
第1の画像形成ステーションS1と給紙機構43との間には用紙吸着用帯電器56が設けられている。この用紙吸着用帯電器56は、転写搬送ベルト44cの表面を帯電させるものであり、給紙機構43から供給された用紙Pを転写搬送ベルト44c上に確実に吸着させることによって、第1の画像形成ステーションS1から第4の画像形成ステーションS4までの間で用紙Pにずれを生じさせることなく搬送できるようにしている。
一方、第4の画像形成ステーションS4と定着装置45との間には、除電用放電器57が駆動ローラ44aのほぼ真上に位置して設けられている。この除電用放電器57には、転写搬送ベルト44cに静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト44cから分離するための交流電流が印加されている。
そして、本デジタルカラー複写機1に使用される用紙Pは、給紙カセット12から送り出されて給紙機構43の用紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がレジスト前検知スイッチ(図示省略)により検知され、このレジスト前検知スイッチから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ40,40により一旦停止される。そして、用紙Pは、各画像形成ステーションS1〜S4とタイミングをとって、図1の矢印Z方向に走行している転写搬送ベルト44c上に送られる。このとき、転写搬送ベルト44cには用紙吸着用帯電器56による所定の帯電が施されているため、用紙Pは、各画像形成ステーションS1〜S4を通過する間、安定して搬送供給される。
各画像形成ステーションS1〜S4においては、各色のトナー像がそれぞれ形成され、転写搬送ベルト44cにより静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で各画像形成ステーションS1〜S4のトナー像が重ね合わされて画像が転写される。そして、第4の画像形成ステーションS4による画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次除電用放電器57により転写搬送ベルト44c上から剥離され、定着装置45へと導かれる。この定着装置45においてトナー画像が定着された用紙Pは、排出ローラ11aにより用紙排出口(図示せず)を介して排紙トレイ11上に排出されるようになっている。
尚、上述の説明では、LSU55によってレーザビームを走査して露光することにより、感光体ドラム5への光書き込みを行うようにしている。このLSU55の代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いてもよい。このLEDヘッドは、LSU55に比べて、サイズが小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では好適に用いることができる。
−用紙剥離機構の説明−
次に、本実施形態の特徴部分である用紙剥離機構(記録媒体剥離手段)6について説明する。この用紙剥離機構6は、転写搬送ベルト44cに静電吸着されて搬送される用紙Pが、この転写搬送ベルト44c上で停滞する所謂用紙ジャムが発生した際に、この用紙Pを転写搬送ベルト44cから剥離する(浮き上がらせる)ためのものである。以下に詳述する。
図2(転写搬送ベルトユニット44の外観斜視図)及び図3(a)(転写搬送ベルトユニット44内部の一部を示す斜視図であって、後述するハウジング4Aの上面を省略している)に示すように、上記転写搬送ベルトユニット44は中空箱形のハウジング4Aを備えており、このハウジング4A内に、上記駆動ローラ44a、従動ローラ44b、転写搬送ベルト44c等が収容されている。つまり、上記駆動ローラ44a、従動ローラ44bはそれぞれ両端がハウジング4Aの前側及び後側の縦壁4a,4bに回転自在に支持されており、これらローラ44a,44bに転写搬送ベルト44cが架け渡されている。
また、この転写搬送ベルトユニット44は複写機本体10に対して引き出し可能となっている。つまり、転写搬送ベルトユニット44は図示しないスライド機構などによって複写機本体10に対してスライド移動自在に支持されており、ハウジング4Aの前側の縦壁4aに設けられた把手部4cをユーザが把持することで複写機本体10から手前側(ユーザ側)に引き出し可能な構成となっている(図2における矢印A参照)。尚、図2における4Bは、転写搬送ベルトユニット44から定着装置45に向けて用紙Pを排出するためにハウジング4Aに形成された開口部である。
そして、上記縦壁4a,4bには、用紙搬送方向に沿って水平方向に延びる上下一対のガイドスリット61,62が形成されている。これらガイドスリット61,62は後述するワイヤーバー63,64をそれぞれ水平方向に移動自在に支持するためのものであって、図2及び図3(a)における手前側の縦壁4a及び奥側の縦壁4bにそれぞれ形成されている(図2では手前側の縦壁4aのガイドスリット61,62のみを示している)。
これらガイドスリット61,62の形成位置及びその形状として、各ガイドスリット61,62は水平方向に直線状に延びるメインスリット領域61a,62aと、このメインスリット領域61a,62aの一端側に連続して設けられたホームポジション領域61b,62bとを備えている。
図3(b)に示すように、上側ガイドスリット61のメインスリット領域61aは、転写搬送ベルト44cの上側のスパンS(用紙Pを載置搬送する部分)の高さ位置よりも僅かに上側の位置で水平方向に延びている。一方、下側ガイドスリット62のメインスリット領域62aは、転写搬送ベルト44cの上側のスパンSの高さ位置よりも僅かに下側の位置で水平方向に延びている。そして、上側ガイドスリット61は、上側ワイヤーバー63の先端部が挿通されて、この上側ワイヤーバー63を水平方向に移動自在に支持している一方、下側ガイドスリット62は、下側ワイヤーバー64の先端部が挿通されて、この下側ワイヤーバー64を水平方向に移動自在に支持している。
上記各ワイヤーバー63,64は、例えばステンレス材等の導電性材料で形成された外径が5mm程度の円柱形状の本体部63a,64aと、この本体部63a,64aの両端から延びる小径の軸部63b,64bとを備えており、各軸部63b,64bがガイドスリット61,62にそれぞれ挿通されている。これにより、上側ワイヤーバー63は転写搬送ベルト44cの上側でベルト幅方向に延びている一方、下側ワイヤーバー64は転写搬送ベルト44cの下側でベルト幅方向に延びている。
また、各ガイドスリット61,62の高さ方向の中心位置同士の間隔寸法(図7(a)における寸法a)は、ワイヤーバー63,64の本体部63a,64aの外径寸法よりも僅かに短く設定されている。この点については後述する。
また、各ガイドスリット61,62のホームポジション領域61b,62bは、上記メインスリット領域61a,62aに対して駆動ローラ44a側の端部に連続して形成されている。このホームポジション領域61b,62bのスリット形状として、上側ガイドスリット61にあっては、駆動ローラ44a側に向かって斜め上方に延びた後に水平方向に延びる形状となっており、下側ガイドスリット62にあっては、一旦下方に延びた後に駆動ローラ44a側に向かって水平方向に延びる形状となっている。このため、各ワイヤーバー63,64がホームポジション領域61b,62bにそれぞれ移動する際には、上側ワイヤーバー63が上側ガイドスリット61にガイドされて上方に、下側ワイヤーバー64が下側ガイドスリット62にガイドされて下方にそれぞれ移動し、各ワイヤーバー63,64同士が上下方向で離間するようになっている(図3(b)における位置Xを参照)。このホームポジション領域61b,62bにおいて各ワイヤーバー63,64同士が上下方向で離間する距離は、画像形成動作時に転写搬送ベルト44c上を搬送される用紙Pが通過できる空間が確保されておればよく、例えば10mm程度に設定されている。これにより、ワイヤーバー63,64は、使用しないとき(用紙ジャムが発生していないとき)にはホームポジション領域61b,62bに移動され、画像形成プロセス及び用紙搬送の障害とならないようになっている。
また、上記各ワイヤーバー63,64の軸部63b,64b同士は、ハウジング4Aの外部において連結部材65によって連結されている。詳しくは、連結部材65は、その長手方向の延びる溝65aが形成されており、各ワイヤーバー63,64の軸部63b,64bはこの溝65aの内部に挿通されている。つまり、各ワイヤーバー63,64は連結部材65の溝65aの内部を、この溝65aの長手方向に沿って移動することにより相手側のワイヤーバー64,63に対して接離する方向への移動が可能となっている。
更に、図4(各ワイヤーバー63,64の支持状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である)に示すように、各ワイヤーバー63,64の軸部63b,64bにはコイルスプリング66が架け渡されており、このコイルスプリング66の付勢力が各ワイヤーバー63,64同士を近接させる方向に作用するようになっている。このため、各ワイヤーバー63,64がホームポジション領域61b,62bから脱してメインスリット領域61a,62aに移動(例えば図3(b)における位置Yに移動)すると、転写搬送ベルト44cの上側のスパンSの表裏面に各ワイヤーバー63,64がそれぞれ接触し(本発明でいう「接触位置」となり)、この接触箇所において転写搬送ベルト44cは各ワイヤーバー63,64の外周面形状に沿って湾曲する(波打った形状となる)構成となっている(図5及び図10(a)を参照)。このように各ワイヤーバー63,64によって転写搬送ベルト44cを湾曲させることにより、この湾曲部分に用紙Pが存在する場合に、この用紙Pが転写搬送ベルト44cの湾曲形状に追従できなくなって転写搬送ベルト44cの表面から剥離されるようになっている。
尚、各ワイヤーバー63,64がホームポジション領域61b,62bに戻る際(本発明でいう「退避位置」となる際)には、これらワイヤーバー63,64はホームポジション領域61b,62bの形状に沿って移動し、上記コイルスプリング66の付勢力に抗して離間することになる。
図5及び図6に示すように、上記各転写用ローラ53は、中空箱形のローラホルダ53aによって回転自在に支持されており、このローラホルダ53aの下端と、ハウジング4A内に設けられたスプリングベースプレート53bとの間にコイルスプリング53cが圧縮された状態で介在されている。つまり、通常の状態では、転写用ローラ53は、コイルスプリング53cからの付勢力をローラホルダ53aを介して受けて転写搬送ベルト44cの内周面に当接されているが、用紙ジャム処理時において、各ワイヤーバー63,64がホームポジション領域61b,62bから脱してメインスリット領域61a,62aに移動してくると、下側ワイヤーバー64によって下方への押圧力を受けて下方へ移動(転写搬送ベルト44cの内周面から離間する)ようになっている。つまり、転写用ローラ53は、ローラホルダ53aがコイルスプリング53cの付勢力に抗して下方へ移動(スプリングベースプレート53bに向かう方向へ移動)することによってワイヤーバー63,64との接触を避けることが可能となっている(図5の矢印B参照)。
上述したように、各ガイドスリット61,62の高さ方向の中心位置同士の間隔寸法aは、ワイヤーバー63,64の本体部63a,64aの外径寸法よりも僅かに短く設定されている。このため、各ワイヤーバー63,64が、ホームポジション領域61b,62bから脱してメインスリット領域61a,62aに移動し、転写搬送ベルト44cの表裏面にそれぞれ接触した状態では、各ワイヤーバー63,64のそれぞれの軸心位置は、これら軸心位置同士を繋ぐ直線が転写搬送ベルト44cの厚さ方向(鉛直方向)に対して所定角度をもって傾斜することになる(図3(b)のY位置及び図5参照)。以下、詳しく説明する。
図7に示すように、各ワイヤーバー63,64の成す角θ(各ワイヤーバー63,64のそれぞれの軸心位置同士を繋ぐ直線が転写搬送ベルト44cの厚さ方向(鉛直方向)に対して成す傾斜角度θ)は、各ガイドスリット61,62(図7(a)では斜線を付している)の高さ方向の中心位置同士の間の距離をaとし、ワイヤーバー63,64の半径(上記本体部63a,64aの半径)をrとすると、
cosθ=a/(2・r)
の関係となっており、スリット間距離aとワイヤーバー半径rの2倍との距離の差が大きいほど角度θも大きくなっていく。
また、下側ガイドスリット62の中心位置と転写搬送ベルト44cの厚さ方向の中心位置との距離をbとすると、
r>b
の関係であることが必要である。
また、図8に示すように、本実施形態では、上述した一対のワイヤーバー63,64とは別に、単独で配設されたワイヤーバー67(以下、シングルワイヤーバー67と呼ぶ)も備えている。このシングルワイヤーバー67は、上述した各ワイヤーバー63,64と略同一の構成で成り、比較的大径の本体部67aと小径の軸部67bとを備えている。そして、この軸部67bが下側ガイドスリット62に挿通支持されている。この下側ガイドスリット62のメインスリット領域62aに対して従動ローラ44b側の端部にはシングルワイヤーバー用のホームポジション領域62cが形成されている。このシングルワイヤーバー用のホームポジション領域62cは、一旦下方に延びた後に従動ローラ44b側に向かって水平方向に延びる形状となっている。これにより、シングルワイヤーバー67は、ホームポジション領域62cにあるときには、転写搬送ベルト44cに接触しないようになっている。特に、このシングルワイヤーバー67は、用紙Pとして厚紙が使用された際に、この厚紙を剥離除去する際に用いられるものである。厚紙の場合は、用紙自身に腰があるので、1本のワイヤーバー(シングルワイヤーバー67)のみで剥離することが可能である。また、薄い用紙Pであっても剛性の高いものであれば上記と同様にシングルワイヤーバー67が適用可能である。
また、本実施形態に係る複写機1は、用紙搬送経路上での用紙Pの停滞(用紙ジャム)を検知するための機構が備えられている。具体的には、上記レジストローラー40の直下流側に第1用紙検知センサ(入紙センサ)81(図1参照)が備えられていると共に、上記定着装置45の直上流側に第2用紙検知センサ(定着前センサ)82が備えられており、これらセンサ81,82からの用紙検知信号が制御部7に送信されるようになっている。例えば、第1用紙検知センサ81の用紙検知位置から第2用紙検知センサ82の用紙検知位置までの距離をL(mm)とし、用紙搬送速度(転写搬送ベルト44cの走行速度)をS(mm/s)とすると、用紙Pが第1用紙検知センサ81で検知(第1用紙検知センサ81からの用紙検知信号が制御部7に送信)されてから第2用紙検知センサ82で検知(第2用紙検知センサ82からの用紙検知信号が制御部7に送信)されるまでの時間T(sec)は、
T=L/S
となる。
従って、第1用紙検知センサ81によって用紙が検知されてから時間Tが経過しても第2用紙検知センサ82で用紙が検知されない場合には、転写搬送ベルト44c上で用紙が停滞した(用紙ジャムが発生した)状態であることが判る。
また、上述したように、本実施形態に係る複写機1の場合、カラータンデム方式であり4色分のトナーの転写を行ってカラー画像を得る方式となっている。このため、用紙Pに対する転写動作が行われずに(第1色目の転写が行われない状態で)この用紙Pが停滞した場合は、用紙Pの帯電量は小さいため、用紙Pを転写搬送ベルト44cから容易に剥離することが可能であるが、用紙Pに対して4回の転写動作が行われた状態で停滞(定着装置45の手前で停滞)した場合には、各転写動作によって受けた電荷が用紙Pの表面に大量に蓄積して転写搬送ベルト44cに強固に吸着している可能性がある。本実施形態のものでは、このような状況においても、ワイヤーバー63,64またはシングルワイヤーバー67によって転写搬送ベルト44cを湾曲させることにより、用紙Pの剥離が可能となっている。
−用紙ジャム処理手順−
次に、上述の如く構成された複写機1において用紙ジャムが発生した際のジャム処理手順について図9のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップST1において用紙ジャムが発生したか否かを検知する。これは上述した如く、第1用紙検知センサ81によって用紙Pが検知されてから時間Tの経過までに第2用紙検知センサ82で用紙Pが検知されたか否かにより判断される。この判断がNoである(用紙ジャムは発生していない)場合にはステップST9に移り、通常のシーケンス動作(画像形成動作)を実行する。
一方、用紙ジャムが発生した場合(ステップST1でYes判定された場合)には、複写機1の表示パネルなどに用紙ジャム発生の警告を表示する。用紙ジャムの発生を確認したユーザは、ハウジング4Aの把手部4cを把持し、複写機本体10から転写搬送ベルトユニット44を引き出す(ステップST2)。そして、用紙Pが転写搬送ベルト44cに静電吸着されているか否かを判断し(ステップST3)、静電吸着されていないか、または吸着力が低い場合には、ユーザが転写搬送ベルト44cから用紙Pを手で直接剥離除去する(ステップST4)。
一方、用紙Pの吸着力が高く、ユーザの手作業のみでは用紙Pの剥離が困難な場合には、ホームポジション領域61b,62bにある各ワイヤーバー63,64をメインスリット領域61a,62aに移動させる(ステップST5)。また、上述した如く、用紙Pが厚紙である場合には、シングルワイヤーバー67を使用してもよい。そして、例えば図10(b)に示すように、各ワイヤーバー63,64を用紙Pの先端部近傍まで移動させると、この用紙Pの先端部近傍では転写搬送ベルト44cは各ワイヤーバー63,64の外周面形状に沿って湾曲し、波打った形状となる。
このため、用紙Pの先端部は、この転写搬送ベルト44cの湾曲形状に追従できずに転写搬送ベルト44cの表面から剥離する(図10(b)のC部分参照:ステップST6)。特に、ワイヤーバー63はステンレス材等の導電性材料で成っているため、上側ワイヤーバー63を用紙Pに接触する位置まで移動させると、用紙Pの電荷が上側ワイヤーバー63に移動し、用紙Pは除電される。このため、上記静電吸着力は軽減または無くなり、用紙Pの剥離はより確実になされる。
そして、ユーザは、この転写搬送ベルト44cの表面から剥離した用紙Pの先端部を摘んで転写搬送ベルト44cから用紙Pを引き離す(ステップST7)。これにより、ジャム用紙が除去される。
このようにしてジャム用紙を除去した後、各ワイヤーバー63,64をホームポジション領域61b,62bに戻し、転写搬送ベルトユニット44を複写機本体10の内部に押し込む(格納する)ことにより(ステップST8)、通常のシーケンス動作(画像形成動作)が再開されることになる(ステップST9)。
尚、図10(c)は、各ワイヤーバー63,64を用紙Pの後端部近傍まで移動させて、この後端部を転写搬送ベルト44cから剥離させた状態を示している(図10(c)のD部分参照)。
以上、説明したように、本実施形態では、ワイヤーバー63,64によって転写搬送ベルト44cを湾曲させて、この転写搬送ベルト44c上で停滞している用紙Pを容易に剥離可能にしている。このため、用紙Pが転写搬送ベルト44cに静電吸着された状態で停滞した場合であっても、この用紙Pの剥離除去作業を容易に行うことが可能であり、ジャム処理作業の作業性の向上を図ることができる。また、転写搬送ベルト44cの表面に触れることなしに用紙Pの剥離除去作業が行えるため、ピンセット等の特別な器具を使用した場合に転写搬送ベルト44c表面が傷付いたり、転写搬送ベルト44c表面をトナーにによって汚すといったことがなくなり、形成画像の品質劣化を回避できる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態では、本発明を複写機に適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず、ファクシミリ装置や、複写機とファクシミリ装置との複合機に適用することも可能である。
また、上述した実施形態では、ワイヤーバー63,64によって転写搬送ベルト44cを湾曲させる領域としては、転写搬送ベルト44cの幅方向の全体を湾曲させるようにしたが、この幅方向の一部分のみを湾曲させるようにしてもよい。
実施形態に係るデジタルカラー複写機の内部構成の概略を示す断面図である。 転写搬送ベルトユニットの外観斜視図である。 (a)は転写搬送ベルトユニット内部の一部を示す斜視図、(b)は転写搬送ベルトユニットの一部を示す正面図である。 各ワイヤーバーの支持状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 各ワイヤーバーがメインスリット領域に移動した状態を示す正面図である。 転写用ローラの支持構造を説明するための分解斜視図である。 各ワイヤーバーがメインスリット領域に移動した状態の位置関係を説明するための図である。 シングルワイヤーバーの支持構造を説明するための正面図である。 用紙ジャム処理手順を説明するためのフローチャート図である。 各ワイヤーバーによって用紙が剥離された状態を示す図である。
符号の説明
1 デジタルカラー複写機(画像形成装置)
44a 駆動ローラ(支持部材)
44b 従動ローラ(支持部材)
44c 転写搬送ベルト(記録媒体担持体)
6 用紙剥離機構(記録媒体剥離手段)
63 上側ワイヤーバー
64 下側ワイヤーバー
65 連結部材
67 シングルワイヤーバー
P 用紙(記録媒体)

Claims (6)

  1. 複数の支持部材に架け渡され、記録媒体を静電吸着しながら走行することによって、この記録媒体を搬送する無端状の記録媒体担持体を備えた記録媒体搬送装置において、
    上記記録媒体担持体の表面及び裏面のうち少なくとも一方に接触する「接触位置」と、記録媒体担持体から退避する「退避位置」との間で移動可能であって、上記「接触位置」にある状態では、その接触箇所において記録媒体担持体を湾曲させることにより、記録媒体担持体上の記録媒体の少なくとも一部を記録媒体担持体から剥離させる記録媒体剥離手段が備えられていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  2. 上記請求項1記載の記録媒体搬送装置において、
    記録媒体剥離手段は、一対のワイヤーバーを備えており、「接触位置」にあるときには、一方のワイヤーバーが記録媒体担持体の表面に、他方のワイヤーバーが記録媒体担持体の裏面にそれぞれ接触するようになっており、
    上記「接触位置」にある各ワイヤーバーのそれぞれの軸心位置は、これら軸心位置同士を繋ぐ直線が記録媒体担持体の厚さ方向に対して所定角度をもって傾斜するよう設定されている一方、
    各ワイヤーバーは、記録媒体担持体の走行方向に沿って移動可能に支持されていることにより、上記「接触位置」と「退避位置」との間で移動可能な構成とされていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  3. 上記請求項2記載の記録媒体搬送装置において、
    各ワイヤーバー同士は、その長手方向の端部が連結部材によって互いに連結されており、「接触位置」と「退避位置」との間を一体的に移動可能な構成とされていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  4. 上記請求項1、2または3記載の記録媒体搬送装置において、
    記録媒体剥離手段は、単独のワイヤーバーを備えており、このワイヤーバーが「接触位置」にある状態では、その接触箇所において記録媒体担持体を湾曲させる構成となっていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  5. 上記請求項1〜4のうち何れか一つに記載の記録媒体搬送装置において、
    記録媒体剥離手段は、導電性材料により構成されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  6. 上記請求項1〜5のうち何れか一つに記載の記録媒体搬送装置を備え、記録媒体の停滞時には、記録媒体剥離手段を「退避位置」から「接触位置」に移動させることにより、上記停滞した記録媒体の少なくとも一部を記録媒体担持体上から剥離させる構成となっていることを特徴とする画像形成装置。
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