JP2006315573A - 車両制動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地震や強風、洪水、落石、土砂崩れ、鉄橋崩落、踏切進入、沿線火災、軌道内限界支障(妨害を含む)等の運行障害の発生時に、鉄道車両をより素早く的確に制動することのできる車両制動方法を提供する。
【解決手段】 制動指令を行う指令員i2は、発見者h1の通報が駅員又は警察官等を介して指令員i1から伝達される、又は、モニタ盤Mを監視していて運行障害検知センサ30の作動を覚知することで、運行障害の発生を知る。このとき、指令員i2が電力供給/遮断スイッチVsを押すと、変電所T内の遮断器Bが電圧を遮断するように切り換わり、架線供給電圧がゼロとなって、一般的な電車等は制動される。一方、指令員i2が信号出力ON/OFFスイッチOsを押すと、車両制動システムの地上装置へと運行障害情報信号が出力され、車両が集電型か非集電型かを問わず緊急制動される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、地震や強風、洪水、落石、土砂崩れ、鉄橋崩落、踏切進入、沿線火災、軌道内限界支障(妨害を含む)等の運行障害の発生時に、鉄道車両をより素早く的確に制動することのできる車両制動方法に関する。
鉄道車両の運行安全性を確保するためには、地震等の運行障害の発生を素早く検知し、列車を的確に制動することが極めて重要である。従来より、地震の発生を速やかに検知し、その危険性を判定して警報を発するシステムとして、例えば特許文献1(特公昭60−14315号公報)に開示された『地震早期検知警報システム』等が知られている。あるいは、運行障害の発生時に、列車に運行障害を伝えるものとして、列車無線や防護無線等が使用され、閉塞区間内を走行中の列車を、信号現示に従うよう自動的に停止・減速させる装置として、自動列車停止装置(ATS:Automatic Train Stop)や自動列車制御装置(ATC:Automatic Train Control)等が使用されている。
まず、特許文献1に開示された地震早期検知警報システムについて説明する。
このシステムにおいては、複数の地震検知点の各々に端末装置を配置するとともに、各端末装置のそれぞれを通信線路で中央装置に接続する。各端末装置は、センサ、送信装置を備えている。中央装置は、受信装置、制御処理装置、時刻装置を備えている。中央装置には、各端末装置のセンサで検知された地震情報が通信線路を介して集められる。中央装置の制御処理装置は、センサで検知した地震波初動の振幅値やその周期等に基づいて、数秒以内に地震の危険性を判定する。
ここで、センサで検知した地震が多少なりとも危険性有りと判定される場合には、1秒程度の短時間の間にとりあえず制御処理装置に危険信号を送出しておき、その後に地震の実体波の観測により危険性無しと判定された場合には、一旦送出した危険信号を取り消す。そして、ある一定時点までの検知データだけでは地震の危険性が断定できない場合には、その時点後に1分間程度継続して地動の観測を続け、マグニチュードや卓越周期等のデータを解析して地震の加害性の評価を行い、危険性の有無を判定する。
なお、このような判定の結果、地震の危険性が有るとされた場合は、JR在来線等では、列車の輸送指令所から列車無線による緊急の音声放送又は防護無線の警報音により走行中の列車の運転士に伝達されるか、又は、信号機を停止表示として走行中の列車の運転士に知らせる。そして、運転士が手動でブレーキ操作を行うか、又は、自動ブレーキ装置が作動することで、車両を減速・停止させる。
ここで、列車無線は、運行中の列車と地上の指令との間で、無線を使って直接通話できるようにした設備である。指令員は、必要に応じて関係する列車の乗務員を呼び出し、停止を伝達する。この停止の伝達により、運転士は、ブレーキ操作を行って列車を停止させることができる。一方、防護無線は、大都市の線区を走行する車両に備えられている。これが列車において受信された場合、運転士は、直ちに見極めの範囲内に停車できる速度にまで減速を行い、支障箇所の手前で列車を停止させることができる。さらに、踏切道や落石し易い箇所の手前等、列車を緊急に防護する必要が生じた場合のために、必要な箇所の手前には、発炎信号機や発光信号機等が設置されていることがある。
次に、現在一般的に使用されている自動列車停止装置(ATS)、自動列車制御装置(ATC)について説明する。
ATSには、ATS−A形、ATS−B形、ATS−S形、ATS−P形のもの等があるが、現在はATS−S形のものがもっとも広く使用されている。ATS−S形のものは、軌道側(地上)に設置された地上子、及び、車両側(車上)に設置された車上子を備えている。地上子はLC回路(コイル及びコンデンサ)で構成され、軌道上の信号機より手前側一定距離隔てた地点に設置されており、信号機の停止表示(「赤」信号)に連動して作動する。車上子は発振回路で構成され、地上子からの信号を受信する受信器を介して、警報器や表示器、ブレーキ機構(手動ブレーキ弁、非常ブレーキ装置の電磁弁)等に接続される。
ATSを具備する列車が軌道上を走行し、地上子の上側を車上子が通過するとき、列車の進行方向手前側の信号機が停止表示であると、地上子のLC回路が発振し、地上子と車上子とが電気的に結合される(いわゆる点制御方式)。このとき、車両の運転室内においては、表示器の点灯が白色から赤色に変化して警報器が鳴動し、運転士に手動ブレーキ操作(停止や徐行等)を喚起する。そして、運転士が数秒(通常は5秒)以内に手動ブレーキ操作を行わない場合は、非常ブレーキ装置が自動的に作動して車両が非常制動し、信号機の手前約50mの位置に停車する。なお、信号機が停止表示ではない場合、地上子のLC回路は短絡し、地上子と車上子とは電気的に結合されない。
ATCは、新幹線に代表される高速列車の走行区間や高密度区間において広く使用されている。ATCは、自動閉塞式の区間における自動信号機の表示に関連付けて制御され、各閉塞区間で定められた制限速度に対応した周波数をもつ信号電流を軌道回路に送り、これを車両の受電器で受け取って増幅する(いわゆる連続制御方式)。閉塞区間の制限速度は、例えば0、30、70、120、170、230km/h等のように数段階に設定されている。ATCでは、設定速度と実際の列車速度とを常時比較し、設定速度よりも列車速度の方が高い場合は自動的にブレーキ装置が作動して減速が行われる。
なお、新幹線等において緊急停止が必要となった場合は、一般に、架線電源の供給を停止する(停電)フェールセーフな方法等が採られる。
特公昭60−14315号公報
本発明者は、地震等の運行障害発生時に、脱線防止のために速やかに停止させることや、土砂崩れや鉄橋破壊等、列車の進路に支障が発生する可能性の高い危険箇所に至る前に速やかに停止させることで、一層の安全性を確保する観点から、次の(1)〜(5)に述べるような問題に着目した。
(1)非電化区間は、一般に山岳地に多く設けられている。特に、狭隘な山間やトンネルが多い区間では、列車無線や防護無線の送受信が良好に行われない場合があり、運転士への運行障害発生状況の連絡が確実とはいえない。また、自立型動力車は、力行時に大きなエンジン騒音等が発生するので、この騒音に混じって無線による音声放送をはっきり聞き取れない場合もあり得る。あるいは、列車の進路において落石の流入や鉄橋の流出等が生じた場合、これを列車に報知させるための発炎・発光信号機が予め設けられている区間もあるが、運転士は、信号機の表示の確認を行い、その後に制動操作を行うこととなるため、危険回避に遅れを生じる場合がある。さらに、これら区間以外で、落石や倒木等、列車の進路を支障する想定外の事態が生じた場合、この事態を察知した者が電話等で指令所に通報したとしても、指令所からは、無線や一部の信号機を扱うことでしか列車に異常の発生を伝達できない。そのため、緊急時の音声放送や信号機制御以外に、運行障害の発生時に列車を速やかに制動することができる対策を講じる必要がある。
(2)自立型動力車が電化区間を走行している場合、前述した停電等のフェールセーフな緊急停止方法は、新幹線や一般的な電車(集電型鉄道車両)にのみ有効であるが、運行障害の発生を知らせる通報を受けてから指令員が列車を制動させる目的で積極的に停電(き電の停止)等を行うことはなされておらず、緊急停止させるためには、前述の列車無線を用いざるを得ないこととなる。そのため、電化区間においても、通報を受けてから関係する列車の特定、停車命令を伝達するまでに時間を要したり、(1)で述べたことと同様に、無線による音声放送をはっきり聞き取れない等の問題が起こり得るので、き電の停止を含めた、運行障害発生時の列車への運行障害の発生の伝達及び制動対策を講じる必要がある。
(3)非電化区間を走行する自立型動力車のうち、列車の運行頻度が低い場合は、進路上の限界支障を刻々察知することが比較的困難である。また、山岳地等の非電化区間を走行する自立型動力車は、走行時の列車動揺や振動等が比較的大きいため、列車動揺や振動が地震の発生によるものか否かを運転士が体感で区別することも困難である。したがって、運行障害の発生状況に伴い、列車を的確に制動することのできる対策を講じることがやはり必要である。
(4)一般的な電車等は、車内に架線電圧計等が設置されている。そのため、地震等の発生時に、変電所等の電力供給設備が破壊されたり、前述した停電等のフェールセーフな方法により電力供給が自動停止されたりした場合、運転士は架線電圧計等を目視することで電力供給の停止を知ることができる。したがって、この点につき、一般的な電車等は、新幹線における停電と同様の効能を得ることができる。ところが、自立型動力車には架線電圧計等が設置されていないので、運転士は停電状況を知ることができない。これに対して、自立型動力車に架線電圧検知用のパンタグラフ等を設置し、電車における架線電圧計と同様の機能を持たせることも考えられるが、これは絶縁確保上の観点から好ましくない。そこで、自立型動力車において運転士が停電状況を知ることのできる他の対策が必要である。
(5)(1)で述べた通り、非電化区間は山岳地に多く設けられているので、地震や大雨に伴う土砂崩れ等の運行障害が発生し易い環境にあるといえる。そこで、このような土砂崩れ等が発生し易い場所にセンサを設置し、このセンサの危険信号に連動させて、発炎・発光等の特殊信号機を停止表示として停車させる方法がある。しかし、そもそもこの種のセンサに連動する特殊信号機は、土砂崩れ等が発生した結果、列車の運行に重大な悪影響を及ぼすことが予測される場所に予め設置されているものである。そのため、例えば線路上方から大型自動車が転落したり倒木が落下したりする等、通常想定外の事態が発生した場合には、センサを設置してある場所以外の地点で発生した支障を接近してくる列車に知らせて完全に停止させることができない。このような倒木等による列車の進路支障の情報は、主として公衆からの電話の通報によることが多いが、現状では、通報を受けてから運行支障に関係した列車を特定し、停止を命じるまでには多少とも時間がかかっている。このため、運行支障情報が得られているにもかかわらず、直ちに衝突を回避できない事態が起きる可能性は低くない。
なお、自立型動力車は、車両内に燃料を搭載しているため、脱線や転覆等に至った場合には火災等の被害拡大に繋がることも想定される。さらに、近年は、例えば振り子式車両等が地形の急峻な山間部を高速走行している区間もあり、自立型動力車の性能向上と相俟って、その運行障害発生時の衝突回避対策は一層重要性が増している。
本発明は、このような観点からなされたものであって、地震や強風、洪水、落石、土砂崩れ、鉄橋崩落、踏切進入、沿線火災、軌道内限界支障(妨害を含む)等の運行障害の発生時に、鉄道車両をより素早く的確に制動することのできる車両制動方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の車両制動方法は、運行障害発生時に電化区間の軌道上を走行する鉄道車両を制動する方法であって、 運行障害発生を知らせる通報、又は、運行障害発生を検知するセンサの作動した情報を受けて、指令所内の指令員が運行障害状況の発生を知ったとき、該指令員が、前記電化区間の架線の電力供給停止指令を行い、 この指令による電力供給停止に連動して前記車両を制動することを特徴とする。
この発明では、運行障害(地震や強風、洪水、落石、土砂崩れ、鉄橋崩落、踏切進入、沿線火災、軌道内限界支障(妨害を含む)等)が発生し、これを知らせる通報、又は、障害状況を検知するセンサの作動が指令所内の指令員に伝わった際に、指令員による電力供給停止指令に連動して車両を制動する。そのため、列車無線等を用いる場合に想定される、送受信不良や音声混雑等の問題が起こらず、運行障害発生時における車両の制動をより速やかに確実に行うことができる。
本発明の第1の車両制動方法においては、前記電化区間の架線の電力供給源である変電所に、電力の供給/遮断を切り換える遮断器を設置し、前記指令所内に、前記遮断器を遠隔操作するスイッチを設置し、 前記指令員が前記スイッチを操作して前記電力供給停止指令を行うことができる。
この場合、指令員がスイッチを操作し、遮断器を遠隔操作することで、電力供給停止指令を行うことができる。そのため、指令員が通報又はセンサの作動を知った直後に、素早く車両の制動を行うことが可能となる。
本発明の第1の車両制動方法においては、前記電化区間が交流電化区間であり、 前記車両に、前記架線の交流電圧(磁界)を非接触検知して前記架線の電力供給停止状況を検知する静電アンテナを設置し、 この検知に連動して前記車両を制動することができる。
この場合、静電アンテナを用いることで、走行中の車両から随時交流電圧(磁界)を検知することが可能となり、静電アンテナが架線の電力供給停止状況を検知した後に素早く車両を制動することが可能となる。
本発明の第1の車両制動方法においては、前記電化区間の架線の電力供給停止状況を検知する電圧検知手段を地上側に設置するとともに、前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送する運行障害情報伝達手段を設置し、 前記電圧検知手段が、 前記架線と前記軌道とを繋ぐケーブルに組み込まれた電気抵抗と、 該電気抵抗の電圧降下量(端子間電圧)から前記架線の電圧を検知する電圧計と、を備えており、 前記電圧計の検知電圧が所定値を下回ったとき、前記運行障害情報伝達手段が前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送し、 この伝送に連動して前記車両を制動することができる。
特に直流電化区間では、交流電化区間とは異なり架線電圧の有無を非接触で検知することはできない。また、直流電化区間では、力行時等のように大きな負荷がかかる場合でないと大電流が発生しないので、車両側における非接触による電圧の検知が比較的困難である。本態様では、電気抵抗及び電圧計を備える電圧検知手段を用い、これを運行障害情報伝達手段とリンクさせることで、架線停電情報を速やかに取り入れることが可能となり、車両をより素早く確実に制動できるようになる。
一般的な電車等は、運転台に設けられている架線電圧計の表示や、車内電灯の消灯により停電を察知することができるが、本方法を併用することで多重系の緊急情報告知手段を実現でき、運行障害発生時に車両をより素早く確実に制動できるようになる。さらに、停電時間の長さに応じて停電警報を発信する装置や、無加圧状態で力行指令を出した場合に警報を発信する装置等を追加するとより好ましい。
一方、非集電型鉄道車両は、本来非電化区間で運行されるものであるが、実際には非電化区間のみならず電化区間でも広く運行されている。このように電化区間を走行している非集電型鉄道車両に対しても停電情報を伝送すると、より早い時期に的確な制動を行うことができるようになり、運行障害発生時の安全性の向上に繋がる。なお、非集電型鉄道車両とは、架線やサードレール(第三軌条)等からの給電力を動力源とする鉄道車両以外のもの全てを指す。例えば、蒸気機関等の外燃機関を動力とするもの、ディーゼルやガスタービン等の内燃機関を動力とするもの、燃料電池や蓄電池を動力源とするもの等は非集電型鉄道車両である。
本発明の第2の車両制動方法は、運行障害発生時に走行区間の軌道上を走行する鉄道車両を制動する方法であって、 運行障害発生を知らせる通報、又は、運行障害発生を検知するセンサの作動した情報を受けて、指令所内の指令員が運行障害状況の発生を知ったとき、該指令員が、前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送する運行障害情報伝達手段の信号伝送指令を行い、 この指令による信号伝送に連動して前記車両を制動することを特徴とする。
この発明では、運行障害が発生し、これを知らせる通報、又は、障害状況を検知するセンサの作動が指令所内の指令員に伝わった際に、指令員による運行障害情報伝達手段の信号伝送指令に連動して車両を制動する。そのため、列車無線等を用いる場合に想定される、送受信不良や音声混雑等の問題が起こらず、運行障害発生時における車両の制動をより速やかに確実に行うことができる。
本発明の第2の車両制動方法においては、前記指令所内に、前記運行障害情報伝達手段の運行障害情報信号の出力を遠隔操作するスイッチを設置し、 前記指令員が前記スイッチを操作して、前記信号伝送指令を行うことができる。
この場合、指令員がスイッチを操作し、運行障害情報伝達手段の運行障害情報信号の伝送指令を行うことができる。そのため、指令員が通報又はセンサの作動を知った直後に、素早く車両の制動を行うことが可能となる。
本発明の第2の車両制動方法においては、前記運行障害情報伝達手段が、自動列車停止装置の地上子(ATS地上子)を備えるものとすることができる。
この場合、伝達手段に既製品で安価なATS地上子を用いることで、多大なコスト高を引き起こすことなく、本方法を実現することができる。なお、このような地上子は、保安停止装置として信号機の停止現示に連動する既設のATSに使用されているものを用いる以外に、運行障害が発生し易いと想定される箇所(危険箇所)の手前等に新たに追設して用いることができる。
本発明の第2の車両制動方法においては、前記運行障害情報伝達手段が、自動列車制御装置の軌道回路を備えるものとすることができる。
この場合、保安停止装置として信号機の停止現示に連動する既設のATCを用いることができ、多大なコスト高を引き起こすことなく、本方法を実現することができる。
本発明の車両制動方法においては、前記センサが地震予知計、地震計、水量計、風速計、崩落検知センサであるものとすることができる。
これらのセンサは、障害発生想定地帯等に応じて、個別にあるいは適宜組み合わせて用いることができる。
本発明によれば、運行障害の発生時に鉄道車両をより素早く的確に制動することのできる車両制動方法を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、鉄道車両が走行する電化区間及び非電化区間の例について説明する。
図1は、鉄道車両が走行する電化区間を模式的に示す図である。
図2は、鉄道車両が走行する非電化区間を模式的に示す図である。
図1には、鉄道車両(集電型鉄道車両)1の走行する軌道2(レール2a、枕木2b)が描かれている(車両1は便宜上1両のみ描かれている)。軌道2の中途には、崖や、山地に構築されたトンネル3や、河川の上に架け渡された鉄橋4等が存在する。軌道2の上方には、架線(トロリ線、給電線)5が架設されている。架線5は、所定間隔おきに立ち上げられた柱に吊架線やハンガーを介して吊られている(図1では図示されず:後述する図8、図10参照)。また、図1の電化区間においては、必要に応じて落石の発生や踏切での障害発生等を車両1の運転士に知らせる特殊信号機(発炎信号機や発光信号機等)6が設置されている。架線5には、変電所Tから直流又は交流電圧が供給される。変電所T内には、架線5への電力の供給/遮断を切り換える遮断器Bが設置されている。
図2に示す非電化区間では、図1の電化区間と比較して、架線5や変電所Tが設置されていない。この非電化区間を走行する鉄道車両(非集電型鉄道車両)1′は、蒸気機関等の外燃機関を動力とする車両や、ディーゼルやガスタービン等の内燃機関を動力とする車両、燃料電池や蓄電池を動力源とする車両である。このような車両1′は、本来は図2の非電化区間を走行するものであるが、図1に示す電化区間でも運行されることがある。
図1の電化区間及び図2の非電化区間には、運行障害の発生状況を検知する運行障害検知センサ30(31〜35)が複数組み合わせて設置されている。各運行障害検知センサ31〜35は、後述する車両制動システムの地上装置(図4のブロック図等参照)の一部をなす。本実施の形態における運行障害検知センサとしては、地震の発生を予知する地震予知計31、地震の発生を検知する地震計32、崖や山地の土砂崩れ・落石や、鉄橋4の崩落を検知する崩落検知センサ33、雨量を検知する雨量計34、河川の増水を検知する水量計35が設置されている。なお、これ以外にも、例えば強風を検知する風速計や、遮断時に踏切への自動車等の進入を検知するセンサ等、車両の運行障害となり得る状況を検知するセンサを追設できる。このような運行障害検知センサ31〜35は、前述の指令所Iに接続されている。
ここで、図3を参照して、本発明に係る車両制動方法の制動手順について説明する。
図3は、本発明に係る車両制動方法の制動手順を説明するための図である。
例えば、図1又は図2に示すように、走行中の車両1又は1′の先方において崖崩れが発生し、土砂や落石が軌道2内にまで侵入したような事態を想定する。この崖崩れ(運行障害)の発生は、付近の発見者h1が発見して通報する、あるいは、前述の運行障害検知センサ30(31〜35)が検知することにより、指令所I内の指令員に伝達される。
図3に示すように、発見者h1が崖崩れを発見した場合は、一般的には、持参している携帯電話又は付近の公衆電話等により、先ず最寄りの駅や警察署等に通報される。この通報を受けた駅内の駅員又は警察署内の警察官等は、通報内容を指令所Iへと電話等により連絡する。
一方、運行障害検知センサ30が崖崩れを検知した場合は、センサ30の検知信号が指令所Iへと送信される。
図3に示す例では、指令所I内には、駅や警察署等からの連絡を受ける指令員i1と、この指令員i1から崖崩れ(運行障害)の発生を伝達されて車両1又は1′の制動指令を行う指令員i2とが存在する。この指令所I内において、指令員i2は、運行障害検知センサ30の作動を知らせるモニタ盤Mを監視している。このモニタ盤Mは、各運行障害検知センサ30と接続されており、走行中の車両1又は1′の現在位置や、センサの検知内容(地震、崖崩れ、河川の増水等)・作動したセンサの位置等がモニタリングされる。
さらに、指令所I内には、運行障害情報信号を出力する信号出力ON/OFFスイッチOsと、停電指令信号を出力する電力供給/遮断スイッチVsとが設置されている。信号出力ON/OFFスイッチOsは、後に詳述する車両制動システム(図4〜図7参照)の地上装置へと運行障害情報信号を出力するスイッチである。一方、電力供給/遮断スイッチVsは、図1の電化区間における変電所T内の遮断器Bを切り換え、架線5への電力の供給/遮断を遠隔操作するスイッチである。
図3において、制動指令を行う指令員i2は、発見者h1の通報が駅内の駅員又は警察署内の警察官等を介して指令員i1から伝達される、又は、モニタ盤Mを監視していて運行障害検知センサ30の作動を覚知することで、崖崩れ(運行障害)の発生を知る。この崖崩れが図1の電化区間で発生している場合、指令員i2は、電力供給/遮断スイッチVsを押す。すると、変電所T内の遮断器Bが電力を遮断するように切り換わり、架線5への供給電圧がゼロとなる。このとき、図1の電化区間を走行している車両1が一般的な電車(集電型車両)である場合は、架線電圧がゼロとなるにしたがって自動的に制動されるか、あるいは、運転士が架線電圧がゼロになったことを認識して停止措置をとる。
さらに、図1の電化区間において、後に詳述するような電圧検知センサ70、80(図8〜図10参照)が設置されている場合は、車両が集電型か非集電型かを問わず、車両1又は1′に架線5の停電情報を伝えることができる。あるいは、図1の電化区間が交流電化区間であって、車両1又は1′が後に詳述するような静電アンテナ90(図11参照)を搭載している場合にも、架線5の停電情報を伝えることができる。
崖崩れが図2の非電化区間で発生している場合、図3において、指令員i2は信号出力ON/OFFスイッチOsを押す。すると、後に詳述する車両制動システム(図4〜図7参照)の地上装置へと運行障害情報信号が出力され、車両1′が緊急制動される。さらに、この車両制動システムを図1の電化区間にも設置している場合は、車両が集電型か非集電型かを問わず、車両1又は1′が緊急制動される。なお、以下に詳細に述べる本実施の形態の車両制動システムは、運行障害検知センサ30の検知信号に連動するよう構成されており、この運行障害検知センサ30の検知信号に連動した制動指令と、指令員i2による信号出力ON/OFFスイッチOsの遠隔操作に伴う制動指令とを併用することで、より素早く確実な車両制動を行うことができるようになっている。
以下、本実施の形態に係る車両制動システムについて説明する。この車両制動システムは、信号保安装置として既設されているATSシステムと組み合わせて構築されている。
図4は、同車両制動システムの基本構成を示すブロック図である。
図5は、同車両制動システムの伝送部の構成を示す模式図である。
図6は、同伝送部の地上装置の構成(既設ATSシステムの軌道側の構成)を示す図である。
図7は、同伝送部の車上装置の構成(車両内の機器設置構成)を示す図である。
図4には、車両制動システムの基本構成が示されている。この車両制動システムは、大きく分けて、軌道2側(地上側)に設置される地上装置(図4の下側)と、車両側(車体側)に搭載される車上装置(図4の上側)を備えている。図1の電化区間又は図2の非電化区間における運行障害の発生状況が、地上装置の運行障害検知センサ30で検知された場合には、その検知信号が地上装置の地上子11、21から車上装置の車上子41へと伝送される。あるいは、図3を参照しつつ前述したように、指令員i2によって信号出力ON/OFFスイッチOsが押され、運行障害情報信号が出力された場合にも、その信号が地上装置の地上子11、21から車上装置の車上子41へと伝送される。
まず、地上装置について説明する。
図4、図5及び図6に示すように、地上装置は、既設のATSシステムの地上子11(図6参照)と、この地上子11とは別に、軌道2上の複数の停止定点にそれぞれ設置された地上子21(図5参照)を有する。地上子21自体の構成は、既設の地上子11と同等のものであり、本実施例ではATS地上子(地上子コイル)が用いられている。既製の地上子コイルは、比較的安価で複数取り揃え易い等の利点がある。
地上子11は、既設のATSシステムに組み込まれている。図6に示すように、地上子11は、両レール2a間において枕木2b上に固定されている。地上子11は、トラフ12内のケーブル13を介して閉塞信号機(色灯式信号機)15に接続されている。地上子11と閉塞信号機15間において、ケーブル13には地上子制御継電器17が接続されている。地上子11は、閉塞信号機15より手前側一定距離隔てた地点に固定されており、閉塞信号機15の停止表示(「赤」信号)に連動して作動する。閉塞信号機15が停止表示ではない場合、地上子11に繋がる地上子制御継電器17は短絡する。
地上子21は、前述の通り既製のATS地上子コイルからなり、軌道2上に予め設定された複数の停止定点にそれぞれ設置されている。これら地上子21の停止定点は、閉塞区間よりも短い適切なピッチ(例えば数100m)で設定されており、車両1の運行障害が発生し易いと想定される箇所に設定されている。例えば、図1の非電化区間中においては、停止定点は、崖Bの落石等危険箇所の手前側p1、p2、山地M内のトンネル3の出入口の手前側p2、p3、鉄橋4の進入口手前側p4、p5に設定されている。各停止定点p1〜p5の手前側距離(ブレーキ距離)Lは、一例で約600mである。
既存の閉塞区間はその長さが比較的長く、地上子11の設置間隔が比較的長いため、運行障害発生地帯の手前側の妥当な位置で車両を制動できるとは限らないが、地上子21を適切な短い間隔で設置することにより、車両をより細密な位置で制動することが可能となる。さらに、既存の閉塞信号機15は、運行障害が発生し易いと想定される箇所とは無関係に設置されている場合がほとんどであるが、本車両制動システムでは前述の通りに停止定点p1〜p5を設定し、ここに地上子21を設置しているので、車両をより適切な位置で制動することが可能となる。
図5に示すように、各地上子21(停止信号の冒進を抑止するための既設地上子11(ATSの本来有する地上子)とは別に新に設置した地上子)は、開閉式の端子接点部23を備えている。この端子接点部23は、各運行障害検知センサ30とリレー接続されている。さらに、端子接点部23は、指令員i2によって信号出力ON/OFFスイッチOs(図3参照)が押され、運行障害情報信号が出力された場合にも開閉するようになっている。各地上子21の端子接点部23は、通常時はON(閉)となって短絡されているが、運行障害が発生した場合には、各運行障害検知センサ30からの運行障害検知信号の受信、又は、指令員i2が押した信号出力ON/OFFスイッチOsからの運行障害情報信号の受信によりOFF(開)となる。このOFF(開)のときには、地上子21の上側を通過する車両側に、運行障害情報を知らせることが可能となる。
なお、この地上子21については、通常の閉塞信号とは異なり、色灯式信号機を必ずしも併設する必要はない。また、既設のATS地上子11に対して、前述した運行障害の発生を知らせる信号が伝送可能となるような機能を付加することができる。
なお、これらの各センサの運行障害検知情報を送る信号に連動させて、図6に示すような閉塞区間中の最寄りの閉塞信号機15を停止表示とすることもできる。この場合、センサから信号が送られると、各地上子21の端子接点部23は、各センサとのリレー接続によりOFF(開)作動するとともに、各地上子11は、各センサの信号に連動した閉塞信号機15の停止表示に対応して、作動することとなる。
次いで、車上装置について説明する。
図4、図5及び図7に示すように、車上装置は、車体に設置された車上子41を備えている。この車上子41は、地上装置の地上子11、21と電気的に結合可能な発振回路で構成されている。車上子41には、ツナギ箱43(図7参照)を介して受信器45が接続されている。図4に示すように、この受信器45の内部には、発振増幅部46、帯域ろ波器47及び制御継電器部48が設けられている。車上子41からの信号は、発振増幅部46で増幅され、帯域ろ波器47でフィルタリングされた後、制御継電器部48へと送られる。なお、図7に示すように、受信器45にはAVR(自動電圧調整器)49及び車警スイッチ50が接続されている。AVR49により、受信器45の電源電圧は一定に保たれる。
図4及び図7に示すように、車両の運転室内の運転台付近には、警報器51、表示器53、復帰スイッチ55、確認ボタン57が設置されている。これらは、それぞれ受信器45の制御継電器部48に接続されている。復帰スイッチ55と確認ボタン57は、運転台に設置されたブレーキ弁61の接点に連動するようになっている。このブレーキ弁61は、運転士Hの手動操作によって開閉し、それに伴ってブレーキ機構63(図5参照)が作動する。さらに、受信器45の制御継電器部48には、非常ブレーキ装置の制御機構65が接続されている。この制御機構65で制御される非常ブレーキは、電磁弁66及びD形吐出弁67(図7参照)の開閉操作に伴って自動的に作動する。
ここで、本車両制動システムの総合的な作用について述べる。
地震や強風、洪水、落石、土砂崩れ、鉄橋崩落、踏切進入等が発生した場合、既存のシステムでは、図1〜図3に示す指令所Iからの無線音声指令により、車両の運転士に運行障害発生状況が連絡される。ところが、例えば車両が図1又は図2に示す山地のトンネル3内等を走行している場合は、無線の送受信が良好に行われない場合がある。あるいは、車両が力行時で大きなエンジン騒音等が発生している場合は、この騒音に混じって無線による音声放送をはっきり聞き取れない場合もあり得る。そのため、指令所Iからの無線音声指令のみでは、運転士への運行障害発生状況の連絡が確実とはいえない。
本車両制動システムにおいては、前述のような運行障害状況が発生した場合は、これを運行障害検知センサ30(31〜35)で検知して、その検知信号を地上子21(及びATSを構成する地上子11に連動する最寄りの閉塞信号機15)に送る、あるいは、発見者h1による通報や、運行障害検知センサ30で検知した信号が指令所Iに送られ、これを知った指令員i2が信号出力ON/OFFスイッチOsを押して地上子11、21に信号を送ると、端子接点部23がOFF(開)となる(図5参照)。そして、端子接点部23がOFFとなった地上子21の上側を車両が通過するとき、地上子21と車上子41とが電気的に結合され、車上側へと運行障害検知情報を知らせる信号が伝送される。この信号は、受信器45で受信され、発振増幅部46、帯域ろ波器47を介して制御継電器部48へと送られる(図4参照)。
この後、制御継電器部48から警報器51及び表示器53へと制御信号が送られ(図4参照)、警報器51の警報が鳴動するとともに、表示器53の点灯が白色から赤色に変化して、運転室内の運転士Hにブレーキ弁61の操作(停止や徐行等)を喚起する。そして、運転士Hが数秒(通常は5秒)以内にブレーキ弁61の手動操作を行わない場合は、制御継電器部48から非常ブレーキ装置の制御機構65に制御信号が送られ(図4参照)、電磁弁66及びD形吐出弁67(図7参照)が自動的に作動して車両が非常制動する。この後は、運転士Hが復帰スイッチ55、確認ボタン57を操作すると、非常ブレーキ装置が作動前の状態に復帰する。
このように、本車両制動システムにおいては、鉄道車両に対して、運行障害の発生状況を運行障害検知センサ30(31〜35)で検知し、その検知信号を地上子11、21から車上子41へと伝送する、あるいは、発見者h1による通報や、運行障害検知センサ30で検知した信号が指令所Iに送られ、これを知った指令員i2が信号出力ON/OFFスイッチOsを押して地上子11、21に信号を送出することに連動して車両を制動するので、信号伝達及び制動がより確実になり、安全性を一層向上することができる。また、本車両制動システムは、既製のATS用地上子コイルを用いた地上子21を停止定点p1〜p5(図1又は図2参照)に設置し、既設のATSの有する制動システムと組み合わせて構築されているので、多大なコスト高を引き起こすことなく車両の自動制動を実現することができる。
なお、本車両制動システムは、閉塞区間が長大な山間線区等の電化区間であっても適用可能である。
次に、本発明に係る車両制動方法を、直流電化区間を走行する鉄道車両1′に適用した場合について説明する。
図8は、本発明に係る車両制動システムの適用される直流電化区間を示す斜視図である。
図9は、同車両制動システムの構成を模式的に示す側面図である。
これらの図に示す直流電化区間の架線(トロリ線)111は、コンクリート柱113の上端側に吊架線115、ハンガー117を介して吊られている。架線111には、直流1500Vの電圧が付加されている。コンクリート柱113には、架線111と並行に、き電線123や信号高圧配電線125等も吊られている(図8参照)。
直流電化区間においては、架線111のみからの給電では大電流が必要となる等の理由により、約250m間隔おきにき電線123から架線111へと電流を供給できるようになっており、変電所(5〜10kmピッチで設置されている)からの電流の供給が1箇所に集中しないような方法が採られている。この直流電化区間を一般の電車等が走行する場合は、架線111に接触するパンタグラフから供給された電流が、車両の電動機等の主回路を通過し、輪軸を介して枕木2b上のレール2aへと流れる。
この直流電化区間の軌道2上には、前述した実施例と同様に複数の停止定点が設定され、この停止定点に図4〜図7に示す車両制動システムの地上子21が設置されている。本実施例における車両制動システムの運行障害検知センサは、前述の地震予知計又は地震計である。地震予知計又は地震計が地震を予知又は察知して作動した場合、あるいは、指令員i2がモニタ盤Mを監視していて地震予知計又は地震計の作動を覚知し、電力供給/遮断スイッチVsを押した場合には、変電所(図1参照)から架線111への電流の供給が停止(停電)する。
この直流電化区間には、架線111が停電となったとき、この停電状況を検知して車両へと伝える電圧検知センサ70が設けられている。この電圧検知センサ70は、架線111とレール2aとを繋ぐケーブル71に組み込まれた電気抵抗73を備えている。この電気抵抗73は、シャント回路(短絡回路)を有するリレーボックス77内に組み込まれている。このリレーボックス77からは、地上子21に繋がるケーブル79が延び出ている。リレーボックス77においては、電気抵抗73の電圧降下量(端子間電圧)から架線111の電圧が検知される。この検知電圧がほぼゼロ(すなわち架線111が停電状態)となったとき、リレーボックス77からケーブル79を介して地上子21に制御信号が送られる。すると、地上子21の端子接点部23がOFF(開)となり、地上子21の上側を走行する車両1′の車上子41に停止信号が伝送可能となって、受信器45の制御継電器部48に電圧検知信号が送られる(図4参照)。
直流電化区間では、交流電化区間のように架線電圧の有無を非接触で検知することはできない。また、直流電化区間では、力行時等のように大きな負荷がかかる場合でないと大電流が発生しないので、車両側における非接触による電圧の検知が比較的困難である。本実施例では、地上側に設けた電圧検知センサ70を前述の地上子21とリンクさせることで、車両内の運転士が架線停電情報を速やかに取り入れることができるようになり、車両をより素早く制動できるようになる。また、ディーゼルカーのような非集電車両1′においても、異常を伝達する一手法である架線停電を利用することが可能になり、これを車上側で検知することで速やかに制動することができるようになる。
次に、本発明に係る車両制動システムを、交流電化区間を走行する鉄道車両1′に適用した場合について説明する。
図10は、本発明に係る車両制動システムの適用される交流電化区間を示す斜視図である。
図11は、同車両制動システムの構成を模式的に示す側面図である。
これらの図に示す交流電化区間の架線(トロリ線)111は、直流電化区間の場合と同様に、コンクリート柱113の上端側に吊架線115、ハンガー117を介して吊られている。架線111には、20000V、60又は50Hzの交流電圧が付加されている。図10に示すように、コンクリート柱113には、架線111と並行に、信号高圧配電線125も吊られている。さらに、交流電化区間では、コンクリート柱113に負き電線131や電灯高圧配電線133等が吊られている。
交流電化区間においては、直流電化区間に比べて電圧が高いため、変電所(図1参照)の設置間隔がより長い(30〜50kmピッチで設置されている)。また、直流電化区間に比べて負荷電流が1/10以下に小さくなるため、架線111や負き電線131等は径の細いもので済む。しかし、隣接する変電所のき電圧が等しい場合でも、交流の電圧位相が異なるときは並列運転ができない。そのため、変電所間にはき電区分所が設けられ、変電所からき電区分所までの区間の単独き電としている。
図10に示すように、交流電化区間では、車両1′の車体屋根上に静電アンテナ90(図11参照)を設置すると、走行中の車両1′側から架線111の交流電圧(磁界)を非接触検知することができる。すなわち、交流電化区間においては、直流電化区間における電圧検知センサ70と同様の役割を静電アンテナ90にもたせることができる。特に、静電アンテナ90のような非接触検知手段を用いると、軌道2上に停止定点を設定せずに、緊急時には軌道2上の適当な位置で車両を制動することができる。
一方、交流電化区間においても、交流電圧の検知を地上側で行うようにすれば、前述の直流電化区間の場合と同様に、設定された停止定点の付近で車両を制動することができる。
図11に示すように、交流電化区間に用いられる電圧検知センサ80は、架線111とレール2aとを繋ぐケーブル81に接続された静電電圧検知センサ83を備えている。この静電電圧検知センサ83は、リレーボックス87に組み込まれている。このリレーボックス87からは、地上子21に繋がるケーブル89が延び出ている。リレーボックス87内においては、静電電圧検知センサ83で架線111の静電電圧が検知され、この検知電圧がほぼゼロ(すなわち架線111が停電状態)となったとき、リレーボックス87からケーブル89を介して地上子21に制御信号が送られ、地上子21の端子接点部23がOFF(開)となる。
なお、一般の電車等、架線電圧を検知する機能をもった車両については、運転士に対し、停電時間の長さに応じて停電警報を発信する装置や、無加圧状態で力行指令を出した場合に警報を発信する装置等を追加すると、運行障害発生時における停電や異常をより正確に察知することができる。これらの装置を追加した場合は、万一、列車無線の緊急の音声放送又は防護無線の警報音を早期に受信できなかった場合における、緊急停止情報伝達手段の補助機能をより多くもたせることができる。
ところで、前述の各実施例では、既設のATSの有する、地上・車上間の伝送システムと車両の自動制動システムと組み合わせて構築された車両制動システムについて説明したが、これと同様にして、例えばATCのような、保安装置として軌道回路を使用するシステム等と組み合わせた車両制動システムを構築することもできる。
この場合、ATSの地上子に相当するものが、ATCの軌道回路に相当し、運行障害情報又は停電情報を認識した場合に、停止に相当する信号を列車が走行する閉塞区間(ATC進路)に与えるような構成とすれば、同様に地上から車上に停止信号が伝送され、車両を速やかに停止させることができる。
以上、本実施の形態では、本発明に係る車両制動システムをATSシステムやATCシステムと組み合わせた場合について述べたが、これ以外にも、例えばJRの新幹線鉄道用の地震早期検知警報システムである『ユレダス』(前述の特許文献1(特公昭60−14315号公報)等を参照)等、他の様々な運行障害検知システムと組み合わせて構築することができる。
鉄道車両が走行する電化区間を模式的に示す図である。 鉄道車両が走行する非電化区間を模式的に示す図である。 本発明に係る車両制動方法の制動手順を説明するための図である。 同車両制動システムの基本構成を示すブロック図である。 同車両制動システムの伝送部の構成を示す模式図である。 同伝送部の地上装置の構成(既設ATSシステムの軌道側の構成)を示す図である。 同伝送部の車上装置の構成(車両内の機器設置構成)を示す図である。 本発明に係る車両制動システムの適用される直流電化区間を示す斜視図である。 同車両制動システムの構成を模式的に示す側面図である。 本発明に係る車両制動システムの適用される交流電化区間を示す斜視図である。 同車両制動システムの構成を模式的に示す側面図である。
符号の説明
1、1′ 鉄道車両 2 軌道
2a レール 2b 枕木
3 トンネル 4 鉄橋
5 架線 6 特殊信号機
11、21 地上子 15 閉塞信号機
17 地上子制御継電器 23 端子接点部
30 運行障害検知センサ
31 地震予知計 32 地震計
33 崩落検知センサ 34 雨量計
35 水量計
41 車上子 45 受信器
46 発振増幅部 47 帯域ろ波器
48 制御継電器部 51 警報器
53 表示器 55 復帰スイッチ
57 確認ボタン 61 ブレーキ弁
63 ブレーキ機構 65 制御機構
66 電磁弁 67 D形吐出弁
70 電圧検知センサ
71、79 ケーブル 73 電気抵抗
77 リレーボックス
80 電圧検知センサ
81、89 ケーブル 83 静電電圧検知センサ
87 リレーボックス
90 静電アンテナ
111 架線
p1〜p5 停止定点
I 指令所 M モニタ盤
T 変電所 B 遮断器
Os 信号出力ON/OFFスイッチ Vs 電力供給/遮断スイッチ

Claims (13)

  1. 運行障害発生時に電化区間の軌道上を走行する鉄道車両を制動する方法であって、
    運行障害発生を知らせる通報、又は、運行障害発生を検知するセンサの作動した情報を受けて、指令所内の指令員が運行障害状況の発生を知ったとき、該指令員が、前記電化区間の架線の電力供給停止指令を行い、
    この指令による電力供給停止に連動して前記車両を制動することを特徴とする車両制動方法。
  2. 前記電化区間の架線の電力供給源である変電所に、電力の供給/遮断を切り換える遮断器を設置し、
    前記指令所内に、前記遮断器を遠隔操作するスイッチを設置し、
    前記指令員が前記スイッチを操作して前記電力供給停止指令を行うことを特徴とする請求項1記載の車両制動方法。
  3. 前記電化区間が交流電化区間であり、
    前記車両に、前記架線の交流電圧(磁界)を非接触検知して前記架線の電力供給停止状況を検知する静電アンテナを設置し、
    この検知に連動して前記車両を制動することを特徴とする請求項1又は2記載の車両制動方法。
  4. 前記電化区間の架線の電力供給停止状況を検知する電圧検知手段を地上側に設置するとともに、前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送する運行障害情報伝達手段を設置し、
    前記電圧検知手段が、
    前記架線と前記軌道とを繋ぐケーブルに組み込まれた電気抵抗と、
    該電気抵抗の電圧降下量(端子間電圧)から前記架線の電圧を検知する電圧計と、
    を備えており、
    前記電圧計の検知電圧が所定値を下回ったとき、前記運行障害情報伝達手段が前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送し、
    この伝送に連動して前記車両を制動することを特徴とする請求項1又は2記載の車両制動方法。
  5. 運行障害発生時に走行区間の軌道上を走行する鉄道車両を制動する方法であって、
    運行障害発生を知らせる通報、又は、運行障害発生を検知するセンサの作動した情報を受けて、指令所内の指令員が運行障害状況の発生を知ったとき、該指令員が、前記軌道から前記車両へと運行障害情報信号を伝送する運行障害情報伝達手段の信号伝送指令を行い、
    この指令による信号伝送に連動して前記車両を制動することを特徴とする車両制動方法。
  6. 前記指令所内に、前記運行障害情報伝達手段の運行障害情報信号の出力を遠隔操作するスイッチを設置し、
    前記指令員が前記スイッチを操作して、前記信号伝送指令を行うことを特徴とする請求項5記載の車両制動方法。
  7. 前記運行障害情報伝達手段が、自動列車停止装置の地上子(ATS地上子)を備えることを特徴とする請求項5又は6記載の車両制動方法。
  8. 前記運行障害情報伝達手段が、自動列車制御装置の軌道回路を備えることを特徴とする請求項5又は6記載の車両制動方法。
  9. 前記センサが地震予知計であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両制動方法。
  10. 前記センサが地震計であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両制動方法。
  11. 前記センサが水量計であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両制動方法。
  12. 前記センサが風速計であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両制動方法。
  13. 前記センサが崩落検知センサであることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両制動方法。

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