JP2006317394A - 弾性支持体の剛性同定装置 - Google Patents

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太郎 戸松
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毅 岡田
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Abstract

【課題】振動源が弾性支持体で基体上に弾性支持されている構造体において弾性支持体を介して振動源を基体上に搭載したままの状態での加振試験から弾性支持体の剛性を直接同定する装置を提供する。
【解決手段】振動源(船外機)を基体(船体)上に弾性支持する弾性支持体(マウント)の剛性を同定する装置において、弾性支持体をバネ剛性でモデル化すると共に、力の釣り合い式から弾性支持体の剛性の値を未知数としたときの理論的剛性値を算出し(S10からS14)、振動源が弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験からカーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出し(S16,S18)、算出された値から実験的剛性値を算出し(S20)、算出された2つの剛性値に基づいて弾性支持体の剛性を同定する(S22)。
【選択図】図7

Description

この発明は弾性支持体の剛性同定装置に関し、より具体的には振動源(例えばエンジンを備えた船外機)が弾性支持体(例えばラバーなどのエンジンマウント)で基体上に弾性支持されている構造体において、振動源を基体に弾性支持したまま、即ち、搭載したままの状態で振動源の加振実験から弾性支持体の物理特性、特に剛性を直接同定するようにした装置に関する。
従来、弾性支持体、例えばエンジンマウントの物理特性は、動バネ試験機により計測していた。即ち、エンジンマウントを単体で治具を介して試験機に取り付け、その状態でエンジンマウントのバネ定数や減衰などの物理特性を計測していた。この試験機を使うと、重力方向などのシリンダの移動方向のみに関しては初期荷重を与えることが可能である。
さらに、モード解析手法を用い、衝撃加振などの外力に対する振動系の応答から、振動系の固有振動数ごとのパラメータ、即ち、固有振動数、固有(振動)モード、モード減衰比(減衰係数比)からなるモーダルパラメータを用いてエンジンマウントなどの物理特性を精緻に求める手法も提案されており、その例として以下を挙げることができる。
特開2001−350741号公報 「実験的特性行列同定法の開発」、日本機械学会論文集(C編)、63巻616号(1997年12月)
上記した従来の技術で、エンジンなどの振動源がラバーなどのエンジンマウントで基体上に弾性支持されている機械の振動を分析する際には、次の問題点があった。即ち、動バネ試験機を用いる場合、構造体を分解してエンジンマウントを取り外す必要があると共に、取り外したエンジンマウントを保持するための治具を製作する必要があり、その準備に要する時間と手間は膨大であった。
また、エンジンマウントにはエンジンなどの振動源の自重や駆動トルク、推力などの外力が働いている結果、エンジンマウントが、保持するハウジングの接触面積が外部からの荷重に伴って変形するような形状、換言すれば、接触面積が変化するとバネ定数に代表される物理特性が大きく変化する非線形特性をもつ形状である場合、動バネ試験機では外力を任意の方向に設定することができないため、実用状態に即した計測は不可能である。接触面が変化しない通常のエンジンマウント(円筒型の外筒でサンドイッチされた形状のエンジンマウント)でもこうした非線形性は存在する。
尚、特許文献1および非特許文献1に記載される手法を用いる場合も、エンジンマウント単体が解析対象となることから、上記したと同様の不都合を免れ難いものであった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、振動源が弾性支持体で基体上に弾性支持されている構造体において、弾性支持体を介して振動源を基体上に搭載したままの状態での振動源の加振試験から弾性支持体の剛性を直接同定するようにした弾性支持体の剛性同定装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段と、および前記算出されたモーダルパラメータに基づいて前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備える如く構成した。
請求項2にあっては、振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記弾性支持体をバネ剛性でモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性の値を未知数としたときの理論的剛性値を算出する理論的剛性値算出手段と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段と、前記算出されたモーダルパラメータから実験的剛性値を算出する実験的剛性値算出手段と、前記算出された理論的剛性値と実験的剛性値に基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備える如く構成した。
請求項3にあっては、振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記弾性支持体を前記振動源も含めてモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性を未知数としたときのモード解析における理論的モーダルパラメータを算出する理論的モーダルパラメータ算出手段と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによって実験的モーダルパラメータを算出する実験的モーダルパラメータ算出手段と、前記算出された理論的モーダルパラメータと実験的モーダルパラメータに基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備える如く構成した。
請求項4に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、さらに、前記モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正するモーダルパラメータ補正手段を備える如く構成した。
請求項5に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、前記基体が前記振動源から与えられる駆動力に応じて所定の方向に推進自在であると共に、前記加振試験のとき、前記基体に前記所定の方向に推進させる推力が印加される如く構成した。
請求項6に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、さらに、前記同定された弾性支持体の剛性に基づいて前記基体を含めた振動系全体の振動による騒音を分析する振動騒音分析手段を備える如く構成した。
請求項7に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、前記振動源が船外機であり、前記基体が船体であると共に、前記弾性支持体が前記船外機を前記船体上に弾性支持するラバーマウントである如く構成した。
請求項1に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、振動源が弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出し、算出されたモーダルパラメータに基づいて弾性支持体の剛性を同定する如く構成したので、振動源が弾性支持体で基体上に弾性支持されている構造体において、弾性支持体を介して振動源を基体上に搭載したままの状態で振動源の加振試験から弾性支持体の剛性を直接同定することができる。
即ち、弾性支持体を単体としてではなく、振動源が弾性支持体で基体上に弾性支持されている状態においてその剛性を同定することから、弾性支持体が外部からの荷重に伴って変形してバネ定数(剛性)が大きく変化する場合でも、その動的な剛性を精度良く同定することができる。
また、弾性支持体の動的な剛性を精度良く同定できる結果、同定した物理特性から伝達力や各部振動の精度の高い分析・予測、構造変更解析を行うことも可能となり、フィールドでの精度の高い振動による騒音分析と予測が可能となる。
請求項2に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、弾性支持体をバネ剛性でモデル化すると共に、振動源における力の釣り合い式から弾性支持体の剛性値を未知数としたときの理論的剛性値を算出し、振動源が弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出し、算出されたモーダルパラメータから実験的剛性値を算出し、算出された理論的剛性値と実験的剛性値に基づいて前記未知数に相当する弾性支持体の剛性を同定する如く構成したので、請求項1で述べたと同様の効果を得ることができる。
請求項3に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、弾性支持体を振動源も含めてモデル化すると共に、振動源における力の釣り合い式から弾性支持体の剛性を未知数としたときのモード解析における理論的モーダルパラメータを算出し、振動源が弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによって実験的モーダルパラメータを算出すると共に、算出された理論的モーダルパラメータと実験的モーダルパラメータに基づいて前記未知数に相当する弾性支持体の剛性を同定する如く構成したので、請求項1で述べたと同様の効果を得ることができる。また汎用性は若干低下するものの、演算量を低減することができる。
請求項4に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、さらに、モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正するモーダルパラメータ補正手段を備える如く構成したので、上記した効果に加え、振動源あるいは基体の剛性が、弾性支持体のそれに比して乏しいときも、モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正することで、弾性支持体の剛性を同様に精度良く同定することができる。
請求項5に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、基体が振動源から与えられる駆動力に応じて所定の方向に推進自在であると共に、加振試験のとき、基体に前記所定の方向に推進させる推力が印加される如く構成したので、上記した効果に加え、弾性支持体の動的な剛性を一層精度良く同定することができる。
請求項6に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、さらに、同定された弾性支持体の剛性に基づいて基体を含めた振動系全体の振動による騒音を分析する振動騒音分析手段を備える如く構成したので、上記した効果に加え、弾性支持体の動的な剛性が精度良く同定できる結果、同定した物理特性から伝達力や各部振動の精度の高い分析・予測、構造変更解析が可能となり、フィールドでの精度の高い振動騒音分析と予測が可能となる。
請求項7に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、振動源が船外機であり、基体が船体であると共に、弾性支持体が前記船外機を前記船体上に弾性支持するラバーマウントである如く構成したので、船外機について上記した効果を得ることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る弾性支持体の剛性同定装置の最良の実施の形態について説明する。
図1は、実施例1に係る弾性支持体の剛性同定装置を全体的に示す説明図である。
この実施例において剛性同定装置10は、船外機(振動源)12を船体(艇体あるいは基体)14に弾性支持するエンジンマウント16の剛性を同定(計測)する。
図2は、図1に示す船外機12などの拡大側面断面図である。図示の如く、船外機12は、内燃機関(火花点火式の4サイクルガソリンエンジン。以下「エンジン」という)12aと、エンジン12aを支持するマウントケース12bと、マウントケース12bに連結されるマウントフレーム12cと、マウントフレーム12cのシャフト部(スイベルシャフト)12c1を収容するスイベルケース12dと、マウントケース12bの下部に接続されるエクステンションケース12eと、エクステンションケース12eにその下部で接続されるギヤケース12fなどを備える。
エンジン12aの出力はエクステンションケース12eとギヤケース12fを延びるドライブシャフト12gを介してギヤ機構12hに伝達され、プロペラ12iを回転させ、船体14を前進させる。マウントフレーム12cのシャフト部(スイベルシャフト)12c1が油圧シリンダなどで回動されるとき、船外機12は船体14に対して旋回(操舵)させられる。図2において、符号12jは船体14の前後進を切り換えるシフトロッドを、12kは船外機12を船体14に対して上下させるチルティングシャフトを示す。
船外機12は、上下2箇所においてエンジンマウント(弾性支持体。以下「マウント」という)16によって弾性支持されつつ、スターンブラケット20を介して船体14の船尾(スターン)に取り付けられる。より具体的には、スターンブラケット20は船体14の船尾に固定されると共に、(マウントフレーム12cに連結される)スイベルケース12dは、上端側においてスターンブラケット20にチルティングシャフト12kを介して連結される。
即ち、船外機12は、マウントフレーム12cが、スイベルケース12dを介して船体14に対してヨー軸(重力軸)回りに回転自在に船体14に取り付けられると共に、チルティングシャフト12kを介して船体14に対してピッチ軸(左右軸)回りに回転自在に船体14に取り付けられる。尚、船体14は強化プラスチック製(あるいはアルミニウム製)であり、適度な剛性を備える。
上下2箇所のマウント16の内、上部のマウントを16a、下部のマウントを16bとする。図3は上部のマウント16aの平面図、図4は下部のマウント16bの平面図、図5は図4に示すマウント16bの側面図である。
図示の如く、上部のマウント16aは前後軸(船体14の長軸)方向に並列された円筒状の2個のマウント16a1,16a2からなり、下部のマウント16bは同様に水平方向に並列された円筒状の2個のマウント16b1,16b2と、2個のマウント16b1,16b2の間に配置された円形状の1個のマウント16b3の3個からなる。
上部および下部のマウント16a1,16a2,16b1,16b2はカラー16cを介してシャフト16d,16eに挿通されて固定される。マウント16はゴムなどの弾性材からなる。また、カラー16cは、アルミニウムあるいは鋼などの金属材からなる。
上部のマウント16a1,16a2において、シャフト16dは、一端においてマウントフレーム12cに固定されると共に、他端においてマウントケース12bに固定される。下部のマウント16b1,16b2において、シャフト16eは、一端においてマウントフレーム12cに固定されると共に、他端においてエクステンションケース12eに固定される。尚、下部のマウント16b3は、マウントフレーム12cとエクステンションケース12eの間に直接介挿される。
このように、マウントフレーム12cの上端と下端は、それぞれマウント(弾性支持体)16を介してマウントケース12bとエクテンションケース12eからなる船外機12の本体部分に取り付けられる。即ち、マウント16は、船外機12を船体14に弾性支持し、外力に応じて図3あるいは図4に想像線で示す如く、弾性変形する。
図6は、船外機12が船体14に搭載されてなる船舶22の斜視図である。図示の如く、船舶22には船外機12の自重と、エンジン12aでプロペラ12iが駆動されることで船外機12が発生する推力とが作用すると共に、推力に対向する方向に船体14(船舶22)が前進することによって生じる水の抵抗が作用する。
図1の説明に戻ると、符号24は加振ハンマ(インパルスハンマ)を示す。また、船外機12において、エンジン12aの付近(より詳しくはシリンダヘッド上部)付近と、エクステンションケース12eの上下2箇所とには、換言すれば船外機12の最初の6つのモード(後述)を測定できる適宜な位置には、加速度ピックアップ(加速度センサ)26a,26b,26cがそれぞれ配置され、加振ハンマ24が解析者に把持されて船外機12が打撃(加振)されたとき、その打撃力(加振力)に応じてその部位(測定点)に生じた加速度(振動)に比例した出力を生じる。
加速度ピックアップ26a,26b,26cの出力は測定点の座標と共に、フロントエンド(インターフェース。より具体的には多チャンネルデータ取り込み用ターミナル)28を通じて解析装置30に送られる。解析装置30は、図示の如く、コンピュータからなる。コンピュータは、CPU,ROM,RAM,入出力インターフェース(全て図示せず)を備える。解析装置30には、入出力インターフェースを介してディスプレイ、プリンタなどが接続される。
尚、この実施例において、船外機12はゴムベルト32で船体14の進行方向に牽引される、即ち、推力を与えられるものとする。一例として、船外機12の自重が20kgである場合、推力はその船外機12の最大推力に近い50kgfとした。尚、船体14は具体的には、実験用のベンチである。このように、この実施例においては、船体(基体)14が船外機(振動源)12のエンジン12aから与えられる駆動力に応じて前進方向(所定の方向)に推進自在であると共に、加振試験のとき、船体14に進行方向に推進させる推力が印加される如く構成した。
図7は、図1に示す弾性支持体の剛性同定装置の動作あるいは処理を示すフロー・チャートである。
図示の手法はモード解析、即ち、外力に対する振動系の応答が理論的に分かっているとき、振動系の固有振動数、固有振動モード、モード減衰比(減衰係数比)などを求める解析手法を前提とする。
概説すると、S10において図1に示すマウント16を数式モデルでモデル化し、S12において船外機12における力の釣り合い式を算出し、S14において理論的特性行列、より具体的には理論的剛性行列(理論的剛性値)を算出する。それと平行してS16において加振試験による伝達関数(より具体的には周波数応答関数Frequency Response Function。以下「FRF」という)を計測(算出)し、S18において計測されたFRFを入力してカーブフィットによるモーダルパラメータを算出し、S20において剛性行列、質量行列および減衰行列を含む実験的特性行列を算出する。
即ち、この実施例に係る剛性同定においては、マウント剛性による系の剛性行列を理論的に導き、実験的に求まる剛性行列との成分比較により、5個のマウント16a1から16b3の剛性値を得るものである。
S10からS14の処理について説明すると、5個のマウントのそれぞれを直交した3方向のバネ剛性kx,ky,kzでモデル化する。実際のマウント16は幅を持っているため、1点に3方向の剛性を持つ1個のバネで同定するのは困難な場合がある。最低3個以上のバネでモデル化すれば、全ての回転剛性を適切に表現することができる。そこで、1つのモデル化手法として、図8に示すように、同じ剛性を持つ4個のバネによってマウント16のそれぞれをモデル化する。4個のバネでモデル化することにより、全ての回転剛性を適切に表現することができる。
船外機12あるいはマウント16を支えるマウントフレーム12cは、マウント16に比して十分剛性が高い剛体と見做す。その仮定から、全体系の自由度は6となる。その剛性行列は、未知数であるマウント剛性値k、既知であるマウント位置lを用い、力の釣り合い式より理論的に求めることができる。設定座標原点を基準にし、並進3、回転3の計6自由度について船外機12における力の釣り合い式をたてると、式(1)のようになる。
釣り合い式から、理論的剛性行列式[Kt]は、式(2)のように定式化される。尚、式で添え字iは5個のマウント16a1から16b3までを特定する番号である。
次いで、S16からS18までの実験的剛性行列の算出を説明すると、船外機12に対して振動(加振)試験を行い、船外機12がほぼ剛体として運動する最初の6つのモード特性を測定する。また、測定点座標も求めておく。
一般的に、実験によるデータは、並進自由度のみに関するものである。そこで、先に導いた理論的剛性行列と比較するため、多点による並進自由度モードから、設定座標原点における前記した6自由度のモードベクトルを求める。各測定点における並進自由度モードと、設定座標原点モードの関係は、測定点座標を用いて以下のように表わすことができる。
測定点数をPとすると、変換行列[T]は3P×6の行列となり、最小二乗的に原点モードベクトルが以下のように決定される。
式(3)から(5)の操作を6つ全てのモードについて行い、6×6の設定座標原点モード行列を得る。
即ち、加振試験によりハンマ入力点と測定点(加速度ピックアップ26の配置点)間のFRFを計測(算出)し、その計測されたFRFに対し、最も良く適合するモード特性をカーブフィット(曲線適合)により決定し、それらを用いてエンジン12aを剛体と仮定する条件下で設定座標原点に関する並進3自由度、回転3自由度、計6自由度のモード特性を得る。
設定座標限定モード行列と固有振動数より、実験的剛性行列[Ke]は次式で算出される。式において、Φ0は設定座標原点に関するモードベクトル行列、Λは不減衰固有角振動数の二乗を対角に持つ行列である。
次いで、S22のマウント特性値(マウント剛性値)の同定の算出を説明すると、マウント剛性は、式(2)(6)の剛性行列の成分を比較して求める。即ち、成分の比較により15本の方程式を求め、以下の如く、それらを未知数であるマウント剛性値に関する連立一次方程式の形に書き換える。
未知数の数をmとすると、行列[L]はマウント位置座標からなる15×mの行列、{k}は未知のマウント剛性値からなるm×1の列ベクトル、{b}は実験により求まった剛性行列において、理論的定式化により零とならず、値の入る成分を並べた15×1のベクトルである。
式(7)において、m=15であり、かつ、その配置による行列[L]がフルランクとなれば、マウント剛性値は一意に求まる。しかしながら、図2に示す実際のマウント16の配置では、仮にm=15としても、行列[L]がフルランクとならない場合が多い。よって、幾つかのマウント未知数については同じ値に設定する必要がある。その結果、未知数の数はm<15となり、式(7)から最小二乗的にマウント剛性値を決定(同定)することとなる。尚、上記で「フルランク」とは未知数の数と式の数が同一であり、その連立1次方程式が解ける状態にあることを意味する。
このように、実機搭載状態においてマウント特性値(剛性値)が同定(算出)されることから、その結果に基づき、不具合が見られるときは、マウント16の形状などを改良することが可能となる(S24)。
また、船体14を含めた系の振動騒音(より正確には振動による騒音)を分析することも可能となる(S26)。即ち、マウント16に起因する船外機12の振動騒音(振動による騒音)が分析できたことから、船外機12と船体14からなる船舶22の全体における振動による騒音を計測すれば、船体14における振動による騒音を分析することが可能となる。
さらには、その分析に基づき、船体14が複数隻あるときは、振動低減に最も効果的なマウント16を選択する(S28)、あるいは船体14の振動(あるいはそれによる騒音)特性を改良することも可能となる(S30)。
上記した手法の妥当性を検証するため、船外機12とマウント16とを簡略化したFEM(有限要素法)モデルに対して適用を行った。図9(a)(b)に船外機12とマウント16からなるFEMモデルを示す。
上記した理論において船外機12は剛体と仮定したが、実用上を考慮し、弾性体としてモデル化した。また、マウント16についても、FEMによる離散モデルとした。図9に示す16a1,16a2を上部マウントとすると共に、16b1,16b2を下部マウントとする。図9(b)に示す如く、境界条件は、マウントの外側を固定とする。尚、図3などに示すマウント16a1から16b2において、左右は同じものとする。
以上の条件で、未知数であるマウント剛性値の変数を設定する。マウントの1個をx,y,z方向に剛性を有するものとモデル化すると共に、各方向の連成は考慮しないようにした。マウントは2種類であるから、マウント変数の数は6となる。しかしながら、マウント剛性値の算出で述べたように、行列[L]のランクの関係から、z方向の変数は独立に設定できないため、同一の変数で表わすこととする。従って、マウント変数は、KUx,KUy,KUz,KLx,KLyの5つとなる。
図10に、上記の手法で求まったマウント剛性値を示す。図10においてRef.(参照値)はマウント16のFEMモデルを単体状態で静解析を行ったときの剛性値である。その値を基準として同定結果を評価すると、図10から、同定結果は全て実用上満足な精度で求められていることが分かる。同じ剛性値として求めたz方向については、参照値における上下部の値の和と、同定結果の2倍が等しくなっている。
また、動特性評価として、FRFを比較する。一例として、船外機12の下部の点におけるy方向の自己応答FRFを図11に示す。図11において、破線はFEMモデルから計算したものであり、実線は船外機剛体モデルに図10に示される同定結果のマウント剛性値を付加して計算したものである。船外機12がほぼ剛体として運動するこの周波数帯域において、両者は良く一致している。
上記した手法では、z方向の剛性のような行列[L]がランク落ちとなる配置の物理的意味は、マウント16が配置される船外機12を剛体と考えたとき、その方向についてはマウント間に相対変位が生じないということである。これにより、上記したモデルにおける上下のマウント16のz方向の剛性値は、両マウント間のz方向において相対変位が生じないため、同じ剛性のバネとして等価なモデル化が可能となった。
以上の如く、上記した手法によって実用上十分な精度でマウント剛性値を得ることができた。
次いで、実機への適用結果を従来法と比較する。
尚、マウント16は、図12に示す如く、上部に16a1,16a2の2個、下部に16b1から16b3の3個が配置される。先に述べたように、マウント剛性値変数を上部、下部の2種類のx,y,z方向に剛性を有するバネでモデル化するが、下部の3個のマウント16b1から16b3の配置は数学的には行列[L]のランク落ちを招かないが、両者の配置は近接しており、行列[L]は特異な行列となる。従って、その剛性値を独立に変数設定すると、誤差を生む恐れがある。そこで、実際の実機への適用に際しては、マウント16b3については、マウント16b1,16b2に含まれる形でモデル化する。
また、FEMシミュレーションの場合、座標系とマウント剛性値の主方向が一致しているため、式(2)において(12)(13)(23)成分は零となる。しかし、実際の実機への適用において両者が一致しているとは限らないため、実験結果を用いて算出された剛性行列[Ke]のこれらの成分が対角成分と同等の大きさを持っている場合、設定座標系からマウント主方向座標系に座標変換する必要がある。
従って、実際の実機への適用では、マウント16の主方向は、剛性行列[Ke]の並進成分にあたる1行から3行、1列から3列を固有値分解した際の固有ベクトルとなる。剛性行列[Ke]ならびに[L]を主方向へ座標変換し、主方向で剛性値を求めた後、設定座標系に再び座標変換し直すことで、設定座標系での剛性値を求めるようにした。その結果、1つのマウントは3×3の行列で表わされ、非対角項には各方向に連成項が存在することになる。
実際の実機適用においては、上記の設定の下で加振試験により、FRFを測定してモード特性を得た。船外機12がほぼ剛体として運動する、最初の6つの固有振動数を図13に示す。また、船外機12の弾性1次モードは130Hz付近にあるため、それより十分に低い周波数帯域では、先に仮定した如く、船外機12を剛体としてモデル化しても問題ないと考えられる。図14に、上記した実際の実機適用で得られたマウント剛性値と参照値として従来法(動バネ試験機を用いた測定手法)による値を示す。図示の結果で各方向において若干の連成が見られたが、どれも対角項に比して小さい値であるため、表記は省略する。
図15は、船外機剛体モデルにマウント剛性結果を付加して算出されたFRFを実験値と比較したもので、船外機下部のx方向の自己応答FRFを示す。実線はこの手法による結果、破線は従来法により求まった動バネ定数を用いて算出したFRFである。どちらも破線で表わされた実験値と良く一致している。
図14において、この手法と従来法のx方向の剛性値を比較すると、上下のマウントで1つずつの値に違いはあるが、上下の合計の値は良く一致していると見ることもできる。y方向については実施例に係る手法と従来法によるFRFは多少異なる結果となったが、全ての方向の応答において、この実施例に係るマウント剛性値結果を用いたFRFは、実験FRFと良く一致した。
また、図13の表において3列目は推力負荷を加えたときの固有振動数を示すが、無負荷状態での値に比べ、全体的に固有振動数が高くなっていることが見てとれよう。また、図14の表において3列目に示す、負荷を加えたときのx方向の剛性が特に大きく増加しているのが見てとれよう。
図16は、上記した精度検証と同様にFRFを算出し、船外機12の下部のx方向の自己応答について実験値と比較したものである。図16において2つ目の共振ピーク位置は、同定結果の方が多少高く出ている。その原因は、推力負荷により固有振動数が大きく増加したため、船外機12を剛体と仮定できる範囲を超え始めているためと考えられる。しかしながら、推力負荷によるマウント剛性値の大きな変化を良く表現できており、特性変化を見るには十分な精度といえよう。
このように第1実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、船外機12がマウント16を介して船体14の上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出し、算出されたモーダルパラメータに基づいてマウント16の剛性を同定する如く構成した、より具体的にはマウント16をバネ剛性でモデル化すると共に、船外機12における力の釣り合い式からマウント16の剛性値を未知数としたときの理論的(理論による)剛性値を算出し、船外機12がマウント16を介して船体14の上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出し、算出されたモーダルパラメータから実験的(実験による)剛性値を算出し、算出された理論的剛性値と実験的剛性値に基づいて前記未知数に相当するマウント16の剛性を同定する如く構成したので、実機搭載状態での船外機12への加振試験からマウント16の剛性を直接同定することができる。
即ち、マウント16を単体としてではなく、船外機12がマウント16で船体14の上に弾性支持されている状態においてその剛性を同定することから、マウント16が外部からの荷重に伴って変化してバネ定数(剛性)が大きく変化する場合でも、その動的な剛性を精度良く同定することができる。
また、マウント16の動的な剛性を精度良く同定できる結果、同定した物理特性から伝達力や各部振動の精度の高い分析・予測、構造変更解析を行うことも可能となり、フィールドでの精度の高い振動による騒音分析と予測が可能となる。
図17は、この発明の第2実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置の動作あるいは処理を示す、図7と同様のフロー・チャートである。
第1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第2実施例に係る装置においては、モデル化に際し、図8に示すバネモデルに代え、マウント16を船外機12も含めてモデル化した。即ち、図18に示すような船外機12の重心位置Mあるいは船外機12におけるマウント16の配置位置を含むモデルを用い、演算量を低減するようにした。その結果、汎用性は第1実施例に比較すると、低下する。
概説すると、図17のS100においてマウント16を図18に示すような数式モデルにモデル化し、S102において船外機12における力の釣り合い式を算出し、S104において固有振動数と固有振動モードからなる理論的モーダルパラメータを算出する。それと平行してS106において加振試験による伝達関数(周波数応答関数)FRFを計測(算出)し、S108においてカーブフィットによるモーダルパラメータ(固有振動数、固有振動モード、モード減衰比)を算出する。そして、S110においてS104とS108で得られたパラメータからマウント特性値(より具体的にはマウント剛性値(行列))を算出する。
第2実施例においては、マウント16の横方向の剛性を同定する。即ち、図18に示すモデルの運動方程式は、式(8)のように表わすことができ、その多点拘束方程式は式(9)のようになる。
式(8)を式(9)で縮退すると、式(10)のようになり、U1,U2の拘束条件を式(11)のように設定すると、式(10)は、式(12)のような船外機12における力の釣り合い式に変形することができる。
従って、S104におけるモーダルパラメータ、即ち、固有モードφは、非連成時の固有振動数ω0を式(12)に代入すれば求めることができる。また、加振試験により求まった固有振動数と固有振動モードに近いk1,k2を最急降下法や最小二乗法などの数値計算で求めれば、k1,k2を同定することができる。尚、定常応答時は式(13)に示す如くになり、重心点の定常応答はU=K-1Fより、式(14)のようになる。
尚、船体14に加わる加振力は式(15)のようになり、船外機がティラーハンドルを備える構造のとき、それへの加振モーメントは式(16)に示すようになることから、マウント16の改良あるいは船体14を含めた系の振動騒音(より正確には振動による騒音)の分析(S112からS118)などの処理は第1実施例と異ならない。また、実機搭載で加振試験が行われるなどの構成も第1実施例と同様である。
尚、マウント16の剛性の同定を横方向について述べたが、上下方向あるいは左右方向の剛性に対しても同様の手法によって同定して振動騒音の解析が可能であることはいうまでもない。
第2実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置は上記の如く、マウント16を船外機12も含めてモデル化すると共に、船外機12における力の釣り合い式からマウント16の剛性を未知数としたときのモード解析における理論的モーダルパラメータを算出し、船外機12がマウント16を介して船体14の上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによって実験的モーダルパラメータを算出すると共に、算出された理論的モーダルパラメータと実験的モーダルパラメータに基づいて前記未知数に相当するマウント16の剛性を同定する如く構成したので、第1実施例で述べたと同様の効果を得ることができる。また汎用性は若干低下するものの、演算量を低減することができる。
図19は、この発明の第3実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置の動作あるいは処理を示す、図7と同様のフロー・チャートである。
第1、第2実施例においては、船体14や船外機12がマウント16よりもはるかに剛性が高いものとした。その場合は加振試験により得られたモーダルパラメータ(固有振動数、固有モード、モード減衰比)をそのまま利用すれば良い。しかしながら、船外機12、船体14において、その構造上、弾性変形振動周波数帯域がマウント16により支持された剛体系共振帯域と十分離れていない場合がある。
そこで第3実施例にあっては、船体14や船外機12の弾性変形振動周波数帯域がマウント16を支持する剛体系共振帯域と十分に分離されていない場合において、船体14や船外機12の剛性が高いという条件を与え、モーダルパラメータ(固有振動数、固有モード、モード減衰比)を補正してマウント剛性値を同定するようにした。
以下説明すると、第1実施例と同様、S200からS204の処理を行った後、S206において加振試験を行って伝達関数(周波数応答関数FRF)を測定し、S208,S210において実験的特性行列同定法を実行し、船外機12と船体14の動特性を質量行列、剛性行列および減衰行列でモデル化する。尚、この実験的特性行列同定法は、例えば、先に非特許文献1あるいは特許文献1で開示された手法を用いる。
次いでS212において補正による実験的特性行列を算出する。即ち、船外機12の測定点(加速度ピックアップ26の配置点)の間に補強材を取り付けて剛性を上げると共に、船体14の船外機12の取り付け部を拘束するようにした条件を与え、S208からS210の処理で得られた剛性行列に補強を表現する追加剛性値を与え、剛性行列を補正する。
次いでS208からS210の処理で得た質量行列と減衰行列、およびS212の処理で補正された剛性行列を利用し、S214でマウント剛性値を同定して振動解析を行う。即ち、その振動解析において、船外機12や船体14の弾性変形振動周波数帯域がマウント16を支持する剛体系共振帯域と十分に分離されることになるので、そのマウント支持剛体系共振帯域についての結果を利用してマウント剛性値を同定するようにした。また、マウント16の改良あるいは船体14を含めた系の振動騒音(より正確には振動による騒音)の分析(S216からS222)などの処理は、第1実施例と異ならない。実機搭載で加振試験が行われるなどの構成も、第1実施例と同様である。
このように、第3実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置にあっては、さらに、モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正する如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、船外機12あるいは船体14の剛性が、マウント16のそれに比して乏しいときも、モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正することで、マウント16の剛性を実機搭載状態で同定することができる。
尚、残余の構成および効果は、第1実施例と同様である。
上記した如く、第1から第3実施例にあっては、振動源(船外機12、より具体的には内燃機関12a)を基体(船体14の)上に弾性支持する弾性支持体(マウント)16a1から16b3の剛性を同定する装置10において、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段(S10からS20,S100からS108,S200からS212)と、および前記算出されたモーダルパラメータに基づいて前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段(S22,S110,S214)とを備える如く構成した。
第1、第3実施例にあっては、振動源(船外機12、より具体的には内燃機関12a)を基体(船体14の)上に弾性支持する弾性支持体(マウント)16a1から16b3の剛性を同定する装置10において、前記弾性支持体をバネ剛性でモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性の値を未知数としたときの理論的剛性値を算出する理論的剛性値算出手段(S10からS14,S200からS204)と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段(S16,S18,S206,S208)と、前記算出されたモーダルパラメータから実験的剛性値を算出する実験的剛性値算出手段(S20,S210,S212)と、前記算出された理論的剛性値と実験的剛性値に基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段(S22,S214)とを備える如く構成した。
第2実施例にあっては、振動源(船外機12、より具体的には内燃機関12a)を基体(船体14の)上に弾性支持する弾性支持体(マウント)16a1から16b3の剛性を同定する装置10において、前記弾性支持体を前記振動源も含めてモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性を未知数としたときのモード解析における理論的モーダルパラメータを算出する理論的モーダルパラメータ算出手段(S100からS104)と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによって実験的モーダルパラメータを算出する実験的モーダルパラメータ算出手段(S106,S108)と、前記算出された理論的モーダルパラメータと実験的モーダルパラメータに基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段(S110)とを備える如く構成した。
第3実施例にあっては、さらに、前記モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正するモーダルパラメータ補正手段(S212)を備える如く構成した。
また、前記基体が前記振動源から与えられる駆動力に応じて所定の方向に推進自在であると共に、前記加振試験のとき、前記基体に前記所定の方向(進行方向)に推進させる推力が印加される如く構成した。
さらに、前記同定された弾性支持体の剛性に基づいて前記基体を含めた振動系全体の振動による騒音を分析する振動騒音分析手段(S26,S114,S218)を備える如く構成した。
また、前記振動源が船外機12(より具体的には内燃機関12a)であり、前記基体が船体14であると共に、前記弾性支持体が前記船外機を前記船体上に弾性支持するラバーマウント16a1から16b3である如く構成した。
尚、第1および第2実施例においても、先に非特許文献1あるいは特許文献1で開示された実験的特性行列同定法を用いても良い。
この発明の第1実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置を全体的に示す説明図である。 図1に示す船外機などの拡大側面断面図である。 図2などに示す上部のマウントの平面図である。 図2などに示す下部のマウントの平面図である。 図4に示すマウントの側面図である。 船外機が船体に搭載されてなる船舶の斜視図である。 図1に示す装置の動作あるいは処理を示すフロー・チャートである。 図7の処理で使用されるマウントのモデルを示す説明図である。 図7の処理の検証に使用される船外機とマウントからなるFEM(有限要素法)モデルを示す説明図である。 検証で求められたマウント剛性値を示す表である。 検証における動特性評価としてのFRFの比較結果を示すグラフである。 実機への実際の適用におけるマウントのモデルを示す説明図である。 実際の実機適用における加振試験によりFRFを測定してモード特性の中の船外機がほぼ剛体として運動する、最初の6つの固有振動数を示す表である。 実際の実機適用で得られたマウント剛性値と参照値としての従来法(マウントの剛性を単体で同定する手法)による値を示す表である。 船外機剛体モデルにマウント剛性結果を付加して算出されたFRFを実験値と比較して示すグラフである。 同様にFRFを算出して船外機下部のx方向の自己応答について実験値と比較して示すグラフである。 この発明の第2実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置の動作あるいは処理を示す、図7に類似するフロー・チャートである。 第2実施例で使用されるマウントモデルを示す説明図である。 この発明の第3実施例に係る弾性支持体の剛性同定装置の動作あるいは処理を示す、図7に類似するフロー・チャートである。
符号の説明
10:弾性支持体の剛性同定装置、12:船外機(振動源)、12a:内燃機関(エンジン)、14:船体(艇体あるいは基体)、16:マウント(弾性支持体)、22:船舶、24:加振ハンマ、30:解析装置、32:ゴムベルト

Claims (7)

  1. 振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段と、および前記算出されたモーダルパラメータに基づいて前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備えることを特徴とする弾性支持体の剛性同定装置。
  2. 振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記弾性支持体をバネ剛性でモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性の値を未知数としたときの理論的剛性値を算出する理論的剛性値算出手段と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによってモード解析におけるモーダルパラメータを算出するモーダルパラメータ算出手段と、前記算出されたモーダルパラメータから実験的剛性値を算出する実験的剛性値算出手段と、前記算出された理論的剛性値と実験的剛性値に基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備えることを特徴とする弾性支持体の剛性同定装置。
  3. 振動源を基体上に弾性支持する弾性支持体の剛性を同定する装置において、前記弾性支持体を前記振動源も含めてモデル化すると共に、前記振動源における力の釣り合い式から前記弾性支持体の剛性を未知数としたときのモード解析における理論的モーダルパラメータを算出する理論的モーダルパラメータ算出手段と、前記振動源が前記弾性支持体を介して基体上に搭載された状態で実施された加振試験から、カーブフィットによって実験的モーダルパラメータを算出する実験的モーダルパラメータ算出手段と、前記算出された理論的モーダルパラメータと実験的モーダルパラメータに基づいて前記未知数に相当する前記弾性支持体の剛性を同定する弾性支持体剛性同定手段とを備えることを特徴とする弾性支持体の剛性同定装置。
  4. さらに、前記モーダルパラメータを仮想的な剛性を付加するように補正するモーダルパラメータ補正手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾性支持体の剛性同定装置。
  5. 前記基体が前記振動源から与えられる駆動力に応じて所定の方向に推進自在であると共に、前記加振試験のとき、前記基体に前記所定の方向に推進させる推力が印加されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の弾性支持体の剛性同定装置。
  6. さらに、前記同定された弾性支持体の剛性に基づいて前記基体を含めた振動系全体の振動による騒音を分析する振動騒音分析手段を備えることを特徴とする請求項1記載の弾性支持体の剛性同定装置。
  7. 前記振動源が船外機であり、前記基体が船体であると共に、前記弾性支持体が前記船外機を前記船体上に弾性支持するラバーマウントであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の弾性支持体の剛性同定装置。
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