JP2006315889A - 炭素質スケールの除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炉内に堆積し、少なくとも炭素を含有する炭素質スケールを炉内から除去する新たな炭素質スケール除去方法を提供する。
【解決手段】 炉たる反応炉10内に二酸化炭素ガスを二酸化炭素ガス導入管40を通じて導入し、二酸化炭素と炭素質スケール20とを反応させ、前記炭素質スケール20を一酸化炭素ガスとし、反応炉10内から第二排出管30を通じて排出することで炭素質スケールを除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素質スケール除去方法、特に炉の内壁面に堆積した炭素質スケールを炉内から除去する炭素質スケール除去方法に関する。
従来、気相成長による微細炭素繊維は、固定床方式と呼ばれる基板を用いる方法あるいは流動気相法により製造されている。基板を用いる固定床方式は、一般的に連続生産が困難であるため、生産性が低い傾向にあるため、下記特許文献1のような連続生産が可能である流動気相法による製造方法が微細炭素繊維の連続生産の主流となっている。これらの方法により生成される微細炭素繊維は、繊維径によっていくつかの種類があり、気相法炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどと呼ばれている。カーボンナノチューブには、炭素原子が網状に結合したシート(グラフェンシート)一層が筒状になった単層カーボンナノチューブやグラフェンシートの筒が何層も入れ子状に積層した多層カーボンナノチューブが知られている。
この流動気相法による微細炭素繊維の製造方法の一例を説明する。ベンゼン、トルエン等の炭化水素のガスと、フェロセン等の遷移金属化合物のガスと、キャリアガスとを予め混合し、その混合ガスを原料ガスとして反応炉に導入することにより、気相中で金属触媒粒子を生成させ、連続的に炭素繊維を製造する方法が下記特許文献2に記載されている。気相法炭素繊維の製造時に使用されるキャリアガスとしては、アルゴン、ヘリウム等の希ガス、水素、窒素等が用いられるが水素ガスが繊維の収量を増す上で好ましい為、水素ガスを主体とするものが多い。
流動気相法による微細炭素繊維の製造方法では、中空内径に微細炭素繊維の生成時に触媒として働いた金属粒子を有する微細炭素繊維と微細炭素繊維生成時に繊維を構成する炭素源として利用されなかった原料ガスに含まれる炭化水素の熱分解物などが混在した炭素質のスケールが、微細炭素繊維の連続運転中に反応炉の内壁へ徐々に堆積する。
この炭素質スケールの反応管内壁への堆積が進行すると、原料ガスの炉内への通過の妨げになるばかりか炉内への外熱が伝わりにくくなり、これらの要因によって正常な運転が阻害され、反応収率の低下をもたらすこととなる。反応炉が完全に閉塞してしまうと微細炭素繊維の製造運転が不可能となる。また、炉内に堆積した炭素質のスケールは、炉内に長時間滞留することで直径が大きく成長した微細炭素繊維を含んでおり、品質の低下を生じさせることとなる。
以上のように微細炭素繊維の流動気相法による製造においては、管内壁に堆積する炭素質スケールを除去する作業が必要になる。その作業として、下記特許文献3には管内壁に堆積する炭素質スケールを掻き取り装置により機械的に除去する方法が開示されている。また、下記特許文献4には、反応炉内壁に堆積した炭素質スケールを酸素含有ガスによって酸化除去する方法が開示されている。また、下記特許文献5には、水素ガスで希釈した水蒸気によって炭素質スケールをガス化除去する方法が開示されている。
特開昭58−180615号公報 特開昭60−54998号公報 実公平1−21980号公報 特開平8−60445号公報 特開2003−146633号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載される掻き取り装置の掻き取り部を反応炉心管内の反応炉壁に直接接触させて機械的に掻き取り作業を行うと、反応炉壁が損傷する恐れがあるため、反応炉心管にダメージを与えないよう反応炉壁と掻き取り部との間には間隙が設けられているのが通常である。このため、反応炉壁と掻き取り装置との間隙に存在する反応炉内壁に直接付着した炭素質スケールは、掻き取り操作では除去されず、微細炭素繊維生成運転中徐々に炭素質スケールの量が増加し、掻き取り部に接触するまで炭素質スケールが堆積した場合、掻き取り部により炭素質スケールが反応炉壁に圧密され、圧密された炭素質スケールが硬くなり反応炉壁に強固に固着してしまう。間隙に堆積する炭素質スケールの量が多くなると掻き取り装置の運転自体に支障をきたす場合もある。
また、上記特許文献4に記載される方法は、反応炉内壁に堆積した炭素質スケールを酸素含有ガスによって酸化し、ガス化して除去する方法であるが、微細炭素繊維の製造時においてはキャリアガスとして水素を用いているため、酸素含有ガスを導入する前には、安全性を確保すべく不活性ガスによる充分な置換が必要となる。しかしながら、不活性ガスによる充分な置換は、反応炉が大量生産用の大型反応炉になれば、不活性ガスへの置換処理に時間を要し生産性が悪くなる。また、酸素ガスを用いた炭素質スケールのガス化反応は、激烈的な発熱反応であり、反応炉材の種類によっては、その耐熱温度以上に炉壁温度が局所的に上昇し、反応炉に熱によるダメージを与える恐れがある。したがって、反応炉材が熱でダメージを受けるのを防止するため、炉温を製造温度より降下させる工程を必要とする場合には、反応炉温の低下に更に時間を要してしまう。また、炭素を含有する材質で製造された反応炉では、炭素質スケールの除去において高温下、強酸化性の酸素を使用すると炉材に含まれる炭素とも反応するため、長時間運転で炉壁が消耗してしまう恐れがある。
また、下記特許文献5に記載される方法は、水素ガスで希釈した水蒸気によって炭素質スケールをガス化除去する方法であり、酸素含有ガスによるスケールの除去と比べて安全であるが、水を蒸気化するための水蒸気発生装置等の設備が必要であり、水蒸気は、二酸化炭素等のガスと比べ粘性が高いため水蒸気発生装置から炉内へ導入するためには、キャリアガス等の導入手段が必要となる。また、未反応の水蒸気ガスは、排気の際、冷却されて不純物等を含んだ液体となり、配管が詰まる恐れがある。さらには、汚染された液体となった水の廃液処理の問題もある。
本発明は、上記課題を少なくとも1つ解決するためになされたものであり、炉内壁に堆積した炭素質スケールを炉内から除去する新たな炭素質スケール除去方法を提供することをその主な目的とする。
本発明は、炭化水素ガス、遷移金属化合物ガス及び水素ガスを原料ガスとし、当該原料ガスを所定の温度帯域に加熱保持された炉内に導入することで炭化水素ガスを加熱分解させ微細炭素繊維を製造する工程において、炉の内壁面に堆積した炭素質スケールを炉内から除去する炭素質スケール除去方法であって、前記炉内に二酸化炭素ガスを導入する二酸化炭素ガス導入工程を含むことを特徴とする炭素質スケール除去方法である。
前記内壁面における炭素質スケールの堆積量を検出する第一検出工程と、前記第一検出工程において検出された堆積量が予め記憶された所定堆積量以上であるか判定する第一判定工程と、前記第一判断工程において所定堆積量以上であると判定した場合に原料ガスの導入を停止する原料ガス供給停止工程とを含み、原料ガスの導入が停止されたとき、前記二酸化炭素ガス導入工程を行うと好適である。
前記二酸化炭素ガス導入工程後、前記内壁面における炭素質スケールの堆積量を検出する第二検出工程と、前記第二検出工程において検出された堆積量が予め記憶された所定堆積量以下であるか判定する第二判定工程と、前記第二判定工程において所定堆積量以下であると判定した場合に二酸化炭素ガスの導入を停止させる二酸化炭素ガス供給停止工程と、二酸化炭素ガスの導入が停止されたとき、前記炉内に原料ガスを再導入する原料ガス再導入工程とを含むと好適である。
前記炭素質スケールが、中空に金属粒子が存在する微細炭素繊維を主成分とし、微細炭素繊維の生成に使用されなかった炭化水素の炭素が繊維化せず熱分解炭素となったものを含有する炭素質スケール除去方法である。
本発明によれば、炉内壁に堆積した炭素質スケールを炉内から安全にかつ炉に負担をかけずに除去する新たな炭素質スケール除去方法を提供することができる。
本発明者は、炭素質スケールを反応炉から除去する炭素質スケール除去方法について、所定の反応炉温を維持した状態で、不活性ガス置換を必要とせず、二酸化炭素ガスによって容易に除去できることを見いだし本発明に至った。
本法は、炭素質スケールの主成分である炭素質(C)に二酸化炭素(CO)を反応させることで、炭素質スケールの炭素質(C)を一酸化炭素ガス(CO)としてガス化(C+CO=2CO)させ、一酸化炭素ガスを炉内から排出することで炭素質スケールを除去する方法である。
二酸化炭素を利用した本炭素質スケール除去方法では、C+CO=2COの反応は吸熱反応(−172kJ/mol)であることから、発熱反応である酸素を利用した炭素質スケール除去方法(C+O=CO+394kJ/mol)と比べ、炉内壁に発熱による熱ダメージを与えることが防止できる。(参考:吸熱エネルギーの値:燃焼工学、水谷幸夫、第3版、森北出版株式会社、p19−20)。
また二酸化炭素ガスを用いた本炭素質スケール除去方法では、水蒸気による除去方法と比べて、水蒸気発生装置等の設備を必要としない。水蒸気発生装置で発生させた水蒸気は粘性が高い為、反応炉内への導入にキャリアガスを必要とするが、二酸化炭素ガスは、発生させた水蒸気よりも粘性が低く、キャリアガスを必要とせずガスの導入を行うことができる。
本炭素質スケール除去方法では、二酸化炭素が酸素に比べて安定であるため、酸素に比べて炉内の水素等のガスとの爆発反応が生じず、一旦希ガスや不活性ガス等に炉内を置換しないで二酸化炭素ガスの導入を行うことができる。
さらに本発明者は、二酸化炭素ガスを用いた微細炭素繊維製造中に反応炉内壁に堆積した炭素質スケールの除去後、酸素を用いたスケールの除去方法では必要となる不活性ガス等への置換を要せず、反応炉の温度を所定温度に保持したままで、スケールの除去された反応炉への再度原料ガスの導入が可能であり、微細炭素繊維の製造工程を再開すれば、効率よく微細炭素繊維を製造でき、この工程を繰り返し行うことで稼働率の高い微細炭素繊維の連続製造が可能となることを見出した。
本微細炭素繊維の製造方法では、反応により生成する一酸化炭素ガスは、燃料ガスとしても再利用可能である。
「微細炭素繊維の製造装置」
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態については、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によってなんら限定されるものではない。
図1には本実施形態に係る微細炭素繊維を製造する微細炭素繊維製造装置100の模式的な断面図である。微細炭素繊維製造装置100は、その内部で微細炭素繊維の原料となる炭化水素が熱分解され、微細炭素繊維が製造される反応炉10を備えている。
反応炉10の周囲には、反応炉10の内部を加熱する加熱装置12が備えられている。
反応炉10には反応炉10内部のガスを反応炉10から外部へ排出する第一排出管22が取り付けられている。第一排出管22には、ガスの排出量を排出制御するバルブ24が備えられている。第一排出管22の排出端には捕集器34が設けられている。捕集器34は、第一排出管22から排出されるガスが透過するフィルター36が設けられている。フィルター36をガスは通過し、固体である微細炭素繊維は通過せずに捕集される。フィルター36を通過したガスは、捕集器34に付属された排出管38へ送られ、排出管38を通じて原料ガスとして再利用および/または排出される。
反応炉10には、原料ガスを外部から導入する原料ガス導入管14がその上端部に備えられている。原料ガス導入管14の一端は反応炉10の内部上側まで配されている。その先端には炭化水素ガス、遷移金属化合物ガス、水素キャリアガスを噴出して供給する原料ガス供給ノズル16が備えられている。
原料ガスとは、本実施形態においては炭化水素ガス、遷移金属化合物ガス、水素キャリアガス、より具体的には微細炭素繊維の触媒となるフェロセン及びチオフェンと微細炭素繊維の原料となるトルエンの混合液を蒸発させたガスと水素ガスを含有する原料ガスであるがこれに限られることなく、微細炭素繊維の製造に用いられる原料ガスを適宜選択して用いることができる。
原料ガスに含まれる炭化水素は特に制約されず、高温で炭素化されるものであればよい。例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の鎖状飽和炭化水素や、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、アセチレン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
遷移金属化合物は特に限られるものではなく、加熱により気化するものが好ましい。遷移金属化合物に含まれる金属種としては、適宜選択して用いることができ、特に制限されない。例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が挙げられる。
反応炉10における加熱装置12の下側には、二酸化炭素ガスを反応炉10内に導入する二酸化炭素ガス導入管40が設けられている。二酸化炭素ガス導入管40には、二酸化炭素ガスの導入量を制御するバルブ42が備えられている。反応炉10における加熱装置12の上側には第二排出管30が設けられている。第二排出管30には、ガス排出量を制御するバルブ32が設けられている。
また、微細炭素繊維製造装置100には、微細炭素繊維製造装置100を制御するコンピュータからなる制御システム150が設置されている。
制御システム150は反応炉10内における炭素質スケール20の堆積量を検出する検出工程と、炭素質スケール20の堆積量が制御システム内のコンピュータメモリに予め記憶された所定量以上であることを判定する判定工程とを含み、コンピュータのCPUが炭素質スケール20の堆積量が所定量以上であると判定した場合に原料ガス供給ノズル16からの原料ガスの反応炉10内部への供給量を減少または完全に停止させ、その後、バルブ42を開かせ、二酸化炭素ガス導入工程を行う機能を有している。
反応炉10における炭素質スケール20の堆積量の検出法は適宜選択して用いればよいが、例えば温度低下度検出法、未反応原料ガス濃度検出法、重量増加検出法、差圧検出法、原料導入量による堆積量算出法を用いることができる。
温度低下度検出法は、反応炉10内部の温度の低下度を検出し、炭素質スケール20の堆積量を求める方法である。炭素質スケール20の堆積によって加熱装置12からの熱が伝わりにくくなるために炭素質スケール20が堆積する前と同じ程度の加熱では反応炉10内部の温度が低下する。したがって、予め反応炉10内部の温度低下度と炭素質スケール20の堆積量との関係を求めておくなどして、温度低下度から炭素質スケール20の堆積量を検出することができる。反応炉の温度検知手段としては、加熱装置12の出力を測定することで経時変化をモニターすることができる。
未反応原料ガス濃度検出法は、排出管38から排出される未反応原料ガスの濃度を検出することで炭素質スケール20の堆積量を求める方法である。上述のように炭素質スケール20の堆積量が増大すると反応炉10内部の温度が低下する。この温度低下状態を維持したまま運転させると、温度低下により未反応原料ガス濃度が増大する。したがって、予め排出管38から排出される未反応原料ガスの濃度と炭素質スケール20の堆積量の関係を求めておけば未反応原料ガス濃度の値から炭素質スケール20の堆積量を検出することができる。原料ガス濃度の検知手段としては、ガスクロマトグラフ、質量分析法等各種分析機器によって経時変化をモニターすることができる。
重量増加検出法は反応炉10の重量変化を検出する方法である。炭素質スケール20の堆積によってその堆積量に応じて反応炉10の重量が増加する。反応炉10の重量変化により炭素質スケール20の堆積量を検出することができ、また、炭素質スケール20の堆積量と二酸化炭素ガスによるスケール除去時間も比例関係にあることから検出した炭素質スケール20の堆積量より二酸化炭素ガスによるスケール除去時間を見積もることも可能である。
差圧検出法は、導入口と排出口の差圧を検出する方法である。炭素質スケール20の堆積によってその堆積量に応じて反応炉10の内径が小さくなる。内径が小さくなることでガス流路が塞がれ、導入口と排出口の差圧が高くなる。したがって、予め導入口と排出口の差圧と炭素質スケール20の堆積量の関係を求めておき、炭素質スケール20の堆積量を見積もる。差圧検出手段は、既存の差圧計等を使用することができる。
原料導入量による堆積量算出法は、炭素質スケール20の堆積量が供給した原料の炭素含有量と比例関係にあることを利用して算出する方法である。この方法では、あらかじめ反応炉10で一定条件下、導入原料ガス量に対する炭素質スケール20の堆積量の比例関係を求めておき、この関係を用いて炭素質スケール20の堆積量を算出することができる。
これらの検出法は単独で使用してもよく、他の方法と組み合わせて用いてもよい。
制御システム150は、二酸化炭素ガス導入後について、反応炉10内における炭素質スケール20の堆積量を検出する検出工程と、炭素質スケール20の堆積量がコンピュータメモリに予め記憶された所定量以下であることを判定する判定工程と、炭素質スケール20の堆積量が所定量以下であると判定した場合にバルブ42を制御して二酸化炭素の供給量を減少させるまたは完全に停止させ、その後に原料ガスを炉内へ供給させる機能を有している。
反応炉10における炭素質スケール20の除去の確認手段は適宜選択して用いればよいが、例えば温度回復度検出法、重量減少検出法、差圧検出法、時間経過堆積量算出法、一酸化炭素量検出法などを用いることができる。
温度回復度検出法は、炭素質スケールの堆積により降下した反応炉10内部の温度の回復度を検出し、炭素質スケール20の除去を確認する方法である。炭素質スケール20の堆積によって加熱装置12から反応炉内部への熱伝導性低下に伴い反応炉10内部の温度降下が生じたが、炭素質スケール20が除去されることで加熱装置12からの熱伝導効率が改善され、温度が上昇する。したがって、温度回復度から炭素質スケール20の除去を確認できる。
重量減少検出法は反応炉10の重量変化を検出する方法である。炭素質スケール20の堆積量に応じて反応炉10の重量が増加していたが、炭素質スケール20が除去されることで重量が減少し元の重量に戻る。したがって、反応炉10の重量変化をモニターすることで炭素質スケール20の除去状況を確認できる。
差圧検出法は、導入口と排出口の差圧を検出する方法である。炭素質スケール20の堆積量に応じて反応炉10の内径が小さくなり、導入口と排出口の差圧が高くなっていたが、炭素質スケール20が除去されることで差圧が回復する。したがって、導入口と排出口の差圧変化をモニターすることで炭素質スケール20の除去状況を確認できる。
時間経過堆積量算出法は、前述の原料導入量による堆積量算出法より求めた炭素質スケール20の堆積量と二酸化炭素ガスによるスケール除去時間とは比例関係にあることから前述の原料導入量による堆積量算出法より算出した炭素質スケール20の堆積量より二酸化炭素ガスによるスケール除去時間を見積もることも可能である。
一酸化炭素濃度検出法は、排出される一酸化炭素濃度から除去状況を確認する方法である。一酸化炭素濃度測定手段としては、ガスクロマトグラフ、質量分析法など一酸化炭素濃度を検知できる機器を利用して経時変化を測定することができる。
これらの検出法は単独で使用してもよく、他の方法と組み合わせて用いてもよい。
「微細炭素繊維の製造方法」
上記微細炭素繊維の製造装置100を用いて、微細炭素繊維の製造方法について説明する。反応炉10内部を加熱装置12により温度700〜1400℃の範囲の所定温度(例えば1200℃)に加温し、水素雰囲気下、原料ガスを反応炉10内部に供給する。気化器(図示せず)により気化された原料ガスが原料ガス導入管14を通じて原料ガス供給ノズル16から噴出され、反応炉10内に供給される。第一排出管22はバルブ24による制御により適切なガス排出量に制御されている。一方で、二酸化炭素ガス導入管40のバルブ42は閉められており、二酸化炭素ガスが反応炉10内部へ導入することがないようにされている。このときバルブ32およびバルブ42は閉められた状態となっている。
反応炉10内では熱分解反応が進行し、炭化水素ガスから微細炭素繊維が製造される。すなわち、フェロセンの熱分解によって金属触媒粒子を生成し、炭素供給源であるトルエンの熱分解により金属触媒粒子を核として浮遊状態で微細炭素繊維を成長させる。
微細炭素繊維と水素及び反応に使用されなかった炭化水素ガス等は、第一排出管22を通じて、捕集器34に導入され、ここに設置されているフィルター36により固体と気体とが分離される。即ち、水素及び炭化水素ガスは、フィルター36を通って外部へ排出されるが、この際に、生成された微細炭素繊維は、フィルター36により捕集され、ガス中から分離される。
また、並行して炭素質スケール20が反応炉10内壁面に堆積する。
制御システム150により、炭素質スケール20が反応炉10内壁に所定量堆積した場合、原料ガス供給ノズル16を通じての原料ガスの供給を停止させる。原料ガスの供給を停止させた後、二酸化炭素ガス導入管40のバルブ42を開放し、二酸化炭素ガスを反応炉10内部へと供給する。温度は加温状態を保ったままである。これと同時あるいはその後にバルブ32を開き、第二排出管30を通じてガスを排出可能とする。
反応炉10内部で二酸化炭素ガスは、炭素質スケール中の炭素質と反応し、一酸化炭素ガスとなる。供給量は適宜選択することができるが、例えば2000NL/min程度の二酸化炭素を導入し、反応炉10に堆積した炭素質スケールを一酸化炭素としてガス化(C+CO→2CO)させることができる。
一酸化炭素ガスは第二排出管30を通じて外部へと排気するか、あるいは、燃料ガスとして回収されることで反応炉10内から除去される。
制御システム150により、炭素質スケール20が十分に除去されたと判定した後バルブ42を閉じ二酸化炭素ガスの反応炉10内への供給を停止させる。反応炉10内の二酸化炭素ガスが十分に除去されたことが判定された後、バルブ32を閉じて第二排出管30によるガス排出を停止させる。このようにした後、再び原料ガス導入管14と原料ガス供給ノズル16を通じて原料ガスが反応炉10内部に供給され、再び微細炭素繊維の製造が行われる。
本実施形態によれば、微細炭素繊維の製造法において、炭素質スケールが微細炭素繊維の製造の障害になる前に、原料ガスと水素キャリアガスの供給を停止し、反応炉内の温度を保持したまま二酸化炭素ガスを導入し、反応炉壁に堆積した炭素質スケールを一酸化炭素として除去することを特徴とする微細炭素繊維の製造方法である。炭素質スケールの除去終了後、微細炭素繊維の通常の製造工程に戻せば、反応炉の降温や不活性ガス置換処理を伴わず行える為、効率よく微細炭素繊維を製造出来、又、この工程を繰り返し行うことで稼働率の高い微細炭素繊維の製造が可能となる。
二酸化炭素ガスと炭素質スケールとのスケール除去反応の条件は、反応(C+CO→2CO)が起こる温度、圧力、時間などを適宜選択して決めればよい。スケール除去反応の反応温度は、600℃以上であれば反応が進行するが、炭素質スケールから一酸化炭素への生成反応は、反応温度が高温であるほど促進される。好ましい反応温度は、800℃以上、より好ましくは1000℃以上である。つまり、本微細炭素繊維の製造の所定温度帯域が、そのままスケール除去反応の最も好ましい反応温度条件となる。微細炭素繊維の製造温度とスケールの除去温度とを一貫して同じ温度帯域とすることが出来る。
除去の対象となる炉の内壁面とは、気相法による微細炭素繊維の製造に使用される反応管、反応容器、配管、容器等における容器壁面や管壁面を意味する。
炭素質スケールとは、微細炭素繊維の原料となる炭化水素ガスから微細炭素繊維を製造する際に、反応炉の壁面に付着した全ての炭素質の物質を意味し、中空に金属粒子が存在する微細炭素繊維、熱分解炭素、すすなどを包含する。
本炭素質スケールの除去に使用される二酸化炭素ガスは、他のガスを含有したものであっても良いが、微細炭素繊維の製造工程で使用する水素ガスと激しく反応するガス(酸素)以外のガスを含有することが安全面から好ましい。炭素質スケールの一酸化炭素への変換は、二酸化炭素の濃度が高いほど促進され、反応炉温が800℃以上の場合、二酸化炭素含有量が20%以上であれば炭素質スケールの除去反応は生じるが、低濃度の場合には、炭素質スケールの除去反応の進行が遅くなり、一酸化炭素への転化率が低くなる。効率良く炭素質スケールの除去を行うには、二酸化炭素ガスは高濃度であることがより望ましい。
本実施形態における微細炭素繊維製造装置に模式的な図面である。
符号の説明
100・・・・・微細炭素繊維製造装置
10・・・・・・反応炉
12・・・・・・加熱装置
14・・・・・・原料ガス導入管
16・・・・・・原料ガス供給ノズル
20・・・・・・炭素質スケール
30・・・・・・第二排出管
40・・・・・・二酸化炭素ガス導入管
150・・・・・制御システム

Claims (4)

  1. 炭化水素ガス、遷移金属化合物ガス及び水素ガスを原料ガスとし、当該原料ガスを所定の温度帯域に加熱保持された炉内に導入することで炭化水素ガスを加熱分解させ微細炭素繊維を製造する工程において、炉の内壁面に堆積した炭素質スケールを炉内から除去する炭素質スケール除去方法であって、
    前記炉内に二酸化炭素ガスを導入する二酸化炭素ガス導入工程を含む炭素質スケール除去方法。
  2. 請求項1に記載の炭素質スケール除去方法であって、
    前記内壁面における炭素質スケールの堆積量を検出する第一検出工程と、
    前記第一検出工程において検出された堆積量が予め記憶された所定堆積量以上であるか判定する第一判定工程と、
    前記第一判断工程において所定堆積量以上であると判定した場合に原料ガスの導入を停止する原料ガス供給停止工程とを含み、
    原料ガスの導入が停止されたとき、前記二酸化炭素ガス導入工程を行う炭素質スケール除去方法。
  3. 請求項2に記載の炭素質スケール除去方法であって、
    前記二酸化炭素ガス導入工程後、前記内壁面における炭素質スケールの堆積量を検出する第二検出工程と、
    前記第二検出工程において検出された堆積量が予め記憶された所定堆積量以下であるか判定する第二判定工程と、
    前記第二判定工程において所定堆積量以下であると判定した場合に二酸化炭素ガスの導入を停止させる二酸化炭素ガス供給停止工程と、
    二酸化炭素ガスの導入が停止されたとき、前記炉内に原料ガスを再導入する原料ガス再導入工程とを含む炭素質スケール除去方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の炭素質スケール除去方法において、
    前記炭素質スケールが、中空に金属粒子が存在する微細炭素繊維を主成分とし、微細炭素繊維の生成に使用されなかった炭化水素の炭素が繊維化せず熱分解炭素となったものを含有する炭素質スケール除去方法。
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