JP2006316159A - ポリオレフィン製造用重合装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遷移金属成分を含む固体触媒成分等を用いた多段重合反応を含んだ重合反応系における、従来知られていた重合プロセスの制約を取り払った広範な条件での運転が可能なポリオレフィン製造用重合装置の提供。
【解決手段】重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)、および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成された、遷移金属成分を含む固体触媒を用いたオレフィンの重合反応を液相で行うための重合装置であって、重合反応器には重合用の固体触媒成分が回分式に導入され、固体触媒成分以外の原料が連続的に導入ならびに導出され、重合反応中に固体触媒成分および生成した重合体が重合系内から導出不能となるように液体サイクロンを備えてなることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置。
【選択図】図1
【解決手段】重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)、および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成された、遷移金属成分を含む固体触媒を用いたオレフィンの重合反応を液相で行うための重合装置であって、重合反応器には重合用の固体触媒成分が回分式に導入され、固体触媒成分以外の原料が連続的に導入ならびに導出され、重合反応中に固体触媒成分および生成した重合体が重合系内から導出不能となるように液体サイクロンを備えてなることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、遷移金属触媒成分を含有する固体触媒を用いるポリオレフィン製造用重合装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法に関し、詳しくは、遷移金属触媒成分を含有する固体触媒を用い、実質的に単一の重合反応器により広範な重合条件の付与を可能とするポリオレフィン製造用重合装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
遷移金属成分を含有する固体触媒を用いてオレフィン類、例えば、エチレン、プロピレンなどを重合する方法は、広く一般的に知られている。これらのオレフィンの重合方法としては、不活性炭化水素溶媒中で重合を行うスラリー重合法、液化プロピレン等液化単量体中で重合を行うバルク重合法、実質的に液相の不存在下に気相中で重合を行う気相重合法等がある。
また、重合様式による分類としては、連続的に固体触媒成分とモノマー成分や有機アルミニウム成分などを反応系に投入し、重合したポリマー粒子を連続的に取り出す連続重合法、固体触媒成分や必要な原料成分一式をまとめて反応器に仕込んで反応させ、重合が終了したのちに系外へ取り出すバッチ重合法、そして、触媒成分は、バッチ式に仕込む一方で重合反応の進行に並行して原料などを反応器へ供給するセミバッチ重合法などがある。
これらの技術に関しては、既に各種文献等で詳細に説明され(例えば、非特許文献1参照。)、また、セミバッチ重合法によるプロピレン共重合体の製造方法が実施例に記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなオレフィン類の重合においては、樹脂としての加工特性や製品の各種物性を制御するために、複数のモノマー成分を用いた共重合や、水素を連鎖移動剤として用いた分子量の調節が行われている。また、これらの反応性成分濃度や、重合温度、圧力を段階的に変化させる、いわゆる多段重合も広く行われている。これらの手法により、単一の重合条件では得られない分子量分布や樹脂組成分布の調整が可能となり、オレフィン系樹脂が幅広い加工法や用途に賞用される一因となっている。
また、重合様式による分類としては、連続的に固体触媒成分とモノマー成分や有機アルミニウム成分などを反応系に投入し、重合したポリマー粒子を連続的に取り出す連続重合法、固体触媒成分や必要な原料成分一式をまとめて反応器に仕込んで反応させ、重合が終了したのちに系外へ取り出すバッチ重合法、そして、触媒成分は、バッチ式に仕込む一方で重合反応の進行に並行して原料などを反応器へ供給するセミバッチ重合法などがある。
これらの技術に関しては、既に各種文献等で詳細に説明され(例えば、非特許文献1参照。)、また、セミバッチ重合法によるプロピレン共重合体の製造方法が実施例に記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなオレフィン類の重合においては、樹脂としての加工特性や製品の各種物性を制御するために、複数のモノマー成分を用いた共重合や、水素を連鎖移動剤として用いた分子量の調節が行われている。また、これらの反応性成分濃度や、重合温度、圧力を段階的に変化させる、いわゆる多段重合も広く行われている。これらの手法により、単一の重合条件では得られない分子量分布や樹脂組成分布の調整が可能となり、オレフィン系樹脂が幅広い加工法や用途に賞用される一因となっている。
ところで、このような多段重合を連続重合法に適用しようとすれば、その重合段数に対応するだけの反応器を直列に接続したプロセスが必要となる。また、この場合、前段の反応器へ投入した原料等が後段の反応器へ流入するため、例えば、後段側のエチレンや水素の濃度を低下させた重合を行う場合には、その間に大量のパージを行うか、大量のモノマー供給により当該成分濃度を希釈する、あるいは特定の成分を分離除去するためのプロセスを設置する必要がある。これらの事情より、既存の重合プロセスについては運転可能な条件範囲に制約が存在することになり、また対応するプロセスを新たに設置する場合にはその建設費と運転費を含む経済的な問題を解決する必要がある。
一方、セミバッチ重合法およびバッチ重合法で多段重合を行う場合には、反応器は単一で重合は可能であるが、経済性もしくは操作上の観点から、基本的に装入した原料や触媒成分は反応の途中で取り出すことはせず、反応による消費以外では濃度を低下させる調整は実質的に困難である。また、バッチ重合法の場合には、反応で消費されたり生成される物質が存在する場合に、それらの成分濃度を一定で制御する運転は一般に困難である。例えば、エチレンとプロピレンの共重合をバッチ重合法で行う場合、両モノマーの共重合性により重合転化率の上昇とともにモノマー組成は初期より順次変化してしまう。これをセミバッチ重合で行い、反応条件を一定に制御しようとすれば、重合で消費されたモノマー成分を正確に追加することが必要となる。また、いまひとつの例としては、重合中に水素を発生する触媒系を用いた場合等における分子量制御の問題を挙げることができる。水素は連鎖移動剤としての働きを有することから、これらの系においてバッチ重合あるいはセミバッチ重合を行い所望の分子量を有するポリマーを得ることは極めて困難となる。
以上のように、従来用いられてきた重合プロセスは、必ずしも任意の多段重合に好適とは言えなかった。ところで、広く知られている通り、最近の所謂メタロセン系触媒の進歩により、従来のチーグラー系触媒に比べて分子量分布や組成分布がシャープなオレフィン系ポリマーの重合が可能となり、実用化が進んでいる。このような触媒系を用いて、加工性や各種の製品物性を好ましく制御するためには、多段重合を含んだ重合条件の最適化が重要な課題となる。このことから、従来知られていたプロセスの制約を取り払った広範な条件での運転が可能な重合プロセスが望まれてきた。
日本化学会編"重合プロセス技術 1994" 特開平5−117342号公報
日本化学会編"重合プロセス技術 1994"
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、遷移金属成分を含む固体触媒成分等を用いた液相重合反応を含んだ重合反応系における、従来知られていた重合プロセスの制約を取り払った広範な条件での運転が可能なポリオレフィン製造用重合装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、遷移金属成分を含む固体触媒成分を用いた液相で行なうオレフィン重合反応系で、固体触媒成分及び生成した重合体のみを導出不能にし、他の原料の導入、導出を自由にすることで、重合プロセスの制約を取り払った広範な条件での運転が可能なポリオレフィン製造用重合装置が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、遷移金属成分を含む固体触媒を用いたオレフィンの重合反応を液相で行うための重合装置であって、重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)、および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成されており、重合反応器には重合用の固体触媒成分が回分式に導入され、固体触媒成分以外の原料が連続的に導入ならびに導出され、重合反応中に固体触媒成分および生成した重合体が重合系内から導出不能となるように液体サイクロンを備えており、触媒導入後に重合反応器系の原料組成を任意に制御できる、もしくは経時的に変更して経時的に異なる組成の重合体を精度高く制御して得ることが可能であることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、重合反応器系が、反応温度を制御するための熱交換器と、攪拌機構を備えた槽型反応器であることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、重合反応器系における液体サイクロンが、50%分離粒子径(D50)が100ミクロン以下となるような操作条件で用いられることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置が提供される。
また、第1〜3のいずれかの発明のポリオレフィン製造用重合装置を用いてオレフィンを重合することを特徴とするポリオレフィンの製造方法が提供される。
本発明のポリオレフィン製造用重合装置によれば、液相重合反応における原料組成を任意に制御でき、いわゆる多段重合を含んだ経時的に異なる原料組成で重合を行う等の場合において、精度高くかつ広範な条件下でポリオレフィンを製造できる。
以下、本発明で用いる遷移金属成分を含む固体触媒成分、重合に用いる供給原料、ポリオレフィン製造用重合装置、重合プロセス、それを用いたポリオレフィンの製造方法について詳しく説明する。
1.固体触媒成分
本発明におけるオレフィン重合用の遷移金属成分を含む固体触媒成分としては、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与成分を含有するものや三塩化チタンを主成分とするチーグラー系触媒、および適当な担体を用いたメタロセン系触媒を挙げることができる。これらの固体触媒成分は、一般には粒子径が1ミクロンから3000ミクロン、好ましくは5ミクロンから1000ミクロンの範囲に制御される。
本発明におけるオレフィン重合用の遷移金属成分を含む固体触媒成分としては、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与成分を含有するものや三塩化チタンを主成分とするチーグラー系触媒、および適当な担体を用いたメタロセン系触媒を挙げることができる。これらの固体触媒成分は、一般には粒子径が1ミクロンから3000ミクロン、好ましくは5ミクロンから1000ミクロンの範囲に制御される。
具体的な遷移金属成分を含む固体触媒成分としては、(i)触媒成分自体を粒径制御して得られたいわゆるソルベー型の三塩化チタン(特開昭47−34478号公報等に記載の成分)、(ii)マグネシウム化合物を溶解析出により粒子径制御し、さらにチタン化合物を含有させることにより得られるマグネシウム担持型の固体触媒成分(例えば、特開昭58−157808号公報、特開昭58−83006号公報、特開昭58−5310号公報、特開昭61−218606号公報等に記載の成分)、(iii)粒径制御されたシリカ、シリカアルミナ、粘土鉱物、酸化マグネシウム等の無機酸化物や、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等からなる粒径制御されたポリマー粒子に代表される粒状の有機化合物に、チタン化合物、ジルコニウム化合物、クロム化合物、メタロセン化合物、周期表第8〜10族の有機金属錯体、有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持した、いわゆる担体担持型触媒成分(例えば、特開平5−295022号公報等に記載の成分)が挙げられ、これらの中でも、メタロセン系触媒成分が好ましい。
また、これらの固体触媒成分は、少量のモノマーで予備重合した、予備重合済みの固体触媒成分を好適に用いることができる。
また、これらの固体触媒成分は、少量のモノマーで予備重合した、予備重合済みの固体触媒成分を好適に用いることができる。
2.固体触媒成分以外の原料
本発明の重合装置に用いる固体触媒成分以外の原料は、重合体を構成する原料のオレフィン成分、助触媒或いは触媒毒となる水分や活性化合物を不活性化する成分として用いる有機金属化合物、分子量制御剤、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種添加剤が使用される。
本発明の重合装置に用いる固体触媒成分以外の原料は、重合体を構成する原料のオレフィン成分、助触媒或いは触媒毒となる水分や活性化合物を不活性化する成分として用いる有機金属化合物、分子量制御剤、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種添加剤が使用される。
原料のオレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテンなどが挙げられる。本発明においては、上記オレフィン成分の単独、または共重合を行うことができる。尚、共重合の場合は、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、メチル−1,7−オクタジエン、等のジエン化合物を少量共重合することも、含むものとする。
助触媒或いは触媒毒となる水分や活性化合物を不活性化する成分として用いる有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。有機アルミニウム化合物としては、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、(ホ)メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサンなどのアルモキサン、(ヘ)メチルボロン酸ジブチル、リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物等が挙げられる。有機マグネシウム化合物としては、ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロリド等が例示される。有機亜鉛化合物としては、ジエチル亜鉛、ジエチル亜鉛と水の反応物、ジエチル亜鉛とフェノールの反応物等も例示される。
分子量制御剤としては、オレフィン重合において広く採用されている水素を用いた分子量の制御方法、Si−H結合を有する化合物、有機金属化合物、たとえば有機亜鉛、有機錫等の連鎖移動剤、も用いることができる。
立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種添加剤としては、有機ケイ素化合物、エステル類、チオエステル類、アミン類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、エーテル類、チオエーテル類、酸無水物、酸ハライド類、酸アミド類、アルデヒド類、有機酸類、アゾ化合物、アルコール類などの電子供与性化合物を例として挙げることができる。
上記有機ケイ素化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、メチル第三ブチルジメトキシシラン、ジ第三ブチルジメトキシシラン、ジ第三ブチルジエトキシシラン、イソプロピル第三ブチルジメトキシシラン、メチル第三ブチルジエトキシシラン、メチル第二ブチルジメトキシシラン、(α,α−ジメチルベンジル)トリエトキシシラン、(2−シクロヘキシルプロピル−2)トリエトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、(α,α−ジメチルベンジル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、(3−エチルペンチル−3)トリエトキシシラン、第三ブチルトリメトキシシラン、第二ブチルトリメトキシシラン、第三ブチルトリエトキシシラン、(2−メチルブチル−2)トリエトキシシラン、イソブチル第二ブチルジメトキシシラン、ジ第二ブチルジメトキシシラン、イソブチルシクロペンチルジメトキシシラン、エチル第三ブチルジメトキシシラン、プロピル第三ブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソプロピル(シクロペンチルメチル)ジメトキシシラン、第三ブチルシクロペンチルジメトキシシラン、第三ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、イソブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、メチルp−トリルジメトキシシラン、メチルo−トリルジメトキシシラン、ジ(p−トリル)ジメトキシシラン、ジ(o−トリル)ジメトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ビス(シクロヘキシルメチル)ジメトキシシランなどを挙げることができる。
上記電子供与性化合物としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリン酸エチル、マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチルなどのモノエステル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル等のジエステルや、芳香族ジカルボン酸エステルとしては、モノエチルフタレート,モノブチルフタレート、モノエチルテレフタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、メチルイソブチルフタレート、などを例示することができる。また、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどのエステル類、安息香酸、p−オキシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸、無水安息香酸、無水p−トルイル酸などの酸無水物も電子供与性化合物として挙げることができる。さらに、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、t−ブチル−n−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、t−アミルエチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテル類、2,2−ジメチル1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、2−イソブチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、ジt−ブチル−1,3−ジプロパンジオールジメチルエーテル等のジエーテル類、が立体規則性の改良のための添加剤として例示される。
また、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどのケトン類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、トルアルデヒド、ベンズアルデド、ナフチルアルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド、ブチリルクロリド、イソブチリルクロリド、2−メチルプロピオニルクロリド、ヘキサノイルクロリド、メチルヘキサノイルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、シクロヘキサンジカルボニルジクロリド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、メチルベンゾイルクロリド、フタロイルクロリド,イソフタロイルクロリド、テレフタロイルクロリド、ベンゼン−1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロゲン化物類、酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、トリブチルアミン、N、N’−ジメチルピペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピロリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、フェノール、ペンタメチルフェノール等のフェノール類は、主に、粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする添加剤として優位に使用される。
3.重合装置
本発明のポリオレフィン製造用重合装置は、重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成される。
図で重合装置の構成を説明する。図1は、本発明の重合装置の基本構成の考え方を説明する概略図である。図1において、(1)は原料供給系、(2)は重合反応器系、(3)は原料パージ系をそれぞれ示す。
原料供給系(1)は、モノマーや助触媒、炭化水素溶媒、ドナーに代表される重合添加成分、および分子量調節剤としての水素等(図1中、原料A〜D…として示す。)の原料供給系であり、重合反応系(2)に連続的に供給される。各原料の供給ラインには、流量を任意に制御するためのコントロールバルブや流量を検出するための流量計を設置してもよい。また、供給流体が液体の場合には、流量の脈動が反応系への影響が無視できる限りにおいて、プランジャーポンプのような容積式ポンプによって供給することもできる。これらの原料供給ラインには、重合反応条件の制御に対応して、熱交換器や調圧弁を設けることにより、予め所定の温度や圧力となるよう、制御を行うことが可能である。
本発明のポリオレフィン製造用重合装置は、重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成される。
図で重合装置の構成を説明する。図1は、本発明の重合装置の基本構成の考え方を説明する概略図である。図1において、(1)は原料供給系、(2)は重合反応器系、(3)は原料パージ系をそれぞれ示す。
原料供給系(1)は、モノマーや助触媒、炭化水素溶媒、ドナーに代表される重合添加成分、および分子量調節剤としての水素等(図1中、原料A〜D…として示す。)の原料供給系であり、重合反応系(2)に連続的に供給される。各原料の供給ラインには、流量を任意に制御するためのコントロールバルブや流量を検出するための流量計を設置してもよい。また、供給流体が液体の場合には、流量の脈動が反応系への影響が無視できる限りにおいて、プランジャーポンプのような容積式ポンプによって供給することもできる。これらの原料供給ラインには、重合反応条件の制御に対応して、熱交換器や調圧弁を設けることにより、予め所定の温度や圧力となるよう、制御を行うことが可能である。
重合反応系(2)は、所定の重合条件に制御するための熱交換器を備えており、系内に1基の重合反応器を備えている。熱交換器の様態としては、反応器本体にジャケットを設置する方法、また、ポンプなどで、反応媒体である液体を循環させ、このライン中に外部熱交換器を設置する方法などが任意に選択できる。反応器の構造としては、反応の均一化と除熱の促進などを目的として、攪拌機構を備えることが有効な手段である。この場合に適用される攪拌翼は任意のものを用いることが可能であり、使用する触媒、重合により生成するポリマー粒子の形態によって自由に選定をしてもよい。
これらの中でも、反応温度を制御するための熱交換器と、攪拌機構を備えた槽型反応器が好ましい。
これらの中でも、反応温度を制御するための熱交換器と、攪拌機構を備えた槽型反応器が好ましい。
固体触媒成分は、重合反応系に回分式に一括で、あるいは重合開始前に全てを供給されるが、このために反応器部に直接導かれるよう触媒シリンダーが具備される。固体触媒成分の供給方法に制限はないが、予め触媒を装填した触媒シリンダーに反応器圧力を超えるよう窒素などの不活性ガスで加圧し、瞬間的にバルブを開放することで所定量の触媒を圧入する方式などが適用できる。尚、目的に応じて、重合途中でさらに回分式に追加で導入することは妨げない。
反応器系へは原料が連続的に供給されるが、装入された固体触媒成分、もしくは生成したポリマー粒子の反応器系からの導出を防止するための液体サイクロンが備えられる。
この液体サイクロンとしては、固体触媒粒子の流出を実質的に防止するために十分小さな分離限界粒径となるよう、適切な形状、サイズ、流量制御が可能な液体サイクロンであり、また重合装置との関係においてそのような制御条件が取りうる設計がなされたものを用いることができる。
従来公知の液体サイクロンは、ガスサイクロンと同様、回転流による遠心力を用い、固体粒子を回収する装置である。与える遠心力が大きいほど、捕集できる粒子径は小さくなるが、粒子捕集の指標として、50%分離粒子径を本発明では用いる(例えば、“化学工学II”、藤田 東畑、東京化学同人 1972、もしくは、“液体サイクロン”、吉岡、日刊工業新聞社 1960)。
ここで、50%分離粒子径(D50)は、次の式(1)で求めることができる。
この液体サイクロンとしては、固体触媒粒子の流出を実質的に防止するために十分小さな分離限界粒径となるよう、適切な形状、サイズ、流量制御が可能な液体サイクロンであり、また重合装置との関係においてそのような制御条件が取りうる設計がなされたものを用いることができる。
従来公知の液体サイクロンは、ガスサイクロンと同様、回転流による遠心力を用い、固体粒子を回収する装置である。与える遠心力が大きいほど、捕集できる粒子径は小さくなるが、粒子捕集の指標として、50%分離粒子径を本発明では用いる(例えば、“化学工学II”、藤田 東畑、東京化学同人 1972、もしくは、“液体サイクロン”、吉岡、日刊工業新聞社 1960)。
ここで、50%分離粒子径(D50)は、次の式(1)で求めることができる。
本発明で用いる液体サイクロンは、固体触媒成分粒子を十分に回収することができる分離粒径で運転することが必要であり、50%分離粒子径(D50)は、好ましくは100ミクロン以下、さらに好ましくは50ミクロン以下となる条件を選定することが望ましい。
分離粒子径を制御するためには、式(1)に示したとおり、液体サイクロン形状の設計による方法と、流入流量を適切に運転する方法を適宜組み合わせて行うことができる。式(1)は、円形配管として流入速度、流出速度を計算しているが、それ以外の形状の配管を用いる場合も、その形状に応じて、その断面積から適宜数学的に変換することが出来るものである。なお、処理量を上げる、もしくは分離の精度を上げるために、複数の液体サイクロンを並列、または直列に接続して用いることも可能である。この場合、最終の液体サイクロン出口でD50が好ましくは100ミクロン以下、さらに好ましくは50ミクロン以下でに制御される。
分離粒子径を制御するためには、式(1)に示したとおり、液体サイクロン形状の設計による方法と、流入流量を適切に運転する方法を適宜組み合わせて行うことができる。式(1)は、円形配管として流入速度、流出速度を計算しているが、それ以外の形状の配管を用いる場合も、その形状に応じて、その断面積から適宜数学的に変換することが出来るものである。なお、処理量を上げる、もしくは分離の精度を上げるために、複数の液体サイクロンを並列、または直列に接続して用いることも可能である。この場合、最終の液体サイクロン出口でD50が好ましくは100ミクロン以下、さらに好ましくは50ミクロン以下でに制御される。
液体サイクロンの具体的な構造としては、例えば、図2に示すような基本構造を有する標準型液体サイクロンを好適に用いることができる。図2において、Doはサイクロン流出口の直径、Dcはサイクロン内筒部直径、Deはサイクロン上昇管の直径、Diはサイクロン流入口の直径、Duはサイクロン下流管の直径、Hrはサイクロンの上流上昇管の長さ、Hcはサイクロンの上流上昇管の上端から円錐部上端までの長さ、Htはサイクロンの円錐部の垂直長さであり、それぞれの寸法比の一例としては、次の値を挙げることができる。
Do=Dc/4、De=Dc/5、Di=Dc/7、Du=Dc/6〜Dc/10、Hr=Dc/2、Hc=Dc、Ht=2.5Dc
Do=Dc/4、De=Dc/5、Di=Dc/7、Du=Dc/6〜Dc/10、Hr=Dc/2、Hc=Dc、Ht=2.5Dc
また、サイクロンの設置位置としては、固体触媒成分を含む微細粒子を反応器に戻す構造がとれさえすれば特に制限はないが、反応器からスラリーを外部に導き、これをスラリーポンプで昇圧して液体サイクロンに導入する方式が好適に用いられる。
液体サイクロンを設けた重合反応器系の具体的な装置の例を図3で説明する。図3は重合反応器として、攪拌機構つきの竪型槽を用い、液体サイクロンを設けた例である。図3において、固体触媒成分6が重合反応器1に供給され、他の原料成分は7から重合反応器1に供給され、液化プロピレンによるバルク重合や不活性炭化水素溶媒を用いたスラリー重合を行う。重合反応器1下部からは固体触媒成分あるいは重合粒子を含んだ懸濁液が抜き出され、スラリーポンプ3で昇圧されて、液体サイクロン5へ導かれる。液体サイクロン5では、固体成分が捕集され、重合反応器1へ戻される。一方、液体サイクロン5上部からは消費されることのなかった剰余の原料が、ライン8を経て原料パージ系へ送られる。重合反応器1、ポンプ3、液体サイクロン5で形成される循環ラインには、重合熱の除熱を行うために、熱交換器4が設定される。なお、除熱のためには、反応器に設置したジャケット2を併せて用いることが可能である。
原料供給系から導入された原料は、液体サイクロンで構成された重合反応系において一部が反応によって消費され、消費分を除いた原料が固体粒子の導出を防止する液体サイクロンを経て反応器外へ導かれ、原料パージ系(3)へ送られる。
原料パージ系(3)では、反応系から流出した原料を廃棄またはリサイクル系へ返還するための後処理を行う。例えば、原料系に含まれている有機アルミニウム成分を不活性化し、重質成分である炭化水素溶媒を軽沸成分である水素やモノマーなどと分離し、適当な処理系へ送るなどの工程である。経済的な観点から、パージ系における原料は精製系へ返還し、リサイクル利用を行うことが望ましい。
4.重合プロセス
本発明の重合装置を用いたオレフィンの重合プロセスにおいては、ヘキサンやヘプタンに代表される不活性溶媒を使用するスラリー重合、液化状態にあるモノマー成分中で重合を行うバルク重合が適用できる。ただし、いずれの場合でも、生成したポリマーは、固体粒子の形態を保持することが可能な反応条件が採用される。
本発明の重合装置を用いたオレフィンの重合プロセスにおいては、ヘキサンやヘプタンに代表される不活性溶媒を使用するスラリー重合、液化状態にあるモノマー成分中で重合を行うバルク重合が適用できる。ただし、いずれの場合でも、生成したポリマーは、固体粒子の形態を保持することが可能な反応条件が採用される。
本重合プロセスにおいては、有機アルミニウム成分や添加剤成分を含んだ原料供給系の流量に比して、重合反応で消費される原料が相対的に小さい場合に、より特徴的な反応様態が達成できる。すなわち、反応系における原料消費量が供給量に対して小さい場合、固体触媒成分に与えられる反応組成は、原料供給系の組成に近似的に等しくなることから、反応時間に対して反応組成を変化させた重合反応を行うには、原料供給系における組成を制御することで対応が可能となる。また、経時的に反応組成を変化させる形態において、よりレスポンス良く組成の制御を行いたい場合には、重合反応系の実質容積を原料供給系の体積流量に対して十分小さくなるよう操作することが望ましい。これは、原料の平均滞留時間を短い条件で運転することに相当する。
本発明における重合反応の特徴を原料系及び反応器系内における、供給原料中の一成分Xの濃度の経時変化を模式的に示した図4を用いて、より具体的に説明する。図4中、(a)は、原料系中のある成分Xの濃度の経時変化を模式的に示したものである。重合反応系に導入される原料Xの濃度は一定である。
図4中、(b)〜(d)は、原料の平均滞留時間が異なった各ケースにおいて、重合反応器中の成分Xの濃度がどのように応答するのかをモデル的に計算した結果を示したものである。
図4(b)は、原料の平均滞留時間が十分に短ければ(平均滞留時間=0.05H)、反応器中の成分Xの濃度は、短時間で原料系中の濃度によく追随するようになる。
図4(c)は、原料の平均滞留時間が少し長くなれば(平均滞留時間=0.1H)、反応器中の成分Xの濃度の原料系中の濃度への追随は少し遅れる。
図4(d)は、原料の平均滞留時間が長くなると(平均滞留時間=0.3H)、反応器中の成分Xの濃度は、原料系における成分Xの濃度を急激に変えても、徐々に変化することになる。
図4中、(b)〜(d)は、原料の平均滞留時間が異なった各ケースにおいて、重合反応器中の成分Xの濃度がどのように応答するのかをモデル的に計算した結果を示したものである。
図4(b)は、原料の平均滞留時間が十分に短ければ(平均滞留時間=0.05H)、反応器中の成分Xの濃度は、短時間で原料系中の濃度によく追随するようになる。
図4(c)は、原料の平均滞留時間が少し長くなれば(平均滞留時間=0.1H)、反応器中の成分Xの濃度の原料系中の濃度への追随は少し遅れる。
図4(d)は、原料の平均滞留時間が長くなると(平均滞留時間=0.3H)、反応器中の成分Xの濃度は、原料系における成分Xの濃度を急激に変えても、徐々に変化することになる。
したがって、これらの特性を予め考慮すれば、経時的に重合反応条件を任意に制御することが可能となり、多段重合をはじめ、時間とともに反応組成を変化させる傾斜組成重合などの実施が可能である。
これらの原料供給量の制御は、適当な流量計と制御弁を組み合わせる方法や、液体の場合は、プランジャーポンプのような容積式ポンプで定流量を送液する方法などを用いることができる。これらの制御は、実際の流量計測値をコンピュータに導き、あらかじめ設定した流量パターンとなるようにシーケンス制御を行わせたり、計測値を用いた演算を施した結果を他の制御系へ適用するなどが可能である。特に、流量計の特性上、流体の温度や圧力によって補正が必要なものは、このような演算をコンピュータによりリアルタイムで行ってより精度の高い運転を行うことが可能である。
なお、本発明の重合装置を用いておこなう重合反応は、実質的には回分式で行われるため、重合反応を停止させるためには、原料の送入を停止して原料をパージし系を冷却する方法、あるいは、一酸化炭素もしくは二酸化炭素などの重合停止剤を系に回分式に送入する方法などを用いることができる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。なお、実施例における物性測定法、触媒の調製法は以下の通りである。
1.物性測定法
(1)イオン交換性層状珪酸塩粒子の粒径測定
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を使用して測定した。造粒前のスラリーのイオン交換性層状珪酸塩の測定は、水を分散媒として用い、屈折率1.32、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径(メジアン径)を算出した。造粒後のイオン交換性層状珪酸塩の測定は、エタノールを分散媒として使用して、同様に測定した。
(2)MFR測定
JIS−K−6758により測定したメルトインデックス値を示す。
(3)ポリマーBD
ASTM D1895−69に準拠した、ポリマーの嵩密度を示す。
(4)パウダー粒径の測定
レッチェテクノロジー社製 粒度分布測定装置カムサイザーを使用して測定した。
(5)GPC測定
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnは以下の方法により決定した。ウォ−タ−ズ製GPC150C型の装置と昭和電工製AD80M/Sのカラムを3本使用し、溶媒にオルトジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃で行った。
(1)イオン交換性層状珪酸塩粒子の粒径測定
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)を使用して測定した。造粒前のスラリーのイオン交換性層状珪酸塩の測定は、水を分散媒として用い、屈折率1.32、形状係数1.0として粒径分布および平均粒径(メジアン径)を算出した。造粒後のイオン交換性層状珪酸塩の測定は、エタノールを分散媒として使用して、同様に測定した。
(2)MFR測定
JIS−K−6758により測定したメルトインデックス値を示す。
(3)ポリマーBD
ASTM D1895−69に準拠した、ポリマーの嵩密度を示す。
(4)パウダー粒径の測定
レッチェテクノロジー社製 粒度分布測定装置カムサイザーを使用して測定した。
(5)GPC測定
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnは以下の方法により決定した。ウォ−タ−ズ製GPC150C型の装置と昭和電工製AD80M/Sのカラムを3本使用し、溶媒にオルトジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃で行った。
2.触媒の調製
(1)触媒担体微粒子の造粒(第1段目造粒工程)
4.5リットルの金属製容器に蒸留水2850ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)150gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.63ミクロンであった。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通りである。
スラリー物性:pH=9.6、スラリー粘度=3500CP;運転条件:アトマイザー回転数30000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=200℃、出口温度=140℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、90gの造粒微粒子を回収した。平均粒径は、10.1ミクロンであった。形状は球形であった。
(2)酸処理
1.0リットルの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、蒸留水510ミリリットル、続いて濃硫酸(96%)150gをゆっくりと添加し、さらに前記造粒した微粒子を80g分散させ、90℃で2時間加熱処理した。冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を0.5〜0.6リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を4回繰り返した。
回収したケーキを110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は67.5gであった。
(3)再造粒
このようにして得られた酸処理微粒子50gを、蒸留水150ミリリットル中に徐々に添加し、攪拌した。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通り。
スラリー物性:pH=5.7、スラリー粘度=150CP;運転条件:アトマイザー回転数10000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=130℃、出口温度=110℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、45gの造粒粒子を回収した。平均粒径は、69.3ミクロンであった。
(4)触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。イオン交換性層状珪酸塩の造粒品は減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。
内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に上記で得た造粒粒子10gを導入し、ノルマルヘプタン、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(25mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ヘプタンにて十分に洗浄し、スラリーを100mlに調製した。
次に、あらかじめ(r)−ジメチルシリレンビス{1−[2―エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムジクロリド0.30mmolに混合トルエン43mlを加え1時間以上撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムを1.5mmol(ヘプタン溶液,2.13ml)を室温にて1時間反応させておいた混合液を、造粒粒子スラリーに加え、1時間攪拌した。
(5)予備重合
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに混合ヘプタン105mlを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した造粒粒子/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約100ml除き、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。この予備重合触媒の50wt%平均粒径は120ミクロン、ふるい上積算分布値が95wt%に相当する粒径は81ミクロンであった。
(1)触媒担体微粒子の造粒(第1段目造粒工程)
4.5リットルの金属製容器に蒸留水2850ミリリットル、市販のモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL)150gを徐々に添加し、数時間撹拌させた後に、ポリトロンを10分間使用して均一化処理した。平均粒径を測定したところ、モンモリロナイト水スラリーでは0.63ミクロンであった。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通りである。
スラリー物性:pH=9.6、スラリー粘度=3500CP;運転条件:アトマイザー回転数30000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=200℃、出口温度=140℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、90gの造粒微粒子を回収した。平均粒径は、10.1ミクロンであった。形状は球形であった。
(2)酸処理
1.0リットルの撹拌翼の付いたガラス製フラスコに、蒸留水510ミリリットル、続いて濃硫酸(96%)150gをゆっくりと添加し、さらに前記造粒した微粒子を80g分散させ、90℃で2時間加熱処理した。冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を0.5〜0.6リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を4回繰り返した。
回収したケーキを110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は67.5gであった。
(3)再造粒
このようにして得られた酸処理微粒子50gを、蒸留水150ミリリットル中に徐々に添加し、攪拌した。このスラリーを、大川原化工機社製噴霧造粒装置(LT−8)を用いて噴霧造粒を実施した。スラリー物性および運転条件は、以下の通り。
スラリー物性:pH=5.7、スラリー粘度=150CP;運転条件:アトマイザー回転数10000rpm、給液量=0.7L/h、入り口温度=130℃、出口温度=110℃、サイクロン差圧=80mmH2O
その結果、45gの造粒粒子を回収した。平均粒径は、69.3ミクロンであった。
(4)触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。イオン交換性層状珪酸塩の造粒品は減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。
内容積1リットルの攪拌翼のついたガラス製反応器に上記で得た造粒粒子10gを導入し、ノルマルヘプタン、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(25mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ヘプタンにて十分に洗浄し、スラリーを100mlに調製した。
次に、あらかじめ(r)−ジメチルシリレンビス{1−[2―エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムジクロリド0.30mmolに混合トルエン43mlを加え1時間以上撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムを1.5mmol(ヘプタン溶液,2.13ml)を室温にて1時間反応させておいた混合液を、造粒粒子スラリーに加え、1時間攪拌した。
(5)予備重合
続いて、窒素で十分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに混合ヘプタン105mlを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した造粒粒子/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約100ml除き、40℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが2.0gを含む予備重合触媒が得られた。この予備重合触媒の50wt%平均粒径は120ミクロン、ふるい上積算分布値が95wt%に相当する粒径は81ミクロンであった。
(実施例1)
(1)装置
重合装置は、詳細を以下に示す図5の装置を用いた。
(i)原料供給系には、液化プロピレン、水素、有機アルミニウムが供給できるようラインを接続した。液化プロピレンは、重合反応に適するよう精製を行ったのちレシプロダイアフラム式ポンプを用いて昇圧し、熱式質量流量計と流量制御弁を用いて流通をさせた。水素は、ダイアフラム式圧縮機にて昇圧し、熱式質量流量計と流量制御弁を用いて供給を行った。有機アルミニウムはヘプタンに希釈した溶液をインバータ制御を付したプランジャーポンプを用いて供給を行った。供給流量は、予めポンプのストロークとインバータの周波数により実流量を測定して作成した検量線により定量した。これらの原料は、1本のラインに集合され、2重管式の熱交換器にて必要な温度まで加温した。
(ii)重合反応器は、攪拌翼を内部に設置した内容積20Lのジャケット付き竪型槽を用いた。反応器下部より遠心式スラリーポンプを通して液体サイクロンに反応媒体を導くように配置した。ポンプの吐出流量は2m3/Hとなるよう設定した。液体サイクロンは、図2に示す形状のサイクロンを用い、捕集された固体はすべて反応器へ戻すようにした。なお、液体サイクロンにおける寸法は、Dc=10.2(cm)、Di=1.43(cm)、De=2.14(cm)とした。
反応器には液面計を設置し、一定の液面となるよう、サイクロン上部から分離された原料を原料パージ系へ導くラインに設置した制御弁によって制御した。サイクロン上部から分離した原料の一部は、流量計と制御弁で構成した流量制御系を通して反応器へ返還した。反応系の温度は、反応器に設置したジャケットに通水する温度を制御することにより制御した。
固体触媒は粉体またはヘプタンスラリーでポットへ秤量し、高圧の窒素ガスにより反応器内よりも圧力を高く設定した後、下部バルブを開放することによって反応器へ圧入した。
重合反応器系からパージされた原料は、加熱器によりガス化されたのち回収系へ返還した。
(1)装置
重合装置は、詳細を以下に示す図5の装置を用いた。
(i)原料供給系には、液化プロピレン、水素、有機アルミニウムが供給できるようラインを接続した。液化プロピレンは、重合反応に適するよう精製を行ったのちレシプロダイアフラム式ポンプを用いて昇圧し、熱式質量流量計と流量制御弁を用いて流通をさせた。水素は、ダイアフラム式圧縮機にて昇圧し、熱式質量流量計と流量制御弁を用いて供給を行った。有機アルミニウムはヘプタンに希釈した溶液をインバータ制御を付したプランジャーポンプを用いて供給を行った。供給流量は、予めポンプのストロークとインバータの周波数により実流量を測定して作成した検量線により定量した。これらの原料は、1本のラインに集合され、2重管式の熱交換器にて必要な温度まで加温した。
(ii)重合反応器は、攪拌翼を内部に設置した内容積20Lのジャケット付き竪型槽を用いた。反応器下部より遠心式スラリーポンプを通して液体サイクロンに反応媒体を導くように配置した。ポンプの吐出流量は2m3/Hとなるよう設定した。液体サイクロンは、図2に示す形状のサイクロンを用い、捕集された固体はすべて反応器へ戻すようにした。なお、液体サイクロンにおける寸法は、Dc=10.2(cm)、Di=1.43(cm)、De=2.14(cm)とした。
反応器には液面計を設置し、一定の液面となるよう、サイクロン上部から分離された原料を原料パージ系へ導くラインに設置した制御弁によって制御した。サイクロン上部から分離した原料の一部は、流量計と制御弁で構成した流量制御系を通して反応器へ返還した。反応系の温度は、反応器に設置したジャケットに通水する温度を制御することにより制御した。
固体触媒は粉体またはヘプタンスラリーでポットへ秤量し、高圧の窒素ガスにより反応器内よりも圧力を高く設定した後、下部バルブを開放することによって反応器へ圧入した。
重合反応器系からパージされた原料は、加熱器によりガス化されたのち回収系へ返還した。
(2)重合反応
原料供給系において、液化プロピレンを150kg/hr、水素を0.4NL/hr、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液(濃度59g/L)を600ml/hrとなるように流通させた。内温が70℃となるよう反応器のジャケットの温水温度を調整した。液体サイクロンの下部から反応器へ戻される流量が0.6m3/Hとなるように、液体サイクロン上部より分離された液体原料の一部を反応器に戻す流量制御系を作動させた。また、液体サイクロンの50%分離粒子径(D50)を9.3ミクロンとした。
すなわち、液化プロピレンの重合による体積変化が十分に小さいとすると、回収系へ連続的に排除される液化プロピレンの質量流量は、150kg/Hであるから、70℃における液化プロピレンの密度400kg/m3を用いることにより、質量流量としては0.375m3/Hとなる。したがって、液体サイクロン下部から反応器へ戻される流量を0.6m3/Hに保持するためには、液体サイクロン上部から反応器へ戻されるラインに設置した流量制御系の設定値を1.025m3/Hとし、70℃における液化プロピレンの比重を0.4、粘度0.0734センチポイズ、およびポリプロピレンの比重0.9をそれぞれ式(1)に適用すると、この条件における50%分離粒子径(D50)は9.3ミクロンとなる。
重合反応系全体の液相容積は30Lであった。流通状態が安定した時点で、先に調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)150mgを高圧窒素を用いて圧入し重合を開始した。槽内温度を70℃に維持し、30分後に水素流通量を19.2NL/Hに変更し、さらに30分間、重合温度70℃を保持したまま重合を継続した。このあいだ、原料供給系および重合反応系からの原料を経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。その後、一酸化炭素/窒素の混合ガス(一酸化炭素濃度5%)を0.25NLを加え、反応を停止した。残モノマーをパージして得られたポリマ−を乾燥した。その結果、2120gのポリマ−が得られた。触媒効率は、14130g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.42(g/cc)、MFR=20(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=3.1であった。また、原料供給系と重合反応系からサンプリングした原料中の水素濃度を図6に示した。
図6から明らかなように、反応系中の水素濃度は、短時間で原料系中の水素濃度に追従した。
原料供給系において、液化プロピレンを150kg/hr、水素を0.4NL/hr、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液(濃度59g/L)を600ml/hrとなるように流通させた。内温が70℃となるよう反応器のジャケットの温水温度を調整した。液体サイクロンの下部から反応器へ戻される流量が0.6m3/Hとなるように、液体サイクロン上部より分離された液体原料の一部を反応器に戻す流量制御系を作動させた。また、液体サイクロンの50%分離粒子径(D50)を9.3ミクロンとした。
すなわち、液化プロピレンの重合による体積変化が十分に小さいとすると、回収系へ連続的に排除される液化プロピレンの質量流量は、150kg/Hであるから、70℃における液化プロピレンの密度400kg/m3を用いることにより、質量流量としては0.375m3/Hとなる。したがって、液体サイクロン下部から反応器へ戻される流量を0.6m3/Hに保持するためには、液体サイクロン上部から反応器へ戻されるラインに設置した流量制御系の設定値を1.025m3/Hとし、70℃における液化プロピレンの比重を0.4、粘度0.0734センチポイズ、およびポリプロピレンの比重0.9をそれぞれ式(1)に適用すると、この条件における50%分離粒子径(D50)は9.3ミクロンとなる。
重合反応系全体の液相容積は30Lであった。流通状態が安定した時点で、先に調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)150mgを高圧窒素を用いて圧入し重合を開始した。槽内温度を70℃に維持し、30分後に水素流通量を19.2NL/Hに変更し、さらに30分間、重合温度70℃を保持したまま重合を継続した。このあいだ、原料供給系および重合反応系からの原料を経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。その後、一酸化炭素/窒素の混合ガス(一酸化炭素濃度5%)を0.25NLを加え、反応を停止した。残モノマーをパージして得られたポリマ−を乾燥した。その結果、2120gのポリマ−が得られた。触媒効率は、14130g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.42(g/cc)、MFR=20(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=3.1であった。また、原料供給系と重合反応系からサンプリングした原料中の水素濃度を図6に示した。
図6から明らかなように、反応系中の水素濃度は、短時間で原料系中の水素濃度に追従した。
(実施例2)
実施例1において、触媒量を300mgに変更し、流通水素フィード量の変更を重合開始45分後とした以外は、同様の条件で重合を行った。その結果、3030gのポリマ−が得られた。触媒効率は、10100g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.43(g/cc)、MFR=8.3(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=3.6であった。
実施例1において、触媒量を300mgに変更し、流通水素フィード量の変更を重合開始45分後とした以外は、同様の条件で重合を行った。その結果、3030gのポリマ−が得られた。触媒効率は、10100g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.43(g/cc)、MFR=8.3(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=3.6であった。
(実施例3)
実施例1において、触媒量を1gに変更し、重合中の水素の流通量を0.1NL/hrに固定した以外は、同様の条件で1時間重合を行った。重合中、原料供給系および重合反応系からの原料を経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。重合終了後、2380gのポリマ−が得られた。触媒効率は、2380g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.41(g/cc)、MFR=0.27(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=2.7であった。また、重合反応器からサンプリングした原料中の水素濃度は約1ppmで一定であった。
実施例1において、触媒量を1gに変更し、重合中の水素の流通量を0.1NL/hrに固定した以外は、同様の条件で1時間重合を行った。重合中、原料供給系および重合反応系からの原料を経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。重合終了後、2380gのポリマ−が得られた。触媒効率は、2380g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.41(g/cc)、MFR=0.27(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=2.7であった。また、重合反応器からサンプリングした原料中の水素濃度は約1ppmで一定であった。
(比較例1)
実施例1において、液体サイクロンを外し、代わりに配管を挿入して重合を行った。重合を開始して2分経過した段階で、反応器から原料パージ系への制御弁に閉塞をきたし、反応の継続は不可能であった。反応器および原料パージ系を開放したところ、大量の触媒が飛散し、かつ不定形の重合物を生成していることが確認された。
実施例1において、液体サイクロンを外し、代わりに配管を挿入して重合を行った。重合を開始して2分経過した段階で、反応器から原料パージ系への制御弁に閉塞をきたし、反応の継続は不可能であった。反応器および原料パージ系を開放したところ、大量の触媒が飛散し、かつ不定形の重合物を生成していることが確認された。
(比較例2)
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)を加え、内温を30℃に維持した。次いで、上記予備重合触媒5.7gを窒素で圧入して重合を開始させ、34分かけて70℃に昇温した。この時点から、重合温度を70℃に維持し、1時間経過後に、エタノール100mlを添加して反応を停止させた。この間、反応器内気相部分のガスを経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。未反応モノマーパージ後、15.9kgのポリマ−が得られた。触媒効率は、2800g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.41(g/cc)、MFR=0.27(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=4.0であった。また、重合反応器からサンプリングした原料中の水素濃度を図7にあわせて示した。重合の進行に伴って、反応器内の水素濃度がアップしており、重合中に水素が発生していることを示唆している。これは、メタロセン触媒を使用した場合には、一般的に見られる傾向である。
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)を加え、内温を30℃に維持した。次いで、上記予備重合触媒5.7gを窒素で圧入して重合を開始させ、34分かけて70℃に昇温した。この時点から、重合温度を70℃に維持し、1時間経過後に、エタノール100mlを添加して反応を停止させた。この間、反応器内気相部分のガスを経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによりモノマー中の水素濃度を分析した。未反応モノマーパージ後、15.9kgのポリマ−が得られた。触媒効率は、2800g−PP/g−触媒であった。ポリマーBD=0.41(g/cc)、MFR=0.27(dg/分)で、分子量分布を表すMw/Mn=4.0であった。また、重合反応器からサンプリングした原料中の水素濃度を図7にあわせて示した。重合の進行に伴って、反応器内の水素濃度がアップしており、重合中に水素が発生していることを示唆している。これは、メタロセン触媒を使用した場合には、一般的に見られる傾向である。
本発明のポリオレフィン製造用重合装置は、重合反応における原料組成を任意に制御でき、いわゆる多段重合を含んだ経時的に異なる原料組成で重合を行う等の場合において、精度高くかつ広範な条件下で得ることができるため、重合プロセスの解析が容易に行なえ、工業的価値は極めて大きい。
1 反応器
2 ジャケット
3 スラリーポンプ
4 熱交換器
5 液体サイクロン
6 固体触媒成分
7 送入原料
8 流出原料
2 ジャケット
3 スラリーポンプ
4 熱交換器
5 液体サイクロン
6 固体触媒成分
7 送入原料
8 流出原料
Claims (4)
- 遷移金属成分を含む固体触媒を用いたオレフィンの重合反応を液相で行うための重合装置であって、重合反応に使用する各原料の組成を任意に変更可能な原料供給系(1)、原料供給系から供給される原料が重合するための重合反応器系(2)、および重合反応器系からの原料パージ系(3)から構成されており、重合反応器には重合用の固体触媒成分が回分式に導入され、固体触媒成分以外の原料が連続的に導入ならびに導出され、重合反応中に固体触媒成分および生成した重合体が重合系内から導出不能となるように液体サイクロンを備えており、触媒導入後に重合反応器系の原料組成を任意に制御できる、もしくは経時的に変更して経時的に異なる組成の重合体を得ることが可能であることを特徴とするポリオレフィン製造用重合装置。
- 重合反応器系が、反応温度を制御するための熱交換器と、攪拌機構を備えた槽型反応器であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン製造用重合装置。
- 重合反応器系における液体サイクロンが、50%分離粒子径(D50)が100ミクロン以下となるような操作条件で用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン製造用重合装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン製造用重合装置を用いてオレフィンを重合することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005139442A JP2006316159A (ja) | 2005-05-12 | 2005-05-12 | ポリオレフィン製造用重合装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006316159A true JP2006316159A (ja) | 2006-11-24 |
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ID=37537113
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103619464A (zh) * | 2011-06-30 | 2014-03-05 | 切弗朗菲利浦化学公司 | 闪蒸管线加热器系统和方法 |
JP2016089107A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | サンアロマー株式会社 | α−オレフィン類の重合方法 |
-
2005
- 2005-05-12 JP JP2005139442A patent/JP2006316159A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103619464A (zh) * | 2011-06-30 | 2014-03-05 | 切弗朗菲利浦化学公司 | 闪蒸管线加热器系统和方法 |
CN103619464B (zh) * | 2011-06-30 | 2017-08-08 | 切弗朗菲利浦化学公司 | 闪蒸管线加热器系统和方法 |
JP2016089107A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | サンアロマー株式会社 | α−オレフィン類の重合方法 |
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