JP2006316901A - 真空断熱材用芯材の製造方法および真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材用芯材の製造方法および真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】真空断熱材として熱性能に優れ、形状保持性も良好なため、撓みも少なく、作業性に優れ、箱体などに充填したときに該箱体など内に隙間を生じさせず、熱性能が劣ることがない真空断熱材を提供すること。
【解決手段】無機繊維に有機バインダーを付与した後、加熱硬化して無機繊維積層体とし、該無機繊維積層体をさらに350℃を超え600℃以下の温度で加熱することを特徴とする真空断熱材用芯材の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、真空断熱材用芯材の製造方法および真空断熱材に関する。
無機繊維積層体からなる芯材を外被材内に減圧密封することによって得られる真空断熱材は、断熱性能が優れているため近年広く使用されている。前記芯材としては、熱硬化性樹脂などの有機バインダーを付着させて形成した有機バインダータイプと、一旦積層体を作成し該積層体に無機バインダーを付着させて形成した無機バインダータイプとがあり、上記有機バインダータイプは、上記無機バインダータイプよりも、無機繊維を繊維化させて積層させる際にバインダーを付与させ易く、製造が容易であり、しかも通常の建物に使用される断熱マットと同様な方法で作成できるため安価であるので好ましい。
しかしながら、有機バインダータイプの芯材を真空断熱材の芯材として用いた場合には、該真空断熱材を高温で使用する際には芯材に含まれるバインダーが分解してガスが発生する場合があるという問題がある。特許文献1には、有機バインダータイプの芯材をベーキング炉へ入れ、約400℃で1.5時間加熱し、バインダーであるフェノール樹脂を燃焼気化させ、このガスを断熱壁の吸引口に予め接続した排気口より排出し、真空断熱材の使用時のバインダーの分解温度まで空気の存在下で加熱することにより、有機バインダーをガス化し、このガスを排出後、真空排気を行うことにより優れた真空断熱材が得られることが記載されている。
一方で、有機バインダーを使用しない無機繊維積層体を使用した真空断熱材用の芯材としては、ガラス繊維の自重で繊維が僅かに変形を始める温度、またはプレス時の上下方向からの加重によりガラス繊維が変形可能となる温度であって、ガラス繊維の断面形状が大きく変化しない程度の温度で、加圧成形されてガラス繊維の熱変形により繊維が延伸されており、かつ繊維相互の結着でなく、ガラス繊維の一部が繊維相互間で絡み合って形状を保持している真空断熱材が特許文献2に記載されている。同文献には加熱プレスが480℃にして5分であることが好ましいとしている。
また、有機または無機バインダーの何れも含まないガラスホワイトウールを所定の形状に積層する工程と、積層されたガラスホワイトウールをその変形点〜変形点から20℃上の温度範囲内で、0.007〜1.5kg/cm2の圧力で、10分以上加熱加圧して成形する工程と、成形されたガラスホワイトウールを非通気性容器に入れ、真空排気して減圧する工程とを順次行うことを特徴とするガラスホワイトウールを利用した真空断熱材の製造方法が開示されており、上記加熱は400℃以上で10分以上であることが特許文献3に記載されている。
特開平5−87292号公報 特許第3580315号公報 特表2003−532845号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法で芯材に含まれる有機バインダーを完全にガス化させる場合は、ガス化を壁体内で加熱するため作業性は困難ではなく、有機バインダーを含んでいないため真空断熱材としたときに、特に長期のガス化による真空断熱材の熱性能の低下が生じないものの、加熱時間を長く要するため、必要以上にガラス同士が溶融して繊維同士の結着が増し、固体の熱伝導が生じ易いためか、真空断熱材の熱性能に劣るといった問題を有していた。
一方、特許文献2に開示された方法では、最初からバインダーを有していないガラス繊維を使用しているためガスが発生せず熱性能に優れるものの、ガラス繊維同士が結着していないためか、芯材の形状保持性が劣り、外被材内に導入する場合の作業性が劣るばかりでなく、真空断熱材としたときに、撓みが生じ易く、真空断熱材を冷蔵庫やその他の箱体などに充填すると隙間ができ充分な熱性能が得られないといった問題を有していた。
さらに特許文献3に開示された方法では、ガスが発生せず熱性能に優れるものの、例えば、400℃で30分の加熱では、特許文献2と同様、芯材の形状保持性が未だ充分ではない。そのため加熱温度をさらに高くし、また、加熱時間をさらに長くすることも考えられるものの、コスト的に好ましくないといった問題を有していた。
また、上記の特許文献2、3では、最初からバインダーを有していないグラスウールなどの無機繊維積層体を用いているため、無機繊維積層体を真空断熱材用芯材として所定の寸法に切断する際に切断がし難いといった加工性の問題を有していた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空断熱材として熱性能に優れ、形状保持性も良好なため、撓みも少なく、作業性に優れ、箱体などに充填したときに該箱体など内に隙間を生じさせず、経時的に熱性能が劣ることがない真空断熱材を提供すること、および真空断熱材用の芯材を作成する際に必要以上に加熱をすることがないため、経済的に優れる真空断熱材用芯材の製造方法および真空断熱材を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、無機繊維に有機バインダーを付与した後、加熱硬化して無機繊維積層体とし、該無機繊維積層体をさらに350℃を超え600℃以下の温度で加熱することを特徴とする真空断熱材用芯材の製造方法を提供する。
上記本発明においては、前記無機繊維積層体におけるバインダー付着量が、該無機繊維積層体を100質量部としたとき固形分で0.2〜10質量部であること;前記無機繊維積層体の加熱温度が、400〜500℃であること;前記無機繊維積層体の加熱時間が、5〜30分であること;および前記無機繊維積層体の加熱時間をM(分)とし、無機繊維積層体の加熱温度をT(℃)としたときの前記無機繊維積層体の加熱条件が、下記式1を満たすことが好ましい。
M×T=2,000〜12,000 (式1)
また、上記本発明においては、前記無機繊維積層体を加熱することにより、該積層体のバインダー付着量を固形分で元の質量の50%以上減少させること;および前記無機繊維にバインダーを付与した後、密度を150〜500kg/m3となるように加圧する工程、および加熱工程を経て無機繊維積層体とすることが好ましい。
また、本発明は、外被材内に前記本発明の方法で得られた芯材を封入してなることを特徴とする真空断熱材を提供する。該真空断熱材は、その密度が、150〜300kg/m3であり、前記芯材における有機バインダーの付着量が1質量%以下であること;および前記芯材を構成する無機繊維がグラスウールであり、該芯材における無機繊維同士の少なくとも一部が僅かに融着している状態で結着していることが好ましい。
本発明によれば、真空断熱材の芯材として、有機バインダータイプの芯材を使用しても、真空断熱材中におけるガスの発生が極めて少なく、長期にわたり断熱性に優れ、真空断熱材を製造する際の作業性にも優れた真空断熱材用芯材を、生産コスト的に有利に提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
本発明の特徴は、無機繊維に有機バインダー(以下単に「バインダー」という場合がある)を付与した後、加熱硬化して無機繊維積層体とし、該無機繊維積層体をさらに350℃を超え600℃以下の温度で加熱することにある。
本発明で使用する無機繊維は、例えば、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維など、特に限定されるものではない。このうち、断熱性能に優れ、比較的安価に得られる点からグラスウールを用いることが好ましい。また、無機繊維に少量ならば有機繊維を混合して使用することも可能である。本発明で使用する無機繊維としてはグラスウールが好ましいので、以下グラスウールを無機繊維の代表例として本発明を説明する。
前記グラスウールを構成するガラス繊維の平均径は1〜5μmであることが好ましい。前記値が1μm未満であると、グラスウールの生産性が劣るためコスト高となり、また、成形後の強度が劣り好ましくない。一方、前記値が5μmを超えると、最終的に得られる真空断熱材自体の熱性能が低下するため好ましくない。
本発明では上記グラスウールに、バインダーを付着させて熱処理しバインダーを硬化させることでグラスウールをマット状(積層体)にする。ここでバインダーとしては、従来公知の何れの有機バインダーでも使用可能であるが、好ましいバインダーはフェノール樹脂系、エポキシ樹脂系およびアクリル樹脂系のバインダーである。フェノール樹脂系バインダーは、フェノール樹脂の水溶液であり、当該技術分野においてよく知られた材料である。フェノール樹脂とはフェノールとホルムアルデヒドとの初期縮合体である。本発明で使用するフェノール樹脂系バインダーは、フェノール樹脂などの樹脂を主体とするが、その他尿素樹脂やシランカップリング剤、特にアミノシランカップリング剤を併用することが好ましいが、低分子量のその他の添加剤は、最終的に得られる真空断熱材中でガス化しやすいことから使用量は少ないことが好ましい。
バインダーはグラスウールの製造に引き続きスプレーなどでグラスウールに付与するとともに、該グラスウールを加圧して所定の密度および厚みとするとともに加熱してバインダーを硬化させてマット状(積層体)とする。バインダーをグラスウールに付着させる方法、マット化する方法、バインダーを硬化させる方法などは当該技術分野においてよく知られた方法でよく、前記加圧はグラスウール(マット)を150〜500kg/m3の範囲の密度となるように圧縮することが好ましい。上記密度が150kg/m3未満であると、得られる芯材の表面平滑性が劣るため真空断熱材としたときの表面平滑性が劣り、箱体などに充填したときに箱体壁面との間に隙間が生じ熱性能が劣り好ましくない。一方、密度が500kg/m3を超えると設備が大掛かりとなるだけでなく繊維が材料破壊されて粉状となり、かえって真空断熱材の熱性能が得られず好ましくない。
上記バインダーのグラスウールマットに対する付着量は、バインダーを含むグラスウールマットを100質量部としたとき、固形分で0.2〜10質量部を占める量であることが好ましく、さらには0.5〜3質量部であることがより好ましい。バインダーの固形分付着量が0.2質量部未満であると、バインダーの付着によって得られるマットが嵩張り、かつ該マットが柔軟性を有するため、該マットからなる芯材を真空断熱材の外被材内に充填しにくくなって好ましくない。一方、上記付着量が10質量部を超えると、過剰のバインダーがグラスウールに付着することにより、該グラスウールからなる芯材から、真空断熱材中においてガスが発生じ易くなり、結果として真空断熱材の断熱性能が劣ることになって好ましくない。
本発明の真空断熱材用芯材は、上記のようにして得られたグラスウールマットをさらに350℃を超え600℃以下の温度で加熱することを特徴とする。特に好ましい加熱温度は400〜500℃である。加熱温度が350℃以下では、有機バインダーがグラスウールマット(芯材)100質量部あたり約1質量部を超える割合で残り、マットに付着しているバインダー中の低分子量成分などの揮散除去は不十分であり、長期の熱性能が低下するなどの不都合が生じる場合がある。一方、加熱温度が600℃を超えると、加熱のためのエネルギーコストがかかり、経済的に好ましくなく、また、バインダーが殆ど残らないので芯材の強度が低下して取扱性に劣る場合や、逆にガラス同士が完全に融着してしまい、この場合には強度が向上するものの真空断熱材としたときの熱性能が劣り好ましくない。
なお、上記加熱温度を400〜500℃の範囲とすることで、バインダーの付着量がグラスウールマット(芯材)100質量部あたり1質量部以下となり、グラスウールの一部が相互に融着するので、残存有機バインダー量が少ないが、上記ガラス繊維の部分的な融着によって得られる芯材の良好な取扱性を維持することができる。従って本発明においては芯材中の残留バインダー量はマット(芯材)100質量部あたり1質量部以下、好ましくは0.1〜0.5質量部の範囲が好ましい。なお、このような加熱は、ロールやコンベア装置を備えた通常の加熱炉を用いて、電気加熱、灯油、ガスなどの燃焼加熱によって行なうことができる。
また、本発明においては前記マットの加熱時間も重要であり、加熱温度が600℃付近でも5分間以上の加熱が必要であり、また、加熱温度が350℃付近では30分間程度が必要である。従って本発明においては、加熱温度が前記範囲の場合に5〜30分の加熱時間が好ましい。
さらに好ましい加熱条件は、前記積層体の加熱時間をM(分)とし、前記積層体の加熱温度をT(℃)としたとき、下記式1を満たすことが好ましい。
M×T=2,000〜12,000 (式1)
上記値が2,000未満であるとマットに付着しているバインダーの揮散除去が不十分であり、グラスウールマット(芯材)100質量部あたり1質量部を超えてバインダーが残り、真空断熱材の芯材として用いた場合、該真空断熱材を高温雰囲気で使用すると、残存バインダーのガス化による真空断熱材の断熱性が低下する場合がある。一方、上記値が12,000を超えると、加熱のためのエネルギーコストがかかり、経済的に好ましくなく、また、バインダーが殆ど揮散し、グラスウールの一部が融着するものの、芯材の強度が低下して取扱性に劣る場合や、逆にガラス同士が完全に融着してしまい、この場合には強度が向上するものの真空断熱材としたときの熱性能が劣り好ましくない。
なお、前記式1における値が6,000〜10,000の範囲においては、残留バインダーの量がマット(芯材)100質量部あたり0.1〜0.5質量部となり易く、グラスウールの一部が相互に融着された状態であり、しかも少ないバインダーの残存量であるため、得られる芯材は取扱性が良好であり、得られる真空断熱材は熱性能に優れる。
本発明は、グラスウールマットを加熱することで、マットに付着したバインダーを固形分で元の質量の50質量%以上減少させることが好ましい。上記減少率が50質量%未満であると、前記加熱における熱量が少ないため、バインダーが燃焼することによる燃焼熱を利用して効率よくバインダー成分を減少させることができないばかりか、バインダーの低分子量成分などの揮発成分が除去されず、得られる真空断熱材の熱性能が劣るために好ましくない。
本発明の真空断熱材は、上記本発明の製造方法によって得られる芯材を真空断熱材用外被材内に封入することによって得られる。真空断熱材用外被材としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの樹脂フィルムにアルミニウム箔をラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウムを蒸着したものなどが好ましく用いられる。
また、真空断熱材の製造方法自体は公知の方法でよい。一例を示すと、上型と下型とからなり、何れか一方に真空ポンプによって排気される排気口を有する型を用意し、該型の上型および下型で形成されるキャビティ内面に、一方が排気および封止用チューブを有すガスバリア性外被材、例えば、アルミニウム蒸着高密度ポリエチレンフィルムを配置し、その間に本発明の真空断熱材用芯材を配置した後、型を閉じて上下2枚の外被材の周辺部を融着させ、上記チューブを介して脱気して、ガスバリア性外被材の内圧を10.0Pa以下にしつつ、その後上記チューブを封止し、脱型することにより、真空断熱材が得られる。得られる真空断熱材のサイズや厚みなどは用途によって任意に変化させることができる。
前記真空断熱材の密度は150〜300kg/m3であることが好ましい。真空断熱材の密度が150kg/m3未満であると、その後真空断熱材の厚みが減少しやすくなり、箱体などに真空断熱材を充填した後、隙間が生じて好ましくなく、一方、上記密度が300kg/m3を超えると質量が増し、コスト的に不利であるばかりでなく、固体の熱伝導度が増し熱性能が劣り、好ましくない。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
平均繊維径4μmのグラスウールに、固形分2質量%のフェノール樹脂バインダー水溶液をエアーとの二流体方式で噴霧し、厚み方向に均一にバインダーが付着した状態で積層されたマット(500×1,500mm)を、熱風通過式オーブンにて上下のコンベアーにて圧縮密度150kg/m3で挟み込みながら250℃、オーブン滞留時間約30秒間の条件で加熱加圧して、バインダー付着量がグラスウール100質量部あたり固形分で2質量部の無機繊維積層体(マット)を得た。さらにこの無機繊維積層体を表1に示す通り、500℃20分で加熱処理して真空断熱材用芯材を得た。加熱後のバインダー付着量は、グラスウールマット100質量部あたり0.2質量部であった。
上記の芯材を2プライに積層し、真空断熱材用のガスバリアー性の高い袋状外被材内に挿入し、真空シール装置にて袋内の圧力が1.0Paとなるようにガスを吸引した後に、袋の開口部を加熱圧着し、厚さ11mm、密度207kg/m3の本発明の真空断熱材を得た。この真空断熱材の芯材の取扱性、ガラス繊維の融着状態、初期熱伝導率(λ)、加速試験後の熱伝導率(λ)、表面平滑性、および真空断熱材としての品質の合否を下記表1に記載した。
実施例2〜7、比較例1〜5
下記表1に記載の条件で実施例1と同様にして実施例2〜7および比較例1〜5の真空断熱材を作製し、それらの性能を調べ、表1に記載の結果を得た。
Figure 2006316901
Figure 2006316901
1.<加熱処理>
300℃以下の加熱処理は熱風循環式電気加熱炉で行ない、300℃を超える加熱処理は、輻射式電気加熱炉で行なった。300℃までの加熱処理には熱風循環式の加熱炉が使用可能であり、比較的均一に加熱することができるが、輻射式の加熱炉は表面のバインダーが減量し易い傾向がある。
2.<加熱後バインダー固形分付着量(部)>
芯材を500℃30分間加熱し、加熱前の芯材の質量と加熱後の芯材の質量を測定し、その差を固形分付着量とした。
3.<芯材の取扱性>
芯材は、実際の真空包装作業時に取扱いしやすいことが重要であり、垂れ試験結果により判断した。垂れ試験は、縦1,500mm×横500mmの真空断熱材用芯材を、45°に傾斜した斜面に送り、該芯材の進行方向先端が該斜面に接したときの該芯材の先端における斜面の点と傾斜点(傾斜が始まる点)との距離を測定した。
垂れ試験測定結果
◎:400mm以上
○:300mm以上400mm未満
△:200mm以上300mm未満
×:200mm未満
4.<ガラス繊維の融着状態>
SEMにてグラスウール同士の交点を観察し融着数と融着の度合いを観察した。
5.<λ>
熱伝導率計による平均温度25℃における熱伝導率。
6.<初期λ>
真空包装形成後、常温で保持して72時間以内に測定した熱伝導率。
7.<加速試験後λ>
真空断熱材を70℃、50%RHで2ケ月間恒温恒湿槽に保持した後に測定した熱伝導率。
8.<表面平滑性>
縦1,500mm×横500mmのサイズの真空断熱材の表面平滑性。
◎:凹凸が少なく、凹部の深さが1mm未満であるもの
○:凹凸が僅かにあり、凹部の深さが1mm以上2mm未満であるもの
△:凹部の深さが1mm以上2mm未満であるが、部分的に深さ2mm
以上あるもの
×:凹凸が大きく、凹部の殆どが深さ2mm以上あるもの
9.<真空断熱材の合否の判定>
◎:優れる
○:合格
×:不合格
以上の表1に記載の通り、本発明の真空断熱材は、芯材の取扱性が良好であるとともに、加速試験後λが3mW/mK以下となっており、長期にわたり優れた断熱性能を有することが明かである。
本発明によれば、真空断熱材の芯材として、有機バインダータイプの芯材を使用しても、真空断熱材中におけるガスの発生が極めて少なく、長期にわたり断熱性に優れ、真空断熱材を製造する際の作業性にも優れた真空断熱材用芯材を、生産コスト的に有利に提供することができる。

Claims (10)

  1. 無機繊維に有機バインダーを付与した後、加熱硬化して無機繊維積層体とし、該無機繊維積層体をさらに350℃を超え600℃以下の温度で加熱することを特徴とする真空断熱材用芯材の製造方法。
  2. 前記無機繊維積層体における有機バインダー付着量が、該無機繊維積層体を100質量部としたとき固形分で0.2〜10質量部である請求項1に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
  3. 前記無機繊維積層体の加熱温度が、400〜500℃である請求項1または2に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
  4. 前記無機繊維積層体の加熱時間が、5〜30分である請求項1〜3の何れか1項に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
  5. 前記無機繊維積層体の加熱時間をM(分)とし、無機繊維積層体の加熱温度をT(℃)としたときの前記無機繊維積層体の加熱条件が、下記式1を満たす請求項1〜4の何れか1項に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
    M×T=2,000〜12,000 (式1)
  6. 前記無機繊維積層体を加熱することにより、該積層体の有機バインダー付着量を固形分で元の質量の50%以上減少させる請求項1〜5の何れか1項に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
  7. 前記無機繊維に有機バインダーを付与した後、密度を150〜500kg/m3となるように加圧する工程、および加熱工程を経て無機繊維積層体とする請求項1〜6の何れか1項に記載の真空断熱材用芯材の製造方法。
  8. 外被材内に請求項1〜7の何れか1項に記載された方法で得られた芯材を封入してなることを特徴とする真空断熱材。
  9. 真空断熱材の密度が、150〜300kg/m3であり、前記芯材における有機バインダーの付着量が1質量%以下である請求項8に記載の真空断熱材。
  10. 前記芯材を構成する無機繊維がグラスウールであり、該芯材における無機繊維同士の少なくとも一部が僅かに融着している状態で結着している請求項8または9に記載の真空断熱材。
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