JP2006316622A - 旋回作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行装置3上に旋回台4を上下方向の軸心X回りに回動自在に備え、この旋回台4上の後部にボンネット15を、前部にキャビン21をそれぞれ備え、前記ボンネット15はキャビン21の後下部が搭載される前部カバー45と開閉可能な後部カバー46とそれらの間の側部カバー47とを有している。前記側部カバー47の後部に後部カバー46の側面形状に沿う弯曲板部47Bを形成し、側部カバー47の前部に前記弯曲板部47Bから外側に張り出してキャビン21の外側面に略連なる膨出部47Aを形成している。前記膨出部47Aは、弯曲板部47Bの前縁から左右外側に屈曲し、さらに前側に屈曲してキャビン21の側部外装パネル57と略連なる外側面を形成する。
【選択図】図1
Description
キャビンを搭載した旋回作業機としては下記特許文献1に開示されているものがあり、この技術では、旋回台上にキャビンを搭載したときに、このキャビンの外装パネルの内側にボンネットに接当するシール材を設け、前記外装パネルによりシール材を覆い隠すことによって外観を損なわないようにしたものとなっている。
特に、旋回作業機のボンネットは全体的に丸味をおびた曲面形状となっているため、取付板を曲面にあわせて正確に形成しなければボンネットの側面との隙間が不均一となり、この隙間を埋めるシール材のシール性にも悪影響を及ぼすものであった。
キャビンは、通常、略直方体の箱形に形成されているため、丸みを帯びたボンネットの曲面形状との境界部分で外形が不連続となり、この不連続な部分で生じる隙間を埋めるようにキャビンの外装パネルを部分的に追加する等の措置が必要であり、コスト的にも不利であった。また、キャビンとボンネットとの境界面(合わせ面)が曲面となるために、その間に確実なシールを施すのが困難となっていた。
また、簡単な構成によってボンネットとキャビンとの間で連続的な外観を得られるようにすることを目的とする。
第1に、走行装置3上に旋回台4を上下方向の軸心X回りに回動自在に備え、この旋回台4上の後部にボンネット15を、前部にキャビン21をそれぞれ備え、前記ボンネット15はキャビン21の後下部が搭載される前部カバー45と開閉可能な後部カバー46とそれらの間の側部カバー47とを有しており、
前記側部カバー47の後部に後部カバー46の側面形状に沿う弯曲板部47Bを形成し、側部カバー47の前部に前記弯曲板部47Bから外側に張り出してキャビン21の外側面に略連なる膨出部47Aを形成しており、
前記膨出部47Aは、弯曲板部47Bの前縁から左右方向外側に屈曲し、さらに前側に屈曲してキャビン21の側部外装パネル57と略連なる外側面を形成している。
第3に、前記膨出部47Aをボンネット15の高さ全体に形成し、その上端面をボンネット15の上面に位置させている。
第4に、前記膨出部47Aの外側面を側面視において、ボンネット15の後下部の傾斜に連なるように前下がり状に傾斜している。
本発明にかかる旋回作業機は、走行装置上に旋回台を上下方向の軸心回りに回動自在に備え、この旋回台上の後部にボンネットを、前部にキャビンをそれぞれ備え、該キャビンの側部外装パネルの内側にシール受部材を設け、このシール受部材とボンネット前面との間にシール材を設け、このシール材の左右外側方およびボンネットの左右外側方を覆うように前記外装パネルの後縁を後方へ延設していることを特徴とするものである。
このような構成を採用することによって、外装パネルによりシール材の左右外側方を覆って外観を良好にできるとともに、外装パネルとボンネット側面との隙間から水が浸入したとしても直接シール材にかかることはほとんどなく、好適にシール性を確保できる。
このような構成を採用することによって、キャビンの外装パネル等の形状をボンネットの曲面に合わせて形成する必要が無くなり、ボンネットとキャビンとの境界部分で略連続的な外観を簡単且つ安価に得ることができるようになる。
前記ボンネットの前面は平坦面に形成していることが好ましく、この平坦面にキャビンとの間のシール材を当接することによって良好なシールを行うことができる。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態にかかる旋回作業機1は、左右一対のクローラ走行体2を有する走行装置3の上部に、旋回ベアリングを介して上下方向の軸心X回りに回動自在に旋回台4を搭載したものとなっており、この旋回台4の前端部には作業装置5が設けられている。
作業装置5は、旋回台4の前端部に左右揺動自在に取り付けられたスイングブラケット12と、このスイングブラケット12に上下揺動自在に連結されたブーム6と、このブーム6の先端に上下揺動自在に連結されたアーム7と、このアーム7の先端に上下回動自在に連結されたバケット8とを有する掘削作業装置とされており、上記スイングブラケット12、ブーム6、アーム7およびバケット8は、それぞれ油圧シリンダ13、9、10、11によって作動するようになっている。なお、この作業装置5は、上記バケット8に代えてブレーカ等の他の機器を取り付けたものとしても良い。
旋回台4は、平面視で左右側部及び前部が直線状に形成され、後端部が円弧状に形成されており、この後端部は走行装置3から後方に突出している。旋回軸心Xは、旋回台4の前後中央よりも前寄りに配設され、旋回台4を左右横向きに旋回したときにも、旋回台4の後端部が走行装置3から左右に突出するようになっている。運転席16は旋回軸心Xの後側であって、旋回台4の前後及び左右のほぼ中央部に配設されている。
図4及び図7に示すように、ベースフレーム23の後部上面にはエンジン27が横置きに搭載され、エンジン27の左右一方(右側)に油圧ポンプ28が直結され、左右他方(左側)にファン29およびラジエータ30が配設されている。本実施形態では、吸い込み式のラジエータ30が採用されており、左右各側部ウエイト25には、外気の流入口31および吐き出し口32(図5及び図6参照)が形成されている。
旋回軸心X位置にはスイベルジョイント39が配設され、その近傍に旋回モータ37が配設されており、操縦フロア17の前部左側には各油圧アクチュエータ13、9、10、11等を制御する制御弁38が配設されている。
前記ボンネット15は、合成樹脂製又は金属製によって形成され、主としてエンジン27、ラジエータ30、油圧ポンプ28等の外方を覆うものであり、前部カバー45と、後部カバー46と、側部カバー47とから構成されている。前部カバー45及び後部カバー46は、旋回台4の略全体にわたる左右幅を有し、前部カバー45は旋回台4に固定され、後部カバー46はその前端上部を支点として上方に跳ね上げ可能とされた開閉カバーとなっている。
前記キャビン21は、旋回台4と左右略同幅に形成されており、この旋回台4の前端部からボンネット15上にかけてアーチ状(略U字状)に形成された主枠50を左右両側に備えている。左右主枠50の前後支柱50A、50Bの下端部同士は連結部材51により連結され、上部間には天井部52が設けられている。
キャビン21の左側面には、その前後中途部に中間支柱53が上下方向に設けられ、この中間支柱53の前側がキャビン21への出入り口54とされ、この出入り口54を開閉するドア55が中間支柱53に揺動自在に取り付けられている。
キャビン21の前面及び後面にはそれぞれフロントガラス58、リヤガラス59が設けられている。
キャビン21の右側面では、主枠50の前後支柱50A、50B間に横梁部材60が架設され、この横梁部材60の上側にはサイドガラス56が設けられ、下側に外装パネル57が設けられている。
支持板61は横長の帯板形状であり、その左右両側が脚部62を介してベースフレーム23又はウエイト24に支持されている。
また、支持板61には、ヒンジ部材63を介して後部カバー46の前上部が回動自在に支持されている。
図8〜図10に示すように、側部カバー47は、その前縁部に左右外側に張り出す膨出部47Aを備え、この膨出部47Aの後側は、後部カバー46の側面形状に沿うように下方外広がり状の曲面で形成された湾曲板部47Bとなっており、両者は一体に成型されている。膨出部47Aは、湾曲板部47Bの前縁から左右外側に屈曲し、さらに前側に屈曲し、さらに左右内側に屈曲することによって断面コ字形に形成されている。また、膨出部47Aはボンネット15の高さ全体に形成され、その上端面がボンネット15上面に位置している。
また、側部カバー47に膨出部47Aを形成することによりボンネット15側をキャビン21の形状に合わせるようになっているため、ボンネット15側面の曲面形状に応じてキャビン21の外装パネルを切り欠いたり、追加のパネル等を設ける必要もなく、また、ボンネット15の曲面とキャビン21との間でシールを施すことも避けることができるようになる。
具体的には、図1のA−A矢示部分を示す図8の如く、キャビン21の側部外装パネル57の内側には、左右内方に突出するシール受部材65が設けられ、このシール受部材65と前部カバー45の前面45Aとの間にシール材66が設けられ、両者間の水等の浸入が阻止されている。
このため、シール材66は左右外方に露出せず、外観を損なうことがない。また、側部外装パネル57の後縁57Aと側部カバー47の前面(膨出部47Aの前面)との間には僅かに隙間67が設けられているが、この隙間67からシール材66へに至るまでの間には略L字状のラビリンス構造80が形成されているために、隙間67から水が浸入したとしても直接シール材66にかかることはほとんどなく、シール性を好適に維持できるようになっている。
なお、上記側部カバー47及び前部カバー45とは別々の部材によって構成し、両者の間にはシール材を介在させているが、両者45、47を一体に形成することも可能である。
また、ボンネット15側のシール面45Aが平坦面となっているため、シール受部材65も平坦な面に形成することができ、両者の隙間を均一にすることが容易に可能となる。このため、確実なシールを施しやすくなっている。
前記操縦フロア17は、操作部カバー70を囲むかたちで運転席16の前側全体を覆うようになっており、その前端の左右両側は前上方に傾斜し、作業者の足置きとされている。また、この傾斜部分17Aの下方には上下に広い空間が形成され、該空間に制御弁38が配設されている。
一方、旋回台4の左側に配設された作動油タンク41は、図4に示すようにその後部側がボンネット15の範囲に配設され、前部側がキャビン21の範囲に配設され、この作動油タンク41の前側に配設された外置きのリターンフィルタ43は、操縦フロア17の下方に配設されている。
また、図13に示すように、ボンネット15の左側の側部カバー47を取り外すことによって、作動油タンク41の後部側が露出可能となっており、これによってサクションホース42との接続部やサクションフィルタの点検等が可能となっている。
図4、図6及び図7に示すように、燃料タンク40は旋回台4の右側に配設されており、この燃料タンク40は、作動油タンク41に比べてメンテナンス頻度が少ないために、キャビン21の反出入り口54側であってもさほど支障はない。また、作動油タンク41の左右反対側に燃料タンク40が配設されるために旋回台4の左右バランスを好適に図ることができるようになっいる。
燃料タンク40の上膨出部40Cには後上方に指向する給油筒72が突設され、この給油筒72には可撓性を有する延長管73の前端が接続され、延長管73の後端は支持板61の脚部62にブラケット等を介して支持されたL字状の給油管74の前端に接続されている。
本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく特許請求の範囲から逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
キャビン21は、旋回台4の左右略全幅にわたるものとしているが、旋回台4が比較的大きくて運転席が旋回台4の左右一側に配置されている場合には、旋回台4よりも小幅のキャビン21を旋回台4の左右一側に偏心して設けてもよい。
3 走行装置
4 旋回台
15 ボンネット
21 キャビン
45 前部カバー
45A 前面
47 側部カバー
47A 膨出部
57 側部外装パネル
57A 後縁
65 シール受部材
66 シール材
X 旋回軸心
Claims (4)
- 走行装置(3)上に旋回台(4)を上下方向の軸心(X)回りに回動自在に備え、この旋回台(4)上の後部にボンネット(15)を、前部にキャビン(21)をそれぞれ備え、前記ボンネット(15)はキャビン(21)の後下部が搭載される前部カバー(45)と開閉可能な後部カバー(46)とそれらの間の側部カバー(47)とを有しており、
前記側部カバー(47)の後部に後部カバー(46)の側面形状に沿う弯曲板部(47B)を形成し、側部カバー(47)の前部に前記弯曲板部(47B)から外側に張り出してキャビン(21)の外側面に略連なる膨出部(47A)を形成しており、
前記膨出部(47A)は、弯曲板部(47B)の前縁から左右方向外側に屈曲し、さらに前側に屈曲してキャビン(21)の側部外装パネル(57)と略連なる外側面を形成していることを特徴とする旋回作業機。 - 前記後部カバー(46)の側面と側部カバー(47)の弯曲板部(47B)とを下方外広がり状の曲面に形成しており、前記膨出部(47A)は、前記外側面を略垂直に形成し、この外側面からさらに左右方向内側に屈曲して断面コ字形に形成していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
- 前記膨出部(47A)をボンネット(15)の高さ全体に形成し、その上端面をボンネット(15)の上面に位置させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機。
- 前記膨出部(47A)の外側面を側面視において、ボンネット(15)の後下部の傾斜に連なるように前下がり状に傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の旋回作業機。
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