JP2006316116A - 化学機械研磨用水系分散体及び化学機械研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の高い被研磨面を与える化学機械研磨用水系分散体及びそれを用いる化学機械研磨方法を提供すること。
【解決手段】化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒、(B)酸化剤、(C)有機酸及び(D)下記式(1)
【化1】
Figure 2006316116

(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は下記式(2)若しくは(3)で表される基である。)
【化2】
Figure 2006316116

(式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
【化3】
Figure 2006316116

(式(3)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
で表される化合物又はその塩化水素酸塩を含有し、(D)成分の含有量が0.0001〜10質量%であり、pHが3.5〜11.5である。
【選択図】なし。

Description

本発明は、化学機械研磨用水系分散体及び化学機械研磨方法に関する。更に詳しくは、半導体装置の製造工程に用いられる化学機械研磨用水系分散体であって、半導体基板上に設けられた各種の被研磨材料の各々を高い効率で化学機械的に研磨することができ、かつ十分に平坦化された精度の高い仕上げ面を得ることができる化学機械研磨用水系分散体及びそれを用いた化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の高密度化に伴い、形成される配線の微細化が進んでいる。この配線の更なる微細化を達成することができる技術として、ダマシン法と呼ばれる技術が知られている。この方法は、絶縁材中に形成された溝等に配線材料を埋め込んだ後、化学機械研磨により溝部以外に堆積した余剰な配線材料を除去することによって所望の配線を形成するものである。ここで、配線材料として銅又は銅合金を用いる場合には、銅又は銅合金と絶縁体との界面に、銅原子の絶縁体中へのマイグレーション(migration)を避けるため、通常、タンタル、窒化タンタル、窒化チタン等を材料とするバリアメタル膜が形成される。
銅又は銅合金を配線材料として用いた半導体装置の製造においてダマシン法を採用する場合、その化学機械研磨の方法は種々であるが、主として銅又は銅合金の除去が行われる第一研磨処理工程と、主としてバリアメタル膜を除去する第二研磨工程からなる2段階の化学機械研磨が好ましく行われている。
ここで、第二研磨処理工程はいわゆる仕上げの工程に相当し、したがって、第二研磨処理工程においては、被研磨面にスクラッチと呼ばれるひっかき傷状の表面欠陥の発生ができるだけ抑制された、精度の高い被研磨面とすることが必要である。このような目的のために、種々の化学機械研磨用水系分散体が提案されている。
例えば特許文献1には、特定の金属酸化剤、酸化金属溶解剤及び保護膜形成剤を含有する金属膜研磨液が開示されている。この研磨液を使用すると、研磨処理後の被研磨面の傷の発生を抑制できる利点はあるが、研磨速度が不十分であり、上記したダマシン法を二段階で行う場合の第二研磨処理工程に用いる研磨液としては実用的ではない。
特開2000−195831号公報
本発明は、上記事情を鑑みなされたものであり、その目的は、特にダマシン法を二段階で行う場合の第二研磨処理工程に用いた場合に、被研磨面のスクラッチの発生が抑制され、精度の高い被研磨面を与える化学機械研磨用水系分散体及びそれを用いた化学機械研磨方法を提供することにある。
本発明によると、本発明の上記課題は、第一に、 (A)砥粒、(B)酸化剤、(C)有機酸及び(D)下記式(1)
Figure 2006316116
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は下記式(2)若しくは(3)で表される基である。)
Figure 2006316116
(式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
Figure 2006316116
(式(3)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
で表される化合物又はその塩化水素酸塩
を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、水系分散体全体に占める(D)成分の含有量が0.0001〜10質量%であり、水系分散体のpHが、3.5〜11.5である化学機械研磨用水系分散体によって達成される。
本発明の上記課題は、第二に、上記の化学機械研磨用水系分散体を用いた化学機械研磨方法によって達成される。
本発明により、ダマシン法による半導体装置の製造工程において、余剰の配線材料を化学機械研磨により除去する際に、研磨後の配線材料の表面欠陥の発生を抑制しうる化学機械研磨用水系分散体及びそれを用いた化学機械研磨方法が提供される。
本発明の化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒、(B)酸化剤、(C)有機酸及び(D)上記式(1)で表される化合物又はその塩化水素酸塩を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、水系分散体全体に占める(D)成分の含有量が0.0001〜10質量%であり、水系分散体のpHが、3.5〜11.5である。
以下、本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される各成分について詳細に説明する。
(A)砥粒
(A)砥粒としては、無機粒子、有機粒子及び有機無機複合粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記無機粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等を挙げることができる。シリカとしては、ヒュームド法シリカ、ゾルゲル法により合成されたコロイダルシリカ等を挙げることができる。ヒュームド法シリカは、気相中で塩化ケイ素等を酸素及び水と反応させることにより得ることができる。ゾルゲル法により合成されたシリカは、アルコキシケイ素化合物を原料として、加水分解反応及び/又は縮合反応により得ることができる。コロイダルシリカは、例えば予め精製した原料を使用した無機コロイド法等により得ることができる。
上記有機粒子としては、例えばポリ塩化ビニル、スチレン(共)重合体、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、オレフィン(共)重合体、フェノキシ樹脂、アクリル(共)重合体等を挙げることができる。オレフィン(共)重合体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。アクリル(共)重合体としては、例えばポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
上記有機無機複合粒子は、上記したような有機粒子と無機粒子が、化学機械研磨工程の際に容易に分離しない程度に一体に形成されていればよく、その種類、構成等は特に限定されない。
有機無機複合粒子としては、例えば以下の構成を採ることができる。
(1)有機粒子の存在下に金属又はケイ素のアルコキシド化合物を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。ここで、金属又はケイ素のアルコキシド化合物としては、例えばアルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を挙げることができる。この場合、精製する重縮合体は、有機粒子が有する官能基に直接結合されていてもよいし、適当なカップリング剤(例えばシランカップリング剤等)を介して結合さていてもよい。
(2)相異なる符号のゼータ電位を有する有機粒子と無機粒子が、静電力によって結合している有機無機複合粒子。この場合、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が異なるpH領域において両者を混合することにより複合粒子を形成してもよく、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が同じpH領域で両者を混合した後、有機粒子と無機粒子のゼータ電位の符号が異なるpH領域に液性を変化させることにより複合粒子を形成してもよい。
(3)上記(2)の複合粒子の存在下に、金属又はケイ素のアルコキシド化合物を重縮合させて得られた有機無機複合粒子。ここで、金属又はケイ素のアルコキシド化合物としては、上記(1)の場合と同様のものを使用することができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(A)砥粒としては、上記のうち、シリカ又は有機無機複合粒子が好ましい。
また、(A)砥粒は、不純物金属含有量を好ましくは砥粒に対して10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、更に好ましくは3ppm以下、就中1ppm以下にすることが好ましい。不純物金属としては、鉄、ニッケル、亜鉛等を挙げることができる。
(A)砥粒の平均分散粒子径は、好ましくは5〜1,000nmであり、より好ましくは7〜700nmであり、更に好ましくは10〜500nmである。この範囲の平均分散粒径の砥粒を使用することにより、良好な被研磨面と研磨速度とのバランスを図ることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(A)砥粒の量としては、水系分散体の全体に対して好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜8.5質量%であり、更に好ましくは2.5〜7.5質量%である。
(B)酸化剤
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(B)酸化剤としては、例えば過硫酸塩、過酸化水素、有機過酸化物、多価金属塩等を挙げることができる。
上記過硫酸塩としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等を挙げることができる。上記有機過酸化物としては、例えば過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。上記多価金属塩としては、例えば過マンガン酸化合物、重クロム酸化合物等を挙げることができ、過マンガン酸化合物としては過マンガン酸カリウム等を、重クロム酸化合物としては重クロム酸カリウム等を、それぞれ挙げることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(B)酸化剤としては、過酸化水素が好ましい。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(B)酸化剤の量としては、水系分散体の全体に対して好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは0.05〜10質量%であり、更に好ましくは0.05〜5質量%であり、特に好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(C)有機酸としては、飽和1価カルボン酸、不飽和1価カルボン酸、飽和2価カルボン酸、不飽和2価カルボン酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸を使用することができる。飽和1価カルボン酸はギ酸、酢酸など炭素原子数が10個以下の飽和1価カルボン酸。パルミチン酸、ステアリン酸など炭素原子数が10個以上で界面活性剤様の様態を示す飽和1価カルボン酸を例示することができる。また、不飽和1価カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸など炭素原子数が10個以下不飽和1価カルボン酸、オレイン酸、リノール酸など炭素原子数が10個以上で界面活性剤様の様態を示す不飽和1価カルボン酸を例示することができる。飽和2価カルボン酸としては、シュウ酸、アジピン酸を挙げることができる。不飽和2価カルボン酸は、マレイン酸、フマル酸を例示することができる。ヒドロキシ酸は、乳酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。また、芳香族カルボン酸は、安息香酸、サリチル酸、フタル酸を挙げることができる。
尚、飽和2価カルボン酸、不飽和2価カルボン酸、及びフタル酸については無水物も使用することができる。また、カリウム塩、アンモニウム塩など塩の形で使用することもできる。
本発明で好ましいのは、飽和1価カルボン酸、不飽和1価カルボン酸、飽和2価カルボン酸、不飽和2価カルボン酸、ヒドロキシ酸及びその塩である。不飽和2価カルボン酸及びその塩が更に好ましい。特にマレイン酸及びその塩が好ましい。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(C)有機酸の量としては、水系分散体の全体に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.01〜3質量%であり、特に好ましくは0.1〜1質量%である。
(D)成分
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(D)成分は、下記式(1)
Figure 2006316116
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は下記式(2)若しくは(3)で表される基である。)
Figure 2006316116
(式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
Figure 2006316116
(式(3)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
で表される化合物又はその塩化水素酸塩である。
上記すべてにおいて、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(D)成分の具体例としては、例えばN−オルトトリル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−ブチル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−フェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N,N−ジメチル−トリイミドカルボン酸ジアミド、N−オルトクロロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−メタクロロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−パラクロロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトフルオロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−メタフルオロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−パラフルオロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトパラジフルオロフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトヒドロキシフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトカルボキシフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトシアノフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド、N−オルトアミノフェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミド等が挙げられる。これらのうち、N−ブチル−トリイミドジカルボン酸ジアミド又はN,N−ジメチル−トリイミドカルボン酸ジアミドが好ましく、N−オルトトリル−トリイミドジカルボン酸ジアミド又はN−フェニル−トリイミドジカルボン酸ジアミドがより好ましい。
これらの化合物は、塩化水素酸塩の形で添加されてもよい。
本発明の化学機械研磨用水系分散体に含有される(D)成分は、水系分散体の全量に対して、0.0001〜10質量%であるが、この値は、好ましくは0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜2質量%である。この範囲の含有量とすることにより、非研磨面の表面状態と研磨速度のバランスに優れた化学機械研磨用水系分散体を得ることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体は、上記の通り、(A)乃至(D)成分を必須成分として含有するものであるが、その他必要に応じて(E)界面活性剤を含有することができる。
上記(E)界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、特にアニオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、例えば脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等を挙げることができ、スルホン酸塩としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等を挙げることができ、硫酸エステル塩としては、例えば高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等を挙げることができ、リン酸エステル塩としては、例えばアルキルリン酸エステル塩などを挙げることができる。これらのうち、スルホン酸塩が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸塩が更に好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムが特に好ましく用いられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体が(E)界面活性剤を含有するものである場合、その含有量としては、水系分散体の全量に対して、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
本発明の化学機械研磨用水系分散体は、上記したような各成分を水系媒体中に溶解又は分散することにより調製される。
ここで使用できる水系媒体としては、水又は水と水溶性アルコ−ルとの混合媒体を挙げることができる。上記水としては、例えば蒸留水、イオン交換水等が挙げられる。上記水溶性アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロプルアルコール等が挙げられる。アルコールと水とを混合して用いる場合、その混合比率は、重量比としてアルコール/水≦30である。
これら水系媒体は使用前にフィルターで濾過して使用することが望ましい。フィルターの孔径は、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。
本発明の化学機械水系分散体は、そのpHが3.5〜11.5であり、好ましくは5.0〜11.5であり、より好ましくは7.0〜11.0である。この範囲のpHとすることにより、保存安定性に優れ、かつ、研磨性能に優れた化学機械研磨用水系分散体を得ることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体を、このような範囲のpHに調整するために、適当なpH調整剤を配合することができる。このようなpH調整剤としては、無機酸、有機塩基及び無機塩基が挙げられる。
有機塩基としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン等を挙げることができる。
無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム等を挙げることができる。
無機酸としては、硝酸、硫酸等を挙げることができる。
本発明の化学機械研磨用水系分散体は、上記の如き各成分を上記の如き含有量で含有するものであるが、当初より目的の全成分を含有する水系分散体を調製してこれを化学機械研磨に供してもよく、目的の成分のうちの一部を欠く組成物として調製しておき、使用に際して残余の成分を加えて使用してもよい。後者の場合には、上記各成分のうち、(B)酸化剤を欠く水系分散体を調製しておき、使用に際して(B)酸化剤を追加して本発明の化学機械研磨用水系分散体とすることが好ましい。
また、本発明の化学機械研磨用水系分散体は、当初より各成分を所期の含有量にて含有する水系分散体を調製してこれを化学機械研磨に供してもよく、また、各成分の含有量が所期の含有量より濃縮された状態の濃縮品を調製しておき、使用に際して希釈して使用してもよい。後者の場合には、各成分の含有量が上記した割合を保ったまま濃縮された水系分散体を調製し、使用に際して所期の濃度に希釈して用いることができる。また、各成分のうち、(B)酸化剤を欠く濃縮品を調製しておき、使用に際して希釈するとともに(B)酸化剤を追加して本発明の化学機械研磨用水系分散体とすることが好ましい。
本発明の化学機械研磨用水系分散体の濃縮品を調製するには、各成分が所期の濃度の好ましくは1.1〜10倍、より好ましくは1.5〜5倍の濃度であって、かつ、(A)砥粒の含有量が30質量%以下、(C)有機酸の濃度が15質量%以下、(D)成分の濃度が10質量%以下の範囲で調製することにより、保存安定性に優れた濃縮品とすることができる。
化学機械研磨方法
本発明の化学機械研磨方法は、上記の如き本発明の化学機械研磨用水系分散体を使用するものである。
本発明の化学機械研磨方法によって研磨される被研磨体としては、例えば、図1に示すような構造を有する複合基板素材1を挙げることができる。この複合基板素材1は、例えば、基板11と、この基板11の表面に積層され、溝等の配線用凹部が形成された、絶縁膜12と、絶縁膜12の表面ならびに配線用凹部の底部および内壁面を覆うよう設けられたバリアメタル膜13と、上記配線用凹部を充填し、かつバリアメタル膜13上に形成された金属配線材料よりなる金属膜14とを有する。
本発明に係る化学機械研磨方法に供される研磨対象体は、図2に示すように、基板11と絶縁膜12との間にシリコン酸化物等よりなる絶縁膜21と、この絶縁膜21上に形成された絶縁膜22を有していてもよい。
上記基板11を構成する材料としては、例えばシリコン等を挙げることができる。
上記絶縁膜12を構成する材料としては、例えば、例えば酸化シリコン、酸化チタン、「SOG」と呼ばれる絶縁膜、CVD法により形成された低誘電率の絶縁膜等を挙げることができる。
上記酸化シリコンとしては、例えば熱酸化膜、PETEOS(Plasma Enhanced TEOS)膜、HDP(High Density Plasma Enhanced TEOS)膜、BPSG(ホウ素リンシリケート)膜、FSG(Fluorine Doped Silicate Glass)膜等を挙げることができる。
なお、上記熱酸化膜は、シリコンを高温の酸化性雰囲気に置くことにより形成される。PETEOS膜は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料とし、促進条件としてプラズマを利用した化学気相成長法によって成膜される。HDP膜は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料とし、促進条件として高密度プラズマを利用した化学気相成長によって成膜される。BPSG膜は、例えば常圧CVD法または減圧CVD法により得ることができる。FSG膜は、促進条件として高密度プラズマを利用した化学気相成長によって成膜される。
上記「SOG」とは、「Spin on Glass」の略称であり、一般に、前駆体たるケイ酸化合物を有機溶剤に溶解又は分散した液状の組成物をスピンコート法等により基体に塗布した後、加熱処理して得られる低誘電率の絶縁膜をいう。前駆体たるケイ酸化合物としては、例えばシルセスキオキサン等を挙げることができる。「SOG」と呼ばれる絶縁膜の市販品としては、例えばCoral(Nuvellus System社製)、Aurola(日本エーエスエム(株)製)、Nanoglass(Honeywell社製)、LKD(JSR(株)製)等を挙げることができる。
上記バリアメタル膜13を構成する材料としては、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等を挙げることができる。
上記金属配線材料14としては、銅、アルミニウム、タングステン等を挙げることができるが、金属配線材料が銅である場合に本発明の有利な効果が最大限に発揮される。
上記絶縁膜22を構成する材料としては、例えばシリコン窒化物等を挙げることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法による研磨は、市販の化学機械研磨装置(例えば、LGP510、LGP552(以上、ラップマスターSFT(株)製)、EPO−112、EPO−222(以上、(株)荏原製作所製)、Mirra(アプライドマテリアルズ社製)、AVANTI−472(アイペック社製)等)を用いて、公知の研磨条件で行うことができる。
好ましい研磨条件としては、使用する化学機械研磨装置により適宜に設定されるべきであるが、例えば化学機械研磨装置としてEPO−112を使用する場合、第一研磨処理工程および第二研磨処理工程共に例えば下記の条件とすることができる。
定盤回転数:好ましくは30〜150rpm、より好ましくは60〜135rpm
ヘッド回転数:好ましくは30〜150rpm、より好ましくは60〜135rpm
定盤回転数/ヘッド回転数比:好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5
研磨圧力:好ましくは0.1〜4.0psi、より好ましくは1.0〜2.5psi
化学機械研磨用水系分散体供給速度:好ましくは50〜350ml/分、より好ましくは150〜300ml/分
上記したように、本発明により、化学機械研磨後の被研磨面の表面欠陥を発生が抑制され、十分に平坦化された精度の高い被研磨面を得ることができる化学機械研磨用水系分散体及び化学機械研磨方法が提供される。
実施例1
I.コロイダルシリカ粒子を含む水分散体の調製
容量2Lのフラスコに、濃度25質量%のアンモニア水70g、イオン交換水40g、エタノール35g及びテトラエトキシシラン15gを、フラスコに仕込み、攪拌翼の回転速度180rpmで攪拌しながら60℃に昇温した。温度を60℃に維持しながら攪拌を2時間継続した後、室温まで冷却した。これにより、コロイダルシリカ粒子のアルコール分散体を得た。
次いで、ロータリーエバポレータを用い、得られた分散体の温度を80℃に維持しながらイオン交換水を添加しつつアルコール分を除去する操作を数回繰り返した。次いでこれを濃縮し、コロイダルシリカ粒子を23質量%含む水分散体を調製した。
なお、この水分散体に含まれるコロイダルシリカ粒子の平均粒子径は30nmであった。
II.化学機械研磨用水系分散体の調製
容量10Lのポリエチレン性の瓶に、イオン交換水6114gを入れ、これに、水酸化カリウム(固体)93g及びマレイン酸(粉体)58gを添加し、攪拌翼を用い、回転数250rpmで20分間攪拌した。次いで、N−オルトトリル−トリイミドジカルボン酸ジアミド(粉体)74gを添加し、回転数250rpmで30分間攪拌した。更に、上記で調製したコロイダルシリカ粒子を含む水分散体を、1724g加え、回転数250rpmで20分間攪拌した後、孔径5μmのフィルタで濾過した。
次に、上記の水分散体の6000gを、別の10Lポリエチレン製容器に計り取り、、これに31質量%の過酸化水素水117gを添加し、回転数250rpmで20分間攪拌して、化学機械研磨用水系分散体を調製した。
III.研磨性能の評価
上記で調製した化学機械研磨用水系分散体を用い、被研磨物を銅膜、窒化タンタル膜及びPETEOS膜(いずれもパターンなし膜)とし、下記の条件で化学機械研磨実験を行った。
化学機械研磨装置:MIRRA(商品名、アプライドマテリアルズ社製)
研磨パッド:IC1000(ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ社製)
定盤回転数:100rpm
ヘッド回転数:100rpm
研磨圧力:1.5psi
化学機械研磨用水系分散体供給速度:300mL/分
研磨時間:2分
評価用パターンなし膜
銅膜:8インチ熱酸化膜付きシリコン基板上に厚さ15000Åの銅膜が設けられたもの(アドバンテック社製)。
窒化タンタル膜:8インチ熱酸化膜付きシリコン基板上に厚さ2000Åの窒化タンタル膜が設けられたもの(アドバンス・マテリアルズ・テクノロジー社製)。
PETEOS膜:8インチPETEOS膜(膜厚10000Å)付きシリコン基板(アドバンテック社製)。
上記の各被研磨物につき、化学機械研磨前後の膜厚を測定し、その差及び研磨時間から、研磨速度を算出した。結果を表1に示す。なお、被研磨物の膜厚は、銅膜及び窒化タンタル膜については電気伝導式膜厚測定器「オムニマップRS75」(ケーエルエー・テンコール(株)製)により、またPETEOS膜については光干渉式膜厚測定器「FPT500」(センテック社製)により、それぞれ測定した。
また、化学機械研磨後の銅膜につき、ウェハ欠陥検査装置「KLA2351」(ケーエルエーテンコール社製)を使用して、被研磨面に発生した長径0.20μm以上の欠陥総数を測定した。次いで、KLA2351が欠陥として認識したもののうちからランダムに選択した100個につきKLA2351のディスプレイ上でスクラッチであるか否かを確認し、その100個のうちにスクラッチが占める確率を算出し、これを欠陥総数に乗ずることにより、ウェハ全面あたりのスクラッチ数を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1の「II.化学機械研磨用水系分散体の調製」において、N−オルトトリル−トリイミドジカルボン酸ジアミドを添加しなかった他は、実施例1と同様にして化学機械研磨用水系分散体を調製し、その化学機械研磨性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006316116
本発明の化学機械研磨方法の被研磨面の一例を示す概略図である。 本発明の化学機械研磨方法の被研磨面の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 複合基板素材
11 基板(例えば、シリコン製)
12 絶縁膜(例えば、PETEOS製)
13 バリアメタル膜
14 金属膜
21 絶縁膜(例えば、シリコン酸化物製)
22 絶縁膜(例えば、シリコン窒化物製)

Claims (2)

  1. (A)砥粒、(B)酸化剤、(C)有機酸及び(D)下記式(1)
    Figure 2006316116
    (式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は下記式(2)若しくは(3)で表される基である。)
    Figure 2006316116
    (式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
    Figure 2006316116
    (式(3)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、ホルミル基又はスルホニル基である。)
    で表される化合物又はその塩化水素酸塩
    を含有する化学機械研磨用水系分散体であって、水系分散体全体に占める(D)成分の含有量が0.0001〜10質量%であり、水系分散体のpHが、3.5〜11.5であることを特徴とする、化学機械研磨用水系分散体。
  2. 請求項1に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて銅膜を研磨することを特徴とする、化学機械研磨方法。
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